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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 偏った創出

    地方創生に関してよく「雇用創出」と言いますが、人は雇われるだけなのでしょうか?「起業創出」は?【ただいま読書中】『地下鉄の駅はものすごい』渡部史絵著、平凡社、2020年、960円(税別)「東洋初の地下鉄」(浅草駅〜上野駅(2.2km))は昭和2年12月30日に開業しました。シールドマシンなどありませんから、人力での素掘り(開削工法)です。10銭入れてバーを手で押すターンスタイルの自動改札機も新しい物好きの江戸っ子に受けたそうです。ベルリンの地下鉄をお手本としていて、車両も同じ黄色とされました。ところが色が褪せてきて何度も塗り重ねると少しずつ赤みが増してきて、そのせいかシンボルカラーはオレンジ色となったそうです。これは本当の話かな?(ちなみに現在の1000系ではまた黄色に戻されているそうです)銀座線開業から日比谷...偏った創出

  • 劇団四季

    この劇団は私にとってはミュージカル劇団なのですが、地方公演で「アプローズ」だったか「コーラスライン」だったかを観たとき、最後の舞台挨拶で「来年はこちらに『エレファント・マン』でお邪魔します」と言われたとき、会場のあちこちで「おー」という歓声が上がって、私は面食らいました。ストレートプレイもやるんだ、と。1980年代前半、私が現在よりもはるかに無知だった時代の、ある種幸福な思い出です。【ただいま読書中】『浅利慶太──反逆と正統──劇団四季をつくった男』梅津齊著、日之出出版、2020年、2200円(税別)著者は1962年に劇団四季の演出部員に採用されました。劇団は十周年記念特別公演の練習中でしたが、アヌイとジロドゥの4作品を交互公演で2回繰り返す、というとんでもない内容でした(役者も大変ですが、裏方も大変なことにな...劇団四季

  • ことばの言い換え

    「『盲』の字を使う人間は、視力障害者を差別している」と主張する人にネットで出くわしたことがあります。ふうん、すると「盲導犬」も「盲学校」も視力障害者を差別しているんだ、と思いましたが、たまたま私は自分の実名がわかる環境だったので、そういった頑なな主張をする人を刺激しても良いことがないと判断してスルーしました。そういえば最近「エッセンシャル・ワーカー」と言い換えられている職業の人たちがいます。するとその“前”の職名を呼んだら、「差別主義者」扱いされちゃうのかな?でも「言葉さえ言い換えたら、それで差別はなかったことになる」という思い込みは、結局差別を隠蔽・温存するだけじゃないのかな?【ただいま読書中】『清掃は「いのち」を守る仕事です──清掃に取り憑かれた男、30年の闘い』松本忠男著、辰巳出版、2020年、1400円...ことばの言い換え

  • 性格類型

    私は「血液型性格占い」を信じていません。たとえば学校や職場などで人の集団を見ていて「4つの性格」にグループ分類できる、とは思えないからです。人は人の数だけそれぞれの「個性」がありません?さらにその個性は、成長と共に変化していません?それとも血液型も人の成長と共に変化するのかな?【ただいま読書中】『まとまりがない動物たち──個性と進化の謎を解く』ジョン・A・シヴィック著、染田屋茂・鍋倉亮介訳、原書房、2020年、2400円(税別)「動物の個性」は、経験的には確かなことのようですが、科学的に扱おうとすると突然困難な課題になってしまいます。特に怖いのが「安易な擬人化」。親しい者同士の間でさえお互いのサインを読み誤っているのに、動物が示すサインを自分の経験を元に解釈することは“正しい”のか?また「人間は他の動物とは違う...性格類型

  • 家を出る

    「家出」だとあまりよろしいイメージではないのに「出家」だとなんだかありがたくなります。ただ、どちらにしても「家に残された者」の感情は似たようなものになりそうですが。【ただいま読書中】『阿・吽(1)』おかざき真里作、小学館、2014年、648円(税別)最澄と空海、ともに遣唐使として中国に渡り、帰国し、それぞれが「巨人」として日本仏教界だけではなくて「時代」を変えた二人を描いた漫画です。ただ、同じ時代に生きてはいますが、その生き方はずいぶん違っていました。歴史の教科書で見ただけでも、比叡山で「権威」となった最澄に対し、日本中を回って自分自身が信仰の対象となった空海は、ずいぶん違った存在であるように見えます。さて、そこでタイトル。「阿・吽」です。山門の仁王像や神社の狛犬のペアが示している「阿」と「吽」。陰陽、アルファ...家を出る

  • 花を食べる

    私がすぐに思いつくのは「菊の花」。食べるではなくて飲むになりますが、桜の花(桜茶)。そういえば「無花果」は花を食べていることになるんでしたっけ?ちなみに、「野菜として一番食べられている『花』」は、ブロッコリー・カリフラワー・芽キャベツだそうです。しかし、あれで花束を作りたいかな?(クイズのネタとしては面白そうですが)【ただいま読書中】『食用花の歴史』コンスタンス・L・カーカー/メアリー・ニューマン著、佐々木紀子訳、原書房、2019年、2200円(税別)人類は古くから花を食べていました。旧訳聖書にはタンポポやサフランが登場します。古代エジプト「エーベルス・パピルス」にもサフランやハスの花が薬や食材として登場します。古代ギリシアや古代ローマではもっと様々な花を食べました。「カエルの脚のフライ」では付け合わせはフェン...花を食べる

  • ボランティア大国

    日本でボランティア活動が広まったのは、阪神淡路大震災から、と聞いたことがあります。たしかに「ボランティア」という言葉はそのあたりからよく聞くようになりましたが、その前から、たとえば町内会の役員とかPTAとか、日本に「ボランティア」はたくさん活動をしていませんでしたっけ?そういえば少し前まで「ボランティアは無償であるべき」と変な主張をする人が多くいましたが、ボランティアの本来の意味は「義勇兵(志願兵)」ですから、無償有償は無関係です。「人を安く使いたい人」は「無償」を強く主張するかもしれませんが。【ただいま読書中】『小笠原が救った鳥──アカガシラカラスバトと海を越えた777匹のネコ』有川美紀子著、緑風出版、2018年、2000円(税別)2000年頃に環境省は「小笠原のアカガシラカラスバトの推定生息数は40羽」とし...ボランティア大国

  • うろつく大陸

    私が初めて「大陸移動説」を習ったのは、1960年代末、高校でのことでした。教師は、当時最新の(たしかまだ教科書には載っていなかった)「プレート理論」を紹介して「真実はいつかは知られるようになる」としみじみと教えてくれましたっけ。あの頃「大陸移動説」を「ばかげた妄説だ」と強く否定していた人たちは、20世紀後半をどうやって生きていたのだろう、と思うことはあります。【ただいま読書中】『大陸と海洋の起源』アルフレッド・ウェゲナー著、竹内均訳、講談社(ブルーバックスB-2134)、2020年、1500円(税別)本書は『大陸と海洋の起源』第4版(最終版)の翻訳です。『種の起源』と同様、この本も改訂のたびに“別物”になっているので「第何版の翻訳か」が重要だそうです。アフリカ西岸と南米東岸には、共通の生物相があります。その理由...うろつく大陸

  • 「障害」の位置

    「障害者」と言いますが、本人にその「障害」の「責任」がある場合はあまりありません(自分で自分の肉体をわざと損傷した、という場合くらいかな?)。「障害者」と言いますが、その障害による不便さは、社会が本人に押しつけている場合がけっこうあります(駅がバリアフリーになっていないとか、道路に「障害物」が多いとか)。ということは「障害者」の「障害」は、一体誰のもの(誰が解決するべき責任を負っているもの)なんでしょう?【ただいま読書中】『パラリンピックと日本──知られざる60年史』田中圭太郎著、集英社、2020年、1600円(税別)「2020年東京オリンピック・パラリンピック」の開催に合わせて「パラリンピックは、実は1964年の東京から始まった」という豆知識があちこちで披露されるようになりました。本書は、第二次世界大戦のイギ...「障害」の位置

  • 厚労省の真の望みは?

    コロナ禍で厚労省の動きが異常に非常識なレベルで悪いことが気になっています。クルーズ船では船内感染を猖獗させるし、PCR検査ではとにかく数を絞って検査をさせないことに熱中しているし、まるで「流行をさせない」のではなくて、その逆の方向に努力をしているみたいに不自然です。20世紀末から厚生労働省(厚生省)は「高齢者が増えるのは困る」と言い続けていました。年金の原資は足りないし、病気がちの後期高齢者はやたらと医療費を使うし、と。だから「高齢者の医療制限(がんの治療や透析を無制限にするべきか?)」なんてことまで公然と言っていましたっけ。すると、今回のCovid-19では高齢者の死亡率が高いわけですから、パンデミックとなって高齢者がどっと死んでくれたら、厚労省としては大満足、ということになるわけです。だけどねえ、パンデミッ...厚労省の真の望みは?

  • 花火大会

    今年は花火大会はどこも中止ですよね。あまりに残念ですが、せめて写真でも見て心を慰めようと、図書館から借りてきました。【ただいま読書中】『花火のえほん』冴木一馬写真・著、あすなろ書房、2008年、1200円(税別)まずは打ちあげ花火の構造の解説から。花火玉の中には二種類の火薬が入っています。「割薬(割り火薬)」と「星(星火薬)」です。前者は空中で花火玉を割り、星を遠くへ飛ばすための火薬で、星よりも粒が小さく形成されています。星は花火玉が破裂してから、光や色・煙を出しながら飛び散る火薬の粒です。星を作るためには、星かけ機という斜めに設置された回転釜で、菜種などの芯のまわりに火薬を少しずつ付けていきます。なんだか金平糖を作る作業に似ています。次に、ボール紙を固めて作った半球状の入れ物(玉皮)に外側から、星と割薬を交互...花火大会

  • 自転車で飯を食う

    「自転車で飯を食えるようになる」と言えば、ヨーロッパだったら「ツール・ド・フランス」などを目指すことになるでしょうが、日本だったら競輪選手でしょう。では、アメリカでは?アフリカでは?【ただいま読書中】『健脚商売──競輪学校女子一期生24時』伊勢華子著、中央公論新社、2015年、1500円(税別)タイトルでまずひと笑い。『剣客商売』のもじりですか?もっともあちらは「けんきゃく」ではなくて「けんかく」ではありますが。2011年に競輪学校は女子36名を第一期生として受け入れました。ところが「女子の競輪選手」はこれが初めてではありません。1949年に競輪が始まったとき、「ミス・ケイリン」と呼ばれる女子選手が開幕から3年で669人もいたのです。ただし人気はすぐに消え、女子選手の募集は5期で終了しました。それどころか、16...自転車で飯を食う

  • 売名

    「これは売名行為だ!」と非難のコメントを熱心に上げる人がネットにいます。私にはその熱心さが不思議です。もしも「これ」が売名だとして、そしてその売名行為が「目的」だったら、「非難」もまた注目を集めさせる、つまり「売名の手助け」となってしまいます。私だったら無視します。無視が売名に対する一番の“薬”ですから。もしも売名だとして、そしてその売名行為が「手段」だったら、話は違ってきます。その「手段」によって達成しようとする「目的」が何か、が重要となるのです。もしもその「目的」が良からぬ事だったら、その場合にはその「目的」とそれを達成するための手段としての「売名」と、両方を非難しても良いでしょう。でも「目的」が良いことだったら?【ただいま読書中】『グレタたったひとりのストライキ』マレーナ&ベアタ・エルンマン、グレタ&スヴ...売名

  • 恩を返さない、の勧め

    「恩返し」だと「一往復」で話が完結してしまいます。これが「恩贈り(送り)(頂いた恩を別の人に別の形で“返”していく)」だったら、話は「拡大再生産」していきます。「恩着せがましい人(恩返しを期待する人)」以外には、こちらの方がありがたいのでは?【ただいま読書中】『女嫌いの平家物語』大塚ひかり著、筑摩書房(ちくま文庫)、2012年、780円(税別)『平家物語』は基本的に「男の物語」です。たまに女性が登場しても、なんだか話のスジが無理やりいじられていたり不自然だったり、なんだか変、ということで、その「変」さを楽しもう、という本です。「二代后」は、先代天皇の皇后を見そめた二条天皇が、無理やり自分のお后にした、というお話です。つまり二条天皇は「悪者」役。ここから著者は「後白河院と二条天皇の対立で、後白河院は平氏を使うこと...恩を返さない、の勧め

  • 国家と情報

    中国の法律では、中国企業は国家に情報提供の義務があるそうです。それをアメリカは非難していますが、ではアメリカは同じことはしていないのかな、と思ったら、本日読んだ本では、しているそうです。それも、こっそりと。【ただいま読書中】『スノーデン独白──消せない記録』エドワード・スノーデン著、山形浩生訳、河出書房新社、2019年、1900円(税別)まずは著者の先祖の話が始まります。母方の祖先は父母共にメイフラワー号でアメリカにやって来ました。そして、本書では他の先祖についても紹介がされますが、これは「ルーツ自慢」ではなくて「建国以来のアメリカ精神」について思い起こさせるためではないかな。現在のアメリカでそれを意識している人が少なくなっている、と著者は感じているのかもしれません。著者の子供時代は、NES(日本だと任天堂のフ...国家と情報

  • ビル風

    東京都庁ができてすぐの頃、出張で新宿のビジネスホテルに宿泊しました。地下道にはホームレスの段ボールハウスがずらりと並んでいましたっけ。お上りさんだから超高層ビルを眺めようとホテルに向かって地上を歩いていると、異常なくらいの風が吹きつけてきて「ああ、これが有名なビル風か」と思いましたっけ。単に天気が悪かっただけかもしれませんが。そういえば、東海道新幹線で東京駅を出てしばらくすると見える日本電気の本社ビルには、特徴的な「穴」がこっぽりと開いていますが、あれもビル風対策だと聞いて驚きましたっけ。通せる柱の数とかエレベーターシャフトなど、設計に大きな負担がかかるだろうな、と設計者に同情しました。【ただいま読書中】『ビル風の基礎知識』風工学研究所編著、鹿島出版会、2005年、2800円(税別)ビル風は、周囲との高度差によ...ビル風

  • コロナ予防

    あちこちの施設で透明アクリル板による仕切りが大流行中です。しかし、あまりにきっちり仕切ってしまったら、もう一つ大切な「換気」はどうなります?空気の流れに仕切り板が邪魔なんですけど。【ただいま読書中】『キリマンじゃろ』南方延宣作、広島市みどり生きもの協会、2013年、1000円(税別)広島市の朝動物公園で、キリン・ダチョウ・サンバー(鹿の一種)の飼育員をしている(いた)作者が、その日常に題材を取って書いた(定期的に園内に掲示していた)8コマ漫画集です。いやもう、動物たちと直接触れ合っているだけあって、その生態の面白いこと(ちなみに「生態」は「動物」と「人間」の両方のことです)。現在はコロナ禍で、動物園への人出も減っているはず。そして、入場者が復活したらしたで、飼育員たちは、自分たちの感染機会のことと同時に、動物た...コロナ予防

  • 公平さ

    世の中で一番公平さが要求されるのは、賭博場でしょう。【ただいま読書中】『パンセ』パスカル著、前田陽一・由木康訳、中央公論新社(中公文庫プレミアム)、1973年(2018年改版)、1400円(税別)「人間は考える蘆である」で有名な本だから哲学書かと思って読んだら(恥ずかしながら、初読です)、エッセイ集でした。初っ端に「人間には幾何学の原理と繊細な精神の両方が必要だ」とあります。「幾何学」?12世紀ルネサンスで古代のアリストテレス、ユークリッド、プトレマイオスなどの思想を知ったキリスト教徒が「我々は(中世的な信仰心だけではなくて)知性を得た」と言った(そして「スコラ哲学」を作っていった)のを思い出して、パスカルも「幾何学の原理」で「知性」を働かせるべきだ、と主張しているのかな、なんてことを思い、パスカルの前の時代に...公平さ

  • ギャンブル

    パチンコ屋は相変わらず繁盛しているようだし、こんどはカジノを建設しようと政府は躍起になっています。だけど地方では、競馬場やオートレース場が閉鎖、という話をときに聞きます。日本でのギャンブル市場には、明るい未来が待っているのですか?【ただいま読書中】『バクチと自治体』三好円著、集英社(集英社新書0495H)、2009年、700円(税別)日本の競馬は中央競馬と地方競馬に分かれますが、中央競馬は戦前から「(旧)競馬法」によって全国11の競馬倶楽部によって「公認競馬」として開催されていました。対して地方競馬は「村の祭り」のような草競馬でした。1927年(昭和2年)に「地方競馬規則」が農林・内務省令として公布され、全国116箇所の地方競馬場で開催されましたが(東京都では、八王子と羽田)、戦争によって廃止されます。戦後には...ギャンブル

  • アプリの不具合

    厚生労働省の「接触通知アプリ」がまた不具合だそうです。厚生労働省は「個人データの収集」は好きだけど、「データを国民のために活かす」のは好きじゃない、ということなのでしょうね。たぶんそんな発想や具体的な作業に不慣れなんだろうな。【ただいま読書中】『紫外線の社会史──見えざる光が照らす日本』金凡性著、岩波書店(岩波新書1835)、2020年、800円(税別)ニュートン以来、日光(可視光線)は複数の色の混合体であることはわかっていましたが、1800年にハーシェルが赤外線、1801年にリッターが紫外線を発見。1877年には紫外線の殺菌作用が報告されます。日本でははじめは「紫外線」だけではなくて「菫外線(きんがいせん)」という呼び方も使われていたそうです。紫外線を日常的に体験できるのは「日光浴」でした。20世紀初めの「国...アプリの不具合

  • コストか投資か

    日本の林業の衰退と荒れた山とその結果としての大水害や山崩れなどの災害の頻発は、林野庁の失敗で、その失敗の原因は、役人が林野業を「単年度の予算を稼ぐための手段」と見なしたことにある、と私は考えています。あれは「短期間でコスト回収を考える事業」ではなくて、「長期間(最低でも数十年)の投資」なのに、と。【ただいま読書中】『トイレがつくるユニバーサルなまち──自治体の「トイレ政策」を考える』山本耕平著、イマジン出版、2019年、1200円(税別)日本で最初の「公衆トイレ」は、明治四年(1871)横浜の「路傍便所」だそうです。外国人が増えてきたため神奈川県が設置を通達したのですが、はじめは樽を地面に埋めてまわりに囲いをしただけ、という「江戸時代スタイル」が不評で、薪炭商の浅野総一郎(浅野セメントの創業者)が1879年に私...コストか投資か

  • 稼げる政治家

    「金を稼げない文化はつぶす」と橋下大阪府知事が文楽や図書館を冷遇する発表をしたとき、私は「日本文化や人類の未来に対する志が低い政治家だ」とあきれましたが、百歩譲って「金を稼げないこと=悪」が正しいのだとしたら、橋下さんは自分自身のことを「稼げる政治家だから“善”」だと肯定的に思っている(だからこそ“悪”を責めたくなる)のだろうな、ということに思い至りました。しかし昭和の時代の政治家の理想像は「清貧」「井戸塀」です(どちらも現在の政界では死語でしょうけれど)。それに対して橋下さんは「稼げる政治家」が善。一体どうやって「政治家」としてせっせと金を稼いでいたのか、ちょっとその手法を聞いてみたい気がします(もしも「政治家としては稼いでいない」のだったら、「稼がない政治家」は肯定するのに「稼がない文楽」は否定する、という...稼げる政治家

  • 説明

    「説明責任を果たす」という政治家のことば(空約束)はもう不要です。単純に「説明」をして欲しい。「説明責任を果たす」と言って果たさなかった人には、罰を与えて欲しい。【ただいま読書中】『コロンブスの図書館』エドワード・ウィルソン=リー著、五十嵐加奈子訳、柏書房、2020年、2700円(税別)“太洋の提督”クリストファー・コロンブスの息子、エルナンド・コロンが1539年7月12日に亡くなるときの印象的なシーンから本書は始まります。彼の遺産のほとんどを相続したのは「図書館」だったのです。それも、立派な書籍(1万5000冊以上)だけではなくて、ゴミのような小冊子やバラッドが書きつけられた紙切れなどの膨大なコレクション。庭には世界各地から集められた植物(当時はまだ「植物園」という概念がありませんでした)。入り口の銘文は「こ...説明

  • 地下鉄

    ロンドン地下鉄は1863年(日本では文久三年)に開業しましたが、最初は蒸気機関車が走っていました。私は蒸気機関車がトンネルに入ったらどうなるか実体験を持っていますが(煙が客車に入ってきてすごいことになるのです)、地下鉄は最初から「トンネルの中」です。一体どうやったんでしょうねえ(知らない人は調べると、面白いですよ)。【ただいま読書中】『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド著、谷崎由依訳、早川書房、2017年、2300円(税別)こちらの「地下鉄道」は、アメリカ南部から北部へ、奴隷を逃がすための秘密ルートのことです。特に19世紀前半に多数の奴隷の逃亡を助けました。もちろん本当に「地下」に鉄道を敷いてあるわけではなかったそうです。奴隷の日々は悲惨です(「そうではない」と主張する人は、ぜひ自分で同じ生活を味わってみること...地下鉄

  • 差別

    「差別は正しい」と言って差別をしている人間と、「差別は良くない」と言いながら差別をしている人間と、どちらが“悪い”んでしょうねえ?【ただいま読書中】『信長と家康の軍事同盟──利害と戦略の二十一年』谷口克広著、吉川弘文館、2019年、2200円(税別)家臣でさえ信じられない戦国時代に、織田信長と徳川家康の「同盟」はなんと21年も守り続けられた、という「奇跡」でした。それは一体なぜか、を解き明かそうとしたのが本書です。松平清康は若いときから天分を発揮し、三河をほぼ統一しましたが、家臣に殺されてしまいました。その子広忠は今川義元に頼って三河を支配しようとしましたが、やはり家臣に殺されます。その子竹千代(のちの徳川家康)は、三河を今川の保護領とする証の人質として駿府に向かいますが、家臣の裏切りで尾張(織田信秀)に身柄を...差別

  • 迷惑なメール

    私はメールソフトで迷惑メールの設定もしているし、プロバイダーも迷惑メールをはじくサービスをしてくれています。それでもその網目をすり抜けて迷惑メールは1日に何通もやって来ます。その逆に、本当は到着するべきだったメールが「迷惑メールだ」と誤認されて届かなかったこともありました。まったく、迷惑メールは、いろんな意味で「迷惑」です。【ただいま読書中】『迷惑メール白書2019』迷惑メール対策推進協議会編集、迷惑メール対策推進協議会、2019年タイトルには「2019」とありますが、19年の8月に発行された「18年度の迷惑メールについてのまとめ」です。この協議会は2008年に発足して、迷惑メールを少しでも減らすように活動しているのだそうです。これまでその存在を知りませんでした。感謝です。こういった活動がなかったら、今の数十倍...迷惑なメール

  • 持続化給付金

    電通は持続できそうです。【ただいま読書中】『8050問題──中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』黒川祥子著、集英社、2019年、1500円(税別)「8050問題」とは、若い頃に引きこもりになった人が50代になったとき、両親は80代になっていて、そこから様々な問題が派生する、ということです。2019年3月総務省は初めて「40代以上のひきこもり調査」を発表、それによると、40歳〜64歳までの中高年ひきこもりは推計で61万3000人。うち男性は7割以上、ひきこもり期間7年以上が半数(20年以上が19%)。どれも衝撃的な数字です。著者は2003年の書籍デビュー作がひきこもりを扱ったもので、以後もこのテーマに関心を寄せ続けていました。多くの当事者や家族と会い、それぞれの事情が千差万別であることも知り、著者はその中から...持続化給付金

  • 薬物に頼る態度

    私たちは、自分の健康を維持するためには、薬やサプリに平気で頼るのに、スポーツ選手が能力や記録向上目的で薬を使うと、非難します。【ただいま読書中】『スポーツと薬物の社会学──現状とその歴史的背景』アイヴォン・ウォディングトン、アンディ・スミス著、大平章・麻生亨志・大木富訳、彩流社、2014年、3700円(税別)まず登場するのは「後援」の問題です。スポーツ界最大のスポンサーは「アルコール」と「煙草」です。人類の健康を害する二大巨頭が揃っているわけ。そのために発生した社会的にいろいろと不適切な事例が紹介されます(私が一番笑ったのは、煙草メーカーがスポンサーのヨットレースからヨットの「ニコレット(禁煙治療の補助剤の名前)」号が締め出されたこと)。イギリスでは「薬物のないスポーツの美徳と重要性を激賞する人が、同時に、タバ...薬物に頼る態度

  • 人生のセカンドステージ

    今年の「甲子園」は、春も夏も中止。そのためプロに対するアピールの場を失った高校球児たちが就職活動をどうするか困っています。だけど無事ドラフトにかかったとしても、ドラフトやドラフト外で採用されるのはせいぜい数十人(一チーム6人としたら72人/年)。残りの人は日本プロ野球機構以外に就職する必要があります。高校球児って何万人いるのか知りませんが、非常に狭き門です。さらに、採用された人数と同じ数のプロ選手がチームから首の通告を受けなければなりません。その人たちのその後の人生はどうなるのか、それは現役時代から、あるいは現役以前から(たとえば高校球児の時から)考えておかないと、途方に暮れることになるでしょう。【ただいま読書中】『音大生のための“働き方”のエチュード』藤井裕樹著、NPO法人ネクストステージ・プランニング、20...人生のセカンドステージ

  • ビール

    冷たい幸福【ただいま読書中】『祈りの階段』ミッシェル・フェイバー著、林啓恵訳、アーティストハウス、2002年、1700円(税別)ドラキュラ伝説で知られるウィットビーの修道院で発掘作業をしているシーアン(ウェールズ語。英語ならジェーン)は、この町にやって来てから、誘惑された男に首を切断されて殺されるという悪夢に毎晩襲われるようになりました。修道院までの199段の石段を登っている途中知り合った男性マグナス(ラテン語でグレートの意味)が連れている犬はハドリアヌス(古代ローマの皇帝の名前)。どちらも男性の父親がつけた名前です。シーアンはその両者に強く惹かれます。そして、マグナスは、シーアンのところに、1788年の日付がついたガラス瓶入りの巻物を持ち込みます。シーアンが修復士としての腕をフルに活かすことで、巻物はしぶしぶ...ビール

  • 主食+おかず

    どんぶりものは「主食+おかず」が一体となったものですが、これに似たもの(穀物+おかずの一体化)としては、たとえばピッツァ・ハンバーガー・ホットドッグ・サンドイッチなどがあります。どれも庶民の食べもので「上品な食事」とは遠い感じが共通しています。ただしパスタはかつてはイタリアでは「上品な食事(貴族も食べることができるもの)」でしたが、これはなぜだったのでしょう?「スープ」扱いだったからかな?【ただいま読書中】『天丼かつ丼牛丼うな丼親子丼──日本五大どんぶりの誕生』飯野亮一著、筑摩書房(ちくま学芸文庫)、2019年、1200円(税別)江戸時代に白米を常食していたのは江戸。したがって、丼物が江戸で誕生した、ということに私は不思議さを感じません。元禄の時代、江戸にはうなぎ屋があって、蒲焼きも売っていましたが、宝暦年間に...主食+おかず

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