イギリスのサボテン・多肉植物協会のFBに古い接木の紹介記事が載っていました.書いた人はどうやら日本人です.このFUJIO HIRATAというのは何方かなと思い色々調べてみました.あるところで平尾博さんが,「実生接というものの始まりは1950年代後半」で,「東京・上野の松坂屋の近くで印刷業を営んでおられた平田藤男さんが考案されたのが最初と思う」と書いておられます.この平田藤男さんがこの写真のノートの著者と思われます...
先日ウチワに接木したボンニアエのことを記事にしました.キリンウチワほどではありませんが,台にしたウチワから結構脇芽が出てきます.これはもぎ取れば済むことなのですが,以前にキリンで報告した腋芽抑制剤処理をするとどうなるか試してみました。5mm程度と1cm程度の脇芽を使ってみました. 昔の記事では,イエローリボンという薬剤を使っていましたが,現在は発売中止になっています.今はキリンの腋芽抑制にはエキガゾー...
ゲンリョウといってもダイエットではありません.減稜すなわち稜の数を減らすことです.昨日は多稜系太平でしたが,今度は逆です.減稜というのはどうなることを言うのかと言うと,下の写真のように稜の数が突然減って行くのです.それと2つの稜が一つに融合することもあります. 今見ていて綺麗だなと思える6稜の個体です.特に花王だとか雷帝だとか刺などの形質と稜数にはリンクは見られません.こうした形質を示す個体の相互...
太平丸は基本8稜のサボテンです.実生間もない頃ははっきりしませんが,下の写真のように1円玉ぐらいになる前にすでに8稜を示し,大株になっても同じ8稜です.多くのサボテンが成長に伴い,5,8,13,21とフィボナッチ数例に従うことを基本に増稜してゆくのとは対照的です.このように稜数が固定しているサボテンは少数派です. 以前から多稜系の太平丸には興味があり,いくつか集めていました.交配に使ったのですが,単に親...
秋のある日のこと,ふと眺めると綿毛を被ったメキシカーナ(Geohintonia mexicana)の花姿が目に留まりました.あまりにも素敵だったので,しばし鉢を手に取って覗き込み,写真を撮りました.この株は数年前に小さなカキコを頂き,発根させたものです.しっかり刺もあって,まだ若々しい印象です. 数日するとウチにいるもう一株,古株も花を咲かせました.これは10年以上前に手にして以来,本当にボチボチを成長してきた株です...
ウチには随分前からボンニアエが居て,増えた苗は色々な方の元へお嫁に行きました.これまでプシスに接いだりしたことがありましたが,ウチワに接ぐことはありませんでした.ほんの気まぐれからウチワ台を作って見たので,ボンニアエを接木してみました. ボクは糸かけなどという面倒なことが嫌いなので,なんでも伸縮包帯で済ませてしまいます.ウチワの刺座では包帯が留まらないので,短刺ウチワの刺を取って来て,ちょうど良...
紅葉系のヘキランたちが美しい季節になってきました.この時期,実生たちの紅葉の姿にはいつもいい色合いだな〜と目を留めてしまいます. 大体紅葉系といえば成長点付近が色付くのですが、中にはもっと下の方まで色が出てくるものがあります.この違いはなんなのか,緑の時は見分けがつきません. しっかり亀甲かつしっかり紅葉というのを目指しているのですが,小さい時の亀甲も紅葉もしばしば「二十歳過ぎればタダの人」的な...
キクの季節です.仕事では長らくキクと関わりましたが,リタイアしてからは手元に全くキクがなく,このような小さなキク科の花を見て,ああキクだなーと思うくらいです. このオトンナ クラビフォリア(Othonna clavifolia)手にしたのは6年前のことです.知らぬ間に図体はでかくなりました.当時は結構高かったのですが,今やダイソーにもあるというのですから,ちょっとびっくりです. 下から覗くと茎がどのように伸びたの...
ちょっと季節外れにも思える秋のオブレパンダ(Echinopsis obrepanda)です.秋らしくなって蕾が上がってきたのですが,ちゃんと咲くかなーと少し心配しながら見ていました. 例年に比べて気温の高い秋が幸いして,なんとか無事開花してきました.一般論ではありますが,ゆっくりと発達した花は概して大きく,見応えもあります. 朝ハウスに入るとしっかり咲いていました.僅かな香りも清々しく,ああ,いい花だとしばし見入っ...
亀甲牡丹は子供の頃から馴染みのサボテンです.その頃はゴジラなんてなかったので,一生懸命亀甲牡丹と連山の違いを確認していました.何が良型なのかわからず,何が大イボなのかも曖昧でした.その後ゴジラの時代になり,今なおゴジラ自体も進化を続けているのですが,ボクの気持ちはオーソドックスは亀甲牡丹に回帰しています. ウチにいる亀甲牡丹はいわゆるゴジラを除き,それぞれ少しずつ違う顔をしています. 今ボクは再...
秋の気温低下に伴い,水を吸ってむっくりと起き上がってくるマミラリアたちを見るのは実に楽しくかつ幸せを感じます.そろそろ明星たちが開花を始める季節ですが,今年はこの姫明星がいち早く存在をアピールしています.明星(Mammillaria schiedeana)は色々なタイプがあり,交配種を含めいくつもの園芸品種が出来上がっています.姫という接頭語をつけたマミラリアはいくつもあるのですが,いずれも小さい分枝をたくさん作る変...
今年の1月に黒肌明星における肌色の遺伝について記事にしました.その際に実生の写真を載せていたのですが,それらが育ってもう花をつけ始めています. 左側が銀の明星×黒肌明星,そして右側が黒肌明星×銀の明星,どちらがどちらか見分けがつかない感じです.両方とも肌色に差は見られず,肌色が濃くなっているようです.黒肌が完全な顕性かどうかは,まだ今の段階ではわかりませんが,少なくとも肌に色素の集積はしそうです....
一昨日最後まで残っていた薄手の白寒冷紗を外し,代わりに内張カーテンを伸ばしました.これは薄い遮光の役割も果たしてくれます.まだ肩の部分は開けていますし,サイドのカーテンも半分だけ降ろしています.これは当面はクルクルを少し開けて換気できるようにするためです. この時期の温度管理は,明け方の最低気温を気にするのではなく,どちらかといえば昼間の温度確保に重点を置きます.晴天日には朝から十分昇温する...
白ランモンストの花が正常ではないけど花粉は機能していることは先に記事にしました.その後も何度かこの白ランモンストの兄弟たちが花を咲かせましたが,皆外観は同じです. 花を縦に割ってみると,特に大きな異形はないようです.ただ明かな雌しべがありません. 雄しべだらけなのですが,その中に雌しべもどきがいました.柱頭がちゃんとできていません. 柱頭の下にある子房の部分は外観を見る限り正常にできているようで...
春からずっと外で雨ざらしの栽培を続けてきたパキポジウムもそろそろ中に取り入れる季節になりました.今年は春以降しばらく順調でしたが,夏の暑さは予想以上に大変でした.日中に暑くなったポリポットに水が入ると茹でパキポにならないか心配なくらいでした.灌水してもすぐに乾くし,全体にどの植物はぐったりでした.その分秋の雨の力には目を見張るものがありました.本格的な秋を迎え,パンパンに張ったパキポたちをみて一...
朝ハウスに入ると何やらツンとした薬くさいような匂いが充満していました.前日の昼間留守にし,夜暗くなってからハウスを閉めたので,何か動物でも侵入していたのかとハウスを見渡すも何も変わったことがありません.側窓のクルクルを上げて水やりを開始して初めてあー杢キリンが咲いているだと分かりました.これまでは外に置いてある株が開花したのを見て,写真を撮るなどしていたので,密室ではこんなに強い匂いになるとは知...
毎年秋になると咲いてくる白珠丸が今年も咲いて来ました.残暑が厳しく、ようやく涼しくなった9月下旬,何時ものようにちゃんと咲いて来たことに感心しました. 白珠丸には色々なタイプがあり,下の写真のような長刺タイプが最も流通しています. 長刺と言っても大株になると中刺はだんだん短くなっていくようで,図体がデカくなった分,相対的に刺短く見えることも相まって,中苗の時の刺の良さはだんだん失われてしまいます...
花を観賞するサボテンではないコピ達.しかし猛残暑の中でも,涼しくなった秋空の下でも,それぞれ元気に黄色い花を咲かせました.コピ達は驚くほどよく似た花を咲かせるのですが,周りの刺と肌色は様々です.そんな姿をちょっと記録してみました. 一本刺の黒士冠,それに囲まれて柔らかな雰囲気で花を咲かせていました.こんな写真にするとなかなかイケてるかも知れません. 接木のモリキキュラ,台の力を借りてモリモリ花を...
秋の陽射しの元でベルソルディが咲いています.春には大株も小株っも皆しっかりと開花してくれたのですが,諸般の事情から記事にできませんでした.なので秋の花を見て,春の素晴らしい開花を思い出しました.秋の成長期,このベルソルディも盛んに成長しています.この独特の刺は新しい時が最も美しいですね. そしてイボの間にはこの春に交配した花の果実が膨れています。もう種子が透けて見えるので,そろそろ穿り出しても...
急速に秋めく神無月の始め,今年最後と思われる太平丸の花がポツンと咲いていました.5,6月に一斉開花をする太平丸ですが,毎年のように秋にポツリポツリと咲きます.これがどのような意味を持つのか分かりませんが,同じ個体が咲くわけでもないので,個体の性質でないと思われます.すでに成長を休止している時期の花ですので,刺に挟まれ不整形となっています. これはいわゆる花王系の太平丸です.幼苗の時丸みを帯びてむっ...
このブログに何度も登場する銀姫ことMammillaria slevinii ,今年も6月,7月,8月そして9月と何度も群花を楽しませてくれました.下の2枚の写真はごく最近9月下旬のものです.いったい1年に何花咲かせるのか驚くばかりです.普通は滅多に仔吹きをしないので、1枚目の写真のように適当なところで胴切りして多頭株に仕上げた方が見栄えがします. こんな素敵なマミラリアなのにあまり流通することはなく,知らない人も多い種,そ...
今年の牡丹類の一番乗りは,この小さな亀甲牡丹です.全体に何やら何時とは違った開花の様子を見せるサボテンたちですが,牡丹類も何時もとは順番が違います.毎年9月頃から蕾を出して秋を待つメンバーが今年はダンマリです.やはり猛暑と猛残暑が開花時期を狂わせているのでしょうか. この株はShabomaniac!さんから頂いたもので,メキシコ産の種子由来の株です.どうやら2008年播種のようですから,すでに16年生です.彼の作...
今年の初夏にマグドガリーの交配を報告しました. その後何か鞘のようなものが見えてくるかなーと見ていましたが,一向にその気配はなく.すっかり忘れかけていました.あれから3ヶ月以上経ち,ふと見ると種子が見えています.まあ,なんとダイレクトな種子の埋もれ方. これは細いピンセットで穿るしかないなと,家に持ち込みました.そしてピンセットで種子を摘むと,ポロリ,あっという間に鉢の中に消えて行きました. こ...
今年はキリン接の穂が齧られないようにかなり気を使って防除して来ました.そんな中,手薄になった袖接のランポー錦に穴を開けられてしまいました.ある朝ふと見ると何やら白い粉のようなものが付いています.しまった,またやられたか.粉は芋虫のフン,しかも新鮮なフンなので白いのです. 振り払ってみると成長点付近に穴が空いています.穴の中でお食事中かと,穴の中を細い棒で突いてみました. 程なくして小さな芋虫が出...
これまで何度か開花していた鬼面角,秋がやって来たのですが,最後の一踏ん張りをしていました.せっかくなので写真を撮ってやろうと夕食が終わりすでに暗くなったハウスへ向かいました.7時すぎでしたが,まだ蕾は半開きでした.仕方なく引き返し,9時前にもう一度ハウスへ,今度はなんとか開いていました.冷気の中で咲く花は,真夏の夜の花とはちょっと違うようにも見えます. 初夏の頃はもっと早い時間に開いていましたが,...
秋になったなと思ったら,ホッケアの火星人が一斉に花をつけました.とは言え地味な花なので覗き込まないと分かりません.しかし,カメラのファイダーという小宇宙の中でこの花を見ていると,もしかすると火星人という名前は花を見てつけたんじゃないのかと思えて来ました. 今から7年前に来たこの株は,だんだんと大きくなり,芸のある地下部はすっかり貫禄が出て来ました.わざわざ素直に生育していないイモを選んだのは大正...
わずかですが有星類もキリンに乗せています.個体発生は系統発生を繰り返すと言いますが,有星類の実生接はその形態変化が実に興味深いのです. これは白ランモンストで以前に記事にしたものと同じ系統の種子で,すでにモンストになる顔になっています.この刺の出方は,なんとなく般若の関与を類推させます. 大抵の白ランモンストは生殖機能が低下しており,退化した(正確にいうと雄蕊化した)雌しべを持ちます.でもこのモ...
先の日曜は大阪でプランツジャンキー9thがありました.会場はいつものATC,昨年に引き続きの参加です. 朝10時半ごろ入ったのですが,ごった返している様子はありません.落ち着いた人出といったところでしょうか.ただ若い人が圧倒的で,ボクのような白髪の老人はほとんどいません.知り合いに一通りご挨拶して,あとは何度もブースを見て回りました. ブースの品々を眺め回すと,サボテンは全体の4割ほど,旧来の多肉でもな...
昨年の春に育苗バットに播種した(平蒔きした)太平丸です.いつも播種に使っているタキイのたねまき用土を深さ3cmぐらいバットに敷き,そこへバラバラと低密度で播種しました.その上からいつものように細かい砂利を敷き,スーパーのレジ袋のようなものですっぽり覆って発芽を促しました.発芽後はしばらく他の実生と同居していましたが,その後はフレームの平場へずっ置かれていました.ボクはこれまで,25穴のトレーを使った...
先週末にお邪魔して来ました.今年は6月に行っているので,そんなに久しぶりではありませんが,ここへは何時もワクワクして行きます.いつものように駅で拾ってもらいました.天気予報は良い天気でしたが,今にも降り出しそうな空模様でした.丁度オークションが開催されていましたので、出品物を生でまじまじと観察.やはりWeb上の写真目見るのとはかなり違いますね.ハウスの中は,いつもながらバライティーに富んでいて,見て...
最近渋さがちょっと人気のエリオシケも色々導入してみています.もともとネオポルテリアが大好きなので,それにつられてコレクションが周辺に広がりつつあります. 最初はNeoporteria coimasensis KK1554です.ネオポルらしいネオポル,今はEriosyce senilis subsp. coimasensisとなっているのでしょうか.セニリスは本当に変化に富んでいますね. 次はPyrrhocactus strausianus DJF337,今はEriosyce strausianaです.いかに...
池袋西武は外資を挟んでヨドバシカメラに売却され,大幅にその姿を変えようとしています.デパート面積は約半分になり,ヨドバシカメラが入ります.そんな中で屋上の鶴仙園さんはどうなるんだろうかと心配していました.鶴仙園さんのXで,売り場を拡張して9月から新規スタートという記事を読み,これはどうなったのか見に行かねばと思い,先日行ってみました.池袋西武デパートに着くと,いつもの地下入り口が閉鎖されています,...
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イギリスのサボテン・多肉植物協会のFBに古い接木の紹介記事が載っていました.書いた人はどうやら日本人です.このFUJIO HIRATAというのは何方かなと思い色々調べてみました.あるところで平尾博さんが,「実生接というものの始まりは1950年代後半」で,「東京・上野の松坂屋の近くで印刷業を営んでおられた平田藤男さんが考案されたのが最初と思う」と書いておられます.この平田藤男さんがこの写真のノートの著者と思われます...
今年も冬至がやって来ました.先週あたりからようやくこの時期らしい天候になり,晴れるとハウス内はポカポカ,日が翳ると一気に気温は下がります.特にこれといってする事もなく,サボ活も一休みの時期です.ついこの前までハウス内を跳ねていたアマガエルくんもすっかり見なくなりました. 冬マミたちがだんだん花数を増やしつつあり,ハウス内で腰掛けてサボテンたちをボーッと眺めるには良い季節です.冬至が過ぎると寒さは...
ハオかなと思ったらアロエでしたってヤツ,Aloe haworthioidesです.マダガスカル原産,随分前にパキポを見に行ったマダガスカルでは,正直ほとんどアロエは目に入りませんでした.でも結構たくさんマダガスカルアロがいるんですよね.このハオもどきのアロエは,ハオ似だというより最小のアロエということが売りの一つです.アロエらしく冬に花を上げてきました. 覗き込むと葉の鋸歯は大変美しいですね. 気温の低い時期です...
霧棲丸は昔からあるサボテンです.平尾さんの原色サボテン写真集や佐藤さんの原色サボテン事典ではM.woodsiiの学名を当てていますが,M. hahniana subsp. woodsiiとする見解もあります.さらにJohn PilbeamのThe Cactus File Handbook 6 Mammillariaではこの亜種扱いも中刺が黒いという点だけの違いであり多くの中間型が見られることから疑問視され,M.hahniana に含められています. 多毛霧棲丸として手にしたものですが,こ...
キリンの園があるハウスは,11月10日すぎに内張カーテンを張って,10月下旬にとりあえず上に乗っけていたトンネルも11月末からは張りっぱなしに,中はいつもポカポカです. 12月も半ばになり,キリンの園の防寒対策を本格化させました.最後の仕上げは,シルバーポリトウの開け閉め開始です.これによりキリンに乗ったサボテン達の成長を継続させることが出来ます.もちろん12月,1月の成長は緩慢なのですが,春の立ち上がりは...
ヘルナンデシーは春告げ鳥ならぬ冬告げマミです.これが咲いてくると間もなく冷たい風が吹くようになります. 実生を箱植えして一斉に咲く様を見たくて数年前から毎年少しずつ蒔いています.結構小さい時から咲いてくるので,育苗箱で育成中から賑やかに咲いてくれます. この小さなマミは水やりに気を遣います.ただ普通は気を遣うと言うと水のやり過ぎに注意することを指すのですが,この場合はどちらかといえば逆で,干から...
その独特の姿が人気のアロエ・スプラフォリアータ(Aloe suprafoliata),でも Book Aloeだったのはいっときの事でした.葉が旋回を始め,ただのアロエになってからは庭の片隅に置かれています.それでも毎年着実に葉を展開し,アロエらしく寒くなってから花を上げてきました. 日当たりの良い玄関先に移して花が咲く様を観察することにしました.昨年は背の低い防寒カバーの下に早々に押し込んだので,花芽は出たものの折れ曲...
毎年のことですが,12月になってからウチのリトたちが花の盛りを迎えます.寒くなってからの方が,リトの窓の模様が綺麗に見える様に思うのは錯覚でしょうか.これは黄金琥珀玉なのですが,いつも見るたびに不思議色合いだなと思ってしまいます. ウチのリトは年中外です.午後になって花を咲かせますが,太陽が出て暖かな日は一斉に花を開かせます.でもやはり12月,気温の上がらない日があり,そんな時はしっかり開かないこと...
東京に行くたびに西武の屋上を見るのが楽しみでした.西武があんなことになって,今や西武屋上の売店ということではなく,池袋の鶴仙園というべきお店になりました.今回は,広くなってから2回目の訪問です.特に目的のある買い物をするわけではないのですが,どんなものを並べているのか,いくらなのかなど観察するのが面白いです. 今の季節,リトやメセンが表に並び,冬型多肉などもあって,いつもながら多様な品揃えです....
小春日和の中,ハウスの中で覗き込む小さな世界.健気に咲く小さなサボテンを眺める幸せな時間.ヘルナンデシーはこんなひと時に最適なサボテン. マミ ラヨネンシス(M.rayonesensis ML453),他に押しつぶされそうになりながら花を着ける逞しさ. 黒肌明星たち,普通の明星より小さくても咲く傾向にあるように思う. そして白星ピンク花.この時期の定番.こんな小さくてもいくつも蕾を上げるのだから大変ながんばり屋さんだ...
もしかして1年ぶりかな,と思いつつ千葉ニュータウン中央から歩いてグランカクタスさんに向かいました.ハウスはすっかり冬支度,遮光のために張っていた防風ネットはハウス中央にまとめられ、二重張りにしたハウスの中では,夕方になると棚の上に更にビニルをかけておられます.ここはかなり冷え込む所のようです. 園主の佐藤さんはすっかりお元気になられたようで安心しました.色々とお話を伺いましたが,今のSNSでの情報の...
今月のカクタスクラブのミニ品評会のお題は「接木もの」です.ウチには接木されたものがないわけではありません,いえキリン接ならたくさんあります.でも柱ものは全て地植えになっていますし,キリン接は観賞に耐える代物ではありません.このお題には「接降ろしは除く」となっています.あくまで台に乗っていなければならいのです.うーんと唸ってしまいました.色々ハウスを徘徊して白羽の矢が当たったのがボンニアエです. ...
今年の師走は近年になく色々と予定が入ってきました.そんな時こそ自分で予定を立てて,自分がやりたいことを優先しなければなりません.今日からちょっと関東方面へお出かけ,いつものようにマルチタスクのトリップ,です. 牡丹の季節はあっという間に過ぎて行き,冬マミの盛りまではまだ少し時間があります.これから一年でも最も太陽の力が弱い1ヶ月を迎えます.ハウスの管理はほとんどすることがなく,入り口も閉めたま...
ボクが生まれた頃に緋牡丹錦なるサボテンは日本で生み出されました.以来本当に星の数ほどの緋牡丹錦の種子が蒔かれ,銘品が世に出されて来ました.一度種子を蒔いたことがありますが,ギムノは特に小さい時には斑入りなのかどうかがわかりません.せっかちなボクはとても全てを大きくして選抜するなんてことはできません.でも子供の頃にとても高くて手に入れられなかった緋牡丹錦も,今は手頃とも言える値段で結構な綺麗なもの...
竜神木に接木したものを降ろす方法にはそれぞれ流儀がある様です.ボクは少し面倒ですが2段階にしています.大体5cmぐらい台を残して降ろします.そして発根後の植え付けはわざと竜神木を少し見えるように浅植えします.短い台木にちょこんと乗った何となくユーモラスな姿になります. これはツルビニのニコラエ.以前に登場させましたが,ツルビニらしくずっと咲き続けています. 次はコピのモリキュラ.株の下側表皮にいく...
今年も自己満足の塊のようなカレンダーを僅かな部数だけ作り,お世話になった方,差し上げたいなと想う方に贈ることにしました.本年2024はメキシコ特集にしたので,来年はまた普通に戻しました.どの写真を採用しようかと考えるのは楽しいのですが,手元のサボテンを撮った写真ですから,バリエーションは限られています.それでも過去のカレンダーと被らないようになんとか選びました. カレンダーは近年その存在価値が大いに...
11月終盤から12月にかけての時期は,パキポジウムの休眠導入期です.ハウス内トンネルの中では,まだ青々と葉を繁らしているものからすっかり落葉したものまで,色々なものが見えます. 概して実生の小さな苗は落葉が遅いようです.これは恵比寿大黒とグラキリス小苗,まだ葉を落とす気配がありません.トンネルで温度を保っているので乾かさないようにしています. 少し大きくなったものは葉を落とし始めていますが,その様相...
2年前に赤ら顔の太平丸という記事で,冬になると肌の赤みが強くなる太平がいることを報告しました.その時の太平がこれで,今も変わらず紫色になっています.これは2018交配フランクリン×ニコリーです. 今ハウスを眺め回すと他にも赤ら顔のものが居ます.次は2020交配(ニコリー×雷帝)×フランクリンです. そして2020交配フランクリン×強刺雷帝. さらに2021交配フランクリン×[ニコリー×(ニコリー×雷帝)]というのも居ま...
以前にグランカクタスさんで,ネグレクタと言う名札の立ったツルビニを手にしました.ネグレクタって聞いたことのない変わった名前,ラテン語のnegrectaは未修正ってことらしいけど,どうしてもネグレクト(無視する)を連想する語彙.なんだこれはと思い,友人のツルビニストにお尋ねしたところ,T.sp.Negritaのことではないかとのご返事をいただきました.メキシコ サンルイスポトシ州のLa Negritaで採取されたものが,新種で...
ピンク花白星の花色の改良については3年前の記事で書いています.正直思うようには形質改善していません. この元株は2011年に廣仙園さんで買っています.羽毛の揃いが良いのですが,ピンクは薄い花です. 昨年の選抜株,上の株からのF2です.見比べると確かにピンクは濃くなっています.花色と羽毛の揃いに気をつけて選抜しました. さらに次世代の選抜途中の株,あまり進歩はないような気がします. 赤花の他のマミと交配...
この春にメキシコへ行った際に,何やら振武玉のようなステノカクタスを見ました.こんなものは極特異的なものかなと思っていたのですが,今回も同様なタイプのステノカクタスをたくさん見ることができました.刺の太さと長さにはかなりの変異が認められました. いずれもStenocactus multicostatus なのですが,その昔このようなタイプが日本持ち込まれた時に振武玉という和名が与えられたのでしょう.学名もまたS.lloydiiとい...
松林にジェントリーと共にプロトアメリカーナ(Agave americana subsp. protoamericana)が居ました.ジェントリーは以前にも紹介したようにメキシコ北部ではよく目にするアガベです.このプロトアメリカーナは,いわゆるアオノリュウゼツラン(Agave americana)の亜種に当たるものです.日本で公園などに植栽されているアオノリュウゼツランは,周辺の葉がビロ〜ンと伸びて先が垂れ下がり決して美しい草姿とはいえません.しか...
この春にメキシコの野原には緑と赤の吹上があるって記事を書きました.季節は変わり冬の姿は,どちらかといえばシルバーのものが目立ちましした. 下の写真では真ん中の緑のものとシルバーのものは明らかに異なったものに見えますが混在しています. 赤味の強い一群も見られました. 学名にはAgave strictaとA.striataがあり,前者が吹上,後者が姫吹上となるのですが,そもそもこの両者の学名の使用は混乱してるかのように見...
これは希少種Ancistrocactus pinkavanusです.この春にクワトロシネガスを訪れた時は,夕刻迫る時間帯で十分な探索の時間がありませんでした.それでも砂に埋もれたピンカヴァヌスをなんとか見ることができました.しかしなんとも中途半端で,正直残念な気分でした.今回はそれらしい姿を見ることが出来てリベンジできた気分です.なるほどアンシストロカクタスらしい姿です. 地面に近い位置から見ると,いかにも地中から盛り...
メキシコの野では,アガベが大きな花茎を伸ばしているのをよく見かけます.数十年に一度という割には,結構な頻度で花を咲かせているようにも見えます.これはジェントリーのようです. この大きな花茎を採取して,蒸すとなかなか美味しいのです.市場では輪切りにしたものが売られています.これをキヨテと呼びます. これをさらに小片にして,レモン汁を垂らして食べると甘くて美味しいのです.ただ繊維質なので,食べるとい...
ヌエボレオン州のCerro El Potosí(通称ポトシマウンテン)にて素晴らしいモンタナ(Agabe montana)を見ました.この山は標高3800mで頂上には航空レーダーがあり,その周りには先週降った雪が残っていました. 標高3000m付近で数多くの立派なモンタナを見ることができ,それ以上高い所は松が,さらに上は這松が主な植物になります.国内で売られているモンタナはせいぜい株径20−30cmぐらいで,全くの別物の様です.下の写真の...
巌(Echinocactus platyacanthus)は,メキシコで最もよく目にするフェロカクタスです.メキシコらしいさまざまな風景の中に登場します.これまでも色々な場所で写真を撮ってきました.今回はアガベやユッカを中心に見たので,アガベとユッカと共に居る巌の写真を載せます. 以前の記事で,この巌の大株になって横に広がり出した頂部が東西を示しているってことを書きました.今回,ふと思い立ち携帯のコンパスを並べて見ました...
先日グランカクタスさんと西武屋上鶴仙園さんをハシゴして来ました.イベントなどで佐藤さん親子にはたびたびお会いするので,前回はいつお伺いしたのか記憶が定かではありません.でも千葉の栽培場へお邪魔するのは久しぶりなことは確かです.いつものように千葉にニュータウン中央から歩いて25分,ちょうど良い運動です. ハウスはすでに冬仕様.ほどんとの棚にビニルトンネルを掛けておられ,一方で中の鉢にはしっかり水がや...
ニッケルシー(Agave nickelsiae)は,日本でも人気のアガベです.下の写真の株は,ボク自身過去に2度,2019年と今年の春に写真を撮っています.また多くの日本人がロドリゴさんの案内でこの場所を訪れ,この株の写真を撮ってさまざまなところにアップされています.しかしこれが見納めなのです. 実はこの丘が近いうちに開発され,完全に潰されてフラットな土地になるそうです.そこには大学が建設されるとか.こうした荒野の開...
毎年のことですが,全くの自己満足的カレンダーを作っています.今年はせっかく久しぶりにメキシコへ行ったのだから,現地の写真だけを13枚使って来年のカレンダーを作りました.あまり花がなく,やや地味かなと思ったのですが,仕上がりは上出来でした,と自己満足.ぜひ差し上げたい人,お世話になった人そして自分用と部数限定のカレンダーです. パラパラとめくりながら,2024年はどんな年になるのかなと想像を巡らし,鬼に...
メキシコから無事帰り一息ついたので,ちょっと花の東京へお出かけして来ます.そのため数日ブログはお休みします. この時期らしい天気が続き,ハウスの中は穏やかです.多くのサボテンたちは春に向けてエネルギーを蓄えているかの様です.そんな中で冬マミたちは蕾をあげ始め,年明けには多くが開花のピークを迎えます.冬マミの先陣はいつもこのヘルナンデシー,今年も師走の声と共に元気に咲いています. この時期はサボテ...
マミラリア協会誌11月号の表紙は牡丹の舞です.自生地オアハカでの写真ですね。実際に見てみたいものです.今回も盛りだくさんの内容,まず前号に引き続きメキシコマミラリア紀行文.マミのウェインガルティアーナ,カレッティ,メラノケントラ,ラシアカンサ,キャンディダなど,さらにはテロカクタス,ネオベネシアなどの写真がある面白いフィールドツアーの記事になっていました. そして新しいマミラリアとしてM.monochrysa...
今年のリトたちは明らかに開花が遅くなっています.大体10月から11月にかけて次々と咲くのですが,今年は12月になってピークを迎えています.今年の11月は異様な高温が続き,全国的に紅葉は美しくないなど様々な変調が見られました.秋に咲くリトたちは気温の低下が蕾発達の一つのサインらしく,ここで足止めを食らった形でした.下の写真は順に,寿麗玉,麗紅玉,Fuscorus Form,レティキュラータです.花ばかりの写真で,肝心...
メキシコおよび合衆国南部の先住民には,ペヨテを伝統行為として使用するために採取することが現在でも認められています.ロフォフォラはこの辺りでは珍しくもないサボテンで,至る所で見ることが出来ます. サンルイスポトシ州にあるReal De Ccatorceは,銀鉱山で栄えた古い街で今は観光名所になっています.映画「ザ メキシカン」のロケ地でもあり,多くに外国人観光客が訪れています.町のメインストリートにはスタバのパク...
小春日和というには少し良すぎるお天気.日差しに反応して白星が一斉に開花しています.白花と言っても先かけはグリーンがかっていて,開くと薄クリームの花になります. このオーソドックスな白星がだんだん流通しなくなっている様です.もしかすると園芸界での絶滅危惧種?になるんじゃないかと心配するくらいです.いっときピンク花が持て囃され,どんどんピンク花が交配され,ベージュから薄ピンク花の白星ばかりが目につく...
先週行ってきたメキシコは,主にユッカ,アガベ,ダシリリオンなどの植物資源を見ることが目的の旅でした.ボクにとってはこれらは守備範囲外,いつもはユッカだ,アガベだ以上のことは気にしないでいた植物たちです.おかげで少し理解が深まりました.サボテンを含め,今回の旅で見た色々なことは,これから不定期なアラカルト記事として挟んでゆきます. 今日は大きなユッカ.ユッカ フィリフェラ(Yucca filifera)の話です...
銀手毬(Mammillaria vetula subsp. gracilis)は古くから知られたマミで,広く栽培されてきたいわゆる駄物です.100均サボテンのメンバーでもあります.しかし,この駄物を綺麗に作るのが意外と難しいのです.なぜかというと銀手毬の仔は触れるとすぐにポロリと落ちます.植え替えの時、粗雑に扱うと分枝がみな取れて丸裸になってしまいます.この株は随分と気を遣って数年栽培してようやくこのような姿になりました. 花は覗...
数年前に友人から頂いたニデュリフォルミス(M. huitzilopochtli subsp. niduliformis)L1495が随分と大きくなりました.亜種名が鳥の巣様とあるように長く渦巻く中刺がだんだん鳥の巣のようになってきました.刺色は明るい,暗いに若干の個体差があり,L1495は,刺色の変異を包含している集団の種子であるものと推察されます. 昨年播種した子供たちはまだ小さいのですが,少しずつ巻き毛を出してきています.花はまだです...
今日から1週間ほどメキシコへ出掛けてきます.またサボテン見にゆくの?と言われそうですが,そうではありません.植物の輸入をする友人のお手伝いに行くのです.ですから残念ながらカクタスツアーではないのです.とは言えそこはメキシコ,街中にせよ道端にせよサボテンを目にする機会はあるでしょう.もし面白い写真撮れたらそれはそれで個別に記事としてアップします.今回はこれまでとは違ったメキシコを見る良い機会にもな...
フンボルディいわゆる春星には多様な園芸品種があり,姫春星,仏頭姫春星,白雪姫,春星綴化など色々なものが流通しています.それぞれ特徴があって素敵なのですが,白雪姫タイプが最も白く赤い花が映えます.大体白雪姫タイプはやや早咲きの傾向があり,ウチではこの株が毎年一番先に咲いてきます. 春星のタイプは色々でも花の様子は皆同じですね.濃いピンクの丸弁がかわいく,緑がかった雌しべも良いアクセントになってい...