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  • 全国に○○会を

    「懐かしい昔」8月24日『免許更新教員負担重く』という見出しの記事が掲載されました。教員免許更新制が廃止されることを受け、その背景や問題点、課題等を説明する記事です。その中の『「世界一多忙」改善必須』という小見出しの章の中に次のような記述がありました。『1949年に施行された同法(教育公務員特例法)は、教員を高度な専門職と位置づけ、授業に支障がない限り、勤務時間中であっても校外で自己研さんを積むことを認めた。ところが(略)旧文部省は職場を離れる際の要件を次第に厳しくしたため、上司の職務命令で受ける研修以外は休暇を取らなければいけなくなるなど、教員の裁量が狭められてきた』というものです。教育行政学を専門となさっている埼玉大准教授高橋哲氏は、こうした現状について、『教育や子供に関する常識は日進月歩であり、教員は普段...全国に○○会を

  • 「響く言葉」の教育

    「学校で教えるの?」8月22日日本総合研究所主席研究員藻谷浩介氏が、『コロナと東京五輪響かない言葉首相失格』という表題でコラムを書かれていました。その中で藻谷氏は、『原稿の棒読みを批判された首相は、正確を期すためだとしたが、必要なのは聞き手の腹に落とすことだ。愛の告白に、正確さを期して原稿を棒読みする者はいない』と書かれていました。全くその通りだと、藻谷氏の巧みな例えに感心しました。菅首相の伝える能力の低さはその通りですが、では自分はと考えてみると、それほど自信があるわけではありません。42年前のつれあいへの告白も、平凡な「2人で幸せになろう」でしたし。私レベルの人は案外多いように思います。そこまで考えて、我が国では、聞き手の腹に落とす話し方というものを教わる場はあるのかとの思いに至りました。学校に、そんな場は...「響く言葉」の教育

  • 仏教徒は極楽へ

    「死ねばそれまで」8月22日放送タレント松尾貴史氏が、『つかわない「ご冥福をお祈りします」』という表題でコラムを書かれていました。その中で松尾氏は、『そもそも私は死後の世界を信じていない(略)それを信念として持っているので、そのような私が「ご冥福を」という言葉で誰かを慰めようにも、うそ臭くなってしまう』と書かれていました。そんなことどうでもいいじゃないかという人がいるかもしれませんが、私にはよく分かります。亡くなった人に対し、「天国で安らかに~」とか「天国で○○さんたちと酒を酌み交わしていると思います」などという弔辞を耳にすると居心地が悪くなるのです。私の場合、仏式で葬儀をしているのに天国はないだろう(極楽だろう)、キリスト教徒じゃあるまいし、という違和感なのですが、とにかく、決まり文句のようにでてくる天国とい...仏教徒は極楽へ

  • 意趣返しのスキを与えた

    「綸言汗のごとし」8月20日『大阪市長を批判校長処分』という見出しの記事が掲載されました。『大阪市立小中学校が4~5月の緊急事態宣言下に実施したオンライン学習を巡り、「学校現場が混乱した」と指摘した提言が地方公務員法が禁じる信用失墜行為に当たるとして、市教育委員会は20日、市立木川南小の久保敬校長を文書訓告にした』ことを報じる記事です。妥当な処分だと考えます。文書訓告は行政上の処分である戒告や減給よりも軽い処分で、久保校長は、実質的に何の不利益も被りません。学校現場では、文書訓告程度の処分は珍しいことでもありません。そんな処分がなぜ全国紙で大きな記事になっているのでしょうか。記事は、5月、松井市長が『方向性が合わないなら組織を去るべきだ』と批判していたことに触れています。当時、実際に混乱があり、学校の責任者であ...意趣返しのスキを与えた

  • 拒否は当然

    「それは当然、わるいことではない」8月20日『10自治体就学拒否11都県公立小中外国籍の子弁護士会調査』という見出しの記事が掲載されました。『外国籍などの子どもの公立小中学校への就学を拒否したことがある自治体が少なくとも10カ所あったことが関東弁護士連合会のアンケート調査で判明した』ことを報じる記事です。調査自体は意義のあることだと思いますし、外国籍の子供にも学びの機会を保障することは大切だと思います。ただ、一つだけ気になる部分がありました。就学拒否をした10自治体にその理由を尋ねた結果を報じる部分です。『学齢を超過している=5件▽在留資格がない=4件▽卒業間近で就学期間があまりにも短い=2件▽海外の中学校を卒業している=2件-などだった』とあります。この記事を読んだ人はこの記述をどう理解したでしょうか。記事で...拒否は当然

  • 理念崩壊

    「今は昔」8月19日『パラ学校観戦全員反対都教育委員出席の4人コロナ懸念』という見出しの記事が掲載されました。『都教育委員会が18日の臨時会で、小中高生らが東京パラリンピックの会場で競技を見る「学校連携観戦プログラム」の実施について報告したところ、出席した教育委員4人全員が新型コロナウイルスの感染状況悪化を懸念し、反対した』ことについて報じる記事です。記事によると、『(教育委員の)反対意見に対し、都教委の担当者は「観戦の機会を奪うのではなく、可能であれば実施できるよう支援していくのが我々の取るべき立場と考える」と話し、議論は平行線だった』とのことです。今回の都教委事務局の決定については、様々な意見があるようです。私にも意見がありますが、そうしたことには触れません。私が、注目したのは、事務局の強気な態度です。今回...理念崩壊

  • 1000対20万超

    「近未来には?」8月19日『子育てAIが手助けベビーテック元年』という見出しの記事が掲載されました。『人工知能などの最新技術を駆使して、子育ての手助けをする「ベビーテック」が注目を集めている』ことを報じる記事です。記事には具体例として、『マイクで拾った赤ちゃんの泣き声を分析し、泣いている理由を周囲の大人に教えてくれる』『紙おむつに取り付ける「おむつセンサー」は、おむつのぬれ具合を感知し、交換のタイミングをスマホアプリに伝えてくれる』などが紹介されていました。ベビーテックについては、『任せられる部分を任せれば、心の余裕につながり、もっと手をかけたい部分に時間をさけるようになる』という評価があるそうです。考えさせられました。私の第一印象は、こうした技術が広がれば、子育てが少しは楽になるのではないか、という肯定的なも...1000対20万超

  • よい未来のためには

    「間違った使い方」8月19日『旭川中2死亡「娘に何が真実知りたい」』という見出しの記事が掲載されました。『(生徒の母親が)亡くなったのはいじめが背景にあった可能性があるとして、「何が起きたのか。真相を知りたい」と訴えている』ことについて報じる記事です。事件の詳細は既に複数回報じられているので、ここでは触れません。ただ、一つだけとても気になる記述がありました。『いじめがあったとは認められず、「加害者にも未来があるんです」などと学校の教頭から言われた』という記述です。私は、教委勤務中に心掛けていたことがあります。それは、管下の学校の教職員を守るということです。何か不祥事が起き、そのことがマスコミなどで報じられ、議会等でも問題になることがあります。そのときの基本スタンスは、事実を詳細に調べ何事も隠さず明らかにすること...よい未来のためには

  • 家族の会話はリモートで

    「我が子にはどうなってほしい?」8月18日論点欄は、『リモート1年何見えた』というテーマでした。3人の識者が語られていましたが、その中で、精神科医斎藤環氏の話に考えさせられました。斎藤氏は冒頭、『人と人がリアルに出会う出合うことは、「暴力」をはらむ』と述べ、『リモート化で人がこういった「臨場性の暴力」にさらされる場面が減っている』と指摘なさっています。その上で、『学校は強制的に人と会う空間で、そこに毎日身を置くことで培われるものもある。逆に人に会わずに済む「楽さ」に慣れると「臨場性の暴力」へのストレス耐性が減っていく。コロナ禍をきっかけに今後、不登校やひきこもりは増えていく』と予想されているのです。政府は、コロナがおさまった後も、大きな方向性としてはリモート授業を拡充していくという方針を打ち出しています。それは...家族の会話はリモートで

  • 予防は諦めて、が正解?

    「予防と対処」8月17日『そこが聞きたいコロナ「札幌の教訓」』という見出しの記事が掲載されました。DMAT事務局次長近藤久禎氏へのインタビュー記事です。その中で近藤氏は、『関西地方では入院待機中に亡くなるケースも発生し、「陽性告知」すらできない状況があったと聞きます。そうしたことを前提に、札幌で目的を転換しました。現実問題として「感染拡大の防止」を目指していては病床もスタッフも足りない。そこで「すべての患者を医療管理下に置く」ことを目的にしました』と語っていらっしゃいました。つまり、感染防止という目的を、感染を前提とした対処を目的とするやり方に変えたということです。とても印象に残りました。もちろん、コロナ対応の話なのですが、私の頭には、いじめ問題が浮かんでいたのです。いじめ問題にも、防止と対処という2つの対策が...予防は諦めて、が正解?

  • ごめん、ただの癖なんだ

    「猿沢の池」8月14日書評欄に、『「俳句で学ぶ唯識超入門」多川俊映著(春秋社)』に対する書評が掲載されていました。その中に次の短歌が引用されていました。『手を打てば鯉は餌と聞き鳥は逃げ、女中は茶と聞く猿沢の池』です。ちなみに猿沢の池は、奈良興福寺そばにあります。この歌は、主が手を叩いたとき、その音を鯉は餌がもらえる合図だと思って池の岸に近づいてくるし、鳥は驚いて逃げる、女中は主が「お茶を持て」と命ずるつもりだと思い準備を始めるという情景を詠んだものでしょう。つまり、ある「情報」が、受け手によって違う意味に受け取られることがあるということを表しているのです。思い当たることがあります。授業中机間指導をしているとき、側に立ち止まり、何気なく手を動かし腕組みをしたり、腰に手を当てたりすると、首をすくめ頭を抱える子供がい...ごめん、ただの癖なんだ

  • 犬は犬だが……

    「分からないけれど」8月14日論説副委員長元村有希子氏が、『居酒屋のある街』という表題でコラムを書かれていました。コロナ禍が酒禁止という状況をもたらしているという内容ですが、最後の記述に引っ掛かりました。『コロナ後の居酒屋文化はどうなるのだろう。太田(居酒屋についての著作のある方)さんは「一夜にして復活しますよ」と言い切る。「人が生きていく上でなくてはならないものだから、復活しないわけがない。その証拠に、居酒屋のない国なんてないでしょう」』という記述です。そうなんでしょうか。私は世界の居酒屋事情について調べたことがあるわけではないのですが、どうしてもそうは思えないのです。今何かと騒がしいアフガニスタン、イスラムの戒律を厳格に適用するタリバンが、全土を掌握しようとしていますが、タリバン支配下の国に居酒屋は存在する...犬は犬だが……

  • 原爆って何?

    「これも多様性」8月13日読者投稿欄に、京都市K氏による『信じられない黙とうなし』というタイトルの投稿が掲載されていました。その中でK氏は、『(広島)市長は「心の中で広島での平和祈念式典に参加するよう呼びかけてほしい」などとする要請文をバッハ会長に送りましたが、直接的な回答はなかった』ことに言及し、『会長の広島訪問は単なるパフォーマンスだったのでしょうか』と疑念を表明なさっています。同感です。ただ、私とK氏は同年齢で、同じ日本人(たぶんジュンパ)です。きっと原爆投下、広島・長崎の悲劇について、似たような情報に触れ、学び、印象を形作ってきたと思われます。でも、IOCを構成する国々の全てが、同じ情報に接しているわけでも、同じような文化・思想をもっているわけでもありません。浅学な私が知る限りでも、中国や韓国は「戦争加...原爆って何?

  • 押し掛け『指導』

    「指導ということ」8月12日読者投稿欄に、生駒市S氏による『高齢政治家は完全引退』というタイトルの投稿が掲載されていました。その中でS氏は、『「老害」という言葉があります。老いたことに気づかずに結果として後進の活躍を妨げてしまう害悪です』と述べ、『ある程度の年になったら完全引退して後進に道を任せ、指導に注力してほしい』と書かれています。S氏は政治家について書かれているのですが、全ての分野において言えることだと思います。学校においても、です。ある小学校の校長は、退職後も頻繁に学校に顔を出していました。植物が好きな人で、その学校の特色であった広大な学校園の世話に訪れるのです。実際にこまめに世話をしてくれるので、職員もPTAの役員も、「校長先生、本当に助かります」と言い、みんなに感謝の言葉をかけられた前校長も嬉しそう...押し掛け『指導』

  • それは迎合

    「過剰な寛容」8月11日『寛容とは-苦手な相手に礼節を』という見出しの記事が掲載されました。国際基督教大教授森本あんり氏へのインタビュー記事です。その中で森本氏は、『寛容とは是認でも理解でもない』と言い、『誰でも苦手な相手はいるでしょう。寛容は相手を善と認めることではないし、相手を好きになれということでもない。それでも相手を拒絶したり排除したりせず、お互いに礼節を守って考えを聞き合えば、共存することはできるはずです』と述べられていました。全く同感です。国際化が進み、異文化との触れ合いが進むこれからの社会に生きる子供たちに、寛容の精神を培うことが学校教育に求められています。そのときに重要になるのが、礼節ということなのではないでしょうか。現在の学校教育は、寛容の精神を培うとき、礼節については無視、もしくは著しく軽視...それは迎合

  • 「人間」の範囲

    「アテネ型」8月10日オピニオングループ小国綾子氏が、『安易に「調和」と言わないで』という表題でコラムを書かれていました。その中で小国氏は、米国在住中のユダヤ系米国人の知人との会話を紹介なさっています。中米からの若い移民のマクドナルド店員がスペイン語で話していたことに憤慨する彼に対し、『いいじゃん、彼らの母語なんだから、と返すと彼は真剣に言う。「俺の祖父母はこの国に来て以来、家庭でも英語を話そうとした。この国では英語はただの言語じゃない。どんな出自の移民もアメリカ人にしてくれる絆なんだ」』。彼は、英語さえ話せば、どこの国から来ようと、どんな肌の色をしていようと、どんな宗教を信じていようと、アメリカ人として認め、アメリカ人として遇してくれる国、アメリカを誇りに思っているのです。こんな誰にでも開かれた、多様性を尊ぶ...「人間」の範囲

  • それが多様性?

    「多様性?」8月10日『余禄』欄に、名前についての考察がかかれていました。その中に次のような記述がありました。『ひらがな、片仮名、漢字を自在に使い、初見では正しく読めない名前が増えた。個性的過ぎて当初は「キラキラネーム」と呼ばれたが、こうした名こそ多様性を尊ぶ時代の反映だろう』という記述です。私はそうは思いません。現代は「キラキラネーム」ではない子供を探す方が難しいような状況です。女児の名前が「○子」が主流であったときに、美誠や萌寧という名前をつけても、「おかしな名前」「日本人じゃないみたい」などと非難されることなく受け入れられる、という状況こそ本当の多様性が尊ばれる時代と言えるのではないでしょうか。みんなが「キラキラネーム」のときに、我が子にキラキラネームをつけるのは、多様性ではなく、かつての女の子は○子時代...それが多様性?

  • 『誰か』は誰だ?

    「現代でも?」8月9日映画監督河瀨直美しが、『モチベーションとなる「誰か」』という表題でコラムを書かれていました。東京五輪の記録映画の監督を務める河瀬氏は、アスリートたちの挑戦を見つめ、次のように書かれています。『客観的に見れば選手は自己との戦いであり、観客の有無に左右されるものではない。それでもアスリートの一番のモチベーションは自分ではない「誰か」の存在なのではないかと、私は確信している(略)人はひとりでは生きていけない。人は誰かの支えの中で育まれている。そして人はその関係性の中で喜びがあり、悲しみがある』と。おっしゃりたいことは、何となくわかるような気がします。共感も覚えます。ただ、少しの違和感もあるのです。河瀬氏は、初めはオリンピックの、アスリートのことを述べていらっしゃいますが、最終的には、普遍的な「人...『誰か』は誰だ?

  • 自分が噛むのは問題なし?

    「突き詰めて考える」8月6日『メダル「がぶり」名古屋市長が謝罪』という見出しの記事が掲載されました。『後藤希友選手(20)=トヨタ自動車=の金メダルを4日、表敬先の河村たかし名古屋市長が突然かんだことに、激しい批判が出ている』ことを報じる記事です。私もテレビでこの場面の映像を見たとき、「えっ、何だこりゃ」と驚き、猛烈な批判が寄せられるなと予想しました。案の定です。しかし、河村氏の行動が言語道断であることには同感ですが、それでは具体的にどこがどう悪いのかとなると、記事を読んでも判然としないのです。記事では、『「気持ち悪い」「無礼、失礼」などと抗議が殺到した』とありますし、河村氏は『金メダルを汚す行為』と謝罪しています。また、謝罪を受けたトヨタ自動車は、『コロナ禍でメダル授与ですら本人が首にかける状況下、今回の不適...自分が噛むのは問題なし?

  • 教員ユーチューバー

    「本当に怖いこと」8月5日三沢耕平記者が、『霞ヶ関のユーチューバー』という表題でコラムを書かれていました。『農水省の官僚ユーチューバーたちが異彩を放っている』という書き出しで始まるコラムでは、『チャンネル登録者数は7万人を超え』ていること、『70本近い動画を配信してきた松岡慧さんは「最初は怖かった」と明かす。それでもコメント欄の声を政策立案のヒントにする「相互性」に魅力を感じているといい、「顔を出すからこそ共感を得られる」と話』していること、などが紹介されていました。そして最後は、『今の時代に必要なのは、顔を出して社会とつながる働き方改革なのではないか』という、官僚ユーチューバーの積極的な肯定で結ばれていました。本当にそうなのでしょうか。大いに疑問を感じます。それは、農水省という組織の公的な意思決定と官僚個人の...教員ユーチューバー

  • 教えるのは、誰?

    「教える必要は?」8月5日千葉大予防医学センター教授近藤克則氏が、『スポーツ観戦で健康に』という表題でコラムを書かれていました。その中で近藤氏は、『月1回~年数回、現地で観戦、あるいは毎週テレビ・インターネットで観戦している人は、全く観戦していない人に比べ、うつリスクが3割低かった』というデータを示し、『(スポーツを)みるだけでも健康に良い』と指摘なさっています。そんな効用のあるスポーツ観戦ですが、最近、感じたことがあります。オリンピックの新競技、モトクロスバイクやスケートボード、サーフィンなどをテレビで見ていても、少しも楽しくないのです。年寄りだから感性が合わないのだ、と言われればそれまでですが、自分なりに理由を考えると少し違うのです。分からないから、というのが楽しめない理由です。どんな技があるのか、どんな技...教えるのは、誰?

  • 自分が暴君

    「主権者教育の要点」8月4日『論点』欄のテーマは、『歳費返納・停止の議論』でした。『「政治とカネ」を巡る問題などの事件で拘留されたり、有罪が確定して当選無効となったりした国会議員の歳費の取り扱いを巡り、与党が議論を始めた』ことについて、3人の識者が自説を展開なさっていました。この問題の発端は、河井元法相夫妻の大量買収事件でした。有権者を舐め切ったあまりにも悪辣な犯罪行為であったため、河井夫婦叩きが起こり、その一部として、採否返納問題が注目を浴びたということだと思います。私も怒りを感じましたが、国会議員の採否返納問題については、冷静に考える必要があると思っています。駒沢大学法学部教授大山礼子氏はこう語っています。『一旦支給停止を認めてしまうと歯止めが利かなくなり、将来、対象が広がってしまう可能性がある(略)「仕事...自分が暴君

  • 自宅学習を基本に

    「努力しております」8月4日『自宅で急変懸念残す』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルス感染者について、政府派感染急増地域は自宅療養を基本とする方針を示した』ことについて、様々な問題点を指摘する記事です。記事によると、政府はその意図を、『急激な感染拡大においても医療提供体制を確保し、誰もが症状に応じて必要な医療を行うことができるよう方針転換した』と説明していますが、『自宅療養者の病状急変に対応できなくなる』『体調が急変してもすぎに入院できないことになりかねない』など懸念する声が多いとのことです。この記事を読んで、私はコロナ禍の対応とは別におかしなことを連想してしまいました。学校で、いじめや学力不振、校内暴力や発達障害などによる学校不適応などの問題が頻発し、このままでは授業が成り立たない状況が、...自宅学習を基本に

  • 音楽の力?

    「音楽活動?」8月3日『「被爆ピアノ」演奏会子どもたちへの平和の種』という見出しの記事が掲載されました。被爆ピアノ資料館を開いたピアノ調律師矢川光則氏へのインタビュー記事です。ちなみに、被爆ピアノとは、『原爆爆心地より約3㌔以内で爆風や熱風、放射線などの被害を受けながらも奇跡的に焼け残ったピアノ』のことです。矢川氏は、被爆ピアノ演奏会を、全国各地の学校などで開いてきた方だそうです。記事の中に気になる記述がありました。『被爆ピアノの音色は世界共通言語』『原爆の恐ろしさや戦争の悲しみ、平和の大切さを伝えるために、必然的に残されたピアノだと、音色を聞いて感じました』『(被爆ピアノは)聴覚に、五感に直接訴えることができる。それがピアノの、他の被爆資料との違いです』などの記述です。私は音感が鈍いと自覚しています。楽器は何...音楽の力?

  • 美術の領域?

    「誰が教える?」8月2日『識者に聞く「表現の不自由展」』という見出しの記事が掲載されました。『2019年のあいちトリエンナーレで、会期の大部分で展示中止に追い込まれた企画展「表現の不自由展・その後」。今年6~7月、その出品作品を中心に3都市でそれぞれ展覧会が企画された』ことを踏まえた記事です。記事に中に、とても考えさせられる記述がありました。『そもそも日本では、現代アートは多義的で、「読む」芸術だという基本的な前提が、ある程度のインテリの間ですら共有されていない(略)学校教育で、アート作品に接して「読み解いて考える」ことをきちんと教えるべきだ』というものです。具体的に言えば、従軍慰安婦問題に関わって製作された「平和の少女像」について、その歴史的な事実や制作された社会的背景、関係する人々の思惑、などについて理解さ...美術の領域?

  • 脱功利主義からの主体的な学び

    「誰のために」7月31日『豊かな生き物と共存を』という見出しの記事が掲載されました。30年にわたって自然番組作成に携わってきたNHKディレクター岡部聡氏へのインタビュー記事です。その中で岡部氏は、『この30年間、環境問題は再三言われ続け、人びとはようやく重い腰をあげようとしていますが、理由は自然保護のためではなく、「人間が困るから」というのが現実でしょう』と語っていらっしゃいました。そうだと思います。少なくとも私はそうでした。生き物が嫌いで猫も犬も可愛いという人の気持ちが理解できず、花を愛でる心も乏しい私は、抽象的に「生物多様性の維持が人間に利益をもたらす」という考えで、環境保護を考えています。しかし、長年自然を見つめ続けてきた岡部氏は、『経済的な豊かさより自然との共存』に価値を見出す若者が増えてきていると言い...脱功利主義からの主体的な学び

  • 年に数回、は義務

    「みんなの~」7月31日俳人坪内稔典氏が担当している『季語刻々』欄に、後藤比奈夫氏の『捕虫網持たせておけば歩く子よ』という句が紹介されていました。今はどうか分かりませんが、私が子供のころは都会でも、夏は虫取りの季節で、様々な昆虫を捕まえたものでした。そこには、後藤氏が描いたような子供の姿が見られたものです。普段は歩くのを嫌がる子供が、これから雑木林なり草原なりに行って昆虫採集だとなると、歩きなさいなどとも言われずともどんどん歩いていくという光景です。この句は、子供の行動が自らの興味関心によって影響を受け、やりたいことに取り組むときには、大人が驚くようなパワーを発揮するということを示しています。学習指導要領が言う主体的な学びとは、この句の子供のような状態を堅苦しく言い表したものです。教員に強制され何かをやらされて...年に数回、は義務

  • うちの息子は英語なんかしゃべれなくてもいいんです

    「満足度」7月29日東京女子医科大学形成外科教授桜井裕之氏が、『患者の多様な満足度』という表題でコラムを書かれていました。その中で桜井氏は、『キズを治すことはできても傷痕は残ります。傷痕に対する患者さんの感じ方は千差万別で、同じような結果でも患者さんによって満足度は全く異なります。また、キズが治らなくても、自宅で管理できるようになったり、痛みを伴わなくなったりすることで満足される患者さんも意外に多いのです』と書かれていました。とても考えさせられる話です。桜井氏は、『だからこそ、形成外科医の仕事は、患者さんが何を求めているかを理解することから始まります』と書かれていますが、もし、患者が、「もう痛くないからこれ以上の治療は結構です」と言った場合、医学的には傷痕を完全に治すことができるケースであっても、治療を中止する...うちの息子は英語なんかしゃべれなくてもいいんです

  • 学校>組織委?

    「儀式に当たって」7月28日『組織委「開会宣言でトラブル」』という見出しの記事が掲載されました。『東京オリンピックの開会式で、菅義偉首相は、大会名誉総裁を務める天皇陛下による開会宣言の冒頭で規律しなかった』ことについて、組織委が説明、謝罪したことを報じる記事です。ネット上では首相の行動について不敬だと非難する声も上がっているので、首相に責任はないと擁護する必要にかられたのでしょう。記事によると、『起立を促す場内アナウンスが事前に流れる予定だったが、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長がスピーチの最後に開会宣言をお願いしたため、アナウンスを流すタイミングがなくなってしまった』ということでした。お粗末すぎます。開会式について言えば、バッハ会長は来賓、天皇陛下は身内です。来賓が想定と異なる行動をとったからとい...学校>組織委?

  • それは愛想笑い

    「稀なこと」7月28日読者投稿欄に、岩国市Y氏の『教え子同士の結婚に喜び』という投稿が掲載されました。Y氏は元中学校教員、投稿には『2人の友人から2人が結婚するとの電話があり、大きな驚きと喜びを感じた。自分が受け持った学級の生徒同士の結婚は非常にまれで(略)コロナ禍が収束したら、若夫婦は私に子供を抱いてほしいという』と書かれていました。率直に、羨ましいと思いました。私も何回か教え子の結婚式に声を掛けてもらったことがあります。いずれも、教え子同士ではなく、教え子と知らない人の結婚式でした。それが不通で、Y氏が書かれているように、教え子同士というのは極めてまれです。私の知人の教員に聞いても、そうした例はありませんでした。しかし、羨ましいというのは、そこではありません。教え子同士が結婚して、その2人が揃ってY氏に結婚...それは愛想笑い

  • 悪いのは○鵬

    「差別と同じ構造」7月27日『近事片々』欄に、『角界重鎮も見てほしい。連覇でもガッツポーズなし、万感の表情で一礼。勝ち方も美しい柔道、大野将平選手』という記述がありました。言いたいことはよく分かります。相撲と柔道の勝者の態度を比べ、相撲界に勝って奢らずという美しい伝統を守ることを訴えたのでしょう。私も、白鵬の態度は角界を代表する横綱にふさわしいとは思っていません。大野選手の態度の方に好感を抱いたのも事実です。でもそれは、大野将平選手と白鵬という個人の問題、あるいは両者を指導してきたコーチや親方の見識と指導力の問題なのであり、相撲と柔道という団体の問題なのではないと思います。かつて、柔道界では、金メダリストの複数回の準強姦やパワハラという不祥事がありました。当時、メディアは全柔連の体質を鋭く批判し、中には中学校の...悪いのは○鵬

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