この紅梅殿(Turbinicarpus horripilus),ラベルを見ると10年前に西武屋上で手にしたことがわかります.ブログに初めて登場したのは その2年後,その頃は小さな単幹の株でした.そのうち基部から仔をふき始め,ゆっくりとそれが増えて行き,だんだんと群生株に近づいています.実生自根でどれくらいまで大きな群生株になるのか見極めたいなと思っています. 蕾や花の様子はこの仲間によくある形で,花の拡大を見せられると他種...
先日ウチワに接木したボンニアエのことを記事にしました.キリンウチワほどではありませんが,台にしたウチワから結構脇芽が出てきます.これはもぎ取れば済むことなのですが,以前にキリンで報告した腋芽抑制剤処理をするとどうなるか試してみました。5mm程度と1cm程度の脇芽を使ってみました. 昔の記事では,イエローリボンという薬剤を使っていましたが,現在は発売中止になっています.今はキリンの腋芽抑制にはエキガゾー...
ゲンリョウといってもダイエットではありません.減稜すなわち稜の数を減らすことです.昨日は多稜系太平でしたが,今度は逆です.減稜というのはどうなることを言うのかと言うと,下の写真のように稜の数が突然減って行くのです.それと2つの稜が一つに融合することもあります. 今見ていて綺麗だなと思える6稜の個体です.特に花王だとか雷帝だとか刺などの形質と稜数にはリンクは見られません.こうした形質を示す個体の相互...
太平丸は基本8稜のサボテンです.実生間もない頃ははっきりしませんが,下の写真のように1円玉ぐらいになる前にすでに8稜を示し,大株になっても同じ8稜です.多くのサボテンが成長に伴い,5,8,13,21とフィボナッチ数例に従うことを基本に増稜してゆくのとは対照的です.このように稜数が固定しているサボテンは少数派です. 以前から多稜系の太平丸には興味があり,いくつか集めていました.交配に使ったのですが,単に親...
秋のある日のこと,ふと眺めると綿毛を被ったメキシカーナ(Geohintonia mexicana)の花姿が目に留まりました.あまりにも素敵だったので,しばし鉢を手に取って覗き込み,写真を撮りました.この株は数年前に小さなカキコを頂き,発根させたものです.しっかり刺もあって,まだ若々しい印象です. 数日するとウチにいるもう一株,古株も花を咲かせました.これは10年以上前に手にして以来,本当にボチボチを成長してきた株です...
ウチには随分前からボンニアエが居て,増えた苗は色々な方の元へお嫁に行きました.これまでプシスに接いだりしたことがありましたが,ウチワに接ぐことはありませんでした.ほんの気まぐれからウチワ台を作って見たので,ボンニアエを接木してみました. ボクは糸かけなどという面倒なことが嫌いなので,なんでも伸縮包帯で済ませてしまいます.ウチワの刺座では包帯が留まらないので,短刺ウチワの刺を取って来て,ちょうど良...
紅葉系のヘキランたちが美しい季節になってきました.この時期,実生たちの紅葉の姿にはいつもいい色合いだな〜と目を留めてしまいます. 大体紅葉系といえば成長点付近が色付くのですが、中にはもっと下の方まで色が出てくるものがあります.この違いはなんなのか,緑の時は見分けがつきません. しっかり亀甲かつしっかり紅葉というのを目指しているのですが,小さい時の亀甲も紅葉もしばしば「二十歳過ぎればタダの人」的な...
キクの季節です.仕事では長らくキクと関わりましたが,リタイアしてからは手元に全くキクがなく,このような小さなキク科の花を見て,ああキクだなーと思うくらいです. このオトンナ クラビフォリア(Othonna clavifolia)手にしたのは6年前のことです.知らぬ間に図体はでかくなりました.当時は結構高かったのですが,今やダイソーにもあるというのですから,ちょっとびっくりです. 下から覗くと茎がどのように伸びたの...
ちょっと季節外れにも思える秋のオブレパンダ(Echinopsis obrepanda)です.秋らしくなって蕾が上がってきたのですが,ちゃんと咲くかなーと少し心配しながら見ていました. 例年に比べて気温の高い秋が幸いして,なんとか無事開花してきました.一般論ではありますが,ゆっくりと発達した花は概して大きく,見応えもあります. 朝ハウスに入るとしっかり咲いていました.僅かな香りも清々しく,ああ,いい花だとしばし見入っ...
亀甲牡丹は子供の頃から馴染みのサボテンです.その頃はゴジラなんてなかったので,一生懸命亀甲牡丹と連山の違いを確認していました.何が良型なのかわからず,何が大イボなのかも曖昧でした.その後ゴジラの時代になり,今なおゴジラ自体も進化を続けているのですが,ボクの気持ちはオーソドックスは亀甲牡丹に回帰しています. ウチにいる亀甲牡丹はいわゆるゴジラを除き,それぞれ少しずつ違う顔をしています. 今ボクは再...
秋の気温低下に伴い,水を吸ってむっくりと起き上がってくるマミラリアたちを見るのは実に楽しくかつ幸せを感じます.そろそろ明星たちが開花を始める季節ですが,今年はこの姫明星がいち早く存在をアピールしています.明星(Mammillaria schiedeana)は色々なタイプがあり,交配種を含めいくつもの園芸品種が出来上がっています.姫という接頭語をつけたマミラリアはいくつもあるのですが,いずれも小さい分枝をたくさん作る変...
今年の1月に黒肌明星における肌色の遺伝について記事にしました.その際に実生の写真を載せていたのですが,それらが育ってもう花をつけ始めています. 左側が銀の明星×黒肌明星,そして右側が黒肌明星×銀の明星,どちらがどちらか見分けがつかない感じです.両方とも肌色に差は見られず,肌色が濃くなっているようです.黒肌が完全な顕性かどうかは,まだ今の段階ではわかりませんが,少なくとも肌に色素の集積はしそうです....
一昨日最後まで残っていた薄手の白寒冷紗を外し,代わりに内張カーテンを伸ばしました.これは薄い遮光の役割も果たしてくれます.まだ肩の部分は開けていますし,サイドのカーテンも半分だけ降ろしています.これは当面はクルクルを少し開けて換気できるようにするためです. この時期の温度管理は,明け方の最低気温を気にするのではなく,どちらかといえば昼間の温度確保に重点を置きます.晴天日には朝から十分昇温する...
白ランモンストの花が正常ではないけど花粉は機能していることは先に記事にしました.その後も何度かこの白ランモンストの兄弟たちが花を咲かせましたが,皆外観は同じです. 花を縦に割ってみると,特に大きな異形はないようです.ただ明かな雌しべがありません. 雄しべだらけなのですが,その中に雌しべもどきがいました.柱頭がちゃんとできていません. 柱頭の下にある子房の部分は外観を見る限り正常にできているようで...
春からずっと外で雨ざらしの栽培を続けてきたパキポジウムもそろそろ中に取り入れる季節になりました.今年は春以降しばらく順調でしたが,夏の暑さは予想以上に大変でした.日中に暑くなったポリポットに水が入ると茹でパキポにならないか心配なくらいでした.灌水してもすぐに乾くし,全体にどの植物はぐったりでした.その分秋の雨の力には目を見張るものがありました.本格的な秋を迎え,パンパンに張ったパキポたちをみて一...
朝ハウスに入ると何やらツンとした薬くさいような匂いが充満していました.前日の昼間留守にし,夜暗くなってからハウスを閉めたので,何か動物でも侵入していたのかとハウスを見渡すも何も変わったことがありません.側窓のクルクルを上げて水やりを開始して初めてあー杢キリンが咲いているだと分かりました.これまでは外に置いてある株が開花したのを見て,写真を撮るなどしていたので,密室ではこんなに強い匂いになるとは知...
毎年秋になると咲いてくる白珠丸が今年も咲いて来ました.残暑が厳しく、ようやく涼しくなった9月下旬,何時ものようにちゃんと咲いて来たことに感心しました. 白珠丸には色々なタイプがあり,下の写真のような長刺タイプが最も流通しています. 長刺と言っても大株になると中刺はだんだん短くなっていくようで,図体がデカくなった分,相対的に刺短く見えることも相まって,中苗の時の刺の良さはだんだん失われてしまいます...
花を観賞するサボテンではないコピ達.しかし猛残暑の中でも,涼しくなった秋空の下でも,それぞれ元気に黄色い花を咲かせました.コピ達は驚くほどよく似た花を咲かせるのですが,周りの刺と肌色は様々です.そんな姿をちょっと記録してみました. 一本刺の黒士冠,それに囲まれて柔らかな雰囲気で花を咲かせていました.こんな写真にするとなかなかイケてるかも知れません. 接木のモリキキュラ,台の力を借りてモリモリ花を...
秋の陽射しの元でベルソルディが咲いています.春には大株も小株っも皆しっかりと開花してくれたのですが,諸般の事情から記事にできませんでした.なので秋の花を見て,春の素晴らしい開花を思い出しました.秋の成長期,このベルソルディも盛んに成長しています.この独特の刺は新しい時が最も美しいですね. そしてイボの間にはこの春に交配した花の果実が膨れています。もう種子が透けて見えるので,そろそろ穿り出しても...
急速に秋めく神無月の始め,今年最後と思われる太平丸の花がポツンと咲いていました.5,6月に一斉開花をする太平丸ですが,毎年のように秋にポツリポツリと咲きます.これがどのような意味を持つのか分かりませんが,同じ個体が咲くわけでもないので,個体の性質でないと思われます.すでに成長を休止している時期の花ですので,刺に挟まれ不整形となっています. これはいわゆる花王系の太平丸です.幼苗の時丸みを帯びてむっ...
このブログに何度も登場する銀姫ことMammillaria slevinii ,今年も6月,7月,8月そして9月と何度も群花を楽しませてくれました.下の2枚の写真はごく最近9月下旬のものです.いったい1年に何花咲かせるのか驚くばかりです.普通は滅多に仔吹きをしないので、1枚目の写真のように適当なところで胴切りして多頭株に仕上げた方が見栄えがします. こんな素敵なマミラリアなのにあまり流通することはなく,知らない人も多い種,そ...
今年の牡丹類の一番乗りは,この小さな亀甲牡丹です.全体に何やら何時とは違った開花の様子を見せるサボテンたちですが,牡丹類も何時もとは順番が違います.毎年9月頃から蕾を出して秋を待つメンバーが今年はダンマリです.やはり猛暑と猛残暑が開花時期を狂わせているのでしょうか. この株はShabomaniac!さんから頂いたもので,メキシコ産の種子由来の株です.どうやら2008年播種のようですから,すでに16年生です.彼の作...
今年の初夏にマグドガリーの交配を報告しました. その後何か鞘のようなものが見えてくるかなーと見ていましたが,一向にその気配はなく.すっかり忘れかけていました.あれから3ヶ月以上経ち,ふと見ると種子が見えています.まあ,なんとダイレクトな種子の埋もれ方. これは細いピンセットで穿るしかないなと,家に持ち込みました.そしてピンセットで種子を摘むと,ポロリ,あっという間に鉢の中に消えて行きました. こ...
今年はキリン接の穂が齧られないようにかなり気を使って防除して来ました.そんな中,手薄になった袖接のランポー錦に穴を開けられてしまいました.ある朝ふと見ると何やら白い粉のようなものが付いています.しまった,またやられたか.粉は芋虫のフン,しかも新鮮なフンなので白いのです. 振り払ってみると成長点付近に穴が空いています.穴の中でお食事中かと,穴の中を細い棒で突いてみました. 程なくして小さな芋虫が出...
これまで何度か開花していた鬼面角,秋がやって来たのですが,最後の一踏ん張りをしていました.せっかくなので写真を撮ってやろうと夕食が終わりすでに暗くなったハウスへ向かいました.7時すぎでしたが,まだ蕾は半開きでした.仕方なく引き返し,9時前にもう一度ハウスへ,今度はなんとか開いていました.冷気の中で咲く花は,真夏の夜の花とはちょっと違うようにも見えます. 初夏の頃はもっと早い時間に開いていましたが,...
秋になったなと思ったら,ホッケアの火星人が一斉に花をつけました.とは言え地味な花なので覗き込まないと分かりません.しかし,カメラのファイダーという小宇宙の中でこの花を見ていると,もしかすると火星人という名前は花を見てつけたんじゃないのかと思えて来ました. 今から7年前に来たこの株は,だんだんと大きくなり,芸のある地下部はすっかり貫禄が出て来ました.わざわざ素直に生育していないイモを選んだのは大正...
わずかですが有星類もキリンに乗せています.個体発生は系統発生を繰り返すと言いますが,有星類の実生接はその形態変化が実に興味深いのです. これは白ランモンストで以前に記事にしたものと同じ系統の種子で,すでにモンストになる顔になっています.この刺の出方は,なんとなく般若の関与を類推させます. 大抵の白ランモンストは生殖機能が低下しており,退化した(正確にいうと雄蕊化した)雌しべを持ちます.でもこのモ...
先の日曜は大阪でプランツジャンキー9thがありました.会場はいつものATC,昨年に引き続きの参加です. 朝10時半ごろ入ったのですが,ごった返している様子はありません.落ち着いた人出といったところでしょうか.ただ若い人が圧倒的で,ボクのような白髪の老人はほとんどいません.知り合いに一通りご挨拶して,あとは何度もブースを見て回りました. ブースの品々を眺め回すと,サボテンは全体の4割ほど,旧来の多肉でもな...
昨年の春に育苗バットに播種した(平蒔きした)太平丸です.いつも播種に使っているタキイのたねまき用土を深さ3cmぐらいバットに敷き,そこへバラバラと低密度で播種しました.その上からいつものように細かい砂利を敷き,スーパーのレジ袋のようなものですっぽり覆って発芽を促しました.発芽後はしばらく他の実生と同居していましたが,その後はフレームの平場へずっ置かれていました.ボクはこれまで,25穴のトレーを使った...
先週末にお邪魔して来ました.今年は6月に行っているので,そんなに久しぶりではありませんが,ここへは何時もワクワクして行きます.いつものように駅で拾ってもらいました.天気予報は良い天気でしたが,今にも降り出しそうな空模様でした.丁度オークションが開催されていましたので、出品物を生でまじまじと観察.やはりWeb上の写真目見るのとはかなり違いますね.ハウスの中は,いつもながらバライティーに富んでいて,見て...
最近渋さがちょっと人気のエリオシケも色々導入してみています.もともとネオポルテリアが大好きなので,それにつられてコレクションが周辺に広がりつつあります. 最初はNeoporteria coimasensis KK1554です.ネオポルらしいネオポル,今はEriosyce senilis subsp. coimasensisとなっているのでしょうか.セニリスは本当に変化に富んでいますね. 次はPyrrhocactus strausianus DJF337,今はEriosyce strausianaです.いかに...
池袋西武は外資を挟んでヨドバシカメラに売却され,大幅にその姿を変えようとしています.デパート面積は約半分になり,ヨドバシカメラが入ります.そんな中で屋上の鶴仙園さんはどうなるんだろうかと心配していました.鶴仙園さんのXで,売り場を拡張して9月から新規スタートという記事を読み,これはどうなったのか見に行かねばと思い,先日行ってみました.池袋西武デパートに着くと,いつもの地下入り口が閉鎖されています,...
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この紅梅殿(Turbinicarpus horripilus),ラベルを見ると10年前に西武屋上で手にしたことがわかります.ブログに初めて登場したのは その2年後,その頃は小さな単幹の株でした.そのうち基部から仔をふき始め,ゆっくりとそれが増えて行き,だんだんと群生株に近づいています.実生自根でどれくらいまで大きな群生株になるのか見極めたいなと思っています. 蕾や花の様子はこの仲間によくある形で,花の拡大を見せられると他種...
メンゼリー(Pediocactus peeblesianus f. menzelii)が咲いてきました.3年前に播種し,すぐさまキリンに乗せ,翌年初夏に短いキリンの茎をつけて降ろしました.その時の様子を記事にしましたが,降ろしてからしばらくは気を使い過ぎて灌水も控えめ,成長もわずかでした.この春に植え替えたのですが,キリンの根はやはり灌水控えめだったので,なんとなく貧弱でした.植え替えが刺激になったのか,これまで全然開花の兆しがな...
これはM. guillauminiana TL45,故郷はデュランゴ州El Carrizoということです.この種はM.mercadensis(鳩目丸)のシノニムとなっています.このTL45は何年か前に蒔いたのですが,一株だけ生き残り大きくなって来たものです.典型的なカギ刺マミの風貌しており,ピンクの花もまたマミらしいマミと言えます. このメルカデンシスには初桜,鳩目丸,妙麗丸,名華殿などいくつもの和名が与えられています.どうしてこうなったのか...
Rapicactus beguinii は,Turbinicarpus mandragora subsp. beguiniiとされることもあります.日本ではこの比較的大きなピンクの花をつけるタイプを白狼(琅,こちらが正しいか)玉と呼んでいます.ウチの双頭の白琅玉は今年植え替えてやり元気にしています.これからかなりの時間をかけてたくさんの蕾を次々と開花させます. Rapicactus beguinii にはいくつか亜種が提案されており,その中の一つであるRapicactus beguinii su...
ようやく安定した暖かさがやってきました.2月3月と気温が低く,足踏みをした感のある春が本格的に動き始めています. 夢幻城,M. magnimammaの1タイプです.この強く湾曲したコルク質の刺が魅力的,そこにピンクの花がよく映えます. M. rekoiには色々なタイプがいるのですが,このML370はよく目立つ真紅の花を咲かせます.レプタカンサはこれの変種ですが,なるほどねと思わせる花色です. この雲峰はもう10年以上ウチに居...
毎年ソメイヨシノのサクラの便りよりずっと早くにこちらの桜は咲いてきます.蕾がたくさん見えるとああ春が近いなと嬉しくなります. 3月の中旬になると毎年咲いてくるのですが,桜丸(Echinomastus intertextus)の花は上品な美しさとでも言いましょうか,見るものをホッとさせるような美しさです.自分で交配して実生した苗たちもすっかり大きくなり,もう新たに種子を蒔く必要はすぐにはなさそうです.でも種子は必要って人...
以前にMesaからワルノッキー(Echinomastus warnockii SB452)だと思って蒔いた種子,その後このSB452については,Echinomastus mariposensisだとしたり,Echinomastus hispidusだとしたり色々な情報がweb上に流れていました.現在のMesaのカタログではSB452をヒスピダスとしています.でもFNの検索サイトでは未だにワルノッキーとしており,Kewはヒスピダスそのものを認めていません.SB452はクアトロシネガス産とのことですが...
ドクロのポットにアルビコマ綴化を植えたのはおそらく2年前だと思います.面白がって何度か展示したりしていました.いつの間にかパンパンになって植え替えてやらねばならないと思いつつ先延ばししていました. ドクロのポットもサボテンに押されてヒビが入って来ました. これはもう限界だろうということで植え替えることに.どうにかこうにかポットの破壊も最小限に抑えて,なんとか引っ張り出しました.当初このポットは排...
2月の終わりから3月にかけて,テロカクタスも次々と花を咲かせてきます.穏やかなで気品のあるテロカクタスの花は,見るものを安心させます. この鶴巣丸(T. rinconensis)はもう長いことウチにいるのですが,最初にここに登場したのは12年前のことでした.毎年春一番に咲くテロです. 武者影(T. hexaedrophorus subsp.lloydii)の小株です.ガタイをすっかり覆う花,テロらしい花です. これは鶴武者,上の2種の種間交雑種...
これはMammillaria thomsonii F83とされるものです.チェコの業者からの種子ですが,このF83というFNは検索サイトではヒットしません.故郷はデュランゴ州 Canyon de Caballoということです.まだ正式に記載されていない種であり,M. nazacensisやM. brachytrichionに近く、おそらく近縁種と考えられています.要するに陽炎系の種ということです.とにかく小さい時からよく咲くという特徴があるようです.昨年初夏に播種したもの...
夕凪丸(M. melanocentra)は子供の頃から知っていました.華やかなピンクの花は憧れの存在でした. このメラノケントラSB557は,白花です.まだ若苗ですが,それらしい姿になっています.故郷はヌエボレオン州 Huesteca渓谷,何度か歩いたことのある地域です. これはピンク花で,FNはMK 136.425, 故郷はコアウィラ州Sierra de la Pailaとのこと,FNの情報ではこれを M. rubrograndisとしています.うーんこれがメラノケン...
ウチには以前に手にした強刺緋冠竜が居ましたが,ウチの環境に合わず,早々に調子を崩しました.それでもウチに古くから居る赤刺の美しい個体と交配して,できた実生を3つだけキリンに乗せてみました.3個体とも少し顔つきは違いますが,いずれもまあまあ赤い刺を出しています.これは接木して1年が過ぎた昨年夏の様子です. そして年が明け,そこそこの刺を出しながら,早々に咲いて来ました.緋冠竜らしい花だなと感心するの...
ガッセリアーナの多頭株を作ろうとしてなかなかうまくはいかないもんだといく記事を書いたのは去年の夏のことでした.それぞれが開花期を迎え,姿形が異なることよりそれぞれの花色が違うことが気になりました.この3個体は,花色の薄めの個体と濃いめの個体との交配からの後代なのですが,花色は個体ごとに微妙な変化がありました. このガッセリアーナ(M. gasseriana)というマミは,ラシアカンサに含めるとする見解もあり...
2月の中頃から白閃(Cleistocactus strausii)の蕾がたくさん見えて来ました.だいぶんと落ち着いて大人顔になり名前に相応しい白い柱サボテンになっています.綿毛を纏って伸びてくる蕾はなかなかいい雰囲気です. この蕾は柱の東面に集中して着きます.この株は冬になる前に鉢を少し移動させましたが,大きくは回転させていません.一体いつの時期の方角がこの花芽分化を決定させるのか興味のあるところです. 花は独特の形を...
3月中旬,暖かかったり肌寒かったり春らしい天気でした.マミラリアたちは次々と咲いてきます. ピコ(M. spinosissima 'Pico'),風貌は全く違いますが,花が咲くとああスピノッシシマだなと思わせます.大きくなるとなんとなく可愛さが失われてしますので,小株がいいなと思っています. この金洋丸錦は随分と前からウチに居ます.毎年春になるとこの花を眺めながら,子供の時にワクワクして眺めた小さなフレームの中のサボテ...
ようやく春らしくなって来ました.今年の1,2月は低温の日が多かったような気がしていました.春になって周りを確認すると例年以上に外組のサボタニたちが被害を被っています. アロエ医者いらずと名前不明なアガベ.昨年はこれほどでもなかったのですが,両者とも相当葉が溶けました. 一方その横で,プシス,エビサボのレイケンバッキーと青王丸などは縮ながら耐え忍んだようです.彼らは本当に強いですね. 予め弱いこと...
三月をさす弥生という言葉は,「木草(きくさ)弥(いや)生(お)ひ茂る月」に由来するそうです.3月に入りサボテンたちの開花もスピードアップ,全てを追いかけていられません.アンソロジーでいくつか載せておきます.ドドソニー(M.deherdtiana subsp. dodsonii),去年もアンソロジーで取り上げられてました.いくつかある株が決して同時に咲かないという仲の悪さが災いしてます. ダシアカンサ(Mammillaria laui subsp....
春のハウスをボーッと眺めていると大多数の花たちはピンク系の花であることに気が付きます.そんな中でわずかに咲く白花は否が応でも目につきます. 白花バラ丸,ピンクのバラ丸が咲き誇るそばで,負けじと花宴を開いています.この株は接木で養成した多頭株ですが,豪華に咲くと悪くないなと思います. これは白花縮玉という名で手にしたもの.そもそも縮玉と呼んでいるサボテンが多様なので,これが本当にマルチコスタータな...
このカルメナエは,始めは綴化株でした.長く伸びた成長線上に次々と小さな普通の分枝のようなものができて,今はまるで石化のようになっています.綴化のままが良かったのですが,こればかりは制御のしようがありません.マミラリアの綴化ではこんな風になるものが結構あります. 花はごく普通なのですが,これまで幾度も挑戦したのに実ができません.どうしたことでしょうか. 綴化株から小粒の多頭株が生まれるのは白鳥など...
陽炎というネーミングセンスにはいつも感心させられます.この陽炎はM. pennispinosaという学名をいただいており,羽毛のような刺という意味です.この種の特徴はたくさん伸びるカギ刺ではなく,羽毛のような側棘を持って種小名にしたのはなかなか目のつけどころが良いと言えます.さらにこれを陽炎と名付けた日本人のセンスも光ります.ゆらゆらとしたところでもよし,春の季語になっている点でもよしです. たくさんの花を一...
先の土日,地元のカクタスクラブで滋賀の廣仙園さん,愛知の三河サボテン園さんを巡る一泊二日のツアーに乗っかって来ました.いつもは一人で気ままに訪ねる旅ですが,今回は大人数です.バスの中も食事時もサボテン談義を楽しく繰り広げました. 廣仙園さんには1日目午後に到着,いつものように2匹のワンコに出迎えられました。参加者のほとんどがサボテン屋さんを訪問する経験があまりなく,ずらりと並ぶサボテンに歓声をあ...
この時期どんどんいろんな花が咲いてくるので,どうしても記事にするのをスルーしてしまうものが出て来ます.せめて今年の姿だけでも記録に残そうと思い,マミのいくつかをアンソロジーで紹介しておきます. 銀紗丸,由来がよくわからない交配種.でも丈夫でよく花が咲きますね. ラウイ・ダシアカンサ.実に色々なダシアカンサがありますが,小粒であまり刺の痛くないのが人気です.少し増やしてよと頼まれたので,交配して...
春星が咲いています.この株は4年前の冬にホムセンから救出してきたものです.すっかり大きくなりました.これは去年の姿. そしてこれが今年の春,毎年ひと回り大きな鉢に移植しないといけない成長っぷりです.どこまで大きくなるのか,楽しみにしています. これは刺のタイプか異なる白雪姫と呼ばれる系統です.園芸的にはこの方がより優れていますが,やや成長が遅い感じがします. 春星はMammillaria humboldtiiという学...
ヨンストニー(M. johnstonii)には色々なタイプが存在します. FNのついた株を比較するとその多様性がわかるのですが,やはり鮮やかな赤い花の系統が良いなと思います. さらに園芸的には10年前に手にしていたエルモシヨと名付けられていた株のようなうねる刺のものが優れているように思います.その元株は調子が悪く,今も燻っています.しかしその子が元気に育っています.でもなかなか親子超える優れた刺の個体は得られませ...
今年の2月に関白の花が咲いたことを記事にしています.一休みして,春にたくさんの蕾を上げて来ました. 一見すると花筒が長いように錯覚しますが,横から見ると花筒はとても短いことがわかります. 下の写真はFNのついた実生で,小さいのに早くも花を上げて来ました.故郷はCoahuila州のHipolito付近です.彼らの故郷は,本当に過酷なところで,今日本でぬくぬくと育っているのは幸せなことなのだろうと想像します. M. coah...
花笠丸が賑やかに咲いています.どこにでもある駄物と言われてますが,スルーできない美しさがあります.3年前に一度記事にしていますが,それ以来の登場です.ちゃんと毎年花を咲かせていたのですが,なかなかフォトジェニックな瞬間が捉えられませんでした.このサボテンは,とてもたくさんの蕾をつけるのですが,その発達は一様ではなく,思ったほどたくさんの花が一斉には開かないのです.蕾の時はオレンジがかっていますが...
3月の初め柱類に水をやっているとアズレウス柱(Pilosocereus pachycladus)の先端のアレオレが何やら黒いのです.近づいてみるとなんと蕾です.全く期待していなかったものを発見するといつもワーっとなるのですが,この時も本当にびっくりしました. しばらくすると鱗を纏った蛇の頭のような蕾が伸びて来ました.なるほどセレウス類の蕾です. そして春分の日ごろ,もう少し蕾が大きくなってから咲くのかなと思っていました...
澄心丸(M. backebergiana)が咲いています.この株は7年前に初めてこのブログに登場しています.その時にすでにやや縦長,胴切りして多頭化を試みました.幾つも仔を吹くまでは良かったのですが,その分枝の成長の遅いこと.ようやく全体に花が着くようになりました. 切った先端は挿し木しておいたのですが,それがまた早くも縦長になっています. このバッケベルギアナは,ケレタロ州やミチョアカン州などが故郷で,崖にぶ...
この金洋丸(Mammillaria markiana)はもう8年もウチに居ます.その割に大きくなっていないんじゃない?とも思えますが,径はほぼ倍にはなっています.毎年穏やかな黄色の花を咲かせてくれます. 斑入り株なのですが,斑入りの部分が多くないため,ガタイは変形することなく,ごく普通の株のように育っています. 成長点付近の斑色は鮮やかなのですが,もともとこの金洋丸がやや黄緑色のガタイをしているため,なんとなくボケ...
どこにでもあるからという理由で取り上げない訳にはいかない魅力がこの雪晃(Parodia haselbergii)にはあります.この時期SNSに花が咲いたよとアップするたくさんの方の写真を見ていると,愛されているサボテンであることがよく分かります.白い刺の中に出てくるルビーの蕾を見て,ああ素敵だと思わない人は居ないと思います.逆にフン雪晃か---と見向きもしないサボテンマニアは,どこか感性が錆びついているに違いないと思い...
Gymnocanctus beguiniiは,日本では白狼玉として鮮やかなピンクの花色を持つタイプが普通です.しかし,この種の花色には相当濃淡があるのが実態の様です.これはザカテカスタイプとして廣仙園さんから分けてもらったものです.白狼とは違うよと言われ,どんな花が咲くか楽しみにしていました. 3月になり,ハウスの気温が上がるとまもなく開花しました.なんとも穏やかな色合いです.2月に載せたザラゴザエに似た花形と花色で...
奇仙玉(Matucana madisoniorum)が咲いています.決まった開花時期というものがなく,年中咲いているといった感じです.でも毎回蕾が上がってくるとなんとなく開花を待ち侘びでしまいます. 今回は3輪の同時開花です.大株になるともっとたくさん同時開花するようですが,ウチでの成長はさほど早くなく,SNSでたまに見る巨大株になるまでには,こっちの寿命が尽きそうです. この花は上下がありそうでない花です.大体咲く時...
緋冠竜は,天晃や武者影などとともにThelocactus hexaedrophorusという一つの種に括られます.ヘキサドロフォルスは六面体という意味で,イボがそのような形をしていることから付けられました.このヘキサドロフォルスの中で,緋冠竜は最も人の手が加わったというか,改良が進んでいるものといえます.できるだけ赤く太い刺を目指して優良個体が選抜されています.おかげで下の写真のように花がなんだか咲きにくくなっているのが...
これはクラーヘンビュリー(Mammillaria kraehenbuehlii)じゃないかなということで,長らくうちのマミ棚にひっそりと暮らしています.ラベルには2017年とありますから,もう7年も居るわけです.だんだんと仔の数が多くなって来ていますが,何しろ小型の種ですから,今でも3号鉢に植えられています. 花の様子は姫春星などを彷彿とさせる形態です.小さなガタイに可愛い花をつける姿はとても愛らしいですね. このクラーヘンビ...
この時期,多くの方のSNSで菊水(Strombocactus disciformis)の花がアップされます.全国でほぼシンクロして3月上中旬に咲くようですね.毎年まるで花束にしたようなクリームの花をたくさん咲かせてくれます. 菊水は,種小名にあるように円盤状に育つのが特徴.でも栽培下では柱サボテンのようになったものを時々見受けます.光の不足と共に水のやり過ぎですね. 少し丈が高くなったものも水を辛くするとだんだん先端が沈ん...
2月の終わりごろ,月宮殿の白い刺の間に赤いぽっちりが見えて来ます.これを見ると,ああ今年も春が近くなって来たなと思います. そして3月の半ばに差し掛かる頃,一つ二つと咲いて来ます.毎年たくさん蕾がつくのですが,同じように現れたように見える蕾にも若干の発達の遅速があり,なかなか一斉には咲きません.そのパターンは毎年違うので,楽しみながら眺めています. それにしてもこの花の形態は独特ですよね.まるでハ...
ルブログランディス(Mammillaria melanocentra subsp. rubrograndis)が魅惑的な花を咲かせています.メラノケントラのピンク花に比べても力強さを感じます. この株は2022年にグランカクタスさんから連れ帰ったもの.こうした金平糖マミに時々見られることですが,長らく移植されないと縦長に育ってしまいます.この株は横幅より縦が長いという,マミらしからぬ姿をしていました.ラン鉢に上て誤魔化していたのですが,これで...
Stenocactus multicostatusには色々なタイプがあり,それぞれ振武玉,縮玉,千波万波と園芸名が付けられてきました.前同じというのは寂しいことで,それぞれの形態的特徴に従って付けられた和名も大切にしたいところです.中刺が勇壮な振武玉は,優良系統が選抜され,かなり特徴のはっきりしたものになっています.そのプロトタイプとも呼べるものはメキシコの荒野にも生えていました. またいわゆる縮玉と呼ばれるサボテンは...
これはMammillaria sinforosensis subsp. cobrensis TL495です.この学名は M. lindsayi var. cobrensisのシノニムとされ,今はM. standleyiに統合されています. 確かにスタンドレイの中にはこれとそっくりなものもありますね.ただスタンドレイは赤花のものが多いと思いますが,これは綺麗な黄花. これはウチにいくつかある別個体なのですが,あまり目立った種内変異はありません. シンフォロセンシスといえば,ウチには...
渋くてオトナなルニオニーの花が咲いています.どうしてこのような渋い花がよく見えるのかボク自身もうまく説明できません.しかし,バラやカーネーションなどでもちょっと病気じゃないの?って色合いの花が一定の評価を受けるところを見ると,ヒトの心にはそんな面もあるのだろうと推察されます. なおルニオニーはベラなどと共にE.emskoetterianaに統合されています.元々小型種ですが,だんだんと群生して来ます.2年前と比...