『朝鮮属国史』(宇山卓栄、扶桑社文庫)を読了。このあいだ書店で扶桑社文庫の本を探したとき近くに並んでいたので思わず買ったのだけれど、酷い中身だった。隣国の...
『月日の残像』(山田太一、新潮文庫)を読了。この一冊は季刊「考える人」に九年間にわたって連載されたエッセイを集めたものだそうだ。そのせいか、きちんと腰掛け...
年の瀬に読んでいたのは『日本の台湾人』(野嶋剛、ちくま文庫)。祖父の仕事の関係で僕の父は台湾で生まれ中学までそこで育ったから、ときどきあの国のことが家でも...
年末に風邪を引いて寝込んでいる。風邪を引いた理由は分かっている。寒いなかあちこち出歩いて、埃っぽい空気の下でダウンジャケットやセーターを脱いだり着たり繰り...
以前、『地図と愉しむ東京歴史散歩』という題名の本を2冊読んでいた。「地下の秘密篇」「地形篇」(竹内正浩、中公新書)。→https://hankichi.e...
2023年のマイベスト(小説、評論・エッセイ、音楽、映画、テレビドラマ)
年末になって風邪をひいてしまった。熱は無いのだけれど、頭が重く鼻がぐずつく。正月までには治さなければと眠り続けてみたが、これ以上は眠れない。家人が作ってく...
深夜に見た夢は、幕の内弁当のような話だった。場所は家の中だ。しかしそれは安野光雅の「ふしぎなえ」のような意匠になっていて、総てが一つの大きな箱の中に収まっ...
NHKの朝の連続テレビ小説『ブギウギ』を毎回楽しく観ている。今週は、戦争の真っ盛りのなか主演の趣里が病身の相手との愛が深まっていくところで、先の展開を知っ...
アルフレード・ブレンデルのレコード(CD)ジャケットで、ピアノ脇に佇む彼の後ろにある人型の像が気になっていた。→https://hankichi.exbl...
穂村弘の『蛸足ノート』(中央公論新社)を読了。読売新聞の夕刊で連載されているものを纏めたものだそうだ。ところどころ短歌が引用されていて、それも愉しい。“隣...
映画『マエストロ』(原題:Maestro)を観た。NETFLIX配信なので嬉しかったのだけれど、この作品は映画館で観るべきものだなと思った。→https:...
東京堂書店で今週の単行本売れ行き第1位だと書いてあって思わず買い求めた。色川武大の『街は気まぐれヘソまがり』(小学館P+D BOOKS)。これは1986....
昨夕は神保町で所用を済ましたあと、「ふらっと」或る小料理屋に立ち寄り少し飲み食いし、まだ飲み足りないような気がしたので、このあいだ友人と訪れたバーに「プラ...
アルフレート・ブレンデルの絶頂期のアルバムの幾つかで、グランドピアノの後ろでポーズを取る彼の後ろの壁にアフリカ民族芸術と思われる像やお面が掲げられていて、...
「器楽の技法 ~グレン・グールドへのオマージュ~」(原題:The Art of Instumentation: Homage to Glenn Gould...
山田太一のエッセイコレクションの一冊『S先生の言葉』(河出文庫)を読み始めた。表題作の一篇は、やはりぐさりと僕の心に刺さった。次のようなところだ。“忘れが...
友人がこのあいだ「バッハの音楽は演奏を選ばないのかも知れない」と言っていた。→https://maru33340.exblog.jp/33692678/こ...
白石一文の『かさなりあう人へ』(祥伝社)を読了。帯には、“『ほかならぬ人へ』から14年。出会いの神秘を問う白井市恋愛文学の到達点”とあって、たしかに最近の...
ナオミ・イシグロによる短篇小説集『逃げ道』(原題: Escape Routes、竹内要江訳、早川書房)を読了。カズオ・イシグロの娘さんのデビュー作だ。彼女...
山田太一の小説『彌太郎さんの話』を読了。もしかするとこういうことが本当に有ったのではないかと殆ど信じたくなる。いや、事実ではないのか。物語の舞台はここでも...
シューベルトの弦楽五重奏曲『ます』は以前、エマニュエル・アックスとヨー・ヨー・マらによる演奏の音盤を買って聴き、あまりにも体質に合わずに退けていた(多分ア...
今日は小津の誕生日であり命日である。世のなかは小津にまつわる記事や書籍、TV番組が多く出回ってとてもありがたい。山田太一のエッセイ集『逃げていく街』(新潮...
山田太一の小説『異人たちとの夏』を読み終えて映画のような作品だなあ、と思っていたら本当に映画化されていたことを知った(1988年・松竹、風間杜夫、片岡鶴太...
夜に映画「ナポレオン」を観てきた。→https://www.napoleon-movie.jp/圧巻の作品だった。戦争物はあまり好んで観ないのだけれど、そ...
アンドレス・セゴビアによるバッハ作品集を聴いている。1954年から1969年に収録されたもの(いくつかのアルバムに分かれていたもの)をまとめたものだ。ライ...
現代の意味ということを考えさせられるようになった。いまの時代というのは、人類の進歩・叡智の集大成のように言っている人たちがいる。文化文明の発展、不満はあれ...
アルプス地方の城舘や教会、礼拝堂にある6台のオルガンを使って、ルネサンス/バロック期の曲を弾いたアルバムを見つけて聴いている。ドイツのSEONというレーベ...
仲の良い友とときおり会って話をしたり盃を交わしていることはたまらなく大切に思う。それは本当に気持ちを交歓していると感じることができるからで、小説・ドラマの...
ようやっと冬らしい天気が続くようになった。肌寒い空気を頬に感じながら、そとを歩いてみれば、あちこちの木々の葉の色づきも増し、地面に積もった落葉も新しくて踏...
友人の薦めで「使える儒教」(安田登、NHK出版)を読んだ。中学生時代にのめり込んで観ていたNHKテレビの連続人形劇『新八犬伝』で「仁義礼智忠信孝悌」と唱え...
件の『吉田健一に就いて』のなかで、高遠弘美が詩の世界を吉田健一に教えられたと書いていた(「静寂と響き」)。高遠さんは次のような吉田さんの言葉を引用している...
ペーター・シュライアーが指揮したバッハのロ短調ミサ曲は優しく柔らかで記憶に深く残っている。→ https://hankichi.exblog.jp/235...
『吉田健一に就いて』(川本直、樫原辰郎、武田将明編、国書刊行会)という本が出ていて早速買い求めた。序文で川本直が次のように書いていて、すごく惹かれた。“(...
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『朝鮮属国史』(宇山卓栄、扶桑社文庫)を読了。このあいだ書店で扶桑社文庫の本を探したとき近くに並んでいたので思わず買ったのだけれど、酷い中身だった。隣国の...
ことし生誕百年を迎える作家といえば三島由紀夫だけれど、もう一人、静謐にそれを迎えるのが辻󠄀邦生。1925年9月24日生(日付にちなんでクニ...
高峰秀子の最後の本だという『にんげん住所録』(扶桑社文庫)を読了。平成10年9月~12年12月まで「オール讀物」に連載されたものから纏めたものだそうで、肩...
友人から『藤田嗣治 日々の記録』という資料がWeb公開されていることを教わった。研究代表者∶古田亮、発行者∶東京藝術大学美術館、2022年3月31日発行。...
巌本真理弦楽四重奏団を招いたコンサートを学生時代の部活で企画したと、ずっと思っていた。当時の部長からそのような記憶はないと言われて、それは殆ど映画「砂の器...
久し振りに、これは読まねばと週刊誌を買い求めてしまった。「週刊新潮」7月17日号。→https://www.dailyshincho.jp/common/...
友人たちから、デジタルリマスタリングされたジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団によるシベリウスの交響曲全集が凄いという話を春に聞いていた。→https://...
友人が楽しんでいた『おいしい人間』(高峰秀子、扶桑社文庫)を読了。1950年代から1980年代にかけての文集で、食べ物だけでなく著名人との思い出がふんだん...
雑誌『東京人』の今年8月号の特集は「東京23区の「島」散歩」。島しょ部ではなく23区にそんなに島があったっけ、と思って読んでいくとなるほど、と感心する。ま...
吉村昭といえば父親の書斎にあった『戦艦武蔵』『零式戦闘機』。だからずっと戦記物の小説家だとばかり思っていた。最近、高校時代の友人からトンネルものも良いと言...
日曜日に訪れた美術展で買い求めた『藤田嗣治 パリを歩く』(清水敏男、東京書籍)を読了。美術評論家が藤田の足跡を追ってパリや周辺の町を追体験していくもので、...
熱帯夜に映画『ハルビン』(ウ・ミンホ監督、2024年、韓国)を観た。昨年の百想芸術大賞の作品賞大賞を得たものだ。→https://harbin-movie...
友人から話を聞いて、ああそうだったと慌てて出かけて来た。『藤田嗣治 絵画と写真』展 @東京ステーションギャラリー。→ https://www.ejrcf....
映画『国宝』(李相日監督、2025年)を漸く観に行った。→https://kokuhou-movie.com/小説を読んだときの記憶と異なるところが幾つも...
『今日もウルトラセブンのことを考えていた』(青山通、アルテスパブリッシング)に目を通した。読了した、と書けないのは、全く歯が立たなかったからで、二合目まで...
今年は成瀬巳喜男の生誕120年ということで雜誌「ユリイカ」の7月号特集となっている。普段の「ユリイカ」の特集ものとは違って一冊の殆どが成瀬巳喜男の論評に費...
映画『秘顔』(原題:히든 페이스、英題:Hidden Face、キム・デウ監督、韓国)を観た。→https://synca.jp/higan/オーケストラ...
『ルポ・韓国戒厳令』(日本経済新聞社 ソウル支局編、日本経済新聞出版)を読了。昨年12月3日の事件の背景とその後についてだ。戒厳令は、次のような時期に早く...
社会、会社、組織、学校、家族、趣味、部活など、様々な組織のなかで生きてきた。ひとは生まれてから死ぬまでずっとそういう組織の一員として、或いはそこに属した意...
僕の父親は鋼板を剪断する大型機械を設計製造する仕事をしていた。晴海で開かれていた国際見本市にも出展していて毎年連れていって貰ったし、ときどき会社にも連れて...
弱冠二十歳になったばかりの若きヴァイオリニスト平野友葵(ゆき)のデビュー・コンサートを聴いた。→https://kioihall.jp/20240718k...
『長い読書』(島田潤一郎、みずず書房)を読んでいる。全く知らなかった著者なのだけれど、どうしてか素直に心に入ってくる。読書や本、そして書くことについてのエ...
学生時代からハイドンマニアだった友人に、このあいだ42年振りに会った。静かに昔話から始まったのだけれど、盃を交わし始めたらいつの間にかあのころと同じ口調の...
初めてジョージ・オーウェルの『動物農園』を読んだ。吉田健一訳、ヒグチユウコ画、中央公論新社刊のものだ。この作品を愛するNumabeさんによると、邦訳本は1...
昨夕は何とはなしに身体が怠く感じていた。そんななか、お祭りに行きがてら夕飯を共にしようということになり、家人たちとそぞろ外を歩く。空気が重い。風邪をひいた...
『なぜ日本は没落するか』(森嶋通夫、岩波現代文庫)を読了。Saheiziさんが読まれていて思わず惹き込まれたのだ。共感したところに僕も同様に感銘する。→h...
テレビドラマの『おいハンサム!!』シリーズを楽しく観てきた(監督:山口雅俊、製作:東海テレビ・日本映画放送)。シリーズ1(2022年)→https://w...
オットー・クレンペラー指揮のブルックナー交響曲第9番(第3楽章)を聴いたとき以来久しぶりに心にひどく警鐘を鳴らされた気がした。ほんわかした気持ちで毎日楽し...
古今亭志ん生の『びんぼう自慢』(ちくま文庫)を読了。高校時代のクラスメートの友達だという男が、僕の馴染みにしていた日本橋の小料理屋に通っていたことをSNS...
『日本茶の実践マーケティング』(前田冨佐男、キクロス出版)を読了。このあいだの静岡旅行の際に買い求めた一冊だ。日本茶について僕は殆ど何も知らなかったことに...
静岡の二日目。製茶問屋が営むお茶とお菓子の店「茶町KINZABURO」を訪問した。→https://kinzaburo.com/静岡駅から15分ほど歩いた...
昨日は静岡まで足を伸ばす。県立美術館にはオーギュスト・ロダンのブロンズ彫刻が非常に沢山あって、間近にそれらを眺めているとその量塊に圧倒される。→https...
『なぜBBCだけが伝えられるのか』(小林恭子、光文社新書)を読了。副題は「民意、戦争、王室からジャニーズまで」。帯にはジョージ・オーウェルの言葉が書いてあ...
友人に誘われて現代音楽とテクノ音楽(クラブ音楽)の演奏会を聴いた。フランチェスコ・トリスターノによる「Piano 2.0」と題するプログラムだ。→http...
月曜ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ)の初回を観た。→https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/夜に観終えたあと床に...
坪内祐三が毎日新聞に連載した文章が先月末に久しぶりに上梓された。『日記から 50人、50の「その時」』(本の雑誌社)。2005年4月からの1年間、毎週さま...
ベルリン映画祭で銀熊賞を5度も受賞しているホン・サンス監督の作品を観たのはこれが初めてだった。『Walk Up』(韓国題名:탑、2022年、韓国)。「탑」...
ミン・ジン・リーの小説『パチンコ(Pachinko)』がドラマ化されていることは知っていたがなかなか観ることが出来なかった。ようやくその機会が訪れて一気に...
『国家と音楽家』(中川右介、集英社文庫)を読了。「週刊金曜日」に2011年から二年間に亘って連載されたものに大幅に加筆された力作だった。ナチスに協力したと...