芙美花、睦美を抱き締めながら、「ず～～っと、ママでいい～～～。はははは。」

2台のピアノが奏でるチャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番のアンサンブル。

花束贈呈。麻沙美とバセットである。堂々たる風格のバセット。首には花の首輪。

「芙美花にとっては、ママになる年齢なんだろ。いい人みたいじゃないか、睦美さん。」

「大したもんだ。…んじゃ、高井戸～～。妹さんに、天晴れ、やんなきゃ～～。」

耀司、ウーロン茶の入ったコップをかざして、「これからに、乾杯ってねぇ～～。」

「編集者時代の年収400万より増額の650万で決めたらしいんだけど…。」

「望月さんの作曲、で、眞鍋さんの編曲した曲が、世に出る。こんなに喜ばしい事はない。」

生野、「とにかく、縁ですね～。そして、才能です。天晴です。望月さんも眞鍋さんも。」

「これからはビール、冷蔵庫に買い置きしましょうか。ふたりで飲むの。」

「あんの野郎～～。嫁、もらう～～～???…再婚～～～。」

「誓さん、思いやりのある人、周りの人を大切にする人。だと、俺は思うけどな～～。」

「じゃあ、これで、亡くなったおかあさんに良い報告、出来ちゃうね。」

睦美、「じゃあ～。汐梨さんは～、私にとっては、可愛い姑さ～～ん。」

「おまえたち、結婚式、どうするんだい。」

「彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じの…。」

「…じゃ、もしかして、気に入ってもらえたら、CDデビュー…???…凄～～～。」

「私のママになる人、元ピアニストで、今、ピアノ講師です。」

「この曲、聞いてるとさ～～。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。」

暁美、睦美に体を向けて、「睦美。本当におめでとう。」

誓、両手をめい一杯天井に向けて、「やった～～～。お義姉さん、遂に、結婚～～～。」

睦美、「私…。耀司さんと結婚する事にした。」

「ありがとうと言いたいのは私です。耀司さんと汐梨さん、私を変えてくれたから。」

睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」

耀司、「俺と、結婚。」すぐさま睦美、涙ながらに、そして大きく顔を頷かせて。

「祐里子、みんなに愛されてたんだって。つくづく感じたわ。」

「睦美さん。俺が言わなくとも、来るよ。…来るなと言われても、来ます。」

芙美花。「おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。」

「ありがたいよ。ダウンした時に、身の回りの世話をしてくれる人がいるって事は。」

「冷蔵庫からヨーグルトとゼリーを。そして、プリンも。冷蔵庫に入ってます。」