読書ノートの268回めは、浅倉秋成さんの『フラッガーの方程式』(2013年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 浅倉さんについては『ノワール・レヴ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第11話 まだそこにいる(2) でも、めーちゃんは納得していなかった。「理解者が必要?」「え?」「一人でも理解者…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第11話 まだそこにいる(1) とことん着古したグレーの薄いスウェット上下に、煮しまった色の手ぬぐい。石鹸やシャ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第10話 深夜の捕物(2)「めーちゃんの場合、脱出直後が天国だった。だから舞い上がった天上界から少し降りただけで…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第10話 深夜の捕物(1) 捕物と言ったって、縄も物騒なものもいらない。三村さんがバスルームに入るのを待って、部…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第9話 なぜ、を掘り下げれば(2)「でもさー、ルイ。それなら、三村さんはどこに住んでるの? スーパーだと見つかる…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第9話 なぜ、を掘り下げれば(1)「うーむむむ」 敵情視察とゴミ処理を終えてシェアハウスに戻ってきた私とめーちゃ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第8話 人に戻す(2)「はあい、小賀野ですぅ」 私がぱっと手を挙げたのを見て、まだ腰が引けていた残りの女の人も決…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第8話 人に戻す(1) 喫緊の問題になっているゴミ処理。先々どうするかはともかく、今は急いで片付けなければならな…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第7話 幽霊がいっぱい(2)「どうもひどく誤解されているように思うの」「なにがだい?」「自治会を町内会と混同して…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第7話 幽霊がいっぱい(1) 問題になっている奥野という人が住んでいる家は、私たちや佐々山さんの家からは少し離れ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第6話 ご近所さんが増えた(2) 魚住さんが、がっくりうなだれちゃった。佐々山さんが淡々と事情説明をする。「わた…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第6話 ご近所さんが増えた(1) 家の中じゃなく、門の近くでああでもないこうでもないと立ち話をしていたところに、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第5話 みみっちい幽霊(2)「ごめんなさいね。何度も押しかけちゃって」「いえー、佐々山さんには早々に相談に乗って…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第5話 みみっちい幽霊(1) セピアを出た時にはにこやかだった佐々山さんが、帰り道ではずっと黙りこくっていた。行…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第4話 茶論セピア(2)「でね」「うん」「出るっていうのよ。これが」 佐々山さんが幽霊の真似をする。「へえー。ま…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第4話 茶論セピア(1) 私たちより確かな足取りでさっさと歩き出した佐々山さんの後ろを、必死についていく。歩くっ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第3話 はっちゃんチェック(2)「わたしが今住んでいる家は、以前主人の両親が住んでいたところなの。主人が成長して…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第3話 はっちゃんチェック(1) 私たちが挨拶に行くまで、シェアハウスは佐々山さんの意識の中で「なかった家」だっ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第2話 引っ越し挨拶(2)「あの、佐々山さんにいくつか伺いたいことがあるんです。私たちはこの辺りの事情に疎いので…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第2話 引っ越し挨拶(1) 用心しぃのめーちゃんほどじゃないにせよ、私だって筋論者の怖いおばあさんにご挨拶という…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第1話 エイプリルフールの嘘じゃ済まされない(2) ちゃんとゴミ出しルールを守りなさいよっていう筋論者の佐々山さ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第1話 エイプリルフールの嘘じゃ済まされない(1) お花見イベントのあと、一日置いてどたばたに満ちた弥生がやっと…
新緑の季節ですね。 葉が固まって木下闇ができてしまうと、初々しさがなくなってしまいます。若葉マークのうちに集音マイクを向け、彼らの他愛無いおしゃべりを聞き出…
シーズン7 第五話 如才(2) ブレザの工房との交渉方法をアラウスカとリリアに考えさせ、落ち込んでしまったソノーを執務室に呼んで諭すことにした。「のう、ソノー…
シーズン7 第五話 如才(1) 季節は人を待ってくれぬ。燃え盛る緑のたぎりとともに春の気配があっという間に遠ざかり、同時に我々の暮らしも刻一刻と変化してゆく。…
『若葉』仰ぎ見る空に象形文字を描きくすぐる光を残らず身に換えて若葉が日一日と逞(たくま)しくなる(クスノキ)春は背後を一度も振り返らない若葉は母の顔を覚えてい…
早春の息吹が、小さな明かりを灯した。(カレンデュラ 冬知らず)淡い火の粉が広がり、冬の闇を照らす。(セイヨウナノハナ)明かりは徐々に炎と化し、地を温める。(フ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る前章終話 桜を観る(2) 立てかけてあった箒を持って立ち去ろうとしたおじさんに、ぽんと女の人の声がかかった。「平…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る前章終話 桜を観る(1) 両手にでかいショッパーをぶら下げてえっちらおっちら歩いている私たち。目立っちゃって恥ず…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第11話 花見弁当の仕込み(2) おみそれしました……。いやあ、すごいわ。ユウちゃんが料理得意ですって言ってたの…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第11話 花見弁当の仕込み(1) 明けて翌日。朝からぴーかんだ。気温がぐんぐん上がってるから、間違いなく今日一気…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第10話 妹をフォローする(2) めーちゃんとのやり取りに、ユウちゃんがこそっと口を挟んだ。「あのー」「ん? な…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第10話 妹をフォローする(1) 時間も押してたから、近くのスタバに入ってユウちゃんに好きな飲み物とスイーツを選…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第9話 服の買い出し(2) 「え……と。このあたりかな」 袴田駅の改札を出てすぐのコンビニの前。都内の大きな駅じ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第9話 服の買い出し(1) あのあとすぐホームセンターに走り、大小のランドリーラックを買って担いで帰った。洗剤や…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第8話 薄情な銭(2) ずっと黙っていた岡田さんが、静かに店長の言葉を引き継いだ。「いきなりやりくり算段を上手に…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第8話 薄情な銭(1) まだぴかぴかのシンクをチェックしたあと、ぼろ家に似合わない豪勢なバストイレユニットを興味…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第7話 内覧と怪談(2) スーパーの駐車場を突っ切って中通りに入るところに、一軒のお屋敷がある。古いけど、しっか…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第7話 内覧と怪談(1) 店長がたぶんオールだって言ってたけど、丈二さんの沈没と同時に客間が静かになった。客間か…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第6話 男泣き(2) 母には「絶対に自分から離れない夫」がどうしても必要だった。私を庇護するためではなく、実父代…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第6話 男泣き(1) ちょっと微妙なやり取りだったけど、紗枝さんに私の事情をオープンにしたので気分的にはすっきり…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第5話 秘密にするつもりはない(2) 急に顔をしかめた私を見て、紗枝さんが慌てた。「どうなさいました?」「いえ、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第5話 秘密にするつもりはない(1)「萌絵、松橋さんが呼んでるの。ちょっと、いい?」 ドアの外で紗枝さんの声がし…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第4話 繭(2) 世間一般に言えば、結構女の子路線の部屋なのかなあと思ったんだけど。そうか。めーちゃんの好みとは…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第4話 繭(1) サポーターがいっぱいいると言っても、ずっと半幽閉状態にされていた家に戻るのは強烈なストレスだっ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第3話 自己犠牲(2)「ルイは、自分を守るための幽閉やったとおかんをかばった。めーちゃんも、丈二に大嫌いだとか許…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第3話 自己犠牲(1) 少し早かったけどレンタルショップに戻って、店長とわいわい雑談している間に荷出しの時間近く…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第2話 過去への散歩(2) それでも。母、植田さん、前沢先生という極めて限られた人で固められていた鶏小屋の壁は、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第2話 過去への散歩(1) 「うーん、まだ二時間もあるのかー」 ハンバーガーショップから出ると、途端に手詰まりに…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第1話 お嬢様、それはいかがなものかと(2)「あいつらも、極端から極端やな」 くわえたタバコに火を点けるのも忘れ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第1話 お嬢様、それはいかがなものかと(1) なんちゃって女子寮こと第二梅花寮(実はただのおんぼろシェアハウス)…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3- 予告 さて。そろそろ長編を書きたいと思いつつ、なかなかモチベーションが上がらなくてずっと悩んでいたんですが。もういいや、いっ…
おかげさまで、えとわの話数が1400話に到達しました。 最近は作話のエネルギーを中・長編に多く割いている関係で、話数の増加速度がとても遅くなっています。まあ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 蛍の光が流れているのに、ずうずうしく居残りを決め込むやつがいる。さっさと退店してくれないと、あとの業務…
《えとわ(絵と話)》 (ショートショートシリーズ)その28(1351〜1400)1351.塩と抹茶1352.フラクタル1353.島々の掟1354.猫足プリント…
《ショートショート 1400》『長毛種』「ウィル。お客さんはこっちに着いたのか?」「到着したよ」「もう個室に入れたんだな」「ああ。入室してもらってる」 ベイツ…
「おっちゃん、聞いたか?」「なにをや」「俺らの中にサクラがおるらしいで」「何言うてんの。俺ら桜やん。おるのが当たり前やろ」◇ ◇ ◇ だだあっと桜が駆け抜けて…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 美というのは儚いものである。 どれほど永遠の美を望んだところで、叶えられることはない。 過ぎゆく時と共…
読書ノートの221回めは、神戸遥真さんの『休日に奏でるプレクトラム』(2018年発表。文庫版はメディアワークス文庫)です。 神戸さんは初読みの作家さん。『ス…
「赤く咲くのは……なんだっけ?」「歌詞の話?」「いや、赤く咲くって言ったら、何が代表になるんだろうなあと思って」「薔薇あたりじゃないの?」「薔薇かあ……ひねり…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「じゃんけんでグーしか出せないのは致命的だ。困ったなあ」「安心しろ。俺たちのじゃんけんは進化する!」「ほ…
《ショートショート 1399》『迷路』「やっぱ、スタバで待ち合わせは無謀だったか」 若い女性ばかりが溢れかえるスタバの隅っこで、俺はものすごく肩身の狭い思いを…
「花が咲けば、実を結んで枯れる。別に不思議でもなんともないけど」「じゃあ、聞くけどさ。リンゴとかミカンとかが、年月かけて花が咲いて実がなって、そのあとすぐ枯れ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)「君、地味だね」「うん。新生児だから、もっと目立ちたいんだけどな」「大きくなっても地味だもんね」「そう。これと言っ…
読書ノートの220回め。近況と読書状況をちびっと。 ちょいと本業の方が忙しくなって、読書も執筆の方も滞り気味です。読む本がどんどん軽量級になっていくなあ。と…
「なあ」「なんだ」「俺たちだってしっかり咲いてんのによ。桜ばっか注目されるってのは面白くねえな」(ツバキ)「そらあしゃあねえさ。あっちの方がずっと図体がでけえ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「わたしたちはAKB48。団員一同、ものすごく努力してる」「なのに、どうしてその努力が実らないのだろう」…
《ショートショート 1398》『水の膜』 水と水でないところの境目は薄い膜で隔てられている。そう感じることがある。 水と水でないものの境だから、膜はそのどちら…
やれ梅だ、桃だ、桜だと浮かれている連中を横目に、俺だって満開なんだけどなとつぶやいてみる。いや、つぶやいたところで誰も気づいてくれないんだけどさ。でも、つぶ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「わたしは見せるわ。当然でしょ! こーんなに美しいんですもの」(テングチョウ)「俺は隠すぜ。見つかったら…
どくしょのーと 219 あそびごころたっぷりのおーえるしょうせつ
読書ノートの219回めは、加納朋子さんの『月曜日の水玉模様』(1998年発表。文庫版は集英社文庫)です。 加納さんについては、これまで何度も取り上げてきたの…
花はバトンを渡さない。 それぞれ咲くべき時に好き勝手に咲く。 だが、太陽の輝きと温もりはなぜか咲き継がれる。 ほのほのと。(ロウバイ)早春の淡い光は薄目を開…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「確かにおろちなのだな」「間違いございません」「折伏するか」「能うるならば」 それが地を這っている間なら…
シーズン7 第四話 感応(2) 聴取を終えたところで、ソノーがまだ口にしていない真意を確かめる。「のう、ソノー」「はい」「お主は、モルナが本心から提案を受け入…
シーズン7 第四話 感応(1)「ゾディさま。ソノーさんはどうなさったんでしょうか?」 ミレーネがひどく心配している。いつもなら、春はソノーが絶好調になる季節じ…
「一つ言っておく。真実がなにかなど、誰も知りはしない。それゆえ、全ては真実ではない。嘘だ」「ふうん。じゃあ、あんたも嘘だということか」「もちろんだ」「嘘を自慢…
さあもう四月になるんだよ座ってないで立ちなさいな(スイバ)名ばかりの春から名ばかりがしっかり取れる(ノゲシ)冬の険しい棘が端からゆるゆる溶けてゆく(キツネアザ…
《ショートショート 1397》『円環と螺旋』「一日の始まりと終わりをちょいとつなぐ。それは輪っかになる」「ええ」「輪っかを縦に積んでいくと、管になる」「そうで…
「なんかさー。あたし、コスプレーヤーの才能ないかもしれない」「てか、あんた。素質あると思ってたわけ?」(切り株)「アナ雪のエルサがれりごー歌ってるとこ」「どう…
読書ノートの218回めは、大崎梢さんの『よっつ屋根の下』(2016年発表。文庫版は光文社文庫)です。 大崎さんの作品については、これまで何度か取り上げてきた…
「花盛りの季節だというのに、こんな寂しいモチーフを取り上げるんですか?」「余計なお世話だ。数日で散り果ててしまうような、刹那に生きている連中には興味がない」「…
《ショートショート 1396》『群れ泳ぐひれ』「こんな……こんな光景が実際にあるんですねえ」「びっくりだろ?」「ええ」 薄く濁った水面近く。そこにひれだけが群…
花暦が例年以上に加速しているので、早めに取り上げておきます。 山のように花を咲かせる植物でも、必ず最初の一輪というのがあるわけで。咲き初めの一輪には、満開の…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)スライムだったからスライム以外のものになりたかったな(キクラゲ)転生してもスライム度が上がっただけだった(崩壊した…
読書ノートの217回めは、桜井美奈さんの『居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校』(2018年発表。文庫版はハルキ文庫)です。電子本での読書です。 桜井さんについて…
「なあ。どう考えてん、俺ら全然合ってへんよなあ」「合ってない、合ってない」ハナノキいうてん、花ぁ地味すぎやし。(ハナノキ)ツゲいうてん、何にも告げてへんし。(…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)いや俺を解体してもおもろないで ということで、いろいろな面を見ていただきました。 一枚目が傘の表面。二枚目が裏面。…
《ショートショート 1395》『ビニールのくらげ』 定年退職してから、夜がすっかり暇になってしまった。在職時は日中仕事で帰宅後にしか自分の時間がなかったから、…
もちろん空は広い方がいいでも 広いだけで何もない空は寂しいだからぼくは空に自分を置いたんだぼくが空いっぱいになるまで(シラカシ)それで空が狭くなっちゃうなんて…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「さすがに冬ものはもう売り切らなあかんちゃうの?」「せやなあ。最終セール、いこか」(ヒヨドリジョウゴの実…
どくしょのーと 216 にぐんせんしゅのせんぎょうしゅふらいふ
読書ノートの216回めは、柴田よしきさんの『あおぞら町 春子さんの冒険と推理』(2016年発表。文庫版はコスミック文庫)です。電子本での読書です。 柴田さん…
(枯れ荻) なんかごちゃごちゃしてるなあと思ったから、背景と前景を整理してみたんだけど。(枯れ薄) 枯れてんのは同じなんだよなあ。そんなに変わらない。 あまり…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「春の七草の一柱なんだからさ。もうちょっと尊敬してくれてもいいと思うんだけどさ。同族の連中に押されっぱな…
《ショートショート 1394》『血痕』「こちらです」「ほう」 不動産屋のあんちゃんが、古い建物には似合わないぴっかぴかのキーを鍵穴に突っ込んでがちゃりと回し、…
美しいことも、醜いこともある。 整然としていることも、乱れていることもある。 明るいことも、暗いこともある。 おとなしいことも、騒がしいこともある。 踏ん張…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「亜麻色ってのはどんな色なんだ?」「やや灰色がかった黄褐色だそうだ」「そういう髪の乙女ってのは美しいのか…
読書ノートの215回めは、碧野圭さんの『凛として弓を引く』(2021年発表。文庫版は講談社文庫)です。電子本での読書です。 碧野さんは、書店ガールシリーズで…
ううむ。寒い寒いとインドア満喫している間に、すっかり肥えてしまいました。 こらあいかん! ちっとはダイエットに励まないと。 でも、しんどいダイエットはえてし…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「どうしたんだ。不機嫌そのものじゃないか」「そりゃそうよ。せっかくモデルになってあげたのにさ」(ハシボソ…
《ショートショート 1393》『失われた枠組み』「やっぱりか……」 とんでもなく時間がかかったものの、ほぼ想定通りの探査結果になった。「どうしたものかな」 ず…
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読書ノートの268回めは、浅倉秋成さんの『フラッガーの方程式』(2013年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 浅倉さんについては『ノワール・レヴ…
「しばらく見ない間にすっかり大人になって」「てか、会ったの先週だよ?」(^^;; 開芽したなあと思ったら、あっという間ですね。 一週間ほどでがらっと印象が変わ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「小さいと、なんか損だよな」「いっつも無視されちゃってさ」「俺たち全員まとめて◯◯は無視! ってされちゃ…
《ショートショート 1466》『蓋は閉まっていた』 (ぱっけーじ 8)「蓋は閉まってたの?」「閉まってた。ただ、開封したのを締め直したのか、未開封のままだった…
サブテーマ虫干しシリーズ第二弾。(笑 『かうんたーぱーと』に続いて、『ぱっけーじ』を再臨させます。ぱっけーじ展開時のコンセプトについては、以下のリブログをご…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「いやあ、さすがに五月も半ばになれば冬物果実一掃いう感じやな」「不人気のものまで一気になくなったからなあ…
読書ノートの267回めは、近藤史恵さんの『岩窟姫』(2015年発表。文庫版は徳間文庫)です。電子本での読書。 近藤さんの作品はこれまで何度も取り上げてまいり…
花を捧げる捧げられた花に込められた想いは残らず相手に伝わるだろう(アセビ)だが想いを受け取ってもらえても花は飾られるだけいずれ朽ちてしまう(ローズマリー)褪せ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)日本人だから鼻が低くて西洋人だから鼻が高いってか納得いかん! しゃあないでしょ(人)種が違うんだから。(笑 鼻ぺち…
《ショートショート 1465》『ホースとはす口』 (かうんたーぱーと 11) 弓子がまたカレシと別れた。今年に入ってすでに三人めだから、いつもよりハイペースだ…
みなさんはゴールデンウイークをどのように過ごされましたか? 本来出不精のわたしは、人の多い連休中に出歩くのがとことん苦手。いつもは、だらだら過ごして終わりと…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「一つきりじゃ寂しいじゃない。びっしり敷き詰めたらきれいになるわよ。きっと」「ええー? そっかなあ」(ト…
読書ノートの266回めは、西澤保彦さんの『あの日の恋をかなえるために僕は過去を旅する』(2001年発表。文庫版はコスミック文庫)です。原作は『異邦人 fus…
連休はほぼ暦日通りの休みだったので、前半と後半に割れました。前半は天気も今いちでしたし、庭仕事(というかベランダ仕事)優先。後半は天気が持ち直すという予報だ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 桜だけでなく、樹木の春花がそろそろ打ち止めになりそうです。今年は咲くタイミングが例年とかなりずれていた…
《ショートショート 1464》『底を取って蓋にする』 (かうんたーぱーと 10)「底を取って蓋にする? ああ、茶壺の歌か」「そう。美亜がすっかり気に入っちゃっ…
咲いているのは、その花一つではない。 同じ花はいっぱい咲いている。 だが小さなフレームに一つだけ収めた途端、花は一つになる。 その花、一つになる。(ツバキ“…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)「俺たち、こんなにいっぱいのさばっているのに、ちっとも存在感ないよな」「周りに似たようなやつが多すぎるんだよ」「引…
シーズン8 第五話 看護(2)「熱は下がりました?」 心配そうな顔でミレーネが入ってきた。「いや、まだ下がっておらぬ。アラウスカの見立てだと、疲れによるものら…
シーズン8 第五話 看護(1)「ふううっ。やはり反動が出たか」 眠っているフィンの額に手を当て、大きな溜息を漏らす。 春も盛りを過ぎ、青葉が花の色を隠すように…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第11話 まだそこにいる(2) でも、めーちゃんは納得していなかった。「理解者が必要?」「え?」「一人でも理解者…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第11話 まだそこにいる(1) とことん着古したグレーの薄いスウェット上下に、煮しまった色の手ぬぐい。石鹸やシャ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第10話 深夜の捕物(2)「めーちゃんの場合、脱出直後が天国だった。だから舞い上がった天上界から少し降りただけで…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第10話 深夜の捕物(1) 捕物と言ったって、縄も物騒なものもいらない。三村さんがバスルームに入るのを待って、部…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第9話 なぜ、を掘り下げれば(2)「でもさー、ルイ。それなら、三村さんはどこに住んでるの? スーパーだと見つかる…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第9話 なぜ、を掘り下げれば(1)「うーむむむ」 敵情視察とゴミ処理を終えてシェアハウスに戻ってきた私とめーちゃ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第8話 人に戻す(2)「はあい、小賀野ですぅ」 私がぱっと手を挙げたのを見て、まだ腰が引けていた残りの女の人も決…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第8話 人に戻す(1) 喫緊の問題になっているゴミ処理。先々どうするかはともかく、今は急いで片付けなければならな…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第7話 幽霊がいっぱい(2)「どうもひどく誤解されているように思うの」「なにがだい?」「自治会を町内会と混同して…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第7話 幽霊がいっぱい(1) 問題になっている奥野という人が住んでいる家は、私たちや佐々山さんの家からは少し離れ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第6話 ご近所さんが増えた(2) 魚住さんが、がっくりうなだれちゃった。佐々山さんが淡々と事情説明をする。「わた…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第6話 ご近所さんが増えた(1) 家の中じゃなく、門の近くでああでもないこうでもないと立ち話をしていたところに、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第5話 みみっちい幽霊(2)「ごめんなさいね。何度も押しかけちゃって」「いえー、佐々山さんには早々に相談に乗って…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第5話 みみっちい幽霊(1) セピアを出た時にはにこやかだった佐々山さんが、帰り道ではずっと黙りこくっていた。行…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第4話 茶論セピア(2)「でね」「うん」「出るっていうのよ。これが」 佐々山さんが幽霊の真似をする。「へえー。ま…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第4話 茶論セピア(1) 私たちより確かな足取りでさっさと歩き出した佐々山さんの後ろを、必死についていく。歩くっ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第3話 はっちゃんチェック(2)「わたしが今住んでいる家は、以前主人の両親が住んでいたところなの。主人が成長して…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第3話 はっちゃんチェック(1) 私たちが挨拶に行くまで、シェアハウスは佐々山さんの意識の中で「なかった家」だっ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第2話 引っ越し挨拶(2)「あの、佐々山さんにいくつか伺いたいことがあるんです。私たちはこの辺りの事情に疎いので…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-後章 幽霊探し第2話 引っ越し挨拶(1) 用心しぃのめーちゃんほどじゃないにせよ、私だって筋論者の怖いおばあさんにご挨拶という…