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  • どうせ3年

    「ここにもいます」9月25日書評欄に、『「山賊公務員の流儀」牧慎太郎著(時事通信社)』に対する日本総合研究所主席研究員藻谷浩介氏による書評が掲載されていました。同書は、『総務省のキャリア官僚の職務は独特だ。短い東京勤務を挟みつつ、自治体への2~3年間の出向を繰り返す』官僚生活を送られた牧氏が、若者に仕事のやりがいを伝えたくて書かれてものだそうです。評者の藻谷氏は、こうした総務省キャリアと地域振興の場で多く出合い、その仕事ぶりを観察してきた経験の持ち主です。藻谷氏は、総務省キャリアのそうした仕事ぶりについて、『霞ヶ関との複雑な交渉や、地元の利害に縛られたプロパー職員にはやりにくい仕事を、出向先の自治体のための遂行するのが、彼らの任務なのだ。ただし、出過ぎずしかし埋没せずという距離感を、周囲との間に取れる有能さがな...どうせ3年

  • 絶対縮小業界

    「教職の場合は…」9月23日『時論フォーラム』欄で、法政大教授田中研之輔氏が、『[「45歳定年制」]「自律型」への問題提起』という表題でコラムを書かれていました。『経済同友会のオンラインセミナーでのサントリーホールディングスの新浪剛史社長の「45歳定年制」発言が物議を醸している』ことについて論じるものです。田中氏は、『テクノロジーの華々しい進化のように、私たちは成長し続けることはできない(略)45歳に向けていかにキャリアを築いていくのか、そしてどう働いていくのかを一人ひとりが考え抜いていかなくてはならない』とし、『一つの組織にキャリアを預け、定年まで働き続ける勤労観から、自ら主体的にキャリア形成していく働き方への転換は、私たちに託された社会的使命である』と述べられています。もちろん、新浪氏も田中氏も、基本的には...絶対縮小業界

  • 栄一様の言う通り

    「凡庸」9月23日余禄欄に、次のような記述がありました。『「はばかりながらいわせてもらえば、官吏は凡庸のものでも勤まりますが、商工業者は相当に才覚のある者でなければ勤まりません」。これは渋沢栄一が大蔵省を辞し、日本初の銀行を創業した当時の言葉である』。ここで言う「商工業者」とは、新たに起業し成功を収める者というような意味で、企業の従業員全般を指すものではないと思われます。そして、そうした意味でなら、全く同感です。さらに言えば、ここで言う官吏とは公務員を指し、当然のことながら公立学校の教員もそこに含まれると考えます。私は公立学校の教員から、教委の指導主事、統括指導主事、指導室長と、公務員以外の職を経験したことがありません。そのうえで、公立学校の教員は凡庸な者でも勤まるという見解に賛成なのです。というよりも、この点...栄一様の言う通り

  • 再発防止に必要な事後処理

    「問題なのは」9月22日『児童に「死ぬしかない」特別支援学級教諭免職暴言・体罰34件』という見出しの記事が掲載されました。『姫路市立城陽小の特別支援学級の児童6人に「生きる価値なし。死ぬしかない」など34件の暴言や体罰をしたとして、県教委は21日、同学級の担任、藪田侑亮教諭(39)を懲戒免職処分にした』ことを報じる記事です。ひどい教員です。でもそれで終わってしまっては、この事件の背景にある問題を解決することはできません。まず、『担任をサポートする教職員は18年度から藪田教諭の体罰などを当時の校長に報告していた』という点にあります。同僚の教員たちは校長に報告という形で子供を守るという責任の一端を果たしています。それは認めなければなりませんが、本来はもう一歩進んで、藪田教員を阻止しなければならないのです。「藪田先生...再発防止に必要な事後処理

  • 都合よくつまみ食い

    「半可通」9月21日連載企画「14歳の君へわたしたちの授業」は、評論家荻上チキ氏による「社会科の授業」でした。その中で荻上氏は、『学校は世の中と違い、先生に権力があって、全体主義的な振る舞いが許される、結構特殊な場所です。適応することが、社会で成長するのと同じだと考えないでほしい』と書かれています。そしてさらに、『立法、行政、司法全部を先生が独占しているんです。学校は社会に向かって育つ準備期間のはずなのに、民主主義的に運営されていない』とも書かれています。また、校則についても生徒の多数決で変えることができるようにすることが必要だとされています。久しぶりに、学校を生徒の手で民主主義に則って運営すべきという主張を目にしました。私は、教委勤務時代の20年前の議論を思い出しました。指導室長として、児童の権利条約に基づく...都合よくつまみ食い

  • いるはずなのに

    「いるはずなのに」9月20日『44.4%女子制服でスラックスを選べる高校』という見出しの記事が掲載されました。『制服が指定されている都道府県立の全日制高校3073校のうち、女子の制服で「スラックス」を本人の意向で自由に選べる高校は44.4%の1365校だった』という調査の結果を報じる記事です。それだけですので、その他にどのような調査が行われたのか分かりませんが、当然のこととして、男子の制服でスカートを選べる高校がどれくらいあるのかが気になります。ほとんど0%に近い数値というきがするのですが、どうでしょうか。もちろん単なる推測なのですが、そう考える根拠は、私が指導室長をしていたときにも、管下の中学校において、スラックスで登校したいという女子生徒やその保護者からの希望はあったのですが、スカートで登校したいという男子...いるはずなのに

  • 画一性がもつ利便性

    「バラバラがいい?」9月19日読者の疑問に答えるコーナーに、奈良市の中3T氏から、『なぜコンビニエンスストアなどの品物の配置はどこでも同じなのですか?』という疑問が寄せられていました。回答分の中に、『セブン-イレブンは、全国におよそ2万1000店舗あり、その全てでというわけではありませんがこのような並べ方をしていることが多いそうです(略)来た人がすぐ見つけられるように~』という記述がありました。つまり、基本的に地域差・店舗間の違いは付けずに、皆同じにしているということで、その理由は、どこでも同じなら初めて入った店でもすぐに目的の商品を見つけて買うことができるから、ということです。私はあまりコンビにを利用しない方ですが、それでも出先などで急に、祝儀袋が必要になった、筆ペンが書けなくなった、単4電池が切れた、などと...画一性がもつ利便性

  • 人は嘘をつく

    「信じるということ」9月19日『政権の「負の遺産」どう対応』という見出しの記事が掲載されました。自民党総裁選の4候補がそろった討論会について報じる記事です。その中に『安倍氏の説明は十分なのか。そう問われた高市氏は「あれだけ長い国会審議の中で説明はされていると思っている」ときっぱりと言い切った。国会で118回の「虚偽答弁」を繰り返したとされる点についても「(安倍氏)本人が虚偽と思って説明したわけではない」と擁護した』という記述がありました。とても不思議に思いました。高市氏の発言の中には、事実とそれに基づく見解と推察が混じっています。「長い国会審議の中で」は事実です。安倍氏の話したことが「説明」に値するというのは見解です。事実は事実ですし、見解も人それぞれですが、そういう考えもあるという意味では認められるものです。...人は嘘をつく

  • 個人の選択は尊重されるべき?

    「SDGs」9月16日三沢耕平記者が、『ファイナルエディション』という表題でコラムを書かれていました。『バイクを買った。ヤマハ発動機のSR400。』という書き出しで始まるコラムは、『名車だが、世界中で加速する脱ガソリンの流れを止めることはできない。排ガスや騒音などの環境規制は年々厳しくなるばかりで、近く全ての生産活動が終了(略)43年のSR史に幕を下ろす』とSRに対する愛惜の念に満ちていました。三沢氏は、『変わらないエンジン音を、変わりゆく時代の空に奏でたい』と、来月の納車を心待ちにしているようでした。私にはバイクの趣味はありません。クルマの免許も取らなかった変わり者です。三沢氏の思いに共感できないのはそのせいでしょう。しかしそうした個人的な事情を除いても、正直なところ理解できないのです。全国紙の紙面は公器だと...個人の選択は尊重されるべき?

  • 早く楽にして

    「公立学校」9月15日『コロナ空気感染不都合な真実?認めぬ国に専門家38人緊急声明』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルスの主要な感染経路として政府が否定している「空気感染」を前提とした対策を取るよう求めて、感染症などの専門家38人が緊急声明を出した』ことを報じる記事です。記事によると、『WHOやCDCは今春、新型コロナは空気中に漂うウイルスを含んだ微粒子「エアロゾル」を吸い込むことで起きる「空気感染」が感染経路だと明記した(略)国はかたくなに空気感染を認めていません』ということです。私も空気感染だと思っていますが、素人です。空気感染か否かの論争に加わるつもりはありません。ただ、次の記述が気になりました。『真の感染経路に真正面から向き合わず、消毒や手洗い、アクリル板の設置といった効果の低い対策...早く楽にして

  • 大人は楽だけど

    「位置付けは?」9月14日『活況!!オンラインツアー』という見出しの記事が掲載されました。『秋のシルバーウイークに向けて注目を集めているのが「オンラインツアー」だ。パソコンなどで旅気分を味わうことができ、利用者はじわじわ広がっている』ことを報じる記事です。その中に、『「修学旅行」として9000人超の子どもたちも体験している』という記述がありました。気になります。実際にオンラインツアーを体験したことがあるわけではないので、反対も賛成もありませんが、学校行事として行う場合、どのような位置付けなのか、がです。もちろん、コロナ禍の状況下、緊急避難的代替措置として実施されているということは理解できます。しかし、新型コロナウイルス感染が将来収まったとしても、新たな感染症が広がる事態は確実にやってくると言われていますし、リモ...大人は楽だけど

  • いいことも悪いことも

    「合わせるor直す」9月14日『「リスク前提」のZ世代』という見出しの記事が掲載されました。表題でコラムを書かれていました。トレンド評論家牛窪恵氏へのインタビュー記事です。その中で牛窪氏は、Z世代の特徴について、『アジャイル型と親和性が高い』『タイムパフォーマンスを重視する(略)動画視聴で集中力が続くのは5分程度です。この10年間で、世界に流通するデジタル情報量は60倍にも増えました』と語られていました。ちなみに、Z世代とは、『物心がついた時にはスマホが身近にある「スマホ第一世代」』で、今の17~26歳にあたるそうです。また、アジャイル型とは、『最初から完成版を目指すのではなく、仕様や設計の改善を前提に、まず素早く開発して世に出し、トライ・アンド・エラーを繰り返し利用者の声を聞く。そして時代やニーズに合わせ、素...いいことも悪いことも

  • 悪習

    「夫婦」9月12日多摩美術大学教授外舘和子氏が、『名前の公共性』という表題でコラムを書かれていました。女性工芸家の結婚後の活動において使用する「姓」について考察されたものです。その中に、『学芸員時代、染織と金工の代表的な作家7人を選んだ展覧会の企画書を書いた折、上司から「この二人は夫婦か?どちらか代えては」と言われたことがある(略)同じ姓ゆえに一般市民にも夫婦関係が分かりやすいことが問題なのである。「公平性」を重視する公立美術館の行政マンらしい発想だ』という記述がありました。また、『同じ姓だと、夫が受賞した賞を、作風は違っても妻が受賞しにくい場合がある。選ぶ側には、一人でも多くの「多様な」背景の人に与えたいという意識も働く。だが「家」単位で賞を出すわけではない』とも書かれていました。つまり、A氏とA氏の配偶者に...悪習

  • 教員らしい

    「いい面もある?」9月11日書評欄に、『「あなたを閉じ込める『ずるい言葉』」(森山至貴著・WAVE出版)』に対する、歌舞伎町商店街振興組合常任理事手塚マキ氏による書評が掲載されました。その中に、『「いい意味でホストっぽくないですよね」と昔からよく言われてきた。モヤっとはするが、悪い気はせずやり過ごしてきた。だがよく考えれば、「ホストらしい」ことは良くないと考えているからこそ、「いい意味で」と付け加え、私を褒めるのと同時に、ホストをけなしていたのだ。それを受け入れていた私は、自分だけを安全地帯に置いて、自分の職業を蔑むという最低な行為をしていたことになる』という記述がありました。手塚氏は、「よく考えれば~」と書かれていますが、私も考えてみました。私は、ホストという職についている方と話したことがありませんので、ホス...教員らしい

  • 破壊力抜群

    「なるほど」9月10日今回の「論点」は、『学校でのいじめ解決策は』というテーマで、作家雨宮処凛氏とフリーライター武田砂鉄氏との対談でした。武田氏の『協調性の強制しないで』という訴えや、雨宮氏の『いじめる側といじめられる側を何らかの方法で「分離」させるべき』という提案など、従来言われてきたことに重なるものもありましたが、私には考えつかないような指摘や提案もありました。まず、武田氏の指摘です。武田氏は、『今は、SNSでそういう友だちを作りやすいです。SNSのほぼ唯一の利点かもしれません』とおっしゃっています。ちなみに、そういう友だちとは、学校以外で趣味や活動で緩くつながる人間関係を指しています。私も以前このブログで、学校以外の人間関係をもてないことが、いじめ自殺等の背景にあることを指摘しました。世界中の学校どこにで...破壊力抜群

  • 少数派として加わる

    「インクルーシブ」9月9日スポーツライター金子達仁氏が、『パラ自体にもっと魅力を』という表題でコラムを書かれていました。その中で金子氏は、『競技によっては、パラリンピアンが五輪に出場することをみとめるべきだ、という声がある。素晴らしい。ならば、競技によっては、パラリンピックに健常者が出場できる道を探すのもいい。車いすに乗って国枝と戦うフェデラー、目隠しをしてアルゼンチンを背負うメッシがいれば、パラ・スポーツの入り口と可能性は一気に広がる』と書かれていました。金子氏のようなことを一度は考えたことがあるという人は多いのではないかと思います。私もそうでした。しかし、今回、金子氏のコラムを読み、このことにはもっと深い意味があるのではないかと考えさせられました。障害のある子供の教育については、大きく2つの立場があります。...少数派として加わる

  • 私は変節漢

    「同じ穴の狢」9月9日『コロナ専門家の五輪提言』という見出しの記事が掲載されました。コロナ対策において、『方針に合わない科学的知見を封殺する動きが繰り返される』背景に迫る記事です。その中に、科学技術社会論を専門とする大阪大教授平川秀幸氏の『日本は聞きたい専門家の声だけをつまみぐいする政府の姿勢が問題だ。政府に都合の悪い助言も取り入れなければ、感染症対策を誤り国民は被害を被る』という発言が紹介されていました。私も同じ印象をもっていました。しかし、それは今の政府に限ったことなのでしょうか。私自身は学校教育の専門家というのはおこがましいのですが、小さな教委においては、指導室長という職は、役所で一番学校教育に詳しい専門家と見なされるのです。職制上は課長級で、役所内に偉い人はたくさんいるのですが、学校のこととなると、部長...私は変節漢

  • 障害者A、障害者B……

    「励みにならない」9月9日『変わるべきはまず社会』という見出しの記事が掲載されました。日本財団パラリンピックサポートセンター理事長小倉和夫氏へのインタビュー記事です。その中で小倉氏は、『特定の選手を「スター化」する傾向が強くなってきた。それはパラリンピックへの理解や選手へのサポートにつながり、良い面もある。しかし同時に、一般の障害者から見ると、選手が遠い存在になってしまう(略)「個人の努力や能力で、障害は乗り越えるものだ」と強調されると、世間に誤解されかねない』と語っていらっしゃいました。本当にそう思います。健常者と障害者をそれぞれ別の一つの集団と見る人がいます。しかし、健常者と言われる人の中にも様々な特性、能力の人がいます。多くの健常者は、そのことを自分自身の体験として知っているにもかかわらず、障害者の中にも...障害者A、障害者B……

  • 禁止じゃ魅力なし

    「魅力なし?」9月8日『副業始める若者たち』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルスの感染拡大で、テレワークなどの柔軟な働き方が広がった一方、勤め先の業績悪化で収入減や雇用不安に直面した人も少なくない。企業も、収入の補填や社員育成の一環として社員の副業を認め』る動きが広がっていることを受け、実際に副業を始めた若者の実態を報じる記事です。記事では、いずれも副業をする生活に魅力を感じ生き生きと活躍する男女が紹介されています。記事は、『副業をすることが当たり前になる時代は、そう遠くないのかもしれない』と結ばれていました。私はこのブログで、公務員の服務専念義務との関係や、副業をする教員を子供や保護者がどう見るかという視点から、また私立校では家庭教師等の副業をする教員がいることを具体例を挙げながら論じ、教...禁止じゃ魅力なし

  • ○○君は帰って

    「新いじめ」9月8日『接種で「割引、おまけ」』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルスのワクチン接種を公的に証明する「ワクチンパスポート」の国内利用に向け、政府の基本方針の原案が判明した』ことに関する記事です。『未接種者への差別を防ぐための留意点も列挙』されているとのことで、『社会通念に照らして認められない取り扱いは許されない』という指針が示されているそうです。心配です。学校でワクチン未接種に関わるいじめが多発することが。認められない取り扱い例として、『学校入学などの際に接種を要件化すること』が挙げられていましたが、これは学校や教委に対する禁止事項です。子供や保護者、特に保護者に対しては、教育行政を含む行政一般が何らかの禁止事項を設けることは難しいと思われます。例えば、子供が友人のうちに遊びに行...○○君は帰って

  • 同意しません

    「同意しません」9月7日『個人データ共有に転機「決めるのは企業ではない」』という見出しの記事が掲載されました。欧州における個人情報を巡る動きを報じる記事です。その中に、『プライバシー保護の本質は“隠すこと”ではなく、どういう情報を誰と共有すべきかを“誰が決めるか”にある(略)あなた自身であるべきです』という記述がありました。まあ当然のことという気がします。記事は、GAFAなどの巨大企業による個人データ利用について書かれたものであり、その他の分野については触れていません。また、我が国では、欧州に比べ、個人データについての議論は深まっていないのが現状です。しかし、時代の流れな確実に、個人データの提供・共有についての決定は個人の権利であるとする方向に動いていくと思われます。学校は個人情報の宝庫です。そこには、個人Aの...同意しません

  • でしゃばるな、黙っていろ?

    「かっこいい?」9月6日連載企画『学校とわたし』で、作家門井慶喜氏が思い出を語っていらっしゃいました。その中の一つのエピソードを読んで、なんだかモヤモヤしてしまいました。門井氏は、小5のお楽しみ会での出来事を次のように語られていました。『同級生がクイズを出しました。「知識を自慢したい」と私が次々に答えたら、担任の倉田孝明先生に呼び出され、「今のは格好良くなかったな。最初のだけ答えて黙っているのがかっこいいぞ」と諭されました。生意気盛りの私にも分かる言葉で伝えてくれて、人の話に耳を傾ける大切さが分かりました。作家になった今も対談の仕事で生かされています』。私には、倉田教員のおっしゃっていることがよく理解できないのです。お楽しみ会のクイズでは知っていることでも答えないのが良い、の含意は何なのでしょうか。他の子供にも...でしゃばるな、黙っていろ?

  • 基準と劣化

    「基準と劣化」9月3日『論点』欄は、『不妊治療保険適用の拡大』というテーマでした。3人の論者の中で、医療法人オーク会医師船曳美也子氏が語られていることが印象に残りました。船曳氏は、『不妊治療は患者一人一人の診療方針が異なる「オーダーメード」で実施される(略)私は一人一人の患者を診断したうえで、その人に最適な治療方法を選択している。保険適用範囲の拡大によって病院ごとに実施している治療や投薬の標準化が進むかもしれないが、こうした特徴のある不妊治療で、適用範囲の拡大は必要なのだろうか。逆に、医療技術の劣化などを招きかねないと懸念している』と話されているのです。つまり、ある分野において、何らかの基準なり標準なりを定めると、皆がそれに足並みをそろえてしまい、それまでの「無秩序」状態における創意工夫や切磋琢磨の精神や取り組...基準と劣化

  • 無用の長物?

    「そのときには無用に?」9月1日堀川剛護記者が、『温故知新』という表題でコラムを書かれていました。その中で堀川氏は、『半世紀前に製造された中古の名車を新車のように再生させよう』というトヨタの整備士たちの取り組みについて書かれています。『さびや腐食は当たり前。元の所有者による補習や改造も多い。そのため、エンジンのほか内装までバラバラにし、全部品を磨き上げる(略)代替部品があればいいが、入手できない部品は手作り。ベテランが若手に技術を伝える貴重な場』ということで、『技術を磨いて普段の業務に生かし、お客さんと喜びを共有できる整備士になりたい』と若手整備士が語っているそうです。堀川氏はこの取り組みについて、『脱炭素で水素エンジンや燃料電池が注目される中、古きを温ねる彼らの目の輝きに魅せられた』と述べ、肯定的に伝えていら...無用の長物?

  • 一見無駄に見えるけど

    「許されない」8月31日連載企画『#新学期いま、あなたへ』の第4回は、「不登校新聞」編集長石井志昂氏へのインタビューでした。その中で石井氏は、『心がけてほしいことがあります。雑談です。子どもの目に映る大人たちはいつも忙しそうで、「ちゃんと手洗った?宿題は?」と「注意してくる人」になっているかもしれません(略)何でもない話をする時間が、子ども自身の気持ちの整理や親を信頼するきっかけになります』と語られていました。とても大事なことを話されていると思います。石井氏は主に保護者を念頭に語られているようですが、「大人」の中には当然教員も含まれています。教員にとっても、子供との雑談はとても大事なのです。しかし、石井氏の指摘する「大人たちはいつも忙しそう」は教員にこそあてはまります。我が国の教員の多忙さは世界トップクラスであ...一見無駄に見えるけど

  • 感謝

    「感謝」8月29日人生相談欄に、36歳女性の『親に感謝求められる』というタイトルの相談が掲載されていました。『両親から「お前は親への感謝が足りない。もっと尊敬すべきだ」としょっちゅう言われます』というのです。鬱陶しいですね。回答者の高橋源一郎氏は、ご自身の子育てを振り返り、『子どもたちには感謝しかありません』『子どもたちのおかげで、少しはまともな人間になることができました』『親が子どもを育てるのではなく、子どもによって未熟な人間が親になるのです』と、感謝すべきは親であるとの持論を展開していきます。そして、『子どもに感謝を求める親がいるとしたら、それは、ただ産んで大きくした、というだけの人だと思います』と言い切り、感謝を求める相談者の親を非難していました。高橋氏のおっしゃることはよく分かります。同じ感覚をおもちの...感謝

  • 教室でみんなと机を並べて…したい

    「その後」8月28日連載企画『#新学期いま、あなたへ』の第2回は、「こども六法」著者山崎聡一郎氏へのインタビューでした。その中で山崎氏は、『もし、子どもに「学校に行きたくない」と言われたら「いいんじゃない?」と受け止めてあげてください。勉強が遅れることや将来に響くかもしれないことに、親は不安になるかもしれません~』とおっしゃっていました。その通りです。間違っても、何が何でも学校に行かせようとしたり、子供を非難したりして追いつめてはいけません。昔はともかく、今はこうした受容の仕方は、広く認知されていると思います。問題はその後です。保護者が子供の訴えを受入れ、子供は登校しないことが認められ、しばらくのゆとりを得ます。とりあえず、夏休み最後の日も安心してゆっくり眠ることができるかもしれません。それまでの暗い表情を一変...教室でみんなと机を並べて…したい

  • 忖度で、は本当か?

    「忖度は偏見」8月27日人生相談欄に、教育機関で働いてきた56歳女性からの『忖度できなかった仕事人生』というタイトルの相談が寄せられていました。その中で女性は、『上司に是々非々で意見したことは、今更どうだったかと考えます。周りで出世したのは、学生ではなく、上だけ見るイエスマンばかり(略)忖度できなかった仕事人生をどう思いますか』と書いています。回答者の立川談四楼氏は、『あなたには印象的な学生の顔がいくつも浮かぶはずです。出世した人には、残念ながら上司の顔しか浮かびません(略)教育者としての幸福度は、あなたの方がずっと上なのは間違いのないところです』と述べていらっしゃいました。私は教員でした。女性の言う教育機関がどのようなところかは分かりませんが、私が働いてきたのもまた教育機関であることは間違いありません。そして...忖度で、は本当か?

  • 両輪

    「十年一日」8月25日松原由佳記者が『感度のアンテナ磨き続ける』という表題でコラムを書かれていました。その中で松原氏は、『情報番組「スッキリ」でアイヌ民族を傷つける表現があった問題』についてのBPOの記者会見を取り上げています。松原氏は、『たびたび出たキーワードが「放送人としての感度」だった。ある委員は「アイヌ民族の歴史や差別について仮に知識が無かったとしても、感度さえあれば(オンエアを阻止できた)」と一刀両断した。この言葉を聞いた時、新聞記者の私も背筋が伸びる思いがした』と書かれているのです。背筋が伸びるの一言を見て、松原氏は立派な記者なのだと思いました。と同時に、十数年前のことを思い出しました。当時私は、教委で人権尊重教育の担当をしていました。都も国も、同和問題、アイヌ差別、障害者差別、女性差別、外国人差別...両輪

  • 僕もホームレスの人は…

    「無理解」8月24日『全国の中学生に、様々な分野で活躍する人が語る「授業」』というコンセプトで作られた『14歳の君へわたしたちの授業』、今回は思春期精神医学を専門とする精神科医名越康文氏が語る「道徳」でした。その中で名越氏は、『好きなことに没頭する時間は大切にしたらいい。「30分ぐらい過ぎたかな」と思ったら3時間だった、みたいに実際の時間を超えてしまうような。そういう体験こそが人生で一番大切です』『「いじめられたら逃げろ」(略)まずは逃げる。どうやっても卒業はできる。それから、つらい時期はいつか終わる』『大人の言うことはいちいち疑ってほしいです。大人も間違ったことを言うんですよ。一度は素直に聞いてみて、でも、あくまでも自分の頭で考えてほしい』などの名言を口にされています。名越氏がおっしゃっていることには、特に異...僕もホームレスの人は…

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