昨年簡単な風除けをしてやった露地植えの葉ウチワ,春先からいたく元気であっという間に倍ぐらいのボリュームになりました.秋の陽射しのもとで元気よく過ごしています. 面白いもので,葉ウチワの花は春に咲いたあと夏は一休みし,秋にまた咲いてきます.10月も終わりになってもまだ少し咲いていました. 根元には多肉らしいものを植えたくてデロスペルマを植え付けておきました.全面を覆うようになれば,雑草対策にもなりま...
先日ウチワに接木したボンニアエのことを記事にしました.キリンウチワほどではありませんが,台にしたウチワから結構脇芽が出てきます.これはもぎ取れば済むことなのですが,以前にキリンで報告した腋芽抑制剤処理をするとどうなるか試してみました。5mm程度と1cm程度の脇芽を使ってみました. 昔の記事では,イエローリボンという薬剤を使っていましたが,現在は発売中止になっています.今はキリンの腋芽抑制にはエキガゾー...
ゲンリョウといってもダイエットではありません.減稜すなわち稜の数を減らすことです.昨日は多稜系太平でしたが,今度は逆です.減稜というのはどうなることを言うのかと言うと,下の写真のように稜の数が突然減って行くのです.それと2つの稜が一つに融合することもあります. 今見ていて綺麗だなと思える6稜の個体です.特に花王だとか雷帝だとか刺などの形質と稜数にはリンクは見られません.こうした形質を示す個体の相互...
太平丸は基本8稜のサボテンです.実生間もない頃ははっきりしませんが,下の写真のように1円玉ぐらいになる前にすでに8稜を示し,大株になっても同じ8稜です.多くのサボテンが成長に伴い,5,8,13,21とフィボナッチ数例に従うことを基本に増稜してゆくのとは対照的です.このように稜数が固定しているサボテンは少数派です. 以前から多稜系の太平丸には興味があり,いくつか集めていました.交配に使ったのですが,単に親...
秋のある日のこと,ふと眺めると綿毛を被ったメキシカーナ(Geohintonia mexicana)の花姿が目に留まりました.あまりにも素敵だったので,しばし鉢を手に取って覗き込み,写真を撮りました.この株は数年前に小さなカキコを頂き,発根させたものです.しっかり刺もあって,まだ若々しい印象です. 数日するとウチにいるもう一株,古株も花を咲かせました.これは10年以上前に手にして以来,本当にボチボチを成長してきた株です...
ウチには随分前からボンニアエが居て,増えた苗は色々な方の元へお嫁に行きました.これまでプシスに接いだりしたことがありましたが,ウチワに接ぐことはありませんでした.ほんの気まぐれからウチワ台を作って見たので,ボンニアエを接木してみました. ボクは糸かけなどという面倒なことが嫌いなので,なんでも伸縮包帯で済ませてしまいます.ウチワの刺座では包帯が留まらないので,短刺ウチワの刺を取って来て,ちょうど良...
紅葉系のヘキランたちが美しい季節になってきました.この時期,実生たちの紅葉の姿にはいつもいい色合いだな〜と目を留めてしまいます. 大体紅葉系といえば成長点付近が色付くのですが、中にはもっと下の方まで色が出てくるものがあります.この違いはなんなのか,緑の時は見分けがつきません. しっかり亀甲かつしっかり紅葉というのを目指しているのですが,小さい時の亀甲も紅葉もしばしば「二十歳過ぎればタダの人」的な...
キクの季節です.仕事では長らくキクと関わりましたが,リタイアしてからは手元に全くキクがなく,このような小さなキク科の花を見て,ああキクだなーと思うくらいです. このオトンナ クラビフォリア(Othonna clavifolia)手にしたのは6年前のことです.知らぬ間に図体はでかくなりました.当時は結構高かったのですが,今やダイソーにもあるというのですから,ちょっとびっくりです. 下から覗くと茎がどのように伸びたの...
ちょっと季節外れにも思える秋のオブレパンダ(Echinopsis obrepanda)です.秋らしくなって蕾が上がってきたのですが,ちゃんと咲くかなーと少し心配しながら見ていました. 例年に比べて気温の高い秋が幸いして,なんとか無事開花してきました.一般論ではありますが,ゆっくりと発達した花は概して大きく,見応えもあります. 朝ハウスに入るとしっかり咲いていました.僅かな香りも清々しく,ああ,いい花だとしばし見入っ...
亀甲牡丹は子供の頃から馴染みのサボテンです.その頃はゴジラなんてなかったので,一生懸命亀甲牡丹と連山の違いを確認していました.何が良型なのかわからず,何が大イボなのかも曖昧でした.その後ゴジラの時代になり,今なおゴジラ自体も進化を続けているのですが,ボクの気持ちはオーソドックスは亀甲牡丹に回帰しています. ウチにいる亀甲牡丹はいわゆるゴジラを除き,それぞれ少しずつ違う顔をしています. 今ボクは再...
秋の気温低下に伴い,水を吸ってむっくりと起き上がってくるマミラリアたちを見るのは実に楽しくかつ幸せを感じます.そろそろ明星たちが開花を始める季節ですが,今年はこの姫明星がいち早く存在をアピールしています.明星(Mammillaria schiedeana)は色々なタイプがあり,交配種を含めいくつもの園芸品種が出来上がっています.姫という接頭語をつけたマミラリアはいくつもあるのですが,いずれも小さい分枝をたくさん作る変...
今年の1月に黒肌明星における肌色の遺伝について記事にしました.その際に実生の写真を載せていたのですが,それらが育ってもう花をつけ始めています. 左側が銀の明星×黒肌明星,そして右側が黒肌明星×銀の明星,どちらがどちらか見分けがつかない感じです.両方とも肌色に差は見られず,肌色が濃くなっているようです.黒肌が完全な顕性かどうかは,まだ今の段階ではわかりませんが,少なくとも肌に色素の集積はしそうです....
一昨日最後まで残っていた薄手の白寒冷紗を外し,代わりに内張カーテンを伸ばしました.これは薄い遮光の役割も果たしてくれます.まだ肩の部分は開けていますし,サイドのカーテンも半分だけ降ろしています.これは当面はクルクルを少し開けて換気できるようにするためです. この時期の温度管理は,明け方の最低気温を気にするのではなく,どちらかといえば昼間の温度確保に重点を置きます.晴天日には朝から十分昇温する...
白ランモンストの花が正常ではないけど花粉は機能していることは先に記事にしました.その後も何度かこの白ランモンストの兄弟たちが花を咲かせましたが,皆外観は同じです. 花を縦に割ってみると,特に大きな異形はないようです.ただ明かな雌しべがありません. 雄しべだらけなのですが,その中に雌しべもどきがいました.柱頭がちゃんとできていません. 柱頭の下にある子房の部分は外観を見る限り正常にできているようで...
春からずっと外で雨ざらしの栽培を続けてきたパキポジウムもそろそろ中に取り入れる季節になりました.今年は春以降しばらく順調でしたが,夏の暑さは予想以上に大変でした.日中に暑くなったポリポットに水が入ると茹でパキポにならないか心配なくらいでした.灌水してもすぐに乾くし,全体にどの植物はぐったりでした.その分秋の雨の力には目を見張るものがありました.本格的な秋を迎え,パンパンに張ったパキポたちをみて一...
朝ハウスに入ると何やらツンとした薬くさいような匂いが充満していました.前日の昼間留守にし,夜暗くなってからハウスを閉めたので,何か動物でも侵入していたのかとハウスを見渡すも何も変わったことがありません.側窓のクルクルを上げて水やりを開始して初めてあー杢キリンが咲いているだと分かりました.これまでは外に置いてある株が開花したのを見て,写真を撮るなどしていたので,密室ではこんなに強い匂いになるとは知...
毎年秋になると咲いてくる白珠丸が今年も咲いて来ました.残暑が厳しく、ようやく涼しくなった9月下旬,何時ものようにちゃんと咲いて来たことに感心しました. 白珠丸には色々なタイプがあり,下の写真のような長刺タイプが最も流通しています. 長刺と言っても大株になると中刺はだんだん短くなっていくようで,図体がデカくなった分,相対的に刺短く見えることも相まって,中苗の時の刺の良さはだんだん失われてしまいます...
花を観賞するサボテンではないコピ達.しかし猛残暑の中でも,涼しくなった秋空の下でも,それぞれ元気に黄色い花を咲かせました.コピ達は驚くほどよく似た花を咲かせるのですが,周りの刺と肌色は様々です.そんな姿をちょっと記録してみました. 一本刺の黒士冠,それに囲まれて柔らかな雰囲気で花を咲かせていました.こんな写真にするとなかなかイケてるかも知れません. 接木のモリキキュラ,台の力を借りてモリモリ花を...
秋の陽射しの元でベルソルディが咲いています.春には大株も小株っも皆しっかりと開花してくれたのですが,諸般の事情から記事にできませんでした.なので秋の花を見て,春の素晴らしい開花を思い出しました.秋の成長期,このベルソルディも盛んに成長しています.この独特の刺は新しい時が最も美しいですね. そしてイボの間にはこの春に交配した花の果実が膨れています。もう種子が透けて見えるので,そろそろ穿り出しても...
急速に秋めく神無月の始め,今年最後と思われる太平丸の花がポツンと咲いていました.5,6月に一斉開花をする太平丸ですが,毎年のように秋にポツリポツリと咲きます.これがどのような意味を持つのか分かりませんが,同じ個体が咲くわけでもないので,個体の性質でないと思われます.すでに成長を休止している時期の花ですので,刺に挟まれ不整形となっています. これはいわゆる花王系の太平丸です.幼苗の時丸みを帯びてむっ...
このブログに何度も登場する銀姫ことMammillaria slevinii ,今年も6月,7月,8月そして9月と何度も群花を楽しませてくれました.下の2枚の写真はごく最近9月下旬のものです.いったい1年に何花咲かせるのか驚くばかりです.普通は滅多に仔吹きをしないので、1枚目の写真のように適当なところで胴切りして多頭株に仕上げた方が見栄えがします. こんな素敵なマミラリアなのにあまり流通することはなく,知らない人も多い種,そ...
今年の牡丹類の一番乗りは,この小さな亀甲牡丹です.全体に何やら何時とは違った開花の様子を見せるサボテンたちですが,牡丹類も何時もとは順番が違います.毎年9月頃から蕾を出して秋を待つメンバーが今年はダンマリです.やはり猛暑と猛残暑が開花時期を狂わせているのでしょうか. この株はShabomaniac!さんから頂いたもので,メキシコ産の種子由来の株です.どうやら2008年播種のようですから,すでに16年生です.彼の作...
今年の初夏にマグドガリーの交配を報告しました. その後何か鞘のようなものが見えてくるかなーと見ていましたが,一向にその気配はなく.すっかり忘れかけていました.あれから3ヶ月以上経ち,ふと見ると種子が見えています.まあ,なんとダイレクトな種子の埋もれ方. これは細いピンセットで穿るしかないなと,家に持ち込みました.そしてピンセットで種子を摘むと,ポロリ,あっという間に鉢の中に消えて行きました. こ...
今年はキリン接の穂が齧られないようにかなり気を使って防除して来ました.そんな中,手薄になった袖接のランポー錦に穴を開けられてしまいました.ある朝ふと見ると何やら白い粉のようなものが付いています.しまった,またやられたか.粉は芋虫のフン,しかも新鮮なフンなので白いのです. 振り払ってみると成長点付近に穴が空いています.穴の中でお食事中かと,穴の中を細い棒で突いてみました. 程なくして小さな芋虫が出...
これまで何度か開花していた鬼面角,秋がやって来たのですが,最後の一踏ん張りをしていました.せっかくなので写真を撮ってやろうと夕食が終わりすでに暗くなったハウスへ向かいました.7時すぎでしたが,まだ蕾は半開きでした.仕方なく引き返し,9時前にもう一度ハウスへ,今度はなんとか開いていました.冷気の中で咲く花は,真夏の夜の花とはちょっと違うようにも見えます. 初夏の頃はもっと早い時間に開いていましたが,...
秋になったなと思ったら,ホッケアの火星人が一斉に花をつけました.とは言え地味な花なので覗き込まないと分かりません.しかし,カメラのファイダーという小宇宙の中でこの花を見ていると,もしかすると火星人という名前は花を見てつけたんじゃないのかと思えて来ました. 今から7年前に来たこの株は,だんだんと大きくなり,芸のある地下部はすっかり貫禄が出て来ました.わざわざ素直に生育していないイモを選んだのは大正...
わずかですが有星類もキリンに乗せています.個体発生は系統発生を繰り返すと言いますが,有星類の実生接はその形態変化が実に興味深いのです. これは白ランモンストで以前に記事にしたものと同じ系統の種子で,すでにモンストになる顔になっています.この刺の出方は,なんとなく般若の関与を類推させます. 大抵の白ランモンストは生殖機能が低下しており,退化した(正確にいうと雄蕊化した)雌しべを持ちます.でもこのモ...
先の日曜は大阪でプランツジャンキー9thがありました.会場はいつものATC,昨年に引き続きの参加です. 朝10時半ごろ入ったのですが,ごった返している様子はありません.落ち着いた人出といったところでしょうか.ただ若い人が圧倒的で,ボクのような白髪の老人はほとんどいません.知り合いに一通りご挨拶して,あとは何度もブースを見て回りました. ブースの品々を眺め回すと,サボテンは全体の4割ほど,旧来の多肉でもな...
昨年の春に育苗バットに播種した(平蒔きした)太平丸です.いつも播種に使っているタキイのたねまき用土を深さ3cmぐらいバットに敷き,そこへバラバラと低密度で播種しました.その上からいつものように細かい砂利を敷き,スーパーのレジ袋のようなものですっぽり覆って発芽を促しました.発芽後はしばらく他の実生と同居していましたが,その後はフレームの平場へずっ置かれていました.ボクはこれまで,25穴のトレーを使った...
先週末にお邪魔して来ました.今年は6月に行っているので,そんなに久しぶりではありませんが,ここへは何時もワクワクして行きます.いつものように駅で拾ってもらいました.天気予報は良い天気でしたが,今にも降り出しそうな空模様でした.丁度オークションが開催されていましたので、出品物を生でまじまじと観察.やはりWeb上の写真目見るのとはかなり違いますね.ハウスの中は,いつもながらバライティーに富んでいて,見て...
最近渋さがちょっと人気のエリオシケも色々導入してみています.もともとネオポルテリアが大好きなので,それにつられてコレクションが周辺に広がりつつあります. 最初はNeoporteria coimasensis KK1554です.ネオポルらしいネオポル,今はEriosyce senilis subsp. coimasensisとなっているのでしょうか.セニリスは本当に変化に富んでいますね. 次はPyrrhocactus strausianus DJF337,今はEriosyce strausianaです.いかに...
池袋西武は外資を挟んでヨドバシカメラに売却され,大幅にその姿を変えようとしています.デパート面積は約半分になり,ヨドバシカメラが入ります.そんな中で屋上の鶴仙園さんはどうなるんだろうかと心配していました.鶴仙園さんのXで,売り場を拡張して9月から新規スタートという記事を読み,これはどうなったのか見に行かねばと思い,先日行ってみました.池袋西武デパートに着くと,いつもの地下入り口が閉鎖されています,...
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昨年簡単な風除けをしてやった露地植えの葉ウチワ,春先からいたく元気であっという間に倍ぐらいのボリュームになりました.秋の陽射しのもとで元気よく過ごしています. 面白いもので,葉ウチワの花は春に咲いたあと夏は一休みし,秋にまた咲いてきます.10月も終わりになってもまだ少し咲いていました. 根元には多肉らしいものを植えたくてデロスペルマを植え付けておきました.全面を覆うようになれば,雑草対策にもなりま...
今ウチではアガベ牡丹をほぼ小石に埋めて栽培しています.本当は黒土に埋めてイボ先だけ出して栽培すると自生地らしくなるのですが,さすがにそこまで行く勇気がなく,こんな感じで維持しています.牡丹類の栽培はどうも苦手なのですが,こうした小石を株回り敷くことにより,大いに楽になった気がします.ほぼ小石の中から花が上がってきました. 横から見ると小石の中に咲くように見え,その姿は悪くありません. 普通の視点...
ごく最近のこと,普通の白星ありませんか?と聞かれ,ウチにはないねーと返事しながら,そういえば長いこと種子を蒔いていないなと気付きました.ピンク花の方は毎年少しですが蒔いてきましたが,普通の白星は大きくなった株が2つあるだけ,カキコ繁殖もしないので,手元には小苗が全くありません.実際にサボテン屋さんに行ってもあまり白星は並んでいません.すっかり駄物扱いで,増やしても売れない・お金にならないサボテン...
竜角牡丹(Ariocarpus scaphirostris)の独特の蕾が膨らんでくると,ああ今年もこの季節が来たなと嬉しくなります. 竜角牡丹の花は他の牡丹類にない,かわいい系の花です.開きかけの抱え咲気になった頃の姿は本当にかわいいです. しっかりと開くと雄しべがふわっと開き,それはそれでまた他の牡丹類にはない美しさを演出します.このように花が開く各ステージを愛でるのが竜角の楽しみです. この株は13年前からウチに居る...
綿毛に包まれてなんだか咲きにくそうな連山(Ariocarpus fissuratus)です.でもこの時が一番美しく見えます. 人が多毛系を選抜してきたので,花が咲きにくいほど綿毛がありますが, 野生の亀甲・連山はこれほど綿毛が豊かではありません.おまけにボクは頭から容赦なくジャーっと水をかけるので,毛が固まってほつれにくくなっています.綿毛を少し外してやるとふわーっと花が開いてきます. この株は先日の亀甲牡丹同様,一...
この金鯱は2年前に今の場所に落ち着きました.今度3度目の冬を迎えようとしています.晩秋の陽射しのもとで元気良さそうにしています. まだそんなに寒いわけではありませんが,周りにビニルを張ってやることにしました. ちょっとスペースに余裕があるので,外組のアガベ君を同居人に迎えることにしました.今は北側の上部をすかせてあるので,晴れた日でも中がそれほど高温にはなることはありません.でもこれを設置するとい...
日頃は地味な紫丸(Mammillaria voburnensis),花どきは少し主張しています.7年前に手にした時と比べるとすっかり貫禄が出ています. 秋の陽射しを浴びて一斉に花を開き始め,賑やかな雰囲気になりました. 花弁の外側に茶色の筋が入るクリームの花は,華やかさこそありませんが,安心感のある美しさです. 彼らの故郷はメキシコ南部からグアテマラに至る場所で,ウチの無加温ハウスは彼らにとって寒いんじゃないかなと心配...
三角牡丹(Ariocarpus trigonus)の小さな株が花を咲かせました.あーこれこれと手にとってしばし眺めました.三角牡丹はとても思い入れのあるサボテンです. 牡丹類の中では異彩を放つ薄黄色の花,なんとも言えない雰囲気を持った花ですね. 昔,この三角牡丹を持っていました.セピア色の写真に映る牡丹類の中でひときわ大きな三角牡丹.おそらくこれは輸入球で,大阪エキゾチック植物研究所の黒田さんのところから買った...
赤城(Ferocactus macrodiscus)とテロカクタスのラウセリー(Thelocactus lausseri) が交配できると知ったのは去年のことです.恥ずかしながら,フェロとテロの属間交配が可能とはそれまで知りませんでした.早速半信半疑で赤城にラウセリーの花粉を載せてみました.ちゃんと着果しました. そして採れた種子を直ぐに蒔いて見ました.とても異属間交配種とは思えない良好な発芽です.また種間交雑種にしばしば認められる過剰な...
この天紫丸(Gymnocalycium pflanzii var.albipulpa = G.zegarae)錦はなんと13年前からうちに居ます.手にした時は6−7cmの小さな株でした.まずまずの斑柄だったのですが,成長するに従い,斑が勝っている部分が段々と肥大して行き,株全体の形が歪んできていました.斑が入った部分はどういうわけか肥大する傾向にあり,このため斑が偏った株では不整形になりやすいのです.本当にもう廃棄するかと思うほどでしたが,我慢して...
アルビコマ(Mammillaria albicoma)は,淡雪丸という和名をもらっていますが,普通はアルビコマで流通しています.タマウリパス,ヌエボレオン州の比較的狭い地域が故郷です.ウチにはいくつかのアルビコマがいて,ちょうど花が咲いてきています.白マミであり,中刺の強弱こそあれ,カギ刺はありません. これは三重のコロンさんのところから来たもの. 次は奈良多肉研さんから来たもの.上に比べてややイボが小ぶりでしょう...
サボテンたちに影で,オトンナ ユーフォルビオイデス(Othonna euphorbioides)のおチビさんが黄色い小さな花を上げています. 花はキク科らしい頭状花序で,小花には舌状花はなく,全て筒状花です.それでもはっきりと5枚の花弁があることがみて取れます.茎の先端に複合花序を形成し,その直下の腋芽から新たな芽が出るため,花をつけた幹はその後二つに分かれることが多いようです. 茎に残る刺のようなものは花茎が枯れて...
この亀甲牡丹は随分前におそらくオオタバコガの食害と思われる災難に遭い,成長点部に大穴が開きました.その後分枝が出てきて,復活して来ました.あれからさらに2年が経ち,7頭が全体を覆うようになって,ようやく形になってきました. とは言え全頭が一斉に開花することなく,なんとなくバラバラと咲きがちです.さらにそれぞれの頭が10cmぐらいまで大きくなればもっと見事な花姿を見せてくれるかなと期待しています. 今...
暖かな陽差しに誘われて,ミズクエンシスが綺麗に咲いてきました.ミズクエンシスと言ってもスルコではありません.4年前にプシスの原種シリーズで紹介した旧ロビビアのミズクエンシス(Lobivia calorubra v. mizquensis TB488.1)です.やや小型のロビで年に何度も咲く素敵なヤツです. 先に紫野との交配種を紹介しましたが,彼らは大変花着きもよく,いいものだと思いました.花色のバリエーションがないのがちょっと残念です...
二十四節気の立冬は「木枯らしが吹き,冬の気配を感じる頃」とされます.木枯らしは吹いていませんが,朝の気温低下は遠からず冬がやって来ることを予感させます.温度の低下を気にするハウスから内張をしっかり留めて二重被覆を完成させました.陽がさせばハウス内の気温は30℃以上にはすぐ上がります.柱サボテンのひだに縮こまっていた雨蛙くんも昼には活動再開. 晴れさえすればハウスは30℃を超える時間を5時間ほど確保でき...
ミニムスが咲いていました.ツルビニたちの開花は季節外れという言葉が適用できません.不定期に年中咲いてくるからです.このミニムスというサボテンは,T. krainzianus var. minimusまたはT. pseudomacrochele subsp. krainzianus f. minimus(蕪城丸ミニムス)とされたりT. pseudomacrochele subsp. minimus (長城丸亜種 ミニムス)とされたりで,ツルビニストでないものにとってお前は誰なんだって感じになります. また茎...
盛んに秋の成長をするサボテンたちがいます.一方で春にはあれほど盛んに刺を出したのに,夏以降すっかりお休みしてしまうものたちもいます.まだ小さな苗たちは,この季節も精一杯成長してようとしており,新刺の美しさを存分に味合わせてくれます. 琴系丸(M. camptotricha)の短刺変異,欧州ではBruという品種名で流通しています.このbruの語源は何なのか,調べてもそれらしいものは出てきませんでした.新しい刺が淡い象...
冬咲きのピクタ(M.picta SB944)の開花が始まっています.pictaという種小名を持つ動植物がたくさんあり,これはpictusの女性名詞形で,色彩のある,美しく色付いたなどの意味です.どうしてこのサボテンこのような種小名が付けられたのかちょっと理解に苦しみます.イタヤカエデ(Acer pictum)ならなるほどと思いますが. 一昨年の今頃,播種後初めて咲いた花を記事にしています.その時に比べて随分と大きくなり,おや?と...
この初夏にキリンウチワに乗せたアリオが横っ腹から蕾を出しています.確か竜角牡丹を蒔いたと思ったのですが,こんなふうにイボの先にアレオレがあって正解なの?なんか違うでしょう! 数日後,健気に花を咲かせました.花を見たからと言って何者かがわかるわけではありません. 今年蒔いたアリオたちは少しずつキリンに乗せています.これはいわゆるゴジラ,小さい時からゴジラ顔です. そしてこれは黒牡丹,これまたああ黒...
Neoporteria clavata KK1447が咲き始めました.ネオポルらしい花です.このクラバータはこれから長期間にわたり,次々と花を上げてゆきます.ネオポルは一つのアレオレから複数の花芽を出すことがあり,これが花数を増やしている一つの要因です. クラバータの1タイプが暗黒王として日本では広く流通していますが,このFNは暗黒王に近い姿をしています.この個体は刺がやや強く正に暗黒王タイプです. 自家受粉するのかどうか...
柱サボテンの仲間の花の形はかなり独特でしかも似通っています.このことには当然理由があるはずで,送粉者と関係があると容易に想像できます.この論文は,コウモリ媒花を持つとされるブラジル東部原産の6属14種の柱サボテンを野外で観察するとともにその花の形態を詳しく調べ、その関係性を見たものです. 元々蜂などによる虫媒花からハチドリ媒花へそしてコウモリ媒花へと進んだと考えられ,それに伴い花の構造,開花時期,...
先日のパキポの寝床の記事を載せましたが,同時にキリンの園の保温作業も進めていました.キリンの園はパキポにように寝るのではなく,休むことなく動かすためのトンネルです.当面はトンネルの肩を少し開けて換気して管理します.以前に記事にしたように,厳冬期はさらに上からシルバーポリトウを被せます.これにより,無加温ビニールハウスでもキリン接木株たちは休むことなく成長を続けます.夜は最低5℃あれば十分で,たまに...
マミラリアの育苗バットを見ていると花を着けている小さなを見つけました.Mammillaria rayonesensis ML453です.今年の1月に播種後1年を待たずに播種床の中で咲いたことを記事にしました.この春植え替えたのですが,その後育苗バットをネコに掻き回され,大半の株が失われました.それでもいくつか生き残ったものが成長して開花しています. この種は,M.pilispinaのシノニムとされ紫雛丸という和名を頂いていますが,商業的...
当地ではそろそろ平地でももみじ狩りの季節です.晴天の日のハウスでは相変わらず気温の日較差が20℃以上あり,サボテンたちは気持ちよさそうにしています.スロースターターのコリファンタたちもそろそろ最後かなと思われる花を咲かせています. グリーンウッディーはゆったりした雰囲気のサボテンです.この秋の花は少し大きめでしょうか. 秋口に開花の記事にした黒刺天司丸がまた咲いています.連続して3つ咲きましたが,流...
この春にメキシコへ行った際に運よくランポーの花を訪れているハチの写真を取ることができました.そもそもランポーたちの訪花昆虫はどのようなものなのか興味が湧きました.この論文は,デュランゴ州の自生地において,どのような昆虫がどのような頻度で訪花するのかを調べた論文です. 最も頻繁に訪花した昆虫は,Anamboderaの1種(タマムシ科の甲虫),Phaedrotettix1種(メラノプルス属のバッタ)、Diadasia olivacea(ミツ...
有星類の実生苗は育苗バットで育てているのですが,中にはいくつか変わった子がいます.まずこれは兜ともランポーともつかない不思議な奴です.確かに5稜なのですが,雰囲気は兜的です.ものすごい白点でスーパー五稜兜みたいです.成長は劇おそ,今年ようやく花が咲いたので兜と交配しましたが,その花も成熟するでもなく落果もせず,じっとしています.どうやら生き物としてそもそも不具合があって苦しんでいるようです. 次...
いつものようにメサから種子が届きました.小さな箱がポストに入っているのを見つけ,おーもう届いたかと嬉しくなりました.北陸で過ごした子供の頃,第4種便で遠く名古屋などからサボテンが届き,ワクワクしながら箱を開けたことが懐かしく思い出されます.今年も例年同様マミラリア,エリオシケなどの種子が中心です. それにしても植物検疫の証明書が76ドルというのは辛い,空前の円安なので証明書発行に1万円上必要になる計...
成長点が異常になった月影丸のことを記事にしたのは昨年7月のことでした.今年は春から順調に成長して多数の仔が吹き,単幹のものとは随分異なる形になりました.それぞれの成長点をみるとどうやら少しずつ綴化し始めているようです. この成長点が一番それらしいのですが,果たしてちゃんと綴化となるでしょうか.この株は片親が綴化株なのでその因子を受け継いでいればそうなる可能性があります. 同じように綴化株由来の実...
ランポーたちの実生を見ていると将来面白そうな形になりそうだなというものが目に付きます.早々にキリンに接いでも良いのですが,必ずしも全てがこれはと思うものにはなりません.なので,はっきりするまで我慢が必要です.全ての実生苗を育てる訳にはいきません.交配目的に沿った良さそうだなと思うものだけ選び,1交配組み合わせ1列のみ(10株以下)残すことにしています.この2枚の写真にある特別な亀甲は,良い交配組み合...
昨年育成したエリオシケたちの中で,コイツはひときわ黒く異彩を放っていました.Neoporteria rapifera KK120です.故郷はチリ中央部 Coquimbo州の La Serena,ラ セレナは海岸沿いの街ですから,海の見えるところに生えているのでしょうか.サブギボッサの1タイプ(Eriosyce subgibbosa f. rapifera)とされ,分類的にはE.subgibbosa subsp. clavataに統合されています. 10月も終わり頃から早々に発蕾して来ました.ネオポ...
冬マミの貴公子ソリシオイデス(Mammillaria solisioides)が秋の日差しの中でいっぱい蕾を上げて来ました. このサボテンは,白斜子の亜種(M.pectinifera subsp. solisioides)と位置付けされることもあり,そのためにサイテス1類となっています.ですからFNの付いた種子が欲しいなと思っても手に入りません.また栽培にはちょっとクセがあり,夏場に乾かすとすっかり萎びてその後拗れてしまします. 冬の日差しをいっぱい...
秋が深まりつつありますが,天気が良いと有星類が一斉に咲きます.黄刺・黒刺の群鳳玉が,揃って咲きました.細い丸とげがうねるようにガタイを包む様子は,花がない時にも十分観賞価値があります.黄刺・黒刺ともにそれぞれ良いところがあります. 良い黒刺を目指して交配した昨年の実生苗.キリンの上でこの季節も活発に成長しています.でも残念ながら満足できる刺色ではありません. なかなか真の黒刺は出ないなあとため息...
昨年...
このプランツジャンキーなる企画が始まった頃に行ってみたのですが,その後はコロナやなんやかんやで,すっかりご無沙汰していました.会場のACTギャラリーは大阪の海が見える良い場所です.出店数は18ほど.西日本のサボテン屋さんはほぼ参加しています.午前中は大変な人出だったようですが,お昼に会場に入ったので,ゆったりと見ることができました.このようなイベントでは開場直後は人が多くて疲れるのですが,空いてきた...
先日サボテン栽培の大ベテランのハウスを見せていただいた折,肌に付く白点が少なくかつ大きい白ランを選抜していると言って幾つかの実生を見せてもらいました.なるほどあまり見たことのないタイプでした.白ランに限らず,今流行りの恩塚系ランポーは白さを競っています.つまり白点が密なもの,外観が真っ白なものが良いとされるようです.確かに綺麗です.ボクは亀甲系の恩塚タイプがいいなと思っていますがやはり白いものを...
牡丹の季節も終わりかけです.ボチボチと冬マミが咲き始め,これからはサボテンを眺めるのにとても良い季節.庭仕事・畑仕事もそれほど忙しくない時期なので,ハウスに入ってボーッとしていると時間はすぐに経ってしまい,今日は何をしたんだっけ?といった一日になりがちです.ここは自ら刺激を求めて出かけないとと思い立ちました.そんな訳で数日ブログをお休みします. そういえば今年はあまり牡丹類の写真をアップしなかっ...
秋の陽射しの下で,かわいいマミが咲いています.このかわいいマミMammillaria berkiana L1245が初めて咲いたことを記事にしたのは...
紅葉系ランポーはこの時期から春まで大変いつくしい時期を迎えます.面白いことにこの紅葉系ランポーには下の写真のように紅葉と黄葉があります. 斑入りランポーの斑は,基本黄斑で若干赤みを帯びるものはありますが,完全なる赤斑はありません.兜では斑入りといえば黄斑でしたが,近年赤斑が出回るようになりました.これらの個体は大概黒肌です. さらに面白いことに大きくなると綺麗な黄斑となるランポー錦たちも小苗の時...
昨年は種した黒肌明星が咲き始めました.こんなに小さくても咲いてくる姿を見ることができるのは,マミラリアならではのことです.実生をしていて楽しいなあと思う瞬間でもあります. もちろんのこと全てのマミラリアが播種後2年で花が咲くわけではありませんが,3年目には多くの種が開花します.マミラリア育苗棚を見ているとワクワクして来ます. 目下の不安材料は,彼らが大きくなると置き場所困らないか?ってことです.FN...
8月の初旬,杢キリンを久しぶりに植え替えついでに思い切り鋏を入れ,こんな姿にしてみました. 程なくして,新しい枝が芽吹いてきました.これは8月下旬の様子です. そして9月の上旬,各枝先に花芽ができています.この様子から見て8月初めに剪定をしてその後伸びた枝先に間も無く花芽が形成されたと考えられます. 昨年は開花するまで外に置いていたので,少し痛んでしまいました.その経験を活かして今年は10月初めにハ...