2年前に三河さんから連れ帰ったDiscocactus squamibaccatusに花がつきました.このスクアミバッカタスは,D. heptacanthusのシノニムとされています.ディスコカクタスは15種あるとされていますが,日頃目にする種は限られています.しかも種内変異が結構大きかったりして,よく分からん!というのが本音です. 丸い頭がのぞくとあっという間に伸び上がってきます.いかにもディスコカクタスらしい蕾です.夕方に家の中に持ち込...
2年前に三河さんから連れ帰ったDiscocactus squamibaccatusに花がつきました.このスクアミバッカタスは,D. heptacanthusのシノニムとされています.ディスコカクタスは15種あるとされていますが,日頃目にする種は限られています.しかも種内変異が結構大きかったりして,よく分からん!というのが本音です. 丸い頭がのぞくとあっという間に伸び上がってきます.いかにもディスコカクタスらしい蕾です.夕方に家の中に持ち込...
フローラの神殿に描かれた大輪の柱サボテンの花はとても有名ですが,これが時々夜の女王と紹介されています.しかし,種としてはどうやら大輪柱(Selenicereus grandiflorus)のようで,夜の女王は,S. macdonaldiaeとされるも流通している夜の女王は混乱しているようです. この春に小さな苗をヤフオクで買ったのですが,順調に伸びて花芽をつけてきました.小さい時は 5−6稜でしたが,成長するに従い4稜になり3稜になり,う...
ミズクエンシス×紫野の花が初めて一つ咲いたことを7月に記事にしました.これはキリンで育成していたのですが,無事接降ろしては鉢上げし,上手く3株揃って開花したので,記録の意味で載せておきます.夏の花ですから本領発揮はしていないかもしれません. 一つ目は紫野の雰囲気を出した花です.草姿はミズクエンシスよりですね. 二つ目もよく似た雰囲気ですが,花弁の色はより濃いピンクになって居ます. 三つ目は,花形も...
ツルビニのニコラエ(Turbinicarpus nikolae)が夏の終わりに綺麗に咲いています. 2016年に初めて報告された比較的新しい種で, 亜種や変種は知られていません.アロンソイと近縁でT. alonsoi var. nikolaeという記載もあります.ウチで初めて開花したことを昨年秋に記事にしています.その時はまだ草姿もはっきりしませんでした.今はイボの様子や肌色などもはっきりしています,どう見てもアロンソイに似ていますね. 花はと...
ウチでは袖ヶ浦とともに花袖も台木に利用しています.どれをどの台木に使うというこだわりはなく,両方養成しておいてその時旺盛に成長している台木に接木するって感じです.ですから接木した後の地植え圃では袖と花袖はランダムに並んでいます.花袖は,台木として働いている間も結構な頻度で花芽をあげてきます.穂の成長から見れば,花芽は早々に取った方が良いのかもしれませんが,いつも咲くのでこれは彼らの通常運転なのだ...
シュレセリー(Sclerocactus spinosior subsp. schlesseri)はとても素敵なサボテンです.3年前にキリンから接降ろしたことを記事にしました.その時の様子は,ふっくらとして,いかにも接木で大きくしました!って感じでした.その後ラン鉢に植えて,キリン根の植物にしてはかなり辛めの灌水で絞って栽培しました.時間の経過と共にすっかり絞れて貫禄が出てきたシュレセリーです. 2年ぶりに移植してやろうと抜いてみたところ...
初夏にキリンや袖から降ろしたもの達の鉢上げが終わったので,いよいよ秋移植本番の強刺類です.だんだんズボラして3年に一度の植え替えが多くなっていますが,大きな株ではさほどの問題なさそうです.まず初めは金鯱たちです.このどこにでもあるのですが人気の衰えない金鯱,ボクも好きです.色々なものを集めて並べているので,ある程度の数はあるし,これは誰と一緒に蒔いたものとか誰々さんから頂いたものなどそれぞれスト...
2010年8月に始めたこのブログですが,どうやら今日で4000記事を積み重ねたようです.14年間という過ぎ去った時間は,サボテン趣味を再開してからの時間でもあります.ブログを書くことで,自分でも勉強し,また教えを頂くことも多々あり,ボクのサボテン趣味の奥行きをグッと広げてくれました.またブログを通じて得たたくさんの知己は,人生最終盤の時間を豊かにしてくれています. さて肝心のサボテンですが,何しろサボテン...
今年の狂仙会はこの前の日曜でした.迷走・鈍足台風のせいで,当日の朝に家を出ることに.今回は地元のカクタスクラブの人たちと出かけました.10時過ぎには会場に着きましたが,すでに結構な人です.皆,台風をものともせず全国から参加しています.さすが狂人たちです. いつもは一人でウロウロするのですが,今回は幾人かで連れ立ってベンダーさんを回り,楽しいものでした.出店されているサボテン・多肉屋さんは昨年並み...
春に今年はグラキリスのプラグトレー育苗をやってみていると記事にしました.播種後3ヶ月が経過してしっかりとした苗になりました.この間ずっと外で栽培してきたのですが,今年は猛暑,雨も降らないという悪条件.途中で一度ひどく乾かしてしまい,一部をダメにしました.プラグトレーは植え穴の容積が極めて小さいですから,戸外での栽培は天水まかせの放任という訳にはいきませんね. トレーから抜いてみると草花のような根...
秋移植の真っ最中ですが,ちょっと出掛けて来ます.最近は出かけるのもマルチパーパス,ついでのついで,そのまたついでまであって,何が本題なのかと自分でも苦笑い.限られた資源を使っての遠征ですから,しっかりとマルチミッションを達成して楽しんでこようと思います.そんな訳で2日ほどブログはお休みします. あれほど猛威を振るった太平洋高気圧も流石に少しお疲れのようで,台風一過,これから少しは朝晩は過ごし易...
6月下旬に太平丸たちをキリンから一斉に降ろしました.残したキリンの茎の長さは概ね3-4cmぐらいです.7.5cmポリポットに普通の培養土を入れ,そこに突き刺して,直後からハウスの中に置いて普通に水やりをして管理しました. あれから2ヶ月が過ぎ,約120本の太平たちは,ほぼ全てが良好な発根を示しました. 根はポリポットの縁に沿って伸びていった様子がよく分かります.このままさらに半年置くという手もあるのですが,ちゃ...
これは残暑なのかまだ夏の続きなのかわからない日が続いています.そんな中に南米ものの棚で,黒いネオポルが蕾を上げてきました.Neoporteria rapifera KK120です.今は,Eriosyce subgibbosa subsp. clavataの1タイプという位置付けです. 昨年11月に記事にしているように本来は冬〜春咲きなのですが,旧ネオポルの中にはこうして夏にも咲いてくるものが結構います.写真を撮るために花殻を取ったのですが,昨年の秋冬にもの...
魅力的な小型マミだなと思っていたのですが,なかなか流通していないので,自分で蒔いてみることにしました.Mammillaria insularisです.峻美丸なる和名を頂いているのですが,サボテン屋さんでは見たことはありませんね.この株はFNのない種子由来ですが,元々はカリフォルニア半島の島が故郷です.いわゆるバハグループのマミ.今はCochemieaですね.ブーリーなんかに近いものとされます.可愛いピンクの花で、確かにブーリー...
Lobivia acchaensis EG134ということで入手した種子でした.小さな苗の時はなるほど野生のロビのような風貌でした.しかしキリンに接いだ2株が早々に蕾を上げてきたのですが,ロビらしからぬ形態です.これはレブチアじゃんと思って調べると,なんとSulcorebutia steinbachii v. krugerae EG134がヒット.同じFNでロビとレブチアがあるのです.FNあるあるなのですが,紛らわしいのでなんとかしてほしい. 気を取り直してLobivi...
昨年には種,すぐにキリンに乗せ,1年経過したこの6月に接降ろししたものたちの中からいくつかのエリオシケを記録のために載せておきます.まずはPyrrhocactus kunzei RS2304,すなわちEriosyce kunzei.緻密な刺が魅力の種ですが,すでにその特徴をよく表しています. 次はPyrrhocactus litoralis RK53, これはEriosyce subgibbosa var. litoralis,今はサブギボッサに統合されています. これはPyrrhocactus marayesensis ZJ...
INDOOR JUNGLE 目覚めよパキプス、咲けよグラキリス
ちょっと話題になっていたので買ってみました.これはビバリウムガイド9月号増刊です.この雑誌は元々季刊の爬虫類・両生類の飼育情報誌です.近年見られるようになったレプタイルズとビザールプランツのコラボの流れで,このような植物関係の増刊号ができたのでしょうね.この雑誌は,編集長の冨水明氏らが取材,写真撮影,イラストなど自前で作られている部分が多いとのことです. さて,中身はパキプス,グラキリスをこれで...
メロの雪冠雲を紹介したのは11年も前のことでした.この親株は数年前,不注意からダメにしてしまいました.この間何度か実生したのですが,途中で挫折したり,色々あってようやく二代目が出来てきました.この春から成長点付近がなんとなく花座の雰囲気を出してきていました.細かい刺が密集し始めるとそれは花座のサインです. そして遂に初花.今の刺を含まない株径は約13cmで,メロとしては中型〜大型のタイプです. メロカ...
マミラリア協会誌2024年8月号が届いたので紹介しておきます.表紙のラピカクタスは写真ではなくイラストです.これはMarc Nevskyさんの絵で,今号に記事を寄せています.ボクはFaceBookで彼をフォローしていますが,いつみても素晴らしい絵だなと思います. マイナーなマミラリア金銀司(M.nivosa)についての記事は,大変興味深いものでした.これまでこの種が,カリブ海の小さな島のみに生育していることを恥かしながら知りませ...
一昨年のこと,ギガンティアの種子を頂いたので,実生をキリンに乗せていくつか育成してみました.大体どれも良く似た顔つきになりました.稜の数は,14〜16と異なりましたが,その他は特筆すべき変異は見られませんでした.まあよくあるギガンティアの顔つきですね.彼らに花が来るにはまだしばらく時間がかかりそうです. ギガンティアと呼ばれているものは,Discocactus tricornis var. giganteus(トリコルニス変種ギガンテ...
イスラエンシスが猛暑に負けずに素敵な花を咲かせています.近づいてそっと香りを確かめると,ほのかな甘い香りです.元々これは花輪王子(Islaya grandiflorens)として昔手にしたものですが,その後の学名の再編により,多くの種とともにEriosyce islayensis に統合されました.元々かなり色々あったので,今でもEriosyce islayensis complexと表記することもあります.とにかく季節を問わず次々と咲いてきます....
幼い時に特別な才能を示した子も,長ずるに従いその非凡さは影を潜め,普通の人になることは,古今東西古くから見られたことのようです.このヘキランは,なんのことはない顔をしています. 横から見るとこうなっています.つまりかつては,かなり強い亀甲の特徴を持っていました. 6年前の姿はこんな具合.N氏モンストとして結構な値段で売られていました.この2頭はそれぞれ分離したのですが,今は両方とも普通の顔になって...
ウチには自慢できるようなランポー錦はいないのですが,良斑が出るのはまさにby chanceなので,毎年できるだけ交配して種子を採り,蒔いてみることにしています.でも,どうせなら少し変わった形態を持つものに斑入りが出ればより良いと,様々なタイプのランポーの花粉を乗せています. 普通のランポーの種子に比べて,斑入り株にどこか変わった形態の株の花粉をかけた種子は,シイナの割合が多いような気がします.なので,ど...
7月にギラウミニアナ(Euphorbia guillauminiana)のタネを採取しているという記事を書きました.幸い結構な数の種子が得られたので,その一部を蒔いて見ました.外に置いていましたが,気温の高い時期でしたのであっという間に生え揃い,今ぐんぐんと成長しています.彼らの栽培には雨ざらしが適していますね,とは言え今年の夏は本当に雨が降らないので,乾かないように水やりをしています. 昨年同じように蒔いたものも,露...
今ウチに居る花籠は共に10年ほど前に手にしたものです.サボテン趣味を再開して,懐かしさのあまりに手にしたのですが,当時ずいぶん高価なものだなと思ったのを思い出します.でも気に入ったものを手にした後は,いくらで買ったのかなんてすぐに忘れてしまうくらいどうでも良い事なのです.この株はだんだんと周りの仔が大きくなって主頭とのサイズ差がなくなりつつあります.この株の2013年の様子を見ると,ずいぶんと周りの仔...
マタンザヌスはボクにとって思い出いっぱいの特別なサボテンです.頭にちょこんと花座をつけるメロカクタスの姿は一度見たら忘れられないものです.サボテンから離れていた時も一株のマタンザヌスが手元にあり,そこから増やした小株を以前の職場のバザーで売ったり,いつの間にか大きくなった花座付きの株を大切な友人に貰ってもらったり.でも最近こんな活動が絶えていました.最近,FNのついたマタンザヌスを手にすることが出...
夏になり,ウチにいる2株の大竜冠(Echinocactus polycephalus)が咲き始めました.今年も貯蔵花粉を準備して種採りを頑張ります.幸い昨年はある程度種子が採れて,協力いただいたカクタスクラブの方々にもお裾分けできました.それぞれこの春に種蒔きされ,ぽつぽつとはですが発芽し,それぞれ接木されたようです.少し恩返しが出来たかなとホッとしています. ウチでもこの春に,何段階かで硫酸処理して蒔いてみましたが,...
今年もお盆がやって来ました.墓参りも盆踊りもないボクのお盆なのですが,唯一孫たちが帰ってきて,日常とは全く異なる暮らしが数日間やって来ます.こんな時間を持てることは,人生の余録のような日々を生きる身には最大の贅沢でしょうか.ブログもしばしの盆休みとします. このお盆休みが終われば,秋移植に向かって走り出します.今年の秋は色々と忙しいことが予想されていますので,きちんと予定をこなして行きたいと思い...
先日のパチャコエンシスの接木2年生に記事に続き,今度はヴィリクメンシス(Eriosyce(Pyrrhocactus) villicumensis)です.やや暗い濃緑の肌に白い粉がつき,カールした短い黒刺がいかにもヒルホカクタスらしい雰囲気を出しています.花は,蕾の時はほぼ橙色ですが,開くと茶色がかった黄色,大人な色合いです.この2個体はFNのない輸入種子由来です. 一方こちらはFNのある種子由来株,でもDJF362はFNの検索サイトでは該当...
6月下旬から始めた今年のキリンウチワの実生接ですが,だいぶ接木したものが溜まって来ました.昨年も今頃同じようなことを報告しています.今年の改善点は,7.5cmポットを使用した結果,キリンの園の栽植密度が少し高くなっていることでしょうか. 接木後に腋芽抑制処理をして,ポットにIB化成を一粒置いて,このキリンの園に移しています.IB化成の効果はほぼ1ヶ月,この間にキリンの主軸は少し伸びて太くなり,葉は2倍ぐら...
キリン接2年目のベッドで,ヒルホが渋い花を咲かせています.これはPyrrhocactus pachacoensis MS3026ということで種子を蒔いたものです.パチャコエンシスはEriosyce strausiana subsp. pachacoensisとされるようです.確かにこの個体は,webで見られるこの亜種に似ており,間違いではなさそうです. カッターマンの本では,亜種ではなくvar.扱いで,基本種よりやや小型, アルゼンチン西部のサンファン州Pachaco産の様です. ...
先月キリンウチワ接木を見に来られた方が,これで繋がっているんですか?と驚いた様子で尋ねられました.なるほど首の皮一枚で繋がっていますが,穂木の方はぷっくりと膨らんで,確かに繋がってはいるようです. 正確には繋がっているとは言えないのですが,とりあえずカルスは繋がり,水分のやり取りは僅かながらも出来ているようです.ただし下の写真に見るように,台木と穂木の維管束がある部分は完全に離れています. その...
昨年接木したキリンたちの中で不思議な形をしたものがいます.2257という交配番号を持つ3個体がいずれもなんか変です.芽生えの状態は覚えていませんが,多分普通だったと思います.そのうち2個体が成長点を失って団子になっています.うち一つは新たな成長点ができつつあります.これまでランポーで,恩塚の血の入った交配で,団子(ブラインドフォーム)になるものが出ることは何度が報告して来ましたが,そのうち普通の恩塚...
白ランモンストを養成中という記事を5月に書きました.春から順調に生育して,随分と大きくなりました. この間幾つかの株が開花したのですが,いずれも雌しべを欠く不完全な花でした.こうした不完全な花はランポーに見られることは先に記事にしました.ただこうし不完全な花は固定したものではなく,株が大きくなって来ると,時には正常な完全な花をつけることもあります.それが期待できなくとも,その不完全な花の花粉はち...
今年の梅雨明け以降の暑さは,かなり強烈です.温度記録を見てみるとこの時期のハウスの最高気温は1〜2℃高い感じです.昼間は多少暑くても夜に気温が下がれば,あまり問題ではありません.幸いハウスの中はまだギリギリ熱帯夜になっていません.それでも人様はぐったり,エアコンのない部屋で寝ているボクは,この時期だんだんと疲労が溜まります.そんな季節に俄然元気なのが象牙丸たちです.今年も季節を忘れず蕾を上げてきま...
一昨年種子を頂き蒔いてみたTurbinicarpus swobodaeが,可愛い花を咲かせています.ツルビニは小さいサボテンですが,苗が若い時と老齢になった時では随分と印象が異なります.播種後1−2年で咲くので,その時点で十分成形だと思うのですが,ここからの変化が大きいのです. このT. swobodaeはイボが目立ちあたかもマミラリアのようですが,花は頂点部に咲き,イボの先端にあるアレオレに花が着いており,マミラリアではないこと...
この春に素晴らしい花を披露してくれたマミたちが次の世代を送り出す時期になりました. 白鷺(M.albiflora)は,大きな実を刺の間からニュっと出して来ます.このまま放置すればいずれは萎んでしまうのですが,そうなるとかえってほじくり出しにくくなります.フレッシュなうちに,これをすっぽり取り出した痕は大きな空間になり,大丈夫なの?とちょっと心配になります.この交配は,純白な白鷺を目指しての交配です.以前たく...
エピテランサ 魔法の卵とCOM WORK STUDIOさんの信楽焼を合わせてみました.この姿はなかなかいいんじゃないかと気に入りました.日頃は他のサボテンの影に隠れるようにひっそりと過ごしている魔法の卵くんですが,たまには日の目をあびてもらっても良いかと. ボクは普通栽培する時は,ほぼ黒のプラポットを用いており,陶器の鉢に植っているサボテンはありません.これは栽培上の都合からそうなっており,晴れの舞台では,ど...
ランポーたちを何気なく見ていたら,何やらぽっちりが. 何がついているんだろうと覗き込んでみると,なんと稜間のあたりから芽が伸び出ていました.本来の定芽がない場所で芽吹く芽のことを不定芽と呼ぶのですが,この不定芽の出方は珍しい,今まで見たことがありません. ちゃんとしたランポーの顔をしていますし,今まさに成長しているようです. 「めがでる」という言葉がありますが,“芽が出る”でも“目が出る”でも良いよ...
ここで紹介する般若の若苗たちは,数年前に小さな株を手にしたものです.少し時間が経過して揃って開花してきたので記録しておきます. 最初はライオン般若です.これは白条複隆般若の中の特異優良タイプのようです.コロンさんの親木の写真を見て,これは優れものだと思い手に入れました.以前どこかで書きましたが,複隆系のアストロは必ずしも全てが美しいわけではありません.はっきり言ってそんなに好きではありません.こ...
奇想天外の種子をもらって蒔いてみたのは昨年の7月のことでした.ポリポットに蒔いていたのですが,この春に丈のあるプラ鉢に植え替えました.その時,鉢の用土表面からの乾燥を避けるため小石を敷いておきました.こうすることで牡丹類の調子が良かったので,奇想天外にもきっと良いだろうとの思いからです. 一株は子葉が枯れてしまいましたが,もう一方は子葉も元気です.これがどんな意味を持つのかわかりませんが,子葉が...
亀甲竜の移植を記事にしたのはつい先日です.移植後はハウスに戻さず,ウチの家の北側の犬走り,つまり外に置いておりました.その方が涼しくて良いだろうと思ってのことです.一度ザッと水をかけましたがその後は放置.暑くて人様の方が参ってしまい,遠目にちらっとみて通り過ぎていました. 記事にした小株と同時にウチに以前からいる中苗も移植してやったのです.これは葉の枯れた枝を切って,同じように植え替えました.ふ...
夏の暑さを物ともせずブーリー(Mammillaria boolii MG1392)が,可愛くかつ素敵な花を咲かせています.桜富士という和名をいただいていますが、名前負けしない素敵なサボテンです.暑い中に咲くこの穏やかなピンク色は,見るものの心を和ませてくれます. このブーリーを少し増やしてみようと昨年交配した実が,冬の間に熟しました.こんな形の実ができるんだなーと感心しました. その種子をこの春に蒔いてみたのですが,...
これまで何度も夏に咲くマミラリアの代表として緋縅(Mammillaria mazatlanensis)がこのブログに登場してきました.古くから知られた種でありますが,故郷の緋縅はどんなものだろうか知りたくて,FNのついた種子を蒔いてみました.小さな実生苗が今年ようやく開花しました.緋縅は,ミチョアカン,コリマ,ハリスコ,ナリヤット,シロアナ、ソノラの各州の太平洋岸に広く分布するとされますが,SB703はソノラが故郷のようです....
多肉植物の特集だそうなので,久しぶりに買ってみました.夏に負けない最強多肉植物ってタイトル.頑丈な多肉の紹介かと思いきや,長田さんの記事は丁寧でオーソドックスな栽培方法の解説でした.そりゃそうだろう,NHK趣味の園芸の視聴者がこの雑誌のメインターゲットですものね.最強の医者知らずとか朧月なんて紹介はできませんものね. 本気のサボテンではコロンカクタスの芳山さんが,とっておきのコレクションの写真を載...
これはヘキランの実生です.ここ数年の経験から,変わった形態の子孫を出す系統がだんだん明らかになっています.近親交配にならぬよう,さらに確度を高めるべく,それ専用の親木を作ってきました.親木自体は大したことなくても良いのです,良い後代さえ生み出してくれれば.そうした親木同士の種子を蒔いてみた様子を紹介します. この写真の系統では,双葉が展開した後,早くも稜線に突起が見られ,かなりのものが特異な亀甲...
烏羽玉(Lophophora williamsii)は,子供の頃から馴染みのサボテンでした.サボテンを本格再開した10数年前にいくつか烏羽玉を手にしたのですが,その後何度か訪れたメキシコの烏羽玉とはあまりにも雰囲気が違いすぎて,正直あまり魅力を感じなくなっていました.久しぶりにまじまじと彼らを眺め,いわゆる綺麗に育った烏羽玉もそれはそれで悪くないかと思い直しました.穏やかに咲く姿はなんだか幸せそうです. これは白肌烏...
先日アカントグラウカムの花比べを記事にしたのですが,別のFNのもの, WR872がまた違ったテイストの花でしたので,記録にとどめておきたいと思います.なおWR872の記録では学名表記はA. thionanthum var.glaucaとなっていました.とても綺麗なレモンイエローで花弁の下側はほとんど色がなく,喉が白くさえ見えます. そうこうしていると先に花比べしたLF38の実が膨らんできたのですが,ご覧の通り果皮の色が随分と違います.あ...
何度か記事にしてきたガッセリアーナ(Mammillaria gasseriana)です.普通はそれほど大きくはならず,かつ単頭です.キリン台で育成してみたものはずいぶんと胴太になり,これなら多頭株にしてみるかと思いました.マミラリアは蕾が見える頃に胴切りすると仔が吹きやすいと廣仙園の中川さんがよく言っていました.なので花を見ずに切るのはちょっと忍びなかったのですが,思い切って切りました.2月下旬のことでした. それか...
ユーフォルビアは,ほぼ守備範囲外です.結構な大家族なのに,ウチにいるのはわずかに数種,しかも無加温ハウスでサボテンと同居させても元気に過ごせるという条件をクリアーするものだけ.おのず珍しいものは皆無.ボクにとって,ユーフォは沼でもなんでもありません.それでも時々目の前を通過するユーフォを少しでも理解すべしと思い,この新刊を手にしました.90種余りを写真で解説されていて,ユーフォ全般を眺められるよう...
少し古い写真を取り出し,ヘキランに出る病気を記録しておきます.他の有星類にも出ますが,特にヘキランで目につく病気です. まずは古い写真ですが,7年前の三角ヘキラン,秋の姿です.茶褐色のシミが次々と広がっていました.ダコニールを塗布し,さらに半年後の様子です. こうした処理により病斑はそれ以上は広がらず,下の写真は現在の様子.増稜してすっかり風貌は変わりましたが,その後病気の再発はありません. 次...
昨年7月にキリンに乗せたヒルホの一つが咲いてきました.これはEriosyce occulta RS1958です.Neochilenia occultaだったりPyrrhocactus occultusだったりThelocephala occultaだったりと収まりの悪い種です.このRS1958の故郷情報は,チリのタルタルとラスブレアスの間で アグアベルデ山の方向とあります.GEで見ると乾燥したガレ山のような風景です. このオクルタの花色は,白っぽいものから黄色味を帯びたもの,さらにはピ...
一年を通じて雨の少ない讃岐地方にしては,今年は陽性の梅雨,よく雨が降っています.おかげで作業の出遅れた畑は,すっかり雑草に覆われ,どうしたものかとため息が出ます. 外で雨よけ栽培をしている金鯱くんも,今は強い陽射しを待ってじっとしています.その稜間でアマガエルがひっそりへばりつき,こちらを見ているようです. 春に生まれたたくさんのカマキリの子が,ハウス内にまで棲息場所を広げていますが,雨続きのハ...
マイニアエ(M.mainiae)のオシャレな花が咲いてきました.ピンクのストライプの花弁の基部に黄色い葯がまとまり,その中をこの仲間特有の先端が大きく割れるピンクの雌しべが伸びます.どうしてこんなにオシャレな花に進化したんだろう,と見るたびに感心します. このマイニアエはどれぐらいの種内変異があるのだろうか,と思いFNの付いた種子を蒔いてみました.これはSB540,故郷はメキシコ ソノラ州のエルモシージョ(Hermo...
亀甲竜の小さい株が揃って梅雨とともに休眠に入りました.枯れた枝をむしり取ってやり,表面の軽石を取り除いてやると,ようやく亀甲模様の出てきた球根が見えました.何年移植していないのか分からなくなっていましたので,気まぐれではありますが移植することに. 鉢から抜いてみるとしっかり根が張っていました.鉢底に日向土の中粒,その上にバークを入れ,さらにその上に普通サボテンに使っている用土を用いて植えられてい...
キリンウチワに花が咲き始めたことを報告したのは5月のことでした.あれからも次々と花が咲き,5つの異なる系統で花が見られました.今回は花の特徴などを報告しておきます.5系統のうち2つは花径が他の3系統より大きい感じでした。ただ,花芽の着いた位置や樹勢により花の大きさは変わることもあるので決定的ではないかも知れません.参考に大きいもの,小さいものの写真を載せました. またある系統では下の写真のように星形の...
春に交配した綾波の果実が日に日に赤みを増し,ある日ウチのハウスを訪れた方が,赤いプラスチック,ピンポン玉のようだと言うのを聞いてなるほどピンポン玉だなーと感心しました. 梅雨が入って間も無く,ピンポン玉を収穫しました.まだしっかり母体にくっ付いているのですが,これが簡単に外れるまで待っていると種子の休眠が深まってしまうとされています.どのタイミングで休眠に入るのかなど詳細な情報はありません.趣旨...
夏に咲いて来るマミたちが次々と開花しています.その中で荒目丸が綺麗に先揃っていました.この荒目丸は学名のM. alamensisから来たものかと思いますが,現在はM.sheldoniiに統合されています.カリフォルニア半島のメキシコ側の対岸に広く分布し,このシェルドニーはかなり変異に富んだ種とされ,幾つものシノニムがあります. 花はほぼ白で薄茶色のストライプの入るものからピンクまであるようで,何が典型的なのかは決めが...
いかにもアカントらしい風貌のサボテン,Acanthocalycium munitum HD10です.A.thionanthum var. munitum ともされ,どうやらA.thionanthumに包含される流れのようです.グラウカムとはごく近いものです.故郷はアルゼンチン,広く分布しているようです.種小名のmunitumは武装している,つまり刺があるという意味ですが,確かに刺がうねるような個体もありますが,この種が特にアカントの中で強刺ということでもなさそうです....
効率良くカプトメデューサエの実生を生育させるのにはどれぐらいの密度で播種すれば良いか,昨年7月に小さな実験をしてみました.種子はイヤというほど採れるのです.発芽もまずまずです.しかし生えたものを移植すると歩留まりが低い.これはどこか栽培方法に問題がるものと思われました.出来ることなら発芽後の移植を省いて何とかならないでしょうか.そこでいつも使っている25穴のトレーを用いて播種密度を5,10,15,20,25...
この南米の柱ものアレキパは,6年前の春に山城さんのところで,これは一体なんだろう?と思って手にしたモノです.当初名前が分からず困ってましたが,どうやらArequipa spinosissimaらしいと言うことで落ち着きました.すっかり立派になったなと感心して眺めています. 彼らの花は,ハチドリ受粉に適応した形態を進化させています.こうして2花が揃って咲くとそれ自体が何か鳥の様にも見えます.残念ながらここにはハチドリは...
梅雨空の下,舞衣(Mammillaria wrightii)が大きな花を咲かせていました.このライティーは,何度か登場するウィルコキシー の元となる種です.1800年代にすでに記載されており,古くから知られた種ですが,日本で広く流通しているかと言えばそうでもありません.勿体ないなと思います.この株はSB86で,故郷はニューメキシコ州Manzano Mountainsです.かなり分布が広いらしくメキシコ北部のソノラ砂漠にまで広がっている様です...
黒王丸など一部のコピが欲しい人がまだ結構居るらしく,サイズのある株は高価です.そんなに興味あるなら自分で種子を蒔けばよいのにと思うのですが,どうやらそんな人は少数派のようです.確かに少し時間がかかりますが,コピたちは,自分で育てたぞという達成感というか満足感というか優越感というか,一言で言えば栽培の楽しみを存分に享受できる代表的な種類です.まず交配すれば種は簡単に採れます. 蒔けばよく発芽します...
3年前の夏に“夏のロビビア”という記事を書いています.多分この時に交配してみたのだと思うのですが,ミズクエンシス×紫野の一つが開花しました.草姿,刺の様子などはかなりミズクエンシス(Lobivia calorubra var. mizquensis)に近い印象です.花型は中間型ですが,花色は相当紫野(L. winteriana)に引っ張られている感じです.紫野と交配したものを色々見て来ましたが,喉が白くなるのは潜性なのか,後代には現れません....
この紅籠はちょうど10年前の京都シャボテン大会でグランカクタスさんから分けてもらったものです.当時の日本ではまだ紅籠はとても珍しく,興味津々で眺めたのを思い出します.竜神木接でしたので,台を短くして栽培して来ました.すっかり竜神木の部分は木質化しています.自然とたくさんの分枝を出して多頭株になっており,一斉に開花するととてもかわいい姿です.過去記事を辿るとこの紅籠が登場するのは大変久しぶりのことで...
パキプス オペルクリカリアがあまりに人気なので,一体何が良いのだろう?と一鉢手にしたのが2019年春のことです.ラベルを見ると62歳の誕生日に自分のプレゼントとして購入したようです.手にしてみて,ああこれはただの盆栽やな,と直感したのですが,何故かこの盆栽が今も衰えることない人気を保っています.地植えが良いと聞いて鉢を埋めたのが2年前のこと.鉢が傾いて来たのは,どうやら地中で鉢から外に出た根が,押し上...
銀姫(Mammillaria slevinii)が大好きなマミラリアの一つだということを何度か書きましたし,事実何度も登場して来ました.少し前にFN付きの種子を蒔いていたのですが,ようやく開花して来ました.このSB1251の故郷はカリフォルニア半島の先端近く,San Juan de la Costaです.何か種内変異が見られるかなと思っていましたが,基本皆同じ顔つきでした.花は大小あるように見えますが,まだ小株なのでなんとも言えません. 下の...
数年前からこの短刺の琴系丸(Mammillaria camptotricha)が出回り,マミ好きのボクとしてはぜひ観察してみたいものでした.なかなか良い機会に恵まれず最近ようやく手にしてじっくりと観察してみました.ユーモラスな感じさえするこの短刺カンプトくん,人気者となったのがなんとなく頷けます.なおこのタイプの琴系丸をモンストと称する向きもありますが,これはモンストに当たらないと思います. 下の写真はウチに居る普通に...
昨年の夏に種採りのことを記事にしました.今年も春から手交配をして種採りに励んでいます.毎朝見て柱頭が出ているものに小さな絵筆で花粉をつけます.柱頭は先が3つに分かれ赤いのですぐに目に付きます. しばらくすると丸三角の果実が見えて来ます.手交配しても100%着果するわけではありませんが,放置して,アリさんに任せているよりは格段に着果数は増えます. 今年はタピオカストローなる胴太のプラスチックストローが...
雨がちの日は,何となく暗い雰囲気です.こんな時は黄色の花がハウスを明るくしてくれます.最初はバウミー綿花玉(M.baumii),春から何度も咲いてくれます.この鮮やかな黄色は本当に素敵です. 次は金星(M.longimamma)です.子供の時始めて金星を見た時,なんと大味なサボテンだろうと思いました.種小名にあるように長いイボが特徴です.株が大きくなるに従いこのイボの大きさも増し,なんとなく大味なマミラリアになるの...
接降ろしの時期がやって来ました.大体7月にキリンの接木をするのですが,1年で降ろすか,もう一年台の上に居てもらうか,いつも悩むところです.ただ1年である程度のサイズまで成長したものは,2年間据え置くと穂木はすっかり間延びしてしまいます.下の写真は昨年の接木たち,この中でサイズの出たものは,降ろすことにします. 太平たちはいつもキリンの上に2年間居てから接降ろし,その際は短い茎を着けて挿し木します.今...
昨年のこと,マグドガリーはありませんか?と友人から聞かれ,ウチに居るのは一株だけで,種子は採れませんとお答えしました.そしてネットを探すと結構な値段,おやこんなものが品薄なのかと驚きました.早速小苗を手に入れ開花するのを待っていました. 不思議なことですが,ウチに以前からいる大株はまだ蕾さえ見えない4月の初旬に次々と開花しました.そんなに開花期が違うのはどうしてだろうかと唸ってしまいました.とり...
梅雨の最中,ウチにいくつか居る神竜太平の一つが開花しました.実に綺麗な花です.神竜×太平は,用いた太平のタイプが異なるためでしょうか,それぞれ花の様相が少しずつ違うのが楽しいですね. この株は神竜×翠平と言うことで入手したものですが,ただどんな翠平なのかの情報はありません.しかし,神竜×太平は大概このような形態のサボテンになります.肌は燻んだ緑で,稜の数は多く,刺は太平と神竜の中間型ですが,大抵は...
この3月にカクタスクラブのツアーでお邪魔しましたので,それほど間が空いたわけでもありません.ただボクの気分は随分久しぶりのような感じがしていました.ハウスの入り口には多肉の寄せ植え、こんな寄せ植え置いてあったっけ?と見つめてしまいました. ようやく梅雨入りした三河地方,曇りがちなのでハウスも過ごしやすい温度でした。遮光のない強刺類のハウスでは,フェロの大株たちが気持ちよさそうに過ごしていまし...
前年に採種したパキポジウムの種子は,いつも気温が上がる6月以降に播種しています.パキポの芽生えが揃った様子はなかなか可愛いものです.この段階では全く普通の双子葉類の芽生えですが,この後下胚軸が肥大して,あのパキポになってゆくのですから面白いことです. 今年はプラグトレー育苗にも挑戦してみました.箱蒔きに比べて生育はどうか,植え替えが楽になるかどうか見ておきたいと思います. 今年の3月に交配したパキ...
いよいよ関東も梅雨入りしたようですね.何事も東京中心のこの国では,お天気の話でも東京の暑さや風雨,そして雪に至っては国の一大事のようにテレビで盛んに伝えられます.梅雨入り直前の西武屋上を覗いてみました. しばらくぶりの西武屋上です.あの騒動以降,屋上のベンダーさんの多くが店を閉めてしまい,かつての賑わいはありません.でも嬉しいことに鶴仙園さんは現在です. いつもながら,幅広い品揃えはビギナーから...
3年前にフレーム1号を作り,ウチに居るほとんどのテフロをその中に移しました.最初は少し焼けたのですが,だんだん慣れたのか今はごく普通に過ごしています.ここに置くことで長らく咲いたことのなかった白狐が咲いたことを以前に記事にしました. 今年もいくつかのTephrocactus articulatusたちが花を咲かせたり,気まぐれに新しい茎節を伸ばしたりしています.アルティクラータスたちは,刺の有無を始め, 刺の形も実に様々...
全国的にようやく梅雨に入ったのかと思われる天気になっています.先日,梅雨の中休みを狙って,ハウスに遮熱遮光資材ふあふわを掛け,夏の備えも完了しました.ハウスは陽が射すと40℃に迫る状態ですが,サボテンたちもだんだん慣れてきています.幸い今のところ最低気温は20℃以下まで下がるので,まだ暑さはあまり心配する必要はない状態です. ハウスでは夏マミが咲き始めており,朝のうちにハウスに入る楽しみを作り出してく...
Frailea buenekeri var. densispina の花が綺麗だという記事を書いたのはもう3年も前です.当時3株あったのですが,だんだんと調子を崩して今は一株になっています.株自体はそれほど大きくはなっていませんが,以前と変わらない綺麗な花です.フライレアの仲間は花を開かずに種子を残す性質があり,花が咲かずに種子ができてしまうことがあります.このデンシスピナは比較的よく咲いてくれます.今ウチのフライレア達の多くは少...
昨年秋にFNの着いたグラウカム(Acanthocalycium glaucum=Echinopsis glaucina)種子由来の初花を記事にしました.春になり幾つもの個体が花を着けました.それぞれ特徴があることが分かりましたので,記録しておきます. 最初はFR970,爽やかなレモンイエローの花です.アカントカリキウムは大体球体の側面のアレオレに花芽が着き,花筒は短いのが特徴です.FR970の故郷は,アルゼンチンCatamarca州North of Belenです. グラ...
早春に咲いたマミたちが赤い果実をあげています.中には花よりもこっちの方が観賞価値があるんじゃないかと思われるものもあります.花と実,2回楽しめるのは嬉しいですね. 景清(M.sempervivi).この時期白い綿毛に赤い身が突然生えてきてしばらくこの姿を楽しめます. 小型のマミ,コロンビアナ(M. columbiana)です.花時もやや地味な彼らですが,赤い実を着けた今が一番の見頃なのかもしれません. 小型のタイプのグラ...
この偉壮玉は,〇〇偉壮玉と岡山のO氏の名を冠につけたものとして随分前に入手しました.長い間ゆっくりと成長していましたが,ここ数年で急に大きくなってきています. 偉壮玉にはFerocactus acanthodes var. rostiiという学名が使われ,鯱頭の変種とされていましたが,現在ではF.cylindraceusの1タイプとされています.花を見ると確かに鯱頭と同じなのだなと思えてきます.鯱頭といえば,赤やオレンジのうねる刺が特徴ですが...
この紅裳竜は2011年に西沢さんのところからきたウチに居る古参のフェロです.毎年元気成長して花も咲かせていますが,株の下側がだんだん萎縮するのか,この十数年で大してサイズは伸びていませんが,すっかり大人顔.これはある意味フェロの理想形です. この紅裳竜はFerocactus viridescens subsp. littoralisすなわち竜眼の変種とされます.littoralisとは海岸に生えるという意味で,バハカリフォルニア北部の西海岸が主な生...
サボテンの花に赤や黄色があるのは,花弁の中にベタシアニン系の色素があるためです.生体内で前駆物質から様々な酵素により修飾され最終的に色のついた物質になります.その過程で何らかの突然変異が起こる,多くの場合はある酵素の機能が欠損すると色がつかない花,すなわち白花になります. これは太陽の白花変異品種.太陽の特徴である赤紫の雌しべも色が抜けて緑になり,大変印象的な白花になります. 次は白花テレサエ....
テレサエ(Mammillaria theresae)は,軟質マミの代表選手.水を吸うとぐっと伸び,成長が止まると思いっきり縮みます.なんといってもその刺の奇妙な形態と柔らかさが彼らの最大の特徴でしょうか.あるサイトでテレサエの刺はクラゲのようだと書いてありました.なるほどクラゲねーと眺めて感心しました. まずは咲き始めの写真.花は柔らかな雰囲気で,開いてまもない時間に最も色が濃く,二日目になるとより柔らかな色合いに...
春は身割れの季節です.しばらく十分に水を吸えてなかったサボテンが、ガツンと灌水され,暖かさに誘われて急に吸水すると硬くなった表皮が対応しきれず,物理的に破裂してしまうのです. 今回の身割れは袖ヶ浦,3月初旬のことでした.こんな綺麗な袖の身割れは初めて経験しました.それにしても見事な身割れ,上から下まで一刀両断って感じです. この袖の身割れ,ちょっと心配しましたが程なく傷口はきれいにカルスが出来て...
昨年の冬に干からびた恐竜(Gasteria hybrid)が膨らんだことを記事にしました.その後植え替えてやり順調に復活してきました.今年はさらに大きな鉢に移植してやる予定で,本来の姿に戻る途上にあります. ガステリアの仲間は,花の形が胃(gaster)に似ていることからガステリアという属名になったようです.確かにちょっと変わった形をしていますね.また恐竜は交配種の故でしょうか,臥牛などより花茎にたくさんの分枝を出...
讃岐地方の梅雨入りは平均値で6月5日だそうで,今年は4日ぐらい遅くなりました.梅雨といってもずっと雨が降るわけでもなく,梅雨の中休みといわれる日差しの強い日があり,これがなかなか曲者です.風通しに気をつけ日焼けさせないようにやり過ごしたいものです.例年,この梅雨の中休みを使って,遮光材ふわふわをハウスに掛けます.去年は6月16日でした. 梅雨といえばアジサイの季節ですが,ハウスでも毎年この季節に咲い...
今年も初夏の3日間,牧野植物園でサボテンと多肉植物展が開かれました. 高知サボテンクラブの方々等の力作が展示されています.昨年も書きましたが,展示会場はこれ以上ないだろうと思えるほど素晴らしい場所です.ライティングの効果抜群で,どの植物も輝いて見えます.人に感動を与えるにはただ大きいとか珍しいとかでは測れない何かが必要です.改めてサボテンを観賞するには美的センスが問われるなあと思いました. 昨年...
この春,Coryphantha schwarzianaを手にしました.赤い新刺が綺麗だなと思ったのです.ウチには居ないコリファンタでした.蕾が見えたので花を待つことに. 花が咲いてきました.この大輪の黄色い花を見れば,なるほどコリファンタです. 今このシュワルジアーナは針鼠丸(Coryphantha echinoidea)に統合されているようです.またこの仲間は蜜線がイボの間にあってかつてはNeocoryphanthaという亜属にされていたもののようで...
ここ讃岐では,他の地域に比べ多くの麦を生産しており,麦秋という季節をより身近に感じることができます。ハウスの周りも先日まで当に麦秋の風景でしたが,あっという間に麦刈,耕運,田植えが行われました.それに伴って夜になるとうるさい程のカエルの恋歌が聞かれます.こんな時期になるとディスコカクタスたちが次々と咲いてきます.夕方に蕾が大きくなってきたホルスティーを持ち込んでデスクに置きました.良い香りに包ま...
2020年から23年にかけてエキノプシスの原種たちを19記事に渡って紹介してきましたが,彼らもだんだんと大きくなり,今年も元気に花を咲かせています.FNの情報に従いここでは旧ロビビアの名称をそのまま使います. 最初は清楚な薄ピンク花はLobivia cardenasiana TB044.2です.丸弁がかわいい印象を生み出しています. この鮮やかな赤い花はL. calorubra var. mizquensis TB488.1.真上からの写真なので分かりませんが,この種...
讃岐は暖かいところと思われがちですが,少し内陸に入ると結構寒くなります.今の家はそんな地域にやや近く,冬は西風が強くかつ気温が下がります.こちらへ来て初めての冬には,大丈夫だろうと高を括って外に置いたサボテンたちがひどいダメージを受けたのには驚きました.同じ市内でも海に近い方は随分と暖かく,葉ウチワが茂っているところがあることは以前に記事にしました.その記事にある株を昨年地植えにし,冬季は簡単な...
神仙金鯱が2020年頃から開花を始め,自家受粉して種子を作り,それがちゃんと発芽,キリンで養成を始めたことを以前に報告しました.いくつか大きくなってきているものたちを紹介しましょう. まずは最初に作った2個体,これらは生えてきた数少ない実生の内,葉緑体がありかつ赤刺を出しているものをピックアップして接木したものです.刺色や刺の形状に若干の個性が見られます. 次に今キリンの上にいてこの夏に降ろしてやる...
昔は赤花兜なんて普通には流通していませんでした.子供の頃,確かシャボテン誌だったと思うのですが,初めて見てそれは驚きました.2010年代半ばぐらいからよく出回る様になり,今では特に高価なものではなくなりました. この赤花株を使って,昔からよくある有星類の交配種を作ってみるとなかなか綺麗なのです.別に真っ赤な花になる必要はありません.中間色とも言える花色が良いのです.これは白ランスーパー兜に赤花兜をか...
連休前後ぐらいから順次今年の種蒔きをして来ました.ウチでは場所,他の作業,接木の時期やらの関係で,播種時期が決まります.早く大きくしたいものはキリンに実生接するのですが,実生接ぎする時期から逆算すると5月が蒔き時になるのです.今期第1陣は25穴トレーが入ったバンジュウ11箱,これで一応今手元にある種子ストックは蒔き終えました.播種の方法は,以前に記事で紹介した通りで,何年も同じ方法で全ての種類の種子...
今年もカプトメデューサエの大株が,春以降2度3度と一斉開花をしています.不思議なことに蕾を着けた枝(イボと言うべきですね)の発達ステージが異なるのに,一定の範囲に入った蕾は一斉に開花します.この種の開花は午後咲き,しかもかなり遅くの時間に開花します.一体誰がポリネーターなのでしょうか.蜂の仲間であれば午前中に咲くのが有利だと思うのですが. この花を見ていると何やら悍ましいほどの生命力というか妖力と...
キリンの園に養成中の白ランモンストがいます.ある程度のサイズになり,確かに際立った亀甲タイプの白ランになってきました.実生接をして間も無くの発達初期には,どれもこれもしっかりと刺をだしており,この白ランモンストなるものが雑種起源であることが示唆されました. これは以前にクラブの会員の放出苗から救出した白ランモンストらしきものです.いくつか竜神に接いだのですが,いずれも動きが鈍く,何か不具合があり...
昨年の7月に実生接したキリン台の面々.昨年からずっと順調に生育し続けています.その中で気の早い幾つかの種では,初夏になって花をつけ始めていますのでとりあえず紹介だけしておきます. 最初はMatucana oreodoxa subsp. roseiflora,赤い花がポツンと咲いているのが目に入り,最初はなんだろう?と思いました.名札を確認して,ああこんなものを蒔いていたんだねと感心しました.比較的新しく発見されたオレオドクサの亜種...
これまで旧ノトカクタス随一の美人さんは,紅冠丸(Notocactus rutilans)だと思っていました.しかしこのロゼオルテウス(N. roseoluteus DV75)も負けていません.こんな綺麗なピンク花が旧ノトにいるとは知りませんでした.このノトは一昨年に友人から頂いたものですが,昨年は開花せず,報告ができていませんでした.どうやらちょっと花つきは悪いようですね.午後咲きタイプで午前中は気温が上がっても花が開きません. 草姿...
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2年前に三河さんから連れ帰ったDiscocactus squamibaccatusに花がつきました.このスクアミバッカタスは,D. heptacanthusのシノニムとされています.ディスコカクタスは15種あるとされていますが,日頃目にする種は限られています.しかも種内変異が結構大きかったりして,よく分からん!というのが本音です. 丸い頭がのぞくとあっという間に伸び上がってきます.いかにもディスコカクタスらしい蕾です.夕方に家の中に持ち込...
フローラの神殿に描かれた大輪の柱サボテンの花はとても有名ですが,これが時々夜の女王と紹介されています.しかし,種としてはどうやら大輪柱(Selenicereus grandiflorus)のようで,夜の女王は,S. macdonaldiaeとされるも流通している夜の女王は混乱しているようです. この春に小さな苗をヤフオクで買ったのですが,順調に伸びて花芽をつけてきました.小さい時は 5−6稜でしたが,成長するに従い4稜になり3稜になり,う...
ミズクエンシス×紫野の花が初めて一つ咲いたことを7月に記事にしました.これはキリンで育成していたのですが,無事接降ろしては鉢上げし,上手く3株揃って開花したので,記録の意味で載せておきます.夏の花ですから本領発揮はしていないかもしれません. 一つ目は紫野の雰囲気を出した花です.草姿はミズクエンシスよりですね. 二つ目もよく似た雰囲気ですが,花弁の色はより濃いピンクになって居ます. 三つ目は,花形も...
ツルビニのニコラエ(Turbinicarpus nikolae)が夏の終わりに綺麗に咲いています. 2016年に初めて報告された比較的新しい種で, 亜種や変種は知られていません.アロンソイと近縁でT. alonsoi var. nikolaeという記載もあります.ウチで初めて開花したことを昨年秋に記事にしています.その時はまだ草姿もはっきりしませんでした.今はイボの様子や肌色などもはっきりしています,どう見てもアロンソイに似ていますね. 花はと...
ウチでは袖ヶ浦とともに花袖も台木に利用しています.どれをどの台木に使うというこだわりはなく,両方養成しておいてその時旺盛に成長している台木に接木するって感じです.ですから接木した後の地植え圃では袖と花袖はランダムに並んでいます.花袖は,台木として働いている間も結構な頻度で花芽をあげてきます.穂の成長から見れば,花芽は早々に取った方が良いのかもしれませんが,いつも咲くのでこれは彼らの通常運転なのだ...
シュレセリー(Sclerocactus spinosior subsp. schlesseri)はとても素敵なサボテンです.3年前にキリンから接降ろしたことを記事にしました.その時の様子は,ふっくらとして,いかにも接木で大きくしました!って感じでした.その後ラン鉢に植えて,キリン根の植物にしてはかなり辛めの灌水で絞って栽培しました.時間の経過と共にすっかり絞れて貫禄が出てきたシュレセリーです. 2年ぶりに移植してやろうと抜いてみたところ...
初夏にキリンや袖から降ろしたもの達の鉢上げが終わったので,いよいよ秋移植本番の強刺類です.だんだんズボラして3年に一度の植え替えが多くなっていますが,大きな株ではさほどの問題なさそうです.まず初めは金鯱たちです.このどこにでもあるのですが人気の衰えない金鯱,ボクも好きです.色々なものを集めて並べているので,ある程度の数はあるし,これは誰と一緒に蒔いたものとか誰々さんから頂いたものなどそれぞれスト...
2010年8月に始めたこのブログですが,どうやら今日で4000記事を積み重ねたようです.14年間という過ぎ去った時間は,サボテン趣味を再開してからの時間でもあります.ブログを書くことで,自分でも勉強し,また教えを頂くことも多々あり,ボクのサボテン趣味の奥行きをグッと広げてくれました.またブログを通じて得たたくさんの知己は,人生最終盤の時間を豊かにしてくれています. さて肝心のサボテンですが,何しろサボテン...
今年の狂仙会はこの前の日曜でした.迷走・鈍足台風のせいで,当日の朝に家を出ることに.今回は地元のカクタスクラブの人たちと出かけました.10時過ぎには会場に着きましたが,すでに結構な人です.皆,台風をものともせず全国から参加しています.さすが狂人たちです. いつもは一人でウロウロするのですが,今回は幾人かで連れ立ってベンダーさんを回り,楽しいものでした.出店されているサボテン・多肉屋さんは昨年並み...
春に今年はグラキリスのプラグトレー育苗をやってみていると記事にしました.播種後3ヶ月が経過してしっかりとした苗になりました.この間ずっと外で栽培してきたのですが,今年は猛暑,雨も降らないという悪条件.途中で一度ひどく乾かしてしまい,一部をダメにしました.プラグトレーは植え穴の容積が極めて小さいですから,戸外での栽培は天水まかせの放任という訳にはいきませんね. トレーから抜いてみると草花のような根...
秋移植の真っ最中ですが,ちょっと出掛けて来ます.最近は出かけるのもマルチパーパス,ついでのついで,そのまたついでまであって,何が本題なのかと自分でも苦笑い.限られた資源を使っての遠征ですから,しっかりとマルチミッションを達成して楽しんでこようと思います.そんな訳で2日ほどブログはお休みします. あれほど猛威を振るった太平洋高気圧も流石に少しお疲れのようで,台風一過,これから少しは朝晩は過ごし易...
6月下旬に太平丸たちをキリンから一斉に降ろしました.残したキリンの茎の長さは概ね3-4cmぐらいです.7.5cmポリポットに普通の培養土を入れ,そこに突き刺して,直後からハウスの中に置いて普通に水やりをして管理しました. あれから2ヶ月が過ぎ,約120本の太平たちは,ほぼ全てが良好な発根を示しました. 根はポリポットの縁に沿って伸びていった様子がよく分かります.このままさらに半年置くという手もあるのですが,ちゃ...
これは残暑なのかまだ夏の続きなのかわからない日が続いています.そんな中に南米ものの棚で,黒いネオポルが蕾を上げてきました.Neoporteria rapifera KK120です.今は,Eriosyce subgibbosa subsp. clavataの1タイプという位置付けです. 昨年11月に記事にしているように本来は冬〜春咲きなのですが,旧ネオポルの中にはこうして夏にも咲いてくるものが結構います.写真を撮るために花殻を取ったのですが,昨年の秋冬にもの...
魅力的な小型マミだなと思っていたのですが,なかなか流通していないので,自分で蒔いてみることにしました.Mammillaria insularisです.峻美丸なる和名を頂いているのですが,サボテン屋さんでは見たことはありませんね.この株はFNのない種子由来ですが,元々はカリフォルニア半島の島が故郷です.いわゆるバハグループのマミ.今はCochemieaですね.ブーリーなんかに近いものとされます.可愛いピンクの花で、確かにブーリー...
Lobivia acchaensis EG134ということで入手した種子でした.小さな苗の時はなるほど野生のロビのような風貌でした.しかしキリンに接いだ2株が早々に蕾を上げてきたのですが,ロビらしからぬ形態です.これはレブチアじゃんと思って調べると,なんとSulcorebutia steinbachii v. krugerae EG134がヒット.同じFNでロビとレブチアがあるのです.FNあるあるなのですが,紛らわしいのでなんとかしてほしい. 気を取り直してLobivi...
昨年には種,すぐにキリンに乗せ,1年経過したこの6月に接降ろししたものたちの中からいくつかのエリオシケを記録のために載せておきます.まずはPyrrhocactus kunzei RS2304,すなわちEriosyce kunzei.緻密な刺が魅力の種ですが,すでにその特徴をよく表しています. 次はPyrrhocactus litoralis RK53, これはEriosyce subgibbosa var. litoralis,今はサブギボッサに統合されています. これはPyrrhocactus marayesensis ZJ...
ちょっと話題になっていたので買ってみました.これはビバリウムガイド9月号増刊です.この雑誌は元々季刊の爬虫類・両生類の飼育情報誌です.近年見られるようになったレプタイルズとビザールプランツのコラボの流れで,このような植物関係の増刊号ができたのでしょうね.この雑誌は,編集長の冨水明氏らが取材,写真撮影,イラストなど自前で作られている部分が多いとのことです. さて,中身はパキプス,グラキリスをこれで...
メロの雪冠雲を紹介したのは11年も前のことでした.この親株は数年前,不注意からダメにしてしまいました.この間何度か実生したのですが,途中で挫折したり,色々あってようやく二代目が出来てきました.この春から成長点付近がなんとなく花座の雰囲気を出してきていました.細かい刺が密集し始めるとそれは花座のサインです. そして遂に初花.今の刺を含まない株径は約13cmで,メロとしては中型〜大型のタイプです. メロカ...
マミラリア協会誌2024年8月号が届いたので紹介しておきます.表紙のラピカクタスは写真ではなくイラストです.これはMarc Nevskyさんの絵で,今号に記事を寄せています.ボクはFaceBookで彼をフォローしていますが,いつみても素晴らしい絵だなと思います. マイナーなマミラリア金銀司(M.nivosa)についての記事は,大変興味深いものでした.これまでこの種が,カリブ海の小さな島のみに生育していることを恥かしながら知りませ...
一昨年のこと,ギガンティアの種子を頂いたので,実生をキリンに乗せていくつか育成してみました.大体どれも良く似た顔つきになりました.稜の数は,14〜16と異なりましたが,その他は特筆すべき変異は見られませんでした.まあよくあるギガンティアの顔つきですね.彼らに花が来るにはまだしばらく時間がかかりそうです. ギガンティアと呼ばれているものは,Discocactus tricornis var. giganteus(トリコルニス変種ギガンテ...
夏と秋がせめぎ合う9月上旬,初夏に一度咲いたレウカンサ,Echinopsis(Acanthocalycium)leucantha HUN409,が再び咲いてきました.前日の夕方大きく膨らんだ蕾を見てこれは今晩だなと.翌朝少し早くに見にゆくと花はまだ良い状態でした. 真上からみると,雌しべの傾きは花が完全な放射対象ではないことを窺わせます.このように大量の葯を花の入り口付近に配列させているのは, 他の多くのエキノプシスの花とは少し異なりま...
3Dプリントポットを手に入れ,そこにお気に入りとの太平丸を植えたことを記事にしたのは昨年の8月のことでした.1年が過ぎ,秋の植え替えの際にどのようになったのか、観察してみました.まずはその成長,かの太平丸くんはひと回り大きくなり,うねる刺がその威力を増しています. 抜いてみると鉢の形にびっしりと根が周り,しっかりと根鉢が形成されています. 根鉢の表面を詳細にみると細根がたくさん観察できます.この3D...
夏咲きのと言っているのに夏が終わりかけ.急いで残りを紹介しておきます.まずはディオイカ(M. dioica).ギッチリと編み上げたかのような刺の間から蕾が伸びだすとあっという間に開花します.毎年たくさんの花をつけて楽しませてくれます。 次は豊明殿(M. grahamii),この株は古くからウチに居て,ある程度のサイズになってからは少し成長して,その分株の下側が縮んでと言った具合です。それでも毎年花を咲かせているとこ...
今年の春に新たに手に入れた新産地金鯱の刺が赤いことを書きました.今年の春以降の旺盛な成長により,見違えるほどの赤刺になりました.これはKPP1934なのですが,どうやらこのFNから出る金鯱は棘が赤いようです.このまま大きくなれば素敵だなと思いますが,さてどうなることやら. 赤刺の金鯱ついでに、ウチにいるちょっと期待の交配種も紹介しておきます.ウチに古くから居る神仙金鯱は,小さい内からよく花が咲きしかもそ...
植物にとって種子の散布は種の存続を左右する最も重要な要因の一つです.交配して目的の種子を得ようとする際,種子が鞘(果実)の中に収まっていてくれるものは簡単なのですが,自然と弾けてしまうものは,しばしば種子を回収し損ねて悔しい思いをします.秋の移植候補,すなわち数年間移植されていないものを点検しているとこぼれだねの発芽による実生が見つかることがあります. 亀甲ヘキランの大株,確かにこの株は2年以上...
この前の日曜に開催された狂仙会2023を覗いてきました.今年は例年より広い会場が用意されており,出店したサボテン屋さんの数も多く,お祭りは大いに盛り上がっておりました.ゆったりした分,お客さんでごった返しているという印象はありませんでした. 品評会で気になったものは,まずひときわ巨大なランポー玉.後で知ったのですが,これは最高賞をもらったそうです.コロンさんのところの実生だそうで,大したもんだなぁと...
先週のことです,せっかく狂仙会の前日に大阪に出て来たのだから,山城愛仙園さんに行ってみました。幸い曇りの日でしたので,曽根から歩いても大した汗をかくこともなく園に到着しました。丁度お昼過ぎ,作業所に入ると大将は机でお昼寝中.挨拶せずに温室へと向かいました.最上階の強刺類のガラス室はいつ見ても素敵です. そこに広刺豪刺金鯱というラベルがついた金鯱らしきものがいました。サイズの割には稜数が少なく,稜...
夏の終わり,桜富士(Mammillaria boolii MG1392)が次々と開花しています.これは昨年も夏に記事にしていたのですが,一年たってひと回り大きくなり,今年は花の数がグッと増えています.このかわいい花が何度も見られるのは幸せなことです. 確か初夏にも花をつけていたので交配したはずと覗き込むと,実が出来つつ次々と花芽を上げています.なんともタフなヤツです.たくさんの蕾が見えますので,まだまだ咲き続けそうです...
いつだったか忘れましたが,西武の屋上へサボテンを見に行きました.特に目当てがある訳でもなく,東京へ出る機会があると定番コースのように訪ねるのです.しかし,ここは花の東京,しかもデパ地下ならぬデパ屋上,東京価格&デパート価格なのです.近年その傾向が特に顕著なのではないでしょうか,はっきり言って高いのです.買う物がないなー,でもせっかく来たので何か連れて帰ろうかと,最も安いプシスの交配を一つ手にしま...
残暑厳しい中ですが,ちょっと出かけてきます.なので明日はお休みします.気ままな隠居暮らしが始まり2度目の夏を終えようとしています.すっかり毎日が日曜日の生活に適応していますが,その分刺激のない生活に埋没しているとも言えます.出かけるのが億劫になるのは,認知症の初期症状かもしれませんし,刺激のない生活に慣れると本当に認知症になるとも言われています.老人がセカセカするのはみっともない,ボーッと生きて...
接木で育成した太平たちの若苗の移植が進む中,長らくウチにいる花王丸がおそらく今年の太平たちのしんがりと思われる花を咲かせていました.春本番の時とは違ったちょっと乱れた花姿には,酷暑を乗り越えた疲れが見え隠れしているように思えます.ようやく気温が下がり,ガツンと水をやったばかり,成長こそしませんが,彼らも一息ついていることと思います. 花もなく交配した種子もほぼ回収が終わり,太平棚は静かな雰囲気で...
残暑が厳しい中,それでも雨が降ると気温が下がり季節は秋へ動き出しているのが分かります.そんな雨の日,紅鷹(Thelocactus bicolor subsp. heterochromus)が2輪咲いていました.この紅鷹の花は季節に関係なく咲いてくるので,まさに時不知(時知らず)です.こんな素敵な花を一年に何度も見ることができるのですから,紅鷹は優秀なサボテンですね. この花の写真を上手に撮るのはなかなか難しいです.金属光沢のある花弁は...
お盆が過ぎて秋移植を始めました.まずは発根管理をしていた太平丸の接降ろしからです.今年は,短いキリン台を着けて降ろした太平丸たちには積極灌水で管理したので,発根は良好でした.ビニールポット一杯に根が広がっているものもありました. 個鉢に鉢上げされ,何やら誇らしげです.これらは2020交配,2021播種,キリンに実生接,2年間の育成の後,初夏に接降ろししたもの達です.ここから2年ほどすると一応の評価ができ...
昨日,Cryptocarpic mammillariaのことを書きました.せっかく出来た種子が果実に包まれたまま植物体から外に出てこないというのは一体どんな意味があるのでしょうか,これを考察した論文を紹介します.植物学の用語でserotinyという言葉があります.遅咲きという意味もありますが,種子について用いられた場合,1年以上母樹から離れないことを意味します.ですからcryptocarpic fruitと同じ意味で使われています.もう一つprimi...
表紙は,M.microheliaなのですが,国内でいう夕霧・朝霧とは随分と違う印象です.いくつかある記事の中で,気になったものを2つ紹介しておきます. まずは「新しいマミラリア」という記事で,この10年余りで新たに報告されたマミラリアとして,M. bertholdii, M. rzedowskiana, M.occulta, M.breviplumosa, Cochemiea thomasiiが紹介されています.この中で注目したのは,下の写真はM. rzedowskiana,2017年に報告されたマミラ...
10年以上前のこと,何十年ぶりにサボテンに本格復帰して驚いたものの一つとして,亀甲ヘキランがありました.早速彩仙園さんを訪ね元祖ヘラクレスを見せていただいたのは12年前のことです.その後この株の後継と称する自称ヘラクレスを複数のところから入手,それをもとに交配をして比較的大柄になっても5稜を保つ亀甲ヘキランができました. そうこうするうちに,下の写真にあるスーパー亀甲ヘキランなるものを入手しました....
残暑厳しい中,フレームの水やりをしようと覗くと何やら黄色いものが.白狐(Tephrocactus weberi)です.とてもびっくり,君が咲くのを長らく待っていたんだ!小さな白狐を手に入れたのは8年前のこと,その翌年に生育がイマイチなことを記事にしています.あれから時間が経ちましたが,途中で茎が途中でポッキリしたりして,なかなか険しい道のりを経ての開花です.見捨てずに可愛がった恩返しかと嬉しくなり,しげしげと覗き込...
Copiapoa molliculaは,シュルツさんの本で見るとなかなかの硬派,赤ら顔で扁平なガタイに黒直刺を纏っています.頂きものの種子を蒔いて,すぐさま袖と竜神に接木してみました.黒王丸なんかのように刺の塊になるのかと思いきや,至極柔らかな印象で全く硬派の片鱗も見せません.近縁とされるヒポガエアと同じような柔らかな顔付きです. 花はコピらしい花で,これといった特徴もありません.これは接木株ですから,小さいうち...
コーデックスブームの中で,この小さな植物は注目されたのは少し前のことです.最近は実生苗の供給もある様で,それほど高価でもなくなりつつあります.入手当初,甘やかすと徒長して草姿が乱れるとか,暑さ寒さに弱いとか,雑多な情報に騙されて,恐る恐るの管理でした.しかし,過去5年間を振り返るとハウスの片隅で放置した状態で,別段徒長するわけでもなく,元気にしています.この春もたくさん開花してくれました. 暑さ...
コリファンタ 獅子奮迅(Coryphantha cornifera)が,猛暑の中元気に咲いていきました.花の少ない時期ですから,この鮮やかな黄色は遠くからでも目立っています. コリファンタらしい黄色の花ですが,咲きかけに覗き込むと赤い花糸が目立ってノトカクタスの花の様でもあります.でもノトのように柱頭が鮮やかに色付くことはありません. 黒い中刺がぴっと伸びてその先端が下向きにカーブする様は,花がない時でも美しいもの...