あの夕空に見た、一瞬振り向いた君の、困ったようなくしゃりとした笑顔染まった空の逆光でよく見えなかったけれど確かにその頬に光った一筋が、君の全てだった決して僕を追いつかせない歩幅で無理なその歩幅で、僕にそれを悟らせないように歩いていたその背中
あの時君に告げた言葉も君に向けた態度も全部全部が若気の至り羞恥心だけが付き纏うでもかけがえのない時間今でも時々思い出すんだ初めて君と手を繋いだあの長くて短い帰り道を君は今、どうしてる?僕は今、あの日君の手を握ったその手で僕の掌に丸々おさまる
ふと触れた深紅の薔薇その時指先に刺さった棘はあの時刺さった胸の棘を思い出させた其の胸の棘が毒を放って僕の心を次第に浸蝕していく深紅に染まる心の中棘は更に奥深くまで刺さって埋まってゆくこうして抜けない棘を心に何本も抱えて今みたく、時折其の瞬間
会えたら、どんな顔しよう会えたら、どんな言葉で伝えよう会えたら、あの頃に戻れるだろうか考えても「会えない今」は変わらないだけど今日も、もしも会えたら。会えたら云うよあの時言えなかった「大好き」を
忘れたくて忘れたくない愛しき僕の想い出忘れられたらどんなに楽だろうあんなに優しい記憶なら消えてしまえばいいのにいつまで経っても忘れられずに淡い気持ちを引きずって今日も君の面影の残るこの場所で淡々となすべきことをなす日々だよ君は今、何をしてる
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