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  • 三度目のメヒコへ

    明日からしばらくメキシコへ行ってきます.3度目のメヒコは,メキシコ中央高原の中北部,今回はモンテレイが起点です.コロナで長いこと国外で出られず,久しぶりの長旅にちょっと不安を抱きつつも,新しい出会いがあるだろうと心が躍ります. 留守中は,家人に灌水を託しますが,できるだけシンプルに対応できるように,お願いのメモには腐心しました.まあサボテンは2週間ぐらい水をやらなくても枯れることはなく,むしろ野菜...

  • 輝くブイニンギー

    茶色の毛に覆われた蕾と純黄色に輝く花弁,いかにも旧ノトカクタスらしい花姿です.しかし鋭角の稜線がはっきりとしており,この点はノトらしくないとも言えます.これはNotocactus buiningii (Parodia) GC783,04,故郷はウルグアイです. 刺の色合いは変異がありそうで,下の写真のようにほとんど色付かないものもあります.ガラスのような刺とブルー肌は美しいものです.これはHU90.やはりウルグアイ産ですが,上のGC783,0...

  • 穏やかなテロの花

    これはThelocactus hexaedrophorus var. fossulatus SB892,昨年友人から頂いたものです.この学名は,しばしば緋冠竜に対応するものとして用いられますが,この株を見ていると緋冠竜はなるほど園芸品種なのだなと思います.この変種(variety)は基本種に統合され,今は無くなっているようです.それよりこの植物がなぜ六面体(hexaedrophorus)という種小名をもらったのでしょう.六面体はサイコロのような形がその典型です....

  • 小さなレコイの開花

    昨年は種したマミ実生バットで,小さなレコイが咲いていました.レコイは先日記事にしたレプタカンサの元の種です.花筒がやや長いところはよく似ています.しっかりとしたカギ刺ですね.人目を引く鮮やかな花色です. 咲く,咲かないはどうやらサイズだけではなく,ある程度の早生晩生があるようで,大ぶりになっても花を着けない個体もありす.また中刺の色にも若干バリエーションがあります. これはMammillaria krasuckae ...

  • ふた晩待たされたホルスティー

    植え替え作業に忙しい時期,夕方にハウスを回るとホルスティーの蕾を見つけました.ああ,今年もそんな季節かと思い,鉢を部屋に持ち込みました.ところが,夜になってもひらきません,開花はまだ先でした.気温の高い時期だとこれくらいの大きさの蕾はその日に咲くのですが,気温が低いとゆっくりなのですね. そして翌日,これはもう確実だろうと再び部屋に持ち込みました.ところがまたもや期待を裏切られました.こんなに蕾...

  • 地味系マミのストライプ花

    地味系マミのMammillaria antesbergeriana L1163が開花してきました.このアンテスベルギアーナは,M.wagnerianaのシノニムとされ,さらにこれはM.petterssoniiに近いものとされ,その分類は議論のあるところのようです.このL1163の故郷は,デュランゴ州 Canoasです. ストライプの入る花が特徴のようです.覗き込むとなかなか良い花です. ペッテルソニー自体が大変種内変異が大きい種とされるので,どこまでが基本種で,ど...

  • 大輪のランポー

    アストロ達は気温の上昇に敏感に反応します.この時期つい数日前までネズミ色の蕾だと思っていたものが,あっという間に開花しますね.ほぼ全ての株が今年の初花だったのですが,その中でひときわ目立った大輪だったのがこの株です.とても良い香りがします. この株はごく初期の亀甲ランポーで,アレオレ部分の突起は小さく,サイズが大きくなるに従い地味な風貌になりました.でも未だなおちゃんと亀甲柄を出しています. 子...

  • 貫禄の出たレプタカンサ

    レプタカンサ(M. rekoi subsp. leptacantha)がだんだんと縦長になり,胴切りして多頭化しようかと思っていたら基部から仔を吹き始めたことを以前に記事にしました.それから2年,基部の仔にも花が咲き,すっかり貫禄がつきました.そうか、こんな風に群生株化していくんだなと理解しました.下手に胴切りしなくてよかった. レプタカンサには黄花と赤花があり,以前に持っていいた黄花が昇天.花のない時に黄刺の小株を,こ...

  • 今年は何もかも早い?

    史上最速の桜の開花が各地で記録され,ここ讃岐でも例年より随分と早くソメイヨシノの満開を迎えました. 毎年咲き始めを気にしている太平達ですが,今年は3月下旬に咲き始めました.3月中に幾つもの株が開花したのは,僕の記憶の中では初めてです.これは白刺翠平ですが,例年は集団の真ん中付近で咲いていました. 白鳥や白鷺なども咲いて来ています.これもまた例年より随分と早い開花です. 3月上旬に4月並みの暖かさが...

  • 弥生を飾ったマミ

    今月は今日で終わり,個別に紹介できなかった弥生のマミたちを載せておきます.まずは金洋丸錦(M. marksiana),穏やかな黄色の花を次々と長期間楽しませてくれました. 金剛丸錦(M. centricirrha),斑に赤い花が一層鮮やかに映えます. クルシゲラ(M. crucigera),この小さな世界を覗き込み、今年も元気にしているのを確認しました. 明月(M.schiedeana subsp.dumetorum),この穏やかな花はいつ見てもホッとします....

  • テロカクタスのおチビさん

    ガタイをすっかり覆い隠すように武者影(Thelocactus hexaedrophorus subsp.lloydii)の小株が花を咲かせています.テロカクタスらしい清楚な花です. テロカクタスは案外小さい時からちゃんと花を咲かせるので,楽しみが多いサボテンです.それにしてもちょっと大丈夫?ってくらい不釣り合いに花が大きいですね. この武者影と鶴巣丸を交配したものが,下の写真の鶴武者.別にどーってことない交配種になっています. テロカク...

  • 白ラン兜の魅惑的な花

    3月も下旬になり,菜種梅雨のぐずついた天気が続く中,素敵な花が咲きました.これは白ランに赤花兜をかけたものです.どんな花が咲くか見たくて,一つだけ袖に接木したものです.黄色でもなく赤でもないこの微妙な色が魅力です. 白ランポーと兜は容易に掛かるのですが,やはり異種なので,この個体は種間交雑にありがちな斑入りです.種間交雑で得られる斑入りは大体表皮が陥没したようになり,不健全な姿になり,斑入りとし...

  • 桜丸一族

    今年も大好きな桜丸たちが開花期を迎えました.いつもても魅力的な花です.ここ数年毎年種子を蒔いているので,我が家の桜丸ファミリーは大所帯になっています. 大元の親株は下の写真のように蕾のつき方が違います.面白いことに後代のほとんどが1,2枚目の写真の株と同様に成長点付近に纏まって発雷します. 開花にはやや早晩はありますが大した差ではありません.下の写真のように花色には若干濃淡が見らますが,もっと桜色...

  • 渋い花が良い香り

    春先にザブッと水をやったら,間も無く側面に蕾が見え始めると共に,パックリと身割れしました.ああ痛そう,そんなに急いで吸水しなくても良いのにと同情しました. その数週間後,桜の便りが聞かれ始めた頃,このなんとも渋い花を咲かせました.渋い花ですが,とても良い甘い香りがします. 夕方,横から見ると渋い色合いが一層はっきりします. このサボテンには,カルメネンシスf.ラクエスタというラベルが立っていました...

  • ようやく揃って咲いたシュレセリー親兄弟

    シュレセリー(Sclerocactus spinosior subsp. schlesseri)の実生ができたのでキリン台で養成し始めたのは3年前です.その後降ろした株達は元気に生育しました.キリン台で養成したこともあり,自然にはない多頭株になったのですが,刺の様子にバリエーションが見られ,両親にはなかったはっきりとした白刺が長い個体も出ました.でもその後どうしたことか開花期が合わず交配はお預けでした.今年はほとんどの株に蕾が見え,待...

  • 緑の花に甘い香りを楽しむ

    この花が咲くといつも鼻を近づけて香りを楽しんでいます.チョコレートのような甘い香りなのです.これは,Echinocereus viridiflorus var. robustior HK1007.青花蝦のやや大柄な変種ということです.青花蝦という和名を頂いていますが、もちろんブルーフラワーではなく,ご覧のように緑花です. この株は9年前に記事にしていますから,相当長いことウチにいます.下の写真のように基部から仔を吹き主幹は太くなりつつもまだ...

  • 見事な花輪

    マリオナエ(M. sinforosensis subsp. marionae ROG730)が如何にもマミラリアらしい見事な花輪を作っています. この株はこれまで何度か登場していますが,順調に成長し年々径を増し,10cm近くになっています.どこまで大きくなるのかなーと移植のたびに鉢を大きくしています.このM. sinforosensisは,M.standleyiのシノニムリストに現れますので,スタンドレイの1タイプということかも知れません.何しろスタンドレイは,種...

  • 円盤くんの素敵な花

    毎年この時期,フェロの円盤くんの花を見ると嬉しくなります.フェロの中では飛び抜けてオシャレな花です. この株はウチの中では最古参,おそらく20年近く前に手にしたのだと思います.サボテンから遠ざかっていた間に居た数少ないサボテンの一つです.サボテンを再開してこのブログを書き始めた2011年から毎年のように記事にしてその様子を記録してきました.歳の割には大きくなってはいないのですが,未だ元気に成長し毎年花...

  • 月宮殿の花の宴

    今年も月宮殿(M.senilis)花の宴の季節がやって来ました.毎年見つめている株ですが,今年も元気一杯咲いています.一度開くと夕方に閉じることのない月宮殿は,午後遅くでも花を楽しめるという点で優れたサボテンですね.また大株になるとかなりの蕾が着くので1ヶ月ほど楽しめるのも良いところ. そしてキリン接ぎで養成した上の写真の子供.仲間は皆もお嫁に行きましたが,一株だけ残して様子を見ています.月宮殿はやや根が...

  • 命を繋ぐニグリホリダ

    このネオポル ニグリホリダ(Neoporteria nigrihorrida FK22)は,10年ほど前にブログ友のアイハルさんから分けてもらいました.当時各ポットに9株が植わっていた本当に小さな株でした.頂いてから2年後には開花を始め,それ以来何度も調子を崩しては全滅しかけましたが,その度になんとか回復して今日に至ります.でも最初9株だったものが,今は5株に減っています.如何にもネオポルらしい花と黒い刺は,毎年見ているのですが...

  • 緋冠竜の穏やかな花

    今年の3月前半は例年になく気温の高い日が続き,様々なサボテンが一気に開花を始めました.その一つが緋冠竜,なんとも穏やかな花.テロカクタスにはこのような雰囲気ある花をつけるものが多いですね.T.hexaedrophorusは種内変異の大きな種で,緋冠竜はその1タイプ.この種の色々なタイプに天晃始めさまざまな和名が対応しています. この株は強刺選抜とされるものです.確かに刺の様子はよくある緋冠竜に比べてかなり立派....

  • ご家庭でのパキポの冬越し

    恵比寿笑いなどのパキポの小さな苗は実にかわいい姿をして人気です.冬はどのように管理すれば良いですかと,よく聞かれるのです.温室やフレームなどで一定数の植物をもっておられる方ではない人に正確にお伝えするのは結構骨が折れます.なので今年は一鉢を自分の部屋の窓辺において,状況を一冬記録してみました.下の写真のようにシクラメン,シャコバサボテンなどと共に南向きの窓辺に置いています.この部屋は人が居る時に...

  • 豪華なルブログランディス

    ルブログランディスが豪華に咲いています.これはメラノケントラの亜種(Mammillaria melanocentra subsp. rubrograndis)という位置づけです.以前ウチにいた夕凪丸(M. melanocentra)もなかなか豪華な花姿で気に入っていたのですが,突然崩壊してしまいました.以前に廣仙園さんで大きなルブログランディスを見て欲しいな思ったのですが,実生苗を作っておられず入手できませんでした.その後グランカクタスさんでこの株を手...

  • どんどん大きくなる銀紗丸

    数年前に手にした銀紗丸(Mammillaria‘Ginsamaru’)が,単幹のままどんどん大きくなっています.この春はもう一回り大きな鉢に植えてやりましょう,20cm越えもそう遠くないって勢いです.ウチのマミで,単幹のまま大きくなっているのは,玉翁,黄神丸などです.これらは中途半端な大きさの時はただデカイだけであまり魅力的ではないのですが,あるレベルを超えると貫禄が出て来ます. マミラリアらしい花は,華やかで良いですね...

  • 今年のナナ

    キャンディダ達(M. candida)の先頭を切ってNanaが咲いて来ました.この小型のキャンディダは,一昨年頂いたもので,昨年の開花を記事にしました.花の様子は満月などと同様で,穏やかな薄桃色で,鮮やかなピンクの花糸が一層優しい雰囲気を醸し出しています. 頂いた時は本当に小さな株でしたが,あれから随分と成長し,刺も詰まってきてキャンディダらしくなっています.刺色にもある程度の個体差が認められ,桜月に近いよう...

  • 多毛と花色

    マミは多毛が良系とされる種がいくつかあります.多毛景清などはその典型で,昔からあるタイプの景清はすっかり影を潜め,出回っているのは多毛ばかり. 2月になりそろそろ蕾の用意ができ始めると頂部に綿毛が吹き出します.うちの多毛系は1年経つと毛がなくなるよなーと思っていたら,世の中で多毛を競っている個体の栽培では決して頭から水を掛けないとか.なるほどそうだったのか,なるほどウチの景清の株元は抜け毛で真っ白...

  • 今年のステノ多稜たち その2

    昨日のその1グループから少し遅れて,縮玉(S. multicostatus subsp. zacatecasensis)が咲いて来ました.こちらも毎年たくさんの蕾を着け,長期間楽しませてくれます. 次は五刺玉(S.obvallatus),ストライプがオシャレな多稜の仲間ですが,この個体の花はひときわくっきり綺麗なストライプです. 最後は多稜たちと言いながら余り多稜でもない竜剣丸(S. coptonogonus).でもこれが一番人気の多稜くんかも知れません.強刺を競...

  • 今年のステノ多稜たち その1

    年明けごろから剣恋玉(Stenocactus kellerianus)にたくさんの蕾が見えてきました.今年はたくさん咲くんだねとワクワクしながら開花を待ち,1月末には開花が始まりました.蕾の発達は,最初ゆっくりですが1cmを超える辺りからは急に大きくなって花開きます. この株,1年前の開花時と比べて随分と大きくなったなと感心しました. 次は振武玉(S.lloydii = S.multicostatus).2月の中旬に咲き始めました.株がだんだんと...

  • 美しい赤花のマミ

    マミラリアの魅力の一つは蕾の美しさにあると思います.とんがった蕾がイボの合間から顔を出す様は,いつ見てもワクワクするものです.これは Mammillaria sp. L86.ダークグリーンのイボの間から真っ赤な蕾がのぞく様は文句なく素敵です. 花は開くとかなりの大きさとなりました. 赤い花輪になった様子はかなり目を引きます.この株はまだ小さいのですが,大きくなると見事な花姿になるものと想像できます. 種小名がspとあ...

  • ずっと咲いている月世界

    月世界(Epithelantha micromeris)の花の季節を待つなんてことはありません.ある意味ずっと咲いているサボテンだからです.ただダラダラと常に咲いているわけでも無く,咲いては休み,咲いては休み.ですから開花している時期が真冬だったり,真夏だったり.地球上の四季などにはおよそ無関心,なるほど月世界なのかも知れません. 覗き込めば,ピンクの小さな花はそれなりに可愛らしく,おとぎの国のお姫様のようでもありま...

  • バラ丸の系譜

    ウチにはいくつもバラ丸(Turbinicarpus valdezianus)が居ます.下の写真はサボテン趣味を再開して間も無く手に入れたバラ丸.もう10年以上経ちますが,親指の頭ぐらいに育った後は,ほぼ同じサイズですが毎年ちゃんと花を咲かせます. その後スーパーバラ丸と呼ばれる系統の接木株を得ました.何がどうスーパーなのか知りませんが,この名前で広く売られました. 白花バラ丸というおそらく選抜系統なのだと思いますが,ほぼ...

  • 針山に咲く赤い花

    テロのフレウテンベルゲリ(Thelocactus rinconensis var. freudenbergeri)が紅赤の綺麗な花を咲かせています.写真を撮るために栽培棚から取り出すにも細心の注意が必要な鉢の山です. この株は3年前に手にしたのですが順調に大きくなっています.この順調にというのは曲者で,ご覧のように実際の株の2倍ほどの面積を喰うのです.もう鉢サイズをアップするのはやめにしなければなりません. これも先日記事にした鶴巣丸も今は...

  • あのバラ丸が満開

    先日誕生日の記念に絵を描いてもらったことを記事にしました.その時モデルのバラ丸くんはまだ蕾でした.この株は,地元のフラワーフェスティバルの屋内展示にも出陣したりして開花が遅れていましたが,ようやくほぼ満開になりました. 一度満開になってその夕方の閉じた花に覆われる株の姿もまた最高です. そして本当に満開.どの角度から眺めても素晴らしい状態です. 描いてもらった絵と一緒に記念撮影. こうして花と絵...

  • マスタス ワルノッキーのおしゃれな花

    2月になりワルノッキー(Echinomastus warnockii)に蕾が上がって来ました.これはワルノッキーSB452,コアウィラ州のど真ん中が故郷です.これはキリンで養成した株なので下の写真のように分枝していますが,本来はもう少し小さく単幹であるはずです.全体としてくすんだ銀灰色の刺に覆われていますので,日頃はどちらかといえば地味なサボテンです. てっきりワルノッキーは白花だと思っていたので,こんなおしゃれな花が咲い...

  • マミラリア協会誌2023 Feb.号

    マミラリア好きにとってイギリスのマミラリア協会は,頼りになる情報源です.昨今web上で無料で読むことのできるサボテン関係雑誌は多数あるのですが,やはりマミラリアに特化したといえばこれです.先日この小冊子をお供に短い電車の旅,30頁余りのボリュームがちょうど良かったです. 内容は,分類や自生地の詳しい記事から,私のマミ自慢的なくだけたものまで,いかにも同好会らしい内容です.しかしなかなか侮れないのが,...

  • 雲峰たちの春

    スタンフェリー(Mammillaria longiflora subsp. stampferi)が2月初めに咲き始めました. 約1ヶ月以上かけて次々と咲いて来ます. 蕾の様子を見ると元の種である雲峰より花筒が短いことがわかります. 一斉に咲く姿は素敵です.平鉢にたくさんの株を植えて一斉に咲くと素敵だろうなあと思います. 下の写真は元の種である雲峰,これは古くからウチにいて9年前の姿は若々しいのですが,株の基部が縮みながらやや縦長になっ...

  • 双頭なのかハートなのか

    ハウスを訪れた方が,まあハートが素敵と言われたのですが,一体何ことを言っているのかわかりませんでした.しばらくトンチンカンな受け答えをしているうちにこのエリオカクトイデスのことだと気付きました.それまでボクはこれがハートの形に見えるとは気付いていませんでした. ボクがこの株を手にしたのは双頭だったからです.大福丸などいくつかのサボテンは成長点が二つに分かれて二叉分子のような分頭をしますが,多くの...

  • ミクロへリアと仲間たち

    朝霧・夕霧は、子供の頃からの馴染みのサボテンです.共にMammillaria microheliaなのですが,先人は花色の違いで異なる和名を与えました. この株は赤と黄色の花を着けています.実はこれは朝霧と夕霧を縦に割って接木したモノです.こんな悪ふざけはいけないかなと思いつつ,つい. このミクロへリアと黄金司の交配種とされるのがピンクニンフです.ウチの株は10年選手でかなり老化しています.そろそろ先端を挿木して仕立て...

  • カレル チャペックのシャボテン

    「園芸家12ヶ月」という本を友人に教えてもらいました.この本は新しい本ではありません.著者のカレル チャペックはチェコの作家で,この本の元になったものは,1927〜28年に書かれた新聞のエッセイです.園芸愛好家の生態を,1年の各月毎に面白く可笑しく捉えています.読みながらなるほどその通りと頷くことしばしば,園芸愛好家あるあるそのものです. この本をここで取り上げるのは,「シャボテンつくり」という小見出しの...

  • ザラゴザエたち

    2月下旬の陽射しに反応して,ザラゴザエ(Gymnocactus subterraneus var. zaragozae)が花をあげて来ました.いかにも旧ギムノカクタスらしいガラス状の白刺が美しい種です. 花はピンクの花もよし,アンバーな花色もよしです.実際にはかなりのバリエーションがあるようで,かなり橙色に近い花色個体がweb上では見られます.今手元にある3株からどれくらいのバリエーションが引き出せるか知りたいので相互交配しておきました...

  • カニの子

    昔亀甲紅葉ヘキランとして小さな赤いヘキランを手にしたのが11年前,それがこれまで何度も登場してきた通称カニです.カニは随分と背が高くなり,やや老化した感もありますが,紅葉の形質は今なお健在,春に向かって茹であがり中です. 紅葉と紅葉をかけるとかなりの割合で紅葉になるのですが,面白いことにこのカニと普通の亀甲ヘキランを交配すると,亀甲の出方は色々ですが,須らくただの青物になり紅葉の形質は出現しません...

  • 県フラワーフェスのサボテンたち

    先の土日に県のフラワーフェスティバルが,久しぶりに人を入れて通常開催されました.地元のカクタスクラブも展示&販売で参加協力しました.この展示・品評会はカクタスクラブの有志がコレクションの中から数点を持ち寄り展示しています.総計120点余の出品でした.ボクも微力ながら協力させて貰い,ちゃっかり賞もいただきました.実は昨年までは仕事の関係上主催者側にいたのですが,リタイアしたので誰に気兼ねすることなく...

  • マミの絞り花はハブリッドか?

    これまで何度も取り上げてきた通称ラウイの絞り花です.これまで散々いろんなものをかけてみましたが着果しません.これはどうやら不稔のようですね.仕方なく危険分散にと,分枝を一つ外して独立させてあります. 次は白刺カルメナエの絞り花.白刺カルメナエは交配起源なのかと思いますが,実生繁殖が可能.あるところで売り場に並ぶ数十株の白刺カルメナエを見ましたが,花色は実に多様でした.こうした中で絞り花がどのよう...

  • ニデュランスの晴れ舞台

    日頃は武骨を誇る鶴巣丸ですが,花を着けると雰囲気がいっぺんで変わります.荒々しい姿が良かれと思いほぼ無遮光のフェロたちと同居しているこの株はいつも多少日焼け気味,でもボクは水をやる方なので,ペシャンコにはなっていません.いつもサボテンを観察する目線は斜め上からですからあまり気がつきませんが,横から見るとこの株はまだまだふっくらしているのが分かります.もっと絞った方が良いでしょうか. いつも早春に...

  • 刺を放つようなマミ春宮

    これはMammillaria flavicentra L680,今はM dixanthocentron subsp. flavicentra という位置づけのようです.全方位に刺を放つような草姿は確かによく似ています.故郷は,オアハカ州テワカンの南標高2600mぐらいのところのようです.L680は,ラウ氏が1974年に採種したとされるので随分と古い話です.本種は古くから知られているので,一応春宮という和名を頂いていますが,国内ではまず流通はしていません. 3つ並べてみると...

  • バラ丸onキリン&袖

    キリンに接木したものをさらに袖に接ぐという二段接ぎを昨年紹介しました.その中にバラ丸があったのですが,一年で立派に群生株になりました.写真で分かるように,下の台の袖も十分肥大していますし,キリンの茎もしっかりしています. そして群花の様子.バラ丸はこうして咲かせると綺麗ですよね.初夏になったら短いキリンの茎を着けた形で降ろしてやろうかと思っています. 昨年は色々なものを二段接接ぎして見たのですが...

  • ラウセリーのおしゃれな花

    テロカクタス ラウセリー(Thelocactus lausseri)がお洒落な花を咲かせています.ストライプが鮮やかなやや細めの花弁がスッと伸びる様は,荒野の花なのに何処か都会的です.この仲間の中ではダントツの早咲きで,2月の上旬にはいつも花が見られます.今年も長い刺が美しい個体をめざし,交配をしました. 一昨年接木をして群生株に仕上がったものたちも綺麗に開花しています.ほぼ1ヶ月にわたりたくさんの花を咲かせてくれま...

  • 新産地金鯱を見て想う

    金鯱に新しい産地が見つかったと知ったのは2012年のことでした.従来の産地と地理的に随分と異なる場所でしたので,この新産地金鯱を亜種扱いとしてEchinocactus grusonii subsp.zacatecasensisという学名を用いる向きもあります.そもそも金鯱の学名が変更半ば なので,どれを用いても今は良いのかもしれません. これは2014年にウチに来た新産地ラスタブラスの金鯱です.現在直径12cmを超えるほどになり,従来の系統とさほど...

  • バラ丸の絵

    昨日誕生日だったと書きましたが,その記念として今年はバラ丸の絵をSaori Ohwadaさんに描いてもらいました.昨年彼女の展示会のことを記事にしましたが,そこでオーダー制作をお願いできることを知り,何にしようか結構悩んだ末にこのバラ丸にしました.届くのを楽しみに待つこと数ヶ月,誕生日に合わせるように送られてきました.彼女独特の明るいトーンで描かれたバラ丸は、まるでピンクの花束のようです.しばしボーッと絵を...

  • 緑寿とサボテン

    緑寿とは数え年66歳を祝う行事として2002年に日本百貨店協会が提唱したものです.65歳で定年という世の中の流れから,人生の節目として祝うという趣旨らしいのですが,いかにも百貨店協会らしい抜け目のなさが見えます.例えそれが緑々(ロクロク)寿の語呂合わせであったとしても,緑を祝うというのは悪くありません.今日はボクの緑々の誕生日.還暦も今は満年齢で祝うことになっているので,数え歳ではなくてもよしとしまし...

  • 陽炎たちの花宴

    陽炎(M. pennispinosa)の変種ともされるナザセンシス(M. nazasensis)は,年明けごろからボツボツと開花し始め,もっとも寒い大寒の頃に盛りを迎える貴重な冬マミです.赤刺と黄刺がありますが,共にカギ刺が美しい種です.これはウチに長らく居る大株,今年も元気に咲いています.たくさんの蕾が次々と咲いてくるので2月いっぱいは見頃が続きます. こちらはナザセンシスSB489です.デュランゴ州Rodeo付近が故郷です.一応...

  • 鶴仙園さん@世界らん展2023

    東京ドームの世界らん展を見てきました.3年前にこの世界らん展にサボテンのディスプレイがあることを記事にしましたが,今回はNHK趣味の園芸「これ、カッコイイぜ」の展示ブースがあり,そこで鶴仙園さんがサボテンを展示されていました. ラン以外の植物としては唯一と言って良い展示でした.良いものを展示されてますね. このラン展はもう30年ほどの歴史があり,サボテン界と比べると圧倒的な差を感じてしまいます.産業背...

  • ユーベル ペクチ錦の成長

    このペクチ錦(Uebelmannia pectinifera f. variegata)株は,一昨年の夏に龍神木接ぎから降ろしたもので,昨年はガッツリ成長しました.これは龍神木が短台として十分に機能したものです. 試しに抜いてみました.しっかり根は回っており,もう少し早くに植え替えしても良かったかな. 土を振るってみると,龍神木は既に完全に木化が始まっており,これなら安心です。袖では2年経っても緑のままで,腐りが来ないか心配なので...

  • 夜に香るピグマエオセレウス

    まだ日が暮れると気温が下がるこの時期,一鉢のサボテンを自分の部屋に持ち込み開花を待ちました.持ち込んだのはPygmaeocereus rowleyanus です.今はP. bylesianusのシノニムとされるようですね.なかなか美しいサボテンです. 1週間ほど前株元から花筒を伸ばし始めているのを発見.この咲き方はピグマエオセレウスの特徴です.でも花が見えてからなかなか蕾が大きくなりませんでした.気温の低時期なので仕方がありません....

  • 23如月のお出かけ

    いろんなミッションを抱えて今日からちょっと出かけてきます.外出しようとして色々と下調べし,計画を立てるってのは脳に良い刺激を与えます.なんとなくワクワクするこの気持ちが老人脳には大切.ハウスでは冬マミが開花の盛りを迎え,春に咲く色々なものが蕾をのぞかせています.こんな様子を見ていると春はもうすぐだなと嬉しくなります. 水曜には再開します.間も無く雨水,お日様の勢いも日に日に増しているように感じ...

  • 穏やかな花色の長城丸

    ツルビニの長城丸(Turbinicarpus pseudomacrochele)の優しい花が冬のハウスを暖かな雰囲気にしてくれます.いかにも良い香りがしそうですが,香りはありません.長城丸の花は,ほとんど白い花からかなりはっきりとした濃いピンクの中筋が出るものまで色々あります. 咲いた花も良いのですが,まだ少し気温が低い朝方,長く伸びた花弁がしっかり閉じている姿も魅力的です.昼には3輪ともすっかり開いてしまうのですが,この朝...

  • 雪月花咲く

    この小さなマミラリアは日頃は地味ではありますが,花時に覗き込むとなかなか魅力的でもあります.この株は雪月花という素敵な名前で入手したものですが,世の中には色々なタイプのものが流通しています. 雪月花はM. haageanaの仲間なのですが,何分種内変異が大きくこれまで多くの和名が与えられてきたので,どの名前がどのタイプに対応するのかの共通理解が得られているのかどうかが問題です. 下の写真の株は,ハーゲアナ...

  • 小さな世界

    冬のマミ実生たちをみていると小さいながら健気に咲く姿に出会い嬉しくなります.まず最初は舞星,大好きなサボテンで何回か種子を蒔いて来ました.穏やかなピンクの花が実にかわいいです. 次はラシアカンサSB255.故郷はアメリカ合衆国ニューメキシコ州Eddy Countyです.いかにもラシアカンサらしいストライプの花を咲かせています. 最後はロエメリ.成株の開花は何度もここで登場させて来ましたが,その子供たちです.大体...

  • 香る冬の兜

    接木したサボテンの生育を確認しているとなんだか良い香りがしました.なんだろう何か花が咲いていたっけと思い辺りを見るとバラ丸が咲いています.これかなと思い鼻を近づけてみましたが,これじゃ無い.すぐ横でポツンと兜が咲いていましたが,兜の花は香らんよなーと思いながら花に近づくと,なんとも爽やかな良い香りがします.これが香っていたのかと少しびっくりしました. アストロではランポーたちがとても良い香りがす...

  • 伸び伸びノビロ

    通称ラウイノビロ,亜種なのか変種なのかよく分からない名前を頂いていますが,日本ではノビロですっかり定着しています.このブログに初めて登場したのはもう8年前,のび太ではありませんが,ノビロと言う名前の通り伸び伸びと生育して今やかなりの大きな株になっています.栽培の比較的容易なマミでも大株になるとその健全な維持には気を使います.どうしても群生株の下は加湿になりやすいし,用土が乾いたのかどうかの判断も...

  • バラ丸と冬のアリ

    接木もののバラ丸はどういうわけか正木ものよりいつも早く咲いて来ます.袖の上のバラ丸が寒の晴れ間に一斉に咲き始めました.気温が低い時ですので,結構長い間咲き続けてくれます. ある朝花を覗いているとアリがセカセカと歩き回っています.よく見るとそこらじゅうにいました.確かに2月になると晴天日のハウスは30℃を越え,中で作業すると汗をかくくらいです.日本にいるアリの多くは,冬場は冬眠といいうわけではありませ...

  • 華やかなグラシーの季節

    毎年今頃記事にしていますが,グラシー(Mammillaria glassii)が華やかな時期を迎えています.この桜色の花をみると春が待ち遠しくなります. ウチには比較的大きな群生株が2つあるのですが,花の様子は少し違います.大株はやや気難しく,突然崩壊しないかヒヤヒヤしながらの栽培です.すでに後代たちもすでに開花年齢に達しており,刺色および花形で気に入ったものを選抜し始めています. またグラシーL1339は, 上の写真の...

  • 立春のハウス

    今日は立春,二十四節気において春の始まりとされる日です.冬至と春分のちょうど中間点,春の始まりなのですが,まだ外は寒いですね.でも先週の寒波もようやく去り,冬の晴れが続きます.どんなに気温が下がってもお日様さえ出れば,ハウスは一足先の春の雰囲気. いつもこの頃どんな記事を書いていたのかなと過去記事をみてみると,そこに登場するサボテンの花は,雪晃だったり,ネオポルのヴィロサだったり,テロのラウセリ...

  • 白鯱の家族

    白鯱(Turbinicarpus knuthianus)が師走を待たずに優しいピンクの花を開き始めました.ここから1ヶ月以上に渡って,花の少ない冬の温室を和ませてくれます. 下の写真の株は,キリン台で育成したちょっとメタボな白鯱です.普通ではこのような多頭株にはまずなりません.白鯱はキリンと相性がよく小さいうちからモリモリ開花します.降ろしてからもこの株は開花が明らかに早く,その後も次々と開花します.これは台木の影響を...

  • キリン台のペレズたち

    ペレズデラロサエ(M. perezdelarosae)はとても美しいカギ刺が魅力の小型マミです.覗き込むとその美しさがわかります. これを安定的に採種したくて,幾つかキリンに乗せてみました.相性は良い様で,かなり胴太になったり多頭になったりしながら,しっかりと成長してくれました.年明けごろからたくさんの蕾が確認できました.1月末になりいよいよ開花が始まりました.ペレズくんの種子が欲しい人がいらっしゃる様なので,今...

  • サボテンの文化誌

    原書房の〇〇の文化誌シリーズの一つ,「サボテンの文化誌」です.文化誌という言葉の定義は曖昧ですが,サボテンと人との繋がりが主題です.本書は,植物として,芸術の対象として,食物としてのサボテンなど多様な側面から書かれています.随所に差し込まれた美しい写真が楽しく,それぞれの話題を楽しみながら読ませます. 原題は「Cactus」, 著者のダン トーレ(Dan Torre)は,メルボルン工科大学の教員で,メディアやアニ...

  • 惨敗の斑入りの実生接ぎ

    昨年にキリンに乗せた色々なサボテンを眺めていてその成長ぶりや,今まで見たことのない新しい種の様子を観察するのは楽しいことです.あまりやるこのない冬の間では,しばしばキリンの園を眺めます. その中で斑入りの実生接は苦戦をしています.仕上がってくる斑入り植物を見るとベタ斑になる比率が異常に高く,半年前に自らが選んで接木をしたはずなのに何を見て選んでいたんだろうと呆れます. でもちゃんと選んだはずです...

  • パリーとホリゾンの恋

    キリン接ぎの面々を眺めているとたくさんある太平たちの中に変わった顔つきのものがあります.ああこれは神竜系だなと思ってラベルの番号を照合するとやはり太平との交配種でした. この長い刺が目立つものは,神竜×スーパーニコリーです.長く湾曲した刺は両親から受け継いだもので,やや高い稜線は神竜由来です.自作の神竜・太平としては神竜丸×雷帝が居るのですが,これとは違った顔になることを期待しています.またスーパ...

  • タマウリパスから来たカルメナエ

    世の中には色々なタイプのカルメナエが流通しています.そんなカルメナエですが,メキシコではどのような姿だったのでしょうか.これはカルメナエL1223.花の様子は,今流通している黄刺のオーソドックスなカルメナエに近いものです. 同じ黄刺ですが,若干の個体差が見て取れます. さらに今流通しているいろいろなカルメナエは株径がおおむね5cmぐらいで縦に伸び始めるものが多いのですが,この株は結構胴太に育っています...

  • 山城愛仙園さん23新春セール

    先週の金曜から山城さんのところが恒例の新春セールを明日までしています.年賀状でお知らせを頂いており,SNSでも宣伝が出ていましたので出かけてみました.いつものように園主さんに挨拶して温室を一回り.この日は強い冬型の気圧配置で風が強く,屋上の温室の硬質フィルムが凄い音を立てて震えていました.新春のセールということで週末には大勢のお客さんが来られたそうですが,平日とあってそれほどのお客さんではありませ...

  • 播種して1年待たずに咲くマミ

    春の移植を待つ昨年春の実生たち,ふと見ると花をつけている小さなマミが居ました.Mammillaria rayonesensis ML453です.この学名はM.pilispinaのシノニムとされ,ピクタに近い種と考えられています.Jojn Pilbeamの本Mammillaria(The cactus file handbook 6)では,M.pilispinaは何の特筆すべき特徴もない種だと散々な書かれ様ですが,健気に咲く姿は悪くありません. メキシコ ヌエボレオン州Galeana,標高1140mRayones渓谷...

  • ヴィロサ赤い炎のごとし

    花の少ない冬の南米ものの栽培棚でEriosyce villosaFK 71が燃えるような花を咲かせています.パッと目に入る独特の花色です.近づくと旧ネオポルテリアらしいグラディエーションのついた剣咲きの花が黒い刺の合間にびっしりと着いています. この株は去年の春に植え替えてやったので,昨シーズンは元気に育ちました.キリン接ぎの株なので,いつまでも根は元気の様です.それにしてもだんだん柱サボテンになっていくなーと思い...

  • ちょっとお出かけ23冬

    季節は寒の最中,外回りもハウスの中もたいしてやることもなく,冬マミをボーッと眺めて時間が過ぎてゆきます.それはそれで楽しいのですが,あまり生産的でもまた刺激的でもなく,これでは脳が萎縮し(ボケ)そうです.出かけようか,やめようか相当グズグズしましたが,このこと自体が老化の兆候だと指摘され,それはいけない,ちょっと出かけることにしました.なので明日はお休みします. 10年に一度ぐらいの寒波がやって来...

  • 小さなマミ ピクタフィーレッキー

    小さなマミM.picta subsp.viereckii SB558がかわいい花を咲かせています.この種は,黄色の刺ということでピクタの亜種として区別されましたが,生息地は重なっていおり,今はピクタ一種に統合されている様です.先にピクタSB944を紹介しましたが,確かに刺色以外はよく似ており,開花期もほぼ同じです. SB558の故郷は,タマウリパス州シウダビクトリアの南西Jaumave付近です.2つの山脈に囲まれた盆地のような平たいところで...

  • 雪の中に赤々と燃える炎

    毎年この時期に記事にしている雪晃(Parodia haselbergii)です.100均などでもよく見かけるサボテンですが,それはその優秀さ故です.子供の時はじめてみた雪晃の赤い蕾の美しさは,ボクの脳に強く刷り込まれました.ですから毎年同じような写真だなと思いつつもスルーできないのです. 晃は光るという意味の漢字で,晃晃と輝くという使われ方をします.この雪晃は,雪が光るという意味ではなく,白い雪の中に赤々と燃える炎...

  • 黒肌の遺伝

    黒肌明星は美しいサボテンです.普通の明星よりは若干のんびり屋のようです.明星は地下部に太い根を形成するタイプのサボテンですからそっちの方へ栄養を溜め込んで行きます. この黒肌はちゃんと遺伝し,黒肌明星同士の後代は全て黒肌になります.ただ成長点付近の刺はわずかに黄金色になるものがほとんどです.明星には銀の明星と呼ばれる白刺の系統があり,黒肌と純白の刺ができればいいなあと思いました. 下の2枚の写真...

  • 大寒のハウス

    今日は大寒,暦の上でも実際でも1年で最も気温の低い時期を迎えています.大部分のサボテンは特段変わったこともなく,水やりの間隔がぐっと開いただけです.キリンの園はどうでしょうか.今年は乾かないようにきちんと水やりを続けており皆元気です.トンネルに使用している古く汚れたビニルが適当な遮光となっていて,葉が焼けることはなさそうです.昨年から始めたシルバーポリトウによる夜間のカバーは,キリンの園をさらに...

  • 冬に美しい斑入りマミたち

    この時期,マミの斑色が冴えて来ます.花との対比もまた大変美しく,眺めていて飽きません.でも残念ながら美しい斑入りが見られるマミは限られています. 下の写真は白竜丸錦.長刺の白竜丸ではなく,どちらかといえば,先日記事にした原種系のコンプレッサに近いタイプです.斑柄も美しく赤い花とのコントラストが綺麗です. 次は玉翁錦.なかなか良い斑入りに巡り合わなかったのですが,昨年ようやく小さいながらも気に入っ...

  • 魅惑のスクレロのシェリー

    冬の晴天が続き,ハウスの中で1日の寒暖差が20℃以上あるような日が続いています.そんな中,魅惑のスクレロが咲いてきました.これは昨年Ancistrocactus megarhizus var.gonzalesi KSM711という名で手にしたものですが,現在の学名はSclerocactus scheeri var. megarhizus とされます.KSM711の故郷は,ヌエボレオン州 Lucio Blancoの東9km付近とされますから,かなり山間のところです.山脈の西側ですから雨は少ないのではと...

  • コルムナアルバを美白に その2

    コルムナアルバの実生接をしていると,不幸にして成長点を夜蛾の幼虫に齧られて成長点が入れ替わったり,中には多頭化するものがあります.こうした株では,普通に育ったものとは異なる発育形態が見られます.一つは稜の数が減り,アレオレの間隔が開くことです.さらには肌色が白くなる傾向にもあります. まず下の写真は,多頭株になったものからそれぞれの分枝を外して挿し木したものです.コルムナアルバは発根し易い種です...

  • コルムナアルバを美白に その1

    キリン台でコルムナアルバが順調に大きくなったことを以前に報告しました.降ろした彼らにいかに風情を与えるかが栽培上の課題です. 強光線,辛い水やり,風通しなど色々言われているのですが,これと言って決定的な方法は明らかにされていません.時間が経てばだんだん白くなる,確かにそうなのかも知れませんが,園芸屋としてはこれではちょっと情けない. この写真は昨年3月初旬です.我が家のハウスで最も風通しの良いと...

  • バラバラと咲くコンスピクアFO210

    これはMammillaria conspicuaというマミで,優秀丸という和名を頂いていますが,ほとんど商業的には流通していません.現在はM.haageana subsp.conspicuaとされ,単幹で径が出る点で基本種ハーゲアナと区別されるとされます.FO210の故郷は,プエブラ州Zapotitlanです.さて,このFO210は,たった5株を見ても開花の早晩が個体間でかなりはっきりとしています.下の写真は12月初旬,右上の株は最初の花が既に終わっており,左下の...

  • 多稜たちの先陣をきる白玉

    旧エキノフォスロカクタス,多稜たちの季節がやってきました.随分と寒いうちに早々に蕾を覗かせます.一番手は,この白玉です.この株は昨年初めて登場した新入りの小さな株なのですが,一年で随分と大きくなりました.11月末にはもう蕾が見えてきました.蕾はこの後随分と時間をかけて大きくなって行きます. 好天続きの年の瀬に開花が始まりました. 開花し始めると早いようで,年明けにはもう満開に.黄色が優しい清楚系の...

  • あれはダニのゴールだった

    一昨年の11月にアロエの花に異常な形態が出ることを記事にしました.この異常な形態はダニによるもので,いわゆる虫癭(ゴール)のようなものという報告を目にしました.アロエダニは,これまでにフシダニ上科に属する少なくとも3種類が知られています.大変小さく,0.1−2mmで肉眼では確認できません.ゴールを作りその中で増殖するようです. 何が問題かというと,このダニがハオルチア,ガステリア,アドロミクスなどにも寄生...

  • 銀河模様を求めて

    毎年年の瀬が迫る頃,銀河が素晴らしい花姿になります.この古株は長らく単幹でしたが,ある時からムクムクと仔を吹き始め,今のような姿になりました.12月中旬の姿は1枚目の写真のような具合ですが,年明けになると全体に花数も増えて賑やかになります. 少し後継を作っておこうと種子を蒔きました.実生苗は順調に生育して開花段階に至っています.実生苗たちの顔つきはかなり色々です.実はこの銀河というサボテンは,ハニ...

  • 倫理的サボテン・多肉植物のコレクションの創造

    こんな表題のポスターが届きました.内容をかいつまんでいうと,少なからぬサボテン・多肉が絶滅の危機に瀕している,乾燥地の生態系にとって彼らは重要だ,あなたのコレクションを作るには,買うときの注意,山採りか栽培品か見極めよう,自生地における盗掘の影響,といったものです.このポスターは,https://ethicalcactus.comで大きな画像として見ることが出来ます. 昨年晩秋に相当の数のコピアポアの山採り株が堂々と出...

  • 今年は兎年

    兎の名をもつサボテンは、白玉兎(Mammillaria geminispina)や金玉兎(Seticereus(Cleistocactus)icosagonus)があります.多肉では月兎耳が有名でしょうか.ウチには白玉兎の綴化株がいます.4年前にグランカクタスさんのハウスで出会い,ウチに来たものです.当時は綴化の部分と普通の分枝が一直線に並んでいました.今はご覧の通り,綴化部分がぐっと成長して馬蹄型になり,趣のある姿になってきました. 白玉兎の名...

  • 干物を戻す

    昨年10月のことです.地元のカクタスクラブで,サボテン趣味が継続できなくなった会員のコレクションの放出があり,申し訳ないような金額でこのガステリア恐竜を手にしました.何しろかなり長期間水さえもやれていなかったそうで,大きな葉がペラペラです.まるで干物のようです.恐竜の干物なんて洒落になりません.それにしてもよくぞ生きていたものだと感心しました. できる限りマイルドな環境に置き,適量の灌水を続けまし...

  • サブダクタ大株が華やかに

    昨年11月にサブダクタの記事を書いた際にはまだ蕾さえ見えていなかったサブダクの大株ですが,師走に入り次々と開花し,華やかになっています.せっかく一生懸命咲いているので,また取り上げることにしました.この大株のサブダクタくん,今年はどうしたことか例年よりは花の数が多いように思えます. 安心の穏やかな花色ですね.どうして人々はパステルカラーを好むのかはうまく説明ができていませんが,長らく花の業界では軽...

  • いよいよ寒の入り

    明日1月6日は24節気の小寒,いよいよ寒の入りです.サボテンハウスは内張を張っているので,凍結の心配はまずありません.遮光資材は取り払ってあるので,冬の陽射しがある日は本当にポカポカ,気持ちの良い空間です. キリンの園では年末に来た寒波以降,昨年記事にしたシルバーポリトウによる夜間の防寒を始めました.こうして寒の間も寒さを凌げば,キリン接ぎのサボテンたちは冬の間もそれなりに成長し,春先からは一気に大...

  • 今年の抱負2023

    今年はこの栽培場3年目となります.また隠居になって初めての正月を迎え,あまり肩に力を入れすぎない1年とすべく,今年の目標を立ててみました.1. 太平を中心に,独自の育種目標に沿った交配を更に進めます.2. マミその他のサボテン全体の多様性の拡充を行います.3. 多様な栽培方法にチャレンジします.4. 3回目のメキシコ行きを実現します.5. サボテンを通して人と社会への繋がりを一層広げるよう努力します. あま...

  • 謹賀新年 2023

    あけましておめでとうございます.このブログを見てくださっているサボテン・多肉植植物好きの全ての人に楽しい一年が訪れますように.今年もよろしくお願いいたします. さぼちゃんだいすき 2023年 元旦面白い,なるほど,へーそうなの?などと思ったら下のサボテンの文字をポチっと押して応援して下さい、よろしくお願いします.にほんブログ村...

  • 大晦日に想う2022

    今年は身辺が大きく変化した年となりました.3月末に長年の勤め人生活にピリオドをうち,自由農業人という肩書きのないいわゆる隠居になり,サボテン,畑,ガーデニングが生活の全てになりました. リタイアするということは,それまでの社会の歯車の一つから地面にポトリと落ちた部品になったようなもので,自分で何かをしなければどんどん錆びてゆくばかりです.ただ漫然と過ごしていると,本当に何事も起こらないのだという...

  • 2022年のサボテン総括

    今年の正月3日に述べた抱負は,1.太平を中心とした育種を着実に前進させます.2.マミラリアを中心にFNの付いた種子をきちんと蒔きます.3.ハウスの温度,潅水,防除などを記録に基づき管理します.4.フレーム栽培と露地栽培に挑戦します.5.持続可能な趣味とするため,経済的基盤を確保します.6.新しい生活スタイルへ上手にギアチェンジする.でした.実際どうだったのかの自己点検評価をしてみました.1.昨年交...

  • カラスの悪戯

    今日はサボテンの話ではありません.ウチの畑には若い三羽のカラスがいます.いつもボクの農作業を近くの電柱から見下ろしています.好奇心旺盛な彼らは何か変わったことがあるとすぐにやってきます.食べ物を漁るのはもちろんのこと,知能の高い彼らは‘遊ぶ’のです.ハウスなど被覆資材の端っこがヒラヒラしているとそれを突いて穴を開けて遊びます.最初は近くの野焼きの火が飛んだのかと思ってましたがそうではありませんでし...

  • 可愛い小型マミ コロンビアーナ

    年の瀬になり,冬マミたちがいくつもかわいい花を上げ始めています.コロンビアーナ(M.columbiana)は,覗き込んで楽しむタイプの小型のマミです.黄金の刺と白い綿毛,その間に顔を出す小さなピンクの花.かわいいなーと思わず手に取って眺めてしまいます. このコロンビアーナは,中央アメリカから中米北部まで広い地域に点在している不思議な種です. ウチにいる亜種であるユカタンエンシス(subsp. yucatanensis)と外観は...

  • メリークリスマス

    メリークリスマスTo all my cactus-loving friends.Wishing your family peace and love at Christmas and always.面白い,なるほど,へーそうなの?などと思ったら下のサボテンの文字をポチっと押して応援して下さい、よろしくお願いします.にほんブログ村...

  • 冬至のハウス

    今年もあと残すところ10日となりました.今日は冬至,太陽の南中高度が最も低く,最も日が短い1日です.この後小寒,大寒と気温の低い季節が来るのですが,今日を境に太陽の力はゆっくりとではありますが再び力強さを回復してゆきます.そう考えると何だか嬉しくなりますね.穏やかな讃岐では,晴れさえすればハウスの中はポカポカ.サボテンたちには何よりの贈り物です. 例年通りこれからしばらくはブログ更新を少しペースダ...

  • ポツポツ咲く敷島

    冬マミたちが次々と咲いて来ていますが,敷島もその一つです.この株は8年前からウチに居ます.一度胴切りをした上部がこれです.それなりに大きくなり,自然に仔を吹いて来ました. 風貌はマミラリアらしいのですが,一斉にぐるりと咲いて花輪を作ることはありません.これでもまとまって咲いた方です. この敷島の学名を多くのネットのサイトではMammillaria rettingianaを当てていますが,これは明らかに間違いだと思います...

  • 初冬を彩る明星交配種

    師走になると明星の交配種たちがマミ棚に彩りを添えてくれます.最初は明けの明星です.この花を見るとボクは小豆を連想してしまいます.炊いた小豆が割れて中身が出るとほんのり色づいているのですが,こいつの花色がまさにその色なのです.そうそう小豆バーもこの色ですよね. 次は赤花明星,赤花といっても実はピンク花です.穏やかな安心の花色です.元の種の明星よりは胴太に育ちなかなか分枝を出してきません. 最後は...

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