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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)14

    大役を勤め終えた気分だ。欠伸をしていると、うちのメイド長のドリスが来た。「そろそろお茶にしましょう」メイドのジューンが紅茶を運んで来た。「目が覚めるように苦いのにしました」煮立てたかのように色が濃い。砂糖も付いていない。「まだ仕事をさせるつもりかい。僕はこれでも子供なんだけど」ジューンが微笑み、ポケットから小さなポットを出して、カップの隣に並べた。ああこれは、砂糖だ。紅茶を飲みながら、これからの流れを考えた。考えれば考えるほど難しい事ばかり。さっさと手を引きたい。だけど事情が許さない。旗頭というか、責任を負う者は不可欠だ。その場合、適任者は俺しかいない。爵位は伯爵だが、一部には王妃様に贔屓されてるとの噂がある。それを活かすしかない。俺は本営の中で働く者達を見回した。王妃様に近い侍従や秘書、女官、彼等彼女等...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)14

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)13

    「ここで何をしておる」荒げた物言いで、恰幅の良い男が本営に入って来た。供回りは六名、それらは近衛の制服。恰幅の良い男は貴族の装い。男の態度から推し量ると近衛の文官、それも高位の。これは、・・・誰っ。俺を手伝ってくれている侍従からの耳打ち。「近衛の長官です」ほほう。近衛の最高位にあるのは二名。文官の頂点である長官。武官の頂点である元帥。その二頭体制で近衛軍を動かしていた。国軍、奉行所共に同様の体制。これは武力を持つ組織の共通の、制御する為の仕組みとも言えた。俺は長官を手招きした。「こちらへどうぞ、僕が説明します。・・・。僕はダンタルニャン佐藤伯爵です。今回、王妃様から口頭で、イヴ様の警護を命ぜられました。本来ならイヴ様の警護だけで、この様な事には関わりません。ところが、管領がイヴ様を取り押さえようとした。こ...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)13

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)12

    小隊は五十名編成。ところが庭園を包囲しているのは、それよりも遥かに多い。中尉に尋ねると、ボルビンが近衛軍から五個小隊を抽出したという。おそらく不服従を懸念し、連携せぬように図ったのだろう。失敗したので徒労に終わった訳だが、俺様的には丁度いい数だ。俺は全小隊長を呼び寄せ、イヴ様への忠誠を確認した。ボルビンが消えた今、敢えて反抗する者はいない。というか、互いに顔を見合わせ、雰囲気に迎合した。そう、忖度。全員が忠誠を誓った。俺は中尉五名に大まかに指示した。一個小隊をイヴ様の警護の為にここへ残し、残りの四個小隊にはそれぞれ仕事を割り振った。王宮本館と別館の制圧、拘束された者達の解放、死傷者の搬出と治療、そして関係各所への告知と情報交換。やることが山盛り。非常事態なので彼等に自由裁量権を与えた。人手が足りないので、...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)12

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)11

    俺は鑑定と探知を重ね掛けした。周辺を調べた。見つけた、見つけた。こっそりと庭園に侵入した者達がいた。ボルビン佐々木侯爵一行は陽動で、庭師集団が本命らしい。庭園の木陰や岩陰を利用し、こちらに迫っていた。三十五名。戦闘に適したスキル持ちばかり。となると・・・。前方のボルビン佐々木侯爵一行に治癒魔法使いが三名いたはず。察するに、イヴ様が怪我する事態を想定してのこと。用意周到だが、ふざけるなと叫びたい。幼児に怪我させる、これのどこに、正道があるんだ。「下がるよ」俺はエリスを促し、後方へ下がった。「どうしたの」「話しは後で」ボルビンと庭師は、そんな俺達を気の毒そうに見送った。もう手遅れだ、とでも言いたそう目色。何とも余裕綽々ではないか。円陣に戻り、俺は真っ先に光魔法を起動した。周囲を半円形のシールドで覆った。それに...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)11

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