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  • マンツーマンではなく

    「下支え」1月23日『格差の再生産「学校の力」見つめ直そう』というタイトルの社説が掲載されました。『親の貧困が子に引き継がれることを「格差の再生産」と呼ぶ。密接に関わっているのは教育(略)家庭が貧しいほど授業の理解度が低い生徒が多かった。学力が身につかないと進学もままならない(略)家計に余裕がない家庭のこの学力を下支えする仕組みが欠かせない』という問題意識で書かれたものです。全く同感です。そして、『全ての子に学びを保障するのは公教育を担う学校の役目』という指摘もその通りだと思います。しかし、その先が少し違うのです。『学校が困窮家庭の子を支える福祉的機能を高めるには、専門スタッフの手厚い配置が不可欠だ。教師は、子ども一人一人に丁寧に関わって学力を伸ばす指導に専心できるようにしていくべきだ』。日本大教授末富芳...マンツーマンではなく

  • 体質、個人も組織も

    「体質」1月22日心療内科医海原純子氏が、『炎上するかな』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、今年の箱根駅伝について触れ、『優勝したチームの監督が6区を走る学生に「男だろ」と声を掛けていたのには衝撃を受けた。翌日その話が新聞やテレビで肯定的に紹介されていたのにもかなり驚いた』と書かれています。実は私も同じでした。以前にも「男だろ」発言があり、そのことが報道され、その問題点が指摘されていました。ここで繰り返すまでもありません。性によるアンコンシャスバイアスです。私はこうした発言が、まがりなりにも教育者として位置づけられる大学スポーツの監督の口から発せられ、本人が反省の弁を出すこともなく、大学上層部が見解を述べることもなく、駅伝の主催者や陸連等の関係者から批判の声も上がらないという状況に危...体質、個人も組織も

  • 少し違う

    「少し違う」1月22日『「教員がいじめなんて」滋賀・市立小報告書案現場の思考停止指摘』という見出しの記事が掲載されました。『野洲市の市立小学校で教員による児童いじめが相次いだ問題で、市教育委員会が事案を分析し再発防止策をまとめた報告書案』について報じる記事です。その中にとても強い違和感を抱いた記述がありました。『授業や学級経営につまずいた教員らが子供の言動に原因があるとみて障害などのレッテルを貼ろうとする風潮があるのではないか』『小学校では1人の担任が基本的にすべての授業と学級経営を行うため、教室の密室化を招きやすく、担任の児童に与える影響が大きくなると指摘。高学年での教科担任制の導入促進や、中低学年での交換授業などの検討も求めた』の2点です。まず最初の記述ですが、「授業や学級経営につまずいた教員」は、子...少し違う

  • あなたが変わればいい?

    「あなたが変わればいい」1月20日『博多の女性殺害事件ストーカー対策再検討を』というタイトルの社説が掲載されました。『なぜ、最悪の結果を防げなかったのか。事件の全容解明と合わせ、警察の対応の検証が欠かせない』と主張する内容です。その中に気になる記述がありました。『警察は女性に避難や転職を勧めていたが、被害者が不利益を被るのは筋違いである』という記述です。全くその通りです。ストーカー対策の目的は単にストカー被害をなくすことではありません。被害者の人権と生活を守ることが大前提としてあり、その上で被害防止を考えるのです。もし、ストーカーから被害者の身を守ればいいだけならば、簡単です。被害者を刑務所に収容して、独房に入れればよいのです。でもそれを良しとする人はいないでしょう。私はこの記述から、学校におけるいじめ対...あなたが変わればいい?

  • 2つの選択肢

    「同じことを言っている?」1月20日『教員残業月平均92時間10年前と大差なし「過労死ライン」超え』という見出しの記事が掲載されました。『全日本教職員組合は19日、小中高校などに勤める教職員の1カ月当たりの平均残業時間が92時間34分に上ったとする独自調査の結果を発表した』ことに関する記事です。その中に、気になる記述を発見しました。『長時間労働の解消に向けては、教職員の増員(89.7%)▽受け持つ授業を減らす(62.5%)▽少人数学級を広げる(55.8%)-を求める意見が多かった』という記述です。3つの選択肢が挙げられているように見えますが、私には同じ回答だとしか思えませんでした。受け持ち授業減を実現するためには、授業の総時間数が変わらない以上、教員数を増やすしか方法がありません。そして、多くの教育課題が...2つの選択肢

  • 笑顔の価値

    「学校は無力」1月19日『本当の「サクラ咲く」とは』という見出しの特集記事が掲載されました。『中学受験のリアルが描かれた人気漫画「二月の勝者-絶対合格の教室-」』中で話題となった『君達が合格できたのは、父親の「経済力」。そして母親の「狂気」』という言葉について、教育ジャーナリストおおたとしまさ氏とともに読み解く記事です。その中に、とても大切な記述がありました。『(子供の)心の奥底にある本当のモチベーションは、第1志望に受かりたいという気持ちよりも、親の笑顔。受かったら、親がきっと喜んでくれるだろうと思うから頑張れるわけです』というおおた氏の言葉です。私は、教員時代に8回6年生を担任し、何十人もの私立中学受験者とその親(主に母親)を見てきました。ですから、おおた氏の言葉がよく分かります。自分のため、自分の夢...笑顔の価値

  • コスト主義にNO

    「コストが減った?」1月19日東洋大INIAD学部長坂村健氏が、『「迷走」恐れない社会』という表題でコラムを書かれていました。その中で坂村氏は、『日本では一度決めたことを短期間で変更することを嫌う(略)だから時間をかけて検討してからでないと決断できない』と書かれています。そして、それに対置させる形でイーロン・マスク氏のやり方を取り上げています。『スペースXの新型ロケットエンジン開発では、とにかく作っては壊しの連続。それによって小型高性能と量産型を両立した新設計のエンジンが短期間で完成した』『新ロケットも、無謀な挑戦と言われ何度も爆発を繰り返したが、数年で完成させた』と。この事例から導き出されたのは、『紙と電話とファックスの時代には、業務の手戻りのコストが非常に大きかった(略)しかしインターネットが普及し、...コスト主義にNO

  • 水平と垂直

    「水平と垂直」1月18日論点欄は、『「自立」の意味を考える』というタイトルで、東京大准教授熊谷晋一郎氏へのインタビュー記事でした。その中で熊谷氏は、『人間の「自立」とは依存しないことではなく、独占されることなく依存先を多く持つことだ』『自立とは依存先を増やすこと』と語られていました。やや分かりにくいですね。熊谷氏は、『依存先の多さと、一つの依存先への依存度の深さとは反比例の関係にある。依存先が多ければ、依存先から支配されなくなる』という説明もしています。少し見えてきた気がします。私が好きな歌(タイトルは忘れた)の歌詞に、「私は今日まで生きてきました。ときには誰かの力を借りて~」というフレーズがあります。人は誰しも、誰かの力、何らかの助けや補助を受けなければならないときがあります。困難に直面し自力では解決す...水平と垂直

  • 世間の評価

    「聞いたことがない」1月17日『大学の女性登用策多様性こそ創造の源泉だ』というタイトルの社説が掲載されました。『同質性の高い集団からは、斬新な発想や技術は生まれにくい。独創性を育むためには、多様な人材を集めることが必要だ』ということで、高等教育機関の女性教員比率向上を求める内容です。当然の主張ですが、今回この社説を目にして、その主題とは全く関係のないことが浮かんできました。私が教委に勤務するようになってから、部下に女性は3人だけでした。その3人ですが、現在、2人が大学の教授職にあり、もう1人が、NPO法人の副理事長を務めながら大学の講師をしています。皆、高等教育機関=大学の教員をしているというわけです。3/3、100%ですから、なんだかすごい数字です。私は教員としてはあまり有能ではありませんでしたが、上司...世間の評価

  • 堂々と「ええ、知りません」

    「スペシャリストということ」1月12日読者投稿欄に、大学生T氏による『教員になる前に職業体験を』というタイトルの投稿が掲載されました。教員志望のT氏は、『教員は(略)社会を教える立場でありながら社会の厳しさを知らない』『教師とは異なる苦労や大変さは経験してみないとなかなか理解できない』とし、『教員志望者であっても、企業でのインターンなど就職活動に近い経験をしてみたらよいのではないか』と述べられていました。そうすれば、『(インターン)の経験を通じて生徒の就活の相談にも乗りやすくなる』というのです。私はこの投稿を読んで、教職にまつわる問題について考えさせられました。まず、教職とは何か、ということです。教職は専門職であるというのが私の考えです。では、医師志望者は企業でインターンを、という提言を聞いたことはあるで...堂々と「ええ、知りません」

  • 野球好きは社会人野球へ

    「やりがいにもいろいろある」1月12日『教員負担軽減現場の葛藤』という見出しの記事が掲載されました。『(教員の仕事のスリム化)を、当の先生たちはどう受け止めているのか。ある研究グループが調査したところ、先生たちの抱える多様な考え方と、その中で葛藤する姿が見えてきた』という特集記事です。負担軽減のため、中教審答申では『①基本的には学校以外がになうべき業務②学校の業務だが必ずしも教師がになう必要のない業務③教師の業務だが負担軽減が可能な業務』の三つに整理されています。記事では、東京大名誉教授小川正人氏のグループが行った研究結果が紹介されています。教員を対象に、上述①~③について、『「負担である」「どちらでもない」「負担ではない」の3択で尋ねた。また、教員以外の手に委ねたいかについても「任せたい」「どちらでもな...野球好きは社会人野球へ

  • レッテル貼りだと思うけど

    「男は、女は」1月11日『コロナ下の学生たちよ』という見出しの記事が掲載されました。詩人伊藤比呂美氏へのインタビュー記事です。その中で伊藤氏は、若者たちについて語られています。『学生に詩を書かせる授業もしました(略)女の子は、日常から題材を得て書き始める。軽自動車ですうっとコーナーを回るみたいに。一方、男の子は遠くを見たがる。遠くを見据え、高速道路を時速100kmで走るような詩が多い』『男の子として育てられた若者の「アーマー(よろい)」はとても厚い。今の時代、男の子は「防御アーマー」、女の子は「攻撃アーマー」を身につけているように感じます。男の子の防御のためのよろいは分厚く、思いから、脱ぐのが大変』。他にもありますが、長くなるので書きませんが、ほとんどが、「男の子」と「女の子」の対比という形で書かれている...レッテル貼りだと思うけど

  • 何型?

    「アーティスト、それとも」1月11日映像プロデューサー吉川圭三氏が、『商業化はびこる日米の映像』という表題でコラムを書かれていました。その中で吉川氏は、『かつてプロデューサーたちは「楽しめてかつ心に何かが残る映画」を目指していたというが、最近では会議で出席者たちが「数字」をはじき出して話し合っている。それでは心に染み入るものは作れない』と書かれています。これは日米に共通する現象のようで、日本でも『視聴率を重視する傾向が強くなった(略)人気アイドルが出ているだけの安易で企画意図不明のドラマが増えました』とも述べていらっしゃいます。まあ、よく聞く話です。ただ、次の記述には少し考えさせられました。『米国では製作者がビジネスマン化し、日本ではサラリーマン化した、といったところ』という記述です。ビジネスマン化とサラ...何型?

  • ヒトは何をする?

    「人間が行う分野は?」1月9日『デジタル活用いじめ対策』という見出しの特集記事が掲載されました。『「GIGAスクール構想」で小中学生に1人1台ずつ配られたデジタル端末などを活用し、いじめの端緒をつかむ取り組みが広がっている。最大の狙いは、見て見ぬふりをする子どもを減らすこと』の具体例を報じる記事です。記事によると、『いじめをやめようと言う勇気はないけど、匿名ならそうだんできるかもしれない』という児童や、『相談先が学校外にもある意味は大きい』という教員の声が紹介されており、効果を上げているようです。『相談したことがクラスに発覚して新たないじめの標的にされる心理的なリスクを減らせる』ことのメリットは私もよく分かります。ですから、良い試みだと思います。広がってほしいものです。ただ、記事では、その先が書かれていな...ヒトは何をする?

  • 使い捨て

    「キャリア設計は」1月8日『不登校専門教員配置』という見出しの記事が掲載されました。『小池百合子知事は7日、不登校への対応を強化するため、新たに中学校への専門教員や小中学校の別室で学習指導をする支援員を配置することを明らかにした』ことを報じる記事です。記事によると、『専門教員を中学20校』に配置ということですが、気になるのは専門教員の教員人生です。教員の仕事は職人芸、これは拙著「教師誕生」の帯の言葉ですが、教員は大学の教職課程で学んだことよりも、実際に多様な子供と向き合い、失敗と成功を繰り返していく中で、体に染み込ませた感覚や技術を武器に日々の職務に当たるものだという意味です。この考えは、今も変わりません。以前このブログで、中学校夜間学級に赴任した新人教員のことを書きました。中学校夜間学級、いわゆる夜間中...使い捨て

  • 空っぽ

    「がらんどう」1月8日人生相談欄に、43歳女性が、『オンとオフ切り替えたい』という相談を投稿していました。彼女は、『帰宅しても仕事のことや会社の人間関係のことが頭から離れず、リフレッシュできないことがあります。夢にも出てきます(略)仕事のことをスパッと忘れる方法はありますか』と尋ねていました。作家高橋源一路氏の回答が素晴らしいのです。高橋氏は、『(仕事や人間関係を忘れていることができる人たちは)オンとオフを切り替えているからではありません。社会生活のオンから「私」のオンへと切り替えているのです。スイッチをオフにしても、「私」に何も準備なければ、その空っぽな隙間に「社会」や「仕事」が入り込んできます』と答えていらっしゃいました。なるほど、と思いました。近年、教員の多忙化が言われ、精神を患う教員も増え続けてい...空っぽ

  • 反撃権保有

    「反撃権保有」1月8日『6歳男児教師撃つ』という見出しの記事が掲載されました。『米南部バージニア州ニューポートニューズの小学校で6日、6歳の男子児童が教室内で30代の女性教師を拳銃で撃ち、警察に拘束された』ことを報じる記事です。記事によると、『事件前に教師と児童の間で「争い」があった』そうで、偶発的事件ではなく児童が故意に撃ったようです。6歳の子供では、30代の大人に体力的に対抗できません。そこで銃をもち出すことで、対抗できるもしくは優位に立てるように計画したということでしょう。この記事を読み、とんでもないことを考えてみました。もし、すべての児童が拳銃をもって登校するとしたら、教員による体罰や暴言は劇的に減ると思われます。ビンタをしたらバンッと撃たれ、バカ野郎と怒鳴ったらバンッでお陀仏、ということになれば...反撃権保有

  • 介入?

    「押し付け?」1月7日『「脱・結婚強要」願い、迷い多様性の時代行政、試行錯誤』という見出しの記事が掲載されました。『「結婚等に対する強迫観念を排除していきます」(略)少子化対策として2代前の市長が始めた結婚支援事業の廃止』を打ち出した安芸高田市長石丸伸二氏へのインタビューに始まる記事です。その中で石丸氏は、『結婚というプライベートに行政が介入すべきではない。結婚が正しいとの価値観の押し付けになる』と語られています。なんだかモヤモヤしてしまいました。私も特定の価値観を行政や政治が押し付ける行為には反対です。たとえ、行政が押し付ける意図はなかったとしても、結果として押し付けることになるのであれば反対です。ただ、今回のケースが押し付けに該当するとすると、行政ができることが非常に限られてくるように思うのです。例え...介入?

  • 温かみに欠ける私

    「たしかに」1月4日『「分かり合えぬ」が開く希望』という見出しの特集記事が掲載されました。情報学者ドミニク・チェン氏へのインタビュー記事です。チェン氏は、『私たちを幸福感に包む「共話」によるコミュニケーションの可能性』について語られています。共話というのは耳慣れない言葉です。チェン氏は、共話につて次のように説明なさっています。『「ねえ、今日の天気さあ」「うん、気持ちいいよね」冬晴れの日、誰かと空を見上げる。こんな会話ができたら、自然と気持ちがよくなる』『話し手と聞き手の区別もなく、何となく会話が成立するやりとり』『あらぬ方向に話題が脱線することもあるので、議論にも向きません』『会話の成立を担任に委ねている』『ぬるま湯的な安心感がある。動物のグルーミングに似ているかもしれません』などと。何となくお分かりいた...温かみに欠ける私

  • 初恋の相手

    「そうかもしれない」1月4日作家あさのあつこ氏による連載企画『迷い道』が始まりました。とても楽しみです。その初回は、『遠回りの人生だってある』という表題のコラムでした。その中に、気になる記述がありました。『幼いころは感受性の強い子供でした。大人に、「おまえのことは分かっている」と言われるのがたまらなく嫌でした。「未熟な子どもを成熟した大人が導いてやるんだ」というにおいがするんです。「分かる」というのは、裏を返せば支配できるということです』という記述です。軽い衝撃を受けました。一般的に、教員にとって必要な能力として、子供理解、つまり子供のことが「分かる」が挙げられます。私もこのブログで、子供のことが「分かる」ことはあり得ないし、「分かった」と思い込むことは傲慢だが、「分かろう」と努力し続ける姿勢は持ち続けな...初恋の相手

  • 早口に名人なし

    「理解は別では」1月4日ナレーター近藤サト氏が、『視聴速度、多様な時代に』という表題でコラムを書かれていました。その中で近藤氏は、コロナ禍で始まったオンデマンド授業に触れ、『当初、学生たちが1.5倍速で受講していると聞いた時は何だかばかにされているような気もして、正直良い気はしませんでした(略)でもよく考えてみれば、言葉を聞く最良のスピードは個人の好みであって正解はありません。実は学生は、今まで我々の話すスピードに耳を合わせていただけなのでは?とふと思い直したのです』と書かれています。つまり、タイムパフォーマンスを重視する若者が、近藤氏の講義を1.5倍速で聞き時間短縮を図っている行為を、人それぞれの好みと認めているのです。そして、NHKニュースは1分間に300文字であるのに対し、ご自身が担当している民法バ...早口に名人なし

  • あるときは厳しさも

    「解釈は」1月4日『名門再輝中央2位食らいついた』という見出しの記事が掲載されました。『名門が新しい時代を紡いでいる(略)最多14回の総合優勝を誇る中央大が、箱根路での輝きを取り戻した』と、箱根駅伝で総合2位を獲得した中央大学について報じる記事です。昨年度まで8年間シード権さえ取れない低迷状態が続いた中央大を立て直したのが藤原監督です。その藤原氏について、記事の中に次のような記述がありました。『16年4月にOBの藤原監督が再建を託されて就任(略)最初は「鬼のように怒っていた」と生活から厳しく指導して立て直しを図った藤原監督。学生たちの自律と成長を見てとれるようになると、寄り添う指導へと変わった』。今、管理型の指導、厳しい指導、細かいことにまで口出しする指導などは、時代遅れの間違った指導とされています。望ま...あるときは厳しさも

  • 私が私が

    「私が私が」1月3日余禄欄では、『昨年11月のワシントン条約締結国会議で商業取引の全面禁止が議題となった』ことを取り上げていました。その中で、作曲家シューマンの著書の言葉が引用されていました。『みんなが(メロディー担当の)第1ヴァイオリンをひきたがったら、オーケストラはまとまらない』という言葉です。確かに第1ヴァイオリンは目立ちますし、誰もがその地位をつかみたいと考えるのかもしれません。しかし、それ以外の楽器を担当し、そのポジションで黙々と努力し、そこでの最善を尽くそうという多くの人がいてこそ、演奏は成り立つわけです。今回の引用は、会議で、各国がエゴを押し付け合う状況を諷したものですが、私には、別の連想が働きました。それは、社会のあり方についてです。私たちの社会や企業などの所属している組織においても、第1...私が私が

  • 男子校女子校が差別でないなら

    番外「女子校男子校…」WSJWSJ日本版12月号に、『LGBT向け高齢者住宅登場』という見出しの記事が掲載されました。『パームスプリングスにある総戸数24戸の介護付き集合住宅、ストーンウォール・ガーデンズ(略)、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々とその友人の要求に応えた施設』を取り上げた記事です。記事によると、『LGBTの高齢者の82%が高齢になるにつれて、必要な社会的支援を受けられていないように感じている。52%が人との関りがないなどと回答し、社会的に孤立している』であり、『一般的な高齢者施設に入居したが、LGBTが歓迎されていなかったりスタッフが対応を教育されていなかったりして、再び性の自認を隠したり大切な人の写真を隠したりしなければならない人がいる』のだそうです。だからこそ...男子校女子校が差別でないなら

  • いいとこどり

    「いいとこどり」1月1日特別企画『若手起業家に聞く日本再生のカギ』は、3人の若手起業家へのインタビュー記事でした。その中の1人、LabBase代表加藤倫明氏の話の中に気になることがありました。ちなみにLabBaseとは、『理系人材に特化した就職・転職支援を実施』している会社のようです。加藤氏は、『ジョブ型採用の浸透』を訴えています。そして『必要なくなれば「クビ」という欧米型への移行ではなく、それぞれの技術、研究分野に合う就職という意味でのジョブ型を浸透させたい』と語られているのです。良い考えだと思います。しかし、実現可能なのでしょうか。我が国の主流であるメンバーシップ型採用にも利点があります。だからこそ、今まで続いてきているのです。その良さの最たるものは、雇用の安定、労働者の立場からすれば雇用の安心感とい...いいとこどり

  • 後退でしょう

    「悪いこと?」12月28日『「3年で地域移行」緩和』という見出しの記事が掲載されました。『公立中学校で部活動の指導を地域へ委ねる「地域移行」を巡り、スポーツ庁と文化庁は27日、2023年度からの3年間で集中的に移行を進めるとした方針を改め、期間何の達成にこだわらないと明記した部活ガイドラインを公表した』ことに関する記事です。要するに当分の間、学校主体の部活が併存してもよいということです。私はこの記事を見て、まず「緩和」という言葉が気になりました。私の言語感覚で言えば、「緩和」とは何か良くないこと、よくない状態をそれ以上進行する、深刻化するのを遅らせるというイメージで使われる言葉です。例えば、「緩和ケア」というのは激しい痛み、その痛みに苦しんでいる状態を和らげ、深刻化する痛みを軽減するということです。その「...後退でしょう

  • ひねくれ者の悪い癖

    「逆に見えてしまう」12月27日『外から日本見る目持って』という見出しの記事が掲載されました。海外で長年暮らしたバイオリニスト黒沼ユリ子氏へのインタビュー記事です。その中で黒沼氏は、早稲田大名誉教授木村利人氏の若い頃のエピソードを話されています。『学生時代、フィリピンにボランティアで行ったら、住民から無視され、他の国の学生と同じ寝室から彼のベッドだけ外に出されてショックを受け、やっと戦時中の日本が何をしたかが分かったんですって。父も母も日本人の刀で首を切られた人がいたわけですから』と。そして、『戦争の記憶ではなくても、一度でも外から日本を見るのが大事』と話を展開なさっているのです。なるほど、と多くの人が感じるかもしれません。しかし、私はへそ曲がりなのか、全く逆の感想をもってしまったのです。木村氏は88歳だ...ひねくれ者の悪い癖

  • 加害者を守るのか、という批判

    「言い難い」12月24日『絶えぬ暴力許すな』という見出しの記事が掲載されました。スポーツ現場における児童生徒への暴力行為について取材を続けてきたジャーナリスト島沢優子氏に取材した記事です。その中にとても印象に残った記述がありました。『キャリアを積んだ指導者の人生を守るためにも、パワハラ根絶と新しい指導スタイルの構築に力を注ぐべき』という島沢氏の言葉です。全くその通りなのです。私は教委勤務時に、運動系部活や体育の授業における体罰の事後処理に携わってきました。記事の中で、島沢氏が指摘するように『指導者は暴力を振るっている、許されないことをしている自覚がない。奮起させるため、本人のためによかれと思ってやっている』と感じることが多々ありました。そのとき、一番有効な指導は、「体罰は、あなた(指導者・教員)の人生をが...加害者を守るのか、という批判

  • それは異常者

    「間違っている」12月23日『大阪市教員798人体罰処分』という見出しの記事が掲載されました。『大阪市立学校で体罰を理由に処分された教員が2013~20年度の8年間で延べ798人(略)全国の自治体で最も多い』ことについて報じる記事です。記事の中に気になる記述がありました。『(桜宮高体罰)事件後、大阪市では体罰や暴力行為への処分基準を改め、子どもに非がない場合は必ず懲戒処分を科すなど厳罰化した』という記述です。大変問題の多い基準です。「子どもに非がない場合~」ということは、非がある場合は~ではないという意味でもあります。一般的に体罰が行われるとき、ほぼ100%子供に非があります。それはそうでしょう。子供が何もしていないのにいきなり殴ったり蹴ったりするという教員がいたら、それは何らか精神に異常をきたしていると...それは異常者

  • 1人なら、でも8人では

    「1人なら、でも8人では」12月22日『受容的・肯定的な関わり大切』という見出しの記事が掲載されました。『安全な場所であるはずの保育施設で、子どもへの暴行や暴言が相次いで明らかになった』ことを受け、『保育事情に詳しい玉川大学の大豆生田啓友教授』にインタビューを行った記事です。記事の中で大豆生田氏は、『子ども一人一人を受容的、肯定的に育てる』ことの大切さを説き、次のように具体例を示されています。『「給食を食べたくない」と子どもが言ったら、まずは食べたくない気持ちを受け止める。その上で、「こんなふうにしたら食べやすいのでは」「ここまで頑張ろう」と、子どもが自分から切り替えて、やってみようとするように働きかけることです』と。大豆生田氏のおっしゃっていることに異論はありません。そして、受容的・肯定的な関わり方は小...1人なら、でも8人では

  • マイファミリー

    「家族です」12月21日『愛犬との旅身近に快適に』という見出しの記事が掲載されました。『愛犬と泊まれる旅館やホテルが急増中』という状況について、記者が実際の体験を交えてリポートする記事です。記事によると、『住環境の変化で外飼いから室内飼いが主流となったことで、犬は単なるペットから親密な家族へと意識が変わっていった』そうで、『犬を連れて旅をしたいという人が急増』しているということです。『ペットのために1泊数万円を出す人も珍しくなく~』というのですから驚いてしまいます。さらに、『リードにつなげば愛犬を食堂にも同伴できる』『専用バスタブを用意し、貸切風呂で犬と温泉を楽しめる』『(犬と)同じ布団で寝られる』『ブランド食材を使った犬専用の食事メニューを提供』などと聞くと、犬嫌いな私には理解の範疇を超えてしまいます。...マイファミリー

  • 机上の空論

    「何が削られた?」12月21日『発達障害と学校包摂に向けた支援が急務』というタイトルの社説が掲載されました。『通常学級に在籍する子どもの8.8%に発達障害の可能性があることが分かった』ことを受け、『こうした子どもたちが学校から十分な支援を受けられていない』ことを問題視し、対応を促す内容です。その中に気になる記述がありました。『支援が行き届かない背景には、特別支援教育の知識や技能を持った専門教員の不足がある。文科省は、大学の教職課程で特別支援教育の科目を必修化するなどの対策に乗り出しているが、時間がかかる』という記述です。まず、「大学の教職課程における特別支援教育の科目の必修化」についてです。どの程度の時間を割いているのでしょうか。一単位程度では、単に学ばせているというアリバイ作りにしかなりません。実際には...机上の空論

  • ミニトランプ

    「先生と同じ」12月20日専門記者大治朋子氏が、『ヘイトへの「お墨付き」』という表題でコラムを書かれていました。その中で大治氏は、米前大統領トランプ氏に関係するある研究結果を紹介しています。それは、『人種差別的な言葉を公言する人物が大統領になりそうだと知ると、心の中に隠す偏見を公然と示すことへの抵抗感が薄れる、と分析した。つまり政治家などが公然と差別や偏見を口にすると、「お墨付き」を得たように感じられ、自制しにくくなる』というものです。ここから話は、ヘイト発言を繰り返す杉田水脈政務官をかばい続ける岸田首相批判へと向かうのですが、ここではこれ以上触れません。私は、この「お墨付き」問題は、学校において教員と子供たちという図式の中でも同様に作用するということを指摘しておきたいと思います。子供は残酷と言われます。...ミニトランプ

  • それはOK?

    「それはOK」12月20日『具体例示しいじめ通報促進へ』という見出しの記事が掲載されました。『文部科学省のいじめ防止対策協議会が19日開かれ、重大な事案に関する学校と警察の連携を強めるために、犯罪行為として相談、通報すべき具体例を示した資料を作成して学校に周知する方針を確認した』ことを報じる記事です。具体例として、『①同級生を繰り返し殴ったり蹴ったりするのは暴行罪②度胸試しと称して無理矢理危険な行為をさせるのは強要罪-といった説明を想定。インターネット上のいじめの増加を受け、実名を挙げた悪口書き込みは名誉棄損罪や侮辱罪』があげられていました。私は、学校と警察の連携には賛成の立場です。いじめだけでなく、虐待や問題行動などもっと多くの分野で連携を強めるべきだと考えています。一部の教員には、教育の場である学校に...それはOK?

  • 男の子のことはどうでも

    「男女は別?」12月19日『男性養護教諭へ多様性期待』という見出しの記事が掲載されました。『保健室で手当てをしてくれる先生は女性-。多くの人がこうしたイメージを持つ中で、養護教諭として現場で活躍する“少数派”の男性たちがいる』ということで、男性養護教員に焦点を当てた記事です。記事の中に気になる記述がありました。『調査した結果、約9割が「子どもから男性であることにポジティブなことを言われた」と回答した。「性の悩みを打ち明けやすかった」との言葉をかけられたケースがあった。デメリットを感じたことがあるのは約4割。健康診断に関する内容が最も多く、女性職員の同席などで対応した』という記述です。今回の調査は、「男性」という属性に関する調査です。こうした調査の結果を正しく分析するためには、もう一つの属性である「女性」に...男の子のことはどうでも

  • こちらも憲法

    「憲法はどこに」12月19日『児相、線引きに苦慮信仰の範囲内か虐待か』という見出しの記事が掲載されました。『宗教を背景にした虐待への対応について尋ねた毎日新聞のアンケート調査では、多くの児童相談所が憲法で保障された「信教の自由」とのバランスに苦慮する実情を訴えた』ことに関する記事です。記事の中に、『国が対策に本腰を入れることはなく、児童相談所や学校、医療機関など現場任せになってきた』という記述がありました。全くその通りだと思います。具体的な虐待例として、『「家族内で教育します」。東日本のある県では、父親が宗教の教義に基づき、義務教育中の子どもを通学させなかった』があげられていました。また、『オウム真理教の施設が強制捜査(略)子供たちは学校に通わず、電極のついたヘッドギアをかぶって~』という例も紹介されてい...こちらも憲法

  • 我が業界への影響は

    「学校に影響は?」12月18日『マイナンバーカード』という見出しの記事が掲載されました。『そもそも何ができるカードなのでしょうか』ということで、Q&A形式で説明する記事です。記事を読んでいて、ほとんど知っていることばかりだったのですが、そうなると今度は新たな疑問が浮かんできました。学校では、マイナンバーカードはどのように活用されるのか、ということです。将来的には、医療・健康関係の個人情報がそこに集約されることになります。そうなると、学校で行われている健康診断の結果等もマイナンバーカードで管理されることになるのでしょうか。そうであれば、学校は子供のマイナンバーを把握することになることが考えられます。情報管理について、大きな責任を負うことになります。移動教室等では、子供に保険証を持参させるのが一般的です。保険...我が業界への影響は

  • 金集め能力

    「自前で」12月18日『ふるさと納税活用渋谷区がNPO支援』という見出しの記事が掲載されました。『さまざまな社会的課題の解決に取り組むNPO法人を支援するため、渋谷区が今月31日まで、ふるさと納税を活用した寄付事業への協力を呼びかけている』ことについて報じる記事です。記事には『行政の手が届かない分野をカバー』する狙いだとあり、『納税者が支援したい団体をを指定する』とありました。確かに一つのアイデアだと思います。でも私はこの記事を読み、これが学校教育に当てはめられたらどうだろう、と考えてしまいました。ある自治体が、ふるさと納税を活用し、自治体内の公立学校に対する支援を呼びかけるという仕組みを制度化したとしたら、どうでしょうか。各学校は、自校の教育活動の様子をHPにアップし、寄付を利用して充実させたい事項をP...金集め能力

  • リベンジ=復讐、非教育的?

    「誰にとって?どんなことが?」12月18日心療内科医海原純子氏が、『W杯の記憶』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、「ドーハの悲劇」を取り上げ、『長い間ひきずっていいるつらい記憶は幸せな記憶で上書きすることが一番の解決策なのだ』と書かれています。『1993年にドーハで行われたW杯のアジア地区最終予選、日本は初めてのW杯出場がかかった試合で後半ロスタイムの間に失点して初出場を逃した』無念さが、『今回ドイツやスペインに勝利したことで、30年前の記憶が上書きされた』という趣旨です。教員は、ふとしたきっかけで、子供が様々な「つらい記憶」を抱えていることを知ってしまうことがあります。そして、そうした記憶が今現在も子供を縛り、傷つけ、負の影響を及ぼし続けていることを感じるのです。当然、何とかして子...リベンジ=復讐、非教育的?

  • ただいま計画中?

    「どうする?」12月17日『安保戦略の閣議決定国民的議論なき大転換だ』というタイトルの社説が掲載されました。今回の閣議決定は、『専守防衛の原則に基づく、戦後日本の安全保障政策の大転換である』という認識の下、『こうした歴史的な転換は、もともと、自民党の故安倍晋三元首相らが要求してきたものだ。岸田首相は国民的な議論を欠いたまま、年末に駆け込みでその路線を追認した形だ』『国会での論戦を避けるふるまいは、国民軽視というほかはない』と問題点を指摘しています。新安保戦略に対する賛否はともかく、国民的な議論が不足しているという指摘には多くの人が同意すると思われます。この問題は、学校教育の中で、どのように取り扱われるのでしょうか。とても気になります。近年、学校教育において、主権者教育の重要性が叫ばれるようになっています。...ただいま計画中?

  • 公認済みの虐待

    「公認虐待」12月14日『特養入所80人の裸撮影』という見出しの記事が掲載されました。特別養護老人ホームで、『職員が入所者80人全員の裸や下着姿の写真を撮影する虐待行為があった』ことを報じる記事です。記事によると、『指示役も含めて職員32人が関わっていたことが判明(略)施設の担当者は「入所者の骨折に気付かなかったケースがあり、介護日誌に記録するためのボディーチェックとともに確認にために撮影した」と話し、性的な意図は否定した』ということです。私は記事を読んで、39年前のことを思い出しました。当時勤務していた学校の養護教員は、とても熱心な勉強家で、新しく学んだことを子供の健康管理に積極的に生かそうとする人でした。彼女は、当時問題になり始めていた子供の姿勢の悪さ、それが及ぼす背骨の湾曲について問題意識をもち、新...公認済みの虐待

  • 防衛費増強

    「防衛費増強」12月13日『一緒に学べる教室へ障害児分離に中止勧告』という見出しの記事が掲載されました。『国連の障害者権利委員会は9月、日本の特別支援教育を「分離教育」だと指摘し、中止を勧告した』ことを受け、『インクルーシブ教育を約30年間研究してきた東洋大客員研究員の一木玲子』氏にインタビューした記事です。記事の中で一木氏は、『障害のあるなしに関わらず、一人一人の個別ニーズが満たされ、すべての子どもが安心して学べるように、普通学級をインクルーシブな場に変えていくことが必要』『(インクルーシブ教育)は、学校から排除されがちなヤングケアラー、海外ルーツや貧困家庭の子、不登校などあらゆる子どものためになるはず』『分離教育の先には分断された社会がある。「障害を理由に分けていい」というメッセージを子どもに伝えてし...防衛費増強

  • スマホ不感症

    「スマホで不感症」12月13日『問題行動多い生徒は反社』という見出しの記事が掲載されました。『相模原市教育委員会は12日、市立大野南中学校の2年生の学年主任が来年度の学級編成に当たり、生活態度などに応じて「無印良品」「反社会」といった不適切な表現で生徒を分類する資料を作っていたと明らかにした』ことを報じる記事です。記事によると、『資料は教員の間で共有(略)資料を教卓に置き忘れ、生徒が見つけて発覚した』ということです。人権感覚のなさ、情報管理意識の低さなど、弁解の余地はありませんし、呆れるしかありません。それとは別に、これはとても現代的な事件だと思います。これから私が書くことは、とんでもないことだとお叱りを受けると思いますが、それを覚悟の上で書くことにします。教員同士の会話で、教え子を「あのバカ」「女ボス」...スマホ不感症

  • 感情的な対立に慣れさせる

    「学校がすべきこと」12月11日総合研究大学院大学長長谷川眞理子氏が、『議論を避ける日本人』という表題でコラムを書かれていました。その中で長谷川氏は、『このごろの日本社会を見ていて気になることの一つは、人々が議論を避ける傾向にある、ということだ。まじめに議論するという文化の衰退とでも言おうか』と問題的されています。そして、『「議論」ということは、誰かのやり方に「難癖をつける」ことと同じだと思われるようになったのではないか。そして、それは、和を乱す、避けるべきこととなったのである』とその背景を分析し、『議論の技法は、黙っていても誰にでも身に付くものではない(略)教育と経験によって学習していかねばならないのである』と述べられているのです。全く同感です。しかし、次の記述には少し首を傾げてしまいました。『最近は、...感情的な対立に慣れさせる

  • 4日制の前に

    番外「日本も」WSJWSJ11月号に、『米、学校週4日制の導入加速教員不足で』という見出しの記事が掲載されました。『米国では、教員不足に直面し人材の確保や引き留めのために学校で週4日制を取り入れる学区が増えている』ことを報じる記事です。記事によると、『子どもの在宅で負担が増える一部の両親から反対の声が上がっているほか、テストの点数の低下を示す証拠も指摘されている』とのことですが、今後も導入される学区は増えそうだということでした。我が国は大丈夫なのでしょうか。現在の制度下では、学校週4日制は認められていません。学習指導要領には、各教科等の年間授業時数の下限が決められており、週4日制ではその条件を満たすことはできません。しかしその一方で、教員不足は深刻化し、定数割れでその穴を埋める非常勤職員も集まらないという...4日制の前に

  • できないのか、しないのか

    「自分も」12月9日『敏感中年の「ダシ」生かす』という見出しの記事が掲載されました。お笑いタレントふかわりょう氏へのインタビュー記事です。ふかわ氏が語る言葉の中に、気になるものがありました。『「昔、英語でキャン・ユー・スピーク・イングリッシュ?って例文がありましたよね」と急に英語の話題を持ち出した。「あれ、今はドゥー・ユー・スピーク・イングリッシュ?に変わっているらしいですよ。『できるか』『できないか』ではなくて『しゃべるか』『しゃべらないか』ってことですよね。結婚も同じ」』という話です。48歳独身ということで、結婚についての質問への回答です。「○○できるか」という問いには、○○は価値あるものという前提があります。「英語できるか」という問いには、英語ができることは善、という意識があり、「結婚できるか」には...できないのか、しないのか

  • 本質

    「本質」12月8日田原和宏氏が、『エンジョイしたか』という表題でコラムを書かれていました。その中で田原氏は、『「エンジョイしたか」。ラグビーの2019年W杯日本大会の組織委員会事務総長特別補佐を務めた徳増浩司さんはコーチングを学んだウェールズ留学時代、仲間から何度も言われた。負けた試合後も、苦しい練習中も。「負けて楽しいはずがない」。最初は不思議に思ったが、次第に彼らの言うエンジョイとは力を出し切る充実感のことだと気づいた』というエピソードを紹介しています。そして、『何を喜びと捉えるかでエンジョイできたかどうか、回答は変わるのだ。勝つことだけが喜びなら答えはノーだが、相手と競うことや力を尽くすことに価値を見いだせばイエスになる』と続けています。私はこのブログで、学ぶ喜びということを語ってきました。それはま...本質

  • 宝の持ち腐れ

    「AIで」12月8日『子供事故予防にAI用い分析へ』という見出しの記事が掲載されました。都が『子供政策連携室が福祉保健局や教育委員会、東京消防庁などから乳幼児から学齢期前後の子供の死亡事故の情報を一元的に集め、AIなどを用いて行動特性を分析。成長は発達段階に応じた予防策をまとめて普及啓発』する取り組みを始めることを報じる記事です。私はこの記事を読み、いじめ対策に活用できないかと考えました。全国には、いじめ自殺事件について、第三者委員会等が調査した記録が数多くあるはずです。それらを文科省に集積し、AIで分析して、自殺を阻止する方策をまとめるということです。各地の第三者委員会等の報告書を、被害者の周囲への発信、担任や顧問といった直接の担当教員の対応、学校組織としての対応、保護者の動き、加害者間の人間関係、加害...宝の持ち腐れ

  • 眉唾

    「それならご自分で」12月7日『特殊詐欺気付いたら加担』という見出しの記事が掲載されました。『特殊詐欺に加担し検挙される若者が後を絶たない。「楽に稼げるバイト」を始めたある男性も、10日とたたないうちに逮捕された。どこにでもいるような若者が、犯罪に手を染めるまでの一部始終を語った』記事です。記事を読むと、『「稼ぎたい人は連絡をください」と呼びかける投稿が目に留まった(略)「楽に稼げるなら」と、メッセージを送った(略)音声通話のみでの面接にも抵抗は覚えなかった(略)連絡には、データが暗号化される秘匿性の高いアプリを使うよう指定された(略)要求された通り、自分のマイナンバーカードや住所の分かる郵便物、保険証の写真を送信していた』と、「これは詐欺ですよ」という兆候の連続なのですが、この青年は踏みとどまることがで...眉唾

  • 上が強いと…

    「上が強いと」12月7日『公正性に疑問の声』という見出しの記事が掲載されました。『都内の中学3年生を対象に実施された英語スピーキングテストを巡り、テストの都立高入試への活用に反対する都議会議員連盟などが5日、試験状況について調べたアンケートで「イヤーマフ越しに他の受験者の解答音声が聞こえた」という声が166件寄せられたことを、記者会見で明らかにした』ことを報じる記事です。記事によると、「イヤーマフ~」以外にも、『前半組が受験中に解答している音声が別の教室にいる後半組に聞こえた』『会場が隣り合っていることから「丸聞こえだった」』などの回答があったそうです。こうした状況を受け、『調査に携わった大津由紀雄・慶応大名誉教授は「公平性・公正性の観点から見過ごせない」と述べ、入試への点数加算を止めるよう求めていく』の...上が強いと…

  • 明日は我が身

    「抑止効果あり?」12月5日『園児虐待3保育士逮捕』という見出しの記事が掲載されました。『「さくら保育園」で、1歳児クラスの園児の足をつかんで宙づりにしたなどとして、県警裾野署は4日、この保育園で働いていた(略)3容疑者を暴行の疑いで逮捕した』ことを報じる記事です。記事によると、『同署は12月4日午前、同保育園など4カ所を家宅捜索した』『同署は3人から事情を聴くとともに、同保育園の職員から証言を集め、、悪質性が高いとみて逮捕に踏み切った』ということです。また、『市は同保育園の行為(保育士らに「業務中に知り得た情報」などを漏えいしないことを求める「誓約書」を提出させていた)について、犯人隠避の疑いがあるとして園長を5日に刑事告発する』とも書かれていました。逮捕も刑事告発も、異例のことです。私は教委勤務時に、...明日は我が身

  • キラキラOKで…

    「理解不能」12月3日読者投稿欄に、25歳接客業の匿名女性からの『自信の源』というタイトルの投稿が掲載されていました。その中で彼女は、『女性のお客様のときはつい見てしまう。くるんと上がったまつ毛や、キラキラしたパーツが施されたかわいらしいネイルを。私の会社は頭髪や爪、化粧についてかなり厳しい(略)本当はもっと私自身もキラキラして、勤務時間も自分に自信を持ちたい(略)「女はキラキラしているほうがパフォーマンスがよくなるんだぞ!」と胸の内はいつもザワついている』と書かれているのです。正直なところ、なんだこれはととても驚きました。全く理解できない感覚だったからです。自分でも冴えない格好をしているときは、何となく自信がもてないという心情は理解できます。私もそうです。しかし、職場の「制服」的な服装についてそう感じた...キラキラOKで…

  • 嫌なもの、なの?

    「納得する?」12月3日『実態に合った性教育をNPO相手を尊重するため』という見出しの記事が掲載されました。『性教育の普及などに取り組むNPOなどが11月30日、性教育の国際標準となっている「包括的性教育」の推進や、義務教育で性交や避妊を学びやすくするための学習指導要領の見直しを求める約4万3000筆の署名を文部科学省に提出した』ことを報じる記事です。記事の中に、NPO法人ピルコンの理事長の言葉が掲載されていました。『そもそも中高生は性交をしないという前提で文科省は歯止め規定を設けているのではないか。でも実態は違う。性交の興味あるなしにかかわらず、きちんと学んで自分の身を守る、相手の体を尊重する環境を作ってほしい』です。疑問です。前段については異論はありません。問題は、後段です。まず、「実態は違う」という...嫌なもの、なの?

  • 私語OK、で済む?

    「できるかな」11月30日『話ながら学校給食OK文科省感染対策条件に』という見出しの記事が掲載されました。『文部科学省は29日、新型コロナウイルスの適切な感染対策を取れば、学校の給食時間に会話することは可能とする通知を全国の教育委員会などに出した』ことに関する記事です。記事によると、『座席が対面にならないように配置を工夫したり、換気を確保したり~』と対策を例示しているようですが、肝心なことが抜け落ちています。それは、指導に当たる教員の指導力についての考察です。令和2,3,4年度に採用された教員は、黙食による給食しか経験していません。級友と適切に会話をしながら会食を楽しむ、という形での給食指導はしたことがないのです。今回の緩和措置により、黙食を止めたとして、子供たちにどのように指導すれば、楽しい会食が実現す...私語OK、で済む?

  • 私は悪くありません

    「学校で指導できなくなる」11月29日ドキュメンタリー映画作家坂上香氏による連載企画『回復/修復に向かう表現』は、『自己責任大人が強要』というタイトルで、「少年院映像表現コンクール」を取り上げていました。坂上氏は、米国の刑務所を訪問し、そこでの経験を基に、刑務所というシステム自体が問題であるという主張について触れられている方です。今回の企画記事で印象に残った記述があります。我が国の少年院で作られる映像作品とカナダの女性刑務所を舞台にしたドキュメント映画を対置した記述です。まず、カナダの女性刑務所のドキュメント映画について、『女性受刑者10人ほどに問いかける場面がある。「投獄されないために、何が必要だったと思う」(略)注目すべきは、個人の責任に焦点を当てた「(あなたが)何をしなければ(すれば)投獄されなかっ...私は悪くありません

  • 逆方向

    「英語と国語」11月29日読者投稿欄に、東京都N氏の『英語教育、会話に偏りすぎでは』というタイトルの投稿が掲載されました。その中でN氏は、『近年の英語教育はコミュニケーションツールとしての英会話学習に偏り過ぎている』と疑問を呈し、『会話やヒアリングが苦手でも、英文を読むことが好きな中高生は少なからずいるはずだ(略)原書で英文学や英字新聞を読む楽しさを伝えてほしい』と述べられていました。N氏の提言を読み、ごく素朴な疑問が浮かんできました。それは国語教育と英語教育の方向性の違いです。この両者は、どちらも言語学習という共通点がありながら、近年の教育改革における方向性が一致していないという点です。高校の現代国語の学習指導要領改訂では、小説などの教養的な部分の比重が軽くなり、契約書などの実用文が重く扱われるようにな...逆方向

  • 尊敬できる先生の謎

    「活かせるところは」11月28日『中学受験、公立進学長期では差なく』という見出しの記事が掲載されました。『厳しい試験を勝ち抜いて進学するか、地元の公立校に進むかで、勉強ややる気に違いは出るのか』という問題意識の下、教育社会学者森いづみ氏が行った調査結果について、森氏にインタビューした記事です。その中に気になる記述がありました。『「授業が好きか」「尊敬できる先生がいるか」といった問いに対し、私立進学によって肯定的な解答を寄せるようになった子どもが多い傾向にありました。「自分の学校が好きだ」という生徒も中1で私立が公立を上回っており、高いままで3年間を過ごす傾向にあります』という記述です。これが、私立中進学者と公立中進学者との間で最も顕著に差が出た調査項目だというのです。森氏は、この結果についての考察を話され...尊敬できる先生の謎

  • 最近は聞かないが

    「最近聞かないが」11月26日『英看護師ストへ』という見出しの記事が掲載されました。その中に、『ストを行う業界は多岐にわたる。英北部スコットランドでは24日、教員によるストが拡大し、多くの小学校が休校になった』という記述がありました。なんだかとても懐かしいという気がしました。私が教員時代にも、教委に勤務するようになってからも職員団体によるストがありました。私は、職員団体に属してはいなかったので参加したことはありませんでしたが、ストについては様々な思い出があります。20代の頃、ストの当日、時限ストが終わって日常が戻ったとき、熱心な活動家であったM教員が職員室にいた私に向かって、「○○(私のこと)さんも、僕たちと一緒に戦わなければだめだよ」と強い口調で言ってきたのです。非加入者は私一人、私は共同歩調を乱す人間...最近は聞かないが

  • それは昔の話、であってほしい

    「授業の効果」11月25日『意見どう聞く?悩む大人こども家庭庁準備室が試行錯誤』という見出しの記事が掲載されました。『こども基本法の理念で、国や自治体は意見を政策に反映する仕組みを作るように義務づけられた。広く意見を聞くにはどうすればよいのか。大人たちの試行錯誤が始まっている』という視点で、現状や課題を報じる記事です。記事によると、『こども家庭庁に優先的に取り組んでほしいことの上位は(略)小中学生では「子どもの意見を聞いて生かす」という選択肢が上位になる一方で、高校生ではあまり選ばれていない』ということです。この結果について調査の担当者は、『これまでの経験で良い変化を感じたことがないと考えられる。自分の声が聞かれない経験が続くと、声を上げたくなくなるのでは』という仮説を立てていらっしゃいます。一般的に言え...それは昔の話、であってほしい

  • 理念の正しさは方法の正しさを保証しない

    「各論で迷う」11月23日北米総局の秋山信一記者が、『保守層の不満憎悪に転化トランプ前米大統領再出馬』という表題でコラムを書かれていました。その中で秋山氏は、『大統領選での敗北を認めず、「不正選挙だった」と根拠のない主張を続ける姿勢は、一切擁護できない』とトランプ氏を批判する一方で、その保守的な主張については、一部判断を躊躇っているのです。『保守系の草の根団体を取材中、白人が黒人奴隷を使役した歴史を学んだ白人の小学生が帰宅後に自分の肌を傷つけたという話を聞いた(略)人種や差別に関する教育は必要だが、教える学齢や内容を慎重に考えるべきだ」都の考えには共感できた』『性転換した男性が女性の競技に参加して記録を更新するのは、私も「公平でない」と思う』『リベラル派の取材先で、性的少数者への配慮から性別不問のトイレし...理念の正しさは方法の正しさを保証しない

  • 親の精神的安定

    「親の幸せ」11月21日『離婚後の親権子の幸せ最優先の議論を』というタイトルの社説が掲載されました。離婚後の共同親権の導入を検討してきた法制審議会の部会が、中間試案をまとめたことに関わる社説です。共同親権の是非についてここで論じるつもりはありません。とても難しい問題ですから。ただ、気になることがありました。『子どもの幸せにとって、どのようか仕組みが最善なのか』で始まった社説は、『子どもの立場から議論を尽くすことが大切だ』という結びで終わっています。実はこの「子供の幸せ」というフレーズは、私はよく使ってきた言葉なのです。学校でのトラブルについて、解決を見た後に保護者が教委に来て、「あの教員は許せない、何らかの罰を与えてほしい。そうでなければ私の気が治まらない」というような訴えをすることは珍しくありません。そ...親の精神的安定

  • 本当の昭和

    「昭和は?」11月21日『教員処遇改善策検討自民党給特法見直し含む』という見出しの記事が掲載されました。自民党が『教育人材の確保に関する特命委員会を設置した』ことを報じる記事です。記事によると、『教員に残業代を支払わないと定めた教職員給与特別措置法の見直し』が検討課題に含まれるということです。是非、議論を進めてほしいと思います。そのこととは別に、とても気になる記述がありました。萩生田政調会長の言葉です。萩生田氏は『残業時間が8時間だった昭和の時代になかった仕事が増えている』と述べているのです。萩生田氏は、いわゆる文教族と呼ばれる議員で、その中でも大物です。市議会議員出身で、地方教育行政についても、身近に見聞していたはずです(平成時代でしょうが)。その萩生田氏にして、昭和は8時間、という認識だということに驚...本当の昭和

  • 出来る人が基準になる?

    「出来る人、が基準になる」11月20日直木賞受賞作家今村翔吾氏の連載コラム『乱読御免』は、司馬遼太郎氏の「功名が辻」を取り上げ、『良妻の物語に考える多様性』というタイトルでした。その中で今村氏は、『男女平等、女性の社会進出が顕著な今の世の中において、「夫を支えるのを賛美するなんて!」なんて声が聞こえてきそう(略)ただ一つ、首を捻ることもある。それは「自分の意志」で千代(功名が辻の主人公、山内一豊の妻)のような道を選んだ方を、非難する人が少なからずいることだ(略)多様性が認められる世の中ではないのか。ならばその中に、そのような生き方を選ぶ人がいても認められるべきではないか』と自説を展開なさっているのです。そしてさらにご自身を引き合いに出し、『昨今、ライフワークバランスという言葉をよく耳にし、猛烈に働いている...出来る人が基準になる?

  • 子供は○○である

    「私もそっち側」11月19日『「事なかれ」から?続く学校の黙食』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルスの感染対策を巡り、飲食店への自粛要請などが緩和される中、なぜ多くの学校で「黙食」が続けられているのか』という問題意識で、現状と背景を探る記事です。全体として、緩和を薦める内容ですが、その中で気になった記述がありました。国立成育医療研究センターこころの診療部臨床研究員山口有紗氏の話です。山口氏は『他の子と向き合って話ながら食べたり、大きな声の飛び交ったりする従来の給食のあり方がつらかった子もいるかもしれないことの注意すべき』とおっしゃっているのです。『感染流行前に当たり前だと思っていた給食のあり方が、心地よい子もいればそうでない子もいるはず』と述べ、『どういうやり方であれば、みんなが楽しく...子供は○○である

  • 難しくて分からない

    「影響大」11月18日『いじめ関与生徒名開示命令』という見出しの記事が掲載されました。『熊本県立高3年の女子生徒がいじめを受け自殺したとして、遺族が県と同級生8人に損害賠償を求めた訴訟で、熊本地裁が22年5月、関与した生徒の氏名の開示を県に命じていた』ことが明らかになったことを報じる記事です。記事によると、『県の第三者委員会は15年1月にまとめた調査報告書で、いじめに関与した生徒の名前を黒塗にしていた』ということで、『県は「報告書は任意調査で、公務遂行に支障が生じる恐れがある」として却下を求めていた』が認められなかった、ということのようです。難しい問題です。調査報告書の加害者氏名が黒塗りで開示というのは一般的です。しかし、遺族感情からすると、納得しがたいものです。真実を知りたいという思いもあれば、加害者を...難しくて分からない

  • 多様な目で見る

    「謝罪したのは」11月18日『職員室会話端末介し生徒に漏えい』という見出しの記事が掲載されました。『岩国市の市立中学校で、職員室で教諭らが交わした会話が、生徒に配布されているタブレット端末を介して複数の生徒に漏れていた』事件について報じる記事です。記事によると、『内容にショックを受けた生徒1人が登校できなくなる』などの影響が出ているということで、学校側は『生徒に事情を説明して謝罪』し、教委は『不安を与えて申し訳ない』と陳謝したということです。ところで、一体何について謝ったのでしょうか。教委は、「不安を与えた」ことについて謝っています。何の不安なのでしょうか。学校の情報管理体制の不備が、他にも個人情報が洩れているのではないかという不安を与えた、ということなのでしょうか。それとも、『内容には(略)教諭が生徒に...多様な目で見る

  • 教育が社会を悪くする?

    「どういう方向で」11月18日論点欄では、『方向性見失う国家』というテーマで、2人の専門家が対談していました。その一人、仏歴史人口学・家族人類学者エマニュエル・トッド氏が語られていることに考えさせられました。エマニュエル氏は、『今の欧米は、高等教育を受けた人と大衆の分断が先鋭化しています。人々の社会的な連帯感、宗教や愛国心、つまり集団意識が弱くなっている』と述べています。トランプ前大統領の支持を巡る分断状況を見ていると、その指摘が正鵠を射ていると思われます。では、我が国はどうなのでしょうか。私は、人々が自由に意見を表明する権利をもつ民主国家においては、分断が生じ、表面化するのはある程度仕方がないことだと考えています。ただ、宗教や地域性といった避けることができない要因ではなく、教育が分断の要因になるという事...教育が社会を悪くする?

  • どうすればよかった?

    「だったらどうすれば」11月15日読者投稿欄に、神奈川県在住I氏の『「ごんぎつね」であの子を思う』というタイトルの投稿が掲載されていました。I氏は教員時代を振り返り、『国語の授業で「ごんぎつね」を扱った。あの子というのは、やや落ち着きがなく、授業中に気ままに発言することがある児童だった。ごんがその本意に反して撃たれた場面になったとき、突然彼の大きな声が響いた。「もう、いやだ!」。私は驚いた。「国語の話って、いつもこうなんだから」とも。新米の私は、勝手に発言しないようにと注意した(略)彼は社会の不条理を子供心に感じていたのだ。彼には済まないことをした』と書かれています。確かに小学校の国語の教科書には、悲しい話が多く掲載されています。ですから、(彼)が、繰り返される悲劇に心を締め付けられ、思わず叫んでしまった...どうすればよかった?

  • 押しつけと反発

    「成り立つ?」11月15日『都は全廃校則「最小限に」』という見出しの記事が掲載されました。ツーブロックの髪型に纏わる校則について報じる記事です。ツーブロックの是非については論じるつもりはありません。そのこととは無関係に気になる記述があったのです。都立井草高校副校長島岡恵一氏の『大人の価値観を押し付けないことが大事です』という言葉です。島岡氏は、『(生徒に)自分たちで考えて行動してもらうというのが原点です』と話した後に、こう語っていらっしゃるのですから、言いたいことは十分に分かりますが、根本的な疑問が湧いてきてしまうのです。そもそも教育とは、大人の価値観を植え付けようとする営みなのではないかということです。その「植え付け」が正しいとは限りません。また、「植え付け」が成功することもそんなに多くはないかもしれま...押しつけと反発

  • その一言が余計

    「その一言が余計」11月15日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る「授業」』という趣旨の連載企画『14歳の君へわたしたちの授業』の今回の先生は、歌手・タレント中川翔子氏でした。中川氏は、自身が中学生時代に受けたいじめのことを述べています。『攻撃してくるのは、実は自分の人生でなんの関係もない人たち』『学校以外にも必ず居場所はある。困ったら「助けて」と声を上げて』『「死にたい」とか「消えたい」と思ったら、とにかく一度、寝るとか、別のことをしてほしい』『いじめた人への当てつけで自殺するなんて、もったいない』など、体験に基づくアドバイスも貴重なものだと感じました。ただ、締めの言葉が残念でした。『今の自分を大事にすれば大丈夫。誰でも何か才能を持っているから、きっと大丈夫です』という言葉です。いじめに限...その一言が余計

  • 恥をかかされた

    「訂正の仕方」11月15日『小池書記局長パワハラ共産が警告処分』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『小池氏がある地方議員の氏名を誤って読み上げたことに対し、田村氏(同党政策委員長)がその場で訂正したが、その後小池氏が詰め寄り、「ちゃんと読んでいる。訂正する必要ない」などと強い口調で抗議』という言動が、パワハラと認定されたということです。なお、『用意されていた原稿の議員名が誤っており、小池氏がそのまま読み上げた』ということで、誤読ではなかったということだそうです。しかし、誤読の有無にかかわらず、小池氏は田村氏よりも党内序列が上であり、「詰め寄り」「強い口調」というのですから、パワハラと認定されても仕方ありません。小池氏自身も、認め謝罪しているのですから、パワハラか否かを論ずる必要はないと考え...恥をかかされた

  • 比較すれば軽すぎる

    「軽すぎない?」11月14日『車内に9時間2歳児死亡父が保育所に預け忘れる』という見出しの記事が掲載されました。『保育所駐車場に止めた乗用車内で12日夕、この保育所に通う女児(2)がぐったりした状態で見つかり、間もなく死亡が確認された』事件について報じる記事です。記事によると、父親は『長女と三女を同じ認定こども園に送り届けた後、次女を保育所に預けるのを忘れて自宅に戻った。ワンボックスカーの窓を閉め、鍵も施錠した後に車を離れた』ことによる事故ということです。最近この手の事故が頻発しています。悲しいし、残念なことです。記事の中に気になる記述がありました。『有効な予防策の一つとして、子供の座席の近くにバッグや財布、スマートフォンなどを置くことを勧める。貴重品を置いておけば、車を降りる際に子供の存在に気付きやすく...比較すれば軽すぎる

  • 感情より記録

    「要はバランス」11月12日放送タレント松尾貴史氏が、『国民の声を聞かないってこと?』という表題でコラムを書かれていました。その中で松尾氏は、『政権関係者の口から「支持率に一喜一憂しない」というお題目が唱えられるようになった』ことへの疑問を述べられています。『国民が仕事を「評価してくれている」「信頼してくれている」ということを喜ばしく思い、「評価してくれていない」「信頼してくれていない」ということを憂えるというのが、政治家として当たり前の感性』だと言っているのです。政権支持率についての「一喜一憂」は、今回の岸田政権のように、下がり続けている場面、つまり喜ぶ要素がなく、憂える要素しかないときに使うこと自体が間違っていると思います。「一喜一憂」とは、言うまでもなく、喜ばしい事態と憂うべき事態が交互に訪れるとき...感情より記録

  • 「~」は何?

    番外編「もうやりません」WSJWSJ10月号に『企業を成功に導く「引き算」の法則』という見出しの記事が掲載されました。記事は、『多くの企業が窮乏ではなく、消化不良で息絶えている』という書き出しで始まっています。これは、デービット・パッカード氏が『仕事を増やし過ぎる一方、減らすことをほとんどしない企業リーダーの危険性について警鐘を鳴らした言葉』だそうです。記事ではさらに、バージニア大の研究も紹介されています。『問題を解決するにあたり、人はまず「足し算」を試みることが明らかになっている』というのです。『われわれは元来、思考の代わりに「足し算」するようになっている』とも述べられています。企業にしろ官庁にしろ、組織は課題に直面したとき、その対応策として「足し算」をするという指摘です。課題解決のために、新しいシステ...「~」は何?

  • 評価がもたらすもの

    番外編「評価がもたらすもの」WSJWSJ10月号に『同僚の給料知ったら…チームより自分』という見出しの記事が掲載されました。『NHLの報酬情報流失』事件についての影響について述べた記事です。ちなみに、これは『1990年のある朝、(NHL:北米プロアイスホッケーリーグの)選手全員の年俸一覧が新聞の一面を飾る』という事件です。記事によると、『同僚よりも報酬が低いことが判明した選手は、職場で急に仕事をなおざりにするようなことはしなかった。むしろ、別なところに力を入れ始めた』ということです。具体的には、『ディフェンスを犠牲にしてオフェンスに注力するようになった。オフェンスで活躍する選手が年俸交渉を優位に進めていることが分かったためだ(略)各選手のプレーが変わったことで、チーム全体のパフォーマンスは落ち込むという逆...評価がもたらすもの

  • いつからそんなに偉くなった

    「居丈高」11月12日『首相また後手求心力低下』という見出しの記事が掲載されました。葉梨康弘法務相の更迭についての経過と影響を報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『葉梨氏が同様の発言を過去に複数回繰り返していたことも判明した』という記述です。ちなみに、ここでいう発言とは、『(法相の職務は)朝、死刑のはんこを押す。昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職』『法相になってもお金は集まらない。票も入らない』という発言のことです。私はこの記述を見たとき、葉梨氏の人間性を想像してしまいました。それは、諫言を許さない雰囲気をまとっている人なのではないかということです。葉梨氏は、10年以上の国会議員歴をもち、複数の省の副大臣を務めた中堅の政治家です。当然、多くの支持者や秘書等のスタッフ...いつからそんなに偉くなった

  • 子供も高齢者も

    「通底するもの」11月7日論説委員永山悦子氏が、『「ごみ屋敷」の深層』という表題でコラムを書かれていました。その中で永山氏は、『少し変わった住人が、外にまで物をあふれさせ、積み上げている家』というごみ屋敷のイメージを否定し、『昔は片付けができた人が、加齢で思うようにできなくなったことを受け入れられず、「いつか片付けよう」と先送りするうちに物があふれていく。判断力の低下で物を捨てる基準があいまいになり、捨てられなくなる。「人に迷惑をかけたくない」と、自分にとって「必要な」ものをためこむ』というケースが大半であることを指摘しています。つまりごみ屋敷問題は、『高齢者の社会的孤立や健康問題が根っこにある』ということです。こうした認識の下、永山氏は、行政の対策において必要なのは、『物を捨てることよりも、住んでいる人...子供も高齢者も

  • 授業中に一杯ひっかけて

    「調子が出るんだけど」11月7日『歌が「つなぐ力」大事に』という見出しの記事が掲載されました。『観客に酒を振る舞い、自らも特大の杯で喉を潤しながら歌を聴かせる年末恒例の「ほろ酔いコンサート」が今年、東京で開催50回目の節目』を迎えた加藤登紀子氏へのインタビュー記事です。その中に、『「ちゃんと歌唱できるんでしょうか」』という記者の問いに対する加藤氏の回答が掲載されていました。加藤氏は、『まず歌に集中できて、歌詞を間違えなくなるんですよ(略)雑念がなくて歌に集中できるというか(略)もともとね、自分の体が一升瓶になったような感じが一番いい歌い方なの(略)私の体の中に埋まっている熱い気持ちが、じわあっと体に満ちてきて、それが絞り出すのでもなく、ふわあっとあふれてくる』と語られているのです。加藤氏の言いたいことは、...授業中に一杯ひっかけて

  • 求めてはいけない?

    「求める権利は?」11月6日『吃音が問うもの1/100人の障害「流ちょうさ」過度に求めないで』という見出しの記事が掲載されました。『吃音がありながら、しゃべる機会の多い職業に就いている人は少なくない。ただ、流ちょうさでコミュニケーション能力を評価されてしまえば苦悩してしまう。私立大のある若手教員は、学生への講義でつまずいた』ことを報じる記事です。記事では、『20代で理学博士の学位も取り、大学院で執筆した論文の雑誌掲載数は7本に上った。指導教員は「この30年で一、二を争う才能だ」と言ってくれた』優秀な講師が、学生による授業評価アンケートで、『「おどおどしていて話が聞き取りにくい」「滑舌が悪すぎて何を言っているのか分からなかった。二度と授業を受けたくない」』と酷評されたという事例が紹介されていました。そして、...求めてはいけない?

  • 支えとなる前提条件

    「前提条件」11月5日書評欄に、大阪大特任教授大竹文雄氏による『「雷神と心が読めるヘンなタネ」鎌田雄一郎著(河出書房新社)』についての書評が掲載されました。その中に次のような一文がありました。『ある銀行が経営不安だというデマを信じて一定の数の人が預金を引き出せば、その銀行がその日に金庫に準備していた現金の量を超えてしまう。なぜなら、銀行は企業にお金を貸し出しているからだ。みんなが預金を引き出すと、健全だった銀行が破綻するので、自分も預金を引き出したほうがよくなる。銀行という制度が成り立つのは、誰もが必要以上にお金を引き出さないという状況の時だけなのだ』。当たり前の話です。誰でも知っていることです。しかし、改めて言われると、銀行という制度の不安定さがよく分かります。自分の預金を引き出すのは預金者の権利です。...支えとなる前提条件

  • 合わせると貫く

    「お客様は神様です」11月5日『バイデン氏演説的外れ?「民主主義」争点化躍起』という見出しの記事が掲載されました。米中間選挙に向けての『民主主義が脅威にさらされている(略)制度そのものが危機に陥っていると理解して投票しなければならない』というバイデン大統領の演説に対し、『有権者の最大の関心は経済やインフレで、民主党内からも「焦点が合っていない」と批判が出ている』ことを報じる記事です。その通りだと思います。しかし、よその国のことで大きなお世話だと言われるかもしれませんが、私の認識はバイデン氏と同じです。世界の民主主義国家群をリードし、専制主義と対峙し、平和と人権を守るためには、選挙結果を平気で無視するような勢力を放置するようなことはあってはならないと考えています。ですから、これから私が述べることは、少し偏り...合わせると貫く

  • 20年前の変節

    「20年前の変節」11月5日書評欄に、詩人渡邊十絲子氏による『「英語のアポリアネイティブが直面した言葉の難問」トム・カリー著(研究社)』についての書評が掲載されていました。その中に、次のような記述がありました。『外国語を学ぶ目的や動機は人それぞれだろう。著者は言語の「社会的側面」と「認知的側面」に分けて考えている。社会的側面に注目する人は、グローバル言語としての英語を話せるようになることが今後の社会人に欠かせない能力だと考え、英会話に力を入れない英語教育などあり得ないと考える。認知的側面を愛する人は、文字や文法や語彙について自分の母語で(日本人の視点から)たっぷり解説してほしい。そこにこそ異文化理解のカギがあると考えるので、外国人講師による会話中心の授業は物足りない。この二つの考え方に引き裂かれているのが...20年前の変節

  • 右も左も

    「嘘がまかり通る世界」11月3日『表記子供・子ども→こども家庭庁準備室省庁に依頼原則は子供文科省困惑』という見出しの記事が掲載されました。『来春に発足する「こども家庭庁」の設立準備室が他省庁に依頼分を出した。6月に成立した「こども基本法」の理念を浸透させることを目指し、行政文書などは原則、平仮名表記の「こども」を用いるよう呼びかけ』たことを報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『子供の「供」の字は、「供え物」や「お供する」などを連想させ、差別的印象を与えるとの考えが一部で広まったのが混ぜ書きにつながったともされる。ただ、「日本国語大辞典第2版」によると、「ども」は複数を表す接頭語で、「こども」はこの複数語として使われていた。それが徐々に大人の対義語として単数を表すようになり、近世に「子供」の当...右も左も

  • 誰にどれだけの力を

    「誰を念頭に?」11月2日東大名誉教授西垣通氏が、『機械翻訳と外国語学習異文化間の相互理解に活用を』という表題でコラムを書かれていました。その中で西垣氏は、『機械翻訳があれば外国語学習なんて要らなくなる、と言う人がいる。はたして本当だろうか』と問題提起されていました。私が4~5年前からこのブログで、「数年後には、スマホのアプリに翻訳機能が加えられ、日常会話程度は不自由なくこなせるようになるはず。特に東京五輪で大勢の外国人が来日することを見込んで、急速に技術開発が進むことが予想される」という趣旨のことを述べています。そして、「買い物をしたり、道を尋ねたりする程度の英会話能力を身に付けるために、他の教科の学習を犠牲にしてまで、小学校から英語教育を始める必要があるのか」という疑問を呈してきました。まさしく、西垣...誰にどれだけの力を

  • 大人の世界

    「大人の世界」11月1日『難しい?現代ママ友事情』という見出しの記事が掲載されました。『「ママ友」という人間関係。育児期の母親特有とされるが、そんなに難しいものなのか?現代ママ友事情を探った』記事です。ちなみに、「ママ友」の定義は、『子どもを通じて知り合った母親同士の友人関係』だそうで、『公園デビューから幼稚園、保育園を経て小学校中学年ごろまで長く関係が続く』こともあるということです。私は高学年を担任することが多く、特に新採で赴任した学校では、子供のことで精一杯で、母親のことにまでは目を向けることができませんでした。しかし、異動し、年齢も30代になり、PTAの教員側委員なども務めるようになってくると、母親同士の世界、人間関係といったものにも目が向くようになってきました。さらに、母親を理解することは子供理解...大人の世界

  • 教員×生徒=学校

    「1/1000の話」10月31日連載企画『学校とわたし』で、日本たばこ産業会長岩井睦雄氏が、高校時代の思い出を語っていらっしゃいました。その中で岩井氏は、『先生たちは自分の好きな方法で、好きな題材を使って授業を進めていました』と述べています。具体例として、『古文の場合、(現代は用いられていない)変体仮名で書かれた「伊勢物語」を読みました(略)数学の先生も教科書や大学受験を枠を超えた難しい方程式をあえて取り上げて「これが数学だ」と魅力を伝えてくれました』とも述べられています。岩井氏の述懐を読み、教科書通りに授業を進めるしか能のない(なかった)自分の恩師と比べて、自分ももっと指導力のある教員の授業を受けていたら~、と考える人がいると困ると思いました。岩井氏の恩師たちが、好きなやり方で好きな内容を教えることがで...教員×生徒=学校

  • 自分と同じ人ばかり?

    「みんな同じ幻想」10月29日ヤマザキマリ氏が回答者を務める人生相談欄に、19歳男性の相談が寄せられていました。その内容に驚かされました。その相談内容は、『私は、SMAPの「世界に一つだけの花」(略)この名曲が大好きで、毎晩聞きながら寝ています。しかし先日、インターネットでこの曲を嫌いだと言っている人がいてショックを受けました。口ずさむ時もあり、嫌いな人が聞いて、けなされたらどうしようと、怖くなりました』というものです。驚かされた点は2つあります。まず、自分の好きな曲を嫌う人がいるということにショックを受ける、という点です。自分と好みが異なる人がいることなど当たり前ではありませんか。音楽でも、小説でも、ドラマでも、食事でも、服装でも、好みは違って当り前、その上で、どう折り合いをつけて生活していくか、という...自分と同じ人ばかり?

  • 勉強で頭では分かっていても

    「無意識のうちに」10月25日『妻の壮絶人生を「家族ルポ」に』という見出しの特集記事が掲載されました。「妻はサバイバー」を執筆された朝日新聞記者永田豊隆氏に取材したものです。摂食障害、性的被害、自殺未遂、アルコール依存症、アルコール性認知症と苦しみ続ける妻に寄り添い、自身も適応障害で一時休職した経験をもつ永田氏。その闘いの日々が興味深いものであるのはもちろんですが、私が注視させられたのは、永田氏の次の一言でした。過酷な日々をよく克服することができましたね、という問い掛けに対し、永田氏は『「都市部に暮らす正社員男性」という属性も、克服の一因だ』と答えているのです。私も、「都市部に暮らす正社員男性」でした。公立学校の教員から教委の職員という職歴ですから、正確には社員ではありませんでしたが、都市部に暮らす正規雇...勉強で頭では分かっていても

  • 校長は何を恐れたのだろう

    「耳タコでしょうが」10月25日『自殺「小6担任指導影響」熊本の13歳、抑うつに』という見出しの記事が掲載されました。『熊本市立中1年の男子生徒が自殺し、事実関係などを調べていた市設置の第三者委員会は24日、小学6年時の担任による不適切な指導の影響で発症・悪化したとみられる抑うつ状態が自殺の一因とする報告書』を提出したことを報じる記事です。私は教員の体罰や不適切な指導について、このブログで数十回も取り上げてきました。このブログを読んでいただいている方にはそれこそ「耳に胼胝ができる」状態かもしれませんが、あまりにひどい事件なので、また繰り返させていただきます。今回述べるのは2点です。記事によると、『小6の担任は18年4月、生徒の友人の胸ぐらをつかんで引っ張るなどの体罰を加え(略)仲の良かった友人がいつも怒ら...校長は何を恐れたのだろう

  • 読むより感じる

    「同罪?」10月24日専修大教授武田徹氏が、『文字リテラシーを失うな早送り視聴の功罪』という表題でコラムを書かれていました。その中で武田氏は、『有限の時間資源の中で早送り視聴は一種の必然的選択だった』と述べ、『早送り視聴は新しいリテラシーの一つだと認めるべき』としています。その一方で、『新たに加わるリテラシーがあれば失われつつあるリテラシーもある』と指摘し、『文字リテラシーの低下は社会全体を覆いつつある』と警鐘を鳴らしています。どういうことかというと、個人が受け取る情報に占める割合が、かつては文字>動画であったものが、現在では文字<動画となり、動画情報は増える一方で、それをこなすために早送り視聴が一般化してきたと捉えているのです。そして、『目の前で語りかける動画メディア、文字だけの資料よりも親しみやすく感...読むより感じる

  • 男子だけ多目的室に集めて

    「教室に男子だけを集めて」10月24日りんくう総合医療センター産科医荻田和秀氏が、『男性への育児スキル教育を仕事と家庭の両立のため』という表題でコラムを書かれていました。その中で荻田氏は、『患者さんから男性の育休時における行動を聞いていると、まだまだです。回答で比較的満足度が高いのは、買い物や上の子の送り迎え。それ以外は「任せられるレベルじゃない」といいます。次いで多く聞くのは「おむつ替えやミルクづくりといった基本的な育児スキルどころか、掃除や洗濯、炊事といった生活スキルすら十分ではない」という不満です』と書かれています。こうした実態を踏まえ、荻田氏は、『育休を取得しやすくする環境整備はもちろん必要ですが、同時に男性が育児するためのスキルを上げる実用的な教育が必要だと痛感します』と主張なさっているのです。...男子だけ多目的室に集めて

  • 命は同じか

    「命は同じか」10月22日『「チントンシャン」守れるか』という見出しの記事が掲載されました。『伝統芸能に不可欠な三味線の業界が曲がり角を迎えている』ことを報じる記事です。記事に中に、『動物の皮は厚みにムラがあるから音にも厚みが生まれる(略)ただ、愛猫家らの反発を受けて供給が減り、80年代には輸入の猫皮に頼るようになった。供給も減って価格は高騰。一時はアジア産の犬の皮で代用したが、こちらも動物愛護の観点から入手が困難になった』という記述がありました。また、『オーストラリアで増殖が問題視されるカンガルーの皮が代替として注目される』という記述もありました。『三味線業界が打撃を受け、(職人技が途絶える)危機が増した』とも。さらに、『動物の皮に頼らずに済む研究は続けていく』ことも述べられていました。とても考えさせら...命は同じか

  • 公平・公正に…、難しい

    「公正・公平」10月21日『戦争観根底から揺さぶられ』という見出しの記事が掲載されました。ウクライナから帰国した写真家渋谷敦志氏に取材した記事です。その中で渋谷氏は、『戦争に対する考え方を根底から揺さぶられ、今ぐらぐらきています』と語っています。そして、『行く前は戦争を否定していたけど、現実に触れると、ロシアの侵略には武器で戦うしかない、勝つしかないと思うようになりました。生きるためには殺さなきゃいけないと。殺し合いの一方に肩入れして、殺すのを後押ししている自分に驚いています』と言葉を継ぐのです。渋谷氏は、『最初は停戦こそが大事だと思ってた』と語る常識人、私と同じ感覚の人です。その渋谷氏が、上記のような言葉を吐くのです。しかも、全国紙の取材という公的な場でです。記者(アフリカやイラクでの戦場体験あり)は、...公平・公正に…、難しい

  • 専用学校

    「専用学校」10月21日『熱中できる何か探し続け』という見出しの記事が掲載されました。学校に違和感を覚え、一時は死も考えた少年が、自分の居場所を見つけるまでを報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『学校に居場所を求めるのはやめ、不登校を“選択”した。その後、オンライン授業がメインのルネサス大坂高校に進学し、現在は高校1年生だ』という記述です。私は以前このブログで、不登校の子供への対応について、「学校に行かなくてもいいんだよ」というだけでは解決にならないと指摘しました。もちろん、本当に苦しみ自殺の淵にいる子供にとっては、緊急避難的に救いの言葉になることは否定しません。しかし、学校に行かない日々が続いているとき、多くの子供の心には、「このまま学校に行かないままで、自分の人生はどうなってしまうんだろ...専用学校

  • エビデンス無用

    「ネタ満載」10月20日宮崎支局記者一宮俊介氏が、『見直すべき効果不明の習慣九州の高校で続く「朝課外」』という表題で記事を書かれていました。ちなみに、「朝課外」とは、『通常の1時間目の前に午前7時半ごろから40分程度実施されている』課外授業のことだそうです。一宮氏は、「朝課外」の廃止に向けた動きが出ていることを紹介し、廃止に賛成の立場を示しています。私も、記事を読んで廃止すべきだと考えました。ただ、そうした主張とは別に、一宮氏が書かれた記事には、学校教育に纏わる「あるあるネタ」が満載なのです。そうした視点で記事を読むと、いろいろと考えさせられるのです。まず、『本来は「自由参加」のはずが遅刻すると怒られた』『「選択制」が導入されていたが、実際は参加しないと教員から呼び出される』という記述です。自由や個人の選...エビデンス無用

  • 立派な横領

    「したことがある」10月19日『学校所有の本販売フリマで利益教諭懲戒免職』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『(都立高の教員が)指導用教科書や問題集計9冊(1万3313円相当)をフリーマーケットアプリに出品し、1万1580円の利益を得た。これらは一般には販売されていない。同校では公費で購入し、学校に保管し教員同士で共有していた。都教委は横領に当たると判断し、同校が目白署に被害届を提出した』とのことです。2つのことを思い出しました。まず一つは、私のつれあいが校長に就任したとき、叔母から電話があり、「市販のテストの見本が各校に送られているはずだから、それを譲ってほしい」と言われたことでした。校長であれば、見本を手に入れることは容易であるはずだということでした。その通りです。市販のテスト見本を入...立派な横領

  • 別の方向で

    「教育委員も」10月19日論点欄では、『原子力規制委発足10年』というテーマで、2人の識者が自説を展開していました。その中で、元官房長官塩崎恭久氏が述べられていることに注目させられました。塩崎氏は、『5人の委員がそれぞれ独立し、平等・対等の立場で専門的な議論に臨み(略)事務局の原子力規制庁が作製した案を審議するようなことになってはならない。これでは役人が決めたことを追認するだけになってしまう。米国の原子力規制委員会では、事務方から委員へのアクセスは禁じられている。また、委員は事務局職員の電子メールのやりとりを見ることができるなど、主役が誰かはっきりしている。委員が独立して強い権限と自らの専門性を持って、事務局に作業を指示する(略)委員ごとに数名の優秀なサポートスタッフを付け、各委員が独立して総合的な判断が...別の方向で

  • すぐに役に立つ

    「生きる力」10月18日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る「授業」』、連載企画『14歳の君へ』は、料理研究家枝元なほみ氏が登場しました。一応「技術・家庭科」ということになっていました。この企画では、教科名が掲げられていても、実際の内容はあまり関係がないというケースが多いのですが、今回はまさに家庭科の内容に関わるものでした。気になったのは次の記述です。『炊飯器を使わずに鍋でご飯を炊く方法を伝授します。将来、1人で暮らしてお金がなくても、ご飯さえあればなんとかなる。今はおむすびをコンビニで買うもの、と考える人も多いですが、米を炊いて塩むすびにすれば半額以下です。(略)キャンプに行っても、海外で道具がなくても鍋があれば炊けます。私はインドで~』という記述です。これは、要するにどんな厳しい状況にな...すぐに役に立つ

  • 逆だと思うけど

    「もっと細かく」10月18日『性別思い込みいつから「女性は優しい」4歳「男性は賢い」7歳』という見出しの記事が掲載されました。『性別に対する固定観念「ジェンダー・ステレオタイプ」は、いつごろ生じるのか。京都大などの研究グループが4~7歳の男女を対象に調べた』結果を報じる記事です。その中に気になる結果がありました。『「賢さ」については4~6歳で男女差は見られなかったが、小学生になる時期の7歳の男児では女児よりも自分の性別を「賢さ」を結びつけた。グループの森口佑介・京大准教授(発達心理学)は「小学校に入学すると、テストなどで成績を競わされる場面が増える。他人との比較や子ども同士の関係性、同調圧力も影響しているのでは」と分析する』という記述です。小学生になると、テストや授業中の言動などによって同年齢の他者と自分...逆だと思うけど

  • どっちつかずの

    「移行するときには」10月17日『特別支援学校は維持障害者基本計画素案』という見出しの記事が掲載されました。『2023年度から5年間の障害者政策の方針となる「障害者基本計画」の素案』が有識者委員会に示されたことを報じる記事です。『国連の障碍者権利委員会は(略)日本への初めての勧告を発表し、分離教育の中止を求めていた』にもかかわらず、政府が『障害のある子どもがほかの子供と分かれて、特別支援学校などで教育を受ける仕組みの中止には踏み込まなかった』ことが記事の中心ですが、私は別のことが気になりました。それは、『障害の有無で分け隔てられることなく、可能な限り共に教育を受けることができる仕組みの整備を進める』ための対策として打ち出された、『全ての新規採用教員が10年目までに特別支援学校などでの指導を複数年経験すると...どっちつかずの

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