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2016/07/31

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  • ありがたい少雪

    湖は全面氷結しました。こうなると、水鳥たちはこの湖で一か所だけ凍らない場所を知っていて、みんなでそこへ移動します。その凍らない所とは、この大沼と隣の小沼との狭い接続部分で、絶えず水流があるために冬の間中氷結を免れているのです。しかし、なぜここに水流がおこるのかわかりません。土地の古い人に訊いても「大昔からそうなんだよ」というだけで誰もわかりません。大沼小沼の二湖の高低差なのかな、と思ったりするのですが、両湖とも凍っているのだから、それは違うのかなと思ったり、いろいろ考えを巡らせました。「よし、今度こそしっかり調べてみよう」と決心してからはや20年以上の歳月が流れてしまい、今ではその情熱も薄れ「鳥たちにとって良いことはそれでいいじゃない」となりつつあります。歳をとるのも良いことですよ。今年は今のところ降雪が...ありがたい少雪

  • 森に冬がきた

    12月に入ってからは、ぐんと冷え込んできました。まちがいなく、北海道の冬です。朝はうっすらと雪が積もっていますが、日中それが少し解け、しかし夜半からまた降り出します。こんな日が繰り返されて、いつの間にか根雪になっていきます。4月に再び土が見られるまでの長く寒い冬、この間はどうしても人の活動は鈍くなります。大雪にでもなったらほとんど動けませんので。しかし逆にじっくりと、ものを考える時間はできますから、希望の春から始まる、向こう1年の楽しい計画を練るのもこの時です。さあ今年はどんな冬になるのでしょう。今日は国際ボランティア・デーです。あまり知られていないのですが、国連やWHO、ユネスコなどの国際機関が定めた記念日です。ですから、世界中でボランティア活動に関するさまざまなイベントが開催されています。残念ながら日...森に冬がきた

  • 冬がくる

    朝起きると地面が白い季節になりました。白いものは霜であったり雪であったり、それは日替わりです。小屋から見える北海道駒ケ岳も横津岳も、山頂付近はうっすら白くなっています。湖に降りれば、すでにシベリアから渡って来ているオオハクチョウの姿が観られるはずなのですが、このところなんやかんやと忙しく気持ちに余裕がありません。まあ、根雪が来るまでにはまだ10日ほどあるので、一段落したらゆっくり湖畔道でも歩こうと思っています。昨日、詩人の谷川俊太郎さんが92歳で亡くなりました。谷川さんの詩は、絵本の世界でずいぶんと使わせていただいただけに、残念でなりません。谷川さんの詩はとにかくわかりやすかったのです。どんなに難しいことでも、柔らかく平易な言葉で伝えてくれました。まるで、口にした言葉がそのまま詩になってしまうような感覚な...冬がくる

  • 紅葉のピーク

    10月も今日で終わります。森の紅葉は予想より5日ほど遅れて今日がピークとなりました。これから木々は、ひたすら落葉しながら冬に向かってまっしぐらに進みます。今秋は数年ぶりにドングリが豊作です。そのせいもあってなのか、ヒグマの出没が少ないのです。この辺りのヒグマはドングリを主食にしているので山奥で十分のドングリ収穫ができれば、わざわざ里まで降りてくる必要がないのでしょう。このまま静かに冬眠までいってほしいものです。また今日10月31日はハロウィンです。もうすっかり子どもや若者たちの生活に定着して、年中行事のようになりました。もともとは、紀元前からイギリスにあったお祭りのようですが、アメリカで広まったとのことです。その意味は日本のお盆のように、亡くなったご先祖たちが現世に戻って来るお祭りです。日本でハロウィンが...紅葉のピーク

  • 森にも選挙が

    2~3日前に真っ白な雪虫がふわふわ舞っていたなと思ったら、今日は森に霜が降りました。もう朝晩は一桁の気温となっています。道央ではすでに初雪の便りも聞かれます。そんな冷え込みのなかですが、今年の紅葉はあまり進んでいません。大沼の紅葉の見ごろは、予想では25日となっていましたがかなり遅れそうです。初秋に暖かい日が長く続いたせいなのでしょうか。明日は今日の冷え込みとは逆に、また暖かくなるようです。函館の最高気温が20℃を超える予想になっていますから、着る物の調整を考えなければなりませんね。この森にも遥か遠くから、スピーカーの怒鳴り声が伝わってきます。そうです。選挙なのです。テレビなどで候補者のお話を聞く限りでは、みなさん出自も経歴もそして人相も本当にすばらしい方々ばかりです。ですから、どの方に日本を任せるにせよ...森にも選挙が

  • キノコの森

    ちょっと忙しくしていたら、あれよあれよという間に日が過ぎて、9月も残り3日となってしまいました。森の中は、樹々の葉が茶や黄に色づき始めて、いよいよ秋深しの感になってきました。もう一週間もすると、ウルシやツタに紅みがでてくるのでしょう。あれほど賑やかに咲き誇っていた花たちもすっかり姿を消して、今は野アザミが道端に淋しく残っているだけです。そんな森に花たちに代わって現れたのがキノコです。これからは自分たちが主役、とばかりに元気いっぱいです。キノコは見た目きれいで、いかにも美味しそうなのですが、毒を持っているものがかなりあります。ちょっと触れただけで酷いかぶれになることもあるので要注意なのです。毎年キノコを食べて何人かは死んでいますから、素人は観て楽しむだけにしたほうが無難です。このキノコ、成分は細菌、つまりカ...キノコの森

  • 長生きの秋

    森はもう、うろこ雲の浮かぶ秋空になりました。朝晩はグッと冷え込んで、昨日は今季初めて小さなストーブをつけたぐらいです。来週は一桁気温の予報もでていますから、いよいよ本格的な暖房の準備が必要です。しかし、内地ではまだまだ暑い日が続いているようです。2~3日前には福岡県のある市で40日間35℃超えの猛暑日が続いていると報じられていました。これはもう、日本は完全に熱帯気候になったのでしょうね。台風は矢継ぎ早に発生していますが、ありがたいことにこちらにはきていませんし、列島からもそれているようです。ただし沖縄や奄美は直撃されている場合もありますから、同じ国として気の毒ですね。昨日はケーローの日でした。100歳以上の高齢者が9万5千人超えだそうで、もうじき10万人になるそうです。そのうち女性は9割とのこと、やはり強...長生きの秋

  • 台風と戦争

    昨日は夜半から、それこそバケツをひっくり返したような大雨が降り、この小屋の屋根が抜けるのではないかと、本気で怖くなりました。今日は昨日とはうって変わって薄曇りのなかでも、時々日の射す穏やかな一日でした。しかし、山道は昨日の豪雨でひどく削られてしまい、三本ある道は二本が通行止めになってしまいました。山道は復興に時間がかかりますから、暫くは不便な状態が続くのを覚悟しなければなりません。そしてまた台風10号とやらがゆっくりと北上しています。しかも勢力を増大させながらですから、困ったものです。テレビで見る限りでは、内地で大きな被害がでそうです。ちょっと前までの認識では、台風というものは日本列島に近づくに従って徐々にその勢いを下げていくもの、そして上陸したらじきに過ぎ去って、爽やかな青空が広がるものと思っていました...台風と戦争

  • のんびり台風

    三連休の最終日は、台風の接近で大風雨となっています。この森はかなりの大雨でも、災害が発生することはまずありません。それだけ地面の水吸収率が高いので、雨に関してはほぼ安心していられます。ただ、大風には絶えず恐怖心をもっています。それはこの小屋の周囲にギッシリと30m超の高木が生えていて、それが一本でも倒れたら小屋は簡単に潰れてしまうからです。北海道にはめったに来ない台風ですが、稀に本州を縦に抜けて日本海へ出てからUターンして北海道へ上陸するものがあります。このパターンでは、必ずといってもいいほど災害がおこります。ですから、今回の5号は大丈夫なのかと心配です。心配といえば日本列島に頻発している地震のことです。数日前に南九州で大きな地震があって、南海トラフに注意との警告がありました。すると2~3日後に関東で大き...のんびり台風

  • 蝦夷梅雨が明けたのに

    相変わらず、どんよりした曇りがちのお天気が続いています。もう北東北も梅雨明けしたのですから当然蝦夷梅雨も明けたはずなのに、この道南にはいっこうに晴れの日が訪れません。目が覚めたら青空に陽射しが眩しい、なんて朝はもうとおに忘れてしまいました。かといって、しっかり雨が降るでもないのです。この少雨はこの辺りの農業者にとっては、危機的なのではないでしょうか。逆に内地からは、40℃に迫る高気温と局地的豪雨が交互にやってくる、たいへんな日常が伝えられています。この数年で日本列島の気象は、まったくおかしなことになってしまいました。しかしいっぽうで、外国はどうなのでしょう。海外諸国の異常気象についての情報はあまり伝わってきませんね。日本は酷いほうなのでしょうか。そういえば、異常気象とは少し違うけれど、温暖化による海面上昇...蝦夷梅雨が明けたのに

  • 食い意地

    相変わらずハッキリしないお天気が続いています。気温はグングン上昇しているので、湿気と汗でジメジメとベタベタの日々です。それでも本州のことを考えるとまだ良いほうです。かの地では熱中症で、老いも若きもバタバタと倒れて運ばれていくようすが報道されています。特に年寄りはエアコンをつけないで、室内で熱中症になるケースが多いそうです。年寄りはエアコン嫌いといわれていますが、実のところ電気代が大変で使わない人が多いのです。確かに一日中、寝てる間もエアコンつけっ放しだったら、ひと月の電気代は半端ではありません。その電気代もしょっちゅう上がっていますから、年寄りは食費を削るしかないのでしょう。ますますエンゲル係数が上昇していきます。「年寄りは早ういけ!」ってなもんでしょうか。しかし年寄りは意外としぶといのです。今年も24日...食い意地

  • 暗い蝦夷梅雨

    毎日が雨です。まさに蝦夷梅雨まっさかりといったところです。本州各地では、局地的豪雨が発生したかとおもったら、40℃近いカンカン照りになったりと、たいへんなことになっているようです。昨日も多くの老人が熱中症で運ばれて、亡くなっています。まだ梅雨が明けていないというのにこの状態では、真夏になったらいったいどんなことになるのでしょうか。そら恐ろしくなります。どうやらこの異常気象はこの先も続いていき、常態化するどころかさらに激しくなることが専門家によって伝えられています。この森に住む我々でさえ、この数年の気候変動はもはや漠然とした概念ではなく、生活に具体的な変化をもたらしています。植生の変化は野生動物の食料の減少をひきおこし、それを求める動物たちが、従来ハッキリ住み分けられていた人と生きものの境界を越えて人居住エ...暗い蝦夷梅雨

  • 昭和新山

    夏至が過ぎて、昨日やっと東北北部が梅雨に入りました。入梅が平年より二週間も遅く、先に夏がきてしまったという稀な年だそうです。もはや珍気象、奇現象、なんでもあれの日常になっていますから、驚くほどのことでもないのですが、統計的に遅い梅雨の時期は豪雨災害が発生しているとのことなので、こちらが心配です。ちょっと前までは、災害があっても「想定外で~す」といえば言い訳になっていた当局も今はこれでは通用せず、なにか新しい言葉を考えなければなりません。たいへんな時代になりました。昨日6月23日は80年前に昭和新山が誕生した日です。北海道の洞爺湖近くの壮瞥町の麦畑が突然大噴火を起こし、あれよあれよという間に地面が隆起して、一年ほどで標高400mを優に超える立派な山が出現しました。実はこの地では、大噴火の半年前から有感地震が...昭和新山

  • 夏がきたのかな

    6月に入ってから長いこと雨天曇天が続いていました。10日以上も暗い日が続くと、さすがに気持ちも暗くなり動作も鈍くなります。しかしやっと昨日晴れ間がでて、青空がみられました。今日もなんとかその状態を維持しています。カラッとした快晴は望めなくても、少しでも青空がみられておてんとうさまが顔を出してくれたら、もうそれだけで人も生きものも植物も大喜びです。明後日まではこんな曇り時々晴れの予報がでているので、その間にできるだけ外へでるようにしようと思います。やっと夏らしくなったので。それにしても人の気持ちが、こんなにもお天気に左右されるとは、若いときには考えられませんでした。若い時は晴れでも曇りでも雨でさえも、あまり気にせず気温のことだけに関心があったように思います。今は、気温はもちろん空の明暗や湿度に身体も心も敏感...夏がきたのかな

  • まぎらわしい6月

    早いものでもう6月に入りました。大きなレンゲツツジが、今を盛りと咲き誇っています。6月といえば本州では梅雨の月、ジメジメベトベトの1年でいちばんうっとうしい季節です。北海道には梅雨がないといいますが、この道南では本格的な梅雨ではないものの蝦夷梅雨などと呼ばれるどんより曇り空に小雨の続く小梅雨があります。これによって植物たちはグングン成長していきます。それにしても6月を水無月というのは不思議です。一年でいちばん水に関わりがが深い月なのに、水の無い月というのですから。ものの本によれば、雨が降り過ぎて天に水がなくなることから、このように呼ばれることになったとあります。昔の人は梅雨を殿上人の立場で考えたのでしょうか。そうそう、水無月といえば白いお餅(ういろう)に甘い小豆をしっかり乗せて三角形に切ったあのお菓子を想...まぎらわしい6月

  • 森と戦争

    この2~3日は降ったり止んだりのハッキリしないお天気が続いています。しかし、暑からず寒からずの心地よい安定した気温のおかげで、快適な日々が送れています。雨が長引くと、ついつまらないことを考えて、くよくよしがちですが、それも雨上がりの植物の元気さを観ると、いとも簡単にすっ飛んでしまいます。人間のメンタルは案外単純なもののようです。チューリップは早く咲いて、短い期間に散ってしまうものと、遅く咲いてかなり長期間、花を保つものとがあります。種類の別なのか土壌の違いなのか良くわかりませんが、花は一日でも長く咲き続けてほしいです。この森にいても、あさイチの目覚めのニユースは戦争のことと政治腐敗のこと、嬉しいニユースといえば昨日大谷君がホームランを打ったことだけです。もし大谷君が故障でもしたら、日本はいったいどうなるの...森と戦争

  • ソメイヨシノ終了

    今年も待望の桜の季節がやってきて、ソメイヨシノが一斉に華やかな薄紅色の花をつけ、まるで雲海のように空間を埋め尽くしました。そして一週間もすると今度はドーッと一斉に散りだして、今はなにもありません。このソメイヨシノの花の動きが、特に散り際の潔さが、古くから日本人の生き方の美学とされてきました。それ故に「サクラ散る」という言葉がたいへん意味深く、まるで「大和魂」のように語られてきたのですが、じつはそれは大間違いなのです。ソメイヨシノは明治になってから、染井(駒込辺り)の職人さんが創り出した新種でそれ以前にはなかった桜です。江戸時代は山桜が主だったから、花はけっこう長い間咲いていたようです。また江戸時代以前の歌人たちが詠んだ「吉野の桜」はもちろん山桜ですから、ソメイヨシノとはまったく別ものです。どうやら、明治に...ソメイヨシノ終了

  • 花たちの主張

    このところ朝は曇りか雨、お昼前にちょっと晴れて青空が覗き、午後はまた曇って降る、こんな日が続いています。花たちは、お昼前のわずかな晴れ間の陽射しを待って、一斉に花びらを大きく広げます。そして、人間が近ずくと、わいわいがやがや喋りかけてきます。なにを言ってるのか分かるわけもありませんが、雨が多すぎるとか、急激な気候変動に対する不平不満などでしょうか。この花たちの喋りは人間だけではなく、森に生きる動物たちにも絶えずおこなわれているはずです。それによって、動物たちは多くの情報を得ているのでしょう。人間の話しかけで、植物が反応することは古くから知られています。それは植物に電極をつけて発生する電気信号を測定することで証明されています。人が穏やかに話しかけると、緩やかなは波形を示し、怒って怒鳴ったりすると険しい急峻な...花たちの主張

  • 変化する森

    昨日は久しぶりに終日雨が降り続き、まとまった量の水が若い植物たちを潤しました。今日は雨はやんだものの、どんよりした曇り空です。天気予報を見ると、向こう一週間は曇りの多いハッキリしないお天気が続くそうです。ただし、気温は例年より高く推移するとのことで、桜の開化予想も前倒しになりました。松前町はすでに16日に記録的に早く開花していますし、札幌は19日、函館は20日になりました。ちなみに、札幌が函館より早く開花するのは12年ぶりの珍しいことなのだそうです。地球温暖化による異常気象はもはや生活のさまざまな部分に変化をもたらしています。特にこの北海道南部の気候は東北地方とさほど変わらないものになっていると思われます。今ごろから4月にかけてのぐずついたお天気も、本州の「菜種梅雨」によく似ているし、本州で6月の本番の梅...変化する森

  • 花だらけの森

    4月に入ってからも春らしい暖かい日が続いています。湖に降りてみると、の~んびりと泳ぐオオハクチョウの姿がありました。たぶんこの湖で越冬したグループではなく、内地の湖で越冬してシベリアへ戻る途中で一休みしているグループと思われます。これからさらにに長い行程ですから、ここでゆっくり休息をとって、しっかり食べていってほしいです。そして冬にまた会いましょう。フクジュソウが満開です。「福寿草」なんて、もちろん誰がつけた名前か我々は知るよしもありませんが、早春に雪を割るようにして、いきなり緑葉より先に黄色い花が力強く開くようすは、まさに縁起のよいものに思えたのでしょう。長い冬を雪の下で過ごした人特有の感慨が表れた名前ですね。我々はこの花を別名「雪割草」などといいますが、正確には「雪割草」はサクラソウに似た別の花がある...花だらけの森

  • ほんとうの春始まる

    3月の最終日は快晴です。気温もグンと上昇して、プラス6℃までになりました。湖面を覆っていた頑固な氷は、薄くなって割れてきました。こうなると加速度的に湖氷は融けだし、アッと言う間に春の大沼が現れます。久しぶりに水の張った湖が見られると思うと、嬉しくなります。岸辺近くの湿地帯では、もう水芭蕉の赤ちゃんが顔をだしていました。それでも今年は三月に何度も大雪が降ったので、雪解けが遅く花たちも少し遅れた出現になっています。その分だけ、重い雪の下で頑張っていたのでしょう。水芭蕉は長い間咲き続けますから、これから暫くの間はその成長と変化が楽しめます。クロッカスの赤ちゃんも現れました。この森で、雪解け後の土から最初に見られる花は、クロッカスかフクジュソウです。通常、クロッカスといえば群生しているイメージがあるのですが、最初...ほんとうの春始まる

  • 雪解け

    彼岸が明けると急に暖かくなりました。やはり古くからいわれてきたように、彼岸が気候の切り替え点です。いよいよ森も本格的な雪解けシーズンの到来です。駒ケ岳をすっぽり覆っていた雪が解けだして、数か月ぶりに山頂の岩肌が現れ、山全体がまだら模様になっています。駒ヶ岳に通じる小川はこの辺りに多数あります。山の雪解け水はこの小川に溢れ、そして勢いよく大沼へ流れ込みます。水辺でフキノトウのういういしい姿が、たくさんみられました。もう鳥たちの声も飛び交っていて、あゝほんとうに春がきたのだなと実感しました。春先のこの希望的な光景は、もう数えきれないほど観てきましたがその都度感動して、元気をもらっています。これは季節の変化にというよりも、人は新しい命に触れて感化される本能を持っているのかもしれません。たしかに、誰もが赤ちゃんを...雪解け

  • 春の大発見

    今週になってからやっと雪解けが始まり、少しずつ春の兆しが見えてきました。動物たちの動きが急に活発になっています。雪が落ちて土が露出した斜面には、生きものや鳥たちが集まって、土中の虫などの食べものを探します。一番早く出現する春植物は、やはりフキノトウです。歩きながら眺めていると、斜面の枯れ葉の下に僅かに緑が見えたので、上の枯れ葉を2~3枚取り除くと、思ったとおり可愛いフキノトウの赤ちゃんが顔をだしました。なんとも嬉しくなり、その周辺の枯れ葉をそ~っと静かに剥がしながら探してみると、さらに3ケの赤ちゃんフキノトウが見つかりました。これは、長い冬の終わりと希望の春を告げる大発見でありました。来週は早くも彼岸入りです。雪解けが一段と加速されていくことでしょう。もともと彼岸は神道の行事で、仏教の行事ではありません。...春の大発見

  • 連絡船

    先月の終わりから今日までひたすら雪が降り続いています。せっかく3月が来たというのに、なんということでしょう。おかげで、すっかり真冬の風景に戻ってしまいました。今冬は雪も酷い寒波も少なく「こりゃ~楽な冬だなぁ~」とたかを括っていましたが、やはり北海道の冬は甘くはなかったのであります。今のところ列車は普段通り走っていますが、航空機には多くの欠航便がでているようです。やはり彼岸明けまでは、油断禁物といったところでしょうか。交通便といえば、この森を出て20キロ程西へ走ると噴火湾沿いの森町漁港に到着します。この港は江戸時代末から昭和初期までニシンの一大漁獲地として栄え、函館や周辺の村々から大勢の出稼ぎ人がやってきて、それはそれはたいたいそうな賑わいだったそうです。明治になった翌年に、国は道南に偏っていた北海道開発を...連絡船

  • 越冬キャベツ

    今年は暖かい冬、などと油断していたら、この数日グッと冷え込んできました。まるで、ちょっと持ち上げてからいきなり落とされたようで、その落差の大きいぶんだけ老体にはこたえます。それでも雪が少ないので、動くには楽ですが道路は完全にアイスバーンになっています。いつもなら3月に入ってからこのような三寒四温といった気候になるのですが、今年は半月も早くきたようです。そのぶん3月は早く暖かくなるのかもしれません。期待してしまいます。内地では今は春キャベツの時期です。春キャベツは独特の丸みがあって、フワッと軟らかく巻かれています。葉は中のほうまで緑色で柔らかく、甘味があります。ですから、新玉ねぎと同じく春キャベツの出るのを楽しみに待っている人も多いです。北海道の今は流通が進んだおかげで、もちろん春キャベツはありますが、スー...越冬キャベツ

  • 遺跡

    ありがたいことに、今月に入ってからも、暖かい日が続いています。積雪も例年の半分ぐらいでしょうか、とはいってもこの森は標高が高く、それなりにしっかり積もってはいますが。今日11日は建国記念日とのことです。日本の建国っていつのことかと思っている人は多いのでしょう。紀元前660年の今日、神武天皇が即位されたのです。日本書紀にそう書かれているそうですが、それは日本書紀が書かれた千年以上も前のことですから、ほんとうのことはわかりません。紀元前660年といえば今から2684年前で、ホモサピエンスの青年期といわれ世界中で精神文化が沸き上がったころです。日本ではちょうど縄文時代から弥生時代への移行期です。列島に渡来人がドッと押し寄せてきて、さまざまな技術とともに富の蓄積と戦いを持ち込みました。それ以降この列島は騒乱の列島...遺跡

  • 不気味な暖冬

    森は相変わらず気温高めの日が続いています。この10日ほどの間にドカ雪が2度ありましたが、それは高気温のせいで重く湿った、たいへんに扱いにくいものでした。いつもの年なら真っ白な横津岳も、ところどころしか雪がありません。ここには古くからスキー場が開設されているのですが、この調子では営業されているのかわかりません。どうやら残り4日の今冬の大寒は、らく~に終了しそうです。嬉しいやら、不気味やら、なんとも言えない感じです。地震発生からちょうど1ヵ月、地形的な背景もあってか、なかなか復旧のスピードが上がらないようです。そんな被災地の人々のたいへんなご苦労が伝えられているなかで、中央ではお偉い先生たちが、せっせと裏金づくりに勤しんでおられたことがわかってきました。しかもそれがバレても、多くの先生たちがなんら罰せられるこ...不気味な暖冬

  • 大寒なのに

    今日20日から大寒です。2月3日の節分までの15日間は、冬の中でも一番寒い日が続くのだな。と、身構えていたのですが、朝から雲ひとつない快晴、気温もグンと上がって日中はプラスにまでなりました。こりゃ~、なんとありがたいことでしょう。向こう10日間の天気予報を見ると雪マークはついておらず、しかもすべて日中はプラス気温になっていました。もしこの予報があたれば、1月いっぱいは暖かい日が続いて終了する、つまり今年の大寒は無しということなのでしょうか。嬉しいけど不思議な感じです。道で農家の人と立ち話をしました。それによると、北海道の冬はうんと雪が降って、グンと冷え込んで、凍土の中の虫たちが一度死んでくれないといい土ができない、つまりいい作物ができないというのです。なので、このところの暖冬によって野菜の質も収穫量も低下...大寒なのに

  • ワカサギ釣り始まる

    毎年今ごろになると湖面の氷が分厚くなり、釣り人待望の氷上ワカサギ釣りが始まります。今年も6日から湖面が解放され、各地から訪れた釣り人たちが早速小さなテントを張っていました。1月の湖面はかなり寒いです。しかも、陸上ではまったく無風の穏やかな日でも、なぜか氷上ではけっこう風が吹きます。そんな寒さをものともせず各地から来ている人達は、ほとんどが毎年のリピータだそうです。たぶんこの釣りには、他の釣りにはない魅力があるのでしょう。ただ今年かなりの暖冬で湖面の氷が薄いとのことで、エリアを限定しておこなっているようです。一歩間違えたら大変なことになりますから。地球温暖化はこんなところにも影響を与えているようです。となれば、この楽しい釣りもいつまで続くかわかりません。温暖化は知らずのうちに、ヒタヒタと人々の生活に入り込ん...ワカサギ釣り始まる

  • 明るく生きよう

    森は、暖かく雪の少ない穏やかな新年を迎えています。しかし昨日能登の大地震があって「明けましておめでとう」などとは、けして言えない状況です。当地の方々はなんと気の毒なことでしょう。よりによって家族の集まる元日に被災するとは。しかし、この国に住んでいるからには、絶えず「明日は我が身」の考えを持たなければならないのでしょうから、このところすっかり弛緩してしまった自分の心身に、ある意味で警鐘を鳴らしていただいたと思います。申し訳ありませんが。それにしても、これほど明るいニュースのない年明けは珍しいですね。マスメディアも困ってるらしく、各社共通であげているのが大谷君と山本君の活躍だけです。テニスの大坂なおみさんも復調のきざしがみえていますので、活躍期待できそうですよ。とにかく戦争が終わってくれなければ、この暗さから...明るく生きよう

  • カボチャがない

    この数日の冷え込みで、湖水は完全に凍結しました。来春までこんな色のない淋しい景色が延々と続くのですが、たまに晴日がやってくると、その時の空の色や雲の形によってガラリと感じが違ってきます。暗い殺風景なものが、明るい希望的なものに大変身するから不思議です。またそれが冬の楽しみでもあります。今日は冬至です。一年で夜がいちばん長い日ですから、明日からは日を追うごとに昼が長くなるわけです。なんと嬉しいことでしょうか。しかし、寒さはこれからが本番です。古くから、冬至といえば日本人はカボチャを食べてきました。それは今でも続いているのですが、カボチャを食べることにどんな意味があるのか、はたまた誰がいつから始めたのか、まったくわかりません。簡単にネットで調べたのですが、やはりはっきりしたことを書いているものには出会いません...カボチャがない

  • 暗い日々

    昨夜はいよいよ本格的な降雪がきて、今朝の森は真っ白に変身してしまいました。どうやらこの雪が今冬の根雪になりそうです。それでも、いつもの年より一週間も遅かったから、これも温暖化による異常気象なのでしょうか。この調子じゃ春もかなり早くきてれそうですが、単純に喜んでいる場合ではないのでしたね。今日、十二月十二日は「石川五右衛門」さんのお誕生日です。石川五右衛門といっても今の人なら「だれそれ?」「石川さゆりさんのお爺ちゃ~ん?」といったところでしょう。しかし、この人の末裔は誰一人として現代にはいません。というのも、五右衛門の一族郎党それに親族はすべて幼児に至るまで、お上によって窯茹でやその他の刑に処されているからです。ものの本によると、五右衛門は今から465年前(1558年安土桃山時代)に浜松で生まれています。や...暗い日々

  • クマが増えて人が減った

    約束どおり雪がやってきて、冬が始まりました。このところは明るい曇り日が続いていますが気温が低く、ときおり羽毛のような雪がふわ~と舞い降りてきます。その雪も、雲が割れて陽が差すとじきに解けてしまうので、まだ冬景色とはいえませんが無意識に「今年も来たな」と身構えてしまいます。こんな日がもう少し続いて、ある日ドカンとまとまった雪が降るとそれが根雪となり、来年の四月まで真っ白の世界になります。今年、この森からいちばん近い小学校が廃校になりました。もうこの十年で近隣市町村の廃校は、数えきれないほどの多さです。自分は子どもに係わる活動をしているので、時々小学校などを訪れるのですが、どちらも一学年は一クラスしかなく、生徒数は十名を切るぐらいしかいません。ですから、全校で六十名もいれば多い方です。なかには、全校で五名とい...クマが増えて人が減った

  • 晩秋のゆううつ

    すっかり冬のような景色になりました。樹木の葉が落ちて、枝の間の見通しがよくなったので、今からは雪が降るまでの短い間ですが、鳥たちの動きが良く観察できます。湖畔道に、各地から長いレンズを持ったバード愛好家たちが集まってくるのもこの時季です。すでにオオハクチョウは飛来していると思われますが、確認はしていません。風景も生きものも、一直線に冬へと突き進んでいるようすは、なぜか人の心に、追われるているような焦りと淋しさを感じさせます。やはり慣れているようでも、冬の厳しさが頭をよぎるのかもしれません。今日は勤労感謝の日ですが、北海道は厳しい現実を突きつけられています。ホタテなどの水産物がストップしているからです。貝類は冷凍保存してもあまり長くはもたないそうです。少し前には森町が全国の小学校の給食に、ホタテを無償で提供...晩秋のゆううつ

  • 冬ちかし

    この森の初雪は先週の土曜日でした。それからというもの、毎日短時間ですが小雪がふわふわ舞い降りる寒い日が続いていました。今日はそれが止んで日中少しの間、青空が覗けました。気温も10℃まで上がっています。立冬が過ぎて、来週はもう小雪です。いよいよ本格的な冬まで残るところ半月となり、道端で楽しめる植物はススキだけになりました。冬眠する生きものたちは、その準備におおわらわのようです。今日はなぜか「着物の日」なのだそうです。報道では着物で出勤する京都市役所職員が紹介されていました。そして「身がしきしまります」や「背筋が伸びます」などのコメントが述べられていました。また、日本人は、美しい自国の文化である着物をもっと着ましょう、との報道もありました。たしかに外国人が日本へきて最初に驚くのは、着物を着ている人がいないこと...冬ちかし

  • 落葉

    森の紅葉がピークを迎えてちょうど一週間です。この間、紅葉も黄葉も茶葉もすべて落ちて、スカスカな枝だけが並ぶ淋しげな景色になってしまいました。あの真っ赤なカエデのトンネルも、赤屏風のような並木もぜんぶ消えて、いきなり初冬の空気につつまれました。一瞬ですべてが変わる、まるで夢を見ているようですが、これが自然の力です。紅葉といえば、誰でも真っ先に想い浮かぶのは、良寛さんの辞世の句です。裏をみせ表をみせて散るもみじ良寛誰でも自分のことについては、他人にみせたい表の部分と、隠したい裏の部分があります。特に年取ると他人には表だけをみせようと、過去の自分を都合の良いストーリーに編集して語るものです。でも死ぬ時は、もうそんなことはどうでもいい、両面を自然にみせて散っていきましょう。この句はこんなふうに感じるのですが。いや...落葉

  • 紅葉盛り

    少し前からカエデ類が紅くなり、予想通り今日が紅葉のピークとなりました。去年より一週間ほど遅く、しかも紅葉豊作とはいえないかもしれません。それでも四方見渡す限り紅、紅の世界です。この森の紅葉時期は大変短く、ピークの翌日からザザーッと音をたてて落葉していきます。まるで、なにかに追い立てられるように。冬の足音はまだ遠くにありますが、雪虫が舞っていますので、初雪は近いのかもしれません。今日はうっすらと朝霜が降りていました。そんななかでも、元気におおきな花びらを開いて迎えてくれた花がありました。いつまでがんばるのか、見届けたいと思います。数日前に、日本のGDPがドイツに追い越されたとの報道があってビックリしました。以前から2025年ごろにはインドに抜かれると聞いていたのでまあしかたがない、なんせインドは日本の10倍...紅葉盛り

  • 急に雪

    この4日間雨が降り続いて、気温もぐっと下がりました。今朝の森の気温は2℃で、駒ケ岳も僅かに冠雪していました。すでに横津岳は昨日初冠雪しましたし、旭川では平地に初雪でした。札幌は今朝初氷だそうです。ちょっと前まで記録的な暑さだったのに、急にこの寒さですから夏から秋をすっ飛ばして、いきなり冬になったようなものです。体調管理がたいへんでオロオロしています。そんな人間をしりめに、冷え込んだ森の中でいまだに咲き続けている花がありました。なんと強いのでしょう。今年の紅葉はずいぶん遅いです。例年なら今頃が紅葉のピークなのですが、まだ七分といったところでしょうか。この調子では月末あたりが見ごろのようです。森の初雪も近そうですから、そうなれば紅葉に真っ白な雪が見られるかもしれません。ささやかな楽しみです。聞くところによると...急に雪

  • ドングリ異変

    秋が深まっています。朝晩はまだ二桁気温ですが、来週からは10℃以下の一桁気温になりそうです。やっとツタの紅葉が始まりました。今年は暑い日が続いたせいか、全体的に紅葉が遅くなっています。カエデ類が紅くなるのは、ずいぶん先のようです。この秋は、元気なキノコたちの姿がいつもの年より多く見られ、外歩きの人に楽しみを加えてくれました。そのキノコさんも、昨日あたりから急に少なくなりました。もうそろそろ終わるのかと思うと、少し淋しくなります。まあ、来年も間違いなく来てくれるのですから、それまでのことなのですが、最近の気象変動を考えるとちょっと不安になります。しかしそれよりも、自分のほうは大丈夫なのか、もっと不安になります。この秋はなぜか、ドングリがたいへん少ないのです。いつもの年なら今頃は、道いっぱい敷き詰めたようにド...ドングリ異変

  • イワシの日

    10月に入ったな、と思ったら急に涼しくなり、やっと北海道の秋らしい秋がやってきました。葉っぱたちも、そのまま落ちるものと紅くなるものとに分かれてきました。この森は落葉広葉樹林なので、最終的にはほとんどの葉が落ちてスカスカの樹木群になってしまいます。針葉樹としてはカラマツがあるのですが、これまた珍しい落葉針葉樹なので、常緑樹としては少ないトドマツだけになります。緑の少ない冬場はちょっと淋しいですが、そのぶん秋の紅葉はすばらしいものです。朝のラジオで「今日10月4日はイワシの日で~す」といっていました。語呂合わせでそうういことにしたようですが、ここ道南では以前あれほど獲れたイワシは、今はほとんどいなくなりました。代わってブリ漁が絶好調です。イワシは今は道東の釧路や根室で、サンマが獲れなくなった代わりに大豊漁と...イワシの日

  • 秋の楽しみ

    9月末になって、やっと秋らしい空と雲があらわれました。森の中をよく見ると、まだまだがんばって咲き続けている花たちがけっこういました。記録的な暑さが続いたせいかもしれません。野の花は、図鑑を見て名前を覚えようにも、なかなか探しあてられずに諦めてしまうことが多いです。また名前がわかっても、すぐに忘れてしまうことがこれまた多いです。近くの七飯町ではリンゴの収穫が始まっています。七飯町は日本で最初に西洋式近代農業を始めた土地で、特にリンゴの生産では津軽や信州にならぶ生産地となっています。農家の人と立ち話をしたのですが、今年のリンゴの収穫はほぼ例年並みだそうです。この町では6月に水力発電所でトラブルが発生して、田んぼに供給する水が停止してしまいました。水田は干上がりひび割れて大騒ぎになったのですが、みんなの工夫と努...秋の楽しみ

  • キノコの森

    日中は例年よりかなり暑い日が続いていますが、朝晩はグッと冷え込んで20℃を割る気温となってきました。もう秋の花は終わりに近づいています。花に代わって現れるのが元気なキノコたちです。名前はほぼわかりませんが、それぞれが生き生きと個性的で見る眼を楽しませてくれます。食べられるものもあるようですが、ド素人の半端な判断で毎年死んでいる人が何人もいますから、自分は一切採取せずに見るだけにしています。スーパーなどで売られているもの以外は、すべて毒入りと思っていれば間違いないでしょう。それにしても、食をそそられるものがけっこうあります。明日18日は「敬老の日」。老人とは65歳を過ぎた人とのことですから、今の日本ではたいへんな人数になります。この老人たちを敬いましょう、というのですがどんなことをやるのでしょうか。大手企業...キノコの森

  • 秋なのに

    朝晩は20℃ほどと、だいぶ涼しくなってきましたが、日中はまだ27℃もあります。この時季としては異常とも思える気温の高さです。今のところ高く晴上がった秋の空を見ることはほとんどなく、薄曇りのハッキリしない毎日です。今日は二百二十日。ありがたいことに、今年はまだこの森には台風はきていませんが、台風シーズンはまだまだ続きます。内地からはかなりの台風被害が伝えられています。しかも毎年拡大しているように感じるのですが、自然相手とはいえなんとか少しでも手を打つことができないのでしょうか。空が爽やかに晴れてくれないせいか、頭の中はどうにも暗くなります。朝いちばんのニュースといえば、小さい子を炎天下のクルマに残して死なせたとか、議員が風力発電で汚職したとか、ジャニーズの性加害とか、なんともいやな話ばかりです。大谷君のケガ...秋なのに

  • たいへんな秋

    長い長い暑い夏がやっと終わりました。森周辺の景色もすっかり秋らしくなって、トンボや蝶が飛び交っています。今年の夏は北海道観測史上最高温度の夏だったそうです。この森でも真夏日が数日あって、何年かぶりに物置の奥から扇風機を引っ張り出して回しました。リモコンは壊れていましたが、本体に問題はなく左右に首降りもできて、一夏中役に立ってくれました。この先、毎年使うことになりそうなので、出しやすいところにしまおうと思います。コロナも下火になり、記録的に暑かった夏も終わり、今のところ台風もそれているし、やれやれ久しぶりに穏やかな秋を迎えられるなと思っていたら、いや~たいへんなニュースが飛び込んできました。中国の日本海産物に対する輸入停止です。近年の道南はかって豊富に獲れたシャケ、イカ、サンマがまったくの不漁で、長いこと漁...たいへんな秋

  • 森も暑い

    日本中がうだるような暑さの毎日で、みんなぐったりしています。この森でも真夏日まではいかないものの、29℃の晴日が一週間も続いています。ただし不思議なことに、お昼ごろになると決まって大雨がドーンと降りだし一時間ほど続いてパッと止みます。その後は何ごともなかったかのように、またカンカン照りが戻ってきて暮れるまで暑さが続きます。まるで熱帯のスコールのようです。もうなんでもありの世の中です。暑い暑いといっても、植物はちゃんと季節を心得ていて、準備を怠りません。最初に紅くなるのは、ウルシとツタです。こんなにクソ暑いけど、来週はもう九月なんですよね。少し前のニユースですが、2万8千年前のアラスカの氷が融けたら、氷の中にいた線虫(1mmぐらいの虫)がいきなり動きだしたというのです。かなり前に、同じように何万年も凍ってい...森も暑い

  • 台風がそれた

    台風がそれて、今日は爽やかな青空です。当初は日本海に抜けた台風がまともに北海道にあたってくる予想になっていたので、かなり心配しました。昨日は風は強かったものの、木々の細い枝が折れるぐらいで、倒木はまったくありませんでした。夕方「台風はそれていきました」とのアナウンスを聞いてほっとしました。なにしろここで怖いのは倒木です。自然の森なので木々は細くて高いのです。そして土壌は度重なる駒ケ岳の噴火のせいで、ほとんど火山灰層になっていますから、根っこのグリップは脆く弱く倒れやすいのです。逆に水はけの良いこの土壌は、かなりの大雨にも対処できるので雨台風には心配はいりません。この小屋でいちばん怖いのは、駒ケ岳の噴火です。火口から半径4km内のチョット危ないエリアに入っているので、ドッカ~ンと大噴火が起きようものなら、一...台風がそれた

  • 山の日です

    この数日、雨の降らない安定したよいお天気が続いています。おかげで気温はグンと上がっていますが、ありがたいことに真夏日になってはいません。それは、小屋の回りは高木がうっそうと茂っているから直射日光が当たらないことと、山麓の斜面である程度の標高があるせいだと思われます。函館や厚沢部では昨日、史上初の35℃超の猛暑日を記録して、みんなぐったりしているようです。さぞかし年寄りにはきついのでしょうと思ったら、逆にある歳を超えたらもう、暑いも寒いもよくわからなくなるらしいので、そこまでの辛抱のようです。自分はどっちなのかな。今日は「山の日」です。この小屋は北海道駒ケ岳の麓にあります。おかげで夏は涼しく、しかし冬は寒く、野生の動植物といっしょに楽しく暮らしています。自分は「山の日」だからといって、なにか特別なことをして...山の日です

  • 秋のけはい

    8月に入るとさすがに30℃を超える日はなくなりました。今年の夏は先月に2日ばかり真夏日があっただけで、もうこの先は暑さのぶり返しはないものと思われます。まあ、夏といってもこの森では残るところ2週間しかありません。お盆を過ぎたら日を追って秋の風景に移行していきます。現に今月になってからというもの、植物たちは一斉にその準備を始めています。すでに葉を落としだしたものもあって、森全体の景色がしっとりと落ち着いてきました。来週はもう立秋です。しかし本州各地では、連日記録的な暑さが続き、多くの熱中症で亡くなった人が伝えられています。そしてまだまだ暫くはこの暑さが続くとのことです。コロナがなんとか終わったと思ったら、豪雨災害があって、今度はこの暑さ危機、そしてすでに大きな台風が発生していますから、9月が怖いです。こんな...秋のけはい

  • 「ナラ枯れ」が来た

    昨日、この森で今夏初めて気温28℃に達しました。暑かったです。何するにも汗だくでした。そして今日も27℃あるのですが風があるので、体感的にはずいぶんらくです。これでも森は樹木がうっそうとしていて、直接日が当たらないぶん平地より2~3℃下がりますから、かなり助かります。近くの町ではゆうに30℃を超えていて、地獄だそうです。そしてさらに、向こう2日は30℃を超える予想がでています。こりゃ~どうやら8月になっても続きそうで、町の人々にとってはまさに命がけの生活です。そんなことを思っていたら、なんと昨日帯広で36℃になったとのことです。地球はどうなっているのでしょう。自分は、なんとか無い知恵を絞って生き延びなくては。この森では一週間ほど前から、突然ドングリの木(コナラ、ミズナラ)の葉が茶変し始めました。そして今は...「ナラ枯れ」が来た

  • 暑い夏

    このところ雨の日は少なくなってきましたが、相変わらず曇り空の日々です。昨日は一時的ではありましたが雲が割れて青空が見られ、この小屋にも日が射しこんできました。気温はグンと上昇して今夏最高の28℃となりました。この森でこの気温はかなり熱く感じます。体はだるくなり、しょっちゅう水を飲んで過ごしました。しかし今日は薄曇りの明るいお天気で、25℃より上がらず少々風のある快適な日となっています。内地からの報道ですと、各地で連日大変な暑さが続いています。テレビなどではその日の暑さを表すために、さまざまな言葉が使われています。例えば「東京は真夏日になりました今夜は熱帯夜が予想されますので気をつけましょう」といったぐあいです。しかしこの森にいると、これがなかなかわかりにくいのです。うっすらと感じは掴めているのですが。そこ...暑い夏

  • 盛夏

    7月になったなぁと思っていたら、早くも中旬に入ってしまいました。残り1か月しかない北海道の短い夏は、今が盛りといえます。森では夏のピークを告げる色鮮やかな花たちが、咲きほこっています。その一方で、すでにトンボが飛び交っていますから、残り少ない夏を感じずにはいられません。本州ではまだ梅雨が明けていないというのに、これからがやっと本格的な夏がくるというのに、なんという日本列島の季節のギャップなのでしょう。今夏は北海道でも早い時季から気温が高く、各地で30℃を超えを記録していました。おかげで、札幌辺りではエアコンがずいぶん売れているそうです。ちょっと前の北海道では考えられないことです。やはり地球規模の温暖化の波が、この地にもヒタヒタと押し寄せているのでしょう。しかしこの森に限っては、今のところたいへん涼しい夏と...盛夏

  • クマがでた

    6月も残すところ2日となりました。森はあいかわらず曇り空が続いています。北海道では去年あたりから、クマが人間居住エリアへ出没するようになり、今年になってからはほぼ毎日どこかで目撃されています。そんな中、とうとうこの森にも現れたのです。森の入口付近でクマのフンが見つかりました。さっそく、役場の人がやって来て電柱に真っ赤な「クマ出没!危険!」の看板をかけていきました。防災無線でも「早朝や夕方は外出をしないように!」と流しています。いつも早朝散歩が楽しみだった自分としてはたいへん残念ですが、最後はクマにやられて死にたくないので、暑いのを我慢して日中に歩くようにしました。今月初めには近くの大沼キャンプ場にもクマが出て、それ以来閉鎖されています。来月には子どもたちが待ちに待った夏休みが始まります。でもこの調子じゃ、...クマがでた

  • 明日は夏至

    この2日間、嬉しいことに晴れ日が続いています。日中は気温がグングン上昇して、ちょっと動くとシャツ1枚でも汗ばむほどです。やっと夏らしい夏が感じられます。予報では明日も晴れとなっていますが、道南特有の蝦夷梅雨なるものはまだ明けるとは思えません。東北地方の梅雨明けが7月の20日過ぎですから、ここも来月の初めごろまではぐずついたお天気が続くのでしょう。この2~3日は中休みといったところでしょうか。早いもので明日はもう夏至です。ということは、明後日から日が短くなるってことです。ちょっと早すぎるし、なにか淋しいですね。夏至は冬至と違って、この日に特別に食べるものはないようです。農業者は梅雨の間に田植えを終了しなければならないので、忙しくてそれどころではないのでしょう。ただし、関西では田植えが一段落した半夏生(はんげ...明日は夏至

  • 廃駅、廃線、大丈夫

    最寄りの駅、といっても徒歩で40分はかかった「銚子口駅」がなくなって何年もたちます。駅のホームも無くなり、当時の名残を感じるものは何もありません。ただ、単線が二股に分かれているので、ここになにかがあったことだけはわかります。ただし、廃線ではなく廃駅なので、まだ日に何本かの列車は走っています。その証拠に線路の表面が光っています。当然、線路の保守や雑草取りはおこなわれているので、それほど寂れた風景ではありません。しかし、数年後にはいよいよ廃線になることが決定しているので、そうしたら草ぼうぼうになって、線路も埋まって見えなくなってしまうのでしょうね。よくある廃線風景のように。現在の全国の駅数は、9千駅を超えるそうです。しかしその数は年々減少していて、去年1年間だけでも廃駅は59駅もあり、そのうちの30駅が北海道...廃駅、廃線、大丈夫

  • みなづき

    相変わらず降ったり止んだりの暗いお天気が続いています。台風の影響なのか、昨日はこの地区に雷注意報がでていました。さらに、すぐ近くにクマのふんが見つかったことで、「クマ注意報」なるものもでました。早朝や夜間は外出自粛です。今年はクマの動きがたいへん活発で、札幌の小学校の敷地内にも現れていますから子供たちが心配です。あっという間に六月、夏に入りました。台風が来てもおかしくない時季です。毎日よく降るのに「水無月みなづき」とは、どういうことですか?なんて考えてしまいますが、その昔は「水の月」といった意味合いだったようです。十月の「神無月かんなづき」を出雲では「神在月かみありづき」といいますが、それとは少し違いますね。それにしても「水無月」「神無月」なんて、なんと風情のある表現なのでしょうか。昔の日本人の繊細で情緒...みなづき

  • 暗い雨の日

    相変わらず、ぐずついたお天気が続いていますが、昨日はいっとき雲が割れて懐かしい青空が覗かれました。今日はまた、早朝から雨降りの暗い々一日です。それじゃなくても、すでに小屋の回りは木々の葉がうっそうと茂り、陽が入りにくくなっているのですから、終日照明が欠かせません。今節、電気料金も上がっているで、たいへんです。ツツジ類が今を盛りと咲きほこっています。近くにあるのは、このレンゲツツジです。毎年元気に、大ぶりの赤や黄の派手な花をつけますので、これが咲くと野原が急に賑やかになります。ところがこの花には強い毒性があります。ですから、人間はもちろん馬や牛やコンチャンもたべません。その昔、子供がこの花の甘い蜜を吸って、危険な状態になったことが知られています。また大人でも、ミツバチがこの花から採取して作った蜂蜜を食べて中...暗い雨の日

  • 遺跡の宝庫

    相変わらず降ったり止んだりの、ハッキリしないお天気が続いています。しかしこの雨のおかげで、植物は緑を深め花たちは次々と開花していきます。野の花は全般に小ぶりで色も地味なものが多いため、車で走っていたのでは見落としてしまいます。の~んびり歩いていると、そこらじゅうが花畑になっていることに気づきます。たまに陽が差そうものなら、虫たちが花を目がけてブンブン飛び出してきます。この辺りは縄文遺跡の宝庫のような土地なので、縄文人たちもこれと同じ景色を見ていたのでしょうね。縄文時代は1万6千年前に土器を作る人々が現れて始まりました。土器ができたおかげで、煮炊きや貯蔵ができるようになって新しい生活様式が生まれたのですが、鍋以外の道具は相変わらず石器や骨の道具をつかっていたようです。土器がないといっても火は使えたのですから...遺跡の宝庫

  • 森の母の日

    立夏も過ぎて、日毎にあたたかくなってきました。気温は上がってきても陽が差すことは少なく、時々小雨のぱらつくはっきりしないお天気が続いています。いつも六月にやってくる、北海道南部特有の蝦夷梅雨が早くも始まったような感じです。あさっては「母の日」です。例年、大型連休が終わってボンヤリしている時期なので、なにげなく過ぎていくのですが、ちょっと気になってネットを見ました。すると、意外なことがわかったのです。ずいぶん昔からある「母の日」ですから、天皇関係の母様の誕生日か、歴史上の有名な慈愛に満ちた母様のことかと、自分は勝手に思い込んでいました。というのも「勤労感謝の日」が新嘗祭であったり「建国記念日」が紀元節であったりと、古来の祭りを現代の祝祭日に当てはめている例が多いのですから。ところがなんと「母の日」はアメリカ...森の母の日

  • シャケを食べる

    五月に入って、はや五日がたちました。ソメイヨシノは終了しましたが、ヤマザクラは今が盛りです。淡色の新緑の中に薄紅が混在して、なんとも爽やかな風景を創っています。野の花たちが、それぞれ日を追って順序正しく咲き出しています。それを観られる毎日の外歩きは、この時季いちばんの楽しみです。近くの町の野菜直売所では、キャベツやリンゴなどの越冬保存野菜の他に、どこからか運んできたキュウリやトマトが並んでいました。地ものの野菜はまだかなり先ですから、流通はありがたいものです。森の生活で最も大切なことは、食料確保です。自分は月に何度か近くの町の小さなスーパーへ買い出しにいきます。古い北海道人は、子どものころから体になじんでいるシャケやタラを食べなくては生きていけません。タラのことはもう十年前に泣く々諦めました。道南ではまっ...シャケを食べる

  • 森の桜は咲いたけれど……

    大沼湖畔の桜が咲きました。いつもの年よりかなり早い開花です。函館の五稜郭公園の桜も、例年より二週間も早く咲いたそうなので、早いのはここばかりでないようです。これまた地球温暖化の影響なのでしょうか。だとすると、早く楽しめるのだから遅いよりは早いほうがいい……などとのんびりしていてはいられないかもしれません。たしかに今年の雪解けはずいぶん早かったし、そのあとフキノトウが現れるのもかなり早かったです。街に住んでいる人々にとって気候の変化はあまり気になりませんが、自分のように山奥で暮らしている人は、気候はもちろんさまざまな自然環境の変化を日々体感しますから、ときには不安になることもあります。そういえば報道でも、今年の北海道の桜開花の早さは記録的なのだといっていました。最近の各メディアには記録的、史上初、壊滅的、な...森の桜は咲いたけれど……

  • 元気をもらう

    キタコブシが一斉に開花しました。まだ肌寒い空なのに、モンシロチョウが舞っているように見えます。森に春がきて最初に花をつける樹木は、このキタコブシです。毎年この時季に咲くものですから見慣れてはいるものの、葉がつかないうちにいきなり白い大きな花を掲げますから、やはり感動的です。キタコブシはハクモクレンとよく似ていて間違えられことがあります。自分も詳しくはわかりませんが、コブシの花はモクレンよりだいぶ小さいです。コブシは地方によって、さまざまな名前があります。松前では「ヒキザクラ」や「ヤチザクラ」と呼ばれていたそうです。内地では、「タウチザクラ」と呼ぶ地方もあるそうで「田打ち桜」、つまり田んぼの準備を始める目安なのです。古くから、人々の暮らしのリズムを刻む樹木だったのですね。ミズバショウが順調に育っています。大...元気をもらう

  • 春のだいじな行事

    四月に入ってあれよあれよという間に、はや10日を過ぎました。この間暖かい雨の日が続き、おかげで小屋の北側に残っていた雪がやっと解け、この森から白い固まりが消えました。白といえば大沼のオオハクチョウも帰ってしまいましたから、森で見られる白色といえば、これから咲く花たちとそこに集まる蝶たちです。それ眺めるのもまた楽しみのひとつです。カタクリの花がすっかり開いていました。茎がキュッと下を向き花弁を上にはね上げて、楽しそうに風にゆれていました。毎年、この時季に僅かな日数だけ咲いては消えていく不思議な花です。スイセンの赤ちゃんが一斉に現れました。いよいよ春本番です。春のだいじな行事といえば三年に一度の車の運転免許更新です。若い時はゴールド免許証なら五年更新だったのですが、高齢者はおしなべて三年になりました。しかも後...春のだいじな行事

  • 花春

    暖かい日が続いています。三日前にクロッカスの赤ちゃんを見つけました。今年もやってきたのです。まだ小さくて淡い色がなんとも初々しかったのですが、今日はドーンと大挙して咲き誇っていました。こんなになると可愛らしいというより、自然の力強い生命力を感じます。カタクリの赤ちゃんも顔をだしました。花はまだ二センチもありません。花色も白っぽく、いかのもこの世に生まれたばかりのようです。そして、小さい時はまだ花は上を向いています。大きくなると下を向くようになるのは、なにか人間に似ています。もともとカタクリはどこにでも自生していて、この根っこから片栗粉を作っていたわけです。今では自然のカタクリはすっかり減少してしまい、代わってジャガイモが片栗粉の原材料になっているそうです。ジャガイモなら大量栽培できるので、いくらでも作れる...花春

  • 希望の春

    この暖かい一週間で、大沼の湖氷は全面融解しました。例年よりだいぶ早いです。小屋の前の小道も懐かしい土が現れました。こうなると、できるだけ早く車のタイヤを交換しなければなりません。冬タイヤは雪上を走るために軟らかいゴムを使っています。それゆえ、アスファルトの道を走るとすぐにすり減ってしまいます。物置から夏タイヤを引っ張り出して、ジャッキで上げて一本ずつ交換する作業はけっこう面倒なものです。それでも昔に比べたら、今はずいぶんらくになりました。スタッドレスタイヤがなかったころは、いちいちタイヤチェーンを脱着しましたし、ラジエターの不凍液を交換したり、雪用ワイパーもなかったから、ウィンドウが凍るとよく壊れました。懐かしい想い出です。雪解けあとに現れた去年の落ち葉を押しのけて、スイセンの集団が飛び出してきました。若...希望の春

  • 春すすむ

    冬のあいだ湖面を覆っていた分厚い氷が融けだして、ザラザラのシャーベット状になり、さらにそれが割れて湖水が現れました。ワカサギ、フナ、ヘラブナや水生の昆虫、それに水草たちも久しぶりに水中に日光が入るから大喜びしていることでしょう。もちろん人も嬉しいものです。なぜかわかりませんが。湖岸に近い湿地では、まだ数センチの雪が残っています。その雪を破って早くも水芭蕉の赤ちゃんが顔をだしました。またひとつ新しい命が春の舞台に登場したのです。これからの毎日がその成長を観られると思うと、これまた嬉しいことです。水芭蕉はやがて真っ白い花をつけますが、それが落ちたあとでも葉はどんどん成長し、おばけのように大きくなって秋までがんばります。早いもので週末は、春のお彼岸に入ります。春はぼたもちでこしあん、秋はおはぎでつぶあん。などと...春すすむ

  • フキノトウの赤ちゃん

    冬のあいだに降り積もった雪がどんどん解けていきます。雪層の下部はひと冬ぶんの重みで氷結状態になっていますから、そう簡単には解けないと思いきや、これもじつに難なく解けだしてきました。あれほど頑強に構えていた道路脇の雪壁も、すっかりへたって情けない表情を見せています。もうこうなれば、この先多少の雪降りがあっても、解けるスピードのほうが早まって積もる心配はありません。つまり、もう春なのです。日当たりのよい斜面の雪が崩れ落ち、それから2~3日たって訪ねてみると、早速2cmほどのフキノトウの赤ちゃんが顔を出していました。今春の野の植物「初お目見え」です。長い間、雪の下で準備万端してじっと出番を待っていたのです。なんと、希望的なことでしょう。若い時から芽吹きや新緑は好きだったのですが、それがこの齢になるとある種の感動...フキノトウの赤ちゃん

  • 春三月

    森に春がやってきました。とはいっても周りは雪だらけですが、三月に入ると森の空気が一変します。冬の間は、一度も解けることなく積み重なっていた分厚い雪が、いよいよ解けだしたのです。この先一か月かかって雪が消える四月になると、ほんとうの春といえるのでしょうが、自分としては早く気持ちを切り替えたいので、勝手に春三月にしています。例年三月は晴れの日が多いので、回りを樹木で囲まれたこの小屋では、枝に葉の無いこの時季が年間通していちばん陽光が室内に入ります。気持ちが明るく希望的になるのも、そのせいでしょうもちろん健康にもいい筈です。この森は基本的には落葉広葉樹林ですが、小屋を取り囲むように高木の針葉樹カラマツがあります。カラマツは珍しい落葉針葉樹ですから、冬にはまったく緑の葉は見られませんその分冬季間小屋に陽が当たると...春三月

  • もうすぐ春

    二週間も続いたどんより曇り空がやっと明けて、今日は朝からまばゆいほどの陽の光が降りそそいでいます。おかげで気温はグンと上昇し、暖かい冬日になっています。向こう一週間の天気予報では、朝晩はまだマイナス気温になるものの、日中はほぼプラスとなっています。いよいよこのまま、一週間すれば春へ突入です。交通量の多い幹線道路はすでに雪は解けていますが、周囲はまだまだ深い雪景色です。しかし陽が差すと、その空気はもう真冬のものではなく、春がすぐそこまできていることを感じさせてくれます。今年の森の冬は、積雪は例年並か少し多かった程度で、気温も酷い寒波がきたのは一度だけでした。おかげで雪掻きの回数も少なかったので、らく~な冬だったといえます。キノコに雪が積もってそれが凍りついておもしろい絵になっています。こんな光景も、残り数日...もうすぐ春

  • 不気味な暖かさ

    このところどんよりとした薄暗い日が続いています。二月中旬にしては妙に生暖かく、雪もさほど降りません。交通量が多いともいえない奥まった道路でも舗装面が乾いてきて、まるで三月半ばの景色となっています。例年二月は1~2度寒波が訪れて、そしてやっと三月に入ります。森の生きものたちは「やれやれやっと終わったね」と春を喜びあうのですが、今冬は天気予報を見る限りでは、このままズル~ッとメリハリのないまま春三月に突入する可能性があります。まあ、それはそれでラクな冬を過ごせたのですから、めでたいことなのですが、ちょっと怖い気もします。なにかしっぺ返しがくるような。雪の中から元気な実生が現れると、気持ちが明るくなります。どんな些細なことからも、少しずつ元気をもらって生きています。せっかく盛り上がっていた地球の温暖化対策も、今...不気味な暖かさ

  • 立春なのに

    今日は立春です。暦の上では寒が明けて春になりました。しかし、この森では今がいちばん寒い時季です。まだまだ春は遠く、その兆しは感じられません。ただ、日はわずかながらも確実に長くなっていますから、知らずのうちに人や生きものに変化をもたらしています。1か月待てば緑色が見られるのですから、みんな希望的です。しかし、今冬の北海道では、あまりいい話は聞かれていません。この辺りに飛来したオオハクチョウや東部のタンチョウから鳥インフルエンザが検出されました。幸い近くに養鶏場がなかったので、大規模な鶏の殺処分はなかったようですが、観光業者にとっては大打撃です。せっかくコロナ禍が収束方向になり、これから挽回しようと張り切っていた矢先ですから残念です。また、ロシア・ウクライナ戦争のとばっちりで、長年続いていた日ロ漁業交渉が今年...立春なのに

  • 大吹雪一過

    今週明けから3日間続いた大吹雪がやっと収まり、昨日は朝から陽が出て青空が広がりました。しかし、大吹雪一過でも気温は例年並みに戻らず、かなりしばれたままです。おかげで、昨日はダイヤモンドダストがきらきら舞って、幻想的な森の風景に浸ることができたし、今日は久しぶりに外を歩いてキュッキュッと雪の鳴き声を聴くことができました。これも記録的な寒波がもたらしてくれたのですが、各地では被害がでていますので、喜んでいては申し訳ないと思います。朝いちばんの仕事は雪にすっぽり埋もれた車を掘りだすことでした。当初は、この雪の量は大変だと覚悟して始めましたが、低温の雪はサラサラと軽く流れて、意外と簡単に終わりました。今冬は小雪でいいあんばいと油断していましたが、今回の大吹雪で一気に例年並みの積雪になりました。この森でいちばん怖い...大吹雪一過

  • 寒の花

    今日から大寒です。今年の大寒は1月20日から2月3日までで、大寒明けの2月4日が立春です。内地では大寒の15日間を寒さの底として、これをやり過ごしさえすれば春はすぐ近しです。今朝のラジオで「歩いているとロウバイの香りがしてきょろきょろ見まわしました」とリスナーがいっていました。内地で寒の花の代表といえば、梅、椿、蠟梅です。そしてみな良い香りを放ちます。特に蠟梅の香りはそうとう強いので、道を歩く人々はかなり遠くからでも気が付いて枝を探します。見つけると「あった!あった!」とまるで春を探し当てたように大喜びします。ちなみに北海道には蠟梅はありません。私はいい歳になるまで「蠟梅」を「老梅」と思っていました。なんという無知なのでしょう。「梅が香に追ひもどさるる寒さかな」芭蕉この森で梅が咲くのはまだまだ先です。もう...寒の花

  • 縄文遺跡

    だれもが「一月はあっという間に過ぎるよ」といいます。確かに年が明けてから、ちょっとボケ~ッとしていただけなのに、もう小寒が過ぎて中旬になってしまいました。窓から、雪の上に残ったキツネの足跡など数えているのでは、脳に良くないと考えて、近くの町の郷土資料館をのぞいてきました。この辺りは縄文遺跡がたくさんあって、道路工事のたびに新しい遺跡が現れます。土器などはザクザク出ますので、これらの展示はごくありふれたモノのように、無造作に台の上にポコンと置かれています。それがまた、なんとも楽しいのです。縄文人と同じ生活感を味わえるのです。まあ、勝手にそう感じているだけなのでしょうが。道南は縄文遺跡の宝庫なのですが、それより前の後期旧石器時代の遺跡はごく少ないのです。それは人が住んでいなかったわけではなく、その地層に達する...縄文遺跡

  • 大晦日

    昨日、今日と雪も降らず風も吹かない穏やかな日が続いています。今日は大晦日、あれよあれよという間に一年が過ぎて、明日はまた新しい年が始まります。もう数えきれないほどこれを繰り返してきましたが、そろそろ終わりに近づいてきました。楽しかった年、苦しかった年、いくらかでも他人の役に立った年、逆に迷惑かけてしまった年、さまざまな年がありました。どの年がいちばん多かったのかは、もうぼんやりしてよくわかりません。そしてこの先も同じように繰り返していくのでしょうね。考えてみると自分には、今まで生きてきた成果など何もないことに気づきました。ただ息を吸って吐いて、食べて出して、寝て起きて、それを継続するために働いてきただけのようです。たぶん若い人が聞いたら「こりゃ~ダメ人間だ」と思うのでしょう。しかし、自分は最近になって「い...大晦日

  • 大雪と寒い師走

    雪降りと寒さが続いています。そして、今年は去年よりかなり多い降雪量です。東北や新潟では、豪雪で大変なことになっていますね。それから見たらずいぶん楽ですけど。早くも明日22日は冬至です。わずかながらも、昼が長くなると思うと嬉しいです。北海道でも昔から冬至にカボチャを食べます。ただしカボチャ甘煮ではなく、おしるこにカボチャを入れていただきます。ほくほくカボチャは形が崩れなくて、ほどよくおしるこになじんでけっこう美味なのです。たぶん体が温まるので、これを考え出したのでしょう。北海道人の知恵ですね。先日のニユースで、道南地域は人口減少が激しく、近い将来消滅の可能性のある自治体がいくつもあり、その名前があがっていました。町がなくなるとは、想像しにくいことですが、近隣の町と合併していくのでしょうか。あるいは、まったく...大雪と寒い師走

  • 危険な道

    昨夜から降り出した季節外れの暖かい雨は、今日のお昼過ぎまで続きました。凍結が進んでいたツルツルの湖面は、すっかりシャーベット状になり全体的にぼんやりした景色になっています。道路の雪はべちゃべちゃに解けて、歩くのには大変でした。うっかり滑って転びでもしたら、水浸しになってしまい、この寒さで体がどうなってしまうかわかりません。そんななかでも平気でバランスをとりながら歩けるのは、長年の北国暮らしで培った身体感覚が、年とってもまだあるからなのだと思います。暖かい雨のおかげで、今日は終日プラス気温でしたが、今夜から明日にかけてはかなり冷え込むらしく、明日は例年通りのマイナス気温の一日とのことです。そして早朝から雪降りだそうです。じつはこのパターンがいちばん危ない道路状態になります。今日解けた水がパンパンに凍ってその...危険な道

  • ドカッと雪がきた

    師走に入ったとたんに、ドカッと初雪が降りました。そして、この初雪がそのまま根雪となりました。いつもの年なら、初雪は11月半ばにフワフワ舞い降りて、地上をサラッと上品に白く覆います。しかしそれは2~3日ですべて解けて、一度もとの景色に戻ります。そして10日ほどあとに、いよいよ本格的な根雪が降り始めます。ですからこの間に、山の民や生きものたちは、冬を迎える心の準備ができます。今年はいきなりドカッですから、ビックリしました。昨日、村の防災無線で「クマが歩いているから注意してください」と何度も流していました。雪降りが遅れたから、クマの冬眠も遅れているのかもしれません。この時期にまだその辺をウロウロしているのは、珍しいことです。もともとクマは、カエルやヘビよりも遅くなって冬眠します。稀に冬眠しないヒグマもいるそうで...ドカッと雪がきた

  • 雪が降りません

    この数日、穏やかなよいお天気が続いています。朝晩は冷え込むものの日中は暖かく、薄着の子たちが元気で駆けまわっています。そういえば、霜月二十日を過ぎても初雪が降らないなんて、この森では初めてのことでしょう。天気予報を見ても、この先一週間は降雪のマークが出ていませんから、なんとも珍しい、雪を観ない11月となるかもしれません。もしやその原因が地球温暖化であるなら、これからもこの状態が進んでいくのでしょうね。小雪といって喜んではいられない、むしろ怖いことです。今日23日は勤労感謝の日です。日常で「キンローにカンシャせよ」といわれてもどうにもピンときません。もともと人間は、生きるために働くことは当たり前と思っていますから、今更ながらキンローに感謝の気持ちはおきません。家族を支えるお父さんには「父の日」があるし、子育...雪が降りません

  • オオハクチョウがきた

    冬の足音がすぐそこまで近づいてきました。どうやら今週中には、初雪が降りそうな感じです。早朝からグァ~グァ~と喧しい声がするので、湖に降りてみると岸辺に30羽ほどのオオハクチョウグループがいました。人の気配を感じてすぐに岸から湖の奥へ泳ぎだしましたが、遠くに離れてもその真っ白い姿は、殺風景な湖面を賑やかに飾ってくれます。おおかたの白鳥たちが内地の湖へ渡っていったこの時季に、まだ残っているこのグループは、たぶんこのまま大沼で越冬すると思われます。この先春までいてくれるのは、なんとも嬉しいいことです。内地の湖は真冬でも凍結しないので、白鳥たちにとってはとても過ごしやすいのです。さらに、大沼では禁止されている鳥の給餌をおこなっている湖もたくさんあります。なかでも有名なのは新潟県の瓢湖です。毎年、小さな湖に5千羽以...オオハクチョウがきた

  • カラマツの大変身

    広葉樹の紅葉が終わって、いよいよカラマツが冬を迎える大変身を始めました。ちょっと前まで深い緑をまとっていた巨大な樹木は、じょじょに黄金色に衣装替えをしています。カラマツは、ゆうに30mを超えるまっすぐですらりと伸びた幹に、上方の枝は空に向かって、中間の枝は真横に、下方は地に向かって長く伸び、最上部には三角錐の樹冠を被っています。カラマツは、この森ではまさに堂々たる存在なのです。カラマツは大変めずらしい落葉する松です。ですから、周辺の地上は徐々に針葉で埋まっていき、道路が埋め尽くされると黄金色の長い絨毯を敷いたようになります。このとき森の生きものたちは、まるでディズニー映画のワンシーンを観るような、幻想的な世界に入り込みます。冬がくる前の一瞬の楽しみです。ただしカラマツは樹脂が多いため、この絨毯の道はとても...カラマツの大変身

  • 名残り紅葉

    森は秋晴れの爽やかなお天気が続いています。もう、標高のたかい場所の紅葉は、ほとんど落ちてしまいました。これからは針葉樹がグッと存在を示してきます。小屋の周辺の葉も日を追うごとに舞い落ちて、スカスカになりました。名残りの紅葉が、少し寂しい晩秋の風景です。山を下って湖畔道にいくと、まだまだ紅葉の真っ最中でした。わずかな高低差でも、植物にとってはずいぶん違う環境のようです。湖畔道は普段より交通量が多く、日曜日ともあって大沼紅葉見物にみえたようです。本格的ランニングの集団もいましたから、近々競技会があるのかもしれません。大沼にはじょじょにしかも確実に人が増えています。この調子でいけば、春には学校の遠足や自然体験教室なども戻ってくるでしょう。そしたら3年ぶりに子どもたちの元気な顔がみられ、湖面に響く声が聴けそうです...名残り紅葉

  • カエデの紅葉

    カエデ類が紅くなると、森の紅葉もいよいよ盛りとなります。今年はいつもよりも少し遅れていますが、来週の初めが紅葉ピークとなりそうです。紅葉は楽しみですが、最高潮の後は一気に落葉して淋しい景色に変わります。まるで賑やかな秋祭りの後の静寂、といった感じになってしまいます。祭りといえば、去年はこの国でオリンピックが開催されたんですよね。まだ一年ちょっとしかたっていないのに、すっかり忘れてしまって想い出そうにも遠い昔のことのようではっきりしません。誰が金メダルをとったとか、誰がダメだったとか、まるで覚えていません。そういえば、たしか今年の初めにもオリンピックがあったはずです。いゃ~これだって良く覚えていません。そうそう、高木選手が大活躍したのを想い出しました。北京冬季ですよね。よかった、よかった、まだ病気にはなって...カエデの紅葉

  • すすむ紅葉

    快晴が続いています。そのぶん朝晩の冷え込みも、かなり強くなっています。雁や鴨たちがどんどん渡ってきます。「そうかもうそんな季節なんだ」とあらためて時間の速さに驚きながらももう少しすれば、オオハクチョウの姿が見られることに期待してしまいます。この二日ほどでグッと紅葉がすすみました。今日は鉄道の日です。テレビでは、日本で最初に鉄道が敷かれた新橋駅の、華やかな百五十年式典のようすが流れていました。今日一日、この記念式典は全国各地でやっているそうです。自分の頭の中に、式に参加する人々の笑顔と、白いスーツのミスなんとかと並んだ偉そうなオジサンのたれる祝辞のようすが浮かんで、いつまでも変わらないこの良い国を確認しました。というのも、こちらでは最寄りの駅の解体工事が始まったのです。まさに光と影です。しかし「光が当たれば...すすむ紅葉

  • 秋深し

    昨日の大嵐は過ぎ去り、今日は爽やかな秋晴れとなりました。しかし気温はグッと低下して、利尻山は初冠雪、そして大雪山系の旭岳では5合目まで雪景色となりました。いよいよ8日からの15日間は寒露になります。寒露ですから文字通り、晩秋の冷え込みで葉っぱに露が滴る時季になったのです。今朝はさすがに、小さな石油ストーブを点けずにはいられませんでした。寒露の森の楽しみはトウモロコシ、クリ、リンゴ、カボチャです。少し走れば油ののった秋サバやカレイも入手できます。残念ながら、かつて秋の食卓を飾ったサンマとハタハタは、すっかりとれなくなりました。たまに見かけても目が飛び出すほどの高値がついています。もう、庶民のものではなくなりました。その代わり、お米はおいしいブランドのものがどんどんとれています。そしてなぜかこのお米、今年はず...秋深し

  • 秋の珍事

    降り続いていた雨も朝方には止み、午後からは青空が広がりました。しかし、本州各地ではまだまだたいへんなようです。このところ突然やってくる線状降水帯にやられて、ほとんどの新幹線が運行停止なっています。異常気象に限らず、予期せずに突然やってくるものは特に怖いです。「青天の霹靂」といえば7月8日に奈良で「ズドン」と音がして、政治家が殺害されました。その後、韓国のカルト宗教団体が永田町の中枢に広く食い込んでいることが判明して、大騒ぎになっています。嘘のような話ですが、現実におこっているのです。オウムもそうですが、一度入り込むとなかなか抜けられないのでしょう。この宗教団体は、今後も何度か消えては現れしながら、深く政界に浸透していくと思われます。現に今回で二度目ですから、かなりしぶといです。そんな騒動に隠れて目立たない...秋の珍事

  • トンネルの先の明かり

    9月第一次連休の初日は、爽やかな秋晴れでした。久しぶりに湖畔道に降りてキャンプ場を覗くと、それはもう大変な賑わいでした。駐車場は満杯で、溢れた車が列をなして道端に停まっていました。そして函館のみならず他府県ナンバーの車も多く、釧路から来た車もあったぐらいです。こりゃ~もう、コロナ禍前を上回るほどの混雑状態です。みんな待ちに待った3ねんぶりのアウトドアレジャーなのでしょう。特に小さい子にとっては、一生忘れられない思い出になりますね。長いコロナ禍もやっとここまできたのか、と嬉しくなりました。そういえば数日前のニュースでWHOのテドロスさんが、新型コロナウイルスのパンデミックについて「終わりが視野にはいっている」と述べていました。世界的に感染者数、死者数が減少していることをふまえてのことです。たとえこの先変異株...トンネルの先の明かり

  • 穏やかな秋なのに

    森は、このところいいぐあいに、穏やかな日が続いています。雨さえ降らなければ、日中はシャツ一枚で過ごせます。しかし朝はだいぶ冷え込んできて、一時間ほど小さなストーブを点けるようになりました。暖房を少しでも使うと、窓ガラスはしっかり結露してきます。そういえば昨日8日は白露でした。草木に朝露がついてくる頃をいうのですが、まさにそんな白秋の季節になりました。街では、コロナが徐々に減少しているようですが、このまま収まっていくといいですね。なんとか来年には、マスクをしなくてもいい生活に戻りたいものです。このところ、コロナ禍にあってもう一つの汚染が伝えられています。国会議員の多くが韓国製のカルト宗教に汚染されているというのです。この教団は、以前からしょっちゅう問題をおこしている札付きのカルト集団で、日本人をターゲットに...穏やかな秋なのに

  • 9月 ながつき

    昨日までの長雨は止んで、今日は朝から青空が広がりました。秋空は高く澄み、雲は白く、風は爽やかで足どりも軽くなります。9月は長月です。夏至を境に徐々に夜が長くなるので、こんなふうに呼んだのでしょう。昔の人々は長い夜を、どのように過ごしていたのでしょうか。照明としては、蝋燭や油を点けていたようですが、一般庶民には高価なものだったのでしょうから、しょっちゅうは使えません。たぶん、涼しくなり空気も澄んでくるから、月明かりを屋内に取り込む工夫をしていたのでしょうね。十五夜お月さんの中でも、長月のものを中秋の名月というのもうなずけます。そういえば今でも「お月見」などやってる家庭はあるのでしょうか?満月にススキとお団子・・・いいですねェ~・・・9月は、国際的には年度切り替えの月です。特に学校年度については、米欧中国など...9月ながつき

  • 馬も人も肥ゆる

    お盆が過ぎて処暑に入ると、すっかり秋景色になりました。北海道もいよいよ収穫の時期を迎えています。栗、トウモロコシ、カボチャ、枝豆・・・どんどん出てきます。「天高く馬肥ゆる秋」ですが、馬だけではなく人も立派に肥えます。しかし、北海道ではなぜか他人に対して「いや~肥えたね~」などとはけして言いません。「肥えた」は牛、馬、豚、専用の言葉です。これを間違えると「俺は豚か!」とばかりにヒンシュクを買います。東京以西、特に関西や九州では普通に使われている言葉でも、東北や北海道ではダメなんです。日本語は難しいです。少し前までは「メタボ」なんて言葉もなかったから、みんなごく普通に「あの人は肥満体です」と言ったものです。健康診断の結果でも「肥満体」と書かれた人はずいぶんいました。「ひまんたい」なんて、今聞くとどこかの地名の...馬も人も肥ゆる

  • 晩夏

    このところ毎日雨が降っています。それも普通の雨ではなく、どしゃ降りと小降りが断続的にきます。東北ではこのどしゃ降りが長期間続いて、大きな被害がでているようです。これからリンゴの収穫ですから、さらに心配です。こんな雨のなかでも、時々パカッと雲が割れて嘘のように青空が顔をだします。そんな時は急いで外に飛び出して、短い距離を歩きます。遠くまで行ってしまうと、いつまたどしゃ降りがくるかわかりませんので。なにしろ傘などまったく役に立たないほどの大降りなのです。道端を見ると、この雨でキノコ類はほとんど割れていました。しかし花たちはまったく負けていません。かなりしおれたように見えても、陽が射すとニュ~と首をもたげて元気になります。花には、けして折れない強さがありますね。もっともキノコだって、雨が止めば一日で新しいのがで...晩夏

  • 立秋

    8月に入ってから雨の日が多く、気温は徐々に下がりはじめました。今日はもう二十四節気の立秋に入っています。いよいよ秋の足音を感じる季節です。内地はまだまだ35℃超えの厳しい暑さなのに、申し訳ない気持ちです。二十四節気は今の季節感とはずいぶんズレているといわれますが、涼しい北海道ではけっこう適用できている部分があります。秋といえば誰でも想い浮かぶのが、芭蕉さんの句です。秋深き隣は何をする人ぞ物言えば唇寒し秋の風人はみな、秋風が吹くようになると、さまざまな心の内を考えるのでしょうか。いつまでも夏バンザイをやっていられない、ということでしょうね。また芭蕉さんの秋の句の中に、今の北海道にピッタリなものがあります。蕎麦はまだ花でもてなす山路かな旅人に、今はまだ蕎麦の収穫ができていないので、新蕎麦でもてなすことはできま...立秋

  • 夏休み

    森のアジサイが涼しげな水色に変わりました。夏もたけなわです。湖畔道では大人たちと一緒に、元気な子どもたちが自転車で駆けていきます。キャンプ場にも子どもたちの声が響いて、なんとも平和な穏やかな気持ちになります。やはり、子どもは天使ですね。北海道でも小学校は、今週から夏休みに入ったようです。夏休みといえば、「むぎわら帽子はもう消えた~🎵たんぼのカエルはもう消えた~🎵それでも待ってる夏休み~🎵」このところラジオでよくかかる、吉田拓郎さんの「夏休み」です。子どもたちにとって、待ちに待った楽しい「夏休み」。そういえば、今は「むぎわら帽子」をかぶってる子を見ません。というより帽子そのものをかぶらないようです。昔の子どもは夏休みになると、外に出る時は必ず白いあご紐のついた、むぎわら帽子をかぶらされたものです。それは、け...夏休み

  • オオバユリ

    お天気が良かったので、湖畔に降りてみました。周回道では大型観光バスが連なって走っていましたから、いよいよ大沼観光も本格的に再開したようです。子どもたちの夏休みが始まったのでしょうか、カヌーを整備する業者たちの姿も見られました。キャンプ場にはたくさんの他府県ナンバーの車が停まっていましたから、遠くからおおぜい来てくれたようです。北海道のアウトドアなら、コロナの心配はほぼないものと考えて、楽しんでいるのでしょう。湖畔の周回道を少し外れて奥に入ると、春先に水芭蕉が咲いたと同じエリアにオオバユリが群生していました。オオバユリが咲くと、北海道の夏はピークに達したといえます。オオバユリは、アイヌの人々にとって貴重な食材でした。オオバユリの茎を杵で叩いて粉にしてデンプンをとったり、乾燥させて団子にして保存食としました。...オオバユリ

  • しあわせな夏

    森は、ほど良い暑さの穏やかな日々です。来月の半ばまでの一か月間は、こんな快適なお天気が続きます。その後旧盆を過ぎると急速に気候が変わりますから、今のうちに夏を楽しまなければ損です。楽しむといっても、毎朝コンチャンに挨拶してから、鳥の声を聴いたり花を観ることぐらいなのですが。もうじき「海の日」です。長年、考えのない私は「海の日」とは海水浴場などの海開きの日だと思っていました。しかし、それがどうして国民の祝日でお休みになるのか、わかりませんでした。というより、そんなことどうでもよかったのです。無関心だったのです。それがなぜか気になってネットで見ると、大変に仰々しいことが書かれていました。海の日とは、1995年に制定され「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日である」とのこと。いや~これは大変だ。海には石や...しあわせな夏

  • 盛夏

    昨日から今日のお昼までは、久しぶりに青空がみられました。その前の二日間はかなりの大雨で、道南西部では国道に土砂崩れが起こったほどです。しかしこの大雨も、野菜や果物農家にとっては恵みの雨だったのかもしれません。このところ、しばらくまとまった雨がなかったですから。もちろんこの雨は、花たちをいちだんと元気にしています。2~3日前のテレビで、女性のお偉いさんが「東京オリンピックの解散式」をおこなっていました。ちょうど一年たったからだそうです。想えば去年の今ごろは、オリンピック開催直前の時期だったのです。もうすっかり忘れてしまって、誰が金メダルとったも、日本が何個とったも、選手や家族の美談も、なにもかも覚えていません。オリンピックがあったこと自体は覚えていますから、病気ではないと思います。式ではお偉いさんが、何兆円...盛夏

  • 廃のくに

    廃駅から三カ月たちました。駅舎からは駅名表示が外され、ホームには人が出入できないようにロープがはられていました。離れになっているトイレを借りようとしてドアを開けたのですが、当然のことながらお掃除はまったくしていないので、床は虫だらけになっていました。もともと無人駅ではあったのですが、駅前に住んでおられた方に駅舎とトイレの清掃が委託されていました。時々早朝に会うので、互いに「おはようございますお疲れさまです」と声を交わしたものです。今は虫とカラスだけになりました。その方が住んでいたいた、駅前住宅も無人になって「売り物件」と書かれた赤い札が張り付けられていました。駅がなくなるとさまざまな変化がおこるのだな、となんとも淋しい気持ちになりました。この辺りでは一度に三駅が廃駅となり、しかも代替バスは通りませんから車...廃のくに

  • 花の名前はむずかしい

    レンゲツツジの花が、一つだけ寂しげに残っていました。正確には黄色い種類はキレンゲツツジというそうです。赤い花の方は全部落ちて、今年のツツジは終了しました。北海道の夏は短くて、順序よく咲いていく花たちの移ろいのスピードが、やたらと速いのです。なにしろアッという間に涼しい風が吹き始めるのですから、その間に「咲いておかなくっちゃ」とばかりに忙しいのです。もちろん花だけではなく虫たちも、いや人間も同じです。みんな駆け足の夏です。この花は図鑑によるとヒオウギアヤメといって、花弁に虎斑文様があるのが特徴とのこと。なにしろアヤメ、ショウブ、カキツバタの違いなどド素人にはわかりません。ただ「あゝ今年もこの子が咲いたな~そんな時期なのだなぁ~」と移ろいを感じるのです。花の名前はなかなか覚えられません。でも、無知は無知のまま...花の名前はむずかしい

  • 涼しい夏がきた

    六月に入ってからは、わりと良いお天気が続いています。ただし気温は例年に比べて低めです。せっかく夏が来たのに、冷え込む朝晩は小さなストーブをつけています。でも森は期待どおりの花盛りになりました。タンポポは花を落とし、真っ白でフワフワな球体になりました。不思議な球です。これから風に吹かれて気ままな旅に出ます。「風に吹かれて」といえば真っ先に思い浮かぶのが、ボブ・ディランさんです。数年前にノーベル文学賞を受賞されたときは、だれもが驚きました。小説家ではない人が、受賞したこともそうですが、シンガーソングライターが受賞対象となることにもビックリしたものです。この方、若い時から一貫して戦争や差別を問題提起してきました。そしてそれを、あのしわがれた声でボソボソと歌い続けてきました。81歳の今もギター1本とハーモニカを携...涼しい夏がきた

  • 明るい夏がきそう

    やはり6月に近づくと、ぐずついたお天気がやってきます。花曇りといったところでしょうか。ツツジが見ごろになると、北海道も夏直前です。以前ならこの時季から、涼しい夏を求めて北海道に多くの観光客が訪れます。近くの国定公園大沼の駐車場には、いつも大型観光バスがたくさん入っていました。やっとコロナが落ち着きつつある今年は、どうなるのでしょうか。戻ってくれるのでしょうか。コロナ禍の二年半、観光関連の人々にとってはまさに受難の日々でした。観光拠点となる大沼公園駅周辺でも、レストランや宿泊施設の閉鎖が目につきます。また周辺の学校や保育施設の閉鎖統合、大手のゴルフ場やホテルの売却、古くから生活を共に歩んだ鉄道の廃駅、さらに8年後の全廃線、など暗いことばかりで明るい話はついぞありませんでした。このことは大沼周辺だけのことではなく、...明るい夏がきそう

  • 風のまち

    毎年、この時季になると日本海まで車を走らせます。それは大切な仕事のひとつである、鉱石採取のためです。鉱石採取といえば聞こえはいいのですが、つまりは河川や海岸での石拾いです。このところ気温は徐々に上昇して、晴てくれれば日中は15℃を下ることはないので、長い時間野外にいても冷えこむことはありません。また山の雪もほぼ消えて、雪解け水で河川が荒れたり水面上昇することもなくなりました。いよいよその時季がやってきたのです。ただ、最近しょっちゅう出没しているクマには気を付けなければなりません。先日はお天気にも恵まれ快適なドライブでした。道南は逆T字形の半島で東は噴火湾(太平洋)で西は日本海です。一番細いところでは双方の距離は、わずか30kmしかありません。自分の小屋は、逆T字の根元あたりの噴火湾に近い場所にありますが、それで...風のまち

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