春が近づくとアリが目立つようになります.花を観察しているとアリがよく動き回っている花と何遍見てもアリが来ていない花があります.これは一体どうしたことでしょうか.何かアリを惹きつける香りを出しているのでしょうか.もちろんサボテンの花にも蜜線があり,ミツバチ,夜蛾,コウモリなどをよんで受粉してもらっています. エリオシケの中でも旧ネオポルの花なに特にありがよく来ます.普段はほとんど花粉が外に出ない花...
先日ウチワに接木したボンニアエのことを記事にしました.キリンウチワほどではありませんが,台にしたウチワから結構脇芽が出てきます.これはもぎ取れば済むことなのですが,以前にキリンで報告した腋芽抑制剤処理をするとどうなるか試してみました。5mm程度と1cm程度の脇芽を使ってみました. 昔の記事では,イエローリボンという薬剤を使っていましたが,現在は発売中止になっています.今はキリンの腋芽抑制にはエキガゾー...
ゲンリョウといってもダイエットではありません.減稜すなわち稜の数を減らすことです.昨日は多稜系太平でしたが,今度は逆です.減稜というのはどうなることを言うのかと言うと,下の写真のように稜の数が突然減って行くのです.それと2つの稜が一つに融合することもあります. 今見ていて綺麗だなと思える6稜の個体です.特に花王だとか雷帝だとか刺などの形質と稜数にはリンクは見られません.こうした形質を示す個体の相互...
太平丸は基本8稜のサボテンです.実生間もない頃ははっきりしませんが,下の写真のように1円玉ぐらいになる前にすでに8稜を示し,大株になっても同じ8稜です.多くのサボテンが成長に伴い,5,8,13,21とフィボナッチ数例に従うことを基本に増稜してゆくのとは対照的です.このように稜数が固定しているサボテンは少数派です. 以前から多稜系の太平丸には興味があり,いくつか集めていました.交配に使ったのですが,単に親...
秋のある日のこと,ふと眺めると綿毛を被ったメキシカーナ(Geohintonia mexicana)の花姿が目に留まりました.あまりにも素敵だったので,しばし鉢を手に取って覗き込み,写真を撮りました.この株は数年前に小さなカキコを頂き,発根させたものです.しっかり刺もあって,まだ若々しい印象です. 数日するとウチにいるもう一株,古株も花を咲かせました.これは10年以上前に手にして以来,本当にボチボチを成長してきた株です...
ウチには随分前からボンニアエが居て,増えた苗は色々な方の元へお嫁に行きました.これまでプシスに接いだりしたことがありましたが,ウチワに接ぐことはありませんでした.ほんの気まぐれからウチワ台を作って見たので,ボンニアエを接木してみました. ボクは糸かけなどという面倒なことが嫌いなので,なんでも伸縮包帯で済ませてしまいます.ウチワの刺座では包帯が留まらないので,短刺ウチワの刺を取って来て,ちょうど良...
紅葉系のヘキランたちが美しい季節になってきました.この時期,実生たちの紅葉の姿にはいつもいい色合いだな〜と目を留めてしまいます. 大体紅葉系といえば成長点付近が色付くのですが、中にはもっと下の方まで色が出てくるものがあります.この違いはなんなのか,緑の時は見分けがつきません. しっかり亀甲かつしっかり紅葉というのを目指しているのですが,小さい時の亀甲も紅葉もしばしば「二十歳過ぎればタダの人」的な...
キクの季節です.仕事では長らくキクと関わりましたが,リタイアしてからは手元に全くキクがなく,このような小さなキク科の花を見て,ああキクだなーと思うくらいです. このオトンナ クラビフォリア(Othonna clavifolia)手にしたのは6年前のことです.知らぬ間に図体はでかくなりました.当時は結構高かったのですが,今やダイソーにもあるというのですから,ちょっとびっくりです. 下から覗くと茎がどのように伸びたの...
ちょっと季節外れにも思える秋のオブレパンダ(Echinopsis obrepanda)です.秋らしくなって蕾が上がってきたのですが,ちゃんと咲くかなーと少し心配しながら見ていました. 例年に比べて気温の高い秋が幸いして,なんとか無事開花してきました.一般論ではありますが,ゆっくりと発達した花は概して大きく,見応えもあります. 朝ハウスに入るとしっかり咲いていました.僅かな香りも清々しく,ああ,いい花だとしばし見入っ...
亀甲牡丹は子供の頃から馴染みのサボテンです.その頃はゴジラなんてなかったので,一生懸命亀甲牡丹と連山の違いを確認していました.何が良型なのかわからず,何が大イボなのかも曖昧でした.その後ゴジラの時代になり,今なおゴジラ自体も進化を続けているのですが,ボクの気持ちはオーソドックスは亀甲牡丹に回帰しています. ウチにいる亀甲牡丹はいわゆるゴジラを除き,それぞれ少しずつ違う顔をしています. 今ボクは再...
秋の気温低下に伴い,水を吸ってむっくりと起き上がってくるマミラリアたちを見るのは実に楽しくかつ幸せを感じます.そろそろ明星たちが開花を始める季節ですが,今年はこの姫明星がいち早く存在をアピールしています.明星(Mammillaria schiedeana)は色々なタイプがあり,交配種を含めいくつもの園芸品種が出来上がっています.姫という接頭語をつけたマミラリアはいくつもあるのですが,いずれも小さい分枝をたくさん作る変...
今年の1月に黒肌明星における肌色の遺伝について記事にしました.その際に実生の写真を載せていたのですが,それらが育ってもう花をつけ始めています. 左側が銀の明星×黒肌明星,そして右側が黒肌明星×銀の明星,どちらがどちらか見分けがつかない感じです.両方とも肌色に差は見られず,肌色が濃くなっているようです.黒肌が完全な顕性かどうかは,まだ今の段階ではわかりませんが,少なくとも肌に色素の集積はしそうです....
一昨日最後まで残っていた薄手の白寒冷紗を外し,代わりに内張カーテンを伸ばしました.これは薄い遮光の役割も果たしてくれます.まだ肩の部分は開けていますし,サイドのカーテンも半分だけ降ろしています.これは当面はクルクルを少し開けて換気できるようにするためです. この時期の温度管理は,明け方の最低気温を気にするのではなく,どちらかといえば昼間の温度確保に重点を置きます.晴天日には朝から十分昇温する...
白ランモンストの花が正常ではないけど花粉は機能していることは先に記事にしました.その後も何度かこの白ランモンストの兄弟たちが花を咲かせましたが,皆外観は同じです. 花を縦に割ってみると,特に大きな異形はないようです.ただ明かな雌しべがありません. 雄しべだらけなのですが,その中に雌しべもどきがいました.柱頭がちゃんとできていません. 柱頭の下にある子房の部分は外観を見る限り正常にできているようで...
春からずっと外で雨ざらしの栽培を続けてきたパキポジウムもそろそろ中に取り入れる季節になりました.今年は春以降しばらく順調でしたが,夏の暑さは予想以上に大変でした.日中に暑くなったポリポットに水が入ると茹でパキポにならないか心配なくらいでした.灌水してもすぐに乾くし,全体にどの植物はぐったりでした.その分秋の雨の力には目を見張るものがありました.本格的な秋を迎え,パンパンに張ったパキポたちをみて一...
朝ハウスに入ると何やらツンとした薬くさいような匂いが充満していました.前日の昼間留守にし,夜暗くなってからハウスを閉めたので,何か動物でも侵入していたのかとハウスを見渡すも何も変わったことがありません.側窓のクルクルを上げて水やりを開始して初めてあー杢キリンが咲いているだと分かりました.これまでは外に置いてある株が開花したのを見て,写真を撮るなどしていたので,密室ではこんなに強い匂いになるとは知...
毎年秋になると咲いてくる白珠丸が今年も咲いて来ました.残暑が厳しく、ようやく涼しくなった9月下旬,何時ものようにちゃんと咲いて来たことに感心しました. 白珠丸には色々なタイプがあり,下の写真のような長刺タイプが最も流通しています. 長刺と言っても大株になると中刺はだんだん短くなっていくようで,図体がデカくなった分,相対的に刺短く見えることも相まって,中苗の時の刺の良さはだんだん失われてしまいます...
花を観賞するサボテンではないコピ達.しかし猛残暑の中でも,涼しくなった秋空の下でも,それぞれ元気に黄色い花を咲かせました.コピ達は驚くほどよく似た花を咲かせるのですが,周りの刺と肌色は様々です.そんな姿をちょっと記録してみました. 一本刺の黒士冠,それに囲まれて柔らかな雰囲気で花を咲かせていました.こんな写真にするとなかなかイケてるかも知れません. 接木のモリキキュラ,台の力を借りてモリモリ花を...
秋の陽射しの元でベルソルディが咲いています.春には大株も小株っも皆しっかりと開花してくれたのですが,諸般の事情から記事にできませんでした.なので秋の花を見て,春の素晴らしい開花を思い出しました.秋の成長期,このベルソルディも盛んに成長しています.この独特の刺は新しい時が最も美しいですね. そしてイボの間にはこの春に交配した花の果実が膨れています。もう種子が透けて見えるので,そろそろ穿り出しても...
急速に秋めく神無月の始め,今年最後と思われる太平丸の花がポツンと咲いていました.5,6月に一斉開花をする太平丸ですが,毎年のように秋にポツリポツリと咲きます.これがどのような意味を持つのか分かりませんが,同じ個体が咲くわけでもないので,個体の性質でないと思われます.すでに成長を休止している時期の花ですので,刺に挟まれ不整形となっています. これはいわゆる花王系の太平丸です.幼苗の時丸みを帯びてむっ...
このブログに何度も登場する銀姫ことMammillaria slevinii ,今年も6月,7月,8月そして9月と何度も群花を楽しませてくれました.下の2枚の写真はごく最近9月下旬のものです.いったい1年に何花咲かせるのか驚くばかりです.普通は滅多に仔吹きをしないので、1枚目の写真のように適当なところで胴切りして多頭株に仕上げた方が見栄えがします. こんな素敵なマミラリアなのにあまり流通することはなく,知らない人も多い種,そ...
今年の牡丹類の一番乗りは,この小さな亀甲牡丹です.全体に何やら何時とは違った開花の様子を見せるサボテンたちですが,牡丹類も何時もとは順番が違います.毎年9月頃から蕾を出して秋を待つメンバーが今年はダンマリです.やはり猛暑と猛残暑が開花時期を狂わせているのでしょうか. この株はShabomaniac!さんから頂いたもので,メキシコ産の種子由来の株です.どうやら2008年播種のようですから,すでに16年生です.彼の作...
今年の初夏にマグドガリーの交配を報告しました. その後何か鞘のようなものが見えてくるかなーと見ていましたが,一向にその気配はなく.すっかり忘れかけていました.あれから3ヶ月以上経ち,ふと見ると種子が見えています.まあ,なんとダイレクトな種子の埋もれ方. これは細いピンセットで穿るしかないなと,家に持ち込みました.そしてピンセットで種子を摘むと,ポロリ,あっという間に鉢の中に消えて行きました. こ...
今年はキリン接の穂が齧られないようにかなり気を使って防除して来ました.そんな中,手薄になった袖接のランポー錦に穴を開けられてしまいました.ある朝ふと見ると何やら白い粉のようなものが付いています.しまった,またやられたか.粉は芋虫のフン,しかも新鮮なフンなので白いのです. 振り払ってみると成長点付近に穴が空いています.穴の中でお食事中かと,穴の中を細い棒で突いてみました. 程なくして小さな芋虫が出...
これまで何度か開花していた鬼面角,秋がやって来たのですが,最後の一踏ん張りをしていました.せっかくなので写真を撮ってやろうと夕食が終わりすでに暗くなったハウスへ向かいました.7時すぎでしたが,まだ蕾は半開きでした.仕方なく引き返し,9時前にもう一度ハウスへ,今度はなんとか開いていました.冷気の中で咲く花は,真夏の夜の花とはちょっと違うようにも見えます. 初夏の頃はもっと早い時間に開いていましたが,...
秋になったなと思ったら,ホッケアの火星人が一斉に花をつけました.とは言え地味な花なので覗き込まないと分かりません.しかし,カメラのファイダーという小宇宙の中でこの花を見ていると,もしかすると火星人という名前は花を見てつけたんじゃないのかと思えて来ました. 今から7年前に来たこの株は,だんだんと大きくなり,芸のある地下部はすっかり貫禄が出て来ました.わざわざ素直に生育していないイモを選んだのは大正...
わずかですが有星類もキリンに乗せています.個体発生は系統発生を繰り返すと言いますが,有星類の実生接はその形態変化が実に興味深いのです. これは白ランモンストで以前に記事にしたものと同じ系統の種子で,すでにモンストになる顔になっています.この刺の出方は,なんとなく般若の関与を類推させます. 大抵の白ランモンストは生殖機能が低下しており,退化した(正確にいうと雄蕊化した)雌しべを持ちます.でもこのモ...
先の日曜は大阪でプランツジャンキー9thがありました.会場はいつものATC,昨年に引き続きの参加です. 朝10時半ごろ入ったのですが,ごった返している様子はありません.落ち着いた人出といったところでしょうか.ただ若い人が圧倒的で,ボクのような白髪の老人はほとんどいません.知り合いに一通りご挨拶して,あとは何度もブースを見て回りました. ブースの品々を眺め回すと,サボテンは全体の4割ほど,旧来の多肉でもな...
昨年の春に育苗バットに播種した(平蒔きした)太平丸です.いつも播種に使っているタキイのたねまき用土を深さ3cmぐらいバットに敷き,そこへバラバラと低密度で播種しました.その上からいつものように細かい砂利を敷き,スーパーのレジ袋のようなものですっぽり覆って発芽を促しました.発芽後はしばらく他の実生と同居していましたが,その後はフレームの平場へずっ置かれていました.ボクはこれまで,25穴のトレーを使った...
先週末にお邪魔して来ました.今年は6月に行っているので,そんなに久しぶりではありませんが,ここへは何時もワクワクして行きます.いつものように駅で拾ってもらいました.天気予報は良い天気でしたが,今にも降り出しそうな空模様でした.丁度オークションが開催されていましたので、出品物を生でまじまじと観察.やはりWeb上の写真目見るのとはかなり違いますね.ハウスの中は,いつもながらバライティーに富んでいて,見て...
最近渋さがちょっと人気のエリオシケも色々導入してみています.もともとネオポルテリアが大好きなので,それにつられてコレクションが周辺に広がりつつあります. 最初はNeoporteria coimasensis KK1554です.ネオポルらしいネオポル,今はEriosyce senilis subsp. coimasensisとなっているのでしょうか.セニリスは本当に変化に富んでいますね. 次はPyrrhocactus strausianus DJF337,今はEriosyce strausianaです.いかに...
池袋西武は外資を挟んでヨドバシカメラに売却され,大幅にその姿を変えようとしています.デパート面積は約半分になり,ヨドバシカメラが入ります.そんな中で屋上の鶴仙園さんはどうなるんだろうかと心配していました.鶴仙園さんのXで,売り場を拡張して9月から新規スタートという記事を読み,これはどうなったのか見に行かねばと思い,先日行ってみました.池袋西武デパートに着くと,いつもの地下入り口が閉鎖されています,...
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春が近づくとアリが目立つようになります.花を観察しているとアリがよく動き回っている花と何遍見てもアリが来ていない花があります.これは一体どうしたことでしょうか.何かアリを惹きつける香りを出しているのでしょうか.もちろんサボテンの花にも蜜線があり,ミツバチ,夜蛾,コウモリなどをよんで受粉してもらっています. エリオシケの中でも旧ネオポルの花なに特にありがよく来ます.普段はほとんど花粉が外に出ない花...
朝霧・夕霧は昔からあるマミラリアの普及種で,サボテン趣味を始ると遅かれ早かれ出会うどこにでもあるサボテンです.両者は同じ学名に対応しており,M. microheliaがそれです.どうして朝霧・夕霧という和名ができたんだろうかと思っていました.夕霧は黄花で,朝霧は赤花です.子供の頃,この区別を「朝焼けは赤い」と言って覚えていました.このネーミングの経緯は以下のような記述があります. 『昭和30年ごろ,賀来得四郎...
頭の部分だけ見ているとエスコバリアか?と思えるような刺です.これはMammillaria pottsii v. multicaulis SB1062.故郷はデュランゴ州 トレオンの郊外Lerd付近です.ポトシの1タイプに大和錦という和名が与えられています. ポトシはこのような小さくやや半開きの赤い花が特徴です.花型はミクロへリアなどに似ています.いくつかの個体を見てみましたが,あまり個体変異は認められませんでした. このmulticaulisという...
バラ丸は実生が難しいサボテンではありません.でも成長が決して早くなく,いつまで経っても小さいままです.でもそれは彼らにとっては普通の成長過程をとっているだけ,もともとごく小型種なのです.先月記事にしたように接木をすると結構なサイズに育ち,全く違った姿を見せますが,本来は小さなサボテンなのです.年明けごろに小さな蕾を発見すると嬉しくなります.1円玉にも満たない小さなものでも花を咲かせるのです. こ...
先月2月のハウスを彩ったツルビニたち.備忘録のような感じで載せておきます.彼らは決まった開花期があるというより,機嫌さえ良ければいつでも咲いている感があるのは,彼らの長い開花期間によるものでしょう. 長城丸(T. pseudomacrochele ),今ウチにいるツルビニの中では最も大きく綺麗な花をつけます.昨年蒔いた実生もしっかり育ってきているので,楽しみにしています. パストリザとして種子をもらったものですが,...
今年も魅惑の花,舞星が咲く時期になりました.ボクはこの花が大好きです,でも決して栽培容易というマミではなく,大きくなると気難しく調子を崩しがち.そこで実生苗を禁断のキリンに乗せた株をいくつか作ってみています.キリンの根であれば,そうした気難しさは無くなるのではないかと期待しています.特段大きくなることは求めていません,ただただ丈夫でいてくれたら良いのです.以下の写真はキリン根の株ですが今の所いい...
ザラゴザエがたくさん咲いています.Gymnocactus subterraneus var. zaragosaeは、ツルビニカルプスに編入されるも,再び分離独立,Rapicactus zaragosaeという学名をいただいています. 最初にウチに来たザラゴザエは,このようなピンクの花とややアンバー色の花を咲かせました. すぐに交配して種子を採り,増やし始めました.最初にキリンに乗せたものはもう咲いています.花色は両親の中間型です.数がないのでバリエーシ...
マミたちが次々と咲いていますが,そんな中で交配種もまたマミ棚に彩りを添えています.随分前から居る絞り花のラウイ,多分交配種だろうなと思っていますが,このインパクトのある花が好きで,毎年これが咲くのを楽しみにしています. これは偶然に見つけた絞り花の白刺カルメナエ,上の絞り花ラウイとそっくりの花です.時々交配種の中にこのような絞り花が生まれるようで,web上でも同じような花をつけたマミラリアが時々登...
ロフォフォラ属は,うば玉などの地域変異を亜種としたり変種としたりして色々な名前のものがあるのですが,Kewは種として4種のみを認めています.この銀冠玉はLophophora williamsii var. fricii としたり,L. friciiとしたりです.日本ではこの銀冠玉の色々な変異が園芸的に磨かれ,イボ銀冠などは完全に品種化しています.また銀冠錦を追求する余りに,銀冠なのか分からないものと交配された形跡があり,銀冠なの?ってものが...
この花が咲くのをずっと待っていました.Mammillaria hermosana VZD1181です.2月に入って蕾が見えたので,あー今年は咲くんだと嬉しくなり,毎日眺めていました.素敵な花ですね,もちろん写真では知っていました.鮮やかなピンクのストライプの花はちょっと他にはない花,しばし座り込んで眺めてしまいました. VZD1181の故郷はサカテカス州El Encinoです.一昨年の12月にメキシコで見た ことを記事にしました.ウチでも花を...
このラウイの大株はもう10年以上前からウチにいます.一体群生株としてどれほどまで大きくできるのかと,移植のたびに鉢サイズを大きくして来ました.今やかなりの大きさです.いつ崩壊するかちょっと心配な感じになって来ました.両方から写真を撮っておきましたが,40頭を超えるようになりました. 穏やかなピンクの花が黄色刺に映えて,全体として柔らかな雰囲気を醸し出しています.早春のハウス定番の花です.最近はやや刺...
今年もフラフェスの時期がやってきました.一昨日と昨日が会期でしたのでその報告をしておきます.早春の恒例行事で,大勢の方が来られました.香川カクタスクラブ(KCC)も品評会と販売の両方でフェスに貢献しました.サボテン・多肉植物品評会には,17名の会員から総計84点とまずまずの出品が集まりました. 昨年から始めた来場者の「いいね」投票も今年は男女に分けて集計ができるように工夫しました.結果もっとも「いいね...
4年前にスタンフェリー(M. longiflora subsp. stampferi)を友人から頂き,交配して種子を蒔き,次世代の株が仕上がって来ました.元の株は4つありましたが,一つは大切な人へのプレゼントとして出陣し,残る3株が今年も元気に咲いています. 最も小さな株の開花,1円玉ぐらいで十分開花します.こんなサイズでもいくつも蕾を着ける逞しいマミです. これは実生バットの中で他の諸々のサボテンたちを共におしくらまんじゅう...
マミラリア協会誌の2月号が届きました.表紙はペクチニフェラです.この号も魅力満点の記事が満載でした. 最初はロドリゴさんのM.julianaeの記事です.これが2月号に載ることは事前にFBで知っていました.実はこのジュリアナエを2年前にロドリゴさんのガイドでモンテレイ付近を歩いた時に見せてもらっています.典型的な金平糖マミなので,近縁種との関係は判断の難しいところです.果たして主として生き残れるかどうかは,今...
日本でマガラニー(Mammillaria lasiacantha subsp. magallanii)と言えばは,渋い花を咲かせる雅卵丸がそれにあたります.ラシアカンサの1タイプなのだから色々変化があることは承知していました.ここに紹介するマガラニーはMesaの種子,FNのないマガラニーです. いわゆる雅卵丸のような薄茶色の中筋が目立つ花を咲かせる個体はなく,クリームからうすピンクです.ロゼオケントラとした方が良くないか?というような個体もあ...
ボクの誕生花と勝手に決めているバラ丸たちが丁度開花期を迎えています.以前に誕生日記念にバラ丸の絵を書いてもらったことを記事にしましたが,その群生株が綺麗に咲いています.また一つ歳をとったなと思うとともに,この花に励まされて,今年も1年頑張るぞとの思いを新たにしました. 如月の始め,蕾が目立って来ました. 気温が低めの日が続き足踏みしていましたが,誕生日に今年も立派に咲きました. 群生株が欲しいと...
これはMammillaria haageana subsp. schmollii FO239,故郷はプエブラ州San José Axuxco,テワカンの南東です.このFO239というFNのついたハーゲアナは,HaageでもMesaでも売っているのですが,このFNを検索サイトで打ち込むとオプンチアがヒットするという奇妙なことになっています.ハーゲアナとしては小型の亜種です. 次はハーゲアナF60,これの故郷は同じくプエブラ州Coxcatlán,上のところに近いところです.これもまた小...
サンチェスメホラダエ(Mammillaria sanchez-mejoradae)は,小さなサボテンで,かつ生育もそんなに早くはありません.この株は頂いたものなのですが,今年も元気に蕾を出して来ました. 小さくとも元気に華を咲かせる姿は,見ているものを幸せにします. 昨年の今頃実生苗を紹介した小苗も今年はちゃんと花をあげました.小さいのに幾つもの蕾を上げています.大丈夫かなーと心配になります. せっかくなので交配して少し種...
1年前の2024年お正月,地元のカクタスクラブで久しぶりの競作苗配布が行われました.お題は日の出丸です.正直えーっと思いました.苦手だからです.その時の様子がこれ,5mm程度の実生苗が配られました. 3ヶ月後の様子です.だいぶしっかりして来ましたね.でもまだ日の出らしさは見えていません.この後他の実生苗とともに育苗バットに植え替えました. 半年後の様子です.7月上旬1円玉ぐらいになってきました.まだ日の出...
古生物系雑貨を扱う店で,古本が並べられていて,その中に旧制中学の植物学の教科書がありました.大正時代のものです.所有者は旧制岩手県立遠野中学校の学生,名前は伏せておきますが,たくさんの書き込みがあり,よく勉強していたことがうかがえます.教科書の著者は安藤伊三郎,明治から大正にかけて理科関係のいくつかの教科書をまとめた人です. パラパラと眺めていると3箇所にサボテンが出て来ました.この教科書では「...
大好きな旧ネオポルテリアたち,すでにいくつかは個別に紹介したのですが,毎年ハウスを明るくしてくれるウチのご老体の面々を載せておきます. まずはヴィロサ(Eriosyce villosa FK71).これは早咲きで1月に後半から咲いて来ます.まさに真冬の花,最もハウスが暗い時期に,一筋の光を放っています. 次はセニリス兄弟(E.senilis FK422).本当に老人になりました.この兄弟,若い時は白髪型と茶髪型でしたが,老株になっ...
旧ネオポルの仲間たちが色々と咲いています.その中で,思い入れの強いのがこのニグリホリダ(Neoporteria nigrihorrida FK22)です.12年前に小さな苗を,当時ブログを通じて知り合ったアイハルさんからいただき,その2年後に初花, その株がずっとウチで咲き続けています.株の下側がだんだん縮むのでガタイのサイズはそれほど変わりません.2月に入ると赤い蕾が見えて来ました. ネオポルの蕾も花も,いつ見ても心和む美しさ...
キリンに接いだ白花バラ丸が咲いたことを記事にしたのは一昨年の12月のことです.その後も次々と花を咲かせました. 花がひと段落した2月に頭を刎ねました.キリンでも袖のような立派な多頭株になるでしょうか. その後無事多頭株になり,春が近くなり,たくさんの蕾が見えて来ました. 開花の様子, 5分咲き,そして満開です. ちなみに親株たちは相変わらず3号鉢で今年も元気に咲いています. 取り敢えず接木で多頭株...
このピコと呼ばれるサボテンは不思議なヤツです.本当はUn Picoという園芸品種名なのですが,日本では単にピコと呼んでいるようです.スピノッシシマ(M. spinosissima)の突然変異で,刺が0〜1本になったものです.写真の株はほとんど刺がありませんが,白い1本とげをシュッと伸ばすタイプもあります.この形質は遺伝的に安定しており,種子繁殖が行われています.スピノッシシマは,錦丸,猩々丸,白美人など刺色等によって色...
結局あまり強い寒波に見舞われることなく冬が過ぎ,周りでは春の花が咲き始め,サボテンたちの植え替えも順調に進めている今年の春です.ちょっと手を休めて,今日からタイに出かけて来ます.コロナのせいで長いこと会っていない懐かしいタイの友人たちに会うとともにタイのサボテン屋さんも見てくる予定です.これまでバンコクやチェンマイの植物マーケットの出店はたくさん見て来ましたが,栽培場を訪れてオーナーとお話しする...
この土日は県フラワーフェスティバル2024でした.香川カクタスクラブ(KCC)も展示と販売の両方に参加しました.昨年同様品評会は大変素晴らしいサボテン&多肉が揃いました.多様性こそがタニサボの魅力であり,それを余すところなく伝える出展内容でした.近年,流行りものしか並ばないタニサボのイベントが多い中で,やはりこうでなくちゃと思いました. 販売ブースの方も大変盛況でした.特に1日目の午前中は凄まじい混み合...
昔のことですが,友人の一人がカメラは嫌いだというのです.どうしてかと聞くと,見た通りに写らないからと言うのです.ヒトの目はよく出来た露出調整や輝度調整機能を持っています.いえ,より正しくは「脳は」というべきでしょう.ですから見た(と思った)通りには写真には写りません.その後カメラは大変な進歩を遂げ,自動焦点はもとより,特に人物に対してはより美しく写るように様々な機能が搭載されるようになりました....
スタンフェリー(Mammillaria longiflora subsp. stampferi)の実生株が花を咲かせました.雲峰スタンフェリーがこんなに小さくても咲くとは思っていませんでした.ガタイと花のアンバランスがなんとも言えません.こんな素敵な姿をみるともう少し種子を蒔いておこうかという気になります. 親たち今年も盛んに開花しています.花筒が短いので,大きくなっても可愛い感じですね. ほぼ同じ頃普通の雲峰も咲いて来ました.学名...
以前メキシコの記事で草むらに咲く小さなマミM.weingartiana(優羽丸)のことを書きました.ウチにいるヴァインガルチアーナはSB831,ヌエボレオン州San Juanitoが故郷です.小さなガタイに長いカギ刺を出しています.こんな小さいのに咲くのかなと思っていたら,春めいた2月中旬,健気に花を咲かせました.こんな可愛い花だったのかと感動しました. そしてもう一株も間もなく開花,特に種内変異はないようです. 小さいの...
今年もバラ丸の花の季節がやって来ました.昨年この株の満開の様子を誕生日の記念としてSaori Ohwadaさんに描いてもらいました. 今年も誕生日に向けていっぱいの蕾をあげています. 天候に左右有される植物の開花,今年は誕生日に遅れること1日でほぼ9分咲きになりました.誕生日の記念の絵にもなったし,実際毎年誕生日前後に咲いてくるので,これをボクの誕生花にしてはどうかとサボ友さんに言われ,なるほどね,誕生花と...
ウチに居るザラゴザエ(Gymnocactus subterraneus var. zaragozae = Turbinicarpus zaragozae)の兄弟3株は,ご覧のようにピンクと少しアンバーな薄茶色の花を咲かせています.早春の素敵な花です. 少し増やそうと昨年蒔いてみたのですが,あまり発芽が良くなく,ほんの少しだけキリンに乗せました.それはそれで順調に育っています.成長点部位を見ているとベグイニーとまるっきり同じで,見分けがつきませんね.開花期が...
新しいマミラリア協会誌が届きました.この表紙の地味な金平糖マミは,M.nacoriensisでM.standleyのシノニムです.花も咲いていないこんな地味なサボテンを堂々と表紙にするのは流石にマミラリア狂の雑誌です.今回の記事は,クルシゲラの解説,旅行記が2本,エスコバリアの解説,その他でした. 中でもこのエスコバリアの解説記事が気に入りました.16種について解説していますが,内15種については写真もあり,納得の説明です...
小型マミのサンチェスメホラダエ(Mammillaria sanchez-mejoradae)が咲いています.小さなガタイにこれでもかってほど蕾が着きます.天気が良いと花弁が反転するくらい開くのですが,これぐらいの開き具合が丁度見頃ですよね. 10年以上前からこのサンチェスメホラダエは手元にあります.でもこの写真の株は何代目なのか,とにかく小さくて干からび易いのです.気を付けていたつもりでもやってしまうのです. 自分で繁殖でき...
毎年この時期に華やかなピンクの花を咲かせてくれます.太白丸(Thelocactus macdowellii)の太白(たいはく)は,白いことという意味で,英語でChihuahuan snowballと呼ばれるようにまさに名は体を表すといった名前です.その純白の刺に優しいピンクの花は,誰が見てもほっこりします. この株は2011年に手にしたもので,このブログ初登場は2012年,それは小さい若苗でした.あれからほぼ毎年きちんと花を咲かせてくれました....
白岳丸(Mammillaria lasiacantha subsp. egregia)の渋い花が咲いてきました.エグレギアでも花色は少しずつ異なり,もっとピンクっぽいもの,中筋のほとんど見えない白っぽいものなどがあります.ボクはこの茶色い渋い花のタイプが好きです. 大好きなマミなのですが,これがまたなかなか気難しいところがあり,これまで結構な頻度で群生株を崩壊させてしまっています.この株はキリンの根なのですが,これなら丈夫でしょうか...
冬の陽射しに反応して長城丸(Turbinicarpus pseudomacrochele)が咲いて来ました.いつもこの時期に咲いてくるので,冬の花のイメージです.この写真は開花初日なのですが,数日間開いたり閉じたりしてゆく間に花径は相当大きくなります.これほど花径が変わるサボテンも珍しいと思います.チューリップなんかと同じ現象,花弁の開閉に伴って花弁裏表の細胞が肥大して,結果として花弁のサイズが大きくなります. この双頭の株...
最初にラウセリー (Thelocactus lausseri) )に出会ったのは10年も前のことでした.毎年立春の頃にこのおしゃれな花を咲かせ始めます. 少し株が大きくなるとこの程度の数は一度に咲くのですが,もともと大型の種ではないので、株の直径はこれ以上は大きくならず,だんだんと立ち上がって来ます.適当なところで胴切りすると多頭株になるでしょういか. 数年前に少しだけキリンに実生接をしみたのですが,それらは皆巣立ってゆ...
エリオカクトイデス(Uebelmannia pectinifera var. eriocactoides)の小さな株は実に愛らしい姿をしています.昨年エリオカクトイデスを手にしたことを記事に書きました.竜神木接でしたので,短い台木をつけて難なく接降ろしが完了し,双頭のまま随分と大きくなってきました. 成長点付近の穏やかな金刺も健在です.花を観賞するような植物ではありませんが,花が咲いてくるのは元気な証拠と思えばそれはそれでよしです. 一...
冬の時期に実生バットを覗くのは楽しいものです.毎年幾つものマミラリアを実生するのですが,彼らは実生2年目に咲くものが結構あります.1円玉より小さな体で花をあげる健気な様子は,みるものを幸せな気分にします. ヘルナンデシー(Mammillaria hernandezii)は,小さくても咲くマミの代表選手です.ガタイより大きな花をつける姿は,見るものを勇気づけます.毎年,年末ごろから彼らの花を見るのが楽しみです.他の冬マミ...
高砂(M.bocasana)は古くからあるマミです.決して魅力のないサボテンではなく,温かみのあるホワッとした印象のマミです.近年は多毛系が選抜されて白いものを結構見るのですが,何か偽物くさくて好きではありません.いつもこの時期に穏やかな花を見せてくれます. 古くからあって長らく国内で実生が続けられてきた高砂ですが,元々はどんな姿をしているのか知りたくて,FNのついた種子を取り寄せてみました.こんなベタなマ...