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どんぴんからりん すつからりん https://blog.goo.ne.jp/ogawasaito

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・・。それにしても奥が深い。(2012.9から)

どんぴんからりん すつからりん
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2015/11/21

  • サルとカエル・・福島

    福島のむかし話/福島県国語教育研究会編/日本標準/1977年むかし、山の上の森にいっぴきのサルが、その下の田んぼにカエルがすんでたんだと。ある日のこと、サルがカエルのところへやってきて、「うめえ餅でも食いたいと思ってきたんだが」ともちかけると、カエルは、「うめえ餅食うにはどうやるんだ」と聞く。サルは、「うめえものっていうのは、今すぐ食おうと思ってもできねえもんだ。これからおまえさんと田んぼを作って、秋には食いきれないほどの餅をついて、タヌキどんのように、腹づつみうってもてえもんだなあ」って、もちかけた。相談がまとまって、やがて春になって、お百姓が苗代の準備をはじめるが、サルからはいっこうに便りがない。カエルがサルのところにいくと、昨日から腹が痛くて、一人で苗代を作ってくれと、にわかに腹をおさえて、ウーンと...サルとカエル・・福島

  • しちどぎつね

    しちどぎつね/岩崎京子・文二俣英五郎・画/教育画劇/2003年きつねが人をだます話は全国に分布していますが、これは、落語版。二人づれの旅人が、店から鍋ごと料理を盗み、食べ終えたあと空になった鍋を放り投げると、たまたま昼寝していたきつねの頭に当たったからさあ大変。一度やられると七回しかえしをするというしちどきつね。二人の旅人が、着物を脱いで川をわたっていて、村人から声をかけられ、気がつくとそこはムギ畑。あたりが急にくらくなり、小さな寺に泊めてもらおうとして、尼さんから留守を頼まれ留守番をしていると、墓から亡者が出てきて踊ったり、相撲を取ったり。昨日亡くなった若い奥さんがあかんぼうをだいて「ねんころりん・・」。がたがた震えているところに、村の人たちが、ほんとの仏さんだという棺桶をおくと、棺桶がふたが押し上げら...しちどぎつね

  • ふしぎなしろねずみ・・韓国

    ふしぎなしろねずみ/チャン・チョルムン・作ユン・ミスク・絵かみやにじ・訳/岩波書店/2009年雨がしとしとふる日、昼寝をしていたおじいさんの鼻から小さい白いネズミがでたりはいったり。おばあさんが、外に出て行った白ネズミのあとをおいかけていくと、水たまりでうろうろ。おばあさんは、ものさしをそっとおいてあげます。さらについていくと「こいつはおいしいきびもちだ!」と、ネズミは牛の糞をおいしそうに食べます。ネズミは山道にさしかかったとき、石垣の穴にするりと入っていきます。この白ネズミは、まだ寝ているおじいさんの鼻の穴にもどってきました。やがて目を覚ましたおじいさんが、ネズミになって外に出かけて行った夢をおばあさんに話しました。おじいさんの夢は、おばあさんが白ネズミをおいかけて体験したことがそのままでした。おじいさ...ふしぎなしろねずみ・・韓国

  • ぴょん

    ぴょん/内田麟太郎・作高畑純・絵/金の星社/2023年岩のそばからだれかがぴょんぴょんぴょんしているのはカエルさん海の中からだれかがぴょんぴょんぴょん魚さん春になってうれしくなってだれかがぴょんスニーカー、へび、ナマズ、ネコお花もぴょん楽器もぴょんとびっきりのぴょんはなんとなんと富士山タコもぴょん裏表紙にはクジラ春ってこんな感じかな!ぴょん

  • まじょさん またあした

    まじょさんまたあした/作・小野寺悦子画・山口みねやす/教育画劇/2000年(12画面)たった一人で、魔法の勉強ばっかりしていた魔女のところに、引っ越しのあいさつにやってきた女の子。魔女だと聞いてやってきという女の子は、魔女の部屋をみてびっくり。勉強ばかりしていて、魔女の部屋はちらかりほうだい。「呪文を唱えれば、掃除なんかすぐできるんじゃない魔法なんか知らないのね」とつっこみ、魔法の証拠をみせてほしいという女の子に、魔女は、なんでもみえる水晶玉を出しました。「お前さんの明日が見える」というので、女の子は、じっと水晶玉をみていましたが、「だめだめぼーっとかすんでてよくみえない。うちのテレビならよく見えるし、漫画もあるのよ」とこたえます。食べたいものをすぐだしてあげるというので、アイスクリームをお願いしますが、...まじょさんまたあした

  • 村をそっくりのみこんだディキシ・・ボツアナ

    キバラカと魔法の馬/さくまゆみこ・編訳太田大八・画/富山房/1979年むかしむかし、ディキシという荒々しい巨人が、とある大きな村を、人びとも動物も、そっくりそのまま飲み込んでしまった。巨人は一つ目で、腕と足が一本ずつ。ディキシのおなかから抜け出そうと、賢者が鉄を鍛えるときにつかうふいごで、火をおこしはじめた。おなかのなかで火が燃えあがったので、巨人はのどが渇いて水が飲みたくなり、沼へ走って、水をのみはじめた。ところが巨人のからだが、あまり熱くなっていたので、飲もうとするそばから水がどんどん蒸発し、一滴も巨人のおなかのなかには入らない。巨人は、この沼はあきらめて、水をまんまんとたたえた別の沼に行くが、巨人が水を飲もうと口を近づけると、この沼もたちまち蒸発して、水はすっかりなくなってしまう。やがて六番目の沼も...村をそっくりのみこんだディキシ・・ボツアナ

  • おもいでは きえないよ

    おもいではきえないよ/ジョセフ・コエロー・作アリソン・コルボイズ・絵横山和江・訳/文教出版/2020年女の子が、おじいちゃんと暮らした楽しかった日々を思い返します。春には、散歩しながら、生まれる命をみつけ、夏には、壊れたおもちゃの車とコースをふたりで修理し、秋には表紙にだいだいいろの葉っぱがつき、インドの赤い革ひもで閉じた手づくりのノートをもらい、冬にはすきだった物語を聞かせてもらったおじいちゃん。しかし、ママ、パパとおじいちゃんの部屋をかたづけていたら、そこには懐かしいものがのこっていました。女の子は思い出はいつでも遊びにいける部屋なんだって思います。花、蝶などが、どのページも色があふれ、素敵な日々だったことが伝わってきます。おじいちゃん、孫娘の顔はブラウンですが、文はイギリス、絵はオーストラリアの方で...おもいではきえないよ

  • 悪魔をだましたふたご・・リベリア

    キバラカと魔法の馬/さくまゆみこ・編訳太田大八・画/富山房/1979年悪魔が二本の道が交差しているところに小さな家を建て、住むことにした。これは、この道を行き来する人びとにとっては、なんとも迷惑な話。旅人がこのちかくにやってくると、悪魔はいつも太鼓をたたき、踊れと命令する。そして、「先にくたびれたほうが、死ななくちゃならんぞ」という。先にくたびれるのは、いつも旅人のほうで、疲れてぐったりしたところを、悪魔に食われてしまっていた。町の人が悪魔に食われてしまって、みんなが困っているのをみて、一組のふたごの若者が、この悪魔と勝負し、成敗してやろうと決心した。一人が、楽しそうに歌をうたいながら悪魔の家に近づくと、このところ何日も人の姿をみていなかった悪魔が、うれしそうに声を出し、「ほいほい、若い旅人よ。さあ、踊ら...悪魔をだましたふたご・・リベリア

  • ゆきをしらない こねこのおはなし

    ゆきをしらないこねこのおはなし/エリック・ローマン・作長滝谷富貴子・訳/あすなろ書房/2008年初版春、4匹のねこの兄弟が遊んでいると、郵便受けから絵葉書がおちます。ペンギンと雪の絵葉書でした。お兄ちゃんねこは「やだな!冬になると、雪がふるんだってね。つめたいゆきがふるとうーんと寒くなるんだ」おとうとねこ、いもうとねこも心配なのですが、すえっこねこは「なんだかおもしろそう!雪はやくふるといいな」とまちどおしい様子です。夏、このまま冬がこないといいなあと思ったのは、上の三匹。秋、上の三匹は、木の葉のように、うもれてしまうのではと心配なのですが、末っ子は「おもしろそう!」冬、雪が降って、末っ子はよろこんで外に。末っ子が、はねたり、ころげたり、わらったりと楽しそうなのをみた三匹は・・・・。兄弟がいると、末っ子は...ゆきをしらないこねこのおはなし

  • みそすり地蔵・・石川

    石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年家が貧しく総持寺という寺に小僧としていった十歳の男の子。了念という名前をつけられ、味噌すりの仕事をすることになりました。ところが、このお寺には何百人もの坊さんがいるので、味噌すりといっても大変な作業。毎日毎日、蔵の中に座っての味噌すり。おかげで着物も顔をもいつも味噌だらけで、口の悪い坊さんから「みそすりこぞう。小さなみそすりこぞう」と言って、わらわれていた。それでも了念は嫌な顔をせず働いていた。了念は言いつけられていた仕事のほかに、寺の境内の片隅にある古ぼけた地蔵さんのまわりを、掃除することに決めていた。ある日、了念の姿が見えくなって、どこからともなく別な小僧が現れ、味噌すりをするようになった。仕事がつらくなって、了念がかわりの小僧を置いていったと...みそすり地蔵・・石川

  • 月のうさぎとりゅうぐうの亀

    月のうさぎとりゅうぐうの亀/絵と文田中富美恵/書(文字)分須尚太/企画制作/トロロん家/2023年うさぎどし図書館の新刊本コーナーにあったものですが、出版社も値段も表示されていないので、自家出版の絵本でしょうか。表紙を開くと「月のうさぎとうらしまたろうのおとぎばなしがあってこのおとぎばなしはできました。」とあり、すぐに物語の世界へ。月に住むうさぎが、地球のりゅうぐうというところにいってみようと、流れ星に乗って地球へ。ついた先は夢にまで見た海。りゅうぐうの亀にあって、海の底へもぐっていくと、乙姫さまがでむかえてくれました。たのしい日々がすぎた後、はじめて月をみたうさぎは、月のあたたかい光が心にしみ、ぽろぽろ涙がながれました。「かえりたい!」といううさぎに、乙姫さまがやさしく「きょう月から光のはしがおりてきま...月のうさぎとりゅうぐうの亀

  • いえがあるって いいね

    いえがあるっていいね/パトリア・ベガティ・文ブリッタ・テッケントラップ・絵/木坂涼・訳/ひさかたチャイルド/2021年冬眠からおきたクマの親子が外に出てみるとリスが走り回り、ビーバーがいえをつくっていました。鳥たちも枝やどろをつかっていえづくり。川は、魚たちのいえ。土の中はとっても気持ちがいいいえ。寒くなってあたたかないえにむかうのはわたりどり。また、冬がやってきて・・・背景に季節の移り変わりがありますが、あっという間に冬がやってくるので、切り替えが大変。「いえがあるっていいねはるもなつもあきもふゆもどこかでみんなからだをやすめている。」ページのほとんどに、切り抜きがあり、左のページは前のページの絵、右のページには、次ページの絵の一部が見える凝った作り。切り抜きも、木の枝にそったものや、穴、斜めにざっくり...いえがあるっていいね

  • こねこの はなしではない おはなし

    こねこのはなしではないおはなし/作・ランドール・ド・セーヴ絵・カーソン・エリス訳・石津ちひろ/学研/2023年車の下に、よごれていて、はらぺこでびくびくしていて、ひとりぼっちで、さびしそうにないていたこねこ。散歩中の犬がねこに気がつきました。段ボールを持ってきた双子がいました。ミルクをあげようとした人がいました。こねこを車の下からおびきだそうとみんながみつめているとはじめはいやがっていましたがついにみんなの前に。こねこにはおうちがありません。「うちでかってもいい?」と、名乗りを上げた子がいました。こねこには、アンバーという名前がつけられ・・・。こねこが家を見つけるのを手伝ったニューヨーク近郊で起きた実話をもとにしたとありました。「これはこねこのおはなしではないおはなし」「ミルクを分けてくれた男の人のおはな...こねこのはなしではないおはなし

  • カボチャのなかに たねいくつ?

    カボチャのなかにたねいくつ?/作:マーガレット・マクナマラ絵:G・ブライアン・カラス訳・真木文絵/フレーベル館/2015年チャーリーは学校もなかよしのともだちも大好き。ただ背の高い順にならぶのが不満でした。なぜならチャーリーは一番背が低いのです。ある日、ティフィン先生が、大、中、小の三つのカボチャを机の上において種はいくつか聞きました。みんなが言った種の数はバラバラ。チャーリーの提案で、実際に種の数を数えてみることに。中身を取り出し、数え方を考えてくるのが宿題です。種を二粒、五粒、十粒づつ数えるグループにわけて、数えてみると、一番多かったのは、意外にも、大きなカボチャでなく、一番小さいカボチャでした。おおきいのが、必ずしも、種の数が多いことにならないことに気がつかせるための、先生のしかけでした。その日の下...カボチャのなかにたねいくつ?

  • ちゅーと ちょーの くだものさがし

    ちゅーとちょーのくだものさがし/作・絵ミスミヨシコ/教育画劇/2012年(8画面)はじめに果物の一部がでてきて、つぎに名前をあてる紙芝居。誰もが知っているバナナ、サクランボ、スイカの三つで、小さい子でも楽しめそうです。8画面と短めで、掛け合いを楽しめますが、答えがすぐわかりますので、脚本にある「せーの・・・」のタイミングで、みんなに答えてもらうのがいいかも。かわいいねずみの「ちゅー」と「ちょー」が、質問しながら、遊んだり、食べたりしています。表題にも果物の一部があり、導入もスムーズにいきそうです。ちゅーとちょーのくだものさがし

  • ふえふき太郎・・岩手

    岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年継母からいじめられ、しまいにはころされてしまうかもしれないと、父親から逃げ出すように言われた太郎。風呂敷に晴れ着と、銀の笛を包んだ荷物を持って旅に出て、長者のところで働くようになります。そこでつけられた名前は「かってぇぼ」。長者の家では、みんなが嫌がる仕事を、はいはいと働いていた太郎でしたが、長者の家でつかってもらうまえに、父親にいわれたとおり、顔に泥をぬっていました。いつも、一番後に風呂に入って、すっかり顔を洗い、晴れ着を出すと、銀の笛を取り出し、練習をしていました。長者の家にはむすめが三人いました。ある日、末のむすめが、笛の練習している太郎に気がつきますが、なにか理由があるだろうと、だれにも何も言わずにいました。秋祭りには、村同士の笛上...ふえふき太郎・・岩手

  • リジーと雲

    リジーと雲/テリー・ファン&エリック・ファン・作増子久美・訳/化学同人/2023年リジーが雲を育てたいと思ったのは、どうしてだろうと想像しましたが結論はでませんでした。花や植物を育てるのではなく雲です。雲売り場には、オウムやウサギ、サカナやゾウの雲もありましたが、リジーが選んだのは、よくみかける普通の雲。リジーは、雲にミロと名前をつけました。それが雲のお世話の一番目の仕事?でした。それからは毎日の水やり。ただあげすぎには注意です。いきなり雨を降らすこともあったり、急に気分が変わることもあるのです。ミロに水やりをしていると、おかえしに花や植物に水をかけてくれました。風船のようなミロを散歩にもつれていきます。ミロがだんだん大きくなったある夜、ミロは、部屋の中に大雨をふらせてしまいます。「雲のお世話の仕方」には...リジーと雲

  • 野川の桜

    昨日は調布まで足をのばしました。曇りがちの日でしたが野川の桜の下には、多くの家族連れが。2,3日前の雨で花びらが散っていました。野川の桜

  • うんとく・・岩手

    岩手のむかし話岩手県小学校国語教育研究会編日本標準1976年「はなたれ小僧」ににかよっていますが、”へんなこども”として登場します。貧乏なおじいさんが、川の中に、薪を投げてやると、生き物みたいにぐるぐるおどって渦の中に沈んでいきました。おもしろいと薪をつぎつぎに投げたので、薪はゼロに。すると、川の中から、きれいな女の人があらわれ、おらへの家にきてくれという。水の底にいけないというと、目をつぶって背中へおぶされといわれ、ついたところは、立派な建物。そこで酒や魚などいっぱいごちそうになり、かえるとき、”へんなわらす”を連れて帰れという。無理にあずけられ、しかたなく連れて帰ると、「おじいさん、おれはうんとくという者だ。どこか座敷の奥にでもおいてけれ」という。このわらしの働くこと働くこと、朝から晩まで働くので、お...うんとく・・岩手

  • まいごになったソック

    まいごになったソック/脚本・すとうあさえ絵・松成真理子/童心社/2011年どんぐり拾いに行ったひろしくん。枯葉の絨毯で遊ぼうと靴下を脱いだ拍子に、片方の靴下(ソック)を木の枝にひっかけてしまいました。おうちにかえるころ、ひろしくんは、木の上のソックが見つからず、ママが心配するからとスックだけを持って、帰ってしまいました。ひとり残されてソックのところへリスタとリスコがやってきて、下におろしてくれました。リスたちは、ソックにどんどこどんどこどんぐりをいれみこしがわりにわっしょいわっしょいえっさかほっさか。ソックみこしがわらいどんぐりもぐりぐりわーらった。くるみもいれ、ふゆのごちそうのじゅんびは万端。ところが、ソックは相棒のスックのことを思い出し、悲しくなりますがリスタ、リスコもソックの中に入ってぐっすり。次の...まいごになったソック

  • なんでも ふたつ

    なんでもふたつ/リリー・トイ・ホン・再話絵・せきみふゆ・訳/評論社/2005年ある春の朝、ハクタクじいさんが、畑を耕していると、真鍮でできたふるい甕がでてきました。ばあさんが何かに使うだろうと、持ち帰ると、おばあさんが甕をのぞきこんだ拍子に、髪飾りが落ちてしまいました。拾おうと手探りしていると、髪飾りが二つみつかりました。その上、おじいさんが持っていた財布も二つ。大喜びしたおじいさんは、おばあさんが、あたたかく冬を過ごせるように、オーバーをいれてみると、オーバーもやっぱりふたつ。それからは、肉や果物、そして金貨を入れた財布まで甕に入れ、床は金貨でいっぱい。ところが、おじいさんが村に買い物にいったとき、感謝の気持ちで甕を覗き込んだおばあさんが、甕の中に落ちてしまい、おばあさんが二人になってしまいました。あた...なんでもふたつ

  • なぞなぞ はじまるよ

    なぞなぞはじまるよ/文・おおなり修司絵・高畑純/絵本館/2016年おはなし会などで、なぞなぞで盛り上がることが多くあるので、どうかなと思ったのですが、個人的はすぐに答えが思い浮かばず、ギブアップ。頭が固くなっているのを実感。絵も親しみやすく、ちょっとしたヒントがあっても、答えが浮かびませんでした。子どものほうが楽しめるでしょうか。「じぶんのことをちょっとえらそうにいうとり、なあに?」「ときたまそらからふってくるどうぶつ、なあに?」こんななぞなぞが、32。一部だけの利用もできそうです。なぞなぞはじまるよ

  • ごんごろ じゃがいも

    ごんごろじゃがいも/いわさゆうこ/童心社/2014年料理に活用が広いじゃがいも。種芋をうえ、花が咲き、収穫まで。土の中のねっこのようすまで、ていねいにイラストで描かれています。だんしゃくやメーククイン、きたあかりのほか、ちょっと目にしないいもの種類も紹介されています。そして、さといも、さつまいもも。”ごろごろ”という表現がぴったりのじゃがいもです。土に親しむことも少なく、じゃがいもの花を見たこともない子どもと一緒に目をとおしてから、スーパーにいってじゃがいもを購入すると、話がはずみそうです。「食べ物は土から生まれるという実感をあたえてくれたのは、じゃがいもでした」という作者の言葉に共感です。ごんごろじゃがいも

  • ちいさなふたりの いえさがし

    ちいさなふたりのいえさがし/たかおゆうこ/福音館書店/2023年(初出2020年)クルミの家がおおきなヒョウでこわれてしまったちいさなおじいさんとおばあさんが、あたらしい家を探しにでかけました。綿毛につかまってとびあがり、ついたところがイチゴ畑。甘い香りのイチゴの中身を取り出し、ドアや窓を作り、中身はジャムに。毎日おいしいイチゴを食べて暮らしていましたが、夏になるとイチゴの家は、べとべとしはじめ、ぐにゃりとひしゃげてしまいました。「この家はやわだのう」と、また新しい家を探すにでかけついたところはスイカ畑。スイカの家は三階建て。毎日おいしいスイカを食べていましたが、夏真っ盛りになると、スイカの家は割れてしまいます。次は木の上の眺めのよいリンゴの家。リンゴの家が船になってしまうとまたまた新しい家探し。ついたと...ちいさなふたりのいえさがし

  • ゴリラのビックリばこ

    ゴリラのビックリばこ/長新太/絵本館/1990年いたずらずきなゴリラが作ったのは、はこのうしろのボタンをおすと、メガネがとびだすビックリばこ。そのメガネは、顔からとれません。森じゅうの動物たちがメガネ顔になってしまいました。メガネブタ、メガネカエル、メガネサカナ、メガネライオン、メガネシマウマ・・・動物たちはメガネをかけると、みえなくなってしまって大騒ぎ。片方のボタンを押すと、メガネがとれるようになっていたビックリばこを、おこったカバが、足でメチャメチャしてしまったから大変。スタコラゴリチャンと、にげていったゴリラが、みんなにつかまって、メガネをとるビックリばこをつくることに。これがなかなかできません。みんながなんにちもまっていると、イモムシみたいにやせたゴリラがやってきてはこのボタンを押すと、メガネがピ...ゴリラのビックリばこ

  • おとうさん

    おとうさん/脚本・与田準一画・田畑精一/童心社/1998年(12画面)ひとりぼっちのマンガラン・グリーン・ベクーという魔物が、川で遊んでいるぼうやをみて、お父さんになってみたいなと、ぼやのお父さんに変身し、本当のお父さんが、目を離したすきに、ぼうやをさらってしまいます。やがて、川からあがってきた本物のお父さんと魔物のお父さんがはちあわせ。顔も、声も同じ。二人の父さんは、島の王さまに、裁判できめてもらうことになりました。すると、王さまは、大太鼓をもちだし、太鼓の中に、ぼうやを入れて、山登りをするよう命じます。すぐにけわしい山道をのぼりはじめた二人のおとうさん。さあ、王さまの裁定は?インドネシアスマトラの民話。二人のお父さんが、坊やの手をひきあう絵があるので、よくあるパターンかと思うと、太鼓がでてきて、王さま...おとうさん

  • お月さまになりたい

    お月さまになりたい/三木卓・作及川賢治・絵/偕成社/2022年ぼくは、学校のかえりに、へんな犬にであいました。じぶんがなりたいと思えば、なりたいものになれる犬でした。「真っ白い犬なら、かってやるんだけど」というと、白と茶のぶちから、真っ白へ。犬は、「とてもすばらしいところへ、いきませんか」と、ぼくに話しかけました。ぼくがいってみようかとおもったとき、犬は二日も食べていないからと、まずはほねつきの肉をおねだりです。それから、風見犬になって、風向きを確認すると、気球になって、ぼくといっしょに空の旅。海に出て、崖の上に着陸すると、「もっといいところにいきましょう」といいだしました。なんにでもなれるといったが、まだうまくなれないものがお月さまという犬は、ぼくにいっしょにいくよう誘います。いけないというぼくを残し、...お月さまになりたい

  • スサノオとオオナムチ

    スサノオとオオナムチ/飯野和好/バイインターナショナル/2022年兄弟に殺されかけたオオナムチは、死者の国を治めるスサノオの元を訪ね、スサノオの娘のスセリヒメにひと目で心ひかれ、夫婦になる約束をしました。オオナムチのくることを知っていたスサノオは、オオナムチをヘビの室屋やムカデとハチの室屋に寝かせ、さらには焼き殺そうとします。スセリヒメの協力もあって、無事危機を切り抜けたオオナムチは、スセリヒメを背負い、イクタチ・イクミヤという生命の宿る太刀と弓矢を手に取り、地上にむかいます。逃げていく二人に向かって、スサノオは、オオクニヌシと名前を改め、出雲に国を作れとと、叫びました。子どもはいずれ親の元から旅立ちます。スサノオが恋路を邪魔するように見えますが、試練を乗り越えられないなら、娘と一緒にさせないと思っていた...スサノオとオオナムチ

  • わらしことネムの花・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年ちょっと、ほっこりする話。あるところに、仲の悪い二人の長者がいて、東の長者が「右」といえば、西の長者は「左」というように、なんでも逆のことを言ったり、違ったことばかりしていた。三月のひなの節句のとき、めんごいおなごがいた東の長者が、都から高いひなさまを買って、酒は飲ませるし、うまいごちそうをいっぱい食べさせてやると、村の衆に、ふれまわります。それを聞いた西の長者はくやしくてくやしくてしかたがないけど、西の長者には男のわらししかいない。そこで、たんごの節句をくりあげて、ひなの節句にぶつけて、これも、酒はいくらでもごちそうし、ご馳走の食放題だと、ふれあるきます。喜んだのは村の衆。飲んだりたらふく食べたり。また、大雨のとき、西の長者...わらしことネムの花・・山形

  • やまのおんがく

    やまのおんがく/室井さと子/岩崎書店/2018年草笛をふいていたうさぎと”ぼく”が山へ行くとあっちからも、こっちからもいろんな音が。山道をのぼっていくとコルリフクロウの声が聞こえてきました。日陰に残っていた雪には、たくさんの足跡。日当たりのいいところでは、”ケキョケキョカッコー”の音。水の音、いきものの声、風の音は、まるで山が合唱しているよう。うさぎの家で一休みして、山へ出かけると、突然のカミナリ。うさぎとはなれてしまいますが、すぐに再会してやまの音楽会へ。いろんな音が音楽になって山中に響き渡ります。ページの下3㎝の幅に、”みつけてね”とあって、山の生き物が図鑑風に紹介されています。何度も見ていると気がつきますが、初見では難しい。動物や鳥など、60種類ほどのいきものが紹介されていますが、全部隠し絵になって...やまのおんがく

  • 麦畑のみはりばん

    麦畑のみはりばん/ベス・フェリ・文テリ-・ファン&エリック・ファン・絵よしいかずみ・訳/化学同人/2022年麦畑の見張り番をしている案山子。収穫が終わっても立ち続け、やがて冬。だれもともだちはいません。季節が進み、麦の穂が緑色になったとき、目の前になにかがぽとんとおちてきました。かわいそうにカラスのひなでした。巣から落ちたか、翼が折れたのか?案山子は思わず、せなかのさおをぼきりとおってゆっくりかがむと、ひなをすくいあげました。案山子は、ひなをほし草のむねにかかえ、ここでやすんでいいんだよと、すっかりひなに夢中になり。子守唄もうたいます。ふたりは、とても気が合い、友達になると、カラスのひなはすくすくとそだっていきます。やがて夏のある日、カラスは案山子のもとから旅立ちます。秋になり、冬の寒さの中で、案山子はま...麦畑のみはりばん

  • ライオンの ながい いちにち

    ライオンのながいいちにち/あべ弘士/佼成出版社/2004年母さんライオンが、もうすぐヌーのむれがもどってくるからと狩りの打ち合わせを開いているとき、ライオンの父さんと子どもたちが散歩にでかけます。長かった雨もようやくおわりにちかづき、木の葉や草も緑が濃くなって、いちばんすごしやすい季節。空に浮かぶ雲を見て、ここで父さんライオン一句。雲の子の生まれそだちは地平線うでがあがっていると自画自賛。峠の上から見ると、ピンクの花畑がひろがっている湖。岸辺につくと、何十万羽のピンクのフラミンゴが、いっせいに飛び立ちました。ここでまた一句。みあげればゆうやけこやけのフラミンゴそろそろ帰る時間。大地をふるわせる声、足あとが林の中をぬける。と、目の前を夕日を背に、ヌーの大群が、みちをよこぎっていて、とおせんぼ。ライオンはおも...ライオンのながいいちにち

  • ワニのクロッカス なにができる?

    ワニのクロッカスなにができる?/ロジャー・デュボアザン・作こみやゆう・訳/好学社/2023年スイートピー夫妻の農場は、動物たちの楽園。ワニのクロッカスは、ひがないちにち、しあわせなきもちでくさむらのやわらかいベッドにねむっていました。そこへ、いぬのココがやってきて、「ぼくは、どろぼうたちがちかよれないようにほえながらはしりまわっているよ」ひつじのウーリィは、「わたしの毛が、セーターやマフラーになるのよ」うしのモーリーは、「わたしたちうしはぎゅうにゅうをあげているわ。ぎゅうにゅうは、のむだけじゃなく、チーズやバターにもなる」うまのファニーは、「わたしは、スイートピーさんの馬車をひっぱっているし、さくだってとびこえられるんだから」あひるのパーサも、めんどりのキャックルも、ねこのキャロットも・・・・。でも、ワニ...ワニのクロッカスなにができる?

  • レレコさんと かおかきこぞう

    レレコさんとかおかきこぞう/脚本・新沢としひこ絵・市居みか/童心社/2020年妖怪が住んでいるという森ですが、まだ妖怪にあったことのないレレコさんが、ドアに「ようかいさん、どうぞおはいりくださいレレコ」と張り紙し、お茶の準備をして待っていると、やってきたのは「かおかきこぞう」。「かおかきこぞう」は、お茶のあと、ゆのみに顔を描きたいといいました。面白そうとレレコさんがこたえると、かおかきこぞうが、ゆのみに顔を描きました。そのとたん、ゆのみが、「洗い方が雑で、よく洗ってから戸棚にしまってよ」と注文をつけました。かおかきこぞうが、顔を描いたソファーは、「おやつをたべてこぼしたらすぐにふいてくれ」、食器棚は、「お茶碗の詰めすぎ」といい、かおかきこぞうが顔を描いたものたちが、つぎつぎにいいたいことをしゃべりはじめま...レレコさんとかおかきこぞう

  • ひたいにトチの木・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年頭に柿の木がなる昔話があるなら、目に木が生えてもおかしくありません。タイトルは「ひたい」ですが、目に木が生える話。カモ取りのじいさまが、沼でカモをいっぱいとり、腰の帯にはさんでいると、足を滑らせたひょうしに、バタバタとカモが羽ばたいて、空中高くとんでしまった。そうしているうちに、元気なカモの一羽が、帯を抜けてとんでしまったもんだから、そのうち一羽ぬけ、三羽ぬけて帯がゆるみ、沼めがけてまっさかさに落ちてしまった。ピシャっと落ちたひょうしに、二つの目ん玉、ぺろりと飛び出してしまった。あちこちさがし、目を入れると、一つは見えたが、もう一つはトチの実。翌朝、目さましてみると、目から大きなトチの木が生えていた。そのトチの木に実がなり、カ...ひたいにトチの木・・山形

  • もみのき そのみを かざりなさい

    もみのきそのみをかざりなさい/五味太郎/KEC中央出版/2020年季節はずれですが、クリスマス・イブをむかえる準備でしょうか。白い地に四角な窓枠のような構図。シンプルな絵が続きます。最初のページの枠は青一色、最後のページの枠は緑一色。夜空にはポチンと星、船が飛んで、サメが泳いで、花が一凛、・・・・「みちこころみなさい」「きつねうらみなさい」「いえたびにでなさい」「にわとりかえりみなさい」「うしまなびなさい」・・・・・命令口調。だれが、だれに命令しているか?。「ピアノみみをすませなさい」というのは、ピアノにいっているようでもあり、ピアノに「耳をすませなせなさい」といっているようでもあり。ただ、最後のほうは「もみのきそのみをかざりなさい」「ろうそくゆれなさい」「くつしたまちなさい」「こどもいのりなさい」「あし...もみのきそのみをかざりなさい

  • ぼくのともだちは、あたまに はながさいている

    ぼくのともだちは、あたまにはながさいている/ジャーヴィス・作まきもりれい・訳/岩崎書店/2023年楕円形のテーブルで、お絵かきしているなかには、皮膚の色が異なる子、車いすの子がいます。頭にきれいな花が咲いているのはデイヴィッド。みんなデイビッドのことが大好き。みずたまりにはいってばしゃばしゃしたり、なんでも歌にして歌ったりいつもいっしょに遊びます。ところがある日から、デイビッドは、あそぼうといっても遊ばなくなり、おしゃべりもしなくなりました。幼稚園には、ぼうしをかぶってきて、先生が、コートをぬいで、ぼうしやマフラーをとりましょうといわれ、デイビットがぼうしをぬぐと、はなびらがひらひらおちました。頭は、ぽきっとおれそうなこえだみたい。みんなは、とんがったえだで、けがをするかもしれないからと、デイヴィットにち...ぼくのともだちは、あたまにはながさいている

  • げんないとカッパ・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年最上川のほとりにすんでいたげんないは。背がでっかく、頑丈で力こぶも石みたいにもりあがっていたど。夜、せんべい布団にくるまって、壁の隙間からちらちらと光る星を眺めていたら、川のほうでコトラコトラと音がしたど。そっとおきて戸を少し開けてのぞくと、黒い影。よくみるとカッパ。げんないはしらんぷりしてねていたど。つぎの晩も、つぎの晩も、カッパがあがってきて、すぐそばまでくるようになり、雨降りの真っ暗な晩、カッパはびしょびしょにぬれた手で、げんないのしりごを、ひょえらっとおさえた。「つめでえ」と、げんないがおきあがると、カッパは、たたったあとは知って、チャポランと川の中にしずんでいった。「カッパのやつ、おらのしりごをねらっていやがる」と、...げんないとカッパ・・山形

  • ライオンとタカとアリになった男の子 ノルウェーのむかしばなし

    ライオンとタカとアリになった男の子/菱木晃子・文MARUU・絵/BL出版/2019年ある男の子が、お父さんが息をひきとるときに残してくれた、古びた剣と、すりきれたぬのきれ、わずかなパンくずをもって旅にでました。ライオンとタカと小さなアリの争いを解決した男の子は、ライオン、タカ、アリに変身する力を得て、タカになって、空へ舞い上がり、大きな湖をわたっていきました。やがて、お姫さまから、ふたりの姉のつぎに、トロルのもとに連れていかれることになることを聞いた男の子は、トロルの使いの竜を退治にでかけます。男の子は、九つの頭を持つ竜を退治しますが、お姫さまが、九つ頭のトロルにさらわれてしまいます。トロルがいる湖の真ん中の岩山にのりこむと、お姫さまの姉が、三つ頭のトロルのシラミをとっていました。もうひとりの姉は、六つ頭...ライオンとタカとアリになった男の子ノルウェーのむかしばなし

  • ふ・ふ・ふ

    ふ・ふ・ふ/作・梅田さとえ絵・多田ヒロシ/あかつき/2017年「ふ」からはじまる「ことば」が繰り返されます。ふくろうの「ふ」。ふうせんの「ふ」魔女が火を「ふ」くとふわーっふきこぼれよろけた魔女がねこを「ふんずけちゃって」ねこがにわとりをふんづけにわとりがかえるをふんづけそのかえるがお花をふんづけ・・・・・・あたりまえの言葉がなかったら?考えたこともない世界。意思疎通ができず、学ぶことも本を読む楽しみも、歌もなく、詩もうまれず歴史もなくなる!!”ふ”だけでなく五十音すべてで考えられそう。ふ・ふ・ふ

  • こんにちわ いぬ

    こんにちわいぬ/きたやまようこ・作/あかね書房/199年犬のじんべいが、「おれさんぽにいく。ゆうたついてこい。」といったかどうか?。”ゆうた”が、じんべいと散歩に行くと、おなじように犬を連れて散歩している人から声をかけられました。「かしこそうなだね。よくいうこときくだろう」「おさんぽさせるのたいへんね」「たくさんたべるでしょう。なにたべさせてるの」「いいいぬだね。うちのもなかなかだけど」・・・・・・「おおこわい。あっちにいこうね」いろいろ声をかけられ、ゆうたくんは、うれしかったり、戸惑ったり、がっかりしたり。そんなゆうたに、じんべいが一言。「ゆうたひとのいうことなんかきにするな。おれはおれだ。」犬好きの人には、犬の種類がよくわかっているようで、シベリアンハスキーといいます。巻末に犬を連れた作者の写真も。じ...こんにちわいぬ

  • ぐん太

    ぐん太/夢枕獏・文飯野和好・絵/小学館/2021年「荒れ地で、草も木もなんも生えねえ花もさかねえけものもいねえ。」のは、石の下にこええもんがすんどるからといわれていた夜泣き石。父っさまも、そのまた父っさまももちあげようとして、石の下敷きに。誰一人持ち上げられなかった夜泣き石。「ああもちあげてえなああの石を千年万年一億年もうごかねえあの石をよ」ぐん太は石を持ち上げようと決意します。毎日毎日稽古して村一番の力持ちになって、天をささえている巨人にも、山を三つも四つもひっぱる男にも負けなかったぐん太。それでも石は持ち上がらなった。あるとき死んだ父っさまが夢にでていいます。「なあぐん太よあの石は力だけじゃあもちあがらねえ泣いたことのねえやつにゃもちあがらねえときには負けたりもしてよほろほろ涙もながしてよそのくやしさ...ぐん太

  • ちいさいおなべ

    ちいさいおなべ/脚本・絵村田エミコ/童心社/2015年(8画面)はるちゃんのおうちの台所には、大きなお鍋、中ぐらいのお鍋、それから小さい小さいお鍋が並んでいます。一番大きなお鍋さんは、カレーやシチュー、スパゲッティーづくりに大活躍。味噌汁お鍋さんは、毎日使われ、おやすみする日はありません。それに比べて、ちいさなお鍋さんは、いつも台所の隅っこで、ひとりぼっち。ある日、おかあさんとはるちゃんが、小さなお鍋をみつけ、あかちゃん用のおかゆをつくりました。小さなお鍋は、小さいお口で、ぱくぱくぱく食べる赤ちゃんを見て、うれしさいっぱい。自分の居場所がないと思っていた小さなお鍋が、赤ちゃんのために活躍するのはしばらく続きそうです。見やすくて、鍋の表情もおすまししたり、びっくりしたり、汗を流したりと楽しい紙芝居です。ちいさいおなべ

  • 巨大な木の樽

    時々通る道に、巨大な木の樽を発見。今あまり作る人がいないという木樽。樽があった家は、建て替えられているようですが、この樽は、そのまま残されたようです。三人がかりほどある直径。何に使われていたのでしょうか。屋根があるので屋外に設置されていたのでしょうか?巨大な木の樽

  • もっかい!

    もっかい!/エミリー・グラヴェット・作福本友美子・訳/フレーベル/館2012年おやすみ前に、ドラゴンの子が、大好きな絵本をママに読んでもらいました。おわると、もっかい!の催促。ママが、「もうおはなしはおしまいです。」「つぎの日、もっかいよんであげるから」というともっかい!もっかい!「おやすみ」とおわらせ、ママが寝てしまうともっかい!もっかい!もっかい!ママがおきないので、もっかい!と、火を噴くと、絵本に本当の穴が開いてしまいます。ママも疲れているから同情しますが、これだけ「もっかい!」といわれると、読みがいがあります?。ママが読む絵本の内容が、だんだん変わっていくのですが、これがいけなかったのかなそれともママの気持ち?ママが読む絵本は、いままでいちどもねむったことのない赤いドラゴンのセドリックが主人公。セ...もっかい!

  • ルンペルシュテイルツヘン

    ルンペルシュティルツヘン/絵・ボールガルトン訳・乾佑美子/童話館/1994年だいぶ前に、覚えてみようと思った話ですが、「ルンペルシュティルツヘン」のほか、でてくる名前が、舌を噛むようであきらめてしまった話です。むかし、貧乏な粉屋が、「わたしにはむすめがひとりおりますが、このむすめは、わらをつむいで金にいたしますんで」と、自分を偉くみせようと、つい王さまにいいました。「たいしたわざだな」「わしがためしてやろう」と、王さまはむすめを城につれてくるようにいいます。王さまは、むすめが城にくると、わらでいっぱいになった部屋へむすめをつれていき、糸車と糸巻きをわたして、あすの朝まで、わらを紡いで、金にするよういいます。わらを金にするどうして?これは誰にもできそうにありません。しかし、昔話では、できないことはありません...ルンペルシュテイルツヘン

  • 赤いこん箱・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年おばあさんが、川で食器を洗っていると、川上から流れてきたのは赤いこん箱と白いこん箱。「赤いこん箱、こっちゃこい。白いこん箱、あっちゃいけ」というと、流れてきたのは赤いこん箱。白いこん箱は「あーん、あーん」と泣きながら流れてしまった。赤いこん箱には、めんこい子犬。大事にそだて、ある日、山へいき、「ここをほれ、カンコーカェン、あそこもほれ、カンコーカェン」というので宝物がでてきた。と、ここまで「花咲かじい」と、おなじ進行。灰をまいて、花が咲くのではなく、灰を畑にまきます。すると畑一面にヒョウ(スベリヒユ)がでました。ふたりでヒョウを食べると、じいさんの腹がはってきて、ちょっと腹に力を入れると、屁が出て「綾ちゅうちゅう錦さらさらごよ...赤いこん箱・・山形

  • まのいい りょうし

    まのいいりょうし/小沢正・文飯野和好・画/教育画劇/1996年同じタイトルの瀬田貞二、赤羽末吉版の絵本がありますが、最後に、ほんとにほんとにまがいい展開。飯野さんの絵も武骨な感じの猟師で圧倒されます。猟師なのに、鉄砲を撃っても、いちども獲物にあたったことがないどんべえさん。なぜかこの日は、大当たり。鉄砲の玉がとんでもない方向にとんだと思ったら、あっちこっちへはねかえったあげく、いのししのおしりにこつん。おこったいのししに追われ、木の上にのぼると、いのししは、木の根っこに頭をぶつけ、どたん。木のそばにふじつるをみつけ、いのししをしばろうとひっぱるとクリの実がぱらっぱらっら。袋に入らないほどクリの実を袋に入れて、川の丸木橋をわたりはじめて、川の中へぽちゃ-ん。川の中で、木の根っこのようなものにさわると、それは...まのいいりょうし

  • ぼくは びっくりマーク

    ぼくはびっくりマーク/作・エイミー・クラウス・ローゼンタール絵・トム・リヒテンヘルド訳・大友剛/ひさかたチャイルド/2023年ぼくって、みんなといっしょにいるとひとりだけめだっちゃう。ならんでいても、はしっこに立っていても。みんなとおなじようになるようにがんばってみても、やっぱりおなじ。なやんで、くるしんで、しょんぼり。にげだしたぼくは、かわったこにこえをかけられた。「なんさい?、すきないろは?たんじょうびはいつ?おなかすいた?えをかくのすき?いぬとねこのどっちがすき?たいようってしっている?・・・・」。この子から質問の連射。おもわずちょっとまって!かわった子にもういっかいやってくれる?といわれ「やあ!こんにちわ!わーい!ヤッホー!これはいいぞ!・・・」。ぼくはうまれてはじめてじゆうをしった。すぐみんなに...ぼくはびっくりマーク

  • カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所

    カメラにうつらなかった真実3人の写真家が見た日系人収容所/エリザベス・パードリッチ・文ローレン・タマキ・絵松波佐知子・訳/徳間書店/2022年1941年12月、日本軍が真珠湾を攻撃した三か月後の1942年2月9日、「大統領令9066号」が発令され、西海岸に住む12万人以上の日系人が、「集合センター」に移送されることになりました。「移送」されるということは収容されること。収容所から西海岸へ戻ることを許されたのは1945年。この間の収容所のようすを、3人の写真家が残した写真とイラストでたどります。大統領令がだされた当初から、収容所へ収容されるようすから、そこでの生活。写真家の一人ドロシア・ラングは、強制収容所が人道的に正しいことを証明する写真を残すために撮影を依頼されましたが、撮影を引き受けることで、いかに不...カメラにうつらなかった真実3人の写真家が見た日系人収容所

  • ぼうさんになった大どろぼう・新潟

    新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年普通の人の三倍も早く走れる足を持ち、どんなに頑丈な錠でも、釘一本であける”耳しろ”という大どろぼう。盗んだ金や宝物をたまに出して、にこにこ楽しんでいた。盗みだけでなく、人に怪我をさせたり、命を奪くことまで。そんな”耳しろ”が、この地域で一番大きな小倉の寺で、和尚が説教する日に、説教を聞きにくる中に大金持ちもいるに違いないと、お寺の縁の下にもぐりこんで、みんなが帰るのをまっていた。ところが、和尚の説教の声が、ひとりでに耳に入ってくる。生まれて初めての説教だったので、いちのまにか耳を傾けて、じっと聞き入ってしまった。ありがたい説教を聞いているうちに、いつのまにかぼろっぽろっと涙が流れてきた。説教がおわると、”耳しろ”は、和尚さんの前で手をつき、今...ぼうさんになった大どろぼう・新潟

  • ロバくんのみみ

    ロバくんのみみ/ロジャー・デュボアザン・作こみやゆう・訳/好学社/2019年ある日、ロバ君が、馬のパット君と小川で水を飲んでいたときのことです。水に映った自分をみて、パット君の耳が短くて素敵なのに、自分の耳は、長くてピンと立った耳がだらしないと思い込み、悲しくなって、何も食べられなくなりました。犬のヘクターくんに相談すると、耳は垂らしておくものと言われ、耳を垂らすと、ともだちは大笑い。子羊のファジーちゃんは、横といい、ヤギや牛、飼い主のジョーンズさんの耳も横についているといいます。こんどは、耳を横にすると、納屋の入り口の大きな釘にチクッ!と、ささってしまいます。おかあさんぶたのローザおくさんにいわれ、耳を前に向けてみますが・・・。すずめのダニエルくんから、「ロバならロバらしく、みみをピンとたててりゃいいの...ロバくんのみみ

  • とうさん とうさん いかがなものか?

    とうさんとうさんいかがなものか?/穂高順也・作西村敏雄・絵/あかね書房/2010年表紙はちょっとおしゃれな三人。裏表紙では、この三人がなにやらおどっています。というのも、今日はマーガレットのマーレンちゃんと蝶、アジサイのむらさきちゃんとでんでんむしの同時の結婚式!!!。マーガレットも、アジサイも花屋のとうさんの大事な花。蝶は、八百屋のとうさんの大事な菜っ葉についていたあおむし。でんでんむしは、石屋のとうさんの大事な石についていました。この三人のとうさん、店が連なってみんな仲良し。花屋のむすめはたいそうきだてもよく町の人気者。若者は、目をハートにして見つめていました。そこへ八百屋の菜っ葉と石屋の石が名乗りをあげて、「およめにほしいがいかがなものか?」と、とうさんが乗り出したのでした。そりゃあはなむこが菜っ葉...とうさんとうさんいかがなものか?

  • わがはいは のっぺらぼう

    わがはいはのっぺらぼう/富安陽子・文飯野和好・絵/童心社/2011年「わがはいはのっぺらぼうであーる」とはじまります。朝はすきなだけ寝坊し、歯磨きなんて不要とのっぺらぼうの気楽な一日。つるつるぴかぴかの顔が命ののっぺらぼうの朝は、まず、とくせいのヘチマすいで顔をよくあらい、とくせいのキュウリ・パック。そのあとは「のっぺらふで」一本をつかいメイクで化け放題。今日は、とぴっきりのべっぴんさん。かつらをかぶって着物を着こんで、帯を締め顔に描いた口で食事。大好物は、はんぺんステーキ、とうがんのスープ、キュウリのすのものとおぼろどうふ。それからマショマロ。おばけの仕事は人間を驚かすこと。そろそろ仕事の夕暮れ。町はずれのくらーい四つ辻で人間がやってくると顔の化粧を落としいち、にい、の「バアッ!」と飛び出すと「ギャー!...わがはいはのっぺらぼう

  • マララとイクバル

    マララとイクバル/ジャネット・ウインター・作道傳愛子・訳/岩崎書店/2015年パキスタンの小さな町で生まれたマララは、タリバンの兵士から「学校にいってはいけない」と警告をうけますが、教育を受ける権利があると、声をあげることをやめませんでした。そして、2012年10月9日、タリバンの兵士に撃たれてしまいます。イクバルは、親の12ドルの借金のため、4歳から、絨毯工場で働くことになりました。逃げられないように足は、鎖でつながれながら。夜、とぼとぼとかえりながら、壁にはった「債務労働」に反対する集会の知らせを見ました。債務労働が禁止され、借金もなくなったことを知ったイクバルは、学校にかよいはじめ、同じような目にあっている子どもたちのために声をあげました。パキスタン中の絨毯工場で、自由をよびかけたイクバルは、199...マララとイクバル

  • 鳥のみじいさん・・新潟

    新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年各地に分布している話。正直で、働き者のおじいさんが、畑仕事をしているとき、大あくびしたひょうしに、小鳥が口に入ってしまう。しばらくすると、脇の下へ羽が生えてきたと。びっくりして、じいさんがひっぱってみるとあやツウツウこやツウツウごよのさかずきたべもうせばピピラピンのピーンと、とってもよい音を出したと。おおいそぎで、うちに帰って、ばあさんの見ている前で、もう一度、ひっぱってみるとまたおなじ声。これを聞いたばあさんが、「あしたは、とのさまが、この道をおとうりになるすけに、きかせてやろうそ」というので、おじいさんは、道端の大きな木に上って、とのさまがくるのをまっていたと。さきばらいのさむらいが、「何者だ」と、どなると、おじさんは、「日本一の歌うたい...鳥のみじいさん・・新潟

  • ともだちだーれ?

    ともだちだーれ?/脚本・得田之久絵・和歌山静子/童心社/2006年(8画面)傘さんのともだちだーれ?クレヨンさんのともだちだーれ?太鼓さんのともだちだれだかしっている?問いかけながら進んでいく紙芝居。最後は、全部横に広げていきます。”ばち”は小さい子だと、すぐに連想するのがむずかしいところでしょうか。絵はシンプルなので遠くから見ても目立ちそうです。保育園、幼稚園でいっぱいともだちができるといいな。ともだちだーれ?

  • まっくろ

    まっくろ/作・高崎拓馬/絵・黒井健/講談社/2021年まったく最後が想像できませんでした。これだけびっくりする最後も珍しい。先生が「こころにうかんだことをかいてみましょう」と言うと、ひとりだけ画用紙を真っ黒に塗りつぶしている男の子がいました。先生がこまった顔をして、「ちゃんとしたえをかきなさい」と言いますが、男の子はやめません。みんなが描き終わってもまだひとり、画用紙に黒を塗りつぶしていく男の子。家に帰っても、朝になっても、休みになっても、男の子は、画用紙を真っ黒に塗りつづけ、大人はみんな心配顔。保健室でも書き続ける男の子。ともだちもみんな心配顔。それでも手を止めなかった男の子。やがて、男の子は黒い画用紙を体育館にならべはじめます。よくよくみると、画用紙はすべてが黒だけではなく、白い部分もありました。なら...まっくろ

  • やかましい!、ありがたいこってす!

    やかましい!/アン・マグバガン・作シムズ・タバック・絵木坂涼・訳/フレーベル館/2008年この「やかましい!」と、次の「ありがたいこってす!」は、おなじシュチュエーションで、出版社の説明にはありませんが、ユダヤの民話がもとのようです。ある日、ちいさな古い家に一人で住むひげもじゃのおじいさんは、ベッドがキーキーし、外では、葉っぱが風に揺れて屋根をひゅんひゅんこすり、やかんがしゅー!と、音を立てるのに、気分がイライラ。「やかましい」を何とかしようと、村一番の物知り博士のところにいくと、「ウシといっしょにくらしなさい」とのご宣託。おじいさんがウシを家に連れて行くとウシはモーモー。「ちっともかわらん」と、また博士のところへ行くと、こんどは、ロバと暮らしなさいという。博士は、なにを企んでいるのやら。次はヒツジ、ニワ...やかましい!、ありがたいこってす!

  • ママー、ポケット!

    ママー、ポケット!/デヴィット・エズラ・シュタイン・作ふしみみさを・訳/光村教育図書/2018年おもわず、ほっこりします。赤ちゃんカンガルーのジョーイは、ある日、ママのポケットからはじめて外へとびだしました。草原のほうへピョンピョンと二回はねると、はじめてみるハチにであいびっくり仰天。「ママー、ポケット!」と、ママのポケットへ逆戻り。でもすぐにまた、ジョーイは外へ出たくなり三回はねたところで、はじめてみるウサギにあって、またママのポケットへ。でもすぐにまた、ジョーイは外へ出たくなり四回はねたところで・・。そして、またまた外に出て、であったのが、カンガルーの子。ふたりは、「ママー、ポケット!」と、ママのポケットに入ろうとしますが「あれ、ちょっとまって!」「・・もしかしてきみもこわかったの?」と、顔を見合わせ...ママー、ポケット!

  • ぐうず・・佐賀

    佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年「ぐうず」とは聞きなれない言葉。佐賀で「石ガメ」のこと。話は、正直なおじいさんと、よくばりじいさんがでてきて、「花咲か爺」に似ているが、結末が異なる。正月をひかえて、どうして年をとろうか思案していたじいさんが、川の水をじっとながめていると、「アワでっしょう。米でっしょう。」という声。よくよくみると、石と石の間に、いっぴきのかわいらしい石ガメが首をだす。ぐうずをつれて家に帰ると、ぐうずは、「うすのなかにわたしば入れて、きねでついてみてくんさい」という。びっくりしたおじいさんが「お前のいのちは、大丈夫かい」と聞くと、ぐうずは、かわいらしい声で、「心配いらん。まあついでみてください。」と、なんべんもいう。おじいさんが、ふしぎな気持ちで、うすを...ぐうず・・佐賀

  • くものすおやぶん とりものちょう

    くものすおやぶんとりものちょう/秋山あゆ子/福音館書店/2005年(初出2003年)春爛漫の虫の町は、桜の花が真っ盛り。お菓子の「ありがたや」に、盗人からの予告状。「こんやくらのなかのおかしをちょうだいするかくればね」「よしっ、おいらにまかせな」と、くものすおやぶんの出番。蔵にぐるぐるくものすをはって盗人を捕まえようとまちかまえるおにぐものあみぞうと、はえとりのぴょんきち。よもだいぶふけたころ、まっしろいくもが、どんどん近づいて蔵に体当たりすると蔵の中へ。蔵の中へとびこんでみると・・・。江戸時代の街を思わせる風景。日本橋の賑わいから、商店の並び、建物から部屋の中の小物まで見どころがいっぱい。俯瞰する江戸の町は、一緒に屋根に上っているよう。そこで繰り広げられる捕り物劇。くものすおやぶんはクモ、お菓子屋はアリ...くものすおやぶんとりものちょう

  • てんのくぎをうちにいった はりっこ

    てんのくぎをうちにいったはりっこ/かんざわとしこ・作ほりうちせいいち・絵/福音館書店/2003年(1985年初出)親をなくしたハリネズミのはりっこは、クマおばあちゃんにそだてられました。はりっこは、おばあちゃんが歌う天の釘をうつ歌が大好きでした。昔、大空がおなべをふせたように、かかっていいたころ、その空は、天の釘でささえられていました。はしごをよじのぼり天の釘をうったのは、クマのかじ屋の大男、クマばあちゃんの、ひいひいじいさま。はりっこは木に登るのがだいすきで、木にのぼっては、空をみていました。昼間は明るい丸天井で、天の釘は見えませんでしたが、はりっこの耳には、かじ屋のハンマーの音がたったいま歌っているように聞こえていました。とんてんかんてんとんてんかんとんてんかんてんとんてんかんある晩、ぎいーと、なにか...てんのくぎをうちにいったはりっこ

  • おたんじょうび まだかな

    おたんじょうびまだかな/ジュリー・フォリアーノ・文クリスチャン・ロビンソン・絵よしいかずみ・訳/化学同人/2022年「あといくつねたらおたんじょうびになるのかな」「明日かな、もしかしたら冬かな、それとも春かな?」。お誕生日にほしいもの。こうまがいいな。ネックレスもいいな。げんきなにわとりがいいかもね。ポーンとはねるボールもいいね。チョコレートたっぷりケーキにそうそくだって。おばあちゃん、キリンさん、ナマケモノくんにおさかなさんみんなみんなだいかんげい。お誕生日に呼ばれたら、どんな服装で?どんなプレゼントをもっていくかなあ?。きょうはあの子の誕生日。あといくつねたら?あしたのゆめをみてあさがきた!きょうはわたしの誕生日。お誕生日が待ち遠しい子の気持ちが、縦長の絵本にぎゅっうとつまっています。誕生日当日は、キ...おたんじょうびまだかな

  • そばの茎はなぜ赤い・・佐賀

    佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年天から鎖が落ちてくる話で、類似の話も多い。二人の兄弟が留守番しているところに、やまんばがやってきて、なにかうまいものを食わせろと脅かす。気のきいたあんちゃんが「なんにも食うもんはなか」と、いうと、それなら兄弟を食べると、大きな口をあけてせまったので、ふたりはびっくりして裏の柿の木によじ登る。やまんばが、どうして柿の木に登ったかと聞くと、あんちゃんは、足の裏に油ばつけてのぼったという。やまんばが、足の裏にどっさり油をつけてのぼろうとするが、足がつるつるして、のぼれない。弟が、木に、きずつけてのぼれと正直に話すと、やまんばは、木にきずをつけてのぼりはじめ、だんだん二人にちかづく。あんちゃんは、こりゃいかんと思って「天道さん、天道さん、鉄の鎖...そばの茎はなぜ赤い・・佐賀

  • のいちごつみ

    のいちごつみ/さとうわきこ/福音館書店/2015年(2010年初出)おいしいジャムを作ろうと、ばばばあちゃんはのいちごつみに出かけました。「いまとらなくってどうする」と、味見。いちごが、かごいっぱい。ぽかぽか陽気に誘われひと眠り。おなかをすかした動物たちがやってきて、ジャムになるまえに、一粒と、食べはじめたら、あれあれ、いちごはどんどんなくなって、残ったのは七粒。「これだけじゃ、いちごジャムできないよ」と、みんながいうと、ばばばあちゃん、のこりのいちごをパクリ。そして、「あしたまたみんなでとりにいけばいいよ。のいちごつみもたのしいよ」と、平気ないつものばばばあちゃん。次の日、ちゃーんとみんなでのいちごつみです。「ふたついちごにこにこたべよう」「ななついちごなかなかとまらぬ」「やっついちごやっぱいうまい」と...のいちごつみ

  • まねっこ ともだち

    まねっこともだち/脚本・新沢としひこ絵・長谷川善史/童心社/206年じゅんくんは、いつもとしくんのまねばかり。としくんがブランコに乗っているとどいてどいて!とブランコで遊びはじめます。しかたなくとしくんが、トランポリンで、楽しそうに遊んでいると、「じゅんも、トランポリンやる!」といいだし、としくんが、自転車にのっていると、かわって!とじゅんくん。じゅんくんが、としくんがかしてくれた自転車にのってとしくんをおいかけようとするとバッターン!と転んでしまいます。ワーンワーンと泣きはじめたじゅんくん。なかなか泣きやみません。このあと、いつも邪魔されていたとしくんがとった行動は?ほんとうは仲がいいのでしょうが楽しそうに遊んでいるのを見ると自分もやってみたくなる気持。なんかわかるわかる。ケンカにならなくてよかったね。まねっこともだち

  • ほらふきくらべ・・大分

    大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年)力自慢が「ちからくらべ」にでかけ、ちからくらべを申し込まれた側がいかに力が強いかが現実離れをとおりこしてあっけにとられるものが、ほとんど。「ほらふき」というからには、おおきければおおきいほどいい。話が旨いと自信満々の男が、話がうまい男がいるという村に出かける。こんな話では、中国や天竺まででかけるものもおおいが、村というのは、ちょっと物足りない。その家の子がいうことには、「雨だれでできた水たまりにクジラがいるからすくう」という。子どもに、お父はいるかときくと、「この大雨で、大船山がくずれると困るから線香をもって大船山につっぱりにいった」という。おっかあは、なにしよるか聞くと、「カミナリさまの腹が破れると、雨がやまなくなって困るから、木綿...ほらふきくらべ・・大分

  • おひめさまとカエルさん

    おひめさまとカエルさん/ハーヴ&ツェマック・文マーゴット・ツェマック・絵福本友美子・訳/岩波の子どもの本/2013年おひめさまが、ボールをなくし、「えーんえーん」おいめさまが、おつりをなくし、「えーんえーん」おひまさまがおうさまのあたまにとまったとりをどかせなくて、「えーんえーん」そこへ、かえるが「どうしたのよ。おひめさま。なんでそんなにないているの?」と、やってきて、無事解決。ごほうびは飴。短いお話が三篇。はじまりは、三つとも「むかしあるところに、おひめさまがいました。」と、昔話風。昔話には、必ず手助けしてくれる人や動物がでてきますから、様式もふまえています。毒にも薬にもならぬようでもありますが、そこがまたいいのかも。ハーヴ&マーゴット・ツェマック夫妻と娘ケーテによる絵本で、ケーテが14歳にときに末娘に...おひめさまとカエルさん

  • 一わのおんどり コケコッコー

    一わのおんどりコケコッコー/イリーナ・ザトゥロフスカヤ・作こじまひろし・訳/福音館書店/2014年1から9までの数の絵本。曲をつければ数え歌です。「1ちわのおんどりさんげんきいっぱい」「コケコッコー」「5ひきのかえるさんあめふりだいすき」「クワックワックワックワックワッ」「9わのみみずくもりのなか」「ホーホーホーホーホーホーホーホーホー」鳴き声も数に合わせて。がちょう、はち、くまもでてきます。ペープサートにしても楽しめそうです。背景はすべて黒。夜のイメージですが、おんどりがなくところも黒なので時間の経過を示すようでもありません。一わのおんどりコケコッコー

  • クリシュナのつるぎ

    クリシュナのつるぎ・秋野発巨矢・文秋野不矩・絵・絵/BL出版/2022年カンサという王さまの圧政に苦しんでいた人びとが、天の神ヴィシュヌに毎日いのりつづけると、ヴィシュヌの神さまは、デーヴァキーという女のひとのからだにやどり、地上に生まれ出ることにしました。ある日、王さまのところへ、ふしぎな占いのおじいさんがやって、「王さま、あなたはほろぼされます。デーヴァキーという女の産んだ子どもにきっと、ほろぼされますぞ!」と予言。予言を聞いた王さまは、すぐにデーヴァキー探し出させ、石の牢屋に閉じ込めてしまいます。デーヴァキーと夫が獄中で赤ちゃんを産むと、「カンサ王を、ほろぼすのは、その子であるぞ!」という神の声。それとどうじに父親の足の鎖が、はらりととけ、父親は赤ちゃんを抱いて、嵐のなかへ、そっと逃れ出ました。父親...クリシュナのつるぎ

  • 千びきザル・・大分

    大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年)ある日、うそつきな男が、「鍋割坂をとおたら、千びきのザルを見つけた」と、はなしじょうずな男に自慢します。「千びきザルを見たとははじめてきいたが、ほんとうにそりゃおったかえ」と、はなしじょうずな男が言うと「俺が、この目でたしかにみたんじゃ」とうそつき男。「お前のことだからなんぼかうそがあるといかん。七、八百びきくらいは、おったんじゃねえかな」うそつき男「そんなこといえば、そりゃ千びきじゃないけれど、七、八百びきはほんとうにおったがのう」「ふうん、七、八百びきか、ちっとは多いようでないか。五百びきぐらいがほんとうのところじゃろう」うそつき男「おおう、そうじゃのう。五百びきぐらいじゃ。もう少なくはできないよ」「ほんとうか。へえ。三百びきぐら...千びきザル・・大分

  • 関東の雪

    今日11時現在雪が降り続いています。人通りの少ない道路に、うっすらと雪が積もり、この調子ではだいぶ積もりそう。いつも当たり前に天気予報を見ていますが、よくも予報ができるものと感心しています。ビニールハウスの被害のないこと、交通にも支障がないことを願うだけ。しかし枯れ木に雪が積もるさまは絵になります。関東の雪

  • いしのはなし

    いしのはなし/ダイアナ・アストン・文シルビア・ロング・絵千葉茂樹・訳/ほるぷ社/2013年はじめにさまざまな模様の石。ここには石の名前がありませんが、最後のページにもういちど、同じ石が名前付きでのっています。菊花石、リチア電気石、蛍石のほか、金など50種類。宇宙からやってくる石、古い石、大きな石、小さな石などのテーマで興味深いものばかり。古代、人間は石を道具として利用していましたが、鳥の中には、たべものの消化をたすけるために、小石や砂をのみこむものもいて、石の重さで、水中にふかくもぐるのがワニやアザラシ。鉱物からつくった絵具がなければ、洞窟などの壁画は残されませんでした。アルジェリアで発見された隕石は45億年前、カナダの角閃岩は42億800万年前。驚きの連続。この絵本を見たら、石が好きになる子どもが出てき...いしのはなし

  • あな

    あな/谷川俊太郎・作和田誠・画/福音館書店/1983年(1976年初出)縦型の絵本ですが、横にして上へ上へとページをめくっていきます。日曜日の朝、何もすることがなかったので、ひろしはあなを掘りはじめました。おかあさんが、妹のゆきこが、となりのしゅうじくんがきました。そして、おとうさんがきて、「あせるなよ、あせっちゃだめだ」ひろしは深く、深くあなを掘り続けました。ひろしくんのあたまは、地面より下に。あなのなかはしずかだった。つちはいいにおいがした。「これはぼくのあなだ。」と、ひろしは思いました。みんなが来ましたが、ひろしはあなの中に座っていました。おとうさん「なかなかいいあなができたな」あなのなかからみる空は、いつもよりもっとあおくもっとたかくおもえた。その空を、一匹のちょちょがひらひらとよこぎっていった。...あな

  • しょうとのおにたいじ

    しょうとのおにたいじ/稲田和子・再話川端健生・画/福音館書店/2010年(初出1996年)しょうと(ホオジロ:中国地方での呼び名)の三つの卵の番を頼まれたお地蔵さんが、赤鬼、青鬼、黒鬼に騙され、卵を全部鬼に食べられてしまいます。しょうとが、うたもうたわず、とぶこともせず、なきのなみだで、くらいているところに、どんぐりがやってきて、「ちいさいもんは、あたまをつかわにゃ。ちえでおにのやつをごいーんとやっつけようじゃないか」と、鬼たいじにでかけます。とちゅう、カニ、くまんばち、ウシ、もちつきうすもくわわって鬼のやかたへ。どんぐりはいろりの熱い灰のなか、カニはみずがめ、くまんばちおくの座敷、ウシは家の入口に糞をべったり、うすは戸口の上にぶらさがって鬼を待ちます。「さるかに合戦」そのものです。赤鬼がたいじされるとこ...しょうとのおにたいじ

  • よる わたしのともだち

    よるわたしのおともだち/いまえよしとも・文ちょうしんた・絵/BL出版/2003年早寝早起きのひろこちゃん。夕焼けが終わらないうちに眠りについてしまうため、夢のなかにも夜はひろがりません。“夜”がどんなものか分からないひろこちゃんは「夜ってなあに?」とまわりに聞いてみます。にいちゃん:ちきゅうがぐるっとまわるんだかあさん:そらがくろいふくにきがえるのとうさんは:くろマントのおじさんがいっぱいそらをとびまわるのさなかよしのまこと君:ねむくてねむくてたまらなくなるものだろうみんなばらばら。やっぱりじぶんでみてみようといつもの3倍もお昼寝をして。でもまだ、眠い。それでもうとうとしたところをねこのマリがおこしてくれた。まどのむこうから夜が星の目でのぞいていて、ひろこちゃんはかためをつむってあいさつ。夜は、ともだちの...よるわたしのともだち

  • 海じじい・・大分

    大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年)ある浜辺の村に、サザエとりのうまい漁師がおった。ある日、今までにないくらいサザエがようとれて、日が暮れかかっとるのも気がつかんで、漁をしているうちにとうとう夜になってしもうた。サザエでいっぱいの船は、重さでしずみそうになっていた。はらはひる、船は重い、早く帰ろうと思っても、櫓をこぐのがおっくう。漁師は、小さい島に船をつないで、焚火をしてサザエをならべて焼きはじめた。いっときすると、ジュジュ、ジュジュとええにおいがしてきた。ひもじゅうてたまらん漁師は、あわてて、あちち、ちゅうて、サザエをつかんでみると、中身はからっぽ。そのつぎもそのつぎもからっぽ。おかしなことがあるもんじゃと、船の後ろについている綱をとおす鉄の輪からのぞいてみると、やせ...海じじい・・大分

  • はなくん

    はなくん/脚本・絵五味太郎/童心社/2015年(12画面)五味太郎さんの紙芝居。はなくん:ねえ、ちょっとまいちゃん:ん?なにかよう?はなちゃん:なにかわすれてない?まいちゃん:べつに忘れてないよ。あっ、お水をあげるの忘れてたねまいちゃんがはなくんからいわれてお水をあげ、おやつのオレンジジュースを飲んでいるとはなくん:どんなあじちょっとやってみたいなあいいねこれ!まいちゃんがオレンジジュースをあげ、ミルクをのんでいるとミルクをおねがいされこれまたけっこうなおあじ!くちがあるからとはなくんドーナツ、リンゴ、バナナ、クッキー、チョコレート、おまんじゅうを食べはなちゃん:これはすごいぞびっくりなかなかいけるはなくんえいようまんてん!ちょっとたべすぎ!どんどん大きくなってむくむくぼこぼこぶわぶわ・・ずぼっ!びゅーん...はなくん

  • 雪の日のパーテイー

    雪の日のパーテイー/ジル・バークレム・作岸田衿子・訳/講談社/1996年新装版「のばらの村のものがたり」のシリーズ。のばらの村のねずみたちが目をさますと、窓が雪で半分かくれていました。トードフラックス家ウィルフレッドとティーズルの兄弟がみるはじめての雪。子どもたちは、おおはしゃぎです。ねずみたちは、みんな働き者ですが、楽しく時をすごすことも忘れません。これなら、雪の舞踏会がやれそうです。この前の舞踏会は、アイブライトおばさんが結婚した年で、おぼえているのはおばさんだけ。まずは、きりかぶ倉にふきよせてできた、ふかい吹きだまりに、舞踏会用のホールづくりです。柱は氷、あかりはつちぼたるにひきうけてもらいます。ごちそうは、みんなの台所から。とっておきの晴れ着すがたで、ホールに集まると、ダンスがはじまりました。食べ...雪の日のパーテイー

  • にいさんといもうと

    にいさんといもうと/文・シャーロット・ゾロトウ絵・メアリー・チャルマーズ訳・矢川澄子/岩波の子どもの本/1978年にいさんいもうとにちょっといじわる「ベッドに画びょうを入れといたよ」「おまえのキャンデーもらった」「おまえめがみっつもあるよ」そのたびになきだすいもうと。・・・・あるひいもうとは絵をかいていました。そのときもにいさんは「ドアにかぎかけてとじこめてやる」「にんぎょうそとにすてちゃうぞ」と、ちょっとおどかします。しかしいもうとはにいさんがいっていることはうそだとわかっていました。だからいっしょに絵をかいたりなかよくレモンパイを食べます。泣き虫からちょっと成長した妹。ほどよい距離感があります。男だけ、女だけの二人そして年齢差でまたちがう感じでしょうか。原著は1960年、モノクロ中心で、兄妹の服だけに...にいさんといもうと

  • よいしょ よいしょ

    よいしょよいしょ/脚本・絵:まついのりこ/童心社/1988年タコが「よいしょよいしょ」とひっぱっているのは?うまさんが「よいしょよいしょ」となにかをひっぱっています。こびとがひっぱっています。ぞうさんがひっぱっています。ひっぱっているものがなにかな?ときょうみがもてるのが一番。絵を二枚、三枚と横に広げて、ぜんたいがみえるしくみも。うまがひっぱっている絵のつぎはにんじんの頭、三枚目はおおきなにんじんの根っこの部分。三枚を横に広げて、楽しさが伝わりますが、ひとりでは演ずるのが難しそうです。さらに、白紙が何枚かあって、自由にことばを書いてくださいとあったり、ラストがおひさまケーキサンタクロース機関車舟に乗ったこびとたちまほうつかいが用意され、季節やその日の雰囲気にあわせて、工夫できます。よいしょよいしょ

  • ぼくのねこ みなかった?

    ぼくのねこみなかった?/エリック・カール・作おおつきみずえ・訳/偕成社/1991年「ぼくのねこみなかった?」と、ねこを探し回る少年の行き先は、アメリカ、アフリカ、砂漠と大冒険。あっちと、指さされたほうを見ると、「じぶんのねこじゃない」と、その先へ。指さされた先には、ライオン、ひょう、とら、ピューマ、チーターなど、ねこ科の動物。「ぼくのねこみなかった?」「じぶんのねこじゃない」の繰り返し。エリック・カールさんの色使いが満喫できます。動物を描きたかったのでしょうか。動物だけでなく、聞いて歩く人物の服装も楽しい。空飛ぶジュータンの上でも、ねこの居場所をきいています。ぼくのねこみなかった?

  • 花さかじい・・大分

    大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年おなじみの話ですが、とちゅうに語り手の方の工夫?のある話。正直なじいさんとばあさんが、うすで、お米をつくと一升が二升、二升が三升と、お米が増える。一方、よくばりばあさんが、うすをつくと、一升つきおったら五合になり、五合が二合半と半分になってしまう。よくばりじいさん、ばあさんがうすをつくと、ガラクタがでてくるのが定番ですが、それではかわいそうに思ったのかどうか。話者のかたの年齢が92歳と紹介されていますが、このかたが聞かれた話では、どんなふうになっていたのでしょうか。花さかじい・・大分

  • くつがあったらなにをする?

    くつがあったらなにをする?/ビアトリス・シェンク・ドゥ・レニエ・文モーリス・センダック・絵いしづちひろ・訳/福音館書店/2001年横長の絵本で、だぶだぶの服を着た男の子と女の子のかけあいがつづいていきます。くつがあったらどうする?椅子があったらどうする?帽子があったらどうする?・・落ち着くところに落ち着くのですが、ちょとおふざけする途中の発想が楽しい。帽子があったらなにをする?ポップコーンをやまもりにするピクルスでいっぱいにするとりのおうちにもなるカメだって遊びにこられるよ馬がかぶるのがいちばんかも!ほうきがあったらなにをする?ヘアーブラシにしてもいいハブラシにしてもいいくつブラシにいいいすブラシにしてもいい子どもの自由な発想にびっくり。「いつまでばかなこといってるの!」「いいかげんにしてちょうだい!」と...くつがあったらなにをする?

  • とりあえず まちましょう

    とあえずまちましょう/五味太郎/絵本館/2020年「とりあえずまちましょう」何を?表紙では碁を打っているのでしょうか。相手が打つのをまってます。病院では、麻酔がきかない人の手術をお医者が待っています。UFOを見つけようとする人はイメージをもってとりあえずまってます。宇宙の飛行船地球に帰還するのをまちます。トイレの順番まち大勢ならんでとりあえずまてるでしょうか。とりあえず待とうと一呼吸おくと何か見出すことができるかも。怒りに手を上げようとするときちょっとまったらいがいにバカバカしくおもえることもありそう。にっこりを追加するとなおいいかも。オヤオヤホーニヤニヤする場面が続きます。五味さん、この絵本を読んでもらうのをまっているのでしょうか。絵本の初版部数の算出をとりあえずまってます。とりあえずまちましょう

  • きみだけの夜のともだち

    きみだけの夜のともだち/作・セング・ソウン・ラタナヴァン訳・西加奈子/ポプラ/社2022年ガスパールは、さみしがりやで、ちょっぴりこわがりの男の子。みんながねむっているあいだも、なかなかねむれません。「ぼくに夜だけのともだちがいてくれればなぁ。小さくてもいいから」とおもっていたガスパールに、ちいさなねずみがこえをかけました。「きみ、夜だけのともだちをさがしているんでしょ」ネズミのあとをついていくと本をまもるモグラが。「夜だけのともだちをさがしているんだ」とガスパールがいうと、モグラは、うちゅうについて書かれた本をひらきます。そのときリビングでだれかがピアノを弾いている音。コンサート練習中のウサギでした。ガスパールとネズミは、うさぎの練習を聞いて拍手。お風呂場から「シュー」という音。水もジャンプも真っ暗も、...きみだけの夜のともだち

  • 山んば・・香川

    香川のむかし話/香川小学校教育研究会国語部会・香川県国語教育研究会編/日本標準/1977年)長次郎は、馬に塩を積んで、山をこえて、となりの村へ運ぶのが商売。ある日、山ごえの道を歩いていると、山んばがでてきて、塩をひとくちなめさせてくれんかという。長次郎は、塩はやれないというが、山んばに、馬も塩も全部食べるといわれ、ひとくちだけ塩をなめさせる。長次郎が山道をのぼっていくと、いったんは、消えた山んばがまたでてきて塩を一口なめさせやという。馬も食うといわれ、何度も塩をやった長次郎だったが、しまいには、馬もバリバリ食われてしまう。長次郎が、木のかげから様子を見ていると、山んばは、人のおらんおんぼろ寺のなかで、風呂桶のなかでグウグウたかいびき。長次郎は、風呂場にいって風呂桶のふたをして、おおきい石をのせ、そこらへん...山んば・・香川

  • ブロロンどろろん

    ブロロンどろろん/高畠邦生/小学館/2022年道にペンキがこぼれています。そこにブロローン!と車がやってきて、ペンキがとびちりバシャどろろん。「どうなるの?どうなるの?」ネコがチーターみたい荷物を持った人にペンキがとびちりバシャどろろん。「どうなるの?どうなるの?」ペンキのあとがゾウみたい工事作業中のふたりにペンキがとびちりバシャどろろん。「どうなるの?どうなるの?」ペンキのあとがイヌみたい繰り返しがつづきます。車が走るとペンキが飛び散って壁にうかぶ造形の楽しさ。毎回ペンキの色が違います。壁の造形は、そのまま残しておいてほしいが・・・。日本マクドナルド「ほんのハッピーセット」の絵本として2019年秋に店頭配布されたものを、加筆・修正・再構成し、エピソードとシーンを増やして出版したとありました。ブロロンどろろん

  • ぼくたちのいえは どこ?

    ぼくたちのいえはどこ?/アレクシス・ディーコン・文ヴィヴィアン・シュワルツ・絵木坂涼・訳/徳間書店/2012年小さな暗い穴のなかで一緒に育った7ひきのなかまたち。だんだん大きくなって、小さかった穴に別れを告げて、新しい家を見つけに出発しました。7ひきのなかまはねずみのようでもあり、モルモットのようでもあり。外にでると、そこはガラクタ置き場。小さな穴は、ベッドの破れた部分でした。暗いところで暮らしてきた七匹は、暗くないと安心できません。そこで、ガラクタ置き場から、くつ、なべ、てぶくろ、なべ、つつを集めて頭にかぶり、新しい家さがしに出発です。一匹は顔がかくれていないので案内役です。大冒険がはじまります。まずは海へ遭遇(じつは、水たまり)。それから砂漠(砂場)、山(机)、大きな穴(洗濯機)、かいぶつ(犬)に遭遇...ぼくたちのいえはどこ?

  • こぞうとカメ・・香川

    香川のむかし話/香川県小学校教育研究会国語部会・香川県国語教育研究会/日本標準/1977年法事によばれていったある寺のこぞうが、とちゅうで子どもにいじめられていたカメをみて、離してやれと子どもらに言うが聞き入れない。こぞうさんは、法事の帰りに銭をやる約束をして、カメを海へ帰してやる。ここまでくると「浦島太郎」かと、思いきや、ある日あらわれたカメにつれられていったのは大きいお屋敷。そこでごちそうになり、お土産にもらったのが、一本の筆。しばらく大事にしていた筆で、鬼をかいて、本堂の柱に貼っておいた。すると、泥棒が本堂にちかづくと、その鬼がとびついていくので、その寺には、信心な人ばかりがお参りするようになり、寺は、銭やお米をたくさんもらって、こぞうも一生安楽に暮らすことができたという。カメは、けっこい(きれいな...こぞうとカメ・・香川

  • かいじゅうトドラ・トットコ

    かいじゅうトドラ・トットコ/作・半沢一枝画・仲川道子/童心社/1973年(12画面)出版年をみると、それこそ半世紀まえの紙芝居ですが、古さは感じません。いつでもつうじる内容でしょうか。かいじゅうトドラの子トットコは、おとうさんからおそわってなんとか目から火をだし、空を飛べるようになり、かいじゅうらしくなりました。ところが、ブドウの木の葉のかげにいたヘビに似たかいじゅうヘビラーから一喝され、おうちへ逃げ帰りました。泣いて帰ったトットコは、おとうさんから「つよいかいじゅうになるためにはゆうきをもたなくちゃならん。どんなものにもおそれずにむかっていくのだ」といわれ、またヘビラーのところへもどっていきました。トットコが、「弱虫でない。つよいかいじゅうトドラの子だ。うそだとおもったら、ブドウの木からおりてこい」とさ...かいじゅうトドラ・トットコ

  • 干したから・・・

    干したから・・・/写真・文藤枝卓士/フレーベル/館2016年トマトからはじまって、野菜、果物、魚、肉、ナッツ、そうめん、パスタなど、さらに、珍しい外国の干したものをふくめた写真集です。干したものといわれて浮かぶのは、干し柿や煮干し、切り干し大根、スルメなど。食事で、どれが干したものかあてるコーナーもあって、梅干しや米も干したものといわれて、ああそうだったと、あらためて気づかされます。干し大根と生の大根を同じ重さで比較すると、どのぐらい量が違うかは、写真だと説得力があります。外国の店で売られているものも紹介されています。ラオスのカエルやネズミ、コウモリの干物。ネズミの大きいこと大きいこと。モンゴルのゲルの上には、チーズ。ミャンマーのつぶした納豆を干したものは、センベイ風。保存食として工夫されてきた乾物と干物...干したから・・・

  • ほんやねこ

    ほんやねこ/石川えりこ/講談社/2021年港町の高台にある本屋。らせん状の階段があり、何段もの棚がズラリとならぶ本屋は、ねこが経営していました。本屋のねこは、最後のお客をみおくると、はやめに、店じまいをして日課の散歩にでかけました。いそいそとエプロンをはずしてでかけたので、窓を一カ所閉め忘れてしまいました。ねこがドアを閉めたとたん、開けっ放しの窓へ、強い風が吹き込み、棚の絵本がパラパラパラパラとめくられ、物語の人たちを窓の外へと連れて行ってしまいました。ねこが、いつもの野原で仕事でつかれたからだをほぐしけづくろいしていると、「もしもし、ここからぼくをおろしてくださいな」という声。木の枝にぶらさがっていたのはピノキオ。ピノキオが「みんなはどこにいるのでしょう」と心配そうにいうと、ねことピノキオは、散歩しなが...ほんやねこ

  • くさがくしのうど・・愛媛

    愛媛のむかし話/愛媛県教育研究協議会国語委員会編/日本標準/1975年死人を丁寧にほおむってあげると・・。むかし、西浦に働き者の清八という漁師がおった。ある日、海がしけちょるのに沖に出たが、波が高くなり風も強くなって、うど(ほら穴)に逃げ込もうと船をこいだが、いっこうに前に進まない。船の後ろを見ると、大きなコモ俵が引っ掛かっていた。コモをとりのけようと俵をほどくと、なんとまあ、中みは死人じゃった。「どないなわけかわからんが、なんともあわれな姿よ。これじゃあ、うかぶせもあるまいに。われ、いったいどこもんぞ」と死人に話かけ、崖の棚場にかつぎあげ、寄り木(打ち寄せられた木)を集めて火そうにしてやったんじゃ。それから三月ほどして、テングサ取りの時期が来た。この年は、とのさまの江戸のぼりの年で、おさめもんのテングサ...くさがくしのうど・・愛媛

  • ごろべえ もののけの くにへいく

    ごろべえもののけのくにへいく/おおともやすお/童心社/2018年むかし、”ただのごろべえ”という侍がいた。力の強さは百人力、剣をとれば向かうところ敵なし。ごろべえにだいてもらえば元気に強く育つというので、国中から赤ん坊を連れた人がやってきた。そんなごろべえにもたったひとつ困ったことが。みんながいう「ぞっとしたこわかった」と思ったことがいちどもない。怖いというのはどんな気持ちだろうと、和尚様に相談すると、もののけのすむくにへいけば怖いおもいをするだろうという。さっそくたびにでたごろべえ。満月の日、みわたすかぎりのすすきのはらで、笛や太鼓の音。もののけたちの月見の宴だった。ごろべえ、「こわい」どころか、「みごとな舞だ!みごとな歌だ!」と、やんやと手をうった。あねさまにいわれ、こわいこわいという大入道のところに...ごろべえもののけのくにへいく

  • 大きな卵・・ミャンマー

    ビルマのむかしばなし/中村祐子他再話/新読書社/1999年王さまと大臣たちが、生まれてくる子どもが、男か女かを知らせる合図を待っていると,突然二本の糸が同時にひかれました。「双子だ!」と、そこにいた人々がみな叫びました。ところが王妃が産んだのは大きな卵でした。産婆が驚きのあまり糸を二本引いてしまったのです。王さまは恥ずかしさのあまり気が動転して、卵を川に投げ捨て、王妃は庭師の手伝いをするように命じました。卵は川下で、老婆に拾い上げられ、老婆が食べようとすると、卵の中からひとりの男の子がでてきました。男の子は、「私は、お前のお母さんだよ」といわれて、いっしょに暮らしました。ある日、老婆がジャングルにでかけるとき、見張り塔、地下室、台所にはいかないように言い残しでかけていきました..「行くな」といわれると、た...大きな卵・・ミャンマー

  • おちゃのじかんにきたとら

    おちゃのじかんにきたとら/作・ジュディス・カー訳・晴海耕平/童話館出版/1994年改訂新版おかあさんとソフィーが、お茶の時間にしようとしていると、とつぜん玄関のベルがなりました。牛乳屋さんは朝やってきたし、雑貨屋さんが来る日でもないしと思いながらドアを開けてみると、そこにはおおきくてけむくじゃらでしまもようのとら。おなかがすいて、お茶の時間をいっしょにさせてくださいというとらに、サンドイッチをすすめると、とらはひとつだけではなくテーブルの上のサンドイッチをぜんぶのみこんでしまいました。それでもまだおなかがすいていそうなのでソフィーがパンをさしだすと、お皿のうえのパンを全部食べてしまいました。それからは、牛乳だけでなく、つくりかけの夕ご飯、冷蔵庫のもの全部、おまけに水道の水をぜんぶ、のみました。このあいだ、...おちゃのじかんにきたとら

  • エリック・カールの えいごがいっぱい どうぶつあつまれ

    エリック・カールのえいごがいっぱいどうぶつあつまれ/エリック・カール/偕成社/2022年エリック・カールが描いてきた動物たちがふんだんに登場。英語と日本語で、「すてきなのうじょう」「うごくいえ」「ちいさなあなほりどうぶつ」「かっこいいはちゅうるい」「なみはずれたかんかくのもちぬし」などのカテゴリー別にならんでいます。地上、地中、空、海。クジラは折り込みで。どれもこれも色鮮やか。覚えなさいというのには抵抗がありますが、楽しんで英単語が覚えられそう。小学校でも英語の授業が導入されているようですから、入門書としても最適です。登場する動物たちを数えようとしましたが、多すぎて、とちゅうでギブアップしました。エリック・カールのえいごがいっぱいどうぶつあつまれ

  • 亀が空を飛ぶ

    亀が空を飛ぶという奇想天外な話。仕掛けは簡単で、亀が棒をくわえ、鳥に運んでもらっているということ。しかし、空を飛んでいる途中に棒から口を離し地上に落下して、亀の甲羅にひびがはいる(または死んでしまう)というもの。12世紀日本の今昔物語にもあるというこの話は、世界のあちこちに見られるが、古くは2千年前に成立したとされるインドの「パンチャタントラ」にもあるという。・カメと二羽の白鳥(パンチャタントラ)(カメと二羽の白鳥/世界名作おはなし玉手箱語り聞かせお話集/齋藤チヨ/すずき出版/2000年初版)カメがすんでいる池の水が干上がって、水のあるところを探しに、二羽の白鳥に助けてもらって空を飛んでいると、それをみた子どもたちが騒ぐので、カメが「なんでそんなに騒ぐんだ」と叫ぶと、カメが棒から離れて地上に墜落してしまい...亀が空を飛ぶ

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