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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 過激な手段の効果

    テロや暗殺は、一部の人には(ドラえもんのひみつ道具のように)人気があります。しかし、テロや暗殺で思うような結果が出せたことってどのくらいあるのでしょう?少なくとものび太はドラえもんの道具で思うような結果を出せたことはないですよね。【ただいま読書中】『暗殺が変えた世界史(上)──カエサルからフランツ=フェルディナントまで』ジャン=クリストフ・ビュイッソン著、神田順子・田辺希久子・村上尚子訳、原書房、2019年、2000円(税別)世界史から様々な「暗殺」について取り上げていますが、著者は「暗殺された人」と「暗殺した人」の両方をほぼ同じ態度で取り扱います。「暗殺」はそれぞれ違うので、簡単に「共通点」とか「教訓」とかは得られません。それぞれ個別のケースを「ふうん」と感心しながら読むしかなさそうです。ただ「正義」によって...過激な手段の効果

  • 丁寧に説明

    安倍首相、自分の病気についての説明は、実にわかりやすい丁寧なものでした。「しなければならない」と言わなくても、やればできる。【ただいま読書中】『古生物食堂』土屋健著、黒丸絵、技術評論社、2019年、1980円(税別)この本を読むためには、まず著者の世界観(漁船が網を上げたら、たくさんの魚に時々アノマロカリスが混じっている/スーパーでは三葉虫を普通に売っている、など)を受け入れる必要があります。その上で、それらの“食材”をどのように美味しく食べるか、のレシピを読むのです。初っ端は「アノマロカリスしんんじょう揚げの甘酢餡かけ&みそディップとフィンの素揚げ」、つぎは「三葉虫のお好み焼き」です。もう「わはははは」と私は爆笑です。著者は単にふざけているわけではありません。「古生物が食えるのか、どんな味か」の生物学的な面と...丁寧に説明

  • 不測の事態

    コロナ禍という不測の事態ではおろおろするばかりだった爺さまたちが、首相退陣という不測の事態では妙に生き生きしている姿を見ると、「なんだかなあ」という感想を持ってしまいます。ところで「病気だから首相をすることができない」という言葉で皆が即座に納得する、ということは、“皆の意識”に「健康人以外は責任のある職務についてはいけない」が共有されている、つまり「障害者や子育て中の人間などは役職に就いてはいけない」ということに?私はどんな(生物学的あるいは社会的な)ハンディキャップがあっても、能力がある人はその能力を活かすことができる、そのためには皆が助け合う、そんな社会であって欲しいんですけどね。そしてそんな社会だったら、障害を持った首相が辞めるときにはまず感謝の言葉から始めるでしょう。【ただいま読書中】『仏教における女性...不測の事態

  • 最近の若者は、という人もかつては若者だった

    最近、凶悪な少年犯罪が増えている、と感じている人は、常に一定数以上いるそうです。増えているかどうかは統計を見たらすぐわかるのですが(日本では1970年代がピークで、あとは減る一方です)、なぜか「増えている」と思っている“大人(「最近の若者は」と言う人)”がいる。そう思っている人が、日本で少年犯罪が今より多かった時代に少年だった、というのは、ちょっと面白い、とは思えますね。【ただいま読書中】『少年の「問題」/「問題」の少年──逸脱する少年が幸せになるということ』松嶋秀明著、新曜社、2019年、2300円(税別)本書のキーワードは「レジリエンス」です。いろいろ定義はあるそうですが、本書では「大きな脅威や深刻な逆境にさらされること」と「良好な適応を達成すること」の両立、としています。もう一つ重要なキーワードは「ナラテ...最近の若者は、という人もかつては若者だった

  • 真空

    「真空」を「何もない空間」と思っていたら、「真空の相転移」なんて言葉に出くわして眼をぱちくり、は何年前のことだったでしょう。さらに「ヒッグス場」を信じるなら、「真空」には「なにか」がぎっしり詰まっていることになります。「真空」って、一体、何?【ただいま読書中】『トコトンやさしい真空技術の本』関口敦著、日刊工業新聞社(B&Tブックス)、2019年、1500円(税別)「真空」はJISに「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」という定義があります。真空には「大気圧を感じる(真空掃除機、真空ピンセットなど)」「酸素が少なくなる(缶詰、真空パックなど)」「熱や音が伝わりにくくなる(魔法瓶など)」「蒸発しやすい(真空凍結乾燥など)」「放電しやすい(蛍光灯など)」「障害となる分子が少なくなる(高エネルギー物理...真空

  • 平清盛と厳島神社

    平清盛が厳島神社を創建した、と私はなんとなく思っていましたが、『平家物語』を読んでいてさてそれは本当か?と疑問を抱いたので、何冊か関連しそうな本を読んでみることにしました。【ただいま読書中】『平清盛と宮島』三浦正幸著、南々社、2011年、1400円(税別)厳島神社の創始は推古天皇癸丑(みずのとうし:西暦593年)と伝えられています。社殿の創建はおそらく飛鳥時代〜奈良時代。ただし最初は「陸上の社殿」でした。現在の「海上社殿」は平安末期、平清盛によって創建されています。現在神社が建つ入江は、古代から定期的に土石流に襲われるところで、平安時代にはほぼ土に覆われていたと推定されます。ただ、背後の弥山で暴風から守られ、入江なので強い波が立たないという利点もある土地です。そこで入江を埋めた表土を少なくとも3mは掘って岩盤を...平清盛と厳島神社

  • 証拠主義

    証拠の積み重ねで犯罪は立証されます。では検察がその過程でズルをしていないことは、どうやって立証すれば良いのでしょう?【ただいま読書中】『ゴーンショック──日産カルロス・ゴーン事件の真相』朝日新聞取材班、幻冬舎、2020年、1800円(税別)「リニア談合事件」「文部科学省汚職事件(東京医科大学医学部入試での不正)」「三菱日立パワーシステムズ幹部の外国公務員への贈賄事件(日本での司法取引第一号)」などの大型案件を抱えていた東京地検特捜部に「ゴーンが日産の金を食い物にしている。アメリカ大手法律事務所が調査に乗り出している」という情報がもたらされたのは2018年3月。検察は秘かに動き始め、司法取引をこの案件に適用することにします。2010年以降の相次ぐ不祥事(厚生労働局長村木さんを冤罪で立件・証拠のフロッピーディスクを...証拠主義

  • 19世紀に統一

    イタリアとドイツは多くの「国」からできていましたが、19世紀に統一されました。その両国から20世紀にムッソリーニとヒトラーが登場したのは、なにか共通するものがあるのかな、とちょっと不思議に思えます。そういえば日本も19世紀にばらばらの藩幕体制から「日本」へと“統一”されました。もちろん「因果関係」はないでしょうが、日独伊三国同盟がすべて「19世紀に統一された国」というのは、本当に不思議な気がします。【ただいま読書中】『一冊でわかるイタリア史』北原敦著、河出書房新社、2020年、1700円(税別)紀元前7世紀ころにイタリアにはすでに「ローマの都市」が築かれていました。やがて古代ローマがローマを中心として発展。このイメージが強いため、イタリアと言えばつい「ローマ」と答えたくなりますが、ローマ帝国滅亡後イタリアは長い...19世紀に統一

  • 正義を使った後(跡)

    正義を使った後(跡)「正義」って、使えば使うほど減っていく一種の消費資源ではないか、と思うことがあります。それを大量に使った人の姿を見ると、「正義を消費したあと」には、良くて「虚無」悪いと「悪徳」がはびこっているように見えるものですから。【ただいま読書中】『戦場の素顔──アジャンクール、ワーテルロー、ソンム川の戦い』ジョン・キーガン著、高橋均訳、中央公論新社、2018年、4800円(税別)陸軍士官学校の教官を務めている著者は、自分が会戦を経験していないことに、一種のコンプレックスを抱いていました。そこで著者は「会戦の素顔」をのぞき込むために、大まかな武器の分類に従って史料が豊富に残されている三つの会戦を選び出しました。アジャンクール会戦(手持ち武器)・ワーテルロー会戦(単発投射武器)・ソンム川会戦(多発投射武器...正義を使った後(跡)

  • フェアな世界

    自分に都合の良い「フェアな世界」などありません。とりあえず身近にあるとしたら「自分がフェアに振る舞っている世界」だけ。もしかしたらその小さな「フェアな世界」が世界の他の所に存在する「ある人がフェアに振る舞っている世界」と結びつくことで大きくなっていくことはあるかもしれません。【ただいま読書中】『陸海の交錯──明朝の興亡』檀上寛著、岩波書店(岩波新書1807)、2020年、860円(税別)モンゴルがユーラシア大陸をほぼ支配した時代、ヨーロッパと東アジアを結ぶ「陸路」と「海路」が確立しました(マルコ・ポーロは、行きは陸路、帰りは海路でしたね)。元朝末期、無理な開発によって脆弱性を抱えた耕地を自然災害が直撃、政治の乱れ(権力闘争、腐敗官僚、チベット仏教の偏重、モンゴル諸王への無制限の賜与などによる財政逼迫)に対する庶...フェアな世界

  • 歴史の教訓

    過去は現在とは違う世界です。だから歴史を研究する価値が生じます。同じなら現在だけ見つめていれば良いのです。わざわざ苦労して過去を調べる必要はありません。その「違う」を前提として調べていたら、それでも過去と現在に共通する部分がもしも見つかったら、それは「歴史の教訓」と呼べます。最初から「教訓」を探す態度は、単に過去を食い散らかしているだけでしょう。そういった態度の人は、現在をまずしっかり見つめた方が良いのです。【ただいま読書中】『世界史のなかの産業革命──資源・人的資本・グローバル経済』R・C・アレン著、眞嶋史叙・中野忠・安元稔・湯沢威訳、名古屋大学出版会、2017年、3400円(税別)イギリスの産業革命は「高賃金」と「安い燃料費」を基礎として生まれた、と著者は考えています。大英帝国として植民地経営で莫大な利益を...歴史の教訓

  • 野菜には捨てるところがない?

    「野菜には捨てるところがない」と主張するサイトに出くわして、私は眼をぱちくり。どんなすごいことを主張しているのかと読んでみたら「人参の皮やピーマンの種は食べられる」。あのう、その程度はすでに実践していますが。いや、廃棄物を減らす、には大いに賛成なんですが、皮や種程度で威張られてもねえ、というのが私の感想です。そうそう、念のためですが、ジャガイモの芽は捨てた方が良いですよ。あれ、毒(ソラニン)ですから。【ただいま読書中】『ルポ老人受刑者』斎藤充功著、中央公論新社、2020年、1500円(税別)まずは1984年の古い取材メモから話が始まります。著者が訪問した広島県の呉刑務支所は、51人の受刑者の最年少は58歳、最高齢は83歳、平均68歳の「老人刑務所」でした。ほとんどの人は累犯ですが、その犯罪は「詐欺(無銭飲食)」...野菜には捨てるところがない?

  • 奴隷もどき

    「奴隷」は「個人の価値」は無視され「その働き」だけが評価されます。すると「同一労働同一賃金」などと言われる資本主義社会の「労働者」は、「奴隷」あるいはせいぜい「奴隷もどき」の存在だと見なされている、ことに?【ただいま読書中】『阿・吽(5)』おかざき真里作、小学館、2017年、648円(税別)第一巻を読んで読書感想を上げてから順調に一巻ずつ読んでいたのですが、あまりの迫力に読後しばし茫然とすることが多く、ついつい感想を書くのを忘れていました。忘れていたことを思い出したので、第五巻について書きます。最澄は希望通り遣唐使に選ばれますが、なにやら周辺がざわざわしています。そして、空海は選に漏れる、というか、そもそもまだ授戒どころか得度もしていないわけで、これでは名乗りを上げる何の資格もないわけです。しかし「真理に愛され...奴隷もどき

  • 動物県名

    「動物」が入った県名は、日本には4つあります。さて、すべてすぐに言えますか?【ただいま読書中】『らくご動物園』相羽秋夫著、東方出版、2019年、1800円(税別)「落語に登場する動物についてまとめた本」だそうです。そう言われて私がすぐに思いつくのは「らくだ(らくだ)」「サンマ(目黒のさんま)」「うわばみ(そば清)」「ねずみ(ねずみ)」くらいですが、著者が調べるとけっこうあるそうです。その数なんと102。ただ、天狗・河童・竜、さらには疝気の虫や水虫まで含めているから、目次を見るだけで笑っちゃいます。あ、私が思った「ねずみ」は「彫刻」だから入れて良いかどうかは疑問ですね。「らくだ」も人名だし。ともかく「あかがい」から「わに」まで各種取り揃えてございます、落語も古典から新作までございます、というバラエティーの豊かさで...動物県名

  • 「頑張る」の価値

    「頑張る凡人」は「頑張る天才」には勝てません。でも「頑張る凡人」は「頑張らない凡人」には勝てますし、もしかしたら「頑張らない天才」にも勝てるかもしれません。【ただいま読書中】『女系図でみる驚きの日本史』大塚ひかり著、新潮社(新潮新書735)、2017年、760円(税別)『平家物語』では「平家は滅亡した」とありますが、「男系」ではなくて「女系」に注目したら、全然滅亡なんかしていない、と本書は始まります。むしろ源頼朝の方が、鎌倉時代に直系の子孫が滅亡してしまっていて、どちらが勝者やら、なのだそうです。「家系図」と言うとついつい「嫡男」だけに注目してしまいますが、「当主」と「どの女性」との間にどのくらいの子孫ができたか、で家系図を書き直したもの(著者が言うところの(どの母の子であるか、を重視する)「女系図」)で見ると...「頑張る」の価値

  • 国難

    コロナ禍が始まった頃、「国難」と表現する人がいました。もちろん国の災難という側面もありますが、なんだか中途半端な言い方だな、と私は思っています。だって、コロナで私たちがまず考えるのは「自分や身近な人(家族や友人たち)の生死」じゃないです?これは小さな側面と言えるでしょう。大きな側面では「世界中の災難」でもあります。世界の中で日本だけ良くなる、ということはあり得ません。移動する人によって必ず持ち込まれますから。鎖国でもしたらあり得ますが、経済的にやっていけないでしょ?(というか、鎖国をしていた江戸時代でも、世界の流行病はどんどん日本に入ってきていました)その「個人レベル」と「世界レベル」のどちらでもない「国難」をまず思う人って、一体現実と現在と未来と世界の広さをどんな風に見ているんだろう、が私の疑問です。【ただい...国難

  • 逆ストーカー

    「自分はこんなにお前のことを思っているのだから、お前はこの気持ちに応えてくれるべきだ」はストーカーの論理(自己正当化)です。ではいじめでよく登場する「自分はお前のことをこんなに嫌っているのだから、お前はさっさと死ぬべきだ」は、ストーカーの論理のまんま裏返しとも言えるのではないでしょうか。どちらも「自分の欲望の通りに他人は行動するべきだ、自分にはそれを他人に強制する“権利”がある」と思い込んでいる構造が共通です。【ただいま読書中】『ベア・アタックス(II)──クマはなぜ人を襲うか』S・ヘレロ著、島田みどり・大山卓悠訳、北海道大学図書刊行会、2000年、2400円(税別)クマの嗅覚は鋭いのですが、それは進化の過程でイヌと共通の祖先を持っているからかもしれません。本来は肉食獣ですが、少しずつ植物食をするようになり、現...逆ストーカー

  • 獣苦

    日本のあちこちで「三獣苦」とか「四獣苦」とかいう言葉が使われています。サル・鹿・熊・猪に畑を荒らされたりする被害のことですが、「獣」の側からはまた別の主張があるでしょうね。そういや昔は狼が食物連鎖のてっぺんで「山の獣たち」の数を最終的にコントロールしていたのですが、それを滅ぼした以上人間がちゃんと食べることで獣たちの増えすぎをコントロールしなきゃいけないのではないです?【ただいま読書中】『ベア・アタックス(I)──クマはなぜ人を襲うか』S・ヘレロ著、島田みどり・大山卓悠訳、北海道大学図書刊行会、2000年、2400円(税別)地球上にクマは7種類棲息しています。本書では北米で起きた人間と二種のクマ(グリズリー(またはブラウンベア、和名はヒグマ)とブラックベア(和名はアメリカクロクマ))の遭遇を扱っています。著者は...獣苦

  • 汗の代償

    この前初めてウーバーイーツで出前をしてもらいました。「どんな人がどんな手段で運んでいて、今どこにいるか」をスマホで簡単に確認できるのは便利ですね。ただ、東京の中心地のような大都会ならともかく、地方都市では「配達距離が伸びる」「配達依頼数は少なくなる」というデメリットがありますから、「配達員をするメリット」はどのくらいなのかな、なんてことは思いました。ちゃんと儲かっているのかな?【ただいま読書中】『哺乳類の卵──発生学の父、フォン・ベーアの生涯』石川裕二著、工作舎、2019年、2000円(税別)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4875025084/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4875025...汗の代償

  • 三密対策

    人型ロボットを接待や給仕に使えば、感染させられる/感染させる、の心配はぐっと減りそうです。【ただいま読書中】『深宇宙ニュートリノの発見──宇宙の巨大なエンジンからの使者』吉田滋著、光文社(光文社新書1061)、2020年、1200円(税別)南極の観測装置「アイスキューブ(IceCube)」から「ニュートリノ発見」の第一報が著者の携帯に入ったのは世界時で2017年9月22日。早速著者は天文学者のネットワークに働きかけます。ニュートリノの放射源に向かってすべての望遠鏡(というか、電波、可視光線、X線、γ線の観測装置)を向けてもらうように。このニュートリノは、40億光年の彼方から飛来して南極の氷に突き刺さりましたが、可視光の100兆倍のエネルギーを持っていました。では40億年前に“そこ”で何が起きたのでしょう?著者は...三密対策

  • 人工無能?

    私はSiriをよく使っていますが、「このへんでお勧めのランチのお店は?」という質問にも「このへんでまずいランチのお店は?」という質問にも同じリストを返してくるのは、勘弁して欲しいと思います。【ただいま読書中】『純粋機械化経済──頭脳資本主義と日本の没落』井上智洋著、日本経済新聞出版社、2019年、2300円(税別)著者は「AI」を「知的処理を行うことができるソフトウェア」と広めに定義しています。だからAIを開発するための知的要素もまたAIとすることが可能です。重要なのは、著者は「AIを制するものは世界を制する」と考えていること。AIに本気で取り組む国家は「覇権国家」になれる可能性がある、と著者は考えています。その有力候補は米国と中国。日本はITを苦手としているのでこの競争では“予選落ち”。「第4次産業革命」では...人工無能?

  • ネット予約でトラブった場合

    私自身は自分のことを「困った客」とは思っていませんから、もしネット予約でトラブルが生じたら相手が悪い(悪質業者だ)と思う可能性があります。だけど先方の業者も自分のことを「まともな店」と思っていたら「クレーマー登場」と思う可能性があります。もしそうだったら「どちらが正しい」ではなくて「どうしたら双方が一番傷が少なくトラブルが解決するか」を探ることなんでしょうね。もちろんどちらかが「クレーマー」とか「悪質業者」の場合には話は別ですが。【ただいま読書中】『ネット予約時代の困ったお客のトリセツ』飯野たから著、自由国民社、2019年、1400円(税別)この本で扱われるのは「まともな店」と「クレーマー」です。いやあ、すごい例が次から次へと。私が一番笑ったのは、ネット書店で買った本がつまらなかったので返金しろ、という要求でし...ネット予約でトラブった場合

  • 才能ありのお花

    テレビ番組「プレバト」では「生け花」の才能査定もやってます。私は「お花」に関してはまったく才能がないので、「これは素敵だな」と思っても假屋崎先生は「これは、才能なしです」と言うことはしばしば。もっとも、生け花の流派によって「良い生け方」はけっこう差があるようです。各流派の合同展覧会を見に行ったことがあるのですが、流派によって展示されている花のたたずまいや花器などがまったく違っていることに驚きました。となると、プレバトで「才能なし」の作品でも、他の流派の師匠には「才能あり」とされることもあるのかもしれません。ところで、今はお墓参りのシーズンです。私も先日参ってきたのですが、お墓に供えるお花、「才能あり」となるのは何をどんな生け方をした場合なのでしょう?【ただいま読書中】『身近なアレを数学で説明してみる──「何でだ...才能ありのお花

  • 蟬の声

    今年は梅雨明けが遅かったせいか、梅雨明け前から蟬が雨の中で合唱をためらいがちに始めていました。今はもう夜明けと同時に堂々と「夏だ〜夏だぞ〜」の大声合唱です。ところで、この蟬の声って何年後かの「約束」の表明でもあるんですよね。【ただいま読書中】『義理と人情の経済学』山村英司著、東洋経済新報社、2020年、1800円(税別)多くの経済学理論では人間は「利益を最大化するために合理的に行動する」と仮定されています。しかし人間はけっこう「利他的な行動」も行っています。そういった「不合理な行動」を、本書では「共感」「信頼」「嫉妬」「利他」「幸福感」に注目し、注目するだけではなくてデータを定量的に解析しています。数学は「文化」には依存しないように見えます。しかし数学者の方法論に実はその数学者の出身文化が色濃く影響をしている、...蟬の声

  • 技能実習生

    今回のコロナ禍でインタビューを受けていた農家の人が「技能実習生が来日できなくなった。日本の農業は彼らに頼っているのに、これは困る」と言っていました。これって「実習生」ではなくて「貴重な労働力」ということですよね?それならそう呼べば良いのにな。【ただいま読書中】『ルポ技能実習生』澤田晃宏著、筑摩書房(ちくま新書1496)、2020年、860円(税別)著者は二軒の「高卒後数年で建てた家」を紹介します。最初は埼玉、高卒で鉄鋼メーカーに就職、25歳で結婚、年収500万円となり27歳で35年ローンを組んで一軒家を建てた青年。今の日本ではすごい「成功例」です。もう一件の家はベトナム。技能実習生として3年勤めた青年は、日本で彼女ができ、月の手取り17万円のうち14万円を家に送金、それでとっても豪華な家が建ちました。著者は、前...技能実習生

  • 分断国家

    第二次世界大戦後、ドイツは東西に、朝鮮は南北に分断されました。では日本はどうかと言えば「日本」と「琉球」に分断された、と言えるでしょう。で、今「日本」と「琉球」の「分断」は、解消されているのでしょうか?【ただいま読書中】『沖縄処分──台湾引揚者の悲哀』津田邦宏著、高文研、2019年、2800円(税別)第二次世界大戦直後、「琉球」という地名が復活していました。米軍と中国は台湾で、「日本」への引き揚げ者とは別枠で「琉球人」という扱いをしていたのです。中国は戦後直ちに「連合国軍」として台湾に進駐、中国固有の領土として祖国復帰(光復)を宣言すると同時に、過去の朝貢の歴史から沖縄も中国に帰属するべき、と考えていました。日本政府もその意を受けてか、「日本への引き揚げ」の手配は行っていましたが、「台湾から琉球への引き揚げ」は...分断国家

  • 一度だけ

    「一度人を殺してみたかった、誰でもよかった」と言う人はいるが「誰にでもいいから、一度殺されてみたかった」と言う人はいませんね。【ただいま読書中】『日本のタクシー自動車史』佐々木烈著、三樹書房、2017年、3800円(税別)明治10年「新発明里数計付人力車馬車」の広告が東京日日新聞に出されました。つまりは走行メーター付きの人力車です。ただし全然売れませんでした。値段が高いのと、ぼったくりができなくなる、という車夫の反発からだったようです。ドイツでは1891年に「タクサ・メーター」が発明され、それを付けた辻馬車「タクシー・キャブ」が各国に普及していきました。シュツットガルトでは1896年に二台のベンツを購入したデューツが「タクシー会社」を設立。これが世界初の「タクシー」です。ただし世界で最初に「料金メーター」を自動...一度だけ

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