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  • いじめを見逃しても許されるなら

    「無罪放免」3月14日『337万人ネットカジノ経験』という見出しの記事が掲載されました。『オンラインカジノの国内の利用経験者は約337万人と推計されることが13日、警察庁の実態調査で明らかになった』ことを報じる記事です。記事によると、『「現在もオンラインカジノを利用している」との回答は、2.0%の550人』ということでした。私はこのような記事を読むといつも疑どうして、警察は放置しているのか、ということです。もしこの調査が、政治家の暗殺のために銃器を用意しているか、という内容で、50人がイエスと回答したとしても放置しておくのでしょうか。仮に放置したとして、その50人のうちの何人かが実際に暗殺を実行に移し、何人かの国会議員や大臣が殺されたとしたら、メディアは、世論は警察を責めるのではないでしょうか。もちろん、...いじめを見逃しても許されるなら

  • 間違っている「指導」観

    「30年前の出来事」3月14日『甲子園優勝監督に聞く早稲田実・和泉実さん』という見出しの記事が掲載されました。和泉氏へのインタビュー記事です。私がこの記事に注目したのは、サブの見出しとして『指導という言葉は嫌い』とあったからです。記事の中で和泉氏は、『今はどのように指導しているのですか?』という問いに対し、『「指導」という言葉は好きではありません。勉強でも一生懸命やっているのにガミガミ言われると聞く耳持たないでしょう。一方、教える側は、間違っているのが分かるので言いたくなります』と答えていらっしゃいました。30年ほど前のことを思い出しました。当時学習指導要領が改訂され、「指導から支援へ」という言葉が、教育界で流行りました。小学校の低学年で生活科が創設され、その後「総合的な学習の時間」が導入され、子供が学習...間違っている「指導」観

  • 孫がいなくてよかった

    「難題」3月13日川柳欄に、川崎氏S氏の『花魁を孫に説明する苦労』という句が掲載されていました。状況は説明するまでもありません。今年の大河ドラマ「べらぼう」を家族で見ていて、小芝風花さんらが演じる花魁について、「花魁って何してる人?」とまだ幼い孫に訊かれ、どう説明したらよいか考え込んでいる、ということを詠んだものです。確かに苦労しますね。私だったらどう説明するだろうと考えてみても、すぐに答えが浮かびません。それは、花魁についての説明では、売春について語ることが不可欠だからです。売春について語るには、男性の性欲について語らなければなりませんし、売春の非人間性、人権蹂躙ということについてしっかりと論じなければなりません。そもそも快楽のための性行為ということについて語ることも必要ですが、多くの大人にとって抵抗が...孫がいなくてよかった

  • ミニトランプな私

    「私も…」3月12日オピニオン編集部吉井理記氏が、『感謝を強いる人たち』という表題でコラムを書かれていました。その中で吉井氏は、先日亡くなった曽野綾子氏の生前の発言について書かれていました。『(自民党衆院議員)野田さんを名指しして、<自分の息子が、こんな高額医療を、国民の負担において受けさせてもらっていることに対する、一抹の申し訳なさ、感謝が全くない>と攻撃した』と。私も、そういえばそんなことがあったと思い出しました。吉井氏はこの発言について、『僕も健康保険料を負担してきたが、高額医療を使う人に「感謝せよ」と思ったことはない』と述べ、トランプ米大統領がゼレンスキーウクライナ大統領に感謝しろと要求した件も引き合いに出し、『「感謝しろ」というセリフ、代替が強者が弱者に、健常者が障害者に、富者が貧者に向けて発せ...ミニトランプな私

  • 私って、何者?

    「模倣の限界」3月11日精神科医香山リカ氏が、『「熱心、丁寧に」取り組む』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、望ましい医師像として、『思いやりの心と謙虚さ、目に見えないものを感じ取る感性、もののあわれを感じる情操』を掲げたエッセーを読んだことを紹介し、共感を示されています。その上で、『「謙虚、感性、情操」(略)この三つの要素が必要なのは、医師に限ったことではない。学校の教員や福祉関係者など人間に関わる職業の人』に求められる資質だと述べられているのです。全くその通りだと思います。さらに、エッセーには、『一人一人の患者さんの訴えに熱心に耳を傾け、丁寧に診療』することで、自然に人間性が育っていくとも書かれていたこと紹介しています。さて、おもしろいと思ったのはその後です。香山氏は早速実践に移し...私って、何者?

  • 勉強はそれほどではありませんが、という多様性

    「多様化」3月7日『東大、入試多様化検討』という見出しの記事が掲載されました。学長が、『筆記試験のみの一般選抜ではない形式の入試枠の拡充を検討している』ことを明らかにしたということを報じる記事です。記事によると、『検討の背景には、学生の多様性確保への危機感がある』とのことです。多様性、最近よく目にする言葉です。大切な概念だと思います。社会や企業などの組織において多様性が確保されることは望ましいことです。一方、東大に必要な多様性とは何なのか、ということについては考えさせられます。私は、東大は勉強ができる若者、頭がいい若者、努力を続けられる若者、が集まるべきところだと考えています。私のような頭の出来がイマイチ、という者が入学すべきところではないと考えます。それは東大という大学の個性や特徴を損なうことにつながり...勉強はそれほどではありませんが、という多様性

  • ディール不要

    「どちらの立場」3月6日『大牟田高駅伝部員9割転校体罰で降格のコーチ追い鳥取へ』という見出しの記事が掲載されました。『(同校の)駅伝部員9割超が、4月から鳥取城北高へ転校することが判明した(略)コーチを務めたA氏(52)の処遇を巡る学校側への反発が背景にあり、部員と保護者はA氏の転職先となる鳥取城北での競技継続を選択した』ことを報じる記事です。前にも似たようなことがありました。教員が体罰をする、学校が処分をする、体罰教員は他校に転職する、部員と保護者が体罰教員の指導による成果(全国大会での上位入賞)を期待し体罰教員の転職先に転校する、という図式が、です。どうして同じようなことが繰り返されるのか、その結果どのようなことが生じるのか、考えてみる必要があります。まず、私立校における運動系部活のもつ「価値」につい...ディール不要

  • 一つの…

    「前例」3月6日『知事懲戒を撤回せず兵庫百条委報告書「一つの見解」』という見出しの記事が掲載されました。兵庫県斎藤知事のパワハラ疑惑等について調査した百条委の報告書が議会で了承されたことについて報じる記事です。その中にとても気になる記述がありました。まず、『斎藤氏ら県の対応を「告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応」などと厳しく批判(略)しかし、斎藤氏は「一つの見解だ」と従来の主張を改めなかった』です。数カ月かけ調査された結果、それも県民の代表である議会が了承した結果を、「一つの見解」と切り捨て無視する、そんなことを知事という立場にある人物が平然と行う、恐ろしいことだと思いました。行政の特質として「前例踏襲主義」があります。いろいろと批判されることも多い考え方ですが、行政の安定性や継続性を担保する働きも...一つの…

  • 製造者責任

  • 何となく、も教員の責任?

    「親の責務?」3月1日人生相談欄に、55歳女性の『反抗期以来夫と話さぬ娘』と題された相談が掲載されました。娘は27歳、『15歳の反抗期から夫と話さなくなりました。娘は「嫌いじゃないけど何か話したくない」といっていました』という状況だそうです。母親としては気に病むでしょうし、父親は寂しいでしょう。ところが回答者は、『(娘には)なんの問題もないじゃないですか(略)いいですか、親は子どもがこちらを向いてくれるよう努力しなきゃなりません。だったおもしろくない存在だとおもわれているんですから(略)恋人に振り向いてもらうのと一緒です。努力あるのみ』と回答しているのです。言わんとしていることは分かります。人間が変えることができるのは未来とこれからの自分だけ、過去と他人は変えることができません。子供といえども他人(自分で...何となく、も教員の責任?

  • 三層構造

    「教員に配慮義務?」2月28日法学者谷口真由美氏が『理想を目指す社会に』という表題でコラムを書かれていました。作家・反貧困活動家雨宮処凛氏との往復書簡です。その中に次のような記述がありました。『トランプ大統領は就任早々、「DEIの強制をやめる。政府と民間のすべてで、税国を実力主義に戻す」と語りました(略)しかし「実力主義」でいう「実力」は、各人の「資源」(生まれた場所や親の年収など)によって左右されます。いわゆる「親ガチャ」も子どもの自己責任でしょうか』です。「親ガチャ」、近年よく聞く言葉です。最近某テレビ局でAC広告機構のCMがよく流れるようになりました。その中に、若者が徒競走で駆け出すのですが、一人だけずっと後ろからスタートさせられる女子生徒がいて、いくら懸命に走っても他の子の追いつけない、というCM...三層構造

  • 幸せな家庭と楽しい学校、でよくない?

    「ほしいと思ったことはない」2月27日『中高生に「第三の居場所を」』という見出しの記事が掲載されました。『中高生らが自由に過ごせる、家でも学校でもない「第三の居場所」を各地に広めようと、教育学を専門とする大学院生コンビが挑戦を始めた』ことを報じる記事です。千葉大大学院博士課程に所属する2人が、『「学校の中だけでは、学びが実社会に繋がりにくい」「子ども会などが縮小し、地域に中高生世代が主体的に活動できる居場所がない」』という課題を感じ、取り組みを始めたのだそうです。良いこと、のような気がします。あやふやな言い方になってしまうのは、私自身に実感がないからです。記事によると、『家や学校以外に「居場所が欲しいのにない」と回答した子どもや若者は4人に1人』なのだそうです。私には、家や学校以外に場所が欲しいと思った経...幸せな家庭と楽しい学校、でよくない?

  • 何と言っても文句がきそう

    「夢を守る」2月27日大学生が作る紙面キャンパるに、J大I氏が、『「サンタはいる」母の苦労と愛』という表題でコラムを書かれていました。その中でI氏は、小学1年生のときのことを書かれています。『クリスマスを前にすると毎年、サンタさんに欲しいものを書いた手紙を送っていた(略)母に尋ねた。「この手紙はどこに送っているの?」母はしばらく考え込み(略)「サンタ協会」という団体があって、子どもができると連絡先を教えてもらえる。母がプレゼントの内容をメールすると、12月24日の夜、協会のサンタクロースがプレゼントを持って、タクシーで我が家にやってくる-。妙に現実的で筋の通った話だ』。凄い母親だと思いました。I氏は、このことについて、『今なら、母の苦労と愛がよく分かる。サンタなんていないと真実を明かす方が、ずっと簡単だっ...何と言っても文句がきそう

  • トランプ的教育観

    「本当に変わった?」2月27日『僕は「割れ煎」俳優の道ひょうひょうと』という見出しの記事が掲載されました。俳優ピエール瀧氏へのインタビュー記事です。その中に気になる言葉がありました。『僕らの時代って、若いヤツは「ひと山いくら」で売られるもんでしたからね。君たちは素晴らしい、君たちは何にでもなれる、ってのが今の教育システムですし、社会のマインドでしょ。実際には建前なんでしょうけど』です。瀧氏は、私の一回り年下、私が教員になって初めて担任した教え子たちと同じ世代です。その頃も、瀧氏の言う「君たちは何にでもなれる」という子供観で学校教育は行われていました。しかし、そうした子供観は、社会に広く定着しているという状況ではなく、正に「建前」的でした。子供の瀧氏は、そうした雰囲気を敏感に感じていたのでしょうか。それとも...トランプ的教育観

  • うちの〇〇はどんな人?

    「選択不能」2月26日日本歯科大内科客員教授渡辺尚彦氏が、『「基準変わった」多い誤解』という表題でコラムを書かれていました。高血圧の基準が変わった、と誤解している人が増えたという状況について、書かれたものです。その中で渡辺氏は、『高血圧の基準は「収縮期血圧(上の血圧)140以上かつ、または拡張期血圧(下の血圧)90以上」で変わっていません』と明確に述べ、『なぜ基準が変わったと誤解されたのでしょう』と問いを投げかけていらっしゃいます。そんな中、私が気になったのは、『困るのは、医師の中にも「血圧は高くても問題ない」「高血圧の基準が低すぎる」と主張する人がいることです』『約40年前、私が医者になりたてのころは上が160以上、信田が5以上の場合に高血圧とされていました。さらにさかのぼると、上が「年齢プラス90以上...うちの〇〇はどんな人?

  • とりあえず調査、設問は何となく

    「何を引き出すか」2月25日『「やればできる」教えてくれたのは母』という見出しの記事が掲載されました。『学習塾「明光義塾」を展開する明光ネットワークジャパンが実施した中高生への意識調査』の結果について報じる記事です。記事によると、『「やればできる」と感じさせてくれる存在として「母親」を挙げた生徒が35.4%で最多(略)「母親」に続いたのは、「友人」の27.6%。3番手が「先生」(21.7%)、4番手に「父親」(17.0%)という順になった』ということです。この結果をどのように解釈すればよいのでしょう。同じ親なのに父親の影響力が母親に比べて弱いのは、父親が子育てに関わっていないからであり、男性の子育てへの参加を社会全体で後押ししていく必要がある、という人もいるでしょう。教員は子供を導くのが仕事なのに、母親は...とりあえず調査、設問は何となく

  • だから法で規制して

    「経済、を教える」2月25日読者投稿欄に、福岡県F氏による『消えたコメ政府は不正許すな』と題された投稿が掲載されていました。その中でF氏は、『誰だかわからないが、コメ不足につけ込んで金もうけをたくらんでいる者がいるとしたら言語道断だ(略)金目当ての不正な行為は一粒たりとも許してはならない』と書かれています。F氏と同じような思いを抱いている人は少なくないように思います。私もコメの値上がりには苦しんでいます。ですからF氏の気持ちも分からないわけではありません。しかし、F氏の怒りは正しいのでしょうか。「買占め」をしている業者や売り惜しみをしている農家は、悪事を働いている悪人なのでしょうか。私はそうは思いません。我が国は資本主義経済を採用しており、経済活動においても自由主義を取っています。それは、法令に反しない限...だから法で規制して

  • 遠くを見つめたのはなぜ

    「記録の難しさ」2月23日日本芸術文化振興会理事長長谷川眞理子氏が、『真善美とは何か価値観が関与する「事実」』という表題でコラムを書かれていました。その中で長谷川氏は、『「真」は認識上の問題で、あることが真実であるかどうかの判断』と一応定義した上で、次の例をあげます。『大きなアザラシの雄は(略)多くの雌を自分の周囲に囲い込む。雌がそこを出て行こうとすると、雄は雌の首にかみついて阻止する(略)しかし、雌が他の雄のところに行こうとする、という行動の描写自体、雌は雄の気を引こうとしてわざと嫌がる様子を見せているだけだ、と解釈して描写することもできる』。つまり、アザラシの雄と雌の一連の行動を人が記録するとき、そこに主観が入り込む可能性があるということです。私は、自分が指導主事時代のエピソードを思い出しました。それ...遠くを見つめたのはなぜ

  • 使い道がない老残者

    「偉くなるな」2月23日『ホワイトカラーの再就職変化に適応し中小へ』という見出しの記事が掲載されました。『定年を見据え、新たな職場で働こうとする人は多い(略)高齢になっても、やりがいのある仕事を続けられる道はあるのか。シニア世代のサラリーマンの独立や再就職を支援する会社を運営する市原大和氏に聞いた』という記事です。その中にとても気になる記述がありました。『報告書や提案書をぱっと書ける人は重宝されますが、役員手前や部長まで行ってしまい、そうしたものをチェックするだけの立場だった人は求められていません』という記述です。教員に当てはめると、副校長や校長になった人の再就職は難しいということになります。記事によると、『2023年に仕事をしている65歳以上の高齢者は(略)男性では65~69歳は62%、70~74歳は4...使い道がない老残者

  • 土台を重視

    「手遅れ」2月22日川柳欄に、町田市O氏の『体力が無くちゃ体力つくれない』という句が掲載されていました。その通りと、と苦笑してしまいましたが、よく考えるととてもシビアな句です。意味は言うまでもありません。体力づくりに毎日40分のウォーキングを、と言われても、そもそも40分も歩き続けることができるだけの体力がないから困っているのに、ということでしょう。この句が意味することをよく考えてみると、苦笑いでは済みません。体力を学力と入れ替えてみましょう。学力が無くちゃ学力を伸ばせない、となります。つまり、ある時点で、既に学力が低レベルにある子供にとって、今以上に学力を伸ばすのは難しいということになります。そしてこれは、単なる句づくりの言葉遊びではなく、真理なのです。例えば、ある子供が割り算も掛け算も理解できないまま...土台を重視

  • 検討は進んでいる?

    「どうしている?」2月21日『トランス競技者の排除多様な性認めるルールを』と題された社説が掲載されました。『トランプ米大統領が、トランスジェンダー女性の女子競技への参加を禁止する大統領令に署名し(略)IOCに対しても、2028年ロサンゼルス五輪で同様の措置をとるように求めた』ことに危機感を覚え、『スポーツをする権利はあらゆる人に認められている。性自認だけで競技への参加機会が制限されることは避けなければならない』と訴える内容です。同感です。国際的な競技連盟等の対応も大事ですが、私は、我が国における中高の体育や運動系部活動における対応が気になります。今は、大きな問題となってはいないように思えます。しかし、人権意識がさらい高まり、トランスジェンダーの生徒が世間の目を気にせずに、自身の性自認を表明出来るようになり...検討は進んでいる?

  • 実現不可能なないものねだり

    「どこ?」2月20日専門記者田原和宏氏が、『ラブ・ミー症候群』という表題でコラムを書かれていました。田原氏は、ドジャースの大谷選手について同じような報道ばかりが垂れ流される状況について友人から不満を言われた経験を述べた上で、関西大名誉教授黒田勇氏が『報道が大谷選手に集中する背景を「ラブ・ミー症候群との造語で形容』していることを紹介しています。ちなみに、ラブ・ミー症候群とは、『日本は経済の衰退で自信を失い、内向き志向が強まった。だからこそ「日本スゴイ」と認められたい。そんな複雑な心の動きを表す』言葉だそうです。納得させられる解説です。田原氏も書かれていますが、近年目立った「日本はすごい」を強調する書籍も、このラブ・ミー症候群の事例と言えそうです。個人的な感想ですが、正直、醜いと思います。人間関係でもそうです...実現不可能なないものねだり

  • 受験教科に

    「受験教科に」2月20日全日本ろうあ連盟事務局長久松三二氏が、『手話言語の世界を広げる年に』という表題でコラムを書かれていました。デフリンピックの東京開催を控え、『その祭典を前に、ぜひ訴えたいことがある。ろう者が使う手話言語について、いっそう関心を高め「言語」つぃての認識を共有してもらいたい』という思いを綴られたものです。その中に、『今、通常国会で、「手話施策推進法」の議員立法による制定が大きく動き出している。手話を「言語」として位置付け、手話を必要とするこどもの習得への支援、学校における教育、手話文化の保存、継承、発展を図る内容だ』という記述がありました。お恥ずかしい限りですが、不勉強のためまったく知りませんでした。特に、「学校における教育」について、どのような取り組みがイメージされているのか、理解でき...受験教科に

  • のんびり出社は健康にもいいのでは

    「おかしなことを言う?」2月19日『八王子市、予算案に計上始業前の児童見守り16校へ』という見出しの記事が掲載されました。『八王子市は2025年度、始業前の朝の時間に児童を受け入れる市立小学校を9校から16校に広げる』ことを報じる記事です。『小学校の開門は午前8時以降が一般的。未就学児の時は午前7時ごろから保育園に預けられたのに、小学生になると預け先に困るという家庭は多い』という『小1の壁』問題への対応策です。予め断っておきますが、私は、八王子市の対応に異議があるわけではありません。ただ、我ながら少し非現実的かもと思うことを考えてしまっただけです。こうした問題を抱える家庭は多いはずです。しかもこれからますます増えていくと思われます。そうだとすれば、国の政策として、企業や官庁の遅らせて、8時に我が子を送り出...のんびり出社は健康にもいいのでは

  • 読む

    「教員にも」2月18日精神科医香山リカ氏が、『たまには「心の栄養」を』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、研修医が診療の合間にも熱心に医学書などを見ている姿に感心すると述べた上で、『若い時は仕事以外のこともした方がいい(略)医師の場合、患者さんの命や人生そのものに向き合うことも少なくない。そんな時に役に立つのは、医学の知識ではなくて、映画やドラマ、小説で描かれている内容だったりするのではないか』と書かれていました。分かります。そして、それは人と接する仕事に携わる人全てに言えることではないかと思います。もちろん、教員にもです。教員になろうとする若者はどれくらい小説を読み、映画やドラマを見ているのでしょうか。多くの若者がスマホから目を離さず、動画らしきものを見ている姿を見かけます。その画面...読む

  • 学校に通って勉強している下層階級

    「何を評価対象とするか」2月18日『不登校でも学び継続』という見出しの記事が掲載されました。『不登校の子どもが増え続ける中、高校でもその対策の一つとして、インターネットで教室と自宅などをつなぐ「遠隔教育」の活用が始まっている』という現状と課題を報じる記事です。その中に気になる記述がありました。教育経済学を専門とされる慶応大教授中室牧子氏の言葉です。『日本は授業を受けたかどうかによって単位を認める履修主義だが、海外ではどれくらい内容を理解して試験で点数を取れるかという習得主義の国も増えている。遠隔教育の導入を機に、教育のあり方も見直すべきではないか』。私はこのブログで、何回か履修主義から習得主義への転換について述べてきました。今から13年ほど前、当時大阪市長だった橋下徹氏が、義務教育留年制を提唱されたときに...学校に通って勉強している下層階級

  • キャッチーな言葉

    「新語」2月17日『「自己差別」から逃れる闘い上野千鶴子さん、金満里さんが対談』という見出しの記事が掲載されました。『人間の「自立」とは何を意味するのだろうか。そして、身体は我々にとってどんな存在なのだろうか』をテーマに行われたトークイベントについて報じる記事です。その中に、私が今まで訴えてきたことをぴったりと表してくれる「新語」がありました。『老いるとは、中途障害者になること。中途障害者は昔の自分を覚えているから、「ふがいない」「情けない」と、自分で自分を差別してしまう』に登場する「中途障害者」という言葉です。私はこのブログで人権学習について再三取り上げてきました。人権学習の大きな課題は、権利の問題であるにもかかわらず、「目の不自由な方が困っていたら、何かお役に立てますか、と声を変えてあげましょう」とい...キャッチーな言葉

  • 本当は復帰させたかった

    「教員の場合」2月16日『佐賀県「能力不足」職員免職「公務員は安泰」変化の波』という見出しの記事が掲載されました。『佐賀県が2024年に、50代の男性職員2人を「能力不足」を理由に民間の「解雇」に相当する分限免職処分としていた』ことについて報じる記事です。記事では、『改正地方公務員法が16年に施行され(略)昭和、平成の時代は「公務員の身分は保障される」という意識が強かった。人事評価制度で良くも悪くも数字で出るようになり、処分がより公正にできるようになった』という背景を説明しています。そして今後こうした事例が全国的に増えてくる可能性があることを指摘しています。このブログで何回も書いたことですが、私は教委勤務時に、実質的に全国で初となる「指導力不足教員研修」を担当しました。教員にとっての「指導力」とは、即ち一...本当は復帰させたかった

  • 悪影響しかない

    「よくぞ言ってくれました」2月15日メディア文化評論家碓井広義氏が、『「学園ドラマ批判」の学園ドラマ「自分で考える」を促す御上先生』という表題でコラムを書かれていました。その中で碓井氏は、1月期のドラマ、『日曜劇場「御上先生」(TBS系)』を取り上げ、『ユニークで刺激的』と評価なさっていました。私も毎週見ています。面白いドラマだと思っています。それはともかく、とても印象に残って記述がありました。『「教師像」についての言及もあった。ある学園ドラマが、生徒のために奔走するスーパー熱血教師以外は教師にあらずという空気を作ってしまった。保護者達の教師に対する要求はエスカレートし、教育の理想を描いた学園ドラマがモンスターペアレンツ製造マシンとなった』という記述です。碓井氏も指摘なさっていますが、これは「3年B組金八...悪影響しかない

  • 身内の視点と外部の視点

    「鈍磨」2月13日田中博子記者が、『「夢の世界」の裏側は』という表題でコラムを書かれていました。その中で田中氏は、ご自身が宝塚歌劇のファンであることを記し、さらに宝塚の担当記者であったことも述べられています。そして、昨年表面化したパワハラ事件に関し、『絶対的な上下関係も、彼女たちが髪飾りなどの小道具作りに休日返上で励んでいることも担当記者には周知の事実だったが、「宝塚の伝統」として問題とも思わず聞き流していた』と吐露なさっていました。田中氏の慙愧の思いが伝わってくる一文でした。ある業界についてよく知っている、知っていいるからこそ、そこで発生している「悪」を、伝統や文化、歴史などの「綺麗事」で容認してしまうというのは、よくあることだと思います。だからこそ、外部の冷静な第三者の目による点検と勧告が必要となるの...身内の視点と外部の視点

  • 好きこそものの上手なれ

    「教員の才能」2月13日囲碁棋士平田智也氏が、『かなわないなと思った人』という表題でコラムを書かれていました。その中で平田氏は、「才能」について考察しています。印象に残ったのは次の記述です。『かなわないなと思った人が浮かびました。それはいつも楽しそうに囲碁をずっとしている、訓練を訓練と思っていない人。上野愛咲美さんです。研究会などで一緒になることが多いのですが、彼女はいつも笑顔で楽しそうに囲碁をしています』。囲碁の才能と言えば、大局観が優れ手が読めることでしょう。しかし、そもそもプロ棋士になるような人は皆とてつもない読みの力と大局観をもつ天才ばかりです。その中でさらに群を抜くには、努力を続けるという別の才能が必要です。平田氏もそうした努力を重ね八段の高段者となったのでしょう。そんな天賦の才と努力の才を併せ...好きこそものの上手なれ

  • 半分お世辞と分っていても

    「褒めて伸ばす、は×」2月13日『ほめる=自他を見つめること』という見出しの記事が掲載されました。『ほめる達人からほめ方を学ぶセミナーがある』ということで、記者がセミナーの参加してみた、という記事です。その中にとても考えさせられる記述がありました。『「最も重要です」と示されたスライドには<ほめるを……相手のコントロールに使わない>と記されていた。「ほめたら動いてくれるんでしょ、と少しでも思った瞬間、それは相手に伝わってしまいます。人を変えることはできません。ほめるというのはすべて自己完結で、自分の心が整うんです」』という記述です。言わんとすることは分かるような気もします。しかし、これを言葉通りに受け止めると、学校教育において、褒めて伸ばす、という考え方は成り立たないということになります。なぜなら、学校教育...半分お世辞と分っていても

  • けがらわしい、ではすまない

    「繰り返しになるけれど」2月12日オピニオン編集部吉井理記氏が、『「机上の空論」とは』という表題でコラムを書かれていました。その中に、私がこのブログで繰り返し書いてきたことが端的に書かれていて思わず、その通りとニンマリしてしまいました。それは、『僕は憲法9条改正に反対だ。つまり護憲派だが、護憲派こそは自衛隊や軍事に精通しなければならないと考えてきた』という一文です。私は、戦争の悲惨さを強調するあまり、情緒に流れ過ぎる我が国の平和教育に疑念を呈し、真の平和教育は、戦争阻止教育でなければならないと主張してきました。そして、戦争を阻止するためには、戦争そのものを知らなければならないと考えるのです。敵を知り己を知れば百戦危うからず。戦争を知ること、戦争が起きる状況、戦争を是とする社会を支配する心理、戦争を可能にす...けがらわしい、ではすまない

  • パンとサーカスの時代

    「今さえ良ければ」2月12日『「手取り増」最重要課題』という見出しの記事が掲載されました。『国民民主党は11日、定期党大会を東京都内で開き、2025年度の活動方針を採択した。「手取りを増やす」ことを最重要の政治課題に位置づけ~』ことを報じる記事です。手取りを増やすとは具体的は、『(年収103万円の)「壁」の引き下げたガソリン、電気代値下げ』といった政策を指すようです。この方針は、「主権者教育」的にはどうなのでしょうか。多くの識者が、主権者教育においては、生徒に身近な問題を取り上げ、自分事として考えさせることが大切だと主張しています。身近なことでいえば、手取りが増えることは歓迎すべきことに違いありません。家計の収入が増えれば、生徒の小遣いも増え、学品面から大学の選択肢も増え、やりたくても我慢していた習い事が...パンとサーカスの時代

  • 幼小中高特に次ぐ第6の免許を

    「校長は?教員は?」2月11日『「多様化学校」新設へ世田谷区不登校中学生対象』という見出しの記事が掲載されました。『不登校の中学生が増えていることを受け、せたがや区は、不登校の生徒に合わせたカリキュラムが組める「学びの多様化学校」を新設すると発表した』ことについて報じる記事です。記事によると、『すでに世田谷中学の分教室として「学びの多様化学校」があるが、学校を新設すれば校長など管理職を配置でき、きめ細やかな運営が可能になる』とのことでした。短い記事で、詳細はよく分かりません。ただ気になるのは、新しい「学びの多様化学校」の校長に求められる知識や経験、能力とはどのようなものなのか、ということです。普通の中学校の校長と同じなのでしょうか。異なる理念が求められるはずですし、その理念に沿ったカリキュラムの編成をリー...幼小中高特に次ぐ第6の免許を

  • 達人の境地

    「それほどでは」2月9日心療内科医海原純子氏が、『不完全であること』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、イチロー氏が米野球殿堂入りしたことを取り上げ、『満票に1票足りない投票は、「ギネス登録された通産安打4367、通算打率3割2分2厘(略)ベストナイン7回、ゴールデングラブ賞7回も選手にも投票しない人がいるのだ」という意味で、「人はすべての人に認められることはない」ということをしめしている』と書かれていました。当たり前のことではありますが、改めて言われてみると、なるほどと思います。私はこれほどのことをしたのだから認められ褒められるのが当然、と考えがちなのが人間というものですが、人は十人十色、価値観も評価基準も人それぞれなのです。それなのに人は、自分の期待通りの評価が得られないと、評価し...達人の境地

  • 今が大事、の意味

    「今を大切に」2月8日書評欄に、東京科学大教授中島岳志氏による、『「手段からの解放シリーズ哲学講話」國分功一郎著(新潮新書)』についての書評が掲載されました。その書き出しは、『現代社会は、「いま」を失っている。子供の時には受験のために「いま」を犠牲にし、若者は、就職後もキャリアアップのために「いま」を酷使する。中年になれば老後のために資産運用をしろと言われ、老齢になると死に備えた終活が重要だと言われる。「いま」という時間は、目的のための手段となり、その時々の楽しさが収奪される』でした。嚙み締めたい言葉です。人は誰も幸せな一生を送る権利をもっているはずです。赤ん坊も子供も大人も。それにもかかわらず、我が国は国民の中で「幸せ」を感じている人の割合が低いことが指摘されています。その原因のひとつが、ここに挙げられ...今が大事、の意味

  • 小さな幸せ

    「教育環境改善」2月8日川柳欄に、福岡のA氏の『幸せな人は他人の句を誉める』という句が掲載されていました。その通りです。別に川柳や俳句に限らず、人を誉めるためにはある条件が必要です。それが「幸せ」なのです。愛する人が亡くなった、長年心血を注いできた仕事が失敗に終わった、不治の病を宣告されたなど、とてつもない悲運の最中にいる人に、他人を誉めなさいといっても、それは無理でしょう。大声を上げ号泣をしたい心理状況で、他人に「いつも仕上げが丁寧ね。簡単なようでなかなかできないことよ。ありがとう」などという言葉が出てくる人はいません。穏やかな笑顔を作ることもできないでしょうこれは教員にも当てはまります。教員が「幸せ」でなければ、子供の良さに目を向け、褒める、認めるなどということは難しくなってしまうのです。今、教員の働...小さな幸せ

  • キーセンパーティー

    「伝統」2月5日オピニオン編集部吉井理記氏が、『礼儀正しい日本人?』という表題でコラムを書かれていました。その中で吉井氏は、『宝石や時計など高価なものを買いあさる……ホテルの廊下を下着姿で歩く』『列車の中でインスタントラーメンを作り……食卓で大声で談笑』『(ホテルの)じゅうたんにツバをしたり、たばこを捨てて焦がしたり』といった観光客のマナーを列挙し、これらが全て60年から50年ほど昔の日本人について新聞記事に書かれたものであることを暴露しています。つまり、吉井氏は、「礼儀正しい日本人」は、近年漸く実現しただけで、かつては日本人のマナーの悪さは世界で顰蹙をかっていたということを指摘したのです。私も、日本人の「とんでも行動」については記憶にあります。小松左京氏の小説では、外国のホテルでトイレの使い方が分からず...キーセンパーティー

  • 競い合う相手は誰?

    「有効?」2月5日『テレビ業界の常識って?』という見出しの記事が掲載されました。タレント中居正広氏の問題について、二人の識者が語る特集記事です。その中で、元TBSアナウンサー・エッセイスト小島慶子氏が語られた言葉が印象に残りました。『国際競争にさらされる他の業界では、自らのビジネスに関わるすべての人の人権を守る姿勢が求められ、これを軽んじる企業は厳しく批判される(略)でも、テレビ局に国際競争はありません。コンプライアンスなんて言っていたら、番組がつまらなくなる、という勝手な理屈で、体質改善を怠ってきたのです』という言葉です。競争のないところでは改善機能が働かない、という論理です。確かにそうした側面はあるでしょう。しかし私は、競争原理を過剰に高く評価する考え方には疑問を感じてしまいます。20年以上昔のことに...競い合う相手は誰?

  • 攻撃か、協調か

    「方針です」2月2日心療内科医海原純子氏が、『三つのルール』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、トランプ米大統領の『若い日を描いた映画「アプレンティスドナルド・トランプの創り方」』を取り上げ、そこで紹介されている『勝つための三つのルール』について述べられています。三つのルールとは、『最初のひとつが、「攻撃・攻撃・攻撃」というもの。暴言も脅迫も何でもありという教えである。ルールその2は、「非を認めるな、全否定せよ」。事実などは無視するように、というものだ。ルールその3は「どれだけ劣勢でも勝利を主張せよ」というものだ』です。すごいですね。まさにトランプ氏そのものという感じです。現在のトランプ氏を見て、後からもっともらしい話を捏造したという気さえします。それはともかく、この三つのルール、どう...攻撃か、協調か

  • たくさん質問できた

    「満載」2月1日書評欄に、大阪大特任教授大竹文雄氏による『「科学的根拠(エビデンス)で子育て」中室牧子著(ダイヤモンド社)』についての書評が掲載されました。テレビのコメンテーターとしても活躍される中室氏ですが、書かれている内容はさらに突っ込んで訊きたくなる興味深いものばかりです。まず、『将来の収入を高めるために、子どもたちがすべきことは(略)「スポーツをする」「リーダーになる」「非認知能力を高める」という三つ』という記述です。最初に浮かんだのは、非認知能力が目的で、スポーツとリーダーはそのための手段なのではないか、三つを並列に並べるのはおかしいのではないか、という疑問でした。さらに、スポーツをするというのはどういうイメージなのか、ということも気になりました。私は中高と卓球部に所属していました。週に3回ほど...たくさん質問できた

  • 「高邁」の意味、変わった?

    「今は昔」2月1日『「ドラゴン桜」無理じゃない』という見出しの記事が掲載されました。『地方の非進学校から東大を目指せ(略)地方の高校生が東大を目指すのは「どうせ無理」なのか。「リアルドラゴン桜」の育成に取り組む東北の高校を取材した』という記事です。その中に次のような記述がありました。『23年度の東大受験者は3人。いずれも合格には至らなかったが、「自分の人生を変えようと挑戦することに意義がある」』『東大に合格するという結果が一番大切なのではなく、合格を目指すプロセスに最も価値がある。可能性が低くても、高い目標と高邁な志を持ち励むことには大きな価値があり、尊いものであるはず』です。私は、時代は変わったという感慨を抱きました。かつて、受験戦争という言葉がありました。東大を頂点とする難関大を目指し、家族との生活や...「高邁」の意味、変わった?

  • 緩い感じが好き

    「辛い」1月30日『人前で歌う愛情が乗る』という見出しの記事が掲載されました。『名バラード「メリー・ジェーン」のソウルフルな歌声で知られる、つのだ☆ひろ』氏へのインタビュー記事です。その中で、つのだ氏は、『「元々、音痴な人なんかいない」というのが持論だそうですね』と訊かれ、、『ちゃんと先生について、音楽的なレッスンを受ければ、うまく歌えるようになります』と答えていらっしゃいました。音痴の皆さん、この言葉、どう思われるでしょうか。「そうか、頑張って練習すればうまくなれるんだ」と元気づけられる人がいるはずです。また、「そうか、自分が音痴なのは、音楽の先生がきちんと教えてくれなかったからなんだ」と恨みを抱く人もいるかもしれません。あるいは、「音楽の授業を真面目に受けてきたけど音痴。自分は努力が足りなかったのかな...緩い感じが好き

  • 追い出し作戦

    「今は無理だけど」1月29日『トランプ政権、職員200万人退職勧奨』という見出しの記事が掲載されました。『トランプ米政権は28日、連邦政府の大半の職員を対象に退職を勧奨した(略)2月6日までに退職に応じれば、9月30日までの給与が支払われる(略)対象は約200万人で、政権高官はそのうち「5~10%が退職に応じる」と見込んでいる』ということを報じる記事です。とんでもない暴挙だと思います。トランプ氏に不満をもつ職員を追い出し、イエスマンで固め、独裁的な権力を振るおうとする行為です。トランプ氏に対しては、不満と不安を抱く職員は少なくないと思われます。それだけに、予想外に多くの職員が職場を去る決意をするのではないかとも思います。トランプ氏の思う壺ですね。そうした思いとは別に、もしこうした策を我が国で用いたらどうか...追い出し作戦

  • しっかりやっています

    「私以下」1月29日『怒号飛び交う10時間23分』という見出しの記事が掲載されました。『中居正広さん(52)による女性とのトラブルを巡り、フジテレビの港浩一社長らが27日にやり直した記者会見』について報じる記事です。とてもおかしな記者会見でした。多くの人が『フジは「女性のプライバシー保護」を理由に明確な説明を避け』たことを問題視していたようですが、私は質問する側に疑問を抱きました。それは、事実を明らかにすることで問題点を浮かび上がらせるという追及するものの基本姿勢に欠けていると思ったからです。私は教委の指導室長時代、様々な問題を起こしてしまった教職員に対する聴取を行いました。私も人間ですから、「この野郎、覗きなんかして捕まりやがって。とんだ恥さらしだ。お陰で議会では吊し上げられることになるし、毎日市民から...しっかりやっています

  • 幻想は捨てる?

    「私だけの」1月28日精神科医香山リカ氏が、『私だけの楽しさ』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、石破首相の施政方針演説の『「一人一人が自己実現できる(楽しい日本)」を目指す』という言葉について触れられています。そして、『一人一人が「楽しい日本」を目指す、というプランには私も大賛成』と述べつつ、そのためには『人と違っていてもこれが私の楽しさ』という考え方がきちんと理解され浸透していくことが重要であると指摘なさっています。その通りだと思います。そしてそれゆえに、石破氏が施政方針演説において「楽しい日本」という表現を使ったのは失敗だと考えます。行政は大きな枠を決めて、最大多数を想定して行われるものです。今では古臭く実態に合わないとされる、男女の夫婦に子供が2人という「標準世帯」ですが、これ...幻想は捨てる?

  • このままでいい?このままがいい?

    「幸せの形」1月27日『ロシアと国境接するフィンランドシェルター5万カ所訓練も人気幸福裏に国防意識』という見出しの記事が掲載されました。『世界幸福度ランキングで7年連続トップの北欧フィンランド(略)ロシアと約1300㌔もの長い国境を接し、ウクライナ後の「標的」にされるのではという懸念もくすぶる。現地で有事への備えを探ると、幸福感の裏にある市民らの緊迫感と、強固な国防意識がうかがえた』ことを報じる記事です。書かれている内容は、長年平和ボケでいられるという幸福をじっくりと味わっている私には考えられないものでした。『国防大学への応募者はウクライナ侵攻の開始以降、毎年増加し、24年は前年より114人多い730人だった』『今のうちに自分も戦えるよう強くなりたいという人が増えた』『市街戦などに備える訓練に参加する市民...このままでいい?このままがいい?

  • 賢い行政マンは…

    「まず」1月26日ノンフィクション作家河合香織氏が、『子どものSNS規制まずは居場所の確保を』という表題でコラムを書かれていました。その中で河合氏は、『子どもを取り巻くこうした状況を考えると、SNSの年齢制限は必要だろう』としながらも、『犯罪は子どもの居場所のなさや、寂しさにつけ込んで発生している(略)まずは変化している社会や家庭のあり方を再考し、子どもの居場所を確保することが先決だろう』とおっしゃっていました。私も、SNSの規制や子供の居場所確保が大切であるといい認識をもっています。というよりも、多くの人がそう考えているのではないでしょうか。ただ、私が少し引っ掛かったのは、「まずは」という言葉についてでした。「まずは~」という表現は、いくつかの方策が想定されているときに、真っ先に取り組むべきという優先順...賢い行政マンは…

  • 郷愁

    「生き抜く力」1月23日『「後ろ向きのカリスマ」燃え殻さんとボヤく』という見出しの記事が掲載されました。小説家燃え殻氏へのインタビュー記事です。失礼な話ですが、私は燃え殻氏も氏の描かれた小説のことも知りませんでした。43歳で小説家デビューした燃え殻氏、どんな人なのだろうと興味をもって読み始めました。そして、燃え殻氏が語る人生や人間についての言葉に心を惹かれてしまいました。『誰でも根拠のない夢を気持ち良く語る瞬間があって言い(略)何一つ夢がかなわなくても大人になって酒を飲んで笑い話にできるって、人生の醍醐味だと思う』『生き抜くための特効薬なんて一つもなかった。結局、微調整に次ぐ微調整で地味に毎日を続けていくしかない』『夢がかなう人ばかりではない。でも、夢って必ずしも実現しなきゃいけないものでもない』などなど...郷愁

  • もうそんな時間はない

    「それまで待つの」1月24日『民主主義日々の実践から』という見出しの記事が掲載されました。政治学者・東大教授宇野重規氏へのインタビュー記事です。その中で宇野氏は、『いきなり国政や国防の話を「どう思う?」と聞かれても、多くの人は「さあ?」です。民主主義のリアリティーは、もっと日々の小さな実践から得られるものです。地域の中で、地域の課題をどう解決しようかと考える場です』と話されています。宇野氏の指摘は、現在の主権者教育の考え方と通底するものです。私は賛成できません。疑問に感じることはいくつもあります。まず、宇野氏の指摘ををそのまま受け入れるとすると、憲法改正や安全保障政策、原発再稼働の是非などの問題については、誰が関与すればよいということになるのでしょう。政治に対する意識が未熟な者は自分の地域の問題に取り組み...もうそんな時間はない

  • 立ち止まって熟議を

    「何もしないわけにはいかない、の弊害」1月23日京都大准教授小堀聡氏が、『{教員不足}平成の改革再検証せよ』という表題でコラムを書かれていました。教育現場の疲弊の背景について分析するものです。その中で小堀氏は、『行財政改革が教員の雇用控えと非正規化を促進したにもかかわらず、教育改革は業務を大幅に複雑化させた。これに価値観の多様化などの社会変化が重なった結果、教員の負担は増大。そして、過酷な労働環境が社会的に認知されたことで志願者が減少し、現職教員の負担は一層増えていく。悪循環が発生しているのだ』と書かれています。流石の慧眼です。そして、『今日の閉塞感は、決して何もしなかった帰結ではない。何かをしたにもかかわらず、発生しているのだ』と指摘し、改革の再検証を求めているのです。ある分野において、問題点が指摘され...立ち止まって熟議を

  • ご要望はお伺いいたしました

    「業務軽減」1月22日『コールセンター人の「限界点」』という見出しの記事が掲載されました。『解消されぬ「ただ今電話が大変混み合っています」』という状況について、背景と今後の動向について報じる記事です。その中に次のような記述がありました。『自動音声による番号の入力は、そうした状況の打開策だった。客に「予約は1、解約は2を」などと入力してもらい、内容別にオペレーターにつなぐシステム(略)人材育成上のメリットもあるという。新人が全ての業務知識を身につけるには時間がかかる。内容ごとに電話を振り分ければ、少しずつ計画的に現場で経験を積んでいける』というのです。しかもさらに、『AI(人工頭脳)への移行を見据えて(略)AIを活用した無人対応が一般的になり~』という未来が近づいているというのです。コールセンターの主業務は...ご要望はお伺いいたしました

  • 100枚と20枚

    「嫌な話だが」1月22日川柳欄に、奈良県W氏による『先生の評価でもあるテストの点』という句が掲載されました。意味は明瞭、子供のテストの点が悪いと、努力が足りないなどと子供を責めるが、テストの点数が悪いのは教員の教え方が悪いということをも表しているのだから、教員は子供を責める前にまず自分の教え方を反省すべき、ということです。まったくその通りです。私もこのブログで、子供は教員を映す鏡であり、子供を見て自分の欠点を自覚すべきという趣旨のことを書いてきました。しかし、今回は少し番う視点から考えてみたいと思います。それは、テストの点の悪さ、あるいは良さは、子供の責任であるという考え方についてです。私は若いころ、23区の周辺部、比較的貧しいとされる地域で教員をしてきました。6年生の35人ほどの学級で、私立中学に進学す...100枚と20枚

  • 何を読もうか、いつ読もうか、どこで読もうか

    「いくつもの知りたいこと」1月21日『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る』という趣旨の連載企画『14歳の君へ』、今回は、『「英語独習法」という本を書いて話題になった』認知心理学者で慶応大教授の今井むつみ氏が登場なさっていました。今井氏が語られる内容な興味深いことが多く、もっと質問してみたいという思いに駆られました。『全ての勉強の基礎は国語です』『本を読むことで支えられ、本を読んでつけた国語力に救われました』『英語の勉強も日本語が基本です。言葉を大切にし、本を読んで生きた知識を得てください。特に抽象的な言葉を含む本は考える力を伸ばし、学力がつく』などです。まず、国語が大事ということに関連して、小学校における英語教育についての見解を伺いたいと思いました。小学校で英語の授業を始めるにあたっては、そ...何を読もうか、いつ読もうか、どこで読もうか

  • 「先生は今幸せ?」

    「教員の幸福感」1月20日『人生100年クラブシニアが担う子ども向けサービス』という見出しの記事が掲載されました。『働くシニア層の活躍の場が子ども向けのサービスを担う仕事に広がっている』ことを報じる記事です。その中に、『小学生などを対象にロボット製作やプログラミングの教室を開く団体』の事例が紹介されていました。『複数のロボットを組み立て、それぞれ動かすためのプログラミングの構成を考える学びを通して、課題に対する子供たちの能力を育てるのが目的』の事業です。『(50~70代の元技術者などの)シニアコーチたちは、大学生のスタッフとともに子供たちの学びを支援し(略)当初は子どもたちの対応に戸惑っていた、シニアも、関わるうちに笑顔が増え、親しみを込めてお互いが下の名前で呼び合うなど良好な関係を築いている』『シニアの...「先生は今幸せ?」

  • 怖い、不気味もOK

    「社会科見学は可能?」1月18日書評欄に、『国際理解には宗教がほぼ半分法蔵館・2420円』の著者で相愛大客員教授三木英氏へのインタビュー記事が掲載されていました。その中に次のような記述がありました。『日本にあるマスジト(イスラム教の礼拝所)やブラジル出身者が集うキリスト教会、誰にでも平等に食事を振る舞うシク教の寺院などを訪ねてきた』。三木氏は、海外出身者を理解するためには宗教に関する理解が不可欠という考えをおもちです。私も同じ考えです。しかし、我が国では公立学校で宗教を扱うことに慎重であり、実践事例もほとんどないというのが現状です。私は、上述の言葉に、自分の無知を痛感させられました。三木氏は、身近なところに海外出身者の宗教施設があると言っているのです。私は、私の狭い生活圏内に、そうした施設があるのか否かさ...怖い、不気味もOK

  • 粗製乱造

    「何を考えている」1月15日『教員給与の引き上げ働き方の見直しと両輪で』と題された社説が掲載されました。その中に教員確保の方策として、『他業種からの転職を容易にする仕組みの構築も急務だ。文科省は24年末、社会人でも教員免許を取りやすくする方策などを検討するよう、中央教育審議会に諮問した』という記述がありました。文科省は何を考えているんだ、という気持ちです。先日、私はこのブログで、教員に対するリスペクトを高めることの必要性に言及しました。それがあってこそ、教職を志望する優秀な若者が増えると考えられるからです。そうした考え方からすれば、教員免許の取得を容易にするということは、どんなバカでも教員になることができるということになり、教員に対する世間のリスペクトを減じることにつながり、結果として教員志望者を減らすこ...粗製乱造

  • 凡人上等

    「私は凡人です」1月14日『「私権は大丈夫?」「もっと頑張れ」「必ず受かる」中学受験医師が説く3大NGワード』という見出しの記事が掲載されました。受験生専門外来がある「本郷赤門前クリニック」院長で心療内科医吉田たかよし氏へのインタビュー記事です。その中で吉田氏が語られている言葉に共感を覚えました。『褒めてはいけないところまで褒めることによって、自己愛が増長し、自分自身に意識が集中し、「自分は周囲から特別な扱いを受けて当然だ」と思い込んでしまうのです。また、自分自身へのネガティブな感情に対するストレス耐性が低下します』という言葉です。これは、最近の褒めて伸ばす教育への警鐘として発せられている言葉です。もちろん、吉田氏も褒めて伸ばすという考え方を肯定なさっているのですが、行き過ぎに注意を促していらっしゃるので...凡人上等

  • 悪を許せ?

    「どちらを重視?」1月14日植草学園大教授野澤和弘氏が、『SNS選挙と既存メディア政策求める切実な民意』という表題でコラムを書かれていました。その中で野澤氏は、先の兵庫県知事選について、次のように述べていらっしゃいました。『「SNSや動画サイト」はうそやデマばかり流したのだろうか。斎藤陣営が何を発信したかと言えば、県立大学の入学金・授業料の無償化、プレミアム付き商品券などの物価高騰対策、不妊治療の支援、学校トイレの改修などの有権者に密着した政策だ(略)有権者の関心はメディアが報じないところにある(略)政策や改革姿勢を知りたいという切実なニーズにメディアは応えることができていないのである』。野澤氏は、有権者は斎藤氏の政策や改革姿勢を支持したのであって、政策本位の選択をした有権者の姿勢は正しく、斎藤氏のスキャ...悪を許せ?

  • 分かっているなら教えてほしい

    「どうすれば」1月12日『そこが聞きたい危ぶまれる地域社会存続』という見出しの記事が掲載されました。『介護など人々の命や生活を「エッセンシャルワーカー」は、賃金の低さもあって(人材獲得競争で)苦戦を強いられ、このままでは地域社会の存続が危うい』という問題意識の下行われた、元総務相増田寛也氏へのインタビュー記事です。その中に次のような言葉がありました。『処遇や給与も大事ですが、エッセンシャルワーカーが生み出す「社会的価値」について周囲がリスペクトするような環境をしっかり作ることも重要です』という言葉です。的を射た指摘だと思います。そして同じことは、教職についても言えると考えます。介護職と教職、共に志願者が減り、新たに職に就く人が必要数に足りていないという悩みを抱えています。だからこそ、教職に対するリスペクト...分かっているなら教えてほしい

  • 俺様のお話を聴け

    「自分はできる」1月11日『無知、未熟な指導者なぜ』という見出しの記事が掲載されました。『2020年8月29日、福岡・私立博多高1年の女子剣道部員が自殺した』顧問による指導死事件について、追跡取材した記事です。その中にとても印象に残った記述がありました。『和解協議で夏美さん(生徒の母親)が強く求めたのは再発防止(略)驚いたのは、2人の顧問に異なる対応を求めたことだ。不信感が消えないA氏には剣道の指導に今後一切関わらないことを和解の条件とする一方、暴言や暴力を振るったはずのB氏には同じ条件を課さなかった。むしろ今後も指導に関わることを望んだ』という記述です。娘を死に追い込んで直接の加害者B、彼に剣道の指導を続けるよう訴えた真意はというと、『B氏は剣道四段だったが、暴力的な言葉が子どもを死に追いやると考えもし...俺様のお話を聴け

  • 「他人を押しのけてでも前に出ろ」とは言えない

    「それぞれに可能なこと」1月10日『タブーが社会の欠落映す』という見出しの記事が掲載されました。雑誌「創」編集長篠田博之氏へのインタビュー記事です。その中に、印象に残った記述がありました。『(やまゆり園事件の犯人)植松聖死刑囚は、やまゆり園の元職員だった。なぜそんな彼が事件を?実は事件の動機について新聞やテレビが彼の言葉を通じて報じることは少なかった(略)彼の「障害者」観が差別的で身勝手すぎて、読者や視聴者に不快感を抱かせるため、控えざるをえない面があったからだ。一方、創は植松死刑囚の手記を度々掲載している。「新聞やテレビは読者や視聴者全員に向けた配慮が必要ですが、雑誌の場合は読者が不快な供述が載っていることを知ったうえで買ってくれるわけだから、掲載できる裁量が大きいわけです」』。メディアは事実を報じなけ...「他人を押しのけてでも前に出ろ」とは言えない

  • コミュニケーション、それ自体が悪の温床

    「コミュニケーション」1月10日読者投稿欄に、石川県公務員K氏(60)の『ハラスメント乱用「昔だったら…」』と題された投稿が掲載されていました。その中でK氏は、『今では「フキハラ」もあるそうです。「不機嫌ハラスメント」の略で~』と書き、以下、セクハラ、パワハラ、アルハラ、カスハラと列挙し、最後には『カラオケを強要する「カラハラ」』を挙げていきます。そして、『「不快、不当」を声高に叫ぶ社会ですが、往々にしてコミュニケーション不足から生じるのではないでしょうか』という言葉で投稿を締め括られています。人間関係におけるトラブルについて、このコミュニケーション不足が原因という考え方は多くの人が口にされます。我が国は、民族や文化における均質性が高く、そのせいか「話せば分かる」という感覚が広く共有されています。離婚でも...コミュニケーション、それ自体が悪の温床

  • 正義に力を

    「清く正しく…」1月9日東京大名誉教授田中明彦氏が、『「世界から信頼される」日本国際協調の主導役担おう』という表題でコラムを書かれていました。その中で田中氏は、いくつかの国際調査の結果を紹介なさっています。まず、『東南アジア諸国連合各国の有識者調査』です。『世界の平和、安全保障、繁栄、統治に関して○○(国名)が「正しいこと」をしていると、どれだけ信頼していますか』という設問に対し、『日本への信頼は58.9%、以下アメリカ42.4%、EU41.5%、中国24.8%、インド24.2%と続く』という結果だそうです。また、別の調査で、一般人を対象にした『世界のなかで最も責任ある行動をしている国』という設問では、『87%が日本だと答えており、4年連続で1位だという。アメリカは56%、中国は17%、ロシアは8%である...正義に力を

  • 「推し」はダメ

    「陥りがちな」1月8日『トランプ氏「半年で停戦」に後退』という見出しの記事が掲載されました。トランプ次期米大統領が、『これまでは「大統領就任前」や「就任後24時間以内」の停戦実現に意欲を示してきたが、今回は「(停戦まで)6カ月あれば良い」』と目標を後退させたことを報じる記事です。私は、そんなに簡単に停戦ができるはずがないと思っていましたから、驚きはありません。ただ、熱狂的なトランプ支持者はこのことをどのように評価するだろうか、と考えてみました。その答えは、何も変わらずトランプ氏を支持し続けるだろうということです。明らかな公約違反であるのになぜ責めないのか。それは、彼らがトランプ氏の政策を評価するのではなく、トランプ氏という存在そのものを評価しているからです。おそらく今後もトランプ氏は、数えきれないくらいの...「推し」はダメ

  • 一つだけではありません

    「一つだけではない」1月7日『全国の証券取引所変わる晴れ着大発会お飾り扱い「男尊女卑」と批判』という見出しの記事が掲載されました。大発会における『若い女性の晴れ着姿を強調する演出が「時代遅れ」との批判もあり、東京証券取引所を中心に、その在り方が見直されつつある』ことに関する記事です。その中で、相模女子大大学院特任教授白河桃子氏の『「女性は若くてきれいなほうが価値がある」という古い固定観念を助長する演出は不適切』という言葉に考えさせられました。見出しには「男尊女卑」という言葉があり、これは女性差別について論じた言葉なんだと捉える人が多いのではないか、と思ったのです。「女性は若くてきれいなほうが価値がある」を女性差別の問題としかとらえられないような人は人権感覚が不足しています。私は教委で人権教育を担当していた...一つだけではありません

  • 小市民は許されない?

    「どんな国に」1月6日連載企画『混迷の時代に』は、作家阿刀田隆氏へのインタビューでした。『「そこそこの満足」を求めて』という見出しが付けられた記事の中で、阿刀田氏は、『日本は、そもそもが2いや3位といった「大国」でいられる国ではないんです(略)日本はそこそこの満足を求めていくしかない国』と語っています。それに対し記者は、『そこそこの満足。確かにぱっとしない。でも永田町や保守論断誌あたりに多い「大国・日本」に執着する言説より、よほど地に足がついている』と評価しています。さらに最後に阿刀田氏は、『軍備ではなく教育を。そして月並みですが、真面目に学び、働き、ウソはつかない。そうすれば、そこそこ満足できる国になると思う』という言葉でインタビューを締めくくっていらっしゃったのです。個人的には大賛成です。私は阿刀田氏...小市民は許されない?

  • 認められたぞ!

    「教員の場合」1月6日『「承認欲求」と誇り鮮烈に』という見出しの記事が掲載されました。『PRIZE-プライズ-』の作者村山由佳氏へのインタビュー記事です。「プライズ」は賞という意味で、『周囲の作家や編集者たちから「怖い」と言われるほど、貪欲に直木賞を追い求める作家の姿を書ききった』小説だそうです。山村氏は、自身について『私に中に強い承認欲求があるんです』『割りと分りやすいものを欲しがるタイプなんですね。欲望にはきりがない』と語られています。また、記者の指摘を受け、『プライドが核なのだとすれば、プライズはそれを保証するもの』とも話されています。読みたくなりました。私も承認欲求が強い人間なので。ところで、人によって強弱はあるでしょうが、承認欲求は誰にでもあるものだと思います。そして、承認欲求がある程度満たされ...認められたぞ!

  • 勉強するのはカッコイイ

    「新しい活用法」特別編(チャイナウォッチ)12月26日新年で、一般の記事が少ない中、中国内のニュースを報じる「チャイナウォッチ」から気になる記事を選び出しました。それは、『ネット空間で「一緒に学ぼう」動画とライブ配信を通じて「共同学習」集中力、やる気を高めて継続を』という見出しの記事です。記事の中に、次のような記述がありました。『張秋〇さんは「一緒に学ぼう」系の動画を熱心に視聴していた。これらの動画は、配信者がカメラで自分の机を撮影し、勉強法を詳しく紹介。視聴者は配信者のペースに合わせて、動画を見ながら、自分も勉強できるわけだ』。分かりますか。つまり、他人が勉強している映像を見て、自分も頑張る、ということです。この張氏は、その後自分でも動画を作り配信するようになります。『張さんは、動画でそれぞれの勉強の課...勉強するのはカッコイイ

  • もっと早く、それとももっとゆっくり?

    「ゆっくり、なの?」12月30日『横の関係でゆっくり優しく元吉ひろみさん「60歳からのピアノ教室」』という見出しの記事が掲載されました。『茨城県つくば市で「60歳からのピアノ教室」を主宰し、シニア層に特化したグループレッスンを行っている』元吉ひろみ氏へのインタビュー記事です。その中で元吉氏が語る言葉が気になりました。『子供や働き盛りの若い世代では受験や資格取得といった具体的な利益につながる「外発的動機から習う人が少なくない。そのためか「いきなり格好良い難曲を弾きたいと思う人が多いという特徴がある」(略)一方、60歳以上のシニアの場合、純粋にレッスンや練習を楽しみたいという「内発的動機」が多数派だ。ゆえにシニアがレッスンに求めるのは「ゆっくり、優しく、基礎から」だ』というものです。私はこのブログで、内発的動...もっと早く、それとももっとゆっくり?

  • 目先の損得

    「豊かさの実感」12月29日日本芸術文化振興会理事長長谷川眞理子氏が、『男女平等118位の現実理念だけでは動かない』という表題でコラムを書かれていました。その中で長谷川氏は、奴隷制度について触れ、『18世紀の啓蒙思想時代、自由と平等の概念が普遍化され、人を人として認めない奴隷という存在は悪だと認識されるようになった(略)ところが、最終的に世界中で奴隷制が廃止されたと言えるのは、なんと(18)88年なのである』と書かれていました。長谷川氏は、奴隷制が悪だという認識が広がってから、実際には死されるまでに100年以上もかかっていることを指摘し、その理由について、『プランテーションは奴隷労働で支えられており(略)プランテーションの所有者も、奴隷船の船主たちも、奴隷貿易がなくなるとただちに困る(略)奴隷制が廃止にな...目先の損得

  • あんた、神様になったつもり?

    「分かったつもり」12月28日『養護施設のクリスマス「空を飛べたらママに」-メタバース美術館』という見出しの記事が掲載されました。『インターネット上につくられた仮想空間「メタバース」に、全国の児童養護施設で暮らす子どもたちから寄せられた100点以上の作品が展示されている』メタバース美術館について報じる記事です。その中に印象に残る記述がありました。『「車も空を飛べる未来」は10歳の男の子が描いた。太陽が輝く空を旅客機と自動車が飛んでいる。それを子どもが見上げ、指をさす。私は未来社会を想像したワクワクと受け止めたが、そればかりではなかった。作品への思いをこうつづる。「飛行機を見て、車も空を飛べたら渋滞を気にせず、ママに会えると思ったから」』。教員は、子供に接し、子供を理解しようとします。絶対に必要なことです。...あんた、神様になったつもり?

  • 素晴らしすぎる

    「それだから無理なんだって」12月28日『不登校9年、でも楽しく』という見出しの記事が掲載されました。『小中学校9年間一度も登校せずに高校から音楽を始めて東京芸大に進学、作曲活動をする』という作曲家内田拓海氏へのインタビュー記事です。『ゲームのBGMなどへの関心から、好きだった「音楽」を作る「作曲」に挑戦してみたくなった』『学籍だけあった中学校を卒業後、通信制高校に進学』『本格的に音楽を習ったことはなく、ピアノすらほとんど弾けなかった』『目標に掲げたのが難関の東京芸大への進学』『2浪の末に東京芸大の作曲科に合格』『卒業し、日雇いアルバイトの肉体労働』『東京芸大大学院の入試に再挑戦し、合格』、『「不登校クエスト」』出版、これが内田氏の歩みです。凄いですね。内田氏は『子どもの自由意思を尊重し、できる範囲内で幸...素晴らしすぎる

  • 専門職なのに、それでいいの?

    「未熟な方が」12月27日『部活事故2億円賠償東京高裁判決元高校生逆転勝訴』という見出しの記事が掲載されました。『体操部のつり輪の練習中に重傷を負ったのは学校側が安全配慮義務を怠ったためだとして、当時2年の元生徒と両親が学校法人新静岡学園に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決』について報じる記事です。注目したのは、次の記述です。『高裁判決は「30年ほどコーチ、監督経験のあった顧問教諭には重大な事故を予見することが可能で、補助者を配置していれば事故を防止することができた」として、安全配慮義務違反に当たると結論付けた』。考えさせられました。30年に及ぶ指導経験があるから予見できた、ということが判決の重要な要素になっています。つまり、今年から顧問になり初めてつり輪の指導に当たる教員であれば、義務違反には該当しないと...専門職なのに、それでいいの?

  • 意外、嬉しい

    「へぇー」12月27日『アジア調査会60周年記念シンポジウム「世界は転回する~米大統領選挙後のアジアを占う」』という記事が掲載されました。基調演説と3人の識者が話された概要ですが、その中で慶応大教授小嶋華津子氏の話が印象に残りました。中国の台湾統一(併合?)をテーマに、『共産党中央への集権化』『社会主義現代化強国』などの禍々しい話を展開する小嶋氏が、結びで語っていらっしゃるのが、『新しい秩序形成に主体的に関わるためには、自由な学風の中から日本としての哲学や社会科学を発展させていかなければならない』なのです。とても意外でした。軍事大国化する中国という現実を強調する文脈からは、対抗して国力の増強、経済力や先端科学技術の強化充実を求めるのかと思っていたからです。それなのに、自由な学風の中から日本としての哲学を、...意外、嬉しい

  • 光あるところに影がある

    「蔭」12月27日私立の名門中高の校長が語る『公開座談会』で、桜蔭中高の校長齊藤由紀子氏が語られている言葉が印象に残りました。齊藤氏は、『校章には、花のような表舞台ばかりではなく、「蔭」で社会を支える堅実な生徒に育ってほしい、という願いが込められている』と語っているのです。桜蔭は、女子校トップの名門校、進学校であり、毎年多くの東大合格者を出す学校です。私は8回卒業生を送り出しましたが、同中学校に合格した子供は一人もいませんでした。「一般人」には手の届かない高嶺の花なのです。そこの校長が言うからこそ、「蔭で社会を支える堅実な生徒」という言葉が深い意味を持ってくると考えました。今、学校教育は、将来特別な存在として光り輝く人になることを目指すべきという思想で染まっているように思います。日本を飛び出し世界で活躍す...光あるところに影がある

  • 同病相憐れむ

    「同病相憐れむ」12月27日『自衛隊の人員不足変化に即した対策が必要』と題された社説が掲載されていました。『自衛隊の人員不足が深刻化している』という現状を示し、その原因として、『民間企業との人材獲得競争で後れを取っている。危険な任務が多く、組織に古い体質が残っていること』を指摘しています。危険ということだけは違いますが、多忙やMP対応など職務上問題があることや、サービス残業を当然視するような職場の体質に問題があるとされることは教職と共通しています。また、対策として、『給与水準を引き上げる』『人工知能による業務の効率化』『新たな領域に対処する人材の育成』『組織文化の改革』『性加害事件やハラスメントが表面化して、国民の信頼は大きく揺らいだ』ことへの対策などが挙げられています。これも、教職調整額の引き上げ、校務...同病相憐れむ

  • じっくりと考えない主体的な学習?

    「大愚策」12月26日『授業5分短縮検討多彩な学び/詰込み疲弊』という見出しの記事が掲載されました。『学習指導要領の改定が中央教育審議会に諮問された。目玉となるのが、各教育委員会や学校が編成する教育課程の「柔軟化・弾力化」だ。授業時間の5分短縮が具体策』ということを報じる記事です。要するに、小学校で1単位時間45分となっている授業時間を40分間にし、5分×1015(年間標準授業時数)=5075分を学校が自由に使うということです。その使い道としては、『児童の興味・関心分野を探究すする時間』という例が挙げられていました。ズバリ言います。とんでもない愚策、改悪です。文科省は、自ら問題を発見し、自ら考え解決する授業を目指しているはずです。そうした授業は、教科や単元によって違いはありますが、基本的には、ある事象との...じっくりと考えない主体的な学習?

  • 踏み止まる力

    「大人ができること」12月24日専門記者大治朋子氏が、『中国版「無敵の人」と絆』という表題でコラムを書かれていました。その中で大治氏は、『中国で無差別襲撃事件が起きている』と書き出し、その犯人像を表す言葉として、『五失人員』という用語を紹介しています。経済的に行き詰まり、生活の希望がなく、心のバランスや人間関係を失った人たちを指す言葉だそうです。大治氏はこの「五失人員」と日本の「無敵の人」を並べ、これ以上失うものがない人が起こす凶行を防ぐために『私たちは彼らを社会につなぎとめる仕組みを持っているだろうか』と自問してコラムを終えられていました。「無敵の人」について、私は以前にもこのブログで取り上げました。「無敵の人」問題は子供における様々な問題行動においても重要な概念です。深夜徘徊、薬物利用、性非行、飲酒喫...踏み止まる力

  • 奥州みかん

    「大切なのは」12月23日歌壇欄に、青森のK氏による『「林檎は青森」「みかんは静岡」と習ったが昔の話昭和の半ば』という歌が掲載されていました。おそらく私と同世代の方だと思われます。小学校の社会科の授業で、みかんの産地と言えば静岡と和歌山、りんごの産地と言えば青森と長野と教わったものでした。しかし、温暖化が進み、野菜や果物の産地は北上を続けています。あと十数年もたてば、みかんは長野と青森産がおいしい、というようなことになりかねません。このことは、学校で学ぶ「知識」というものについて考える材料を提供してくれています。みかん=静岡、りんご=青森という知識は、その時点では正しくても、時を経れば間違いとなってしまい、陳腐化するということです。ですから、知識の丸暗記はいみのないことなのです。では知識など不要かと言われ...奥州みかん

  • 痩せてくる

    「歳を取ると」12月23日俳壇欄に、福山市O氏の『声もまた使はねば痩せ秋深し』という句が掲載されていました。勝手な解釈ですが、歳を重ねた高齢者の一人住まい、話し相手もなく声を出すことも減っている、体は使わなければ衰える、声も例外ではなく、かすれて出にくくなってしまった、秋が深まるにつれてそんなことを改めて感じるようになった、というような情景だと思いました。私はこの句を読み、30年ほど昔のことを思い出しました。当時私は、教務主任と新規採用教員研修担当を兼ね、担任を外れていました。さらに翌年、都の教員研究生として都立研究所に派遣され、学校からも離れてしまいました。そして2年ぶりに戻った教壇で、子供たちに話そうとしたとき、声が出づらかったのです。大学卒業後教職一筋、元々声が大きかったこともあり、自分の声が自分の...痩せてくる

  • 感動の共有がない授業なんて

    「授業はどっち?」12月22日『オンラインでは同期しない脳』という見出しの記事が掲載されました。『オンラインだと人と人の脳活動がそろう「同期」という現象が起きない』と指摘している東北大応用認知神経科学センター助教榊浩平氏へのインタビュー記事です。その中で榊氏は、「同期」について『人と人が対面し、目を合わせてコミュニケーションをとる、協力して何らかの作業をするといったときに、本人たちの脳活動がそろう現象』と説明し、『「心が通じ合う」「波長が合う」といった状況』とも解説なさっています。その上で、実験を重ね、『オンラインだと脳活動が同期しないのでは』という仮説を証明したとおっしゃっています。そしてその原因として、『コミュニケーションというのは言語だけでなく、目線、うなずき、表情、ジェスチャーなど非言語の要素も含...感動の共有がない授業なんて

  • 伝統のお家芸

    「お家芸」12月21日『「103万円の壁引き上げはありがたいでも…」』という見出しの記事が掲載されました。『都内の大手回転ずしチェーンでバイトしている男子大学生』が、特定扶養控除の引き上げについて、本当の気持ちを述懐する記事です。その中にとても強く印象に残った言葉がありました。『そもそも学生の本分は学業であり、落ち着いて学問に取り組める環境を整備してほしい。学生や外国人が低賃金労働力として、質・量ともに基幹化している現状はおかしい』という言葉です。私はこの指摘は、我が国の問題対処の特徴、それも悪い特徴を的確についていると思いました。問題となっている状況を根本に立ち返って改善するというのではなく、現状を容認し、急激に変えると多方面に影響が及ぶということで本質的でない部分で微調整を考えだし、それで一歩前進と肯...伝統のお家芸

  • 対子供、対大人

    「対策は?」12月21日『性犯罪・性暴力で処分初の300人超え文科省調査昨年度の公立学校』という見出しの記事が掲載されました。『2023年度に性犯罪・性暴力やセクハラで処分された公立学校の教員は前年度比79人増の320人だった』ことを報じる記事です。由々しき事態です。対策は急務です。ただ、記事を読んで疑問に感じたこともありました。記事では、『児童生徒ら子どもに被害を与えたとして懲戒処分を受けたのは157人。前年度から38人増えた』とあります。つまり残りの163人の被害者は、子供以外ということになります。同僚の教職員?保護者?学校とは無関係の第三者?、よく分かりません。ただ、文科省が進めてきた対策は、『児童生徒らへの性犯罪などにより処分歴のある員物の復職を制限』『ネット交流サービスでの児童生徒への私的な連絡...対子供、対大人

  • ああ、それは嘘だ

    「大本は」12月19日『メディアリテラシー教育リスク知る機会拡充を』という見出しの記事が掲載されました。『玉成混交の情報を読み解く力「メディアリテラシー」が必要不可欠な時代となった。教育現場でも取り組みが始まっているが、さらなる拡大が求められる』という立場で書かれた記事です。いくつかの実践が紹介されています。共通しているのは、『情報源を確認する、報道や公的機関の発信と比較するなどの「ファクトチェック」』です。もちろんその通りです。正解です。しかし私たちは一年365日、一日24時間、膨大な量の情報に接して生きています。ある情報に接したとき、その情報について疑いをもちファクトチェックするという行為を、一日に数十回も繰り返すことは現実的ではありません。結局、何か特別なときに、チェックするだけになってしまいます。...ああ、それは嘘だ

  • 「好きだ!」と言えるほどの・・・

    「誰でも?」12月17日全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る連載企画、『14歳の君へわたしたちの授業』は、国際農林水産業研究センター主任研究員前野ウルド浩太郎氏が登場されました。バッタ博士の異名がある前野氏の言葉で一番気になったのは、『苦労はあっても、やりたいことを続けていれば、そんなに気になりません。皆さんもぜひ、自分が好きなことを続けてください』でした。『理屈抜きでバッタが好きでした。あまりに好きすぎ、自分に群がってほしくて、バッタが食べる草の色に似た緑色の衣装を群れの前で着たほどです』という前野氏らしい言葉です。でも疑問なのです。一つの分野で何かを成し遂げた人は、前野氏と同じようなことを言われる印象があります。好きだからやってこれた、好きだから続けられた、好きだから他のことは考えられなか...「好きだ!」と言えるほどの・・・

  • 30点で上出来、頑張らなくていいよ

    「神も仏もない」12月17日『「遺伝は子どもの学力に影響」教育界の「タブー」に一石』という見出しの記事が掲載されました。行動遺伝学を専門とされる慶應義塾大安藤寿康名誉教授へのインタビュー記事です。安藤氏は『遺伝は常にその人の行動に影響する。子どもの学力においても例外ではありません』と語り、5割は遺伝、環境や子育ての影響は3割程度と指摘します。そうか、3割は~と思ったのもつかの間、読み聞かせなど効果的な指導をしても『偏差値で言うなら55から57に上る程度』とがっかりするようなことをおっしゃいます。そんな安藤氏は、『成績の結果などを単純に努力不足などに結びつけることは子どもにとって不条理と言えます』とも説き、親や教員が子供を責めることを諫めています。遺伝は、本人の責任ではありません。自分の努力ではどうにもなら...30点で上出来、頑張らなくていいよ

  • あなたは罪を犯しています

    「主権者教育のキーワード」12月16日『「ちょっと待った」と声上げて』という見出しの記事が掲載されました。長年、女性学・ジェンダー研究の先頭に立たれてきた社会学者上野千鶴子氏へのインタビュー記事です。その中にとても印象に残る言葉がありました。『わたしは差別や被害をだまって見過ごす傍観者も共犯だと考えます。「ちょっと待った」を言わないと、、差別は再生産されます。どんな人にも、被害者にも加害者にも、そして傍観者にもなってほしくありません』です。上野氏はこの言葉を、ジェンダーの問題を述べる文脈で使われています。一方、私はこのブログでも再三書いてきました、「いじめを傍観する人は加害者と同じ」と。傍観者=加害者論をいじめに限定して書いてきたというわけです。しかし、今回上野氏の言葉に触れ、傍観者=加害者論は、いじめ限...あなたは罪を犯しています

  • 下支えする力

    「シリアの将来予想」12月11日『「大人の学力」日本トップ級』という見出しの記事が掲載されました。『経済協力開発機構は10日、大人が社会生活を送る上で必要な能力を測る「国際成人力調査」の結果を公表した』ことに関する記事です。記事によると、『16~65歳が対象(略31ヵ国・地域が参加)』し、『日本の平均得点は前回1位だった「読解力」と「数的思考力」が2位、初めて調べた「状況の変化に応じた問題解決能力」が1位で、トップ水準を維持した』とのことです。しかも、『成績を段階別に見ると、日本は3分野ともレベル1以下の下位層の割合が最も少なかった』というのです。つまり、日本は、国民の知的能力が平均して高いということです。実に誇るべきことです。近年、我が国の学校教育に対して、団体主義、管理主義的で個性を伸ばすことができて...下支えする力

  • 三歩下がって二歩下がる

    「それじゃだめ」12月11日『部活改革「地域展開」に名称変更』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『公立中学校の部活動改革に関する有識者会議の第2回会合が10日、東京都内で開かれ、部活動を地域スポーツ団体などに委ねる「地域移行」について、学校と地域の二項対立の印象を与えかねないとの懸念があるため「地域展開」に名称変更する考えが示された』ということです。ダメですね。実質は変わらないで名称だけ変えるというのであれば反対はしません。しかしこのケースでは、名称変更は実質的な内容の変更につながる可能性が高いと考えます。「移行」は、AからBに移り、Aには何も残らないというイメージです。一方、展開は、Aという狭い範囲に収まっていたものが、周囲に広がっていくというイメージになります。つまり、展開後もAには残...三歩下がって二歩下がる

  • 私の理解力不足でしょうか

    「期待外れ」12月10日植草学園大教授野澤和弘氏が、『学校がなくなる日は来るか?150年変わらない「あり方」』という表題でコラムを書かれていました。その中で野澤氏は、不登校やいじめの急激な増加等を理由に、『このままでは学校はなくなるのではないか。そう思えてくるほどの急増ぶりだ。社会の変化から隔絶されたところで、「学校」というシステムは深刻な機能不全に陥っているのではないか』と問題提起されています。根源的な問題提起だと思いました。しかし、野澤氏なりの解は示されていませんでした。そこで細部について見ていくことにしました。そうするといくつかの「?」が浮かんできたのです。特に気になったのが社会性をめぐる問題です。野澤氏は、『時代遅れの集団主義が子どもたちを息苦しくさせている』と述べながら、『集団の中で自分とは違う...私の理解力不足でしょうか

  • 子供にハグはしないけれど

    「問題解決能力」12月8日専門編集委員滝野隆浩氏が、『孫娘にはかなわない』という表題でコラムを書かれていました。『九州で1人暮らしをしていた母が施設に入って、間もなく半年になる。関東地方に住む長女が「おばあちゃんに会いたい」というので一緒に会いに行くことに』なったときのことについてのコラムです。印象に残ったのは次の記述です。『孫娘とは女同士、キャーキャーギャーギャーを楽しそう(略)私とは心配ごとの話ばかりだ(略)固定電話は解約した方がいいのか。電気はどうだろう。水道を止めたら(自分が実家に帰ったとき)水洗便所が使えなくなる。台所の大小食器類、部屋のあちこちに母の服。すべてを捨てるのか。いつ捨てるのか。そもそもこの家は処分できるのだろうか(略)気づく、母に関することをいま、「問題」として扱っている、と。何と...子供にハグはしないけれど

  • それはケースバイケース

    「長々と」12月7日『丁寧に答弁でも具体論は…石破首相「熟議」模索』という見出しの記事が掲載されました。石破首相の国会答弁について分析する記事です。記事によると、『官僚が用意した紙に極力頼らず自身の言葉で答弁をつむいだ(略)首相なりに「熟議」の形を模索しているようだ。しかし長々と自説を語った上で具体論には踏み込まないことも多く、野党から「聞いているふりでは」との指摘も出た』とのことです。考えさせられました、熟議について。私は、しっかりと相手の話を聴き、その意味、内容を把握し、自分の持っている知識や経験を基に自分の思考力をフルに働かせて得た考えや問い、感想を自分で紡ぎ出した言葉で伝える、そうした行為を繰り返すこと、それを熟議というのだと考えます。そして世間の常識では、熟議は良いこととされています。一方、熟議...それはケースバイケース

  • 臭くないクサヤなんて

    「捨てがたい」12月7日書評欄に、ライター永江朗氏による『「悪文の構造」千早耿一郎著』についての書評が掲載されていました。その中で永江氏は、『悪文にはいくつかのパターンがある。たとえば、主格と述語の関係がわかりにくい文章(略)悪文を防ぐには、文章をできるだけ短くして、語と語の関係に注意を払う』など同書の内容の一部を紹介しています。妥当と思われる内容です。ただその後、『若いころのぼくなら、「なるほどなあ」と感心し、さっそく実践しようと思っただろう。でも現在のぼくは、悪文の実例をひとつひとつ読みながら「これはこれで、味があるなあ」と感じる(略)悪文だからこその魅力だろうか』と書かれているのです。分かるような気がします。「クサヤは臭い、でもだからこそ美味しい」というような感覚でしょうか。教員をしていても、同じよ...臭くないクサヤなんて

  • 弱者を笑う

    「何ができる?誰がする?」12月6日『「弱者男性」16の定義』という見出しの記事が掲載されました。『仕事や家庭、恋愛でうまくいかない、経済的に困っている、または社会的に孤立している、こういった男性について取材したライターのトイアンナさん(37)は「弱者男性1500万人時代」を刊行した』ことを受け、著者のトイアンナ氏にインタビューした記事です。記事によると、弱者男性とは、『出自や育った環境など、様々な事情を抱えているのに、同情を得にくく、自業自得と思われやすい。あるいは、存在を認識してもらえない』男性のことだそうです。今、国内に1500万人いると推計されているそうですが、それは、生産年齢人口に限った話です。つまり、15歳以下、小中学生は調査対象になっていないということです。しかし、『容姿にハンディキャップが...弱者を笑う

  • 先生には秘密に

    「情報共有」12月6日『養護教諭の8割超「男女別の制服は問題」』という見出しの記事が掲載されました。NPO団体が『養護教諭を対象に性的少数者に関する意識や当事者の子どもに接した経験などを尋ねた調査結果を発表した』ことを報じる記事です。その中に気になる記述がありました。『相談を受けた際に約9割が他の教師らと情報共有をしたと答えたが、そのうち子ども本人の承諾を得ていたと答えた割合は約半数にとどまった。性的指向や性自認を同意なく他者に伝えることは「アウティング」と呼ばれ、本人の承諾を得ることが求められる』という記述です。アウティングに対する無知、人権感覚の乏しさにはあきれる思いです。しかし、この問題は、養護教員を責めて済むようなものではありません。養護教員から話を聴いた教員や校長等の中で、「○○先生、その話は本...先生には秘密に

  • 本当の暗中模索

    「足りないもの」12月5日川柳欄に、町田市H氏の『眼鏡拭く時にメガネが要る不便』という句が掲載されていました。眼鏡を拭こうと思っても、老眼の目では、メガネがないとレンズの曇りもよく見えず拭くことができないという状況を詠んだ句です。メガネであれば、いくつかの予備の眼鏡を用意しておけば済むことですが、そうはいかないものがあります。その典型的な例が、「知識・理解」と呼ばれるものです。高校生のとき、私は英語が苦手でした。下町のレベルの低い中学校でこそ、5段階評価で4の成績でしたが、地域で一番伝統のある進学校に進んだとたん、赤点を取ってしまいました。どうにかしなければ、と焦ったものの、中学生時代には、中間試験と期末試験のときだけ教科書を暗記して乗り越えていた私には、単語も文法も知らないことばかり、そもそも英語の勉強...本当の暗中模索

  • おいてきぼり

    「ますます悪化」12月4日『都が週休3日制導入へ25年4月から選択制』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『知事は所信表明で2025年4月から週休3日を選択できる勤務制度を導入する方針を明らかにした』ということです。もちろん、全ての職種でということではないようですが、都の取り組みが民間にも広がっていくことが予想されます。一方で、公立校の教員に週休3日制が導入されることは非常に難しいと考えられます。子供は機械ではなく、肉体的、精神的に今よりも一日当たりの授業時間数を増やすのは無理ですし、小中高の6・3・3制という年限を延長することも難しいでしょう。かといって、授業時間数を減らす=学ぶ内容を減らすということも、社会が複雑化し学ぶことが増えてきている現状からすれば、非現実的です。つまり、将来的に、...おいてきぼり

  • 僕は坊ちゃん、俺はガキ

    「豊かさを枯らす?」12月2日劇作家・演出家のわかぎゑふ氏が『「役割語」という大きな枷「僕」「私」-一人称だらけの日本』という表題でコラムを書かれていました。その中でわかぎ氏は、『日本人は男言葉、女言葉をそれぞれ当たり前に使う。他にも大人言葉、子供言葉、不良言葉、上流階級言葉-などいろいろあるが、誰も不思議に思ったことなどないだろう』と書き、これら「役割語」について論じています。わかぎ氏は、『役割語とは、なんという便利な言葉だろうか!日本特有の文化と言っても過言ではない』とする反面、『人の立場を決めつけ(略)日本のジェンダーフリー化を阻む大きな枷になっていないか』と問題提起なさっているのです。今、学校は、「役割語」の使い方である種の変革期にあるように思います。かつての男→僕、女→私という言い方は、「公の場...僕は坊ちゃん、俺はガキ

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