昔むかし私は文学少女だった。小説を食べるように読んだ。今はほとんど読まない。歌集ばかり読んでいる。歌集は1ペ一ジに多くて5首、平均3首だ。その行間を楽しむことができる。既にこのブログでご紹介したが、馬場あき子第27歌集「あさげゆふげ」は1ペ一ジに2首、ときには1首、余白を気ままに楽しめる贅沢な歌集である。🌻丸めて捨てる紙がしだいに多くなり夏過ぎて書くちから衰ふ🌻らうじんとらうにんほんのわづかなるちがひにて全く異質でもなし※70年以上も詠み続けている作者はなかなか納得のいく歌ができない、「ちから衰う」は「力衰う」ではない。※老人と浪人はたしかに少しちがう。などと「余白」を散策しながら私は思う🌻歯を磨くあとどれだけを噛み砕く力残るや朝の歯みがく※これは1ペ一ジに1首だけ。余白が淋しい。白が震えたり、吐息になったりす...歌集を散策
日曜の朝刊の本の広告は派手だ。そのなかでもひときわ目だつのは「自分のことは話すな」、🌺仕事と人間関係を劇的によくする技術、著者は吉原球央、著者の仕事を調べたがわからない。自分のことは話すなという著者らしい。●「自分をわかってほしい」と思うことほど傲慢なことはない※自分自身がわからない自分を他者にわかってもらうなんて図々しいですね●話したいことの5割はカットせよ※聞き上手な人は魅力がありますね。●「感じがよいだけの人」にはなるな※すぐ忘れてしまう人が多いこの世●「無礼な人」は淡々とやり過ごすではどんな人にどのように?🌻話しかけるタイミングを見極める。🌻当たり前のことばかりを発言するな🌻相手の話したことを引用せよ「反応上手」を目指そう🌻「本気のゴマすり」で相手を動かすこれらの提案は人間関係をよくするでしょうね、とり...自分のことは話すな
この古紙が寝床になってくれるなら我を忘れて眠りのなかへ来年の東京五輪・バラリンピック大会組織委員会は、晴海の選手村で使う寝具を発表した。約1万8千床のベッドフレ一ムは段ボ一ル製とは、このベッドフレ一ムはシングルベッドのサイズ。約200キロの荷重に耐えられる。五輪後は古紙として再生利用するらしい。この新聞記事を読み私も寝てみたくなった。高さは40センチとは安眠できる。これは災害のときにも利用できるのではないか。もっと早くこのベッドができていたら台風の被災者に、、。あれから半月過ぎてもまだ停電している地域の多い千葉の人ぴとにこのベッドがあったなら、私たちは一日の三分の一は眠るのだ。眠るから生きて働けるのだ。ここまで書いていたら眠くなってきた。夕餉の支度をしなければならないのに、、。厚紙のベッドで快眠を
9月22日朝日歌壇時評は松村正直氏、「生活と人生」は昨年第六回現代短歌社賞を受賞した門脇篤史と次席の山階基の歌集が相次いで刊行された。から始まる。◾納豆の薄きフィルムをはがしをりほそき粘糸を朝にさらして(門脇篤史)◾納豆のパックをひらくつかのまを糸は浮世絵の雨になりきる(山階基)似た場面を詠んだ歌を引いた。納豆の容器を開けた時に伸びる糸に着目し、そこに美しさを見いだしている。素材が少し細か過ぎないかとの疑問を持つ読者もいるかもしれない。しかし生活のディテ一ルや手触りを詠むことは、取りも直さず人生を詠むことでもある。生活を離れたところに人生はないと松村正直氏は述べている。歌集『微風域』の門脇篤史は41歳歌集『風にあたる』の山階基は27歳?二人ともまだ青年だ。私は納豆が好きではないが発酵食品で体に良いらしいので生き...納豆を詠む青年歌人たち
昨日の朝刊の本の広告に「人ごとでほありません9月21日は世界認知症予防日」と、次のような本の広告が並ぶ。🔘百まで生きる覚悟、著者は春日キスヨ認知症の人の心の中は?🔘薬を使わず心の病と認知症を治す著者は医学博士神津健一🔘認知症は接し方で100%変わる!著者は精神科専門医吉田勝明🔘認知症ポジテイブ!「なるのが不安」「介護がつらい」そんな思いを逆転する新発想著者は山口晴保🔘記憶がなくなるその時まで🌹G.サンダ一ス著藤澤玲子訳脳が壊れていく、しかし書くことだけは何とか可能だった弱年性の、、🔘とかげのアンソニ一認知症のご本人とご家族へのメッセ一ジを込めた、大人のための絵本小林博子作、絵先日の敬老の日に70代からの認知症は三人に一人とか騒がれていた。認知症という言葉を私が初めて知ったのは30年位前である。区の俳句の会に誘わ...認知症予防は50代から
台風15号によって被害が相次いだ千葉県に追い打ちをかけるように昨日の大雨、屋根や壁をブル一シ一トで覆った家屋を、横なぐりの雨が叩くなんて酷い!やりきれない!紫陽花は終わりの頃がいいですね、深海の藍のような花々房総半島は冬も温暖で、寒がりの私は秋から初夏によく旅をする。そろそろ紅葉が始まるのを楽しみにしていた。紅葉の木々の間から見下ろす海原は素晴らしい。春も早く始まり菜の花畑は私を黄色に染めてしまう。菜の花が苦しくなるほど黄色くて遠くの海を眺めていたり晩春の紫陽花は加齢と共に惹かれる花。茂原の紫陽花屋敷は度々訪れた。私を紫陽花にしてしまう庭園、ドイツ村の紫陽花は欧州のム一ドが漂い愉しい。千葉は私の老化を遅らせくれる。海の見える家で暮らすのが私の長年の夢だったが1週間前、そして昨日の千葉は私を海から遠ざけてしまう。...どうなる千葉県、きのうも大雨
昨日の朝刊☀「太宰時を超える引力」「人間失格」アニメ映画に、の記事をよみながら、太宰治は生きていたら今年は106歳かなどと思った。百歳を過ぎても元気な老人は私の周りに何人もいる。太宰治はあの世で後悔しているのではないか。自ら命を川に捨てたなんて!生誕110年を迎えた今年、代表作「人間失格」に着想を得た実写とアニメの映画2作が公開された。「人間失格」は太宰を思わせる主人公が酒と薬に溺れ、破滅していく姿を描いた作品、太宰の妻の役は🌺宮沢りえ、あの世の太宰は「いい女だなあ」と見とれているのでは、太宰さん、男の魅力は中年からですよ。30代で「恥の多い人生だった」なんて、恥をかきながら人間は逞しなり魅力的になり人生が愉しくなるのに。☔雨の夜の鏡の奥のわたくしは太宰治のように頬杖本日朝刊☀高校国語で小説軽視?2022度から...太宰治の引力
台風15号が押し寄せたのは5日前の夜だった、テレビで神奈川県に近づいたと騒ぎだし私は窓越しに外を見ると、辺りの大木が怒り狂って揺れていた。ベランダの鉢植えはみな倒れ転がっている。全てを室内に入れた。強風の中で動き回り私は疲れて寝てしまった。明け方のテレビで台風は千葉で荒れ狂っているのを知り驚く。あれから5日目の今日もまだ停電が続いているなんて!強風で倒れた電柱の復旧作業が困難で、しかもまだ猛暑、どうなるのか、一刻も速く電気を水を!本日朝刊では安倍首相第4次再改造内閣発足が派手に報道されている。その記事の下に▼千葉県中心の停電、全面復旧明日以降、「台風15号の影響で千葉県を中心に続いている停電について、東京電力パワ一グリッドは19日夕、全面復旧は13日以降になる見通しを明らかにした」と報じている。台風15号はわか...まだ停電、断水の千葉
今日の新聞広告を見て「婦人公論」までと驚く。▼認知症予防と発症後のケア▼50代からの予防「寝不足」「無趣味」は要注意20年位前から私は認知症という言葉を度々聞くようになった。キレやすい母親に困っている中年のA子がその母親が無趣味であることに気ずく。手芸、生け花、俳句などを勧めてもダメ。仲間たちとの井戸端会議しか興味がない。趣味の仲間たちにも嫌われているらしく、不満や悪口ばかり聞かされているうちに母親は認知症になりはじめていた。友だちの家庭にとても関心があり母親にお稽古ごとは辞めさせようとA子は日帰りの旅へ母親を誘った。バス旅行でも車内のひとのことばかりに関心を持ったがA子は旅のグルメや花の名所、滝や海や山などのことばかり話した。月に2度くらい母親との旅をしているうちに、テレビの旅番組を母親が見るようになった。い...50代から認知症の予防を
一昨日の、日本歌人クラブ賞の春日いづみ氏はすでに歌壇で活躍なさっていられるが、木ノ下葉子はまだ知名度が低いのではないか。新人賞の歌人はふいに注目され私たちを刺激する!🌹木ノ下葉子は昭和55年静岡生まれ、『水甕』所属。歌人年鑑で調べたがこの程度のことしかわからない。歌人クラブ会誌「風」からこのたびの新人賞受賞の言葉と自選五首を引用する。「私にとって歌とはまた言葉とは、怖いものですが支えでもあり、言葉が歌の形を成していることに安らぎを覚えます」、自選五首🔘かつて雨は地を打つよりも真つ先にわが額ぬらし挨拶をした🔘抜く時に痛むと怯え留め置く棘のやうなりうたはぬうたよ🔘言へなかつたことばは川を下りゆき汽水となりて頬を伝へり🔘きみの名に忌と続ければ唐突に君は死にたり陸離たる空🔘雷鳴のとどろく海に泳ぐこと銀のくさはら隠し持つ...日本歌人クラブ新人賞は木ノ下葉子
歌集「塩の行進」現代短歌社刊が日本歌人クラブ賞に、著者は春日いづみ氏。すでに12年前に歌人クラブ新人賞を受賞している。昭和24年生まれ、水甕所属、「人間の歩みに思いを馳せる中、ガンジ一の行進が希望を伴って聞こえてきたように思い歌集名にしました」と。自選五首は🔘試写室に小さき連帯生れしかな席立つわれらに目力の湧く🔘妻にして母祖母娘嫁姑年の初めのわが変化身🔘七十年安保廃棄のデモの列らいてうはわが同時代人なり🔘エルサレムに求めし木の実のロザリオの渦巻きてをり抽斗の隅🔘ひとすぢに海に生れたる月の道一本しかないわたくしの道この度はお目出とうございます。これからもひとすぢに『塩の行進』を!🌹日本歌人クラブ賞は春日いづみ
先月刊行の歌集「微風域」を繰り返し読んだ。ツィッタ一でお馴染みの門脇篤史さんの歌集である。ペ一ジを繰るたびに異なる作者に会う、楽しく読んだ。🔘曇天をしんと支ふるビル群の一部となりてけふも生きをり🔘秒針と長針短針さういへば同じ給与で働いてゐる🔘先月に辞めた同期の消しゴムを遺品のやうにまだ持っている※なるほどと思う。独特の職場詠だ。🔘ハンガ一にきのふとけふを干しながら忘れてもよいことがらを選る🔘誰ひとり死んでゐないが指先についた朱肉の赤をぬぐへり※日常の細やかなことを新鮮に詠む。🔘除光液のにほひの満つるリビングに妻はゆつくり自分をほどく🔘つつつつと剃られた髭が落ちてゐるもう僕じゃないただの汚れだ※妻と共にくつろぐ愉しさ🔘夕闇にジャングルジムはいくつもの立方体を容れて立ちをり※作者の写実の力の強さ!🔘雨音を夢にうつつ...門脇篤史歌集「微風域」を読む
今日から9月、朝日歌壇の寸評「研究室の中の歌」を書いているのは永田紅。大学の研究室で顕微鏡をのぞいて細胞を観察するとき、私はいつもこの一首を思い出す。屈まりて脳の切片を染めながら通草(あけび)の花をおもふなりけり斎藤茂吉顕微鏡観察をしながら、細胞の中のある小器官が、カラスウリの白いレ一ス状の花のように見えて感激することがあるが茂吉のこの一首を知っているからだろう。永田紅は1975年生まれ、父は細胞学者で歌人の永田和宏、母は歌人の河野裕子、恵まれた環境で13歳から短歌をはじめた。しかし2010年母は亡くなる。紅の子供を見ることもなく河野裕子は世を去った、紅は子供を育てながら大学の研究室で細胞学を、短歌も続けている。短歌と細胞学の相乗効果なのか、父の永田和宏との関係、子育ても順調であろう。河野裕子が亡くなったのはた...永田紅の「研究室の中の歌」
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