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  • 連携を

    「分析なくて対策なし」8月14日客員編集委員伊藤和史氏が、『戦後80年国立の「昭和館」へ』という表題でコラムを書かれていました。その中で伊藤氏は、昭和館について、『戦中戦後の苦難に満ちた暮らしを生活用品や写真、映像、ポスターなどで紹介している。不思議というのは、これほどの事態を招いた戦争がなぜ起きたのかという問題提起がほとんど見られないことである』と書かれています。その後、具体的な展示内容に触れながら、『「国民は忍苦して頑張り、ついに復興を果たしました」という物語以上のものは得にくい』と述べ、『そもそも日本が何のために戦ったのかすらよくわからない』と指摘なさっています。私は、伊藤氏の不満を象徴する記述として、『パンフレットには「大きな戦争が起こり」とか「日中戦争が始まり」といった記述があるが、戦争は自然に...連携を

  • 新しい反戦教育

    「教えられますか」8月14日旧ソ連地域の政治を専門とされる慶応大教授廣瀬陽子氏が、『ロシアのハイブリッド戦社会守る包括的安保が肝要』という表題でコラムを書かれていました。その中で廣瀬氏は、『今年の防衛白書は(略)「ハイブリッド戦争」への対応強化を強く打ち出した。ハイブリッド戦とは、軍事を用いた正規戦と、軍事に限定されない非正規戦を組み合わせた現代戦を意味する。非正規戦の部分は(略)サイバー攻撃、情報戦、政治的脅迫や経済的圧力、代理勢力の活用など(略)特に民主主義国家においては、選挙や言論空間といった脆弱な基盤を直接攻撃することで、かなり大きなダメージとなることもある』と書かれています。その後、ロシアに焦点を当てて具体的に述べられていますが、正直私には理解できない部分もありました。そこで浮かんだのが、現職の...新しい反戦教育

  • ~なら、~のくせに

    「○○なら」8月13日オピニオン編集部吉井理記氏が、『靖国と土用の丑』という表題でコラムを書かれていました。その中で、次の記述が印象に残りました。『憲法学者の小林節さんが、右派団体「日本会議」系の憲法学者に「日本人なら8月15日に靖国に行くのは当然ですよね」と問われ、「違う」とはねつけると「汚物を見るような目で見られた」と明かしていた』という記述です。私は、8月15日に靖国神社に行ったことはありません。閣僚の靖国参拝にも反対です。でも、8月15日に靖国に行く人を非難しようとは思いません。もちろん、行かない人を「偉い」と褒めるつもりもありません。それは、自由を尊ぶ我が国において、様々な背景をもつ人がいて、様々な考え方をする人がいるのは当然であり、個人として参拝は自由であるべきだと考えるからです。実際に自分の...~なら、~のくせに

  • 非国民と言われてからでは遅すぎる

    「私の父母は」8月12日オピニオン編集部小国綾子氏が、『祖父のハガキと「非国民」』という表題でコラムを書かれていました。その中で小国氏は、『非国民』という言葉について書かれています。初めて『非国民』という言葉に出会ったのは、漫画「はだしのゲン」でのこと。『ゲンの父親は「戦争をしてはいけんのじゃ」と言い、官憲らに「非国民め」と暴力をふるわれる。幼かった私は、この国で周囲に流されず、戦争はおかしい、と声を上げ、平和を求めた人はみんな「非国民」とバッシングされたのだ、と理解した』と述懐なさっています。そして、『母に尋ねた。「お母ちゃんも昔、非国民って呼ばれたん?」子ども心に信じ込んでいたのだ。原爆やベトナム戦争を描いた絵本を涙をこぼしながら読み聞かせてくれた母も、きっと「非国民」と呼ばれていたに違いない!と。「...非国民と言われてからでは遅すぎる

  • 何を言ってもよい???

    「言いたい放題」8月9日読者投稿欄に、神奈川県大学生H氏による『本当の「多様性がある社会」とは』と題された投稿が掲載されていました。その中でH氏は、高校の後輩の学年に同性カップルがおり、そのことが広く知られていることに驚かされたことを綴っています。そして、同性カップルに寛容な人が増えた一方で、『「受け入れられない」「理解できない」といった否定的な声が表立って聞かれなくなったように感じる』と述べ、『さまざまな性を受け入れるべき』という同調圧力の存在を示唆し、『真に多様性のある社会とは、違う考え方を拒絶』しない社会なのではないか、とおっしゃっているのです。難しい問題です。H氏の指摘には賛成できる部分もあるのですが、一方で意見を自由に言うということが他人を傷つけることでも言っていい、ということに結びついてしまう...何を言ってもよい???

  • 不信に基づく教員・子供・保護者

    「信頼されない」8月7日『健全な不信感を抱く』という見出しの記事が掲載されました。哲学者で慶応大教授の杉本俊介氏へのインタビュー記事です。その中で杉本氏は『信頼は裏切られる可能性が常にあり、結構危うい。むしろ不信感を積極的に抱く方がいい場合もある』とおっしゃり、具体例として『政治家に対しては、健全な不信感を常に抱きながら、ちゃんと職務を果たしているかをチェックする方が民主主義にプラス』と語られているのです。確かにその通りです。選挙で選んだら関心を失い、「まあ何とかやってくれるでしょう」と「信頼」してしまい、政治家の専横をチェックできない、しようともしないというのでは、民主的な社会の形成者としては失格です。では、教員と保護者や子供との関係はどうなのでしょうか。保護者から見て、学校のことは先生にお任せしておけ...不信に基づく教員・子供・保護者

  • そのときはご勘弁を

    「それでもいい」8月7日読者投稿欄に、豪州在住救急救命士F氏による『人種差別的な発言に傷つく』と題された投稿が掲載されていました。その中でF氏は、『先日、認知症の高齢女性から罵声を浴びせられた』体験について書かれていました。『彼女は白人でない私を見た途端に顔をゆがめ「態度が悪い。お前にような者を働かせる国になり、地に落ちたものだ」とののしった。だが、白人が現れると途端に柔和になる。認知症で抑制が利かなくなり、本音が出るのだろう。搬送中も罵倒は続いた』と。豪州については、私が子供のころには「白豪主義」の国、白人優先の国と教わったものです。しかし近年は、民主、自由、人権、法治を基本的な価値観とする国として、我が国とも近しい国となっています。教委勤務時には、中学生のホームステイ先として、安心して送り出せる国とい...そのときはご勘弁を

  • 基盤となる学問

    「基盤は?」8月6日『東大大学院授業英語科の波紋』という見出しの記事が掲載されました。『「授業の英語化をスタートします」-。東京大大学院工学系研究科のこんな宣言が話題を呼んでいる』ということで、その背景や反応、課題などについて報じる記事です。私は、工学のことは全く分かりませんし、大学院教育についても素人です。ですから、この問題に直接言及することはしません。ただ、気になる記述がありました。東京大大学院工学系副研究科長津本浩平氏の言葉です。津本氏は、「母国語で高等教育が受けられなくなるのでは」という懸念に対し、『無理にすべての授業を英語化するということではありません。母国語で学ぶ機会が失われることに対する警戒感は、もちろん私たちの中にもあります。基盤となる学問はこれまで通り母国語で講義します』と話されているの...基盤となる学問

  • 目の黒いうちに

    「スマート〇〇」8月6日『睡眠の質可視化が大事』という見出しの記事が掲載されました。『睡眠と身体活動の関係を調べる目的で開催』された企画についての説明から始まります。『参加者はガーミン社のスマートウォッチを装着。機器には心拍センサーや加速度センサーが内蔵され、体の動きや血中酸素レベルなどを分析する』と。科学音痴の私には詳細は理解できませんでしたが、従来対象者の感覚による自己申告を基に分析研究していたため、客観性に欠けていた睡眠と活動の関連性について、機器の活用で正確かつ詳細にデータ収集できるようになったということのようです。大掛かりな機材ではなく、スマートウォッチ程度の機器で、子供の脳の活発さを測ることができるようになれば、教員の指導、授業の形態、教材の内容などと、学習への意欲や態度との関連が「科学的」に...目の黒いうちに

  • 可愛いスカート

    「今、どこまで?」8月5日『ランドセルの色ブルーな親心』という見出しの記事が掲載されました。『男の子がピンクジェンダーレス時代だけどからかわれない?』と悩む親たちの思いに焦点をあてた記事です。私は10年以上前にこのブログで、男女平等教育研修会に参加した「意識高い系」の女性教員たちと我が子のランドセル選びについて、本音で語り合ったときのことを書いています。当時、彼女たちは「男女で色の違いなんておかしい、とは思うし、そう主張してきたけど、いざ我が子がとなると、息子にピンクのランドセルは…」と語っていたものでした。私が指導主事をし人権教育を担当していた頃ですから、実際には25年前のことになります。今では、男子がピンクのランドセルは珍しくもないことになりました。時代は変わっているということを感じさせられました。そ...可愛いスカート

  • がり勉は勲章

    「大事にされる」8月5日連載企画「学校とわたし」は、こども政策シンクタンク社長白井智子氏が語られていました。その中に次のような言葉がありました。『勉強ができる子が大事にされ、できない子は否定されるということを感じてショックでした』。白井氏が小学校時代に感じていた、我が国の学校に対する疑問です。もっともです。全ての教員はそんな態度をとるべきではないと思います。その一方で、素朴な疑問も浮かんできました。できない子を否定するのは良くない、と思いますが、勉強ができる子を大事にする、というのはいけないことなのでしょうか、という疑問です。揚げ足取りのようで心苦しいのですが、大事にするというのは、何らかの肯定的な評価を与えるということだと思います。学校は、第一義的に勉強をするところです。スポーツをするところでもなければ...がり勉は勲章

  • 良き理想という共通の土台がある者同士の「論争」

    「こういう対立大歓迎」8月4日『聴覚障害者理解社会が「壁」』という見出しの記事が掲載されました。『聴覚障碍者を巡る社会的課題』をテーマにした座談会の様子を報じる記事です。その中にとても興味深い応酬がありました。事業構想大学院大学学長田中里沙氏が、『聴覚障害のある方がコンサートを楽しむ取り組みに参加(略)音楽を響きや色で感じる取り組みで、参加者はとても盛り上がっていました』と話されたの対し、自らが視覚障害者である東京大学特任教授福島智氏が『水を差すようですが、私はろう者として、聞こえない立場での「音楽」は存在しない思います。振動を感じても、それは音楽とは違う。振動や光を使った新しい芸術というのであれば理解できますが、ろう者も同じコンサートを楽しんでいると思っているのは、主催者だけかもしれません』と疑問を呈し...良き理想という共通の土台がある者同士の「論争」

  • 世界に一つだけの…

    「自分はできる?」7月29日『自由研究を考える』という見出しの記事が掲載されました。『生成AIが台頭し、人間が考える力がますます問われる時代。文字通り「自由」に「研究」する意義が再確認されても良さそうだ』ということで、自由研究の歴史や現状、課題について報じる記事です。記事の中では、フリージャーナリスト小林美希氏が『各家庭の格差がはっきり見えてしまうのが、夏休みであり、自由研究なのです』と述べていらっしゃいました。全く同感です。しかし、それは経済的な格差で、体験教室のようなものに参加させられないということよりも、保護者が子供の自由研究に適切に関わることができるかできないか、という側面の方が大きいと思います。広島大准教授の深谷達史は、現場の教員と共に『テーマ設定や問いの立て方、調べる方法などを具体的に示しなが...世界に一つだけの…

  • 30年間何をしてきたか

    「30年も昔から」7月29日『好奇心の種を一緒に育てる』という見出しの記事が掲載されました。『子どもたちに何を学ばせるべきか』について、リクルート・スタディサプリ教育AI研究所長小宮山利恵子氏へのインタビュー記事です。その中で小宮山氏は、『好奇心をいかに伸ばし、深めていくかが重要』『「もっと知りたい」と感じた瞬間に自発的な学びが始まる』『大人が正解を与えるのではなく、一緒に探究する伴走者となる』『大人も一緒に動いてくれたという成功体験を持ち、自身と探究心が育まれていきます』『答えのない問いに向き合って粘り強く探る力が必要』などと語られています。賛成です。と同時に不思議な気持ちになりました。手前味噌だと思われてしまうかもしれませんが、これらのことは、30年前に学校教育の現場で広く言われてきたことだからです。...30年間何をしてきたか

  • いったい何を教えてきたのか

    「何を教えてきた」7月26日テレビ報道記者金平茂紀氏が、『SNSと不安心理の結婚「知る」より「信じる」を求めた』という表題でコラムを書かれていました。その中に次のような記述がありました。『選挙後のテレビの某ワイドショーを見ていたら、参政党大躍進についてある男性出演者が「SNSビジネスモデルの成功例」と分析していた。「有権者を参加させる。正しいか間違っているかは問題じゃない。自分たちの気持ちを代弁してくれていることが大事なんですね」と。するとそれを受けて女性出演者が「それがあるべき正しい民主主義の姿じゃないですか」と応じた。一瞬耳を疑った』。男性出演者の分析は的を射たものだと思います。多くの識者が指摘していることと重なります。しかしそれはあくまでも、分析が、であって、分析によって明らかになった事柄自体も正し...いったい何を教えてきたのか

  • エールを

    「もっとそのことを」7月25日論説委員小倉孝保氏が、『「球拾い」の夢舞台』という表題でコラムを書かれていました。その中で小倉氏は、『大リーグのオールスターでは、昨年から新しいヒーローを選ぶようになっている』と書いています。『各球団がその(球拾い)活躍ぶりを動画などで紹介し、それを基にファンが投票する』という制度です。今年選ばれたのは、『フィラデルフィア・フィリーズのアダム・クロネイルさん(26)』で、同球団で働き始めて5シーズン目の若者です。彼は、『当日はフィリーズの一因として「出場」した。「それは素晴らしい経験で、最高の喜びでした」』と語っていたそうです。この事例を挙げた後、小倉氏は『スポットライトを浴びる主役の周りには必ず、多くの裏方がいる。そうした人が目立たぬ場所で、与えられた役目を担ってくれるから...エールを

  • 切り取り映像の氾濫

    「エスカレート」7月25日『職務質問など警官カメラ装着』という見出しの記事が掲載されました。『警察庁は24日、職務質問などの街頭活動と交通取り締まり、雑踏警備にあたる警察官が「ウエラブルカメラ」を装着するモデル事業について、8月下旬以降に13都道府県で順次始めると発表した』ことを報じる記事です。記事によると、事業の目的はいくつかあるようですが、最初に書かれていたのは『警察官の対応が適切だったかを事後に確認するため』でした。つまり、権力や権限をもつ者の権力乱用を監視するためのものです。だとすれば、このカメラ装着は権力をもつ者について徐々に導入されていくことが予想されます。教員もその一つです。学校では、教員の体罰、暴言、性的な行為などが問題になっています。そこまで「犯罪的」なものではなくても、吃音の子供の音読...切り取り映像の氾濫

  • 該当作品なし、とは?

    「○○評価?」7月24日『ルポ芥川賞・直木賞27年半ぶり「該当なし」「もうひと踏ん張り」求め選考過程を振り返る』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、芥川賞については、『それぞれに心ひかれるものがありながら、何かが足りなかった』『芥川賞は新しい試みや視点をもたらしてくれる賞であってほしい(略)今回新しい試みなどもたくさんあったが、もうひと踏ん張りしてほしいところだった』ということだそうです。一方、直木賞については、『それぞれが突出した良いところを持っていた。ただ、比較対象にならない形で優れていた。比較することが難しかった』ということだそうです。私は、候補作のどれかに深い執着をもっているわけではありません。ただ気になったのは、両賞の選考=作品評価は、何評価なのだろうかということです。学校は、ある...該当作品なし、とは?

  • お薬が逆効果

    「無意味な」7月23日『熱中症頭痛に「特効薬なし」』という見出しの記事が掲載されました。『交流サイトでは「熱中症の頭痛にロキソニン飲んじゃダメ」という投稿が拡散され(略)熱中症のときに効く薬、注意したい薬はあるのか』という問題意識で書かれて記事です。記事では、埼玉慈恵病院副院長藤永剛氏がインタビューに応えてインした。藤永氏によると、『風邪などの場合は、ウイルスによって発熱や痛みを引き起こす炎症物質「プロスタグランジン」が作られ、神経を刺激することで頭痛が発生(略)熱中症は、体温上昇による血管の拡張や、脱水による脳のむくみや収縮、血圧低下による軽い酸欠により、神経が刺激されて頭痛が起きる』そうです。つまり、頭痛の根本的な原因が異なるので、プロスタグランジンの生成を抑えるロキソニンは、熱中症の頭痛には効かない...お薬が逆効果

  • 子供の考えそうなこと

    「子供というもの」7月22日倉田陶子記者が、『夏休みの宿題』という表題でコラムを書かれていました。その中で倉田氏は、小3の夏休みの思い出について書かれています。『先生が宣言した。「夏休みの宿題はありません」。ざわつく私たちに向かって先生は続けた。「新学期に元気な顔を見せること。宿題はこれだけ」。そして夏休みの間に「おーい、元気にしているか?」と声をかけながら、全ての児童の家を回ってくれた(略)麦わら帽子に短パン、腰に手ぬぐい姿で会いにきてくれた先生の笑顔と合わせて、忘れられない夏の思い出だ』と。これを読んだ私の感想は、「子供ってこの程度なんだな」という冷めたものです。意地悪く突っ込みたくなってしまうのです。終業式の日に宿題なしを告げて子供たちがざわついた、ということは抜き打ちの発表だった可能性が高いです。...子供の考えそうなこと

  • 感じるな、考えろ!

    「映像」7月22日『混迷増す政治どうなる』という見出しの記事が掲載されました。参院選の『結果やその背景、今後の動向について』の座談会です。その中で気になる記述がありました。早稲田大教授小林哲郎氏の『(政治に関心がなかった)人たちは元々新聞を読んでない(略)最初の政治との接点が動画』という発言、政策研究大学院大教授岩間陽子氏の『安倍さんの外交で記憶されているのは、トランプ氏をなだめている場面。それで外交が解決したかはまったく分からないけれど、そうしたイメージを一瞬で映像で与えることができてしまう(略)それを石破さんはまったく活用しなかった』という発言です。つまり、写真や動画という映像に人々が動かされる時代が来ているというのです。一方、小林氏の「新聞を読んでいない」という発言にあるように、読むという機能が人々...感じるな、考えろ!

  • 雰囲気という難問

    「いじめの構造」7月21日参院選の投開票を受け、紙面は選挙一色でした。そんな中『余禄』欄では、『参院選で物価高対策以上に「外国人規制」が争点化した』現象を取り上げていました。そして、『難民に冷たい閉鎖性は残存し「外国人優遇」とは程遠い。不満のはけ口を外国人に求め、排外主義に陥っては出口を見失う』と、理性的な外国人規制論議を求めていました。その通りだと思います。そして、これは学校におけるいじめ問題とも共通する構造だとも感じました。学級や部活で起こるいじめ、加害者たちに話を聞くと、被害者の問題点を挙げてきます。「決まりを守らない」「自分勝手な行動をする」「チームワークを乱す」「以前は私がいじめられていた」等々、被害者にも非難されるべき点があり、いじめたことは悪いけれどその分罪は減殺されるべきという論理です。こ...雰囲気という難問

  • 組織に有益だとしても私は…

    「その人の気持ちを」7月20日心療内科医海原純子氏が、『光の方向』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、自宅で飼っている2匹の兄弟猫の性格が異なることを紹介し、『違いは人間の場合も起こりうる』と書かれています。そしてある例を挙げています。『周りから、性格はいいんだけど、仕事がのろいと言われている女性がいた(略)ところがある時、その企業にとり重要な案件のデータの中に彼女がミスを発見した。他の人があまり点検しない部分に目を向けて見つけた(略)彼女でないとこういうのは見つけられない』と。そして、『人が目を向けない方向に目を向ける人がいたほうがこころ強い』と、彼女の存在を評価しているのです。複雑な思いを抱きました。近年、多様性に富む組織は強靭だという趣旨の意見に接することが多いような気がします。...組織に有益だとしても私は…

  • 考えようとしないズボラ脳

    「ズボラ頭」7月17日『「投票用紙、書き換え」のデマ』という見出しの記事が掲載されました。『選挙の投開票を巡り、根強く流布しているデマ』についての記事です。記事によると、『「投票用紙が書き換えられる」「開票所にスパイがいて結果を操作している」(略)そんなデマは今、ネット上に限らず、街角でも、まことしやかに語られている』というのです。書き換えることができるように、投票所には鉛筆しか置いていない、などというデマを信じ、ボールペンを持参する人もいるというのです。こうした人に『「誰が書き換えるのでしょう」と問うと、「分からないけど、県庁の偉い人とか?」と返ってきた』そうです。バカですね。記事にもありますが、『最初に投票所を訪れた有権者は必ず、投票箱が空であることを確認する(略)投票後の箱には最低二つの錠前がかけら...考えようとしないズボラ脳

  • 責めるのではなく協力して

    「言っていいの?」7月15日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る』という設定の連載企画『14歳の君へわたしたちの授業』、今回の教員役は心理カウンセラー内田良子氏でした。その中に「えっ!」と思わされた記述がありました。内田氏は、『私の子どもの時もいじめはあったけど、家庭が見守ってくれた。今は家庭に余裕がありません』と語っていらっしゃるのです。驚きました。30年前、いじめは大きな社会問題になっていました。ちょうどその時期、指導主事として教委に勤務し始めた私は、多くのいじめ事案に向き合ってきました。教員向けの冊子を作ったり、学校や担任を通さずに教委に直接訴えることができる仕組みを整えたり、個別のいじめ事案で学校を指導したり、様々な関わり方をしてきました。その間、一度として「家庭が~」「家庭に~」「...責めるのではなく協力して

  • 英語一辺倒でいいの?

    「それならば」7月14日『変わりゆく海外研修世界情勢見据え、異文化の刺激』という見出しの記事が掲載されました。『(中高の)海外研修に近年、異変が起きている(略)非英語圏の新興国や途上国を訪ねる学校も増えているのだ。なぜ、あえて新興国や途上国なのか』という問題意識に基づいた記事です。記事に取り上げられていたのは、私立文化学園大学杉並中学・高校が『インド、アラブ首長国連邦、トルコ、スリランカ、エジプト』。なぜこれらの国かというと、『さまざまな国を体験してもらって生徒たちの将来の選択肢の幅を広げる』ことが狙いだそうです。特にUAEについては、『発展途上国のエネルギーを感じてもらう』ということで、『近年は産業の多角化が進んでいる。観光業や金融業をはじめとする非石油部門の成長も著しく、世界中から観光客やビジネスパー...英語一辺倒でいいの?

  • 欠点も含めての友情

    「世界の非常識」7月13日東京女子大特別客員教授高原明生氏が、『戦後80年の国際秩序教訓伝える日本の責務』という表題でコラムを書かれていました。その中で高原氏は、『(アジア太平洋ラウンドテーブル)の「戦争、平和とアジア太平洋」と題されたセッションにパネリストとして参加した』ときのことを書かれています。高原氏は、『国際紛争の解決は平和的な手段に寄らなければならず、武力による威嚇や武力の行使は慎まねばならない。また、経済ブロックを作ってはならず、自由貿易を進めなければならない。これらは、2度の世界大戦という悲惨な経験を通して人類が学んだ教訓を踏まえた原理原則であり(略)だが、今や大戦から80年が過ぎ、人類は凄惨な戦争、甚大な犠牲の上に得られた貴重な教訓を忘れてしまったのではないか』と述べられたそうです。至極ま...欠点も含めての友情

  • 間違いは指摘する

    「委縮せず」7月12日『SNSチェックに注力「質の公平」重視事前報道充実図る』という見出しの記事が掲載されました。選挙に関する報道が、告示後には量の公平を重視するあまり、有権者に必要な情報を届けることができていなかったという反省に立ち、既存メディアで改善が図られていることを報じる記事です。その中に、言論法を専門とされる専修大教授山田健太氏のコメントがありました。山田氏は、『免許事業であるがゆえに「政治家のクレームを受けやすい状況」が委縮を生んでいたと分析』され、『選挙報道の質を高めるために重要なのは「事実に基づいて特定の候補者に不利な情報も出せるかだ」』と語られています。的確な指摘だと思います。と同時に、これはメディにとってだけでなく、学校にとっても貴重な指摘だと考えます。学校で主権者教育を行う際、最近よ...間違いは指摘する

  • 懲罰権乱用

    「乱用」7月10日『米、ブラジルに「50%の関税」』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『米国はブラジルに対して貿易黒字を確保しており、通商問題とは別の理由で大幅な引き上げに踏み切る』とのことです。その理由とは、『今年2月にクーデターの疑いでブラジル検察に起訴されたボルソナロ前大統領に対する裁判について(略)自身と親密な関係だったボルソナロ氏を擁護する』ことだということです。つまり、貿易赤字の解消、国内産業の保護という関税政策の目的とは全く関係のないことについて、「懲罰権」を行使しているということです。ブラジルは反発しているといことですが、当然です。国力の差から、最終的にトランプ氏の要求をのんだとしても、強制された反感、不信感は長く尾を引くことでしょう。このトランプ氏と同じ過ちを犯している教...懲罰権乱用

  • 学校<家庭

    「家庭教育の意味」7月10日読者投稿欄に、熊本県K氏の『父について行った平日の投票所』と題された投稿が掲載されていました。その中でK氏は、『私は小学1年か2年の時父にねだって初めて投票所に同行した(略)投票所は家から徒歩10分ほどの私が通う小学校の講堂(略)投票開始と同時に靴を脱いで入場し投票を済ませた。選挙管理委員会の職員らしい男性たちが三方に並び、ピリピリとした雰囲気が漂っていた(略)投票所の出入り口から眺めたこのときの印象は強烈で、選挙は神聖で厳かなものという思いが抜けない』と、子供のころの思い出を綴られています。実は私にも同じような経験があるのです。小学校の講堂が投票所というのも同じなら、入り口で見ていたというのも同じです。違うのは父はサンダルを履いていたことぐらいです。私も、厳かな感じがしたもの...学校<家庭

  • 高校でもやれば

    「本当?」7月8日『「学校ウサギ」ピンチ』という見出しの記事が掲載されました。『ウサギの学校飼育をやめる-。今春、各地の学校でそんな動きが相次いだ。「命の大切さを教える」などとして長く続いてきた学校飼育だが、その風景は変わりつつある』ということで、その現状や背景を探る記事です。私は以前から、学校飼育に対して否定的な考えをもっています。記事では、大手前大学教授中島由佳氏の『(学校飼育は)人間以外の種と世話を通して深く触れ合い、命を実感する得難い機会』という言葉を紹介されていましたが、本当にそうなのか疑問だからです。予算や体制の問題、教員の多忙化の問題はここでは触れません。あくまでも教育的な効果に話を絞りたいと思います。まず、中島氏の指摘のような効果があるのであれば、なぜ、中高でも学校飼育が行われないか、とい...高校でもやれば

  • 配慮って何?

    「雑な括り」7月7日田村彰子記者が『配慮は誰のため』という表題でコラムを書かれていました。インクルーシブ教育についてのコラムです。その中で田村氏は、『特別支援学級などでは、細かい配慮や指導を受けられるというメリットはあるだろう。しかし、そうした「配慮」は本来全ての子どもに必要だ。インクルーシブ教育の理解が進み、広がっていけば、障害のある子どもだけではなく今「普通」とされているこたちだって、もっと生き生きと暮らせるに違いない』と書かれていました。一見するとスラスラと読めてしまいますが、実に雑な論述だと思いました。田村氏は、文中で「配慮」という言葉を使われています。しかし、全ての子どもに必要な「配慮」と特別支援学級で受けられる「配慮」、両者は同じものなのでしょうか。現状は違います。それとも、「本来」という言葉...配慮って何?

  • あみだくじ

    「○○用語」7月6日『「鑑」の役割持つ報道スポーツと戦争用語』という見出しの記事が掲載されました。『米大リーグなどで話題となった「魚雷バット」は報道の言葉としてふさわしいのか』という問題意識に基づき行われた、日本新聞協会用語専門委員関根健一氏へのインタビュー記事です。インタビューに応え、関根氏は、『「魚雷」を使ったからといって戦争を賛美するものではない』『戦争用語といっても、使われ方や定着度は違う。適、不適の線をどこで引くのか判断するのは難しい』『戦争の記憶がよみがえる人もいる』『報道に携わる者として、、そういった想像力を持てるか、問われている』『知らなかった、考えたこともなかったというのは言い訳にならないだろう』などと語っていらっしゃいました。自らが携わる「報道」の役割を「鑑」とする関根氏、そうであるな...あみだくじ

  • 勘とエビデンス

    「必修化?」7月6日『高齢者楽器で認知力維持』という見出しの記事が掲載されました。『高齢になってから始めた趣味の楽器演奏を、その後も「続けた人」と「やめた人」とでは、脳の老化現象に差が出るとの研究結果を、京都大のチームが米専門誌に発表した』ことを報じる記事です。なお、『「やめたグループ」の中には趣味で運動していた人も多くいたが、認知機能低下を防ぐには楽器練習の方が有効』なのだそうです。詳細はよく分かりません。ただ、高齢者として、認知症に対する恐れが強い私は、この手のニュースに敏感に反応してしまうのです。そして、記事になっているのは、高齢者についての研究ですが、子供においてはどうなのだろうと考えてしまいました。『1曲通して弾けるように曲を覚え、他人と合わせて演奏することが認知機能に良い』という仮説が、子供に...勘とエビデンス

  • 「評価」はある

    「誤解のないように」7月5日『「学ぶ態度」評定対象外に』という見出しの記事が掲載されました。文科省が、『従来の成績評価の方法を見直し、評定をつける際に「主体的に学習に取り組む態度」を考慮しないとする』案を示したことを報じる記事です。記事ではその背景として、『適切な評価が困難で教員の負担にもつながっている』という指摘があることがあげられていました。具体的には、『評価理由を保護者らに対して客観的に説明するためにノートの提出の頻度や課題提出の締め切りを守れるかなどの形式的な「勤勉さ」の評価にとどまる事例もあった』ということです。また、この改革案に対しては、『(主体的な態度の)重要性が低くなったという印象をもたせないことが大事』『知識・技能中心のあり方の戻すと短絡的にとられないか』などの疑念が出されてもいるようで...「評価」はある

  • 嫌いとヘイトの間

    「嫌!」7月5日『立花氏「黒人やイスラム怖い」兵庫・街頭演説』という見出しの記事が掲載されました。『政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏は4日、兵庫県加古川市での街頭演説で「黒人とか、いわゆるイスラム系の人たちが集団で駅前にいると怖い」などと発言した』ことを報じる記事です。立花氏らしい雑な炎上目的とも思える発言です。実際にこうして「記事」になっているのですからニンマリというところでしょう。私も取り上げるのは腹立たしいのですが、少し気になり取り上げることにしました。この発言、新聞記事通りだとして、ヘイトスピーチに当たるのか、というのが私が感じた疑問です。「怖い」は感情です。その人固有のものです。それを非難することはできるのでしょうか、ということです。もし、黒人は犯罪者が多い、イスラム系は暴力的といったとすれ...嫌いとヘイトの間

  • 読めません

    「これ何?」7月4日論説委員小倉孝保氏が、『筆記体は難しい』という表題でコラムを書かれていました。その中で小倉氏は、『古文書を読むのは難しい。歴史の浅い米国でも事情は同じである。特にスマートフォンやパソコンが普及し、手書きの文書が減った今、古い書類の解読には一定のスキルが必要になっている。理由に一つは、アルファベットの活字体のhか筆記体があるためだ(略)年配者が手書きで記したカードを、若者が読めなくなっては世代間の断絶を深めてしまう』と書かれていました。私の中学生時代は、英語の時間に筆記体を教わりました。私のつれあいも同じです。彼女は今でも筆記体の方が書きやすいし読みやすいと言います。この記事を読み、活字体で英文を書こうとしたら、とてつもなく時間がかかり、どうして筆記体をやめちゃうんだろう、と文句を言って...読めません

  • 分かりやすさと一面的

    「忸怩たる思い」7月2日『推し細胞で盛り上がる小中高生漫画「はたらく細胞」が呼んだ生物人気』という見出しの記事が掲載されました。『子どもを対象にした生物学のイベントが近年、人気を呼んでいる(略)人気の理由には、ある漫画の存在があった』という記事です。ある漫画とは、『15~21年に「月刊少年シリウス」で連載された漫画「はたらく細胞」』です。『細胞を擬人化し、親しみやすくした』ことで人気を集めたとのことです。記事の中に気になる記述がありました。『難しいものを分かりやすく説明できる漫画の強味を生かした』という分析と、それに関連して、『人気は教育現場にも波及した。学校からは「教材に使用したい」という要望があり、医療を学ぶ学生からも「とっつきにくい免疫学や生物学を学ぶ時にイメージしやすくなった」という声が上る』とい...分かりやすさと一面的

  • 戦争容認党

    「反平和教育」7月1日『安倍氏財政規律に疑義脱・戦後レジーム狙う』という見出しの記事が掲載されました。参院選を控え、『減税を求める声が消えない。減税論はどこから生まれ、日本の政治に何をもたらすのか。「減税の潮流」を読み解く』という趣旨の記事です。その中にハッとさせられる記述がありました。『戦後間もない1947年に試行された財政法は、4条で「国の歳出は、公債または借入金以外の歳入をもって、その財源としなければならない」と定める。国の「借金」である赤字国債発行を原則禁じる条項だ。その目的は健全な財政運営だけでなく、憲法が掲げる平和主義とも関係する。法制定に関わった大蔵省の平井平治氏は、解説書で「公債のないところに戦争はないと断言し得る。本条は憲法の戦争放棄の規定を裏書保証する」と記している』です。私は、日露戦...戦争容認党

  • 幼稚園児は難しい

    「すごいことが起きている」6月30日『育児で実感子の個別性の物語滝口悠生さん短編集「たのしい保育園」』という見出しの記事が掲載されました。著者である滝口氏の言葉が印象に残りました。『保育や子育ては<子どもとの共同作業>の連続(略)抱っこ一つとっても、子どもも抱っこされる体の使いかたをしているから成り立つのであって、作業としては一緒にしている(略)親にあわせた抱かれ方が子どもの数だけある。そうした無数の「個別性」が同居する保育園には「保育士さんたちの複雑な技術があるはずで、すごいことが起きているんじゃないか」』。さすがに作家らしく、すごい感性であり、表現であると思いました。抱っこは親がしているのではなく、親子の共同作業という発見が新鮮です。そう考えれば、例えば、教員が子供を叱るのも、褒めるのも教員と子供の共...幼稚園児は難しい

  • 後悔先に立たず

    「魂からの言葉」6月28日連載企画『街角ことば拾い』は、『揺らぐ学問の自由』というタイトルで、国会議事堂前で、日本学術会議改変法案に反対する人を取り上げていました。その冒頭にこんな記述がありました。『「もう遅い。こんなざまで殺されるなら、なぜ命懸けで(戦争に)反対しなかったのか」太平洋戦争で亡くなった学徒兵、中村徳郎さんは激戦地に向かう直前、部隊まで面会に来た弟に「死んじゃだめだ」と請われ、こう言って悔やんだ(略)同じことばを私は千代田区の国会議事堂前で目にした。雨の降る中、70代男性が傘を差して歩道にしゃがんでいる。携えた段ボールにペンで書かれていた』。戦争には反対だ、学問の自由は大切だ、異なる意見を封殺してはいけない、等々、多くの人はそう考えているはずです。しかし、現実の社会では、こうした「理想」とは...後悔先に立たず

  • 数を競うのは教員の仕事ではない

    「今も?」6月27日『日本人のふりしない在日3世宿泊時に通名求められホテルを提訴「本名で生きる毎日闘い」』という見出しの記事が掲載されました。『在日韓国人3世で大学教員の女性が、予約していた東京都新宿区のホテルを訪れた。本名を伝えると、フロントで従業員の男性から旅券か在留カードを提示するよう求められた。女性は「携帯義務がなく、持っていない」と伝えると、宿泊を断られた。その後、男性から「通名を書くならば泊まれる」と持ちかけられた。普段から本名で暮らす女性はこれを断り、ホテルを出ることになった』という事案を受け、女性がホテルを提訴したこととその背景を報じる記事です。記事では、女性が、差別に直面し、『悔しさと恐怖を感じると同時に、本名で生き抜くことを誓った』今までの経験が綴られています。胸が痛むような記述ですが...数を競うのは教員の仕事ではない

  • 学校でペット、は無理だけど

    「休め、の勧め」6月27日『勉強の合間に休養を散歩、仮眠、ペット、掃除…組み合わせて』という見出しの記事が掲載されました。『休養を学問として研究し、ベストセラーになった「あなたを疲れから救う休養学」の著者で、一般社団法人日本リカバリー協会の片野秀樹代表理事に、休み方のコツを聞いた』という記事です。記事では、『高齢者より若者の方が疲労を感じている人が多かった』『(高校生は)約66%が日常的な疲労を抱えている』などの実態が紹介され、その背景として『睡眠不足や、スマートフォンの長時間利用などがある』という指摘もありました。納得です。そしてこれは、おそらく小中学生においても同じなのではないかと思われます。休養が人にとって重要であるのは昔も今も変わらないはずです。それなのに今、特に休養の注目しなければならないのは、...学校でペット、は無理だけど

  • 落第

    「誰のために?」6月27日『的外れ保育現場疲弊』という見出しの記事が掲載されました。こども家庭庁が『全ての子どもの育ちを支え、子育ての負担を軽減』という目的を掲げて試行した「こども誰でも通園制度」について、『子どもにも施設事業者にも負担がかかり、目的と実態の間でズレが大きい』ことを報じる記事です。ちなみに同制度は、『「保護者の立場からの必要性」に対応』する趣旨で、『6カ月~3歳未満の未就園児が対象で、利用時間は国が基本の上限を月10時間で設定』しています。記事の中に、『利用児は場所になれることができずに泣き続け、保育士2人は付きっ切りの対応に追われた。休憩の確保もままならず、担当外の保育士を投入したことも。同じ部屋で過ごす通常保育の在園児が活動に集中しづらくなり、保育士はフォローに追われるなど、保育活動全...落第

  • 不信のシステム

    「選択肢として」6月26日『女児画像共有2教員逮捕盗撮容疑10人参加、SNSで名古屋・横浜』という見出しの記事が掲載されました。『女子児童の盗撮画像を交流サイトのグループチャットで共有したとして、愛知県警少年課は24日、名古屋市立小坂小の教員、森山勇二容疑者(42)と、横浜市立本郷台小の教員、小瀬村史也容疑者(37)を性的姿態撮影処罰法違反(撮影など)容疑で逮捕した』ことを報じる記事です。記事によると、『チャット内では女児の着替え中の様子やスカート内などを盗撮した動画や画像約70点が共有されていた』『チャットは森山容疑者が管理し、全国の小中学校の教員10人程度が参加。校外学習の際に盗撮した画像などを共有し合い、「いいですね」「こんな機会があってうらやましいです」などと感想を送り合っていた』とのことです。言...不信のシステム

  • それも「いいね!」

    「多様性の時代」6月23日読者投稿欄に、宇都宮市のI氏による『じゃないほう』と題された投稿が掲載されていました。その中でI氏は、女性活躍の推進という言葉を耳にするたびに、『活躍しなきゃダメですか』という思いが沸き上がってくると書かれています。『女性というだけで活躍できなかった人たちが、能力を発揮できるようになるのは喜ばしい。しかし、当然ながらこの国で働く女性全員が人の上に立ちたいと思っているわけではない。私のように置かれた場所で自分なりに頑張りたい女性だってたくさんいるのだ』ということです。そして、『上を目指す人も下から支える人も、働いている人も家庭を守っている人も、それぞれの持ち場で頑張れる世の中になればと思う(略)「じゃないほう」だって世の中には必要なんだぞ』という言葉で締めくくられているのです。共感...それも「いいね!」

  • 押し付け可、押し付け不可

    「誤解」6月23日読者投稿欄に、神奈川県の高校生K氏の『作ってほしい「主権者教育」科目』と題された投稿が掲載されていました。その中でK氏は、『思想の押し付けと批判されるリスク』などの課題から、主権者教育の導入が進んでいないという見解を示し、『投票率を上げるために日本の教育界の人々には「主権者教育」の導入を真剣に考えてみてほしい』と訴えているのです。大変頼もしい若者です。ですが、一つだけ誤解していることがあります。それは、思想の押し付けと批判されるリスク、という考え方です。K氏だけではなく、国民の多くも誤解しているのではないか、と思われます。我が国の「主権者教育」においては、特定の思想を押し付けることは認められています。同様に、特定の思想を否定し排除することもまた認められているのです。我が国の学校教育は、民...押し付け可、押し付け不可

  • 否定が正解?

    「支持せず、が正しい?」6月23日『「反自衛隊」の意識変化県民の世代交代増える容認派』という見出しの記事が掲載されました。沖縄県民の意識について、『日本に復帰すると、県内に自衛隊が配備された。当初は「反自衛隊感情」が強く、隊員の住民登録を拒否する自治体もあった(略)22年に沖縄県在住者を対象に実施した世論調査では、自衛隊の強化に賛成が40%、「どちらともいえない」が32%、反対が28%。18~34歳では肯定的な意見が多く、賛成が47%、反対派21%だった』という結果を報じています。そしてその背景として、『(沖縄)県内では6月の「慰霊の日」前に沖縄戦に詳しい人から話を聞く機会を作るだけの学校も多い。学校や家庭で沖縄戦や基地問題について学び、話し合う機会が減っている』を挙げています。要するに、平和教育が充実し...否定が正解?

  • 現実的不正義

    「トランプ流はダメ」6月21日『イスラエルへの自制促しは困難トランプ氏』という見出しの記事が掲載されました。トランプ氏が、『イスラエルに対してイランへの攻撃をやめるように促すことは「非常に難しい」と述べ、交戦で優位な状況にあるイスラエルを抑えるのは困難だとの見方を示した』ことを報じる記事です。トランプ氏は、ロシアのウクライナ侵攻について、大統領就任前に24時間で解決できると豪語していました。いまだに何ら進展がありませんが、これまでの発言から、「劣勢な方が譲歩するのが現実的解決であり、正義不正義は関係ない」という考え方をしていることは明らかです。今回も同じです。正義不正義、戦争で言えばどちらが先に侵略攻撃をしたかには関係なく、今優勢な方の主張が優先されるべきという考え方です。優勢であるイスラエルが戦争は止め...現実的不正義

  • トランプ氏と同じ

    「将棋より麻雀?」6月21日書評欄に、作家佐藤優氏による『「老いの思考法」山極寿一著文藝春秋』についての書評が掲載されていました。その中に気になる記述がありました。『類人猿は自分と相手の2者間で交渉する際に相手の考えを読むことができますが、人間は3者間、4者間の社会交渉でそれぞれが何を考えているかを推し量ることができます』という記述です。この記述を読み、正直少しがっかりしました。私は類人猿に近いのではないか、と思ったからです。私は将棋が趣味です。自分ではやりませんが、新聞の囲碁欄にも目を通します。ですが、マージャンは大嫌いです。誘われたことはありますが、断固として断りました。理由はというと、自分以外の3人の相手について心を読まなければならないのが鬱陶しいのです。混乱してしまいますし、落ち着いてじっくり考え...トランプ氏と同じ

  • 見てるだけでいい

    「嫌なんだけど」6月21日『広がる「ペット婚」当世結婚式主役は嫌!?』という見出しの記事が掲載されました。『近ごろはペットを前面に押し出した「ペット婚」が定着しつつあるらしい。新郎新婦たちが「目立ちたくない」「主役になりたくない」と考えるためだとか(略)令和の結婚式事情を探ってみる』という趣旨の記事です。私は犬も猫も大嫌いです。ペット婚など想像もできません。でもそれはここでは触れません。気になったのは次の記述です。『最近は「ゲスト全員が参加できるイベントがしたい」との声も多い。例えば、クイズだと、テーブルごとにチームを組んで対抗戦にするといった具合だ。新郎新婦とゲストとの距離を縮めるため、新郎新婦のメインテーブルをなくしてソファにすることもある(略)ウェルカムスペースで自撮りができるように鏡を置いたり、ゲ...見てるだけでいい

  • 専門分野のはずなのに

    「知ってる?」6月19日『小学生向けピル外来誕生』という見出しの記事が掲載されました。『初潮を迎え、生理痛などの不調を抱える小学生からの女性が受診できるピル外来が東京都内に誕生した』ことを報じる記事です。記事には、『思春期は子宮の過収縮による生理痛などの月経困難症が多い』『不妊の原因にもなる子宮内膜症も10~20代で増加』『生理痛については43%が「我慢している」、35%が「薬で我慢している」、15%が「勉強や体育がつらい」』などの実態が紹介されていました。そして、『小中高生らが婦人科を受診する心理的ハードルは高い』『ピルには否認目的のイメージが強く、敬遠されがち』『婦人科では「内診台での診察が必須」と勘違い』など、医療に結びつきにくい状況も記されていました。私自身、知らないこともありました。つれあいが高...専門分野のはずなのに

  • 刑事の勘は無視できない?

    「珍しい」6月19日『中3英語スピーキングテスト量と質効果検証を』という見出しの記事が掲載されました。『中学3年生を対象に、2022年から導入された「英語スピーキングテスト」(略)英語教育に詳しい明治学院大の新多了教授に、スピーキングの必要性や同テストの方向性について聞いた』記事です。私はこのブログで英語教育についても再三触れてきました。しかし、今回は英語教育とはあまり関係のないことについて述べます。新多氏は、英語スピーキングテストについて、『コストに見合う効果があるかどうかで判断すべき』と述べています。そして具体策の一つとして『生徒の点数が上がったかどうかという「量」と、教員が子どもたちの能力向上を感じられるかどうかという「質」の両方を検証した方がいい』ともおっしゃっているのです。今どき、とても珍しい見...刑事の勘は無視できない?

  • 知恵者にかかれば自由自在

    「本当は知っていたはず」6月18日『農水省コメ在庫量調査へ今月末時点小売業者も対象』という見出しの記事が掲載されました。農水省が『国に届け出ている全てのコメの出荷・販売業者に対し、食糧法に基づき、6月末時点の在庫量の報告を求める調査を実施すると発表』したことについて報じる記事です。記事によると、『大規模な在庫調査は現行のコメの流通制度となった2004年以降で初めて(略)国のコメの需給見通しが正しかったかどうかを検証する材料にもする』とのことです。20年以上、不正確な調査を行い、それに基づいて農政を行ってきたのか、と驚く人もいるかもしれません。私もその一人です。と同時に、もっと恐ろしい想像もしてしまいます。それは、今回の騒ぎになるまで、調査の不備に気付かなかったというミスがあったのではなく、調査に不備がある...知恵者にかかれば自由自在

  • 友達はいなくなっても

    「どうすれば」6月17日オピニオン編集部小国綾子氏が、『NO!と言えるために』という表題でコラムを書かれていました。その中で小国氏は、『NOって言えたら、自分を守ることができるし、まわりの人に大切にしてもらうことができる。そうやって私たちは大きくなるんだ!NOと言えるようになったとき、自分が決めたYESが言えるようになる』という『NO!と言えるようになるための絵本』の言葉を引用して紹介なさっています。そして、『必要な時きっぱりとNOと言えるようになるには幼い頃からの練習が必要ではないか』ともおっしゃっています。全く同感です。コラムでは、同絵本に書かれた『具体的な提案』も紹介されています。『自分の中の小さな声に耳を傾けてごらん』『小さい紙にNOと書いてポケットに入れておくと勇気が出る』『一人で言うのが難しい...友達はいなくなっても

  • 中高では無理でした

    「性教育で取り上げたら」6月17日『性風俗の除外最高裁「合憲」』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナ対策の持続化給付金などの対象かた性風俗事業者を除外した国の規定が、法の下の平等を定めた憲法14条に反するかが争われた訴訟の上告審判決』について報じ、解説する記事です。記事では、『デリバリーヘルスは、子どもの健全な育成を阻害しないように営業場所が限定されるなど様々な規制が設けられていると指摘。規制がなければ風俗環境が害される恐れがあるという現行法上の位置付けからすれば合理性を欠くとはいえない』と判決理由が要約されていました。さらに、『裁判官の個別意見に目を向けると。職業差別を容認するような誤ったメッセージとならないように配慮』されているとも指摘されていました。私はこの問題について、地裁判決段階で、...中高では無理でした

  • 3つともに不満が

    「3つとも不満」6月16日勝田友巳氏が、連載コラム『映画のミカタ欄に、『戦争を記憶する』という表題でコラムを書かれていました。その中で藤田氏は、『日本の戦争映画の基調は「反戦」だ。鑑賞後に「だから戦争はいけない」と考えさせる』と述べ、『いくつか傾向があ』ると指摘なさっています。そして、『一つは「非人間多岐な戦場や軍隊が、人間を狂わせる」(略)もう一つは「罪のない庶民が理不尽な暴力に苦しめられる」(略)それから「未来を担う若い命が、理不尽に奪われた」』と、具体的な作品名を挙げて解説なさっています。分かりやすい解説でしたし、映画について博識さには脱帽させられました。ただ私は、そこに日本人の戦争観、ひいてはそうした戦争観を植え付けてきたことに一役買ってきた戦後の「平和教育」に対する物足りなさを感じてしまいました...3つともに不満が

  • システムだけを作っても

    「馬耳東風」6月14日『私学生徒の権利誰が守るいじめ・ハラスメント対応「自主性」の壁』という見出しの記事が掲載されました。『部活動の顧問からいじめやハラスメントを受けて学校や自治体に相談しても、対応してもらえない(略)私立学校は公立学校に比べ行政による指導監督権限が及びにくい』ということで、『私立に通う児童・生徒の権利が侵害された場合の救済機関の必要性を訴え』る記事です。記事では、『「私学の自主性」が「私学の治外法権性」を生み出している』との指摘がありました。その通りです。物事には、ある面での長所が別の面では短所として働くという場合があります。というよりも、ほとんどの場合がそうなのです。記事では、私学の自主性という長所はそのまま残し、治外法権性という短所だけ取り除くことが主張されていますが、そんなことは不...システムだけを作っても

  • ただ、はない

    「これもバラマキ?」6月16日読者投稿欄に、茨城県I氏による、『「ゴミを捨てる」は便利だが…』と題された投稿が掲載されていました。その中でI氏は、3日掲載の『導尿カテーテルの捨て場所ほしい』という投稿や、ご自身の子育て体験として『おむつを替える場所はあっても、おむつ用ゴミ箱がない所も多く、よく自宅に持ち帰っていた』ことを例に、『外出時に捨て場所があったら便利ですが、自分の代わりに、仕事としてそのゴミを処分してくれる人がいます。その分は利用料や税金に反映されます』と述べ、『どこまで便利さを求めるのか』と問題提起されているのです。とても興味深い指摘であり、問題提起であると思いました。今、私たちは様々なことを「権利」として求めます。子供の登下校時の安全確保、巡回警備員を配置すれば、税金が人件費としてる使われます...ただ、はない

  • 子供を信じ、可能性を信じ……、という放置の言い訳

    「30年前の論争」6月14日読者投稿欄に、愛知県大学生K氏による『子どもの個性伸ばせる教師目指す』と題された投稿が掲載されていました。その中でK氏は、『子どもたちには幅広い自由な考えを持ち、個性を伸ばしてもらいたい。そのためのサポートができたらと考えている。今後も多様な意見や表現を受け入れる姿勢を大切にしたい』と書かれていました。今から30年ほど昔、学校教育をめぐっては、個性尊重、個性を生かし伸ばす教育などの言葉が叫ばれていました。新米指導主事だった私は、個性尊重と基礎基本の徹底ということについて、学校に、教員に伝えることが仕事の一つになっていました。個性には伸ばしてはいけないものもある、伸ばしてはいけない個性を撓め修正するのが教育の役割、読み書き算盤に代表される基礎基本という土壌があってこそ個性という花...子供を信じ、可能性を信じ……、という放置の言い訳

  • 落選が続いても

    「もう限界」6月12日『教員給与段階的引き上げ処遇改善へ残業時間に目標値』という見出しの記事が掲載されました。『公立学校教員の処遇改善を目的とした教員給与特別措置法などの改正法が11日、参院本会議で賛成多数により可決、成立した』ことを報じる記事です。本件についての解説では、改正の目玉とも言える残業時間30時間という目標に対し、『業務削減の「実行部隊」となる教育委員会からは「現場の実態を理解していない」との声も上がっており(略)学校行事の精選や開校時間の短縮、ICT機器の活用による効率化などに取り組んできた。「できることはおおむねやってきたが、45時間の達成すら難しい』などの反発の声が寄せられていることが紹介されていました。校長からも、『計画作りが教委に丸投げの状態。教委から学校に丸投げされる可能性もある』...落選が続いても

  • 外国のことは分からない、でいい?

    「弱点」6月12日『「異形の民主主義」の時代』という見出しの記事が掲載されました。東京大学元学長佐々木毅氏へのインタビュー記事です。その中で佐々木氏は、トランプ米大統領について触れ、『私たちの社会は長く経済が優先されていた(略)政治の時代に変わった』と述べられています。そして、『日本の政治にとって最もタフな問題は国内では起きない。外から来る』『外交は選挙の争点にはならないと言うけどさ、今は歴史の転換点に直面している』『僕たちも国際問題をよくよく考えるクセをつける必要がある』などと語っていらっしゃるのです。全く同感です。民主主義、人権、法治主義、権力間の牽制など、長年我が国が無条件に「良きもの」としてきた価値観を否定する動きが世界中で強まる中、国内の経済問題だけを考えていればそれで済むという時代は終焉を迎え...外国のことは分からない、でいい?

  • あの頃

    「近現代史」6月11日デロイトトーマツリスクアドバイザリー梶原敦子氏が、『80年代の社会に未来思う』という表題でコラムを書かれていました。その中で梶原氏は、テレビドラマ「北の国から」に描かれる暮らしを取り上げ、『農業従事者であった主人公が冬の農閑期には東京に出稼ぎに出る姿が描かれていた。子供たちは、父親が出稼ぎに出ている冬の間、何と兄妹2人で家を守っていた。今、子供をそんなに長い間放置したらネグレクトとして児童相談所に保護されてもおかしくない』と、当時、80年代初頭と現在を比較なさっています。その他にも、『女性も男性も会話の合間に頻繁にたばこを吸っていた』ことも例示し、『SDGs、コンプライアンス、健康寿命など、健全なことがが社会概念の主流を占める現代』との違いを指摘なさっていました。私はこの記述を目にし...あの頃

  • 社会の変化のプラスマイナス

    「正しい分析?」6月10日植草学園大教授野澤和弘氏が、『親の過保護、過干渉と子の将来就活まで続く影響力』という表題でコラムを書かれていました。その中で野澤氏は、『子どもが幼いころだけでなく、成人になってからも干渉し続ける親が増えてはいないか(略)親の古い価値観に支配される子どもの将来はどうなっていくのだろうか。暗いものを感じざるを得ない』と述べられています。そうなのかもしれません。ただ、野澤氏が分析する過保護過干渉の背景については違和感を覚えます。野澤氏は、『もともと日本の民法は「親権」として様々な権利を定めている』とし、それが『成人となった子どもの職業に対してまで親の支配下にあるかのような慣習』に結びついていると指摘されています。もしその分析が本当であるならば、民法改正で親の懲戒権が削除された現在、親の...社会の変化のプラスマイナス

  • 大切な時期は

    「A中だけ?」6月10日『中1秋の成績大学受験に影響古梶裕之・浅野中校長に聞く「子どもに合う志望校」』という見出しの記事が掲載されました。首都圏屈指の中高一貫の男子進学校として知られる浅野中校長古梶裕之氏へのインタビュー記事です。その中にとても気になる記述がありました。『中学入試時の順位と、中3の終わりの順位を調べたら、相関はあまりなかった。しかし、中1の2学期に行う中間試験と中3の終わりの順位は強い相関があった(略)中1の時に、学習サイクルを確立できているかどうかが高校以降の成績、ひいては大学受験の結果にも影響してくるのだ』という言葉です。実は私自身、小学校卒業時の成績は国社算理はオール4、まあ中の上でしたが、中1の2学期は国社数理英は、5が3つに4が2つと大幅にアップしていたのです。中三では、200人...大切な時期は

  • 正解は分かっているけど

    「手段がないなら」6月8日客員編集委員滝野隆浩氏が、『声でみる認知症リスク』という表題でコラムを書かれていました。『スマートフォンに向け声を出すだけで、軽度認知障害のリスクが分かるアプリ』についての話です。『画面の案内に従って数字を読み上げれば1分ほどで結果が出る』そうです。このアプリについて滝野氏は、『どうだろう。早期に分かれば、不安がそれだけ長く続くことにならないか』という懸念を寄せられています。それに対し開発者の東京大大学院特任教授徳野慎一氏は、『それは違う(略)リスクが分かってもそれなりの生活をすればいい。耳が聞こえづらいなら補聴器、目がわるいなら眼鏡がある。認知機能がもし落ちても、スマホにあるメモやスケジュール機能などで十分カバーできますから』と答えられています。私は、祖母と両親が認知症を患って...正解は分かっているけど

  • 「お客さん」はいない

    「授業を変える」6月7日国学院大准教授町田樹氏が、『性別論争をめぐる第三の道』という表題でコラムを書かれていました。その中で町田氏は、トランプ米大統領が『トランスジェンダー女性の女子競技参加を禁止する大統領令に署名して以来、スポーツ界では性別カテゴリーに関して激しい論争が繰り広げられている』ことについて、『トランス女性が女子競技の公平性を損なうか否か、という論点とは異なる議論の方向性を示す』とおっしゃっています。それが、学校における体育の授業や部活動などの在り方を考える際に、とても参考になる案なのです。町田氏は、『競技に「偶然性」や「可変性」を取り入れて、身体が持つ優位性の緩和ないし分散を試みるスポーツを構想してみてもいいのではないか』と提案なさっているのです。その具体例として、『サッカーのキングスリーグ...「お客さん」はいない

  • 前提は人員増

    「責めないで」6月3日『一時保護親不同意で裁判所判断司法の目機能するか』という見出しの記事が掲載されました。『虐待などの理由で子どもを親から引き離す児童相談所の一時保護を、裁判所が認めるかどうか判断する司法審査が6月から始まった(略)判断がより適正になることが狙いだが、課題はないのか』という問題意識で書かれた記事です。記事には、『一時保護の是非を裁判所に任せられるので、親と前向きな話がしやすくなる』という肯定的な意見とともに、『(児相の)仕事量の増加は避けられない』という懸念も示されていました。私が教委で生活指導を担当し、周辺区5区の生活指導担当指導主事会のリーダーを務めていたころ、児相は対応が遅い、一時保護に消極的というのが指導主事たちの共通認識でした。親からの苦情を必要以上に恐れ、一時保護を避けようと...前提は人員増

  • 常に同時並行で

    「常に必要」6月3日『市長直轄「監察課」が実態調査大阪・寝屋川のいじめ対策』という見出しの記事が掲載されました。『教育委員会ではなく、市長直轄の「監察課」が、いじめの実態調査を進めるのが特徴』である寝屋川市の取り組みについて報じる記事です。記事によると、『寝屋川市は、教育委員会主導でいじめの解決をはかる従来の手法を「教育的アプローチ」と呼び、限界があると分析した。学校側がいじめる側といじめられる側の人間関係の再構築を目指すため、問題解決に時間がかかる』とし、監察課の『行政的アプローチ』、即ち『あえて加害者と被害者という概念を取り入れ、加害者側の指導ではなく被害者のケアを急ぎ、いじめの即時停止を目的とする』というのが基本的な考え方のようです。私は拙著「断章取義」でもいじめ問題を取り上げ、『まず正常な状態に戻...常に同時並行で

  • 6歳までと6歳から

    「分業?」6月2日横山三加子記者が、『企業が求める能力は』という表題でコラムを書かれていました。その中で横山氏は、『企業が求める人材に変化が起きている(略)「倫理的判断力」「共感力」「継続的に学習する能力」を重視する傾向が強まっていた』と書かれています。そして、『大事な能力なら私もぜひ高めたい。でも(略)「6歳くらいまでの形成される価値観」とのこと(もう手遅れ?)』とも書かれているのです。三つ子の魂百まで、という言葉があるように、子供の時期に身についた性質がその後も大きくは変わらない、という理屈は理解できます。私が引っ掛かったのは、能力の話をしていたはずなのに、最後は価値観の話になっていることでした。価値観と能力の関係はどうなっているのだろうと疑問に思ったのです。6歳までにということは、学校教育は関与でき...6歳までと6歳から

  • 美人は〇〇、金持ちは▽▽

    「バカには分からない?」6月5日『憧れも悔しさも正直に書く』という見出しの記事が掲載されました。作家小谷野敦氏へのインタビュー記事です。その中で小谷野氏は普通の人が言わないようなことを連発しています。『海城(高校)時代はいじめが横行していて。文Bだと成績がいい分、人間がゆがむんです(略)最も性格の悪い男はいま大学教授です。頭がいいと人間性もゆがむって感じはしますね』『テストの前になると、自分の家にあるマンガを大量に学校に持ってくる同級生がいたの。私なんかそのマンガを夢中になって読んじゃうんだけど、その間に彼はいい点をとって、京都大学なんかに行っちゃった(略)受験体制がもたらす、ねじくれた競争意識というのかな』。誰しもが負け惜しみを含めて、似たような感慨を抱くことはあるとおもいますが、新聞という公器に、こん...美人は〇〇、金持ちは▽▽

  • はやく喰え!

    「グジュグジュ頭?」6月2日『肥満に関係「かむ力」と「食べ方」』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『かむ力が弱い児童は、強い児童に比べて1.5倍も肥満になりやすいことが分かった。食べ方で比較すると、「早食い」が1.73倍、「口いっぱい」は1.29倍も「はい」と答えた児童の方が肥満になりやすかった』のだそうです。この結果を踏まえ、記事は『しっかりかんでゆっくり食べるよう、食べ方の習慣を変えてほしい』という提言で結ばれていました。最近少し肥満を気にしているつれあいと記事について話しているうちに、話はおかしな方向にそれていきました。人類が肥満を気にするようになったのはつい最近のことであり、人類の歴史の99%は、飢餓こそが問題であり、むしろ少しでも効率的に脂肪を蓄えることが重要であったはずだという...はやく喰え!

  • 自己否定……苦しい

    「当事者性」6月2日『性的少数者理解進まぬ学校現場NPO調査中高生9割困難経験』という見出しの記事が掲載されました。『LGBTQなど性的少数者の若者を対象にした調査で、この1年に学校で困難やハラスメントを経験した中高生は9割にのぼり、そのうち6割超が教職員が要因になっていることが、NPO法人の調査結果で判明した』ことを報じる記事です。記事によると、具体的に『(教職員による)自分や他の人が当事者でないと決めつけた言動』が挙げられ、『「担任にセクシャリティーについて安心して相談できない」と答えた中高生の割合は94.6%に上った』とのことでした。嘆かわしい実態です。どういうことかというと、例えば思春期の変化として、「異性愛が芽生える」ということを指導したとします。現在では、「みんなも聞いたことがあると思うけど、...自己否定……苦しい

  • いつも蚊帳の外

    「日本文化?」6月1日日本芸術文化振興会理事長長谷川眞理子氏が、『リベラルの理念どこへ?「世のため」の原点見直せ』という表題でコラムを書かれていました。その中で長谷川氏は、トランプ大統領の言動を念頭に、『20世紀の米国の大金持ちには、「世のため」にという精神があったが、今はもうない、という議論はよく聞く。日本文化には、「世のため」という精神はあるはずだ。この際、その原点を見直すべきではないか』と書かれています。そうなのでしょうか。私は、我が国には「世のため」という文化的な伝統は乏しいと思っているのですが。「世のため」という考え方は、健全な民主主義の維持に有用です。この考え方が乏しい国や社会では、分断が起き、私たちとあいつら、敵と味方という概念で社会を見、敵に勝つ、敵の陰謀を打ち砕くことこそが自分たちの使命...いつも蚊帳の外

  • 病気だった?

    「実は病気だった?」6月1日『更生重視変わる刑務所』という見出しの記事が掲載されました。『発達障害がある受刑者の社会復帰を支えようと、大阪刑務所が、個人の特性に合わせた処遇に取り組んでいる』ことについて報じる記事です。記事には、『発達障害そのものが犯罪に結びつくことはないが、法務省は「自分や他人の特性を理解しないまま出所し、社会で孤立してしまい、再犯に至るケースもあった」』という記述がありました。私は、教委勤務時に担当していた、指導力不足教員研修と服務事故再発防止研修の受講者たちを思い出してしまいました。どちらも、教員として問題があると認定され、研修を命じられた教員たちでした。彼らの中に、今思えば、大人の発達障害の人がいたのではないか、と考えたのです。一人一人の教員については、拙著「教員改革」で触れていま...病気だった?

  • 今後も後を絶たないはず

    「思い知ったか」5月30日『「3歳の頭」外部コーチ暴言東京・区立中女子ソフト部生徒は競技断念』という見出しの記事が掲載されました。『外部コーチを務めている40代女性が、2022~23年度、部員の女子生徒に対して「バカ」といったメッセージを送信したり他の部員の前で「3歳の頭しかない」などと叱責(略)コーチや学校、区教委から謝罪がないまま生徒は卒業し、競技を続けることを断念した』という事件について報じる記事です。暴言はそれ以外にもいくつも報じられていましたが、詳細は省きます。ただ、このコーチについては、『卒業後に日本代表になった教え子もいる』『現在もこの中学校で指導を続けていること』ことと、被害生徒は『高校でもソフトボールを続けるつもりだったが、競技を続けるとコーチと関わる恐れがあるため、ソフトボール部のない...今後も後を絶たないはず

  • 花壇に○○を

    「率先して」5月28日『官邸での除染土再利用方針決定』という見出しの記事が掲載されました。『政府は27日、東京電力福島第一原発事故後に出た福島県内の除染土の再利用や県外処分の実現を目指し全閣僚が参加する会議を開き、首相官邸で除染土を使う方針を決めた』ことを報じる記事です。全国にたくさんある公共施設といえば、学校です。国立・公立の小中高大は、膨大な数になり、その占有面積も広大です。どうして、学校の敷地内で除染土を使うという方針を立てないのでしょうか。だって、「安全」なのですよね。子供たちに、原発再稼働の是非について自分事として考えさせる良い機会になると思います。そこから広く我が国のエネルギー政策について考えさせることも可能です。特に首都圏の学校の場合、自分たちが使う電気の生産を地方に押し付けているという構造...花壇に○○を

  • できない!と叫びたい

    「理想論では」5月28日『認知症Q&A』のコーナーに、『(認知症の)母は暴力的になり、父をかばうと娘の私を父の愛人と思ってか「この家に居られなくする。裁判を起こす」などと言います。対処法を教えてください』という相談が寄せられていました。介護福祉を専門とされる回答者は、『苦痛や不快から生じていることもありますから、体調チェックしてみましょう』『深呼吸して心のゆとりを持ち、お母さんの言っていることを否定せずにまずは聞き入れ、落ち着いたところで話題を変えて関心をそらしてみてはどうでしょうか。殴りかかってくる場合であっても、落ち着いてかかわりましょう』『危険が伴うようであれば、、少しその場を離れて様子を見てください』『そばに寄り添っているだけで落ち着くことは多いものです』『本人が支持されている、愛されているという...できない!と叫びたい

  • 教育という視点で

    「統一見解はある?」5月26日『最新技術駆使アートの今』という見出しの記事が掲載されました。『テクノロジーはアートの定義を変えるのだろうか』という問題意識の下、『六本木の森美術館で開催中の「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展』を取り上げた記事です。同展では、『ゲームを製作するためのソフトウエア「ゲームエンジン」やVR、生成AIといった新しい表現手法を獲得したアートの今』が見られるそうです。記事の中に、『現在「アート」とされる絵画や彫刻を「オールドメディア」と呼ぶ人もいる』という記述がありました。さらに、『AIなどの技術を誰でも使えるようになってきた時代に、それを手法とした作品を作る作家が増えてくることは逃れられない』という学芸員の声も紹介されていました。さてそこで、小学校の図画工作において、...教育という視点で

  • 変質

    「便利箱」5月23日『小学校総合学習「情報領域」新設文科省方針』という見出しの記事が掲載されました。『次期学習指導要領に向けた改定作業を行う中央教育審議会特別部会が22日開かれ、文科省は情報活用能力の向上に向け、小学校は探究的な学びを行う「総合的な学習の時間」の中で情報に関する領域を新設して教える方針を示した』ことを報じる記事です。具体的には、『情報技術の基本的な活用方法や適切な取り扱いなどを学ぶ』ということだそうです。残念です。私がこの記事を読んで感じるのは、「総合的な学習の時間」は、本来の趣旨から離れ、何でも放り込んでおける便利な箱になってしまった、という思いです。私が指導主事をしていたときに創設された「総合的な学習の時間」は、これからの時代を担う子供たちにとっては生きる力の涵養が重要であり、生きる力...変質

  • トランプ型クレーマー対処法

    「トランプ病」5月22日連載企画『混迷する世界を語る』に、政治学者ヤシャ・モンク氏が、『「ゼロサム」のトランプ氏』というタイトルで寄稿なさっていました。その中でモンク氏は『トランプ大統領の世界観は「ゼロサム」思考に基づいている。すなわち「米国が勝つためには誰かが負けなければならない」とする考えで、両者が利益を得る「ウィンウィン」の発想はない。ゼロサムの対立構造はトランプ氏の人生を構成する不変の要素だ』と書かれています。その通りだと思います。そして、教員として、あるいは教委の幹部として多くの子供や保護者に接する中で、トランプ氏と同じ考え方の人は意外に多いとも感じています。こうした思考法の人にはどのように接すればよいのでしょうか。私の経験から言うと、ウィンウィンの考え方が通用しないというのは当然ですが、このウ...トランプ型クレーマー対処法

  • 爪を切る

    「問題発見能力」5月21日川柳欄に、茨城県M氏の『古代人爪どうやって切ってたの?』という句が掲載されていました。なるほど、です。こんな「?」、私は考えたこともありませんでした。そういえば以前、何かの本で何十年も爪を伸ばしっぱなしという女性の写真を見たことがありました。彼女は伸ばせば数㍍にもなる両手の爪を袋のようなもので包んでいました。何もしないままだと折れてしまうのだそうです。家事はもちろん、着替えも入浴もおそらく排泄後の始末も、自分ではできなかったと思われます。どうしてそんな事をしているのかは忘れてしまいましたが、爪も伸びすぎると大変だな、と思ったことは憶えています。また、芸能人で5cmほどの長さのカラフルな爪をしている女性を見て、米も研げないねとつれあいと話したこともありました。つまり、長い爪=生活上...爪を切る

  • 優しさを支えるもの

    「優しい心」5月21日読者投稿欄に、三重県の元教員N氏の『優しい看護師になっていてほしい』と題された投稿が掲載されていました。N氏は、『62歳の時、初めて衛生看護科の授業を持つ』ことになり、そのときの彼女たちも20代後半という年齢になっているとのことでした。そして、『心身が弱っている患者に寄り添い、信頼できる、優しい看護師であってほしい』と願われているのです。多くの人にとって、特に引っ掛かるところのない内容だと思います。でも私は気になってしまうのです。N氏が挙げた「寄り添い」「信頼できる」「優しい」の3要素の関係はどうなっているのだろ、N氏はなぜ「優しい」を最優先に考えている(タイトルがそうなっている)のだろう、ということに。看護師も教員も、人に接する仕事です。私は教員についていつも、「優しい」と「指導技...優しさを支えるもの

  • とりあえず今は…

    「平凡な言葉」5月20日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る』という趣旨の『14歳の君へ私たちの授業』、今回は魚の伝道師上田勝彦氏が登場されました。平凡人の私などには想像もつかない人生を送られてきた上田氏ですが、強く私の印象に残ったのは実に平凡な言葉でした。仙台から千葉、さらにオーストラリアから東京、そして長崎の大学へ、寿司屋のバイトから漁師のバイト、そのまま漁師になるかと思えば、水産庁の役人になり、大学の客員教授と、ずっと魚に関わってきた上田氏は、『好きなことがあれば中断してもやめないこと。特にない人は勉強でもしよう』と語られているのです。好きなことを見つけて打ち込む、これは多くの「成功者」が口にすることです。上田氏の言葉も前段はその類です。真実なのかもしれませんが、平凡人の私には「子供の...とりあえず今は…

  • フラット

    「先生」5月20日『刑務所進む人権配慮受刑者呼び捨て→さん付け』という見出しの記事が掲載されました。『厳格な規律で受刑者を管理するイメージが強い刑務所の風土が変わり始めている。刑務官が受刑者を、受刑者が刑務官を、互いに「さん付け」で呼んでいるのだ(略)当の受刑者、刑務官はどう感じているのだろうか』という内容の記事です。『自分は犯した罪を償う立場なのに「甘やかされているのではないか」とも感じた』という受刑者の声。『私が被害者だったら、さん付け呼称は甘やかしているように見える。すべきではないと思っていました』という刑務官の声。いずれも、現在では違和感を覚えなくなっているとのことでした。記事によると、「さん付け」は、『受刑者と職員の間の肯定的な関係や双方向的なコミュニケーションを促し、社会復帰の第一歩にしようと...フラット

  • アンチ○○が流行り?

    「自己肯定感」5月20日『個性を潰す「自己肯定感」の呪縛』という見出しの記事が掲載されました。5日前に『「自己肯定感」という言葉を「激しく忌み嫌っている」』とおっしゃるカウンセラー信田氏へのインタビューを取り上げたばかりで、今アンチ自己肯定感が流行りなのかと思ってしまいました。今回の記事は、スポーツドクター辻秀一氏へのインタビュー記事です。辻氏は、中学受験について語っています。受験生を念頭に、『ひたすら肯定感を高めようとする呪縛の中で育った子供たちは、評価されることに終わりがないので、充足感を得られることがありません。代わりに、相手を見下すことで、相対的に自分を肯定しようとする』と指摘なさっています。分かるような気がします。辻氏は、競争の中で他者との比較でしか肯定感を得られず、ずっと勝ち続けることを目指し...アンチ○○が流行り?

  • 歪な目標

    「歪な目標」5月16日『教員残業月30時間に給特法改正案衆院通過』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『法案は、公立学校教員に残業代の代わりに基本給の4%相当を支給する「教職調整額」を2026年1月から毎年1%ずつ引き上げ31年1月に10%とするのが柱(略)付則では、教員の時間外勤務を29年度までに月平均30時間程度にまで減らすことを目標に掲げ』ということです。理屈に合わない話です。10%ということは、月の労働時間を基に考えると、約180×0.1=18時間分になります。他の業種で考えると、時間外勤務は通常の勤務時間の労働に比べて割り増しで賃金が支払われるのが常識ですから、精々15時間分程度にしかなりません。それなのに、30時間の時間外勤務を目標として想定しているのです。つまり、改革が達成され...歪な目標

  • いじめも不登校も私のせいではない

    「言いたいことは分かるけど、例示が…」5月15日『落ち込まないで「他責」の勧め』という見出しの記事が掲載されました。心理カウンセラー信田さよ子氏氏へのインタビュー記事です。信田氏は、『新著「なぜ人は自分を責めてしまうのか」で、「自己肯定感」という言葉を「激しく忌み嫌っている」と書いて』いらっしゃる方です。信田氏は、『もっと人のせい、社会のせいにしてよい』『自分のことをだめと思うのではなく、他者との関係性を考えてください』『(自己責任を強調するのは)個人の責任にすれば社会は責任を取らなくていいからです』『他者の力を借りて自分を楽しくすればいい』などと語っていらっしゃいました。分かるような気がします。ただ、信田氏が例として挙げていたことに違和感を覚えたのです。『引きこもりの子を持つ父親たちの話を聞くと、父親は...いじめも不登校も私のせいではない

  • 1位の背景には

    「学校の貢献は?」5月14日『日本の子供、「精神的な健康度」32位』という見出しの記事が掲載されました。『国連児童基金は14日、先進・新興国43ヵ国に住む子供の「幸福度」を調査した報告書を公表した』ことに関する記事です。見出しにある通り、「精神的な健康度」の順位の低さを問題視する記事ですが、よく読むと、『「身体的な健康度」は20年に続き首位だった』とも書かれているのです。2回連続、先進国の中で身体的な健康度が1位というのは快挙ではないのでしょうか。どうしてそのことに触れる記述が少ないのか、不思議でなりません。記事には分析は一切ないのですが、私はこの「身体的健康度」1位という結果について、学校教育はどの程度関与しているのか、どのような面で影響を及ぼしているのか、ということが気になりました。偏見かもしれません...1位の背景には

  • 「いい先生」が実は…

    「子供の性被害とは」5月14日『脱衣所で男児盗撮容疑元幼稚園職員逮捕数千人被害か』という見出しの記事が掲載されました。『宿泊施設の脱衣所で小中学生らの裸を盗撮した』男性が逮捕されたことを報じる記事です。記事によると、『数千人の男児が被害(略)不特定多数に販売する目的で当時9~14歳の』ということで、犯人自身の性的な興味というよりも金銭目的の行為であったようです。被害に遭った子供や保護者の心情を考えると、不謹慎な感想だということは理解しているつもりですが、私はこうした事件の報道を目にするたびに、違和感を覚えてしまうのです。それは私自身は、男子小中学生の裸というものにまったく関心がないからです。異性愛者の男性であれば、多くが私と同じ感覚なのではないかと思います。そんなものの写真や映像を見て何が楽しいんだ、と思...「いい先生」が実は…

  • 「自立時代」の学校

    「教育の構造改革」5月14日論点欄は、『こどもの自死』がテーマでした。2人の識者が『日本はこどもにとって生きることが厳しい社会になっているのか』という問題意識の下、論じていらっしゃいました。私はその中で、ノートルダム清心女子大教授山下美紀氏の言葉に注目させられました。山下氏は、『家庭や学校とは非常に強くつながっているのに、それ以外とのつながりは弱すぎるのです。関係は強すぎても弱すぎてもいけないのに、強すぎるつながりと弱すぎるつながりしかありません』と述べていらっしゃるのです。私はこのブログで、教育は、家庭・学校・地域がそれぞれの特性に応じて機能を発揮して行われるものであるべきなのに、我が国の「教育」は学校に大きすぎる責任を負わせている、という趣旨の指摘をしてきました。山下氏の指摘は、学校偏重の欠陥という意...「自立時代」の学校

  • 考えた3つのこと

    「3つのこと」5月13日植草学園大教授野澤和弘氏が、『高校生SNSの落とし穴』という表題でコラムを書かれていました。その中で、考えさせられる指摘が3点ありました。まず、『(子供の自殺について)「健康問題」「経済・生活問題」「家庭問題」など主な原因がカテゴリー化されているが、自殺をめぐる子どもの心理的状況はもっと複雑で不確実な要因が大きい(略)部活やアルバイトなどの人間関係、異性との関係が絡んでいることが多い。さらに家庭内の不和や虐待、マルトリートメントが影を落としていることがある』という指摘です。その通りだと思います。統計調査は何らかのカテゴリー化なしには成り立ちません。そのカテゴリーをどんなに細かくしていっても、複雑な実態を的確に捉えることはできません。統計的な調査はあくまでも、全体傾向を大掴みし、必要...考えた3つのこと

  • M教員

    「イメージ」5月13日『中居氏側「性暴力」認定に反論』という見出しの記事が掲載されました。『フジテレビの第三者委員会に元フジテレビアナウンサーの女性への性暴力を認定された元タレントの中居正広氏の代理人弁護士は12日、「一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」と反論』したことを報じる記事です。私が気になったのは、「一般的に想起される」という言葉でした。公的に使われる言葉については、公的な機関等による定義付けがなされているケースが少なくありません。今回の「性暴力」もその一つです。確かに、「性暴力」と言えば、嫌がって泣き叫ぶ女性に対し、屈強な男性が殴りつけたり抑え付けたりして抵抗できない状態に追い込み、衣服をはぎ取り、性行為に及ぶというようなアダルトビデオ的な情景を連想してしまう...M教員

  • 葬儀運営指針

    「学校でも…」5月10日『ペットの弔い多様化』という見出しの記事が掲載されました。『家族のように愛したペットを大事に弔いたいという飼い主の気持ちに寄り添うサービスが広がっている』ことを報じる記事です。記事によると、『飼い主とペットが一緒に入ることができる墓所』が提供されているという事例や、『墓石は、飼い主の希望に沿うデザインで仕上げる(略)ある家族は円形の墓石の中央に、2匹の猫の姿を配置。窯元に依頼し、写真を陶板に転写して焼き付けた(略)依頼主の娘が幼い時に描いた飼い猫の絵を基に、彫り方を工夫して手描きのタッチを残したデザインの墓石もあった』といった事例が紹介されていました。さらに驚くべきことに、『カブトムシなどの昆虫を埋葬する共同墓所』まであるというのです。そんな中、私が注目したのは記事の締めくくりの言...葬儀運営指針

  • 襲われる!

    「近未来の話」5月10日『小学校に侵入対策に限界』という見出しの記事が掲載されました。前日の立川市立小学校に男性2人が侵入し、『教室付近で制止しようとした校長ら5人が暴行され、50代教諭が重傷、4人は軽傷』という事件に関する記事です。記事は、『出入り口を全て施錠すれば外部からの侵入は防ぐことができるが、施錠の徹底が難しい側面がある上、保護者の訪問は拒めない。事件は学校現場に難しい問題を突きつけている』という問題意識で書かれたものです。記事では、安全対策として、インターホン、防犯カメラの設置、警備員の配置などの対策が例示されていましたが、私は少し違う心配をしています。それは、学校外での教員襲撃です。私が某区の教委に勤務していたとき、学校の対応に不満をもつ保護者が、校長と教頭を殴るという事件がありました。公平...襲われる!

  • 平和教育とソフトパワー

    「目指すべきもの」5月9日『ジョセフ・ナイ氏死去88歳「ソフトパワー」提唱』という見出しの記事が掲載されました。『クリントン政権で国防次官補などを務めたジョセフ・ナイ米ハーバード大特別功労名誉教授が6日、死去した』ことを報じる記事です。ナイ氏について記事では、『文化や価値観などの魅力で国際的地位を高める「ソフトパワー」を提唱』したことを功績として紹介していました。『軍事や経済など強制力を伴う「ハードパワー」だけでなく、他国が自ら納得して追随する状況を作り出す能力に注目する必要がある』と主張したのです。記事の結びでは、『トランプ大統領はソフトパワーが外交政策で果たす役割を理解していない。民主的な同盟国の信頼を弱めている』と指摘していたことも紹介されていました。私はこの「ソフトパワー」の考え方こそ、我が国が目...平和教育とソフトパワー

  • 風は一瞬で変わる

    「ひっくり返る世論」5月9日『小学校侵入教員暴行疑い5人けが保護者知人ら逮捕東京・立川』という見出しの記事が掲載されました。立川市立小学校で『教職員5人が侵入した男性2人に暴行されてけがをし、病院に搬送された』という事件について報じる記事です。記事によると、『児童にけがはなかった』『容疑者は同校2年に在籍する児童の母親の知人』ということで、事件発生に至る経緯としては『(母親は)児童間のトラブルに関する相談のため来校したが、学校側との話し合いがまとまらなかった。帰宅後、母親が40代の容疑者に話し合いの結果を伝達。母親は両容疑者を連れて学校に戻ってきた』ということのようです。同市教育長は、『教職員が複数で不審者に対応し、児童を守れたことに感謝している』と話していますし、保護者や世論も、容疑者を非難し、学校側を...風は一瞬で変わる

  • 巧みな洗脳者

    「偏向教員」5月6日専修大教授武田徹氏が、『手書き新聞に学ぶこと懸命ゆえに伝わる熱』という表題でコラムを書かれていました。その中で武田氏は、『真実の報道と虚偽の流言を受けては内容から区別できない(略)真偽を確かめる取材、調査力を市井の一般人は持ち合わせていないからだ。そこで、送り手が信頼できれば情報が正しいと考え、送り手を疑えば虚偽ではないかと考える』と書かれています。武田氏は、昨年の兵庫県知事選における虚偽のネット情報の影響力を問題視し、職業的報道人の在り方について論じているのですが、私は全く違うことを連想してしまいました。偏向教育を行う教員についてです。私は教委勤務時に、様々な問題を起こしてしまった教員に再教育を行う仕事をしていたことがあります。そこには、メディアに再三取り上げられる名物教員が含まれて...巧みな洗脳者

  • どういう風の吹き回し?

    「どういう風の吹き回し?」5月5日『こどもの日に考える公教育の価値問い直す時』と題された社説が掲載されました。その中の記述を見て驚きました。『子どもたちの知的能力という点で日本の水準は高い(略)経済的に恵まれた家庭ほど成績がいい傾向は各国に共通しているが、日本は恵まれない家庭の生徒も数学の得点が高く、成績の格差も小さい。学力以外の結果も、おおむね良好だ(略)学校に居場所を見つけられる子どもが多い(略)15歳までの教育を担う小中学校のほとんどが公立である。公教育の総合力が日本の子どもたちの高い能力を支えてきた』と書かれていたのです。我が国の公立小中学校における教育に対する高評価です。画一的だとか、知識注入型の古い教育だとか、体罰やわいせつ行為などの教員の不祥事だとか、校長や教委の隠蔽体質だとか、何かと批判ば...どういう風の吹き回し?

  • 伝える能力

    「我慢が大事、ではない」5月4日心療内科医海原純子氏が、『怒りをどう表現しますか』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、『普段怒りを抑えているのがいいかというとそうではない。怒りを感じていても、それを伝えず我慢していると、あるとき限界が来て突然激高して感情爆発状態になる』と書かれています。近年、アンガーマネジメント訓練を取り入れる組織が増えていますが、その趣旨を正しく理解せず、怒りを我慢することが大事と誤解している例もあるように思います。教員の体罰事案等を見ても、この我慢→暴発という型が見られます。この型の体罰は、暴行が一定時間継続し、被害者が大ケガをするなど、大事件につながってしまうケースが多いのです。後日、加害教員に事情聴取すると「頭が真っ白になって~」というように我を忘れるような興...伝える能力

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