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どんぴんからりん すつからりん https://blog.goo.ne.jp/ogawasaito

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・・。それにしても奥が深い。(2012.9から)

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2015/11/21

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  • チロヌップの 子さくら

    チロヌップの子さくら/たかはしひろゆき:文・絵/金の星社/1986年初版「チロヌップのきつね」「チロヌップの虹」に続く三作目。江戸時代、北の小さな島チロヌップ(キツネの意味)で、与平の娘さくらときつねのチロは、きょうだいのようにくらしていました。しかし、ふかいきりがたちこめるある夏の日、さくらは突然、息をひきとります。与平は、丘の上に小さな墓をたてました。そして五日をかけて、さくらの姿を思い、木ぼりの人形をつくり、さくらが髪につけていた赤い布を、人形の首に結びました。チロは、いつもさくらの墓のそばにうずくまり、与平夫婦の姿がみえるまでじっとまっていました。秋風が立ちはじめたある朝、鉄砲の音が響きました。髪の毛の赤い大男たちが、ラッコをとりにきたのです。与平夫婦は、松前藩から命じられ、ラッコの見張りにきてい...チロヌップの子さくら

  • 宝化け物・・大分、テイテイコヅチ‥徳島 他 化けものの登場

    お化けは、音もなく現れるかと思うとそうでもありません。・宝化け物(子どもに語る日本の昔話3/稲田和子・筒井悦子/こぐま社/1996年初版)化け物がでるという古い空き家に、武者修行のさむらいが泊まっていると、黄色い裃、白い裃、赤い裃を着た化け物があらわれます。さむらいが、「ありゃいったいなにもんだ」と問い詰めると「この家は昔、たいそうな分限者の屋敷じゃった。床下には大判、小判やたくさんの金をつぼにいれて埋けてあるんじゃが、今では誰も床下の宝のことなんか知らんとです。黄色い裃をきたのが金の精、白いのが銀の精、赤いのが銅の精でござります」という。「早く世の中にでて、人々を喜ばせたいと思っても、自分の力ではそれができず、今まで苦しんじょった。あんたの力で、わしらをほりだしてくれないか」というつぼの精。おさむらいは...宝化け物・・大分、テイテイコヅチ‥徳島他化けものの登場

  • ママのバッグ

    ママのバッグ/花山かずみ/福音館書店/2022年(初出2016年)最近の絵本には珍しくモノクロ。ただひとつちょっと赤いのは、ママのバッグ。冬の日の雨。しゅうちゃんはママとお買い物。商店街でママを見失ったしゅうちゃん。でもちゃんと目印があります。それは赤いバッグ。あかいのはママのバッグママのバッグママのバッグ赤いものを見つけてママだとおもったらポスト八百屋さんで赤いものを見つけたらリンゴつぎに赤いものは?商店の様子や、人々の着ている服装、表情などがかわいい。あと一つか二つ赤いものがでてきてもよさそうでした。ママのバッグ

  • ちいさな きいろい かさ

    ちいさなきいろいかさ/イラスト・にしまきかやこシナリオ・もりひさこ/金の星社/1971年なっちゃんがかってもらったきいろいかさ。あめがぽちぽちふってきました。うさぎさん、りすくんが傘に入りどうながのだっくすくんばくのばくさんがあかちゃんつれて。あめがざあざあおおぶりになってきた。こんどはひょろひょろせいたかのっぽのきりんさん。きいろいかさは魔法のかさのびたりおおきくなってみんなはいってもだいじょうぶ。とおれないたかいたかい木。おおきすぎるかさはとおれそうにありませんが・・・。あめがやんで、おかあさんに、「あのねあのねいいことあったの」というなっちゃん。やさしい気持ちになれる雨の日の絵本。一見、子どもでも描けそうなイラストに親近感があります。ちいさなきいろいかさ

  • トット・ボトットとちいさなたてぶえ

    トット・ボトットとちいさなたてぶえ/ローラ・キャソン・作アーノルド・ローベル・絵こみやゆう・訳/好学社/2022年おとうさんがかってきてくれたちいさなたてぶえ。トット・ボトットは、ジャングルのおくふかくまでいって、インドボダイジュのきのしたにすわりぴーぴーひゃらりーぴーひゃらりーとふえをふいて、「ともだちでてこいでてこいこい。でてきてぼくとあそぼうよ!」と、いいました。するとかえるが、けろけろっとなきながらやってきました。ムクドリはばさばさとんできました。ヘビたちもしゅるしゅるっとやってきてマングース、クジャク、オウムからトカゲ、サルたち、こどものぞうまで。そして、さいごにあらわれたのはトラ。逃げ遅れたトット・ボトットは、インドボダイジュによじのぼって難を避け、トラがいなくなるとたてぶえをもったまま、ヤシ...トット・ボトットとちいさなたてぶえ

  • ピロ伯爵とキツネのおはなし・・シチリア

    シチリアのメルヘン/シルヴィア・シュトゥダー=フランギニーノ・カンパーニャ・編あべゆり・訳/花風社/1999年シチリアの昔話で、「ながぐつをはいたねこ」のシチリア版。ねこでなくキツネが主役。父親が遺産として残してくれたのは一年中実をつける梨の木だけ。ひとりでは食べる分も稼ぐことができない若者のところに、一匹のキツネがやってきて梨の実を、大かご一ぱいもらえないかもちかけます。幸せにしてあげるといわれ、梨をもたせると、キツネはその梨を王さまのところにいって、梨の木(ピロ)伯爵からといって献上します。真冬に梨の実を見た王さまは、わけを知りたいといいますが、キツネは、「伯爵はお望みの物をなんでもお持ちです。」といい、王さまの返礼も、伯爵の名誉を傷つけると、ことわります。キツネが、もういちど王さまのところへ梨の実を...ピロ伯爵とキツネのおはなし・・シチリア

  • わたしとあなたの ものがたり

    わたしとあなたのものがたり/アドリア・シオドア・文エリン・K・ロビンソン・絵さくまゆみこ・訳/光村教育図書/2022年クラスでたったひとりの茶色い肌の自分のむすめに、自分の体験と母親、祖母の体験を語っていきます。わたしが学校に行っていたときも、クラスには茶色の肌の子はわたしひとり。学校で奴隷制について勉強したときや、クラスの子がわたしを指さして、クスクスわらったとき、わたしは消えてしまいたいと思ったことがあった。「リンカーン大統領がいなかったら、おまえはまだ、おれたちのどれいだったんだぞ!」と、いわれたことも。おばあちゃんは奴隷として生まれ、お母さんは南部育ち。自由人として生まれたが、学校には3年生までしか行けず、看護師の夢をあきらめた。だから、学校で勉強できることはありがたいこと。わたしは科学がすきで、...わたしとあなたのものがたり

  • みそ買い橋・・徳島

    「味噌買い橋」は岐阜版で語られているでしょうか。・味噌買橋(日本昔話百選/稲田浩二・稲田和子:編著/三省堂/2003年改訂新版)飛騨の国の乗鞍の西の麓の沢上というところに長吉という正気な炭焼きがおったんじゃと。ある晩、夢のなかに白いひげのおじいさんがでてきて、「高山の町にいって味噌買い橋に立っていてみろ。とってもいいことができるぞ」といわれ、高山の味噌買い橋にいったら、いいことがきけるというので高山まででかけます。五日目に、橋のふもとの豆腐屋の主が、声をかけます。長吉が夢の話をすると、豆腐屋もおなじような夢を見たが、「たわいもない夢なんぞ本気になれない。お前もいい加減にして帰ったらどうかの」といいます。ところが豆腐屋の夢というのは、乗鞍の麓の沢上に長吉という男がいる。その男の家の庭の松の木の根っこを掘った...みそ買い橋・・徳島

  • おおきなかぶ

    おおきなかぶ/内田莉莎子・再話佐藤忠良・画/福音館書店/1972年新版保育園でのお話し会で、「おおきなかぶ」を人形を利用して話してみました。子どもたちはでてくる動物の順番をよく覚えていて、「うんとこしょどっこいしょ」の掛け声もタイミングよくかけてくれました。保育園で絵本の内容を知っているのでかえってよかったのかも知れません。「おおきなかぶ」はいまから半世紀まえに初版が出版されており、親からこども、孫とどれだけ多くの子どもたちに親しまれてきたかしれません。あまりにも有名な絵本なので、いまさらという感じもしないではないのですが、子どもに読んであげた本のなかで、処分しきれずに残っている本の一冊。ちなみに今もっているのは、1972年出版のもの。ところで、女優佐藤オリエさんの名前を最近あまり聞きませんが、昨年舞台に...おおきなかぶ

  • 為後のこうしんさん・・徳島

    徳島のむかし話/徳島県教育会編/日本標準/1978年村の若者が力自慢しているところへとおりかかった七兵衛さんが、力比べを提案します。河原にころがっている同じような大石を山の中腹まで運びあげ、いちばんはやく運びあげた者が一番の力持ちという。十人の若者が一斉に大石をかかえ上げ、のぼりはじめますが、なにしろ両手でやっと、かかえるぐらいの石で、若者たちは、とちゅうで一休み。そこへ七兵衛さんがやってきて、はっぱをかけ、ようやく十人が十人とも山の窪地に石を運び上げた。七兵衛さんが「みんな力が強い。一番二番と順番はついても、ちょっとの違い。いやみんなの強いのに感心したわい」というと若者たちはにこにこして大喜び。それから、気をよくした若者に、一か所へ四角に石を積んでもらった七兵衛さん。やがてそこへ庚申さんをお祭りします。...為後のこうしんさん・・徳島

  • みえるとかみえないとか

    みえるとかみえないとか/ヨシタケシンスケ・作伊藤亜紗・そうだん/アリス館/2018年表紙に「伊藤亜紗そうだん」とあるのが珍しかったのですが、付録についている絵本ができるまでの小冊子をみて納得。大学の先生で「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を書かれています。見えない人は、においや音などを「みて」行動しているという。いつも同じ時刻に白杖で歩いている人と出会うのですが、歩くスピードや曲がり角を歩行するのも、白杖がなければみえないということに全く気がつきません。今では、時刻の確認は音声時計や、蓋を開けて針に触れることで時刻を確認できる腕時計、振動で時刻を教えてくれる時計もあり、スマートフォンの音声応答機能で、時刻を確認することができます。どうして調理をしているかの疑問には、調味料や料理道具を置く場所を決め...みえるとかみえないとか

  • 星の使者

    星の使者/ピーター・シス:文絵原田勝・訳/徳間書店/1997年ガリレオの誕生からの生涯を駆け足で描いていますが、絵に惹かれました。絵の一つは、この当時の社会状況。このころイタリアは都市国家の時代。ナポリ王国、ヴェネッィア共和国、ミラノ公国、シチリア王国など。そして、まわりは神聖ローマ帝国、オスマン帝国など。ガリレオが生まれた1564年は、ウイリアム・シェークスピア誕生とミケランジェロ死去。メディチ家の宮廷づき哲学者兼数学者となったとありますが、大学教授よりも魅力があったのでしょう。おなじみのピサの斜塔。木星のまわりをまわる四つの「星」を発見し、この四つをメディチ星となづけたこと。そして宗教裁判の場面では、中央にガリレオ、そして円形劇場の観客席風に取り巻く神父たち。教会の教えに従わない孤独をあらわした場面で...星の使者

  • わん貸し岩・・鳥取、わん貸し岩屋にしかられた善助・・徳島 碗貸伝説

    ・わん貸し岩(鳥取のむかし話/鳥取県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年)自分の家で、大勢のお客さんをもてなすのに、ごちそうをいれる椀が必要になると、赤松の淵にある畳何十枚もしけるような岩にお椀をかりていた村が、ありました。大声で頼むと「オー」と返事があり、必要な数がちゃんと岩の上に置いてありました。ところが悪い男がいて、借りたお椀をひとつごまかすと、淵の底から「足らーん。足らーん」と、太い声がして、それっきり、だれが借りにいっても、もうお椀を貸してくれないようになったと。・わん貸し岩屋にしかられた善助(徳島のむかし話/徳島県教育会編/日本標準/1978年)雨も降らず、日照りが続き、川の水も干上がったのに困った中山村で、善助さんのところで寄り合いし、「雨ごい祭り」をしようと相談した。お祈りに使う道...わん貸し岩・・鳥取、わん貸し岩屋にしかられた善助・・徳島碗貸伝説

  • しごとをとりかえたおやじさん・・ノルウェーの昔話

    しごとをとりかえたおやじさん/山越一夫・再話山崎英介・画/福音館書店/2011年(1974年初出)ねんがらねんじゅう、おかみさんのやりかたがきにいらないといっては、がなりたてていたおやじさん。おかみさんが仕事をとりかえることをもうしでると、おやじさんは大喜び。翌朝、おかみさんが大きな鎌をもって、牧草地の草刈りにいくと、おやじさんはまずバターをつくることに。バター桶をかき混ぜていると、ビールが飲みたくなり地下室でビール樽の栓を抜いたとたん、台所でブタの鳴き声。おやじさんがビール樽の栓を持ったまま、台所にいくと、ブタがバター桶をひっくりかえして、床にこぼれたクリームをぴちゃぴちゃなめていました。かんかんにおこったおやじさんが、ブタをちからいっぱい、けりつけるとブタは死んでしまいます。ビール樽の栓をもったままな...しごとをとりかえたおやじさん・・ノルウェーの昔話

  • おばけのコックさん

    おばけのコックさん/西平あかね/福音館書店/2012年(2008年初出)真夜中になると川の近くの壊れた空き家は、おばけのレストラン「おばけてい」にはやがわり。コックの見習い”ぺーたろう””ぽいぞう”、親方”けむりおばけ”は新メニューのとくせいスープづくり。ウエートレスは、”ふにさん””へはさん””ほよさん”。市場で売っているものはユニークなものばかり。野菜売り場では、きゃらめるきゃべつ、おたんこぶなす、えだあめ、びっくりたこ、わらいかなど。メニューは・・・。おしゃべりいわしのペチャクチャ、しゃっくりプリンとおしりこ、うそつきバナナパフェ、くものすサラダ(裏表紙)くるぽんきゅう(できたてとくせいスープ)、しおかぜサンドイッチ、こけチーズピザ。飲み物は・・・。オバケビール、コウモリワイン、オニのなみだ、くるみ...おばけのコックさん

  • やさしい魔女

    やさしい魔女/作・ジーン・マセイ絵・エイドリアン・アダムズ訳・おおいしまりこ/新世研/2002年ハロウィーンの日、深い霧にまぎれて、24人の魔女たちが魔方陣をかこんであつまり、もうひとりの魔女をまっていました。もうひとりは魔女になって三週間しかたっていない新人のリトルです。リトルは忘れ物がないか部屋の中を歩き回っていましたが、フクロウが持ってきてくれたほうきにのってようやく魔方陣へ。今日、魔女たちは、お月さまをぴかぴかにみがきあげることになっていましたが、一番についたものには、新品のクモの巣のベールが、ほうびです。ふんわりとして、なめらかで、世界中さがしてもこんなに美しいベールには、おめにかかれません。でかける前に、もちものの点検です。ひとふりするとドロンと消える透明パウダー、つぎに「空とぶほうき」。この...やさしい魔女

  • 知恵ある人には福がある‥徳島

    徳島のむかし話/徳島県教育会編/日本標準/1978年村の分限者が、ひとりむすめに、いいむこをと、立て札を立てました。「うちのひとりむすめのむことして、知恵のある歌よみをもとむ。門の手前においた一わの藁を、十六によめた者を、むことしてむかえたい」そこへやってきたのは、知恵者とうわさされている若者。長いこと立て札を睨みつけてから、門のなかへ。「ちょいと、入れば、にわがある。」「庭の先には、くわがある」「おばあさんの顔には、しわがある」ここまで、にわ(二わ)、きゅうわ(九わ)、しわ(四わ)で十五わあとひとつ足りない。そこで「門の手前に、わら一わ」。みなよせると十六わ。ぶじむこになった若者は、それから、なんぞ困ったことができたら、知恵をしぼってうまいこと解決したんじゃと。ほんまに、知恵のある人には、しあわせがつい...知恵ある人には福がある‥徳島

  • うみのおまつり どどんとせ

    うみのおまつりどどんとせ/さとうわきこ/福音館書店/2012年(2006年初出)ばばばあちゃんの今回のミッションは、海岸でねている大クジラをおこすこと。「おもいっきりやかましいげんきをもっていこうか」と、音の出るものをリヤカーに乗せて出発。海につくとみんなびっくり。大きなクジラが二頭、海岸をふさいでいます。ばばばあちゃんはねじり鉢巻き、ねことイヌはシンバル、ばばばあちゃんは和太鼓、うさぎとくまはラッパ。うみのまつりだドドンがドンドン、ドドンがドンプップクブーパッパラパァーそれでもクジラはおきません。今度は船に乗りクジラのすぐそばまでいって、うみのまつりだドドンがドンドン、ドドンがドンパッパラパッパープップクブーカニがチョキチョキはさみをならしえびもいわしもとびはねたそれでもおきないクジラ次はドドーンドーン...うみのおまつりどどんとせ

  • まいごになった子ひつじ

    まいごになった子ひつじ/ゴールデン・マクドナルド・作レナード・ワイスガード・絵あんどうのりこ・訳/長崎出版/2009年1946年コルデコット賞銀賞受賞作とあって、よくみたら1945年の出版。50年以上前だとモノクロというイメージですが、落ち着いた色合いで、夜の場面では、単色の淡い色。羊飼いの少年が、いつの間にかいなくなった黒い子ひつじを、朝までまちきれず、星明りのなかを、山に探すにでかけます。緑の谷にはピューマのするどい声。黒い子ひつじは、どうやらピューマをおいはらったようでした。牧草地の緑の葉が、雪がとけるにつれて、どんどんひろがり、若草が匂い、顔を出した花のかおりがただよう情景のなかで、少年は歌います。おーい、風さん青い空からおりてきて白いひつじにしずかにふいて。黒いひつじにもしずかにふいて。シンプル...まいごになった子ひつじ

  • ちいさな あかいにわとり・・アイルランドの昔話

    ちいさなあかいにわとり/大塚勇三・再話日紫喜洋子・絵福音館書店/2022年(2016年初出)むかしむかし、森の小さな家に、こねこと、こねずみと、小さな赤いにわとりが住んでいました。朝、かまどに火を起こすときも、部屋の掃除をするときも、朝ごはんを作るときも、赤いにわとりは、「誰がやる?」と聞きます。すると「あたしは、やらないよ」「ぼくも、やらない」と、こねこもこねずみも、まったくやるきがありません。ところが、朝ご飯ができると、「あたしがたべるよ」「ぼくも、たべる」という始末。それでも、赤いにわとりは、「きみたちがいつでもわたしを手伝うって約束するならべつだけど」というと、「てつだうよ」「てつだうよ」というので、みんなで朝ごはんを食べました。朝ご飯を食べ終わると、きつねがやってきて、「だれが、おれのせなかをか...ちいさなあかいにわとり・・アイルランドの昔話

  • わたしたちも ジャックも ガイも みんな ホームレス

    わたしたちもジャックもガイもみんなホームレス/モーリス・センダック・作じんぐうてるお・訳/富山房/1996年正直マザーグースに触れたことがないので、どう受け止めたらわからずじまい。題名のある方からはじまると思うと、これがじつは裏。ホームレスがどっさり。月が表情豊かに見下ろし、ときにはのらねこ?のすみかに。「ホームレスの家には壁がない」たしかに。盗みの決着は、ブリッジで。盗まれたのはちいさい男の子と、こねこ。ライ麦畑でひと騒動。「詩」のリズムがわからないと、よさがわからないのかもしれません。新聞紙があちこち大活躍しています。モーリス・センダックのほかのものを見てからもう一度、立ち返ってみたい。エリザベス二世がなくなったときの暗号名「ロンドン橋落ちた」は、マザーグースの歌からとったという。わたしたちもジャックもガイもみんなホームレス

  • 舌もとりを悪うする薬・・岡山

    岡山のむかし話/岡山県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年「舌もとり」というのは聞きなれませんが、「いじのわるいおしゃべり」という注釈がついています。夫に死なれ、こどもふたりをそだてている若い後家。しゅうとめが口やかましい、意地悪うするので、実家に帰ろうかとも思うたが、子どもを残してはかわいそうと、がまんして暮らしておった。ある日、どうにもこらえきれんようになって、医者のところにいって「舌もとりを悪うする薬をつかあさらんか」と頼むと、「薬はつくるが、よくしゃべるしゅうとめの口を、しゃべらないようにするからには、わしにもあんたにも、罰が当たるかもしれない。その薬を飲ませる前に、わしの分が三十日、あんたの分として三十日、つごう六十日、しゅうとめを大事にしてくれ。六十日たったら薬をとりにきなさい」といわ...舌もとりを悪うする薬・・岡山

  • 路上のおじさん

    路上のおじさん/サラ・V・文クロ-ド・K・デュポア・絵おびただす・訳/六曜社/2017年大都会の一日がはじまりました。凍るような寒い夜があけ、路上のおじさんも、おきだしました。おなかをすかしていました。とてもがまんできないほどにほどはらぺこでした。つかれきったおじさんは、路上でしばらく横になります。ほんとにほんの数分。路上をとおりすぎる人々。「ねるとこじゃないぞ」と、いわれまたとぼとぼあるきだしたおじさん。路上生活している人にたべものを配ってくれるショッピングセンタは、まだしまっていました。あまりにはやすぎたのです。受付でまち、ようやくおじさんの順番がきました。ところが、「あなたのなまえをどうぞ」といわれ、名前がどうしても思い出せません。名前を名乗らないと食料はもらえないのです。しかたなく空席の目立つバス...路上のおじさん

  • こどもかいぎ

    こどもかいぎ/北村裕花/フレーベル館/2019年「わかばえん」で、こどもかいぎがはじまりました。出席者は六人。今日のお題は、「おこられたときはどうしたらいいか?」「ごめんなさいってあやまる」、「泣いちゃう」、「笑ってごまかす」いろいろ意見が出てきて、いつか話はおかあさん、おとうさんが怒るとどんあふうになるのかに。「めがつりあがる」「鬼みたいになる」「ようかいみたいになる」さらに、どこの親が一番怖いかで争いになって。「おこられたときはどうしたらいいか?」にもどって、らんちゃんが提案した方法は?けんたくんが、おもちゃをかたずけていないとおこられるとらんちゃんの方法を実践しますが・・・。怒られているときの親の表情。こどもたちは、意外に冷静にみているのかも。裏表紙の見返しに、それぞれの子の性格、すきなたべものがあ...こどもかいぎ

  • てんを おしあげた はなし・・中国チワン族のおはなし

    てんをおしあげたはなし/牧野夏子・文佐々木マキ・絵/福音館書店/2022年(2007年初出)昔、天と地は、なかのよい兄弟で、ぴったりとくっついていました。ところが、太陽や月や星、草や木や動物、それに人間たちがあらわれました。そのせいで、天と地は、だんだんはなればなれになり、前と同じようにいっしょにいることができなくなってしまいました。はなればなれはいやだいやだと、天はうえから、地はしたから、おしあいをはじめました。みんなぎゅうぎゅうづめになり、ひとりのおじいさんの知恵で、天と地の間に、つっかいぼうをたてることにしました。それはそれは大きく、太さは人間が百人手をつないでかかえられるぐらい。それに硬い木。ところが、木をたてるのが大変。こっちをたてればあちらがたおれると、天と地の間はちっともひろがりません。それ...てんをおしあげたはなし・・中国チワン族のおはなし

  • つきよのかいじゅう

    つきよのかいじゅう/長新太/佼成出版社/1990年初版山奥の深い湖。ここにいるという怪獣を、カメラ片手に特ダネ?をねらっていた男。十年たったある夜、満月にさそわれたか、ついにでてきた。すこしづつ湖面からもりあがる。どんな怪獣だろうか?あれこれ想像する男。怪獣がぐーんとおおきくなった。男の胸はドキドキ。ボコボコあらわれポコポコしずんでいく怪獣。果たして怪獣の正体は?作者が正体をあきらかにしているところによれば・・・。まさかあ!怪獣の姿を想像するところをのぞけば、ほとんどおなじ構図。おやいつのまにか月が半月に。表紙と裏表紙の見返しに、数えれきれないほど怪獣が勢ぞろい。つきよのかいじゅう

  • くらべるえほん たべもの

    くらべるえほんたべもの/ちかつたけお/学研プラス/2022年おなじ食べものが左右にあってどこがちがうか考える絵本。キャベツからはじまってクリームソーダーまで。すぐわかるものから頭をひねるものまで。まん中できられたスイカは、たねのならびかた。スイカの種類がちがうと思ったら、縦に切るものと横に切るちがい。だまされた感じ。たい焼き。あんことクリームのちがいは、分からず。おなじ食べものととらえていると、ことなる野菜も。ちがうところがあるといわれないと、みんな同じように見える。先入観はこわい。ちょっとした仕掛けにも注目です。くらべるえほんたべもの

  • そらから おちてきてん

    そらからおちてきてん/ジョン・グラッセン・作長谷川善史・訳/クレヨンハウス/2021年「THEROCKFROMTHESKY」が原題ですが、これが「そらからおちてきてん」となると、もう長谷川ワールド。ちょっと分厚めの装丁、文章が一ページにあったり、絵の上にあったり。五つのパートにわかれていますが、でてくるのは、なぜか帽子をかぶっているちょっぴりガンコなカメ、おしゃべりなアルマジロ、無口なヘビ。そして宇宙人みたいな得体のしれない目の怪物、そしてどこから現れたのか不明の大きな岩。原題のように空からきたのなら、巨大な隕石、またはどこかの火山が爆発して飛来したものか。(いわ)カメが見つけたのは、一輪の花が咲くお気に入りの場所。はじめいっしょにたっていたアルマジロが「なんかいやあなかんじがするねん」と、離れたところへ...そらからおちてきてん

  • 五百びくに・・岡山

    岡山のむかし話/岡山県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年わしが、村から村へ薬を売り歩いていたときのことじゃ。山ん中で道がわからくなったときにであった二十七、八に見える女の人に泊めてもらうことになってなあ。案内されるままにその家にあがり、アワのかゆをたべさせてもらいながら、身の上話をきかしてもろうた。こんな話であった。わたしゃあ、四国のある漁師の家に生まれ、二十二になったとき、同じ村の漁師のところへおよめにいいったんです。かわいい子どもも生まれ、なにごともなく暮らしておった。二十七のときじゃったか、二十八になっとったのかもしれないのですが、大病にとりつかれ、なんぼうたっても、なおりません。ある日、夫がいままで見たこともない不思議な貝を見つけて帰り、その貝をわたしに食べさせてくれたんです。すると、そ...五百びくに・・岡山

  • スズの兵隊

    スズの兵隊/アンデルセン・作マーシャ・ブラウン・絵光吉夏弥・訳/岩波書店/1996年ある男の子が誕生日のお祝いにもらったのは、スズの兵隊の25体セット。そのなかで一人の兵隊だけが一本足でした。スズが足りなくなったのです。スズの兵隊がいたテーブルの上には、ほかにもたくさんのおもちゃが並んでいましたが、そのなかに紙のお城があり、入り口には、モスリンのスカートをはき、両手を広げ、片足を高くあげていたバレエの踊り子がいました。そのむすめも一本足だと思い込んだ兵隊は、むすめに恋をして、いつもじっと眺めていました。そんな兵隊に試練が訪れます。風が吹いて、三階から地面に落ちてしまい、どしゃぶりの雨があがると、男の子がつくってくれた舟にのせられ、溝を流れ出します。溝から下水のトンネルを、どぶネズミにおいかけられ、運河をた...スズの兵隊

  • たいへんなひるね

    たいへんなひるね/さとうわきこ/福音館書店/1990年(1988年初出)もう四月だというのに外は雪。四月になると、外で昼寝するばばばあちゃん、うろうろしている冬をおっぱらってやろうともちだしたのは大きなラッパ。「もう春ですよー」森にむかって大きなラッパふきならすと、森のみんなは驚いてとびだしてきます。そして、こんどは、地面にむかって「もう春だよー」。もぐらもヘビも、カエルもとびだした。春にしては寒いとみんないうとばばばあちゃんが持ち出したのはふくろ。ふくろのなかに、おのおの「春だよう」「もう春だよう」「ちょうちょちょうちょ」「よもぎだんごたべたい」と、大声をつめこんでふきとばすと、かみなりさんがおきだし、たいこをドデドデドドーンとたたくと火花がちって、花火玉はいきおいよく空に上がってぱっとひらいたはなびか...たいへんなひるね

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