宇宙から漂流した一匹の宇宙海月が綴るファンタジー・ポエムの世界です。
僕は闇の中を漂う、ありふれた宇宙の海月です。 色んな言葉を話します。時々宇宙語も…。
飛ばされるように不意に 南国に降り立ったそして両親が体を持たぬまま数億年を彷徨い続ける闇だと知らされただけど僕は太陽を見上げる優しかった‥ 母の声をかすかに僕は憶えてるだから 叫ぶ目を醒ましてよ ママ‥声にならない声をふりしぼるとわずかに風が生まれたそれは小
宇宙船の天窓を開放して数千年分降り積もった過去を解き放つ地球ではこれを断捨離と言うらしいけれどこの響きは鼓膜にはガザガザ刺さって上手く聴こえないんだだから僕は無言で空へ要らなくなった心をぜんぶ放り投げて行く風に舞うのは埃まみれの紛れもない僕の過去 数千年数
仮想の月が 氷の中で泣いてる風に吹かれ 震える鏡の中聳える一本の黒い樹に隠れるようにして 泣いている丸いひかりをこの両手にすくい胸の中へと仕舞い込む世界が哀しみに埋め尽くされそうで怖くなったから月明りが揺れて 燃えるてのひらの氷を思いっきり砕いたら元の世界に
この体は生身を失ったまま数千年か もっと遠くまで生き続けているすべてが昨日のことみたいですべてが未来のことのようで今この瞬間を捉えるすべを僕は完全に見失ってしまった乾いた草木は凍てついた時の化石足元で震えて泣いているそのどこかに君の記憶の断片がまだ息づいて
あれから何度 ここで朝日を見ただろうあれからどれだけ 君の夢を見ただろう穏やかな春に生まれ変わった君は二月の朝陽のように永遠で 透明で気が遠くなるほど身軽だったそろそろ君の世界に 僕を連れてってよ…泣きそうなのは僕だと言えず消え入りそうな分身をこの腕に抱く時
燃えるようなくちびると 凍える前髪太古の面影の残る君のまなざしは無心に太陽を捉えてた泣くことを忘れた理由も思い出せないほど君は渇いてる誰か 水を… 一滴の幸せを細い影となり生きる僕を君が踏み越えて行く時そこに生まれる小さな愛の灯がいつか 君を照らす日まで僕
今、僕は時空を超えて涙するそのつもりじゃないのに涙が後から後から溢れ出て乾いた世界に火のようなかなしみを放つ君が現れたあの日から人生は一変した一人の無念がこれほどまでのエネルギーで人を変えてしまう僕は君の安らぎのターゲットとなれるだろうか…
この けぶる雪景色のように僕たちの未来もきっと不透明だ言葉では埋まらない何かを埋めようとする その時君のからだからゆらゆらと立ち上る不穏の霧を払うことなど 僕には出来ないだろう何もかもが闇だったから世界でただ一つの光を求めた 君を求めたたとえあの時 何ひとつ
しばらく空の上にいた向こう側と此方側の世界の丁度中間のどこかしらから眺める三次元は時折豊かで そして時折黒く濁っていたでも ボクはとても元気だよ段々とチキュウにも慣れて来たそして今日もきわめて安定飛行中で雨にも木枯らしにも負けず 相変わらずここにいる見つけて
そこがふたりの指定席だった何年も 何十年もかけて仕上がった音楽のように無言が奏でるそれは静寂のハーモニー木漏れ日の隙間から 天使が降りて来る午後透明な恋人のシルエットを目を細めて見つめる彼女のまなざしは潤んで溶け落ちそうだった僕は知ってるその人がもう この世
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