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  • 潜航するエリオシケなのですが

    Eriosyce occulta RS1958です.故郷はチリーのTaltalからLas Breas辺りです.GMで見るとほとんど草木が生えていない小高い丘のような風景がずっと続いています.いかにも乾燥していそうです.種小名のoccultaは隠れたという意味で,地面に潜るように生活している彼らの様子を示しています.でもこれはキリンで育成したので全然潜っていません.昨年に短いキリンの茎を付けて降ろしています.これからですかね,本領発揮は.花は...

  • アンディコーラの実と花

    これはMesaから入れたNeoporteria curvispina var. andicola (Pyrrhocactus andicola)の種子由来の株です.昨年の花時が終わったあとそれは素晴らしい果実を満載した姿を披露してくれました.どんだけ花を咲かせのかと驚くばかりです.これはこれで十分観賞価値があり,しかも長期間楽しめます. 今年も紅白(正確にはピンクと白,かつピンクの濃淡あり)の花を楽しませてくれました.かなり長期間次々と咲いて来ます. Kewは...

  • エキナスの刺と花

    これはPyrrhocactus echinus FR537(Eriosyce taltalensis subsp. echinus)として入って来たものです. 昨年初めてちゃんと咲いた時に一度記事にしましたが今年は一層落ち着いて来ました.やはりエリオシケたちは株が大きくならないと良さは出てくないものだなと実感しました. 花の様子を具に観察すると,内側と外側の花被片の色合いが微妙に異なり,このことが柔らかな印象を醸し出している様です.若干の個体差はありますが...

  • 艶やかな花色

    ハウスに入ると遠くから朱赤の花が目に付きました.あれ,何が咲いたのかなと近づくと緑綺丸です.綺麗に咲くのは久しぶりのような気がします.Mediolobivia pectinata var.atravirensの学名が当てられていますが,ペクチナータの色々ある変種など含めて全てAylostera pygmaeaに統合されている様です. 独特の丸弁と艶やかな朱赤の花は,何ともいえない色気を感じます.なお色気とは,昔はセクシーな姿に対して使われる言葉でし...

  • 臨月のありよう

    交配をして果実が膨らみ始めるのを見るのは楽しいことです.そしていよいよ種子の収穫となりますが,そのプロセスは種によって大きく異なり,よく見ていないと種子を採り損なってしまうこともあります. 有星類は果実も大きく熟したサインがはっきりしているので失敗はありません.兜や瑞鳳系はみな果実が大きく膨れ色づいてきて最後は柔らかくなります.一方ランポー系は頂部が裂開します.この兜くん,果実はとても大きく膨...

  • 信州サボテンツアー

    先日KCCの仲間と信州西沢サボテン園さんと高木カクタスさんを訪問して来ました.早朝に高松を発ち,昼には塩尻に到着.まずは西沢さんです.ボク自身は2011年に訪問しており,本当に久しぶりの訪問です.駅からタクシーでしたが,そういえば昔来た時もこんな畑の道を行ったよなーと思い出しました. 園内は多様なサボテンが並んでいて,何遍も見回り,それでもまた見直して,午後の時間はあっという間に過ぎました.昔来た時は...

  • クルビスピナの仲間かな

    これは魁壮玉という名前で三河さんから来たものです.パッと見の草姿や刺の様子からはヒルホかなーという印象でした.初夏になり蕾を上げて来ましたが,やはりヒルホらしい花芽です. 咲いて来た花は,いかにも旧ヒルホらしい色合いの花です.エリオシケの中でも,この仲間は本当によく似た花を咲かせます. Neoporteria(Pyrrhocactus)tuberisulcatusという学名が当てられていましたが,カッターマンはこれをEriosyce curvis...

  • ちょっと信州へお出かけ

    もう5月も最終週です.To do listは盛りだくさんだった今月,ちゃんとミッション完遂できたのかどうか疑わしいのですが,ちょっと抜け出すことにしました.幸いハウスを開け放っていても問題ない季節になっており,播種したばかり実生床や挿し芽を始めたキリンなども短期間ならそれほど問題はないでしょう. 今回は信州へ1泊2日の弾丸サボテンツアーです.久しぶりの信州,良い出会いがあるといいなー.最近思うことは,行ける...

  • このウチワは何者か

    昔から紅花ウチワは花サボの台木として用いられて来ました.ウチワに接木されたものを見れば,なんの疑いもなくその台木は紅花ウチワだろうと思っていました. 10年以上前にこの紅花ウチワの花を記事にしましたが,その後あまり利用することもなかったので廃棄してしまっていました.一昨年にウチワ台のサボテンを頂き,その台木からこの写真のウチワを立ち上げました.正直,これは紅花ウチワなのかどうかも疑っていました. ...

  • 花袖は台になってもなおも咲く

    花袖はその由来がはっきりしない柱サボテン,観賞用に紹介されましたが,台木としても活躍しています.これまでの経験から,花袖は袖ヶ浦以上に穂木に花を咲かせる力が強いように思えます.穂木に花を咲かせながら,春には自ら盛んに花芽分化して来ます.すごいエネルギーだなと感心するばかりです. ひとつ咲かせてみました.花袖は夜咲きのタイプですが,朝のうちはまだ開いていることが多いので,この写真は朝.やはり自然光...

  • ウチワの美花バシラリス

    バシラリス(Opuntia basilaris)は,その花の美しさからサボテンの本では必ずと言って良いほど紹介されています.ボクもサボテン趣味を再開した時に手元で花を見たいと思い何度か入手しました.所詮ウチワだろうと思ってぞんざいに扱っていると機嫌が悪くいつの間にか消えてしまいます.何度か失敗して,これは強健が売り物の所謂ウチワとは違うのだと気づきました.それ以降亡くなることはありませんが,なかなか花が咲きません...

  • 初夏のディスコたち

    気温が上がり始めるとディスコたちの季節がやってきます. まずは仲の悪いウチのホルスティ.開花がシンクロすると良く言われるディスコですが,うちのホルスティは本当に仲が悪く,必ずと入って良いほど1,2日違いで開花します.特に種子を採る予定もないので、勝手にしろ!って感じです.気が付けば夕方に鉢を家に持ち込んで香りを楽しみながら仕事をします. 次はDiscocactus placentiformis subsp. multicolorispinus HU5...

  • 白花ニコリーの改良

    これまで何度か白花の太平丸について記事にしてきました.その端緒となったのがこのニコリー,信州から10年以上前にウチにきました.ウチに来て咲いて見て初めて白花と分かったものです.これを出発点として色々交配してみて,ウチの実生からも白花が出るようになりました. この白花は最初の白花ニコリーに黒刺雷帝をかけて,その後代を白花にバッククロスしたものの中から拾ったものです.刺の様子は随分と改良されました. ...

  • ウチワの芒刺は退治できるか

    台木に使う紅花ウチワ,こいつの刺と芒刺がなかなか厄介です.以前にボンニアエをウチワに接いだという記事で接木すると間も無く新しい茎節を次々出してくることを書きました.まずはこれをなんとかしたいと思い,以前キリンウチワの腋芽抑制に用いたタバコの腋芽抑制剤を使ってみました.先に報告した通り,小さな茎節の芽は萎縮して発達するのをやめ,期待通りの効果が得られました.それなら全ての腋芽に処理をしたら,芒刺も...

  • ディモルファの遍歴

    昨年の今頃まだキリンに乗ったままのこのディモルファを記事にしています.その後無事降ろされ,今年はそれなりの姿になってきました.この種小名は二型性という意味だと思うのですが,何を指しているのでしょうか.小さい時はあまり刺がないのにある程度までくるとグッと強い刺を出すことを指しているのでしょうか. 花はとても素敵で,たくさん咲くので長期間楽しませてくれます. この株はKK63というFNを持ち,検索サイトで...

  • 大きくなったレーイ

    このエスコ・レーイは2011年に西武の屋上で手にしました.小さな株で初めて開花したのが9年後の2020年.この間どんどんと分枝を繰り返し,随分と大きくなりました. 穏やかな色の小さな花は,覗き込むとなかなかの美しさです.エスコバリアはこのような色合いの花が多いのですが,なんと表現すれば良いのか難しい色です. このレーイは,Escobaria sneedii subsp.leeiとされたこともあり,スニーディの亜種,特にneotenic for...

  • 目立つ黄色の花

    初夏のハウスは様々な花が咲いています.そんな中で小さいながらも目をひく黄色がありました.メラレウカ(Mammillaria melaleuca)です.昨年も今頃記事にしています.この黄色という色は表現が難しい色です.1枚目は日陰で写したもの,2枚目は曇天のハウスで写したものです.随分と印象が違いますよね. 1年が過ぎでかなりしっかりとした株に成長しています.初めて見た時は,黄色の花に目が行ったのですが,黒い中とげと白...

  • 銀紐の種子繁殖

    昨年春に銀紐を交配してみました.簡単に着果し子房がぷっくり膨らんできました. 収穫して切ってみると,中は大変ジューシー,仄かな香りがします.果肉を舐めてみると甘酸っぱい味,ああこれはアリコチだねと思いました.このタイプの果実はシードクリーニングに手間が掛かります.果肉は大変滑り気があり,容易に洗い流せません.茶漉しで潰す,ガーゼで揉むいずれもイマイチです.仕方なくボクは,ガーゼに包んだ果実を中性...

  • 初夏のエビ

    先日ピローサスのことを書きましたが,実は次々とエビたちが咲いていおり,写真を撮ったものだけでも載せてあげないと申し訳ないと思いました. 凡家来(Echinocereus fasciculatus var. bonkerae)もピローサス同様、ぜひ生で花を見たくで種子を蒔き,いくつかをキリンに乗せて大きくしたものです.如何にもエビらしい花です. 次のダシアカンサ(E. pectinatus var. dasyacanthus)は,いくつか持っていたダシアカンサを交...

  • 今年のピーナッツたち

    カマロビ(Chamaelobivia)は,ちゃんと品種名を頂いたものから「名もなき」ものまで色々と流通しています. カマロビは,英名でピーナッツカクタスと呼ばれています.なるほど分枝仕立ての枝はずんぐりとしてピーナッツのようです.幾つも咲いたのですが,写真に収めたものをupしておきます.‘ペルラディヴェローナ’,‘ピーチ ブラッシュ’,‘トュルーディ’,‘ネリッサ’.それぞれ個性豊かな面々です. カマロビは熱心な愛好家...

  • 晩生の渋谷マルキュウ

    ウチにはキャンディダがいくつも居ます.その中でSB109というFNを持ったものがいます.まるでシブヤ109じゃないか,そう思って眺めていました. 花の時期になって気がついたのですが,このマルキュウくんはかなり開花が遅いタイプです.左からSB109 サンルイスポトシ州 Charco Blanco, SB827 サンルイスポトシ州 Guaxcama,SB440 ヌエボレオン州 Santa Anaです.マルキュウが咲く頃には,他のキャンディダはほぼ開花が終了し...

  • 池袋鶴仙園2025初夏

    いつものことですがせっかく東京に行ったのだからちょっと覗いてきました.もはや西武屋上とは呼べなくなったのですが,いつもの場所でいつものように営業されています. いつもながら多様な品揃えに感心します.今回全体を眺め回して思ったことは,サボテンたちの価格がそれほど東京価格ではない,つまり飛び抜けて高いわけではないといいうことです.1000円〜2000円の買い易いものも結構並んでいました. 丁度花サボの季節,...

  • プランツジャンキーからの贈り物

    2年前のプランツジャンキー7thでの抽選会でゲットしたゲオメトリクス.くじ運が良い方ではないと自認していましたが,この年の運を全て使い切っての当選でした.その時は団子2つの株でしたが,昨年はむくむくと茎節を出して3倍になりました. 3月も後半から赤いポッチリが見え始め,茎かな-花かな-と眺めていましたが,どうやら花のようです. 4月になり,出てきたポッチリは全て花芽のようです. うちでゲオメトが咲くのは...

  • 白鳥・白鷺の花色は微妙に違う

    白鳥・白鷺は春を代表するような白マミです.ウチにはいくつもの株があるのですが,開花期は株ごとにかなり違います.なので,彼らを置いてある一角全てが開花しているような写真を撮ることができません. 白鷺は名前の通り白花,学名もMammillaria albifloraです.小型のサボテンで単幹ですが,接木して多頭化した株での群花はとても印象的です. 幾つも白鷺を見ていると下の写真のように明かにピンクの中筋が入るものが出て...

  • ノドグロ咲く

    ただただ自分の手元で実際に花を見てみたい,その思いだけで種子を蒔くことがあります.栽培が容易でないことは分かっていますので,即キリンに乗せました.播種から2年,子供の頃,伊藤芳夫さんの本の写真を見てなんてすごい花なんだと思ったノドグロロビが開花しました. 4月も終わり,大きな蕾が膨らんできました.丸くて大きな蕾は,ちょっと他のロビにない迫力です. 朱赤に喉が黒い,まさに昔写真で見た花です.花弁の...

  • 円盤くんの今年の浮気相手

    春になると天城(Ferocactus macrodiscus)がたくさんの蕾をあげてきます.花の時の姿は文句なく強刺類最高の美しさです. 昨年,この天城とテロカクタス ラウセリーの交配を記事にしました.得られた種子は,発芽率も悪くなく,斑入りとなるわけでもなく順調に育っています.これに気をよくして,今年の浮気相手はこれです.フラウテンベルゲリ(Thelocactus rinconensis subsp. freudenbergeri)は,リンコネンシスの中では...

  • 紫野の花色変異幅

    ウチに古くからいる紫野(Lobivia winteriana)は,かなりはっきりと底白のピンク花です.とても綺麗なのですが,株の老化は段々と進んでいます.ちょっと違う系統も見てみたいなと思い,少し種子を蒔いてみました.3つだけキリンに乗せてみました.花の色の変化は,こんな具合です.紫野といえば底白のピンク花なのですが,ウインテリアナの底白の様相は色々だというのが実体なのかと思います. 下の写真は紫野とイエローキャ...

  • パピローサス兄弟

    華山(Echinocereus papillosus)が華やかな花を咲かせています.この株はキリン育成株ですが,最初メタボだったのがだいぶ落ち着いてきました.種小名のpapillosus は,「乳頭状の」という意味なのですが,エビにしてはアレオレ部分がイボ状に突起しており,それが目立つからでしょうか. もう一つは,E. papillosus var. angusticepsです. 基本種に比べて小型の変種と言うことです.確かにかなり小さいのですが,花は負けて...

  • モンスター花勢の子たち

    先日モンスターが豪華に咲いたことを一昨日記事にしました.モンスターが初めて咲いた2年前,横に咲いていいた花勢竜と交配してみました.その子達がたくさんできているのですが,5株だけキリンに乗せて花を見てみました.まず両親の花はこんな感じです. 子供達の花色と形はご覧の通り,写真ではサイズ感が分かりませんが,まさに中間サイズでした.花勢竜の倍ほどありますが,モンスターには遠く及びません.面白いもので,...

  • 変わった花形のプシス その2

    これは咲玉園(しょうぎょくえん)さんから入手した細弁咲きの花サボです.ペルギウス(23−67)という名前と系統番号が付いていました.かなりの小球だったのですが,ちゃんと蕾を上げて来ました.どうやら小球開花性を持っているようです.蕾がある程度まで大きくなるとすでに特徴がはっきりと出ています.細い花弁がぐるぐる巻きになっているのがみて取れます. 花の様子はこんな感じ.花被片はいずれも細くなっており,外側...

  • モンスターは夜咲きだった

    今年もトリコケレウス交配種モンスターが咲きました.初開花は一昨年でした.その翌年は2輪咲き,今年は植物自体がかなり大きくなったので,たくさんの蕾を着けました. 上の写真を撮った次の日,いよいよ明日には開花かなと夕方見にゆくと蕾の先が緩んでいます.もしかして夜咲なの?と半信半疑で夜の9時ごろ見にゆくと,なんと満開ではありませんか.闇の中にこんな鮮やかな花が咲いている様子は本当に不思議な感じでした....

  • 変わった花形のプシス その1

    天狼星と名付けられた小さな花サボ苗をネットで入手したのは一昨年のことです.草姿はいかにもプシスといった風貌,全然魅力的ではないのですが,ちょっと特異な花が咲くらしいというので我慢してハウスに並べていました.次の春には何度か蕾が出たのですが,発達が途中で止まって開花に至らなかったり,暑さで正常に花弁が開かなかったりしました.そしてようやく今年,まともな花を見ることができました. 蕾がある程度まで伸...

  • 雨の夜のタイタン

    タイタンはセレニセレウスの交配種,毛むくじゃらの蕾が伸びるとツルッとした花被片が見えるようになります.今年は結構早くから多くの蕾が見えて来ました. 4月下旬,久しぶりの恵みの雨が降っていました.夜遅くにハウスに入りことは滅多にありません.ボクはハウスに外部エネルギーを入れない方針なので,電気も暖房もありません.それでもそんなに不都合はないのです.サンダルでは濡れるので長靴を履いてハウスへ.懐中電...

  • 兜錦の蕾,花,果実

    兜錦は花を楽しむものではありません.タネマキ人にとっては自ら良斑を得るために種子を蒔きたい,しかもたくさん蒔きたい.そのためには次々と斑入りとなっているアレオレに花がついて欲しいのです. 兜の蕾は小さい時は毛に覆われていますが,少し膨らむと灰色がかった色になります.しかし斑ものの場合,アレオレが斑入り部分にある時,こんなふうに赤みを帯びたマダラ模様になるものが多いのです. ただ花はごく普通です....

  • 春を彩るレブチアたち

    春らしい天気が続く中,今年も次々とレブたちが咲いてゆきます.多くのものは何度かに分けてパッと咲くので,結果として結構長期間咲いているなという印象を受けます. ボクは温かみのある橙色の花が大好きです.このワルテリ(Aylostera walteri WR784)はもう長いことウチにいるのですが,春の定番のようになっています. 多くのレブファンは,ごく普及種である翁宝丸(R. senilis)を大事に維持しています.その理由はこの...

  • 卯月に咲いた花

    もう4月も終わろうとしています.毎年春は駆け足,ついこの間までコタツのお世話になっていたのに,人は半袖でハウスに入り,サボテンの暑さ対策を気にかけ始めています. 4月に咲いた花の写真を撮ったのに,個別には取り上げられずにスルーしそうな花を載せておきます.まずは大豪丸錦,一昨年に交配して得た種子から低率ながらも斑入りが出たことを記事した大豪丸錦,錦はさておいても綺麗な花です. 次は黒竜(Pterocactus ...

  • 小人の帽子を覗き込む

    小人の帽子(Epithelantha bokei)が花を咲かせていたので,覗き込んでみました.花を観賞するサボテンではないのですが,他のエピより一層儚げな感じの花です. 小人の帽子はありませんか?と時々聞かれるので,今年は交配してやるかと思っていたのですが,開花が合いません.この株はダンマリを決め込んでいます. 以前にもらった実生苗はそれなりに成長していますが,実にのんびりですね.これでは皆さんに貰っていただける...

  • モリモリ咲く緋牡丹錦

    随分と前にもりもり咲く緋牡丹のことを記事にしました.昨年袖に接木した緋牡丹錦がモリモリと蕾を上げています.袖の威力はさすがです.自根ではこんな風には咲きません. 以前に記事にした緋牡丹の花は,蕾も花も完全に葉緑体が抜けてピンク一色でしたが,これは程よい斑柄の緋牡丹錦,花はごく普通の牡丹玉と同じ感じです.全く斑柄を反映した花とはならないのはどうしてだろう?と思いつつ咲き始めた花を眺めました. 特に...

  • 期待のクンゼイ咲く

    昨年実生接したエリオシケ達の中で目を引いたのはこのPyrrhocactus kunzei RS2304でした.実はこのFNの情報は,ヒルホsp.クンゼイ?と疑問形になっています.姿形からして多分そうなのだと思います.早いうちから白い刺が球体を覆い,紫の肌色と相まっていい雰囲気を出しています. 蕾の様子はこんな感じ,ほとんど毛を纏わず緑の蕾が特異です. 花を見て正直驚いてしまいました.これはなかなかのもんじゃない?渋さの中に華...

  • 今年は精巧丸が揃って咲いた

    精巧丸(Pelecyphora aselliformis)の良さはかなりサボテンに入れ込んでからではないとなかなか理解されないようです.覗き込まないとそのユニークな姿は見えてこず,ただ単に小さく地味なサボテンとしか見えません.種小名は,イボと刺の様子がホンワラジムシ(Oniscus asellus)に似ているからなのですが,よくぞこの名前を付けたと拍手です.日頃は忘れられたように栽培棚の隅で暮らしていますが,花は意外と美しいものです....

  • テネブリカの大人な花色

    昨年,カクタスクラブの方からテネブリカ(Eriosyce tenebrica)の種子をいただきました.播種して間もなくキリンにいくつか乗せてみました.生育が遅いと聞いていたので,せっかちなボクは早く花がみたくて乗せちゃいました.スクスクと大きくなり,キリンの園で花を上げてきました.刺の様子、肌の色合いなとナピナの変種(E.napina var.tenebrica)と見る見方もあるのが頷けます.花色の変異はどれほど出るか,それも楽しみの...

  • 眠り獅子を増やそう

    独特の雰囲気を持つ眠り獅子は,少しマニアックな人向けのテロらしいです.そうなのかなー,ボクは好きだけどなーと思いながら,毎年花を楽しみにしています.なんとなくユーモラスな顔つきも好きだし,花も好きです.種子を採りたいと思い昨年もう一株手に入れました. なおこの眠り獅子は,Thelocactus phymatotheleという学名でしたが,今はT. rinconensisに統合されています.同じ種で,刺の強いのが鶴巣丸,短いのが眠り獅...

  • 春の蠢き

    ハウスでは,何事も外よりひと足さきにやって来ます.アマガエルは年中活動していますが,この時期よく目に着くのが小さな虫たち,特に小さなカマキリはいたる所にいます.特にサボテンに悪さをするわけでもないので,眺めて楽しんでます.ヘキランの肩に乗って何を見ているのでしょうか. 兜の果実にぶら下がって小さいながらも戦闘モードでじっと何かが来るのを待っています. 実際のところカマキリの赤ちゃんはハウスの中で...

  • サビキの正体

    白花の太平だということで,以前から気になっていた太平丸変種サビキ(E. horizonthalonius var. subikii).ようやく種子を手に入れ蒔いてみました.キリンのおかげであっという間に顔が見えて来ました.この顔つきを見るとどうやら,いわゆる小平丸系の太平丸だとみました. そして花が咲いてみると,これは白花というよりは薄いピンク花です.これでは白花とは言えませんね. どうやらサビキは、花色の薄い小平丸の系統のよ...

  • 葉ウチワの促成栽培

    外に地植えしている葉ウチワに防寒のためにビニルを被せたのは11月のことです.その時にうまく囲いの中に収まるように幾つか枝を払いました.その時,いくつかの茎葉を挿し木しておきました.春に芽吹いたら欲しい人もいるんじゃないかと思ってのことです.ハウス内に置いていたので2月になって盛んに芽を吹いて来ました.その芽が少し大きくなって来たのをよく見るとどうやら多くは花芽のようです.へーこんなになるんだと驚く...

  • レモンイエローの世界

    白刺が美しいロビです.これは今年の初春,咲玉園さんの福袋に入っていたものです.ロビと書きましたが,Echinopsis aurea var. . quinesensis WR112です.故郷は,アルゼンチン San Luis州 Quines,変種名はこの地名から来ているようです.なおこの変種(var.)は,今はオーレアに統合されているようです. 力強い花芽が上がって来ました.蕾の形態は確かにエキノプシスです. 暖かさに後押しされ,あっという間に花開きました...

  • カニの二代目

    ウチには通称カニというなかなか優秀な紅葉ヘキランがいます.このカニを手にした13年前の姿を彷彿とさせる形をした実生がいます.その紅葉具合はどうでしょうか. 今年1月下旬の様子,頂部が少し色付いています. 2月下旬になり,色付きは進みましたが,イマイチです. 3月初旬に育苗バットから個鉢へ植え替えてやりました.関取になって大部屋から個室に移るようなものです. 4月上旬,このぐらいの紅葉が精一杯でしょう...

  • 美しい兜交配種

    暖かさがますとアストロ達の開花は急に始まります.同時に繁殖苗の移植も急ピッチ.特別自分で必要なわけでもないのですが,兜はありませんか,と聞かれることもあって少し実生をしています.そのついでにちょっとお遊びの交配も.白ラン兜×赤花兜,この組み合わせには結構色々な形が出ます.加えて兜系雑種に特有と言うべき斑が出ます.ただこの斑は組織が陥没して醜い肌になるので,実生の小さい時に斑のない整ったものを選び...

  • 卯月のマミたち

    どんどんと色々なサボテンたちの花が咲き,諸々の園芸作業も忙しい季節.じっくりと一つの花を見つめる時間的余裕がなくなります.4月に入ってなおたくさんのマミが咲いていますのでいくつかを紹介しておきます. この清楚な花はエステバネンシス(M. estebanensis).昨年初花を紹介しましたが,株が育っていい感じで花が咲くようになりました. 次は澄心丸(M. backebergiana).いかにもマミラリアらしい花輪を作ります.こ...

  • アカラグマが咲く

    Acharagma roseanum SB4599を昨年蒔いてみました.キリンに乗せるとスクスクと成長しました.美しい金色の刺を密生し,なかなか美しい種です.和名は金盃とされています. 初めてアカラグマをみたのは2度目にメキシコに行った時でした.美しい金刺の小型サボテンだなと思いましたが,全く馴染みのない属で何者やらわかりませんでした.エスコバリアに近縁の属で,エスコバリアに統合するとする見解もあるようです.なおKEWはこ...

  • 気品あるインターテクタスSB120

    インターテクタス(Echinomastus intertextus SB120),が綺麗に咲いていました.実に穏やかで気品ある花姿です.長らくエキノマスタスとして慣れ親しんで来ましたが,今はSclerocactus intertextusとすべきでしょうか. SB120の故郷はNew Mexico州,Los Pinos Mountains, Socorro County ということです.Gmapでみると低木の点在する何もない荒野のようです. これはどちらか言えば英丸系なのでしょうか.全体を覆うように刺...

  • スファセラータの小さな花輪

    マミ棚をふと見ると見慣れない小さな花がありました.Mammillaria sphacelata FO65です.一応白星山という和名を頂いていますが,まず流通していません.また名前ほど白いわけでもありません. 覗き込んでみると健気に小さな花輪を作っています. 親指ほどの太さの茎の基部から仔を出して自然に群生になりかけてます.Pilbeamの本では8年で20−25cmになると,佐藤さんの本では50cmにもなると書かれています.小さいながら大群...

  • 白点のある普通のランポーの紅葉

    紅葉ランポーといえばヘキランに紅葉が入るのが普通です.通常の白点のあるランポーに紅葉系がないのは不思議でした.コロンさんが,紅葉のしっかり出る白点ありのランポーにマグマと名付けて出しておられます.紅葉の起源はよく知りませんが,紅葉と紅葉をかけるとその実生はほぼ紅葉になります.しかし紅葉と青物をかけるとその後代にはまず紅葉は出ません.紅葉の血が入ったはずの青物の後代にも紅葉はほぼ出ません.まるで潜...

  • ゆっくりと生きるマグドガリー

    ある朝,地味な小型サボテンの棚で,マグドガリーの鮮やかな黄色の花がパッと目に飛び込んで来ました.ああもう咲いて来たんだねと,しばし覗き込みました.見た目はかなり特異なサボテンですが,種子が採りにくく,かつ成長も遅いので,実生苗を作っている人はそれほど多くありません.この株も2018年播種でこのサイズです.とは言えもうすっかり大人で盛んに花を咲かせます.昨年はこれらを交配して無事種子を採りました. も...

  • 雷帝を眺める

    雷帝と名付けられて太平丸は,今なお人気です.サボテン趣味を再開した15年前,ボクが子供の頃には雷帝なんかなかったよなーと少し前のめりになって幾つかの雷帝を買い求めました.そこですぐに気が付いたことは雷帝とは何か?がはっきりしておらず,名前先行で取引がなされていることでした.それは今も変わりません. 太平丸達の先陣を切って,雷帝の一つが早々に蕾をあげてきました.これは雷帝の顔をした6稜の太平丸です....

  • 綾波は一瞬にして

    寒さが和らぐと綾波が動き始めます.赤い刺の先端が覗き始めると,おおっ今年もお目覚めかと嬉しくなります.いつものように今年は凄い刺が出てきたのではないか?と人の心を惑わせながら,幾つもの蕾もあげてきます.この時が最も楽しみな時間ともいえます.他人様が作った大株も良いけれど,やはり自分で種子を蒔いたものが愛おしい. この赤い蕾が開くまで,それほど時間を要しません.春の日の急な昇温に導かれ,あっという...

  • 紅白の月宮殿

    毎年2月も後半になると月宮殿の赤いぽっちりが見えてきます.これは春をつげる嬉しい兆し,いつもそろそろかなと思いながら月宮殿の頭を観察しています. この赤いぽっちりはやがてハッキリとした蕾として刺の間からつのを出すかのように伸びてきます. そして約一月かかってようやく一斉に花を開きました. ウチにいるもう一つの大株の開花はこんな風でした. 今年は嬉しいことに白の月宮殿が仲間入りしました.どこかに白...

  • 咲きかけが美しいチレンシス

    昨年このチレンシス(Eriosyce chilensis FK3)が育苗バットの中で開花する様を記事にしました.旧ネオポルの中には花弁がたくさんあって最後まで開き切らないタイプの花をつけるものと,蕾から開花までは同じような姿をしながら花弁数が少ないがために花が開ききって雄ずい,雌ずいがすっかり露出するタイプの花をつけるものがあります.このチリエンシスは後者のタイプで,開いた花も良いのですが,この写真のような開きかけの...

  • 珠毛柱を吊す

    昔はWilcoxiaと呼ばれていた珠毛柱(Echinocereus schmollii)はなかなか素敵なサボテンなのですが,格好よく作りあぐねていました.以前は支柱を立てて縛り付けていたのですが,どうにも格好がつきませんでした.フニャフニャしたいのならいっそ吊り鉢で作ろうかと昨年から吊すことにしました.水が切れるとグニャリと垂れ下がり,水を吸うと少し戻ります.それでも茎の先端は常に上向になろうとします.そんな感じで蕾を着けて...

  • つながるニグリホリダの花

    今年もネオポルの季節が盛りを迎え,ハウスでネオポルがある一角を眺めるのが楽しみな時間が続いています.このNeoporteria nigrihorrida FK22(syn. Eriosyce subgibbosa subsp. clavata)は,もう長いことウチに居ます. まだ小さい2代目も花を咲かせています.多分最初にウチに来た初代はこれよりさらに小さい頃だったのでしょう.ウチに来て2年目に開花したことを記事にしています.花を初めて咲かすサイズぐらいが一番可...

  • 春のエビ その1

    弥生から卯月へとまたがるこの時期,エビたちも次々に開花してきます.今年も咲いてきたなという記録のためにアンソロジーとして紹介しておきます.まずはチソエンシス(E.chisoensis).相変わらずの美しい花です.これは一昨年蒔いてキリンに乗せたもの,エビとキリンの相性もかなり良いですね.花色,模様にはほぼ個体変異はありませんでした. そして定番の美しさは宇宙殿(E.knippelianus). 特にこの個体の花はキレイなので...

  • 紅梅殿の10年

    この紅梅殿(Turbinicarpus horripilus),ラベルを見ると10年前に西武屋上で手にしたことがわかります.ブログに初めて登場したのは その2年後,その頃は小さな単幹の株でした.そのうち基部から仔をふき始め,ゆっくりとそれが増えて行き,だんだんと群生株に近づいています.実生自根でどれくらいまで大きな群生株になるのか見極めたいなと思っています. 蕾や花の様子はこの仲間によくある形で,花の拡大を見せられると他種...

  • メンゼリーの開花

    メンゼリー(Pediocactus peeblesianus f. menzelii)が咲いてきました.3年前に播種し,すぐさまキリンに乗せ,翌年初夏に短いキリンの茎をつけて降ろしました.その時の様子を記事にしましたが,降ろしてからしばらくは気を使い過ぎて灌水も控えめ,成長もわずかでした.この春に植え替えたのですが,キリンの根はやはり灌水控えめだったので,なんとなく貧弱でした.植え替えが刺激になったのか,これまで全然開花の兆しがな...

  • 実は懐かしいサボテンだった

    これはM. guillauminiana TL45,故郷はデュランゴ州El Carrizoということです.この種はM.mercadensis(鳩目丸)のシノニムとなっています.このTL45は何年か前に蒔いたのですが,一株だけ生き残り大きくなって来たものです.典型的なカギ刺マミの風貌しており,ピンクの花もまたマミらしいマミと言えます. このメルカデンシスには初桜,鳩目丸,妙麗丸,名華殿などいくつもの和名が与えられています.どうしてこうなったのか...

  • 今年のベグイニーたち

    Rapicactus beguinii は,Turbinicarpus mandragora subsp. beguiniiとされることもあります.日本ではこの比較的大きなピンクの花をつけるタイプを白狼(琅,こちらが正しいか)玉と呼んでいます.ウチの双頭の白琅玉は今年植え替えてやり元気にしています.これからかなりの時間をかけてたくさんの蕾を次々と開花させます. Rapicactus beguinii にはいくつか亜種が提案されており,その中の一つであるRapicactus beguinii su...

  • 弥生のマミたち その3

    ようやく安定した暖かさがやってきました.2月3月と気温が低く,足踏みをした感のある春が本格的に動き始めています. 夢幻城,M. magnimammaの1タイプです.この強く湾曲したコルク質の刺が魅力的,そこにピンクの花がよく映えます. M. rekoiには色々なタイプがいるのですが,このML370はよく目立つ真紅の花を咲かせます.レプタカンサはこれの変種ですが,なるほどねと思わせる花色です. この雲峰はもう10年以上ウチに居...

  • サクラはまだか,桜は咲いたぞ

    毎年ソメイヨシノのサクラの便りよりずっと早くにこちらの桜は咲いてきます.蕾がたくさん見えるとああ春が近いなと嬉しくなります. 3月の中旬になると毎年咲いてくるのですが,桜丸(Echinomastus intertextus)の花は上品な美しさとでも言いましょうか,見るものをホッとさせるような美しさです.自分で交配して実生した苗たちもすっかり大きくなり,もう新たに種子を蒔く必要はすぐにはなさそうです.でも種子は必要って人...

  • これはヒスピダスなの?

    以前にMesaからワルノッキー(Echinomastus warnockii SB452)だと思って蒔いた種子,その後このSB452については,Echinomastus mariposensisだとしたり,Echinomastus hispidusだとしたり色々な情報がweb上に流れていました.現在のMesaのカタログではSB452をヒスピダスとしています.でもFNの検索サイトでは未だにワルノッキーとしており,Kewはヒスピダスそのものを認めていません.SB452はクアトロシネガス産とのことですが...

  • 脳みその摘出

    ドクロのポットにアルビコマ綴化を植えたのはおそらく2年前だと思います.面白がって何度か展示したりしていました.いつの間にかパンパンになって植え替えてやらねばならないと思いつつ先延ばししていました. ドクロのポットもサボテンに押されてヒビが入って来ました. これはもう限界だろうということで植え替えることに.どうにかこうにかポットの破壊も最小限に抑えて,なんとか引っ張り出しました.当初このポットは排...

  • 穏やかなテロたち

    2月の終わりから3月にかけて,テロカクタスも次々と花を咲かせてきます.穏やかなで気品のあるテロカクタスの花は,見るものを安心させます. この鶴巣丸(T. rinconensis)はもう長いことウチにいるのですが,最初にここに登場したのは12年前のことでした.毎年春一番に咲くテロです. 武者影(T. hexaedrophorus subsp.lloydii)の小株です.ガタイをすっかり覆う花,テロらしい花です. これは鶴武者,上の2種の種間交雑種...

  • ミニチュアなマミ トムソニー

    これはMammillaria thomsonii F83とされるものです.チェコの業者からの種子ですが,このF83というFNは検索サイトではヒットしません.故郷はデュランゴ州 Canyon de Caballoということです.まだ正式に記載されていない種であり,M. nazacensisやM. brachytrichionに近く、おそらく近縁種と考えられています.要するに陽炎系の種ということです.とにかく小さい時からよく咲くという特徴があるようです.昨年初夏に播種したもの...

  • 紅白のメラノケントラ

    夕凪丸(M. melanocentra)は子供の頃から知っていました.華やかなピンクの花は憧れの存在でした. このメラノケントラSB557は,白花です.まだ若苗ですが,それらしい姿になっています.故郷はヌエボレオン州 Huesteca渓谷,何度か歩いたことのある地域です. これはピンク花で,FNはMK 136.425, 故郷はコアウィラ州Sierra de la Pailaとのこと,FNの情報ではこれを M. rubrograndisとしています.うーんこれがメラノケン...

  • 緋冠竜2代目

    ウチには以前に手にした強刺緋冠竜が居ましたが,ウチの環境に合わず,早々に調子を崩しました.それでもウチに古くから居る赤刺の美しい個体と交配して,できた実生を3つだけキリンに乗せてみました.3個体とも少し顔つきは違いますが,いずれもまあまあ赤い刺を出しています.これは接木して1年が過ぎた昨年夏の様子です. そして年が明け,そこそこの刺を出しながら,早々に咲いて来ました.緋冠竜らしい花だなと感心するの...

  • ガッセリアーナの花色変異

    ガッセリアーナの多頭株を作ろうとしてなかなかうまくはいかないもんだといく記事を書いたのは去年の夏のことでした.それぞれが開花期を迎え,姿形が異なることよりそれぞれの花色が違うことが気になりました.この3個体は,花色の薄めの個体と濃いめの個体との交配からの後代なのですが,花色は個体ごとに微妙な変化がありました. このガッセリアーナ(M. gasseriana)というマミは,ラシアカンサに含めるとする見解もあり...

  • 今年も白閃

    2月の中頃から白閃(Cleistocactus strausii)の蕾がたくさん見えて来ました.だいぶんと落ち着いて大人顔になり名前に相応しい白い柱サボテンになっています.綿毛を纏って伸びてくる蕾はなかなかいい雰囲気です. この蕾は柱の東面に集中して着きます.この株は冬になる前に鉢を少し移動させましたが,大きくは回転させていません.一体いつの時期の方角がこの花芽分化を決定させるのか興味のあるところです. 花は独特の形を...

  • 弥生のマミたちその2

    3月中旬,暖かかったり肌寒かったり春らしい天気でした.マミラリアたちは次々と咲いてきます. ピコ(M. spinosissima 'Pico'),風貌は全く違いますが,花が咲くとああスピノッシシマだなと思わせます.大きくなるとなんとなく可愛さが失われてしますので,小株がいいなと思っています. この金洋丸錦は随分と前からウチに居ます.毎年春になるとこの花を眺めながら,子供の時にワクワクして眺めた小さなフレームの中のサボテ...

  • この冬の温度と霜害

    ようやく春らしくなって来ました.今年の1,2月は低温の日が多かったような気がしていました.春になって周りを確認すると例年以上に外組のサボタニたちが被害を被っています. アロエ医者いらずと名前不明なアガベ.昨年はこれほどでもなかったのですが,両者とも相当葉が溶けました. 一方その横で,プシス,エビサボのレイケンバッキーと青王丸などは縮ながら耐え忍んだようです.彼らは本当に強いですね. 予め弱いこと...

  • 弥生のマミたち その1

    三月をさす弥生という言葉は,「木草(きくさ)弥(いや)生(お)ひ茂る月」に由来するそうです.3月に入りサボテンたちの開花もスピードアップ,全てを追いかけていられません.アンソロジーでいくつか載せておきます.ドドソニー(M.deherdtiana subsp. dodsonii),去年もアンソロジーで取り上げられてました.いくつかある株が決して同時に咲かないという仲の悪さが災いしてます. ダシアカンサ(Mammillaria laui subsp....

  • 白を愛でる

    春のハウスをボーッと眺めていると大多数の花たちはピンク系の花であることに気が付きます.そんな中でわずかに咲く白花は否が応でも目につきます. 白花バラ丸,ピンクのバラ丸が咲き誇るそばで,負けじと花宴を開いています.この株は接木で養成した多頭株ですが,豪華に咲くと悪くないなと思います. これは白花縮玉という名で手にしたもの.そもそも縮玉と呼んでいるサボテンが多様なので,これが本当にマルチコスタータな...

  • 綴化から石化へ

    このカルメナエは,始めは綴化株でした.長く伸びた成長線上に次々と小さな普通の分枝のようなものができて,今はまるで石化のようになっています.綴化のままが良かったのですが,こればかりは制御のしようがありません.マミラリアの綴化ではこんな風になるものが結構あります. 花はごく普通なのですが,これまで幾度も挑戦したのに実ができません.どうしたことでしょうか. 綴化株から小粒の多頭株が生まれるのは白鳥など...

  • ゆらゆら陽炎

    陽炎というネーミングセンスにはいつも感心させられます.この陽炎はM. pennispinosaという学名をいただいており,羽毛のような刺という意味です.この種の特徴はたくさん伸びるカギ刺ではなく,羽毛のような側棘を持って種小名にしたのはなかなか目のつけどころが良いと言えます.さらにこれを陽炎と名付けた日本人のセンスも光ります.ゆらゆらとしたところでもよし,春の季語になっている点でもよしです. たくさんの花を一...

  • エビの一番乗り

    以前にも書きましたが,ダビシー(Echinocereus viridiflorus subs. davisii)は春告げエビです.丁度毎年ひな祭りの頃に咲き始めるようです.エビの仲間たちはかなり暖かくなってから咲くものが多い中で,ダビシーはいつもエビの一番乗りです.ダビシーの蕾の発達は大変早く,最初蕾が小さい時は地味なので目立たないこともあって,気が付いたら咲いているってことになりがちです.でも咲いているのを見つけると,そっと顔を寄...

  • ナナの有望株

    小型のキャンディダであるナナは4年前からウチにいます.確かに小ぶりではあるのですが,まだ単幹です.キャンディダの仲間は10数cmになってから分枝を作り始め,その後主頭は成長を止め,分枝がどんどん成長して最終的には半球状の多頭大株になります.このような性質を持つため,この小型のキャンディダでも早々に分枝すればなと思っていました. 上の写真の株の相互交配から種子を採り,実生を育成しています.そんな中で3c...

  • 菊慈童と紫光丸

    菊慈童は10年以上前からウチにいます.Mammillaria cowperaeという学名が広く使われていますが,M. moelleriana var. cowperaeという位置付けで,今はモエレリアーナに包含されています.しかし,濁りのない黄色のカギ刺は大変美しく,菊慈童はよく普及しています.ですから学名は消えても園芸的には菊慈童が消滅することはないと思います. 一方の紫光丸は,M. moellerianaに対応する和名で,並べてみると確かによく似ています...

  • 金平糖マミの難しさ

    これはMammillaria amajacensis ML46です.このアマヤケンシスには和名はありません.FNの情報によれば,ML46の故郷はヒダルゴ州アクトパン Puente de Dios, 標高1800mとされます. ご覧の通りの金平糖マミです. 刺色,刺の長さには若干個体差があるように見受けられます. この植物をHuntはM.hahniana subsp. mendeliana(鶴裳丸)とし,Sanchez-MejoradaはM.lloydii(星恋)に,Charles GlassはM.senperivivi var. tetraca...

  • ムルチコスタータたち

    一月半ばになるとムルチコスタータたちの成長点付近に蕾が見えて来ます.あー今年も今季節がやってくるなとワクワクする眺めです.旧エチノフォッスロカクタスが大好きなんです. 振武玉タイプ,年明け早々から蕾が見え始め,2月中旬には咲き始めました.長い刺を押しのけ精いっぱい咲いています. 縮玉,サカテカエンセと呼ばれるSB492です.2月に入って蕾が見えて来ました.この個体の花は実に綺麗です.やはり紫のストライ...

  • 蟻とサボテン

    春が近づくとアリが目立つようになります.花を観察しているとアリがよく動き回っている花と何遍見てもアリが来ていない花があります.これは一体どうしたことでしょうか.何かアリを惹きつける香りを出しているのでしょうか.もちろんサボテンの花にも蜜線があり,ミツバチ,夜蛾,コウモリなどをよんで受粉してもらっています. エリオシケの中でも旧ネオポルの花なに特にありがよく来ます.普段はほとんど花粉が外に出ない花...

  • 朝な夕なに

    朝霧・夕霧は昔からあるマミラリアの普及種で,サボテン趣味を始ると遅かれ早かれ出会うどこにでもあるサボテンです.両者は同じ学名に対応しており,M. microheliaがそれです.どうして朝霧・夕霧という和名ができたんだろうかと思っていました.夕霧は黄花で,朝霧は赤花です.子供の頃,この区別を「朝焼けは赤い」と言って覚えていました.このネーミングの経緯は以下のような記述があります. 『昭和30年ごろ,賀来得四郎...

  • 小さなポトシ

    頭の部分だけ見ているとエスコバリアか?と思えるような刺です.これはMammillaria pottsii v. multicaulis SB1062.故郷はデュランゴ州 トレオンの郊外Lerd付近です.ポトシの1タイプに大和錦という和名が与えられています. ポトシはこのような小さくやや半開きの赤い花が特徴です.花型はミクロへリアなどに似ています.いくつかの個体を見てみましたが,あまり個体変異は認められませんでした. このmulticaulisという...

  • 小さなバラ丸

    バラ丸は実生が難しいサボテンではありません.でも成長が決して早くなく,いつまで経っても小さいままです.でもそれは彼らにとっては普通の成長過程をとっているだけ,もともとごく小型種なのです.先月記事にしたように接木をすると結構なサイズに育ち,全く違った姿を見せますが,本来は小さなサボテンなのです.年明けごろに小さな蕾を発見すると嬉しくなります.1円玉にも満たない小さなものでも花を咲かせるのです. こ...

  • 早春を彩るツルビニたち

    先月2月のハウスを彩ったツルビニたち.備忘録のような感じで載せておきます.彼らは決まった開花期があるというより,機嫌さえ良ければいつでも咲いている感があるのは,彼らの長い開花期間によるものでしょう. 長城丸(T. pseudomacrochele ),今ウチにいるツルビニの中では最も大きく綺麗な花をつけます.昨年蒔いた実生もしっかり育ってきているので,楽しみにしています. パストリザとして種子をもらったものですが,...

  • 魅惑の舞星

    今年も魅惑の花,舞星が咲く時期になりました.ボクはこの花が大好きです,でも決して栽培容易というマミではなく,大きくなると気難しく調子を崩しがち.そこで実生苗を禁断のキリンに乗せた株をいくつか作ってみています.キリンの根であれば,そうした気難しさは無くなるのではないかと期待しています.特段大きくなることは求めていません,ただただ丈夫でいてくれたら良いのです.以下の写真はキリン根の株ですが今の所いい...

  • いい花を咲かすザラゴザエ

    ザラゴザエがたくさん咲いています.Gymnocactus subterraneus var. zaragosaeは、ツルビニカルプスに編入されるも,再び分離独立,Rapicactus zaragosaeという学名をいただいています. 最初にウチに来たザラゴザエは,このようなピンクの花とややアンバー色の花を咲かせました. すぐに交配して種子を採り,増やし始めました.最初にキリンに乗せたものはもう咲いています.花色は両親の中間型です.数がないのでバリエーシ...

  • 交配種の彩り

    マミたちが次々と咲いていますが,そんな中で交配種もまたマミ棚に彩りを添えています.随分前から居る絞り花のラウイ,多分交配種だろうなと思っていますが,このインパクトのある花が好きで,毎年これが咲くのを楽しみにしています. これは偶然に見つけた絞り花の白刺カルメナエ,上の絞り花ラウイとそっくりの花です.時々交配種の中にこのような絞り花が生まれるようで,web上でも同じような花をつけたマミラリアが時々登...

  • 紅白の銀冠玉

    ロフォフォラ属は,うば玉などの地域変異を亜種としたり変種としたりして色々な名前のものがあるのですが,Kewは種として4種のみを認めています.この銀冠玉はLophophora williamsii var. fricii としたり,L. friciiとしたりです.日本ではこの銀冠玉の色々な変異が園芸的に磨かれ,イボ銀冠などは完全に品種化しています.また銀冠錦を追求する余りに,銀冠なのか分からないものと交配された形跡があり,銀冠なの?ってものが...

  • 待ち焦がれた花

    この花が咲くのをずっと待っていました.Mammillaria hermosana VZD1181です.2月に入って蕾が見えたので,あー今年は咲くんだと嬉しくなり,毎日眺めていました.素敵な花ですね,もちろん写真では知っていました.鮮やかなピンクのストライプの花はちょっと他にはない花,しばし座り込んで眺めてしまいました. VZD1181の故郷はサカテカス州El Encinoです.一昨年の12月にメキシコで見た ことを記事にしました.ウチでも花を...

  • いつものラウイ ノビージョ

    このラウイの大株はもう10年以上前からウチにいます.一体群生株としてどれほどまで大きくできるのかと,移植のたびに鉢サイズを大きくして来ました.今やかなりの大きさです.いつ崩壊するかちょっと心配な感じになって来ました.両方から写真を撮っておきましたが,40頭を超えるようになりました. 穏やかなピンクの花が黄色刺に映えて,全体として柔らかな雰囲気を醸し出しています.早春のハウス定番の花です.最近はやや刺...

  • 県フラフェス2025とKCC

    今年もフラフェスの時期がやってきました.一昨日と昨日が会期でしたのでその報告をしておきます.早春の恒例行事で,大勢の方が来られました.香川カクタスクラブ(KCC)も品評会と販売の両方でフェスに貢献しました.サボテン・多肉植物品評会には,17名の会員から総計84点とまずまずの出品が集まりました. 昨年から始めた来場者の「いいね」投票も今年は男女に分けて集計ができるように工夫しました.結果もっとも「いいね...

  • 家族が増えたスタンフェリー

    4年前にスタンフェリー(M. longiflora subsp. stampferi)を友人から頂き,交配して種子を蒔き,次世代の株が仕上がって来ました.元の株は4つありましたが,一つは大切な人へのプレゼントとして出陣し,残る3株が今年も元気に咲いています. 最も小さな株の開花,1円玉ぐらいで十分開花します.こんなサイズでもいくつも蕾を着ける逞しいマミです. これは実生バットの中で他の諸々のサボテンたちを共におしくらまんじゅう...

  • マミラリア協会誌 2025年Feb号

    マミラリア協会誌の2月号が届きました.表紙はペクチニフェラです.この号も魅力満点の記事が満載でした. 最初はロドリゴさんのM.julianaeの記事です.これが2月号に載ることは事前にFBで知っていました.実はこのジュリアナエを2年前にロドリゴさんのガイドでモンテレイ付近を歩いた時に見せてもらっています.典型的な金平糖マミなので,近縁種との関係は判断の難しいところです.果たして主として生き残れるかどうかは,今...

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