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  • 葉ウチワの防寒

    昨年簡単な風除けをしてやった露地植えの葉ウチワ,春先からいたく元気であっという間に倍ぐらいのボリュームになりました.秋の陽射しのもとで元気よく過ごしています. 面白いもので,葉ウチワの花は春に咲いたあと夏は一休みし,秋にまた咲いてきます.10月も終わりになってもまだ少し咲いていました. 根元には多肉らしいものを植えたくてデロスペルマを植え付けておきました.全面を覆うようになれば,雑草対策にもなりま...

  • 埋もれるアガベ牡丹

    今ウチではアガベ牡丹をほぼ小石に埋めて栽培しています.本当は黒土に埋めてイボ先だけ出して栽培すると自生地らしくなるのですが,さすがにそこまで行く勇気がなく,こんな感じで維持しています.牡丹類の栽培はどうも苦手なのですが,こうした小石を株回り敷くことにより,大いに楽になった気がします.ほぼ小石の中から花が上がってきました. 横から見ると小石の中に咲くように見え,その姿は悪くありません. 普通の視点...

  • 駄物と呼ばないで

    ごく最近のこと,普通の白星ありませんか?と聞かれ,ウチにはないねーと返事しながら,そういえば長いこと種子を蒔いていないなと気付きました.ピンク花の方は毎年少しですが蒔いてきましたが,普通の白星は大きくなった株が2つあるだけ,カキコ繁殖もしないので,手元には小苗が全くありません.実際にサボテン屋さんに行ってもあまり白星は並んでいません.すっかり駄物扱いで,増やしても売れない・お金にならないサボテン...

  • 竜角の楽しみ

    竜角牡丹(Ariocarpus scaphirostris)の独特の蕾が膨らんでくると,ああ今年もこの季節が来たなと嬉しくなります. 竜角牡丹の花は他の牡丹類にない,かわいい系の花です.開きかけの抱え咲気になった頃の姿は本当にかわいいです. しっかりと開くと雄しべがふわっと開き,それはそれでまた他の牡丹類にはない美しさを演出します.このように花が開く各ステージを愛でるのが竜角の楽しみです. この株は13年前からウチに居る...

  • 綿毛に囲まれて

    綿毛に包まれてなんだか咲きにくそうな連山(Ariocarpus fissuratus)です.でもこの時が一番美しく見えます. 人が多毛系を選抜してきたので,花が咲きにくいほど綿毛がありますが, 野生の亀甲・連山はこれほど綿毛が豊かではありません.おまけにボクは頭から容赦なくジャーっと水をかけるので,毛が固まってほつれにくくなっています.綿毛を少し外してやるとふわーっと花が開いてきます. この株は先日の亀甲牡丹同様,一...

  • 外の金鯱にカバーをかけ同居人を迎える

    この金鯱は2年前に今の場所に落ち着きました.今度3度目の冬を迎えようとしています.晩秋の陽射しのもとで元気良さそうにしています. まだそんなに寒いわけではありませんが,周りにビニルを張ってやることにしました. ちょっとスペースに余裕があるので,外組のアガベ君を同居人に迎えることにしました.今は北側の上部をすかせてあるので,晴れた日でも中がそれほど高温にはなることはありません.でもこれを設置するとい...

  • 渋さと貫禄

    日頃は地味な紫丸(Mammillaria voburnensis),花どきは少し主張しています.7年前に手にした時と比べるとすっかり貫禄が出ています. 秋の陽射しを浴びて一斉に花を開き始め,賑やかな雰囲気になりました. 花弁の外側に茶色の筋が入るクリームの花は,華やかさこそありませんが,安心感のある美しさです. 彼らの故郷はメキシコ南部からグアテマラに至る場所で,ウチの無加温ハウスは彼らにとって寒いんじゃないかなと心配...

  • 思い出の三角牡丹

    三角牡丹(Ariocarpus trigonus)の小さな株が花を咲かせました.あーこれこれと手にとってしばし眺めました.三角牡丹はとても思い入れのあるサボテンです. 牡丹類の中では異彩を放つ薄黄色の花,なんとも言えない雰囲気を持った花ですね. 昔,この三角牡丹を持っていました.セピア色の写真に映る牡丹類の中でひときわ大きな三角牡丹.おそらくこれは輸入球で,大阪エキゾチック植物研究所の黒田さんのところから買った...

  • 赤城ラウセリー

    赤城(Ferocactus macrodiscus)とテロカクタスのラウセリー(Thelocactus lausseri) が交配できると知ったのは去年のことです.恥ずかしながら,フェロとテロの属間交配が可能とはそれまで知りませんでした.早速半信半疑で赤城にラウセリーの花粉を載せてみました.ちゃんと着果しました. そして採れた種子を直ぐに蒔いて見ました.とても異属間交配種とは思えない良好な発芽です.また種間交雑種にしばしば認められる過剰な...

  • 晴れ舞台の天紫丸錦

    この天紫丸(Gymnocalycium pflanzii var.albipulpa = G.zegarae)錦はなんと13年前からうちに居ます.手にした時は6−7cmの小さな株でした.まずまずの斑柄だったのですが,成長するに従い,斑が勝っている部分が段々と肥大して行き,株全体の形が歪んできていました.斑が入った部分はどういうわけか肥大する傾向にあり,このため斑が偏った株では不整形になりやすいのです.本当にもう廃棄するかと思うほどでしたが,我慢して...

  • ウチのアルビコマたち

    アルビコマ(Mammillaria albicoma)は,淡雪丸という和名をもらっていますが,普通はアルビコマで流通しています.タマウリパス,ヌエボレオン州の比較的狭い地域が故郷です.ウチにはいくつかのアルビコマがいて,ちょうど花が咲いてきています.白マミであり,中刺の強弱こそあれ,カギ刺はありません. これは三重のコロンさんのところから来たもの. 次は奈良多肉研さんから来たもの.上に比べてややイボが小ぶりでしょう...

  • オトンナのおチビさん

    サボテンたちに影で,オトンナ ユーフォルビオイデス(Othonna euphorbioides)のおチビさんが黄色い小さな花を上げています. 花はキク科らしい頭状花序で,小花には舌状花はなく,全て筒状花です.それでもはっきりと5枚の花弁があることがみて取れます.茎の先端に複合花序を形成し,その直下の腋芽から新たな芽が出るため,花をつけた幹はその後二つに分かれることが多いようです. 茎に残る刺のようなものは花茎が枯れて...

  • 災転じた亀甲牡丹

    この亀甲牡丹は随分前におそらくオオタバコガの食害と思われる災難に遭い,成長点部に大穴が開きました.その後分枝が出てきて,復活して来ました.あれからさらに2年が経ち,7頭が全体を覆うようになって,ようやく形になってきました. とは言え全頭が一斉に開花することなく,なんとなくバラバラと咲きがちです.さらにそれぞれの頭が10cmぐらいまで大きくなればもっと見事な花姿を見せてくれるかなと期待しています. 今...

  • 小春日和のミズクエンシス

    暖かな陽差しに誘われて,ミズクエンシスが綺麗に咲いてきました.ミズクエンシスと言ってもスルコではありません.4年前にプシスの原種シリーズで紹介した旧ロビビアのミズクエンシス(Lobivia calorubra v. mizquensis TB488.1)です.やや小型のロビで年に何度も咲く素敵なヤツです. 先に紫野との交配種を紹介しましたが,彼らは大変花着きもよく,いいものだと思いました.花色のバリエーションがないのがちょっと残念です...

  • 立冬のハウス

    二十四節気の立冬は「木枯らしが吹き,冬の気配を感じる頃」とされます.木枯らしは吹いていませんが,朝の気温低下は遠からず冬がやって来ることを予感させます.温度の低下を気にするハウスから内張をしっかり留めて二重被覆を完成させました.陽がさせばハウス内の気温は30℃以上にはすぐ上がります.柱サボテンのひだに縮こまっていた雨蛙くんも昼には活動再開. 晴れさえすればハウスは30℃を超える時間を5時間ほど確保でき...

  • ツルビニ ミニムスの秋

    ミニムスが咲いていました.ツルビニたちの開花は季節外れという言葉が適用できません.不定期に年中咲いてくるからです.このミニムスというサボテンは,T. krainzianus var. minimusまたはT. pseudomacrochele subsp. krainzianus f. minimus(蕪城丸ミニムス)とされたりT. pseudomacrochele subsp. minimus (長城丸亜種 ミニムス)とされたりで,ツルビニストでないものにとってお前は誰なんだって感じになります. また茎...

  • 秋の陽の下で新しい刺を覗き込む

    盛んに秋の成長をするサボテンたちがいます.一方で春にはあれほど盛んに刺を出したのに,夏以降すっかりお休みしてしまうものたちもいます.まだ小さな苗たちは,この季節も精一杯成長してようとしており,新刺の美しさを存分に味合わせてくれます. 琴系丸(M. camptotricha)の短刺変異,欧州ではBruという品種名で流通しています.このbruの語源は何なのか,調べてもそれらしいものは出てきませんでした.新しい刺が淡い象...

  • どこが彩り豊かなの

    冬咲きのピクタ(M.picta SB944)の開花が始まっています.pictaという種小名を持つ動植物がたくさんあり,これはpictusの女性名詞形で,色彩のある,美しく色付いたなどの意味です.どうしてこのサボテンこのような種小名が付けられたのかちょっと理解に苦しみます.イタヤカエデ(Acer pictum)ならなるほどと思いますが. 一昨年の今頃,播種後初めて咲いた花を記事にしています.その時に比べて随分と大きくなり,おや?と...

  • 小さな牡丹の健気な花

    この初夏にキリンウチワに乗せたアリオが横っ腹から蕾を出しています.確か竜角牡丹を蒔いたと思ったのですが,こんなふうにイボの先にアレオレがあって正解なの?なんか違うでしょう! 数日後,健気に花を咲かせました.花を見たからと言って何者かがわかるわけではありません. 今年蒔いたアリオたちは少しずつキリンに乗せています.これはいわゆるゴジラ,小さい時からゴジラ顔です. そしてこれは黒牡丹,これまたああ黒...

  • クラバータが咲き始める

    Neoporteria clavata KK1447が咲き始めました.ネオポルらしい花です.このクラバータはこれから長期間にわたり,次々と花を上げてゆきます.ネオポルは一つのアレオレから複数の花芽を出すことがあり,これが花数を増やしている一つの要因です. クラバータの1タイプが暗黒王として日本では広く流通していますが,このFNは暗黒王に近い姿をしています.この個体は刺がやや強く正に暗黒王タイプです. 自家受粉するのかどうか...

  • 霜月始まる

    今年もあと2ヶ月となりました.いえ,まだ2ヶ月もあります.これから防寒対策が本格化しますが,毎年あーでもない,こーでもないとマイナーチェンジをしながら,冬に備えます.それが済めば比較的暇な時間がやってきます.冬の園芸の楽しみはカタログ園芸,特にサボテンの場合は種子の注文です.海外のサイトは秋に種子リストが更新されますが,人気の種子はすぐに売り切れてしまします.そんなリストを見ながら,来春向けて何を...

  • ウチワの脇芽を退治する

    先日ウチワに接木したボンニアエのことを記事にしました.キリンウチワほどではありませんが,台にしたウチワから結構脇芽が出てきます.これはもぎ取れば済むことなのですが,以前にキリンで報告した腋芽抑制剤処理をするとどうなるか試してみました。5mm程度と1cm程度の脇芽を使ってみました. 昔の記事では,イエローリボンという薬剤を使っていましたが,現在は発売中止になっています.今はキリンの腋芽抑制にはエキガゾー...

  • 減稜系太平に注目

    ゲンリョウといってもダイエットではありません.減稜すなわち稜の数を減らすことです.昨日は多稜系太平でしたが,今度は逆です.減稜というのはどうなることを言うのかと言うと,下の写真のように稜の数が突然減って行くのです.それと2つの稜が一つに融合することもあります. 今見ていて綺麗だなと思える6稜の個体です.特に花王だとか雷帝だとか刺などの形質と稜数にはリンクは見られません.こうした形質を示す個体の相互...

  • 太平の多稜系形質の集積

    太平丸は基本8稜のサボテンです.実生間もない頃ははっきりしませんが,下の写真のように1円玉ぐらいになる前にすでに8稜を示し,大株になっても同じ8稜です.多くのサボテンが成長に伴い,5,8,13,21とフィボナッチ数例に従うことを基本に増稜してゆくのとは対照的です.このように稜数が固定しているサボテンは少数派です. 以前から多稜系の太平丸には興味があり,いくつか集めていました.交配に使ったのですが,単に親...

  • メキシカーナの優しい花姿

    秋のある日のこと,ふと眺めると綿毛を被ったメキシカーナ(Geohintonia mexicana)の花姿が目に留まりました.あまりにも素敵だったので,しばし鉢を手に取って覗き込み,写真を撮りました.この株は数年前に小さなカキコを頂き,発根させたものです.しっかり刺もあって,まだ若々しい印象です. 数日するとウチにいるもう一株,古株も花を咲かせました.これは10年以上前に手にして以来,本当にボチボチを成長してきた株です...

  • ボンニアエを増やしてみる

    ウチには随分前からボンニアエが居て,増えた苗は色々な方の元へお嫁に行きました.これまでプシスに接いだりしたことがありましたが,ウチワに接ぐことはありませんでした.ほんの気まぐれからウチワ台を作って見たので,ボンニアエを接木してみました. ボクは糸かけなどという面倒なことが嫌いなので,なんでも伸縮包帯で済ませてしまいます.ウチワの刺座では包帯が留まらないので,短刺ウチワの刺を取って来て,ちょうど良...

  • 紅葉の季節

    紅葉系のヘキランたちが美しい季節になってきました.この時期,実生たちの紅葉の姿にはいつもいい色合いだな〜と目を留めてしまいます. 大体紅葉系といえば成長点付近が色付くのですが、中にはもっと下の方まで色が出てくるものがあります.この違いはなんなのか,緑の時は見分けがつきません. しっかり亀甲かつしっかり紅葉というのを目指しているのですが,小さい時の亀甲も紅葉もしばしば「二十歳過ぎればタダの人」的な...

  • クラビフォリアを眺める

    キクの季節です.仕事では長らくキクと関わりましたが,リタイアしてからは手元に全くキクがなく,このような小さなキク科の花を見て,ああキクだなーと思うくらいです. このオトンナ クラビフォリア(Othonna clavifolia)手にしたのは6年前のことです.知らぬ間に図体はでかくなりました.当時は結構高かったのですが,今やダイソーにもあるというのですから,ちょっとびっくりです. 下から覗くと茎がどのように伸びたの...

  • 秋のオブレパンダ

    ちょっと季節外れにも思える秋のオブレパンダ(Echinopsis obrepanda)です.秋らしくなって蕾が上がってきたのですが,ちゃんと咲くかなーと少し心配しながら見ていました. 例年に比べて気温の高い秋が幸いして,なんとか無事開花してきました.一般論ではありますが,ゆっくりと発達した花は概して大きく,見応えもあります. 朝ハウスに入るとしっかり咲いていました.僅かな香りも清々しく,ああ,いい花だとしばし見入っ...

  • 亀甲牡丹を眺める

    亀甲牡丹は子供の頃から馴染みのサボテンです.その頃はゴジラなんてなかったので,一生懸命亀甲牡丹と連山の違いを確認していました.何が良型なのかわからず,何が大イボなのかも曖昧でした.その後ゴジラの時代になり,今なおゴジラ自体も進化を続けているのですが,ボクの気持ちはオーソドックスは亀甲牡丹に回帰しています. ウチにいる亀甲牡丹はいわゆるゴジラを除き,それぞれ少しずつ違う顔をしています. 今ボクは再...

  • 姫明星が元気

    秋の気温低下に伴い,水を吸ってむっくりと起き上がってくるマミラリアたちを見るのは実に楽しくかつ幸せを感じます.そろそろ明星たちが開花を始める季節ですが,今年はこの姫明星がいち早く存在をアピールしています.明星(Mammillaria schiedeana)は色々なタイプがあり,交配種を含めいくつもの園芸品種が出来上がっています.姫という接頭語をつけたマミラリアはいくつもあるのですが,いずれも小さい分枝をたくさん作る変...

  • 黒肌の遺伝その後

    今年の1月に黒肌明星における肌色の遺伝について記事にしました.その際に実生の写真を載せていたのですが,それらが育ってもう花をつけ始めています. 左側が銀の明星×黒肌明星,そして右側が黒肌明星×銀の明星,どちらがどちらか見分けがつかない感じです.両方とも肌色に差は見られず,肌色が濃くなっているようです.黒肌が完全な顕性かどうかは,まだ今の段階ではわかりませんが,少なくとも肌に色素の集積はしそうです....

  • ハウスも冬支度

    一昨日最後まで残っていた薄手の白寒冷紗を外し,代わりに内張カーテンを伸ばしました.これは薄い遮光の役割も果たしてくれます.まだ肩の部分は開けていますし,サイドのカーテンも半分だけ降ろしています.これは当面はクルクルを少し開けて換気できるようにするためです. この時期の温度管理は,明け方の最低気温を気にするのではなく,どちらかといえば昼間の温度確保に重点を置きます.晴天日には朝から十分昇温する...

  • 白ランモンストの花を解剖してみた

    白ランモンストの花が正常ではないけど花粉は機能していることは先に記事にしました.その後も何度かこの白ランモンストの兄弟たちが花を咲かせましたが,皆外観は同じです. 花を縦に割ってみると,特に大きな異形はないようです.ただ明かな雌しべがありません. 雄しべだらけなのですが,その中に雌しべもどきがいました.柱頭がちゃんとできていません. 柱頭の下にある子房の部分は外観を見る限り正常にできているようで...

  • パキポたちの冬支度

    春からずっと外で雨ざらしの栽培を続けてきたパキポジウムもそろそろ中に取り入れる季節になりました.今年は春以降しばらく順調でしたが,夏の暑さは予想以上に大変でした.日中に暑くなったポリポットに水が入ると茹でパキポにならないか心配なくらいでした.灌水してもすぐに乾くし,全体にどの植物はぐったりでした.その分秋の雨の力には目を見張るものがありました.本格的な秋を迎え,パンパンに張ったパキポたちをみて一...

  • 今年も盆栽杢キリンが見事に開花

    朝ハウスに入ると何やらツンとした薬くさいような匂いが充満していました.前日の昼間留守にし,夜暗くなってからハウスを閉めたので,何か動物でも侵入していたのかとハウスを見渡すも何も変わったことがありません.側窓のクルクルを上げて水やりを開始して初めてあー杢キリンが咲いているだと分かりました.これまでは外に置いてある株が開花したのを見て,写真を撮るなどしていたので,密室ではこんなに強い匂いになるとは知...

  • 暦を忘れず白珠丸

    毎年秋になると咲いてくる白珠丸が今年も咲いて来ました.残暑が厳しく、ようやく涼しくなった9月下旬,何時ものようにちゃんと咲いて来たことに感心しました. 白珠丸には色々なタイプがあり,下の写真のような長刺タイプが最も流通しています. 長刺と言っても大株になると中刺はだんだん短くなっていくようで,図体がデカくなった分,相対的に刺短く見えることも相まって,中苗の時の刺の良さはだんだん失われてしまいます...

  • コピの花たち

    花を観賞するサボテンではないコピ達.しかし猛残暑の中でも,涼しくなった秋空の下でも,それぞれ元気に黄色い花を咲かせました.コピ達は驚くほどよく似た花を咲かせるのですが,周りの刺と肌色は様々です.そんな姿をちょっと記録してみました. 一本刺の黒士冠,それに囲まれて柔らかな雰囲気で花を咲かせていました.こんな写真にするとなかなかイケてるかも知れません. 接木のモリキキュラ,台の力を借りてモリモリ花を...

  • ベルソルディの秋の舞

    秋の陽射しの元でベルソルディが咲いています.春には大株も小株っも皆しっかりと開花してくれたのですが,諸般の事情から記事にできませんでした.なので秋の花を見て,春の素晴らしい開花を思い出しました.秋の成長期,このベルソルディも盛んに成長しています.この独特の刺は新しい時が最も美しいですね. そしてイボの間にはこの春に交配した花の果実が膨れています。もう種子が透けて見えるので,そろそろ穿り出しても...

  • 太平のしんがり

    急速に秋めく神無月の始め,今年最後と思われる太平丸の花がポツンと咲いていました.5,6月に一斉開花をする太平丸ですが,毎年のように秋にポツリポツリと咲きます.これがどのような意味を持つのか分かりませんが,同じ個体が咲くわけでもないので,個体の性質でないと思われます.すでに成長を休止している時期の花ですので,刺に挟まれ不整形となっています. これはいわゆる花王系の太平丸です.幼苗の時丸みを帯びてむっ...

  • 銀姫の咲きっぷり

    このブログに何度も登場する銀姫ことMammillaria slevinii ,今年も6月,7月,8月そして9月と何度も群花を楽しませてくれました.下の2枚の写真はごく最近9月下旬のものです.いったい1年に何花咲かせるのか驚くばかりです.普通は滅多に仔吹きをしないので、1枚目の写真のように適当なところで胴切りして多頭株に仕上げた方が見栄えがします. こんな素敵なマミラリアなのにあまり流通することはなく,知らない人も多い種,そ...

  • 今年の一番乗りは小さな亀甲牡丹

    今年の牡丹類の一番乗りは,この小さな亀甲牡丹です.全体に何やら何時とは違った開花の様子を見せるサボテンたちですが,牡丹類も何時もとは順番が違います.毎年9月頃から蕾を出して秋を待つメンバーが今年はダンマリです.やはり猛暑と猛残暑が開花時期を狂わせているのでしょうか. この株はShabomaniac!さんから頂いたもので,メキシコ産の種子由来の株です.どうやら2008年播種のようですから,すでに16年生です.彼の作...

  • マグドガリーの種子採り

    今年の初夏にマグドガリーの交配を報告しました. その後何か鞘のようなものが見えてくるかなーと見ていましたが,一向にその気配はなく.すっかり忘れかけていました.あれから3ヶ月以上経ち,ふと見ると種子が見えています.まあ,なんとダイレクトな種子の埋もれ方. これは細いピンセットで穿るしかないなと,家に持ち込みました.そしてピンセットで種子を摘むと,ポロリ,あっという間に鉢の中に消えて行きました. こ...

  • 今年もまたやられる

    今年はキリン接の穂が齧られないようにかなり気を使って防除して来ました.そんな中,手薄になった袖接のランポー錦に穴を開けられてしまいました.ある朝ふと見ると何やら白い粉のようなものが付いています.しまった,またやられたか.粉は芋虫のフン,しかも新鮮なフンなので白いのです. 振り払ってみると成長点付近に穴が空いています.穴の中でお食事中かと,穴の中を細い棒で突いてみました. 程なくして小さな芋虫が出...

  • 夜の冷気の中で

    これまで何度か開花していた鬼面角,秋がやって来たのですが,最後の一踏ん張りをしていました.せっかくなので写真を撮ってやろうと夕食が終わりすでに暗くなったハウスへ向かいました.7時すぎでしたが,まだ蕾は半開きでした.仕方なく引き返し,9時前にもう一度ハウスへ,今度はなんとか開いていました.冷気の中で咲く花は,真夏の夜の花とはちょっと違うようにも見えます. 初夏の頃はもっと早い時間に開いていましたが,...

  • 火星人らしく

    秋になったなと思ったら,ホッケアの火星人が一斉に花をつけました.とは言え地味な花なので覗き込まないと分かりません.しかし,カメラのファイダーという小宇宙の中でこの花を見ていると,もしかすると火星人という名前は花を見てつけたんじゃないのかと思えて来ました. 今から7年前に来たこの株は,だんだんと大きくなり,芸のある地下部はすっかり貫禄が出て来ました.わざわざ素直に生育していないイモを選んだのは大正...

  • 今年のキリンの園の新鋭たち その5 有星類

    わずかですが有星類もキリンに乗せています.個体発生は系統発生を繰り返すと言いますが,有星類の実生接はその形態変化が実に興味深いのです. これは白ランモンストで以前に記事にしたものと同じ系統の種子で,すでにモンストになる顔になっています.この刺の出方は,なんとなく般若の関与を類推させます. 大抵の白ランモンストは生殖機能が低下しており,退化した(正確にいうと雄蕊化した)雌しべを持ちます.でもこのモ...

  • プランツジャンキー9thに参加

    先の日曜は大阪でプランツジャンキー9thがありました.会場はいつものATC,昨年に引き続きの参加です. 朝10時半ごろ入ったのですが,ごった返している様子はありません.落ち着いた人出といったところでしょうか.ただ若い人が圧倒的で,ボクのような白髪の老人はほとんどいません.知り合いに一通りご挨拶して,あとは何度もブースを見て回りました. ブースの品々を眺め回すと,サボテンは全体の4割ほど,旧来の多肉でもな...

  • 移植は無用か?

    昨年の春に育苗バットに播種した(平蒔きした)太平丸です.いつも播種に使っているタキイのたねまき用土を深さ3cmぐらいバットに敷き,そこへバラバラと低密度で播種しました.その上からいつものように細かい砂利を敷き,スーパーのレジ袋のようなものですっぽり覆って発芽を促しました.発芽後はしばらく他の実生と同居していましたが,その後はフレームの平場へずっ置かれていました.ボクはこれまで,25穴のトレーを使った...

  • 三河サボテン園さん24秋

    先週末にお邪魔して来ました.今年は6月に行っているので,そんなに久しぶりではありませんが,ここへは何時もワクワクして行きます.いつものように駅で拾ってもらいました.天気予報は良い天気でしたが,今にも降り出しそうな空模様でした.丁度オークションが開催されていましたので、出品物を生でまじまじと観察.やはりWeb上の写真目見るのとはかなり違いますね.ハウスの中は,いつもながらバライティーに富んでいて,見て...

  • 今年のキリンの園の新鋭たち その4 エリオシケ

    最近渋さがちょっと人気のエリオシケも色々導入してみています.もともとネオポルテリアが大好きなので,それにつられてコレクションが周辺に広がりつつあります. 最初はNeoporteria coimasensis KK1554です.ネオポルらしいネオポル,今はEriosyce senilis subsp. coimasensisとなっているのでしょうか.セニリスは本当に変化に富んでいますね. 次はPyrrhocactus strausianus DJF337,今はEriosyce strausianaです.いかに...

  • 拡張なった西武屋上の鶴仙園さん

    池袋西武は外資を挟んでヨドバシカメラに売却され,大幅にその姿を変えようとしています.デパート面積は約半分になり,ヨドバシカメラが入ります.そんな中で屋上の鶴仙園さんはどうなるんだろうかと心配していました.鶴仙園さんのXで,売り場を拡張して9月から新規スタートという記事を読み,これはどうなったのか見に行かねばと思い,先日行ってみました.池袋西武デパートに着くと,いつもの地下入り口が閉鎖されています,...

  • 今年のキリンの園の新鋭たち その3 アラカルト

    初めて蒔いてみたものは,取り敢えずキリンに乗せて株の確保です.まずは自家交配の大竜冠,それらしい刺を出して来ています.キリンの力を借りても開花株になるまでは相当な時間を要します.とにかく早く大きくしたい. 次はAcharaguma,メキシコで見たのですが,いったいどんなものなのか知りませんでした.国内ではなかなかこの仲間に出会いません.仕方ないので手に入ったA.roseanum SB459の種子を蒔いてみることにしました...

  • リベンジのお出かけ

    今月初めに狂仙会に出かけたのですが,実はこの時その他色々回る遠征を計画していました.ところが鈍足台風と超慎重派のJRの計画運休の煽りを受けて遠征を中止していました.今回はリベンジのお出かけです.ちょっと詰め込み過ぎぐらいのマルチパーパスですが,ミッション完遂して楽しんでこようと思います.そんなわけでブログは数日お休みします. 秋移植のメインは終わり,特に差し迫ったことはありません.まだハウスは開け...

  • 黒兜あれこれ

    近年目にするようになった黒兜,ちょっと興味があって手に入れてみました.ベタシアニン系色素の生産量が多くなっている変異なのだろうと思っています.これに斑が入ると赤斑になります.ボクは赤斑にはさして興味はありません.兜命の方々がこぞって作られるでしょうから,数年すれば極上赤斑兜なんかがマニアのセリに出てくるでしょう.ボクの興味はこの黒肌性質の遺伝です. まずはこの黒兜の花はどうか.花色と肌色は兜にお...

  • 今年のキリンの園の新鋭たち その2 太平丸

    いつもの太平たちもたくさん接木されています.栴檀は双葉より芳しってやつは居るでしょうか.これはなかなか良い刺を出しています.小さい時はゴツイ刺より長い刺を選ぶのが大切です. 白刺翠平は,とにかく新刺から色の着かないものを目指しますが,頻度は低ですね. 特異な顔つきの新産地太平丸.どんなものになるのか楽しみにしています. そして近年力を入れている白花の太平,色々なタイプの白花が出来つつあり,これぐ...

  • 今年のキリンの園の新鋭たち その1コピアポア

    今年もキリンの園では,初夏に接木された多士済々のサボテンが育っています.記録のために3回に分けて少し紹介しておきます.まずはコピ,これまでほぼ黒王丸とコルムナアルバに集中していましたが,ちょっと違うものも種子を蒔いてみました. これはC.gigantea AdB2.42です.C.haseltonianaのシノニムとされると思うのですが,ギガンティアはハセルトニアナのなかで大型のものにつけられた名前で,あまり分枝せず単幹であるこ...

  • 夏の夜のホルスティ

    年に何度かディスコカクタスたちが咲いてくるのですが,持ち駒の少ないウチのハウスでは中々交配のチャンスが訪れません.ある夏の日,運良く2株のホルスティが咲いてくれました.家に持ち込み,あの柑橘系の香りを楽しみながらしばしのデスクワーク.贅沢な時間です. 暑い夜の饗宴は実を結んだでしょうか.残念ながらこの地には南国のモスはおらず,翌朝に人の手で花を切り裂き,雌しべをむき出しにして花粉を乗せます.ちょ...

  • パキプスの根挿し繁殖

    以前に鉢植えのままハウスに地植えされたパキプスを掘り返したことを記事にしました.その際に地面に深く張った根はそのままにしていました.掘り上げ後梅雨らしい天気が続き,堀った穴に水が溜まるほどハウスの中もぐちゃぐちゃに.残した根が腐ってしまうんじゃないかと心配しましたが,切り口に殺菌剤を塗布してあったのが功を奏し,無事でした.パキプスの根は外側の皮が柔らかくて剥けやすく,これを傷つけると根が腐ると聞...

  • 返り咲きの大文字白鳥

    残暑厳しいく,猛暑ならぬ猛残暑なる新語が生まれた今年の9月初旬,大文字白鳥たちが揃って返り咲きをしてくれました. 返り咲きとは,「通常の開花時期が終わった後,年内に再び花が咲くこと」とか「定まった開花期以外に花が咲くことをさし,狂い咲きともいう」とか定義されています. 注目すべきは,白鳥は滅多に秋に咲くことはないのですが,この大文字白鳥は決まって秋にも咲くことです.つまり正常な白鳥は,温度なのか...

  • おっ斑が出ている

    大豪丸斑入りに大豪丸の花粉を乗せ,採れた種子を蒔いたのを記事にしたのは去年の夏です.すぐにたくさん生えました.しかし5㎜ぐらいになっても斑入りかどうか判別できませんでした.すっかり興味が失せて,フレームの片隅に捨て置かれていました.秋が来たので,雑草の生えたフレームの中を綺麗にすべく育苗バットを一つ一つ引っ張り出して草を抜いていきました.かの大豪実生バットは,実生苗がうねるように盛り上がり,いか...

  • ギラウムニアーナの成長その2

    先月にギラウムニアーナの実生をしているって記事を書きました.7月に蒔いた実生苗が2ヶ月ですっかり大きくなり,移植が必要になりました.それにしてもなんと成長が早いことか.IB化成の効果がぐんと出ました. 抜きあげた苗は,やはり栽植密度が高かったので,やや徒長気味です.炎天下,雨曝しでも栽植密度が高いとこうなってしまいます.これはバランスが良くないので,下胚軸を切って挿し木したらどうだろうかと1本試して...

  • 大虹錦の危うい雰囲気

    大虹(Ferocactus hamatocanthus)の斑入り株は,別段珍しいものではありませんが,なかなか大株というものに巡り合うことはありません.ウチに居る大虹錦ものんびり屋さんで大きくなったのかどうか,よく分からない成長具合です.なんとなく病的な佇まいで,危うい雰囲気を醸し出しています.それでも毎年花を見せてくれているので,いくつか新たなアレオレは出しているようです. 暑い最中に蕾を出して来ましたが,蕾の色もな...

  • 清楚なエステバネンシスの花

    昨日夏マミの記事を載せたのですが,これもバハグループです.M. estebanensis,和名はありません.なんとも表現が難しいのですが,このグループの中では実に清楚な花です. このエステバネンシスは,M. dioica subsp. estebanensisともされ,ディオイカに近いもののようです.ちょうど同時に咲いていたディオイカです,雰囲気は似ているような,違うような.花は違うけど,草姿は似ているかも.. このディオイカは,単独丸と...

  • 夏マミたちの花

    毎年残暑厳しい時期に次々と咲いてくれる夏マミたち.故郷バハカリフォルニアの秋を思いながら咲いてくれているのでしょうか. ウチには随分前から風蓮丸(M. fraileana)がいるのですが,これは改めて種子(SB1263)を蒔いてみたものです.フライレアーナはどれもほぼ同じようです. いつもの銀姫(Mammillaria slevinii).赤い実と白い花が綺麗です. アルビカンス(M. albicans),上のスレビニーのシノニム扱いなのです...

  • 残暑の中のモンスター

    残暑厳しいかなで,トリコケレウスのモンスターが大きな花を2輪咲かせてくれました.去年初めて咲いて,今年の5月にも咲いていたのですが,また咲きました. 花の色合いといい,そのサイズといい,中々の優れものですよね.でも季節外れの猛暑日で,無遮光のハウスの中,残念ながら夕方には萎れてしまいました.彼らは外に置いた方が良いのでしょうね. 植物自体は昨年より2倍以上の大きさに育ち,まっすぐ植えたのに少し傾い...

  • グラハミーたち

    豊明殿(M. grahamii)は随分前からウチにいるのですが,これはどれほど変異があるのかと思い,いくつか輸入種子を蒔いてみました.まだ小さな実生苗ですが,咲いて来たので比較してみました.最初のものはMesaのFNなしのグラハミーです.よく知っているグラハミーそのものです.この写真の後も何度か群花を見せてくれました. 次はDJF1000, 故郷はRincon Mountains, Pima County, Arizona. ツーソンの東サワロ国立公園のある場...

  • ディスコの初花

    2年前に三河さんから連れ帰ったDiscocactus squamibaccatusに花がつきました.このスクアミバッカタスは,D. heptacanthusのシノニムとされています.ディスコカクタスは15種あるとされていますが,日頃目にする種は限られています.しかも種内変異が結構大きかったりして,よく分からん!というのが本音です. 丸い頭がのぞくとあっという間に伸び上がってきます.いかにもディスコカクタスらしい蕾です.夕方に家の中に持ち込...

  • 偽物夜の女王

    フローラの神殿に描かれた大輪の柱サボテンの花はとても有名ですが,これが時々夜の女王と紹介されています.しかし,種としてはどうやら大輪柱(Selenicereus grandiflorus)のようで,夜の女王は,S. macdonaldiaeとされるも流通している夜の女王は混乱しているようです. この春に小さな苗をヤフオクで買ったのですが,順調に伸びて花芽をつけてきました.小さい時は 5−6稜でしたが,成長するに従い4稜になり3稜になり,う...

  • ミズクエンシスと紫野3兄弟

    ミズクエンシス×紫野の花が初めて一つ咲いたことを7月に記事にしました.これはキリンで育成していたのですが,無事接降ろしては鉢上げし,上手く3株揃って開花したので,記録の意味で載せておきます.夏の花ですから本領発揮はしていないかもしれません. 一つ目は紫野の雰囲気を出した花です.草姿はミズクエンシスよりですね. 二つ目もよく似た雰囲気ですが,花弁の色はより濃いピンクになって居ます. 三つ目は,花形も...

  • 晩夏にニコラエの花

    ツルビニのニコラエ(Turbinicarpus nikolae)が夏の終わりに綺麗に咲いています. 2016年に初めて報告された比較的新しい種で, 亜種や変種は知られていません.アロンソイと近縁でT. alonsoi var. nikolaeという記載もあります.ウチで初めて開花したことを昨年秋に記事にしています.その時はまだ草姿もはっきりしませんでした.今はイボの様子や肌色などもはっきりしています,どう見てもアロンソイに似ていますね. 花はと...

  • よく働く花袖

    ウチでは袖ヶ浦とともに花袖も台木に利用しています.どれをどの台木に使うというこだわりはなく,両方養成しておいてその時旺盛に成長している台木に接木するって感じです.ですから接木した後の地植え圃では袖と花袖はランダムに並んでいます.花袖は,台木として働いている間も結構な頻度で花芽をあげてきます.穂の成長から見れば,花芽は早々に取った方が良いのかもしれませんが,いつも咲くのでこれは彼らの通常運転なのだ...

  • シュレセリーをそれらしく

    シュレセリー(Sclerocactus spinosior subsp. schlesseri)はとても素敵なサボテンです.3年前にキリンから接降ろしたことを記事にしました.その時の様子は,ふっくらとして,いかにも接木で大きくしました!って感じでした.その後ラン鉢に植えて,キリン根の植物にしてはかなり辛めの灌水で絞って栽培しました.時間の経過と共にすっかり絞れて貫禄が出てきたシュレセリーです. 2年ぶりに移植してやろうと抜いてみたところ...

  • 秋移植の金鯱たち

    初夏にキリンや袖から降ろしたもの達の鉢上げが終わったので,いよいよ秋移植本番の強刺類です.だんだんズボラして3年に一度の植え替えが多くなっていますが,大きな株ではさほどの問題なさそうです.まず初めは金鯱たちです.このどこにでもあるのですが人気の衰えない金鯱,ボクも好きです.色々なものを集めて並べているので,ある程度の数はあるし,これは誰と一緒に蒔いたものとか誰々さんから頂いたものなどそれぞれスト...

  • 祝4000記事達成

    2010年8月に始めたこのブログですが,どうやら今日で4000記事を積み重ねたようです.14年間という過ぎ去った時間は,サボテン趣味を再開してからの時間でもあります.ブログを書くことで,自分でも勉強し,また教えを頂くことも多々あり,ボクのサボテン趣味の奥行きをグッと広げてくれました.またブログを通じて得たたくさんの知己は,人生最終盤の時間を豊かにしてくれています. さて肝心のサボテンですが,何しろサボテン...

  • 狂仙会2024に参加

    今年の狂仙会はこの前の日曜でした.迷走・鈍足台風のせいで,当日の朝に家を出ることに.今回は地元のカクタスクラブの人たちと出かけました.10時過ぎには会場に着きましたが,すでに結構な人です.皆,台風をものともせず全国から参加しています.さすが狂人たちです. いつもは一人でウロウロするのですが,今回は幾人かで連れ立ってベンダーさんを回り,楽しいものでした.出店されているサボテン・多肉屋さんは昨年並み...

  • プラグトレーのグラキリス

    春に今年はグラキリスのプラグトレー育苗をやってみていると記事にしました.播種後3ヶ月が経過してしっかりとした苗になりました.この間ずっと外で栽培してきたのですが,今年は猛暑,雨も降らないという悪条件.途中で一度ひどく乾かしてしまい,一部をダメにしました.プラグトレーは植え穴の容積が極めて小さいですから,戸外での栽培は天水まかせの放任という訳にはいきませんね. トレーから抜いてみると草花のような根...

  • 晩夏のお出かけ2024

    秋移植の真っ最中ですが,ちょっと出掛けて来ます.最近は出かけるのもマルチパーパス,ついでのついで,そのまたついでまであって,何が本題なのかと自分でも苦笑い.限られた資源を使っての遠征ですから,しっかりとマルチミッションを達成して楽しんでこようと思います.そんな訳で2日ほどブログはお休みします. あれほど猛威を振るった太平洋高気圧も流石に少しお疲れのようで,台風一過,これから少しは朝晩は過ごし易...

  • 今年のキリン養成太平たちの鉢上げ

    6月下旬に太平丸たちをキリンから一斉に降ろしました.残したキリンの茎の長さは概ね3-4cmぐらいです.7.5cmポリポットに普通の培養土を入れ,そこに突き刺して,直後からハウスの中に置いて普通に水やりをして管理しました. あれから2ヶ月が過ぎ,約120本の太平たちは,ほぼ全てが良好な発根を示しました. 根はポリポットの縁に沿って伸びていった様子がよく分かります.このままさらに半年置くという手もあるのですが,ちゃ...

  • 晩夏の黒刺ネオポル

    これは残暑なのかまだ夏の続きなのかわからない日が続いています.そんな中に南米ものの棚で,黒いネオポルが蕾を上げてきました.Neoporteria rapifera KK120です.今は,Eriosyce subgibbosa subsp. clavataの1タイプという位置付けです. 昨年11月に記事にしているように本来は冬〜春咲きなのですが,旧ネオポルの中にはこうして夏にも咲いてくるものが結構います.写真を撮るために花殻を取ったのですが,昨年の秋冬にもの...

  • 小型カギ刺マミのインスラリス

    魅力的な小型マミだなと思っていたのですが,なかなか流通していないので,自分で蒔いてみることにしました.Mammillaria insularisです.峻美丸なる和名を頂いているのですが,サボテン屋さんでは見たことはありませんね.この株はFNのない種子由来ですが,元々はカリフォルニア半島の島が故郷です.いわゆるバハグループのマミ.今はCochemieaですね.ブーリーなんかに近いものとされます.可愛いピンクの花で、確かにブーリー...

  • レブかロビか

    Lobivia acchaensis EG134ということで入手した種子でした.小さな苗の時はなるほど野生のロビのような風貌でした.しかしキリンに接いだ2株が早々に蕾を上げてきたのですが,ロビらしからぬ形態です.これはレブチアじゃんと思って調べると,なんとSulcorebutia steinbachii v. krugerae EG134がヒット.同じFNでロビとレブチアがあるのです.FNあるあるなのですが,紛らわしいのでなんとかしてほしい. 気を取り直してLobivi...

  • 鉢上げしたエリオシケたち

    昨年には種,すぐにキリンに乗せ,1年経過したこの6月に接降ろししたものたちの中からいくつかのエリオシケを記録のために載せておきます.まずはPyrrhocactus kunzei RS2304,すなわちEriosyce kunzei.緻密な刺が魅力の種ですが,すでにその特徴をよく表しています. 次はPyrrhocactus litoralis RK53, これはEriosyce subgibbosa var. litoralis,今はサブギボッサに統合されています. これはPyrrhocactus marayesensis ZJ...

  • INDOOR JUNGLE 目覚めよパキプス、咲けよグラキリス

    ちょっと話題になっていたので買ってみました.これはビバリウムガイド9月号増刊です.この雑誌は元々季刊の爬虫類・両生類の飼育情報誌です.近年見られるようになったレプタイルズとビザールプランツのコラボの流れで,このような植物関係の増刊号ができたのでしょうね.この雑誌は,編集長の冨水明氏らが取材,写真撮影,イラストなど自前で作られている部分が多いとのことです. さて,中身はパキプス,グラキリスをこれで...

  • ようやく次世代メロに花が

    メロの雪冠雲を紹介したのは11年も前のことでした.この親株は数年前,不注意からダメにしてしまいました.この間何度か実生したのですが,途中で挫折したり,色々あってようやく二代目が出来てきました.この春から成長点付近がなんとなく花座の雰囲気を出してきていました.細かい刺が密集し始めるとそれは花座のサインです. そして遂に初花.今の刺を含まない株径は約13cmで,メロとしては中型〜大型のタイプです. メロカ...

  • マミラリア協会誌2024Aug号

    マミラリア協会誌2024年8月号が届いたので紹介しておきます.表紙のラピカクタスは写真ではなくイラストです.これはMarc Nevskyさんの絵で,今号に記事を寄せています.ボクはFaceBookで彼をフォローしていますが,いつみても素晴らしい絵だなと思います. マイナーなマミラリア金銀司(M.nivosa)についての記事は,大変興味深いものでした.これまでこの種が,カリブ海の小さな島のみに生育していることを恥かしながら知りませ...

  • 頂き物のギガンティア

    一昨年のこと,ギガンティアの種子を頂いたので,実生をキリンに乗せていくつか育成してみました.大体どれも良く似た顔つきになりました.稜の数は,14〜16と異なりましたが,その他は特筆すべき変異は見られませんでした.まあよくあるギガンティアの顔つきですね.彼らに花が来るにはまだしばらく時間がかかりそうです. ギガンティアと呼ばれているものは,Discocactus tricornis var. giganteus(トリコルニス変種ギガンテ...

  • 夏のイスラエンシス

    イスラエンシスが猛暑に負けずに素敵な花を咲かせています.近づいてそっと香りを確かめると,ほのかな甘い香りです.元々これは花輪王子(Islaya grandiflorens)として昔手にしたものですが,その後の学名の再編により,多くの種とともにEriosyce islayensis に統合されました.元々かなり色々あったので,今でもEriosyce islayensis complexと表記することもあります.とにかく季節を問わず次々と咲いてきます....

  • 二十歳過ぎればタダの人

    幼い時に特別な才能を示した子も,長ずるに従いその非凡さは影を潜め,普通の人になることは,古今東西古くから見られたことのようです.このヘキランは,なんのことはない顔をしています. 横から見るとこうなっています.つまりかつては,かなり強い亀甲の特徴を持っていました. 6年前の姿はこんな具合.N氏モンストとして結構な値段で売られていました.この2頭はそれぞれ分離したのですが,今は両方とも普通の顔になって...

  • ランポー錦の採種

    ウチには自慢できるようなランポー錦はいないのですが,良斑が出るのはまさにby chanceなので,毎年できるだけ交配して種子を採り,蒔いてみることにしています.でも,どうせなら少し変わった形態を持つものに斑入りが出ればより良いと,様々なタイプのランポーの花粉を乗せています. 普通のランポーの種子に比べて,斑入り株にどこか変わった形態の株の花粉をかけた種子は,シイナの割合が多いような気がします.なので,ど...

  • ギラウミニアナの成長

    7月にギラウミニアナ(Euphorbia guillauminiana)のタネを採取しているという記事を書きました.幸い結構な数の種子が得られたので,その一部を蒔いて見ました.外に置いていましたが,気温の高い時期でしたのであっという間に生え揃い,今ぐんぐんと成長しています.彼らの栽培には雨ざらしが適していますね,とは言え今年の夏は本当に雨が降らないので,乾かないように水やりをしています. 昨年同じように蒔いたものも,露...

  • 花籠の10年

    今ウチに居る花籠は共に10年ほど前に手にしたものです.サボテン趣味を再開して,懐かしさのあまりに手にしたのですが,当時ずいぶん高価なものだなと思ったのを思い出します.でも気に入ったものを手にした後は,いくらで買ったのかなんてすぐに忘れてしまうくらいどうでも良い事なのです.この株はだんだんと周りの仔が大きくなって主頭とのサイズ差がなくなりつつあります.この株の2013年の様子を見ると,ずいぶんと周りの仔...

  • マタンザヌスの普及を復活させたい

    マタンザヌスはボクにとって思い出いっぱいの特別なサボテンです.頭にちょこんと花座をつけるメロカクタスの姿は一度見たら忘れられないものです.サボテンから離れていた時も一株のマタンザヌスが手元にあり,そこから増やした小株を以前の職場のバザーで売ったり,いつの間にか大きくなった花座付きの株を大切な友人に貰ってもらったり.でも最近こんな活動が絶えていました.最近,FNのついたマタンザヌスを手にすることが出...

  • 大竜冠増殖へ少し前進

    夏になり,ウチにいる2株の大竜冠(Echinocactus polycephalus)が咲き始めました.今年も貯蔵花粉を準備して種採りを頑張ります.幸い昨年はある程度種子が採れて,協力いただいたカクタスクラブの方々にもお裾分けできました.それぞれこの春に種蒔きされ,ぽつぽつとはですが発芽し,それぞれ接木されたようです.少し恩返しが出来たかなとホッとしています. ウチでもこの春に,何段階かで硫酸処理して蒔いてみましたが,...

  • お盆休みに入ります

    今年もお盆がやって来ました.墓参りも盆踊りもないボクのお盆なのですが,唯一孫たちが帰ってきて,日常とは全く異なる暮らしが数日間やって来ます.こんな時間を持てることは,人生の余録のような日々を生きる身には最大の贅沢でしょうか.ブログもしばしの盆休みとします. このお盆休みが終われば,秋移植に向かって走り出します.今年の秋は色々と忙しいことが予想されていますので,きちんと予定をこなして行きたいと思い...

  • 大人なヒルホの花

    先日のパチャコエンシスの接木2年生に記事に続き,今度はヴィリクメンシス(Eriosyce(Pyrrhocactus) villicumensis)です.やや暗い濃緑の肌に白い粉がつき,カールした短い黒刺がいかにもヒルホカクタスらしい雰囲気を出しています.花は,蕾の時はほぼ橙色ですが,開くと茶色がかった黄色,大人な色合いです.この2個体はFNのない輸入種子由来です. 一方こちらはFNのある種子由来株,でもDJF362はFNの検索サイトでは該当...

  • 今年もキリンの園拡大中

    6月下旬から始めた今年のキリンウチワの実生接ですが,だいぶ接木したものが溜まって来ました.昨年も今頃同じようなことを報告しています.今年の改善点は,7.5cmポットを使用した結果,キリンの園の栽植密度が少し高くなっていることでしょうか. 接木後に腋芽抑制処理をして,ポットにIB化成を一粒置いて,このキリンの園に移しています.IB化成の効果はほぼ1ヶ月,この間にキリンの主軸は少し伸びて太くなり,葉は2倍ぐら...

  • パチャコエンシスの渋い花

    キリン接2年目のベッドで,ヒルホが渋い花を咲かせています.これはPyrrhocactus pachacoensis MS3026ということで種子を蒔いたものです.パチャコエンシスはEriosyce strausiana subsp. pachacoensisとされるようです.確かにこの個体は,webで見られるこの亜種に似ており,間違いではなさそうです. カッターマンの本では,亜種ではなくvar.扱いで,基本種よりやや小型, アルゼンチン西部のサンファン州Pachaco産の様です. ...

  • 首の皮一枚

    先月キリンウチワ接木を見に来られた方が,これで繋がっているんですか?と驚いた様子で尋ねられました.なるほど首の皮一枚で繋がっていますが,穂木の方はぷっくりと膨らんで,確かに繋がってはいるようです. 正確には繋がっているとは言えないのですが,とりあえずカルスは繋がり,水分のやり取りは僅かながらも出来ているようです.ただし下の写真に見るように,台木と穂木の維管束がある部分は完全に離れています. その...

  • 変わった太平

    昨年接木したキリンたちの中で不思議な形をしたものがいます.2257という交配番号を持つ3個体がいずれもなんか変です.芽生えの状態は覚えていませんが,多分普通だったと思います.そのうち2個体が成長点を失って団子になっています.うち一つは新たな成長点ができつつあります.これまでランポーで,恩塚の血の入った交配で,団子(ブラインドフォーム)になるものが出ることは何度が報告して来ましたが,そのうち普通の恩塚...

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