小人の帽子(Epithelantha bokei)が花を咲かせていたので,覗き込んでみました.花を観賞するサボテンではないのですが,他のエピより一層儚げな感じの花です. 小人の帽子はありませんか?と時々聞かれるので,今年は交配してやるかと思っていたのですが,開花が合いません.この株はダンマリを決め込んでいます. 以前にもらった実生苗はそれなりに成長していますが,実にのんびりですね.これでは皆さんに貰っていただける...
先日ウチワに接木したボンニアエのことを記事にしました.キリンウチワほどではありませんが,台にしたウチワから結構脇芽が出てきます.これはもぎ取れば済むことなのですが,以前にキリンで報告した腋芽抑制剤処理をするとどうなるか試してみました。5mm程度と1cm程度の脇芽を使ってみました. 昔の記事では,イエローリボンという薬剤を使っていましたが,現在は発売中止になっています.今はキリンの腋芽抑制にはエキガゾー...
ゲンリョウといってもダイエットではありません.減稜すなわち稜の数を減らすことです.昨日は多稜系太平でしたが,今度は逆です.減稜というのはどうなることを言うのかと言うと,下の写真のように稜の数が突然減って行くのです.それと2つの稜が一つに融合することもあります. 今見ていて綺麗だなと思える6稜の個体です.特に花王だとか雷帝だとか刺などの形質と稜数にはリンクは見られません.こうした形質を示す個体の相互...
太平丸は基本8稜のサボテンです.実生間もない頃ははっきりしませんが,下の写真のように1円玉ぐらいになる前にすでに8稜を示し,大株になっても同じ8稜です.多くのサボテンが成長に伴い,5,8,13,21とフィボナッチ数例に従うことを基本に増稜してゆくのとは対照的です.このように稜数が固定しているサボテンは少数派です. 以前から多稜系の太平丸には興味があり,いくつか集めていました.交配に使ったのですが,単に親...
秋のある日のこと,ふと眺めると綿毛を被ったメキシカーナ(Geohintonia mexicana)の花姿が目に留まりました.あまりにも素敵だったので,しばし鉢を手に取って覗き込み,写真を撮りました.この株は数年前に小さなカキコを頂き,発根させたものです.しっかり刺もあって,まだ若々しい印象です. 数日するとウチにいるもう一株,古株も花を咲かせました.これは10年以上前に手にして以来,本当にボチボチを成長してきた株です...
ウチには随分前からボンニアエが居て,増えた苗は色々な方の元へお嫁に行きました.これまでプシスに接いだりしたことがありましたが,ウチワに接ぐことはありませんでした.ほんの気まぐれからウチワ台を作って見たので,ボンニアエを接木してみました. ボクは糸かけなどという面倒なことが嫌いなので,なんでも伸縮包帯で済ませてしまいます.ウチワの刺座では包帯が留まらないので,短刺ウチワの刺を取って来て,ちょうど良...
紅葉系のヘキランたちが美しい季節になってきました.この時期,実生たちの紅葉の姿にはいつもいい色合いだな〜と目を留めてしまいます. 大体紅葉系といえば成長点付近が色付くのですが、中にはもっと下の方まで色が出てくるものがあります.この違いはなんなのか,緑の時は見分けがつきません. しっかり亀甲かつしっかり紅葉というのを目指しているのですが,小さい時の亀甲も紅葉もしばしば「二十歳過ぎればタダの人」的な...
キクの季節です.仕事では長らくキクと関わりましたが,リタイアしてからは手元に全くキクがなく,このような小さなキク科の花を見て,ああキクだなーと思うくらいです. このオトンナ クラビフォリア(Othonna clavifolia)手にしたのは6年前のことです.知らぬ間に図体はでかくなりました.当時は結構高かったのですが,今やダイソーにもあるというのですから,ちょっとびっくりです. 下から覗くと茎がどのように伸びたの...
ちょっと季節外れにも思える秋のオブレパンダ(Echinopsis obrepanda)です.秋らしくなって蕾が上がってきたのですが,ちゃんと咲くかなーと少し心配しながら見ていました. 例年に比べて気温の高い秋が幸いして,なんとか無事開花してきました.一般論ではありますが,ゆっくりと発達した花は概して大きく,見応えもあります. 朝ハウスに入るとしっかり咲いていました.僅かな香りも清々しく,ああ,いい花だとしばし見入っ...
亀甲牡丹は子供の頃から馴染みのサボテンです.その頃はゴジラなんてなかったので,一生懸命亀甲牡丹と連山の違いを確認していました.何が良型なのかわからず,何が大イボなのかも曖昧でした.その後ゴジラの時代になり,今なおゴジラ自体も進化を続けているのですが,ボクの気持ちはオーソドックスは亀甲牡丹に回帰しています. ウチにいる亀甲牡丹はいわゆるゴジラを除き,それぞれ少しずつ違う顔をしています. 今ボクは再...
秋の気温低下に伴い,水を吸ってむっくりと起き上がってくるマミラリアたちを見るのは実に楽しくかつ幸せを感じます.そろそろ明星たちが開花を始める季節ですが,今年はこの姫明星がいち早く存在をアピールしています.明星(Mammillaria schiedeana)は色々なタイプがあり,交配種を含めいくつもの園芸品種が出来上がっています.姫という接頭語をつけたマミラリアはいくつもあるのですが,いずれも小さい分枝をたくさん作る変...
今年の1月に黒肌明星における肌色の遺伝について記事にしました.その際に実生の写真を載せていたのですが,それらが育ってもう花をつけ始めています. 左側が銀の明星×黒肌明星,そして右側が黒肌明星×銀の明星,どちらがどちらか見分けがつかない感じです.両方とも肌色に差は見られず,肌色が濃くなっているようです.黒肌が完全な顕性かどうかは,まだ今の段階ではわかりませんが,少なくとも肌に色素の集積はしそうです....
一昨日最後まで残っていた薄手の白寒冷紗を外し,代わりに内張カーテンを伸ばしました.これは薄い遮光の役割も果たしてくれます.まだ肩の部分は開けていますし,サイドのカーテンも半分だけ降ろしています.これは当面はクルクルを少し開けて換気できるようにするためです. この時期の温度管理は,明け方の最低気温を気にするのではなく,どちらかといえば昼間の温度確保に重点を置きます.晴天日には朝から十分昇温する...
白ランモンストの花が正常ではないけど花粉は機能していることは先に記事にしました.その後も何度かこの白ランモンストの兄弟たちが花を咲かせましたが,皆外観は同じです. 花を縦に割ってみると,特に大きな異形はないようです.ただ明かな雌しべがありません. 雄しべだらけなのですが,その中に雌しべもどきがいました.柱頭がちゃんとできていません. 柱頭の下にある子房の部分は外観を見る限り正常にできているようで...
春からずっと外で雨ざらしの栽培を続けてきたパキポジウムもそろそろ中に取り入れる季節になりました.今年は春以降しばらく順調でしたが,夏の暑さは予想以上に大変でした.日中に暑くなったポリポットに水が入ると茹でパキポにならないか心配なくらいでした.灌水してもすぐに乾くし,全体にどの植物はぐったりでした.その分秋の雨の力には目を見張るものがありました.本格的な秋を迎え,パンパンに張ったパキポたちをみて一...
朝ハウスに入ると何やらツンとした薬くさいような匂いが充満していました.前日の昼間留守にし,夜暗くなってからハウスを閉めたので,何か動物でも侵入していたのかとハウスを見渡すも何も変わったことがありません.側窓のクルクルを上げて水やりを開始して初めてあー杢キリンが咲いているだと分かりました.これまでは外に置いてある株が開花したのを見て,写真を撮るなどしていたので,密室ではこんなに強い匂いになるとは知...
毎年秋になると咲いてくる白珠丸が今年も咲いて来ました.残暑が厳しく、ようやく涼しくなった9月下旬,何時ものようにちゃんと咲いて来たことに感心しました. 白珠丸には色々なタイプがあり,下の写真のような長刺タイプが最も流通しています. 長刺と言っても大株になると中刺はだんだん短くなっていくようで,図体がデカくなった分,相対的に刺短く見えることも相まって,中苗の時の刺の良さはだんだん失われてしまいます...
花を観賞するサボテンではないコピ達.しかし猛残暑の中でも,涼しくなった秋空の下でも,それぞれ元気に黄色い花を咲かせました.コピ達は驚くほどよく似た花を咲かせるのですが,周りの刺と肌色は様々です.そんな姿をちょっと記録してみました. 一本刺の黒士冠,それに囲まれて柔らかな雰囲気で花を咲かせていました.こんな写真にするとなかなかイケてるかも知れません. 接木のモリキキュラ,台の力を借りてモリモリ花を...
秋の陽射しの元でベルソルディが咲いています.春には大株も小株っも皆しっかりと開花してくれたのですが,諸般の事情から記事にできませんでした.なので秋の花を見て,春の素晴らしい開花を思い出しました.秋の成長期,このベルソルディも盛んに成長しています.この独特の刺は新しい時が最も美しいですね. そしてイボの間にはこの春に交配した花の果実が膨れています。もう種子が透けて見えるので,そろそろ穿り出しても...
急速に秋めく神無月の始め,今年最後と思われる太平丸の花がポツンと咲いていました.5,6月に一斉開花をする太平丸ですが,毎年のように秋にポツリポツリと咲きます.これがどのような意味を持つのか分かりませんが,同じ個体が咲くわけでもないので,個体の性質でないと思われます.すでに成長を休止している時期の花ですので,刺に挟まれ不整形となっています. これはいわゆる花王系の太平丸です.幼苗の時丸みを帯びてむっ...
このブログに何度も登場する銀姫ことMammillaria slevinii ,今年も6月,7月,8月そして9月と何度も群花を楽しませてくれました.下の2枚の写真はごく最近9月下旬のものです.いったい1年に何花咲かせるのか驚くばかりです.普通は滅多に仔吹きをしないので、1枚目の写真のように適当なところで胴切りして多頭株に仕上げた方が見栄えがします. こんな素敵なマミラリアなのにあまり流通することはなく,知らない人も多い種,そ...
今年の牡丹類の一番乗りは,この小さな亀甲牡丹です.全体に何やら何時とは違った開花の様子を見せるサボテンたちですが,牡丹類も何時もとは順番が違います.毎年9月頃から蕾を出して秋を待つメンバーが今年はダンマリです.やはり猛暑と猛残暑が開花時期を狂わせているのでしょうか. この株はShabomaniac!さんから頂いたもので,メキシコ産の種子由来の株です.どうやら2008年播種のようですから,すでに16年生です.彼の作...
今年の初夏にマグドガリーの交配を報告しました. その後何か鞘のようなものが見えてくるかなーと見ていましたが,一向にその気配はなく.すっかり忘れかけていました.あれから3ヶ月以上経ち,ふと見ると種子が見えています.まあ,なんとダイレクトな種子の埋もれ方. これは細いピンセットで穿るしかないなと,家に持ち込みました.そしてピンセットで種子を摘むと,ポロリ,あっという間に鉢の中に消えて行きました. こ...
今年はキリン接の穂が齧られないようにかなり気を使って防除して来ました.そんな中,手薄になった袖接のランポー錦に穴を開けられてしまいました.ある朝ふと見ると何やら白い粉のようなものが付いています.しまった,またやられたか.粉は芋虫のフン,しかも新鮮なフンなので白いのです. 振り払ってみると成長点付近に穴が空いています.穴の中でお食事中かと,穴の中を細い棒で突いてみました. 程なくして小さな芋虫が出...
これまで何度か開花していた鬼面角,秋がやって来たのですが,最後の一踏ん張りをしていました.せっかくなので写真を撮ってやろうと夕食が終わりすでに暗くなったハウスへ向かいました.7時すぎでしたが,まだ蕾は半開きでした.仕方なく引き返し,9時前にもう一度ハウスへ,今度はなんとか開いていました.冷気の中で咲く花は,真夏の夜の花とはちょっと違うようにも見えます. 初夏の頃はもっと早い時間に開いていましたが,...
秋になったなと思ったら,ホッケアの火星人が一斉に花をつけました.とは言え地味な花なので覗き込まないと分かりません.しかし,カメラのファイダーという小宇宙の中でこの花を見ていると,もしかすると火星人という名前は花を見てつけたんじゃないのかと思えて来ました. 今から7年前に来たこの株は,だんだんと大きくなり,芸のある地下部はすっかり貫禄が出て来ました.わざわざ素直に生育していないイモを選んだのは大正...
わずかですが有星類もキリンに乗せています.個体発生は系統発生を繰り返すと言いますが,有星類の実生接はその形態変化が実に興味深いのです. これは白ランモンストで以前に記事にしたものと同じ系統の種子で,すでにモンストになる顔になっています.この刺の出方は,なんとなく般若の関与を類推させます. 大抵の白ランモンストは生殖機能が低下しており,退化した(正確にいうと雄蕊化した)雌しべを持ちます.でもこのモ...
先の日曜は大阪でプランツジャンキー9thがありました.会場はいつものATC,昨年に引き続きの参加です. 朝10時半ごろ入ったのですが,ごった返している様子はありません.落ち着いた人出といったところでしょうか.ただ若い人が圧倒的で,ボクのような白髪の老人はほとんどいません.知り合いに一通りご挨拶して,あとは何度もブースを見て回りました. ブースの品々を眺め回すと,サボテンは全体の4割ほど,旧来の多肉でもな...
昨年の春に育苗バットに播種した(平蒔きした)太平丸です.いつも播種に使っているタキイのたねまき用土を深さ3cmぐらいバットに敷き,そこへバラバラと低密度で播種しました.その上からいつものように細かい砂利を敷き,スーパーのレジ袋のようなものですっぽり覆って発芽を促しました.発芽後はしばらく他の実生と同居していましたが,その後はフレームの平場へずっ置かれていました.ボクはこれまで,25穴のトレーを使った...
先週末にお邪魔して来ました.今年は6月に行っているので,そんなに久しぶりではありませんが,ここへは何時もワクワクして行きます.いつものように駅で拾ってもらいました.天気予報は良い天気でしたが,今にも降り出しそうな空模様でした.丁度オークションが開催されていましたので、出品物を生でまじまじと観察.やはりWeb上の写真目見るのとはかなり違いますね.ハウスの中は,いつもながらバライティーに富んでいて,見て...
最近渋さがちょっと人気のエリオシケも色々導入してみています.もともとネオポルテリアが大好きなので,それにつられてコレクションが周辺に広がりつつあります. 最初はNeoporteria coimasensis KK1554です.ネオポルらしいネオポル,今はEriosyce senilis subsp. coimasensisとなっているのでしょうか.セニリスは本当に変化に富んでいますね. 次はPyrrhocactus strausianus DJF337,今はEriosyce strausianaです.いかに...
池袋西武は外資を挟んでヨドバシカメラに売却され,大幅にその姿を変えようとしています.デパート面積は約半分になり,ヨドバシカメラが入ります.そんな中で屋上の鶴仙園さんはどうなるんだろうかと心配していました.鶴仙園さんのXで,売り場を拡張して9月から新規スタートという記事を読み,これはどうなったのか見に行かねばと思い,先日行ってみました.池袋西武デパートに着くと,いつもの地下入り口が閉鎖されています,...
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小人の帽子(Epithelantha bokei)が花を咲かせていたので,覗き込んでみました.花を観賞するサボテンではないのですが,他のエピより一層儚げな感じの花です. 小人の帽子はありませんか?と時々聞かれるので,今年は交配してやるかと思っていたのですが,開花が合いません.この株はダンマリを決め込んでいます. 以前にもらった実生苗はそれなりに成長していますが,実にのんびりですね.これでは皆さんに貰っていただける...
随分と前にもりもり咲く緋牡丹のことを記事にしました.昨年袖に接木した緋牡丹錦がモリモリと蕾を上げています.袖の威力はさすがです.自根ではこんな風には咲きません. 以前に記事にした緋牡丹の花は,蕾も花も完全に葉緑体が抜けてピンク一色でしたが,これは程よい斑柄の緋牡丹錦,花はごく普通の牡丹玉と同じ感じです.全く斑柄を反映した花とはならないのはどうしてだろう?と思いつつ咲き始めた花を眺めました. 特に...
昨年実生接したエリオシケ達の中で目を引いたのはこのPyrrhocactus kunzei RS2304でした.実はこのFNの情報は,ヒルホsp.クンゼイ?と疑問形になっています.姿形からして多分そうなのだと思います.早いうちから白い刺が球体を覆い,紫の肌色と相まっていい雰囲気を出しています. 蕾の様子はこんな感じ,ほとんど毛を纏わず緑の蕾が特異です. 花を見て正直驚いてしまいました.これはなかなかのもんじゃない?渋さの中に華...
精巧丸(Pelecyphora aselliformis)の良さはかなりサボテンに入れ込んでからではないとなかなか理解されないようです.覗き込まないとそのユニークな姿は見えてこず,ただ単に小さく地味なサボテンとしか見えません.種小名は,イボと刺の様子がホンワラジムシ(Oniscus asellus)に似ているからなのですが,よくぞこの名前を付けたと拍手です.日頃は忘れられたように栽培棚の隅で暮らしていますが,花は意外と美しいものです....
昨年,カクタスクラブの方からテネブリカ(Eriosyce tenebrica)の種子をいただきました.播種して間もなくキリンにいくつか乗せてみました.生育が遅いと聞いていたので,せっかちなボクは早く花がみたくて乗せちゃいました.スクスクと大きくなり,キリンの園で花を上げてきました.刺の様子、肌の色合いなとナピナの変種(E.napina var.tenebrica)と見る見方もあるのが頷けます.花色の変異はどれほど出るか,それも楽しみの...
独特の雰囲気を持つ眠り獅子は,少しマニアックな人向けのテロらしいです.そうなのかなー,ボクは好きだけどなーと思いながら,毎年花を楽しみにしています.なんとなくユーモラスな顔つきも好きだし,花も好きです.種子を採りたいと思い昨年もう一株手に入れました. なおこの眠り獅子は,Thelocactus phymatotheleという学名でしたが,今はT. rinconensisに統合されています.同じ種で,刺の強いのが鶴巣丸,短いのが眠り獅...
ハウスでは,何事も外よりひと足さきにやって来ます.アマガエルは年中活動していますが,この時期よく目に着くのが小さな虫たち,特に小さなカマキリはいたる所にいます.特にサボテンに悪さをするわけでもないので,眺めて楽しんでます.ヘキランの肩に乗って何を見ているのでしょうか. 兜の果実にぶら下がって小さいながらも戦闘モードでじっと何かが来るのを待っています. 実際のところカマキリの赤ちゃんはハウスの中で...
白花の太平だということで,以前から気になっていた太平丸変種サビキ(E. horizonthalonius var. subikii).ようやく種子を手に入れ蒔いてみました.キリンのおかげであっという間に顔が見えて来ました.この顔つきを見るとどうやら,いわゆる小平丸系の太平丸だとみました. そして花が咲いてみると,これは白花というよりは薄いピンク花です.これでは白花とは言えませんね. どうやらサビキは、花色の薄い小平丸の系統のよ...
外に地植えしている葉ウチワに防寒のためにビニルを被せたのは11月のことです.その時にうまく囲いの中に収まるように幾つか枝を払いました.その時,いくつかの茎葉を挿し木しておきました.春に芽吹いたら欲しい人もいるんじゃないかと思ってのことです.ハウス内に置いていたので2月になって盛んに芽を吹いて来ました.その芽が少し大きくなって来たのをよく見るとどうやら多くは花芽のようです.へーこんなになるんだと驚く...
白刺が美しいロビです.これは今年の初春,咲玉園さんの福袋に入っていたものです.ロビと書きましたが,Echinopsis aurea var. . quinesensis WR112です.故郷は,アルゼンチン San Luis州 Quines,変種名はこの地名から来ているようです.なおこの変種(var.)は,今はオーレアに統合されているようです. 力強い花芽が上がって来ました.蕾の形態は確かにエキノプシスです. 暖かさに後押しされ,あっという間に花開きました...
ウチには通称カニというなかなか優秀な紅葉ヘキランがいます.このカニを手にした13年前の姿を彷彿とさせる形をした実生がいます.その紅葉具合はどうでしょうか. 今年1月下旬の様子,頂部が少し色付いています. 2月下旬になり,色付きは進みましたが,イマイチです. 3月初旬に育苗バットから個鉢へ植え替えてやりました.関取になって大部屋から個室に移るようなものです. 4月上旬,このぐらいの紅葉が精一杯でしょう...
暖かさがますとアストロ達の開花は急に始まります.同時に繁殖苗の移植も急ピッチ.特別自分で必要なわけでもないのですが,兜はありませんか,と聞かれることもあって少し実生をしています.そのついでにちょっとお遊びの交配も.白ラン兜×赤花兜,この組み合わせには結構色々な形が出ます.加えて兜系雑種に特有と言うべき斑が出ます.ただこの斑は組織が陥没して醜い肌になるので,実生の小さい時に斑のない整ったものを選び...
どんどんと色々なサボテンたちの花が咲き,諸々の園芸作業も忙しい季節.じっくりと一つの花を見つめる時間的余裕がなくなります.4月に入ってなおたくさんのマミが咲いていますのでいくつかを紹介しておきます. この清楚な花はエステバネンシス(M. estebanensis).昨年初花を紹介しましたが,株が育っていい感じで花が咲くようになりました. 次は澄心丸(M. backebergiana).いかにもマミラリアらしい花輪を作ります.こ...
Acharagma roseanum SB4599を昨年蒔いてみました.キリンに乗せるとスクスクと成長しました.美しい金色の刺を密生し,なかなか美しい種です.和名は金盃とされています. 初めてアカラグマをみたのは2度目にメキシコに行った時でした.美しい金刺の小型サボテンだなと思いましたが,全く馴染みのない属で何者やらわかりませんでした.エスコバリアに近縁の属で,エスコバリアに統合するとする見解もあるようです.なおKEWはこ...
インターテクタス(Echinomastus intertextus SB120),が綺麗に咲いていました.実に穏やかで気品ある花姿です.長らくエキノマスタスとして慣れ親しんで来ましたが,今はSclerocactus intertextusとすべきでしょうか. SB120の故郷はNew Mexico州,Los Pinos Mountains, Socorro County ということです.Gmapでみると低木の点在する何もない荒野のようです. これはどちらか言えば英丸系なのでしょうか.全体を覆うように刺...
マミ棚をふと見ると見慣れない小さな花がありました.Mammillaria sphacelata FO65です.一応白星山という和名を頂いていますが,まず流通していません.また名前ほど白いわけでもありません. 覗き込んでみると健気に小さな花輪を作っています. 親指ほどの太さの茎の基部から仔を出して自然に群生になりかけてます.Pilbeamの本では8年で20−25cmになると,佐藤さんの本では50cmにもなると書かれています.小さいながら大群...
紅葉ランポーといえばヘキランに紅葉が入るのが普通です.通常の白点のあるランポーに紅葉系がないのは不思議でした.コロンさんが,紅葉のしっかり出る白点ありのランポーにマグマと名付けて出しておられます.紅葉の起源はよく知りませんが,紅葉と紅葉をかけるとその実生はほぼ紅葉になります.しかし紅葉と青物をかけるとその後代にはまず紅葉は出ません.紅葉の血が入ったはずの青物の後代にも紅葉はほぼ出ません.まるで潜...
ある朝,地味な小型サボテンの棚で,マグドガリーの鮮やかな黄色の花がパッと目に飛び込んで来ました.ああもう咲いて来たんだねと,しばし覗き込みました.見た目はかなり特異なサボテンですが,種子が採りにくく,かつ成長も遅いので,実生苗を作っている人はそれほど多くありません.この株も2018年播種でこのサイズです.とは言えもうすっかり大人で盛んに花を咲かせます.昨年はこれらを交配して無事種子を採りました. も...
雷帝と名付けられて太平丸は,今なお人気です.サボテン趣味を再開した15年前,ボクが子供の頃には雷帝なんかなかったよなーと少し前のめりになって幾つかの雷帝を買い求めました.そこですぐに気が付いたことは雷帝とは何か?がはっきりしておらず,名前先行で取引がなされていることでした.それは今も変わりません. 太平丸達の先陣を切って,雷帝の一つが早々に蕾をあげてきました.これは雷帝の顔をした6稜の太平丸です....
寒さが和らぐと綾波が動き始めます.赤い刺の先端が覗き始めると,おおっ今年もお目覚めかと嬉しくなります.いつものように今年は凄い刺が出てきたのではないか?と人の心を惑わせながら,幾つもの蕾もあげてきます.この時が最も楽しみな時間ともいえます.他人様が作った大株も良いけれど,やはり自分で種子を蒔いたものが愛おしい. この赤い蕾が開くまで,それほど時間を要しません.春の日の急な昇温に導かれ,あっという...
来週はもうGWの始まり,季節は春から初夏へ急速に変わりつつあります.サボテンの移植も続けながら,色々な草花の種蒔きもあって,頭が混乱しそうです.そんな中,エビたちが次々と咲きます.まずは珠毛柱,これはWilcoxia属でしたが今はEchinocereus schmollii.穏やかな花が結構好きです.垂れ下がるように作ろうと思いながら,ここ数年放置されています. チソエンシス(E.chisoensis),美しいエビサボです.気に入っているの...
移植をしているとマミラリア小苗に見慣れぬ花がありました.花の形からしてこれはバハグループだなと思われました.名札を見るとM. angelensis,メサから買った種子のようです.これはM.dioica subsp. angelensisとする見解もあるようで,なるほどなと思いました. 故郷はバハカリフォルニアの湾内のsla Ángel de la Guardaという島です.なかなか栽培が難しい種とされますが,バハグループは大体において気難しいですね. 一応...
マミラリアは色々と咲きすぎて,何を記事にすべきか迷っているうちに時間がすぎて行きます.本当は拘れば色々ツッコミ所があるはずですが,あー今年も咲いているなーとほぼスルーの面々. まず早くから咲いていた景清(M.sempervivi).近年は多毛景清ばかり,どうしたわけか多毛系は薄い花色でちょっと寂しいです.やはり景清はこんな花がいいですよね. そしてフラウテンベルゲリ(M. freudenbergeri syn. M. winterae)は...
これはMammillaria huajuapensis FO250として頂いた2株.刺の長さが随分と違う.小苗の時から違いは明瞭で,どっちがか間違いなんだろうなと思って見ていました.しっかり花が咲く大きさになり,改めて調べてみて,これは種内変異と見たほうが良いかと思い直しました.左の株は外観がミスタックスに似てるなと思っていたのですが,このhuajuapensisは,M.mystax var.huajuapensisとされ,さらに今はM.mystaxに統合されています....
色々な物価が上がり生活費を圧迫していると言われます.そもそも日常生活であまり買い物をせず,野菜などは自給しているわが身には物価高騰という印象はそれほどありません.確かに都会のホテル宿泊代は高騰しています.レストランでの食事代も少し高くなったように思います.果たしてサボテンの値段はどうでしょうか.先日東京へ行った際にいつものように西武屋上の鶴仙園さんをのぞきました. ハオルチアはせいぜい2−3千円で...
昨日は普通の綾波でしたが,今日はモンストの話です.ウチにいる綾波モンストは入手してから12年経ち,結構なサイズになっています.それなりの貫禄も出てきましたが,全く開花しません.でも真上から見た刺模様はとても魅力的です. これなら将来花が咲くかも,と経験豊かなランポーさんから小さな綾波モンストの袖接ぎ苗を頂いたのは2022年の6月のことです.これがその時の様子,アレオレは縦長になっていますが,稜線もはっ...
今年はどうしたことか綾波たちが元気です.早春からガツンと水をあげたせいでしょうか.春の綾波を見ると誰しもが,これはすごい刺が出て来たと期待してしまいます.大抵は普通の刺におさまるのですが,毎年騙されます. 綾波の花は文句なく綺麗です.太平丸などは個体間でかなり花色の濃淡があるのですが,普通の綾波はそれほど差がありませんね.花弁先端の羽状の切れ込みも大体皆同じです.これは王綾波系.ここ何年も本調子...
またまだ移植が終わらないのですが,今日からちょっと息抜きに出かけて来ます.昨年は丁度今頃メキシコへ行っていました.ですから昨年に比べるとなんとなく余裕のある4月なのです.昨年と比較して3月の気温が低く,サクラを始めとしてあらゆる植物の動き始めがゆっくりでした.しかし上手くしたもので,だんだんと追いついて来た感があります.サボテンたちも早春の花から初夏の花へと移行しつつあります.この花サボは,紫野×...
春の花レブチア&スルコレブチアがどんどんと咲いています.ハウスに入って彼らのかわいい花を見るとホッとします.そう言いながら栽培に力を注いでいるわけでもなく,春に植え替えするとあとはほぼ放置,中には調子を崩すものも出て来ます. 明るいオレンジ色の花のR.fiebrigii R784(= Aylostera walteri)です. ホフマニー(R.hoffmannii R521a), 温かみのあるオレンジ色の花.何度も咲いてくれるので,結構長い間楽しんでい...
超普及種の月影丸には赤花と白花があります.白花は原産地では確認されたことはなく,園芸生産の中で生まれたものとされています.この赤花と白花を相互交配してみました.後代は下の写真のように全て赤花になりました. もし白花が花弁の色素合成に関わる遺伝子の突然変異ならば,白花は1遺伝子の潜性(昔は劣勢と言いましたが,実態に合わない用語なので,学術的には使わないことになり,今はこれを潜性と言います)である可...
プシスの白花なんて誰も見向きもしないのかもしれません.しかし,朝まだ陽が差し込まないハウスに入り,この花を眺めるとその良さが分かります.これは大豪丸錦の花,何かを語りかけるかのようにこちらを向いているように見えます.仄かな香りを楽しんでから写真を撮りました. 下の写真の株は,Echinopsis subdenuda L943です.だんだんと大きくなり,たくさん花をつける様になりました.短毛丸や花盛丸系のものは相当な大株...
春は駆け足,毎日違った表情を見せながら,季節はどんどん進んでゆきます.ぼっとしていると色々なことを見過ごしてしまいそうな勢い,エビたちも次々と咲いてきます. これは白元(E. reichenbachii),少し花弁の先が弱くてヨレてしまうのが少し残念.全ての白元がこうなるわけではありません. そしてラウイ(E. lauii)穏やかな花色が素敵です.基部からだんだんと仔を吹いてきました.群生株となってたくさんの花を一斉に...
3月の終わり頃,白鷺多頭株にそれはたくさんの花芽が出てきました.これは期待できるぞと,ワクワクしながら待っていました. お天気がすぐれない日が続きましたが,薄日に反応して一斉に開花. 再び,三度と咲いてだんだんと豪華に,株全体が花で見えなくなりました. 花姿も良いのですが,一度開いた花が閉じた姿がまた良いですね. これらの多頭株は,キリンで大きく育成したものを胴切りして作ったものです.実生から3年...
瑞鳳系の中で,このニベウム(Astrophytum capricorne var. niveum)が今年は先陣を切りました.他のカプリコルネたちはようやく新刺を伸ばし始めたところです.いつ見ても彼らの花は魅惑的で,吸い込まれそうです.一体誰を誘ってるの?と聞きたくなります. このニベウムの不幸は以前に記事にしました.こうして横から見ると,普通の瑞鳳より刺はしっかりとしており,なるほど大鳳の系統だなと思わせます. 園芸的に言う白瑞...
今年はなんだか大文字白鳥が好調なようで,たくさんの蕾を上げてきました.ちっとも大文字らしくないねと言われそうですが,締めて作ると大文字の模様は出てきません.接木でふっくら作ると明瞭なのですが,今度は白鳥らしくなくなります.やはり白鳥は詰まった真っ白の刺じゃなくちゃと思っています. 程なくして一斉に開花しました.花は全く普通の白鳥です. もう一つ単頭の大文字がいます.これは少し大文字らしい縞が見え...
英丸(Echinomastus dasyacanthus SB120)が綺麗に咲いています.輝きのある伸びやかな花弁はとても綺麗です.草姿も花も桜丸に似ています.それもそのはず,E.intertextus subsp. dasyacanthus,つまり桜丸の亜種とされています.さらに今では,E.intertextusに統合する見解もあります. 形態的には英丸は刺が立っていて,素手で触ると刺がかなり当たります. しかし,実生を見ると刺が立っておらず,いわゆる桜丸とはあまり...
このマレッティアーナ(Copiapoa malletiana)は,昨年あるイベントの廣仙園さんのブースで手にしたものです.順調に成長して少し丸みを帯びて来ました. コピの花の写真を撮ってどうすんだってところですが,一応花が咲いたので撮ってあげることにしました.コピにしてはやや大きめの美しい花です. 日本の園芸家に馴染みの黒士冠は,C.dealbataという学名に対応するとされて来ました.園芸的理解は,白肌で一本の刺がシュッ...
随分と昔のこと,ある有名園で象牙宮と名札の立っている小さいパキポを買いました.その頃まだパキポのことは全く知らず,これがグラキリスなのかと思い持ち帰りました.程なく葉が展開して来ましたが,なんだか違うようです.でもずんぐりと育つ姿は,ちょっとそれらしくも思えました.その後たくさんのパキポを扱うようになり,ああこれは何かの交配種だと思うようになりました. しかしサイズは十分になったのになかなか花が...
ブイニンギー(Parodia buiningii)がこれでもかってほどド派手に大きな花を咲かせています.昨年も記事にしましたが,ガタイが大きくなりいよいよ本領発揮ってところでしょうか.こんなに大きな花が咲くと確かに見事です. これはGC783,04,刺色にかなり個体差がありますが,刺に色のつくタイプです. そしてこれがHU90,刺が白くて綺麗なタイプです.両方ともにウルグアイ産です. たまにサボテン屋さんで見ることもありま...
うちの古株のロビンソルム(Escobaria robbinsorum SB464)は,ウチに来てからかれこれ7,8年,刺が詰まりすっかり貫禄が出て来ています.故郷はアリゾナ州南東部コチセ郡です.衛星画像で見るといかにも乾燥していそうなところ,大きなスプリンクラーが作り出す緑の円がまるでオセロのように並んでいます. この古株の後代たちが色々いるのですが,数年前にキリンで育成して降ろしたものたちもしっかりして来ました.もうこれ以...