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愛がなければ呼吸は、時を刻む時計と同じ。⇨ メアリー・オブライエン「リベリオン」

ライフスタイルブログ / 生き方

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佐藤蓼丸
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2013/03/06

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  • 写真と現実の混同

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 ジャズ・エイジには郷愁的・自己憐憫的な側面があった。人びとは自分が見捨てられていると感じ、あらゆる東縛にたいして猛然と反発した。そうした風潮はフィッツジェラルド自身の自己憐憫にもあらわれている。 (ヘミングウェイはそのことをフィッツジェラルドにわからせようとした。彼はフィッツジェラルドに宛てた手紙に、「ぼくたちはみんなだまされていたんだ。ぼくたちは悲劇...

  • アメリカン・ドリームの埋葬

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 このとき、一人の人間が埋葬されただけではない。もっと重要なことは、アメリカン・ドリームが埋葬されたということである。アメリカの中心的な神話がその墓に埋められたのである。 墓を取り囲む集団に、一人だけ異色の男が混じっている。奇妙なことに、かつてギャツビーの屋敷のパーティーで泥酔していた男が葬式にやってきたのだ。彼は叫ぶように言う。 「なんてこった。以前...

  • 孤独の権化

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 ニック自身も、ニューヨークを歩き回りながら、そこに漂っている孤独感を敏感に察知する。「ぼくは時折り孤独感に付きまとわれ、またその孤独感を他人の中に、そう、夜の、そして人生の、もっとも胸踊る瞬間をむなしく浪費している、たそがれどきの会社員たちの中に、感じた」。プラザ・ホテルでの大騒ぎの後、ニックはふとその日が自分の誕生日だったことに気づく。 三十歳。これ...

  • 1920年代の罪と地獄

    神官ラオコーンは、トロイア戦争の際、トロイアの木馬をイーリオス市内に運び込もうとする市民たちをいさめたが、この行為はアテーナーの怒りを買った。アテーナーはラオコーンの両目を潰し、さらに海に潜む2頭の蛇の怪物を使ってラオコーンを襲わせた。ラオコーンは子供たちと一緒にいたが、子供たちは2人とも怪物に食われてしまった。➡出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ロロ・メイ「自分さがしの神話」読...

  • サウンド・オブ・サイレンス

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 繰り返されるこの夢は――フィッツジェラルドの想像力が生んだ夢だから、彼自身の夢と見なしてもいいだろう――フィッツジェラルド自身の強迫的な、したがって不安に満ちた、泥酔と喧嘩に光をあてる。 この夢が語っているのは、彼には自分の家がない、ということだ。彼には永遠に家がなく、いつまでも孤独でありつづける。だが、それだけでなく、彼は思いやりのない男たちに運ばれてい...

  • 思いやりの欠如

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 ジャズ・エイジにあったのは、そして今、私たちの孤独感の背後にあるのは、他人にたいする思いやりの欠如である。フィッツジェラルドの同時代人たちはこう考えていた―― 他人への思いやりは、われわれの自由や、勝手気ままに荷物をまとめて別の街へ移る自由を脅かす、と。 具体的に言えば、ギャツビーの夢は、人びとの思いやりのなさという岩にぶつかって沈没したのである。それを...

  • 航跡に浮かぶ汚い塵芥

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 ニックは悟る―― 真の腐敗は、ギャツビーを軽蔑する人びとの心に、とくにトムの心にあるのだ、と。ギャツビーの高潔さは、あえて夢を見、その夢に忠実でありつづけたことである。マートル・ウィルソンを蜘いた車を運転していたのは自分ではなくデイジーであると告白することなど、彼は考えもしなかった。 ニックは言う―― 間違っていたのはギャツビーではなく、「航跡に浮かぶ汚い塵...

  • 高潔さと純粋性

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 目もくらまんばかりの豪邸も、絢爛豪華なパーティーも、湯水のようにあふれ流れる酒も、オーケストラから流れ出るジャズ音楽も、夏の夜に火に集まる蛾のような大勢の招待客も、みんな金で買える。 だが、それもこれもみんなデイジーを引きつけるためだ。そして自分の神話に忠実だったギャツビーはその点でも成功する。実際にデイジーがやってきて、しだいにギャツビーが心に描 い...

  • 十一番目の戒律

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 彼のほとんど字の読めない父親は、シカゴの新聞で息子の死亡記事を見て、ノース・ダコタからやってくる。彼は柩に横たわる息子を見て悲嘆にくれるが、ギャツビーの屋敷のいたるところに、息子の大成功の証をみとめて、その悲嘆を克服する。 「あいつの前途は洋々たるものでした。・・・・・生きていたら、偉い男になったでしょう。ジェイムズ・J・ヒル マン〔アメリカの鉄道王〕みたい...

  • 「約束の土地」神話

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 ギャツビーは、作品の中に頻繁にあらわれる「緑色の光」という強力なアメリカ神話を無条件に信じている。その緑色の光は、デイジーの住む岸壁の端にあり、まるでギャツビーを手招きしているように見える。 ある晩、ニックははじめて隣人の姿を見るが、そのときギャツビーは屋敷前の芝生に立って、海峡の反対側に見える緑色の光の方に、あこがれるように手を差し伸べていた。 「彼...

  • 希望を見つけ出す非凡な才能

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 軍に入隊したギャツビーは、ルイヴィルで、大富豪の一人娘デイジーに恋した。春、ライラックの花の下で、二人は愛を誓った。彼らは戦争が終わるまで待つという約束をかわしたが、ギャツビーはデイジーを信用してはいなかった。 デイジーは、自分自身の意見をもたず、個性もなく、なんでも他人に合わせ、ダンスや贅沢な暮らしに目がない。ヨーロッパで軍務に服していたギャツビーは...

  • 人間の本性の弱点と腐敗

    ■ホレイショー・アルジャー アルジャーの作品の多くは、「ボロ着から富へ」の物語と形容される。その内容は、落ちぶれた少年達であっても、努力・勇気・決断などを通じて富と成功のアメリカンドリームを実現させることができるということを描いている。「金ぴか時代」のアメリカン・ドリームが形を成した時代、アルジャーの作品は社会の縁で生活していた多くの若者達に、輝かしい未来への希望を与えた。➡出典: フリー百科事典『ウ...

  • 自分を作り直す旅

    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』☟■プロテウスー予言の能力を持つが、その力を使う事を好まないため、プロテウスの予言を聞くためには、捕まえて無理矢理聞き出さねばならない。しかし、他の物に変身する能力をも有するため、捕まえること自体が至難の技である。ドン・リチャード・リソ著「性格のタイプ」春秋社☟■通常の状態 一芸術家で空想的で、人生に対して夢想的に審美的な適応をし、個人的な感情をなにか...

  • 永遠の感覚

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社フィッツジ ェラルドはその生涯のある時点で、アルコールと遊蕩から足を洗い、孤独の中で、その輝かしい想像カーー後にエドナ・セントヴィンセント・ミレーはそれを「老婦人 のもつ大きなダイヤモンド」と形容した―― を注ぎ込み、自分の偉大な才能にふさわしい作品を書き上げることに没頭した。彼は編集者マックスウェル・パーキンスにそう約束したのだった。彼が創造したギ ャツビーと同...

  • 偉大なるギャツビー

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 このジャズ・エイジに、アメリカの土台となっていた神話が崩壊していくさまを記録し、それがもたらす結果を予見した、ある芸術作品が生まれた。スコット・フィッツジェラルドの古典的小説『偉大なるギャツビー』である。フィッツジェラルドは誰よりもましてジャズ・エイジの代弁者と見なされている。 彼はその均整のとれたしなやかな体と素晴らしく豊かな想像力の中に、この狂乱の...

  • フロンティア仮説

    ロロ・メイ「自分さがしの神話」読売新聞社 ジャズ・エイジには、自分自身を含めて あらゆるものを「売る」ことにたいする興味が急速に高まった。雇い主や、恋人や、新しく母親になりそうな人に、自分をいかに売り込むか、について書かれた本が続々と出版された。 どうして自分自身を売るのは良くて、街角で自分の体を売るのは悪いのか、その点に関する明確な根拠はなかった。 大成功したニューヨークの広告業界、ブルー...

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