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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)19

    俺はモビエール毛利侯爵をテーブルに案内した。心得たメイドが直ぐにお茶を運んで来た。俺には緑茶、モビエールには紅茶。お茶菓子も後宮厨房から届けられたビスケット盛り合わせ。モビエールが紅茶を口にして一言。「この紅茶はどこのだ」お気に召したらしい。産地名を知りたいのだろう。生憎、メイドは下がってしまった。俺は知らない。そこで、・・・。「後宮の厨房です。お茶菓子もそうです」「そう・・・か」噴き出しそうな顔を引き締めた。モビエールの執事と護衛が顔を伏せた。両者の肩が小刻みに震えていた。入り口が騒がしくなった。立哨していた近衛兵が俺の方へ来た。困惑の色で耳打ちした。「ロバート三好侯爵がいらっしゃいました。責任者への面会を望まれています」小声だったのだが聞こえたのだろう。モビエールが表情を緩めた。「ここへ招いても構わん...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)19

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)18

    軽くジャンプすれば済むものを、アリスは猫を貫き通す。俺の肩に乗る仕草も堂に入っていた。『どうするんだよ』「ふにゃ~ん」尻尾で俺の鼻を打った。駄目だこりゃ。この様子をうちの者達が生暖かい目で見守っているではないか。ほんとに、こりゃ駄目だ。お手上げだ。好きにさせる事にした。そのうちに飽きるだろう。アリスから念話が来た。『イライザとチョンボが来てるわよ』言うや否や、俺の肩からポーンと飛んだ。庭木の枝に飛び移り、枝から枝へ次々と、そして姿を消した。探知を起動すれば見つけられるが、それは無粋というもの。念話を飛ばした。『程々にな』別館の目の前の庭園敷地内に一張りの大型軍幕が見えて来た。厚い警護態勢の向こうから煩い声。「グッチョー、グッチョー、グッチョー」チョンボだ。当然、イライザも居るのだろう。そしてイヴ様も。笑い...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)18

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)17

    近衛の制服の一団が案内されて来た。隣の侍従が俺に教えてくれた。「元帥と副官、そして護衛の者達ですね」真ん中の恰幅の良い男の肩章襟章がそれを物語っていた。元帥の鋭い視線がこちらに向けられた。何かを探る様子。それは俺で止まった。どうやら俺を見知っている様子。俺は知らないけど。副官が前に出た。肩章は少佐。「君が佐藤伯爵だね。聞かせてくれるか。表で縛られているのは、うちの長官なんだろう」「ええ、そうですね」「あの様な仕置きの理由は」「謹慎の沙汰を聞き入れてもらえず・・・。結果、あのような処理に相成りました。まあ、ダイエットにはなる筈です」元帥も長官同様に恰幅が良い。割腹ダイエットにでもするか。が、そこまでは口にしない。少佐は納得できぬ色。ところが後ろの元帥は違った。噴き出してしまった。人目がなけれは腹を抱えて笑っ...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)17

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)16

    俺の説明にアリスとハッピーが喰い付いた。『面白そう』『パー、イヴが可哀想だっぺ』『私達が手を貸そうか』『ピー、だっぺだっぺ』『よし、手を貸す』『プー、貸す貸す』煩い、煩い、煩いんだよ。俺は妖精達を人間の争いに関わらせたくない。人類特有の醜い、終わりのない争いに。しかし、それも今更か。うちの妖精達は、関東代官の反乱で暴れ、南九州の反乱でも暴れ、ついでにコラーソン王国にまで足を伸ばしてしまった。そして王都とその周辺に甚大な被害を与えた。たぶん、彼の地は魔物が跋扈する地になったのだろう。王国の被害者の皆様、誠に相すまん。遥か遠くの地から、謹んで哀悼の意を表する。届かないと思うけど、この気持ちを理解して欲しい。俺は白旗を揚げた。『分かった分かった。でも一つ約束して欲しい』『やっと分かったのね、私達のこの力。敵に、...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)16

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)15

    イヴ様から良い香りがした。石鹸。隣の軍幕にお風呂が設置されていた。「ニャ~ン、どうしたの」「いいえ、さあ、食事にしましょう」「わたしが、あんないする」イヴ様が俺の手を引かれた。テーブルに案内された。侍女二人が椅子を引いて待っていた。「お二人様、こちらへ」二人で並んで席に着くと、それが合図になった。次々と料理が運ばれて来た。育ち盛りの俺には大盛ばかり。流石にイヴ様に大盛はない。バランスを考えてか、小鉢が並べられた。ところがイヴ様、嫌いな物を俺の方へ寄越す。「ニャ~ン、いっぱいたべるのよ」断れない。頃合いを見ていたのか、エリス野田中尉が側に寄って来た。彼女に耳打ちされた。「別館の掃除完了しました」掃除には色んな意味合いがあった。「増員できたんだね」「はい、それも」俺はイヴ様の後ろに控えている侍女を見た。察した...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)15

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