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  • オヤジのあくび182

    小林登志子「シュメルー人類最古の文明」を読む5 現在ドバイにとてつもなく高い828mもあるプルジュ・ハリファという構造物が建っている。まるでバベルの塔のようだと感じる人がいるかもしれないが、太古のバベルの塔は、そんなに高くはない。ただ見渡す限りの平野だったので、遠くからも、その巨大な建物が見えたのだ。 そもそも、石材や木材に恵まれないメソポタミアのような土地では、粘土を焼いて煉瓦で建物を作る。けれど高い構造物を作ることは無理である。 本書の部分的な紹介を書かせていただきましたが、今から5000年前から4000年前のシュメル文明を286頁の新書に、わかりやすくまとめるという作業は、本当にとてつも…

  • オヤジのあくび181

    小林登志子「シュメルー人類最古の文明」を読む4 シュメルの教育は学校で行われ、書記を育成していた。文字の読み書きは、たくさんいる神の名前を習字によって教えていた。その他にも、土地の測量に必要な算数や法律、神話・讃歌、音楽などが教えられていたようだ。法律は、「目には目を」のハンムラビ法典より相手に対して寛容な法典があった。神話・讃歌・叙事詩は、創作が盛んだった(私たちはギルガメシュ叙事詩の名前くらいしか知らないけれど)。膨大な量の粘土板を集めた図書館さえあったのだ。音楽はその後中世ヨーロッパ音楽でも登場するカストラートがいたり、琴を弾いていたようだ。 ところで、子どもたちにとって、神様の名前を書…

  • オヤジのあくび180

    小林登志子「シュメルー人類最古の文明」を読む3 今も現金書留で送金する時に、封をした後何箇所か印を押すが、商品を袋詰めして紐で縛った後、紐の結び目を粘土で固め、そこにハンコを押したらしい。つまりその粘土を壊さなければ商品を開けないわけです。 文字の話でも出てきた粘土板。氾濫が頻繁に起きたメソポタミア地域ならではの粘土の活用法です。ちなみにエジプトではパピルスに変わり、ハンコもスカラベという虫を利用していた。 ハンコは円筒印章という筒の周りに彫られた図柄を粘土板の上を転がしていくという方法で刻印された。今とはだいぶ違う。またその円筒をアクセサリーとして護符として持ち歩く人もいたという。

  • オヤジのあくび179

    小林登志子「シュメルー人類最古の文明」を読む2 世界中にビール好きは多い。ビールはシュメル人の発明です! 日本で言えば、御神酒としてシュメル人が作っていたビール。麦の殻が浮いているにごり酒で、ストローを使って飲んでいた。 小麦、ナツメヤシ、羊、豚、魚など豊かな食に恵まれ、また灌漑や畑の耕し方、羊の管理の仕方を伝授していたシュメル人が、田畑の塩害という危機に見舞われる。もともとが砂漠、乾燥地域のため徐々に進行したのだろうが、シュメル文明の衰退を招いてしまう。オリーブが実らなくなってギリシャ文明が衰退し、ヨーロッパの人々が新たな資源を求めてアメリカ大陸に移動したように、シュメル人もどこかへ去ってし…

  • オヤジのあくび178

    小林登志子「シュメルー人類最古の文明」を読む1 世界最古の文明はシュメールだが、本書ではシュメルと表記しているので、それに倣う。シュメルの発明に世界最古の文字=楔形文字がある。 表語と表音を併用した今の日本語のような仕組みであったと言う。また、粘土板に書き付けたペンが三角と直線と○を描くのに適していたので、書き出しが三角形の楔形となったらしい。 さて、文字の必要感は、商取引、大量の品物がどこからどれだけ送られてきたか?また送ったか?を記録するためのものだったと言う。その後メソポタミアと呼ばれる二つの大河に挟まれた肥沃な土地で多くの取引が行われたことは、間違いない。 個人が間違いなく記憶できる量…

  • オヤジのあくび177

    予測不能な明日だからこそ いつだって明日のことはわからない。ずっとそういう日々を過ごしてきた。自分だけではない。人類全体が。今だけではない。何万年も昔から。 私は思う、大切なのは予測よりも、想定外の事態になった時の心の準備だと。それは大災害など非常時で顕著に現れる。大地震の厳密な予測は不可能だとしても、そうなった時の心構えや準備ならできるだろう。 未来は、何時も漠とした混沌の中にある。想定外のことが往々にして起きる。安定した職業として選んだ会社や組織がまったく想定外の姿と化したり、憧れて入った学校が実際に入ってみると自分のイメージとズレていたり…枚挙にいとまがない。 沈まないはずの大型客船に乗…

  • オヤジのあくび176

    本郷和人「世襲の日本史 階級社会はいかに生まれたか」を読む 血縁、氏、家、地位、世襲・・・。おそらくは、江戸時代までは、それらのうちの幾つかが、人の運命を左右していた。いや、今も大いに影響下にある人がいらっしゃるだろう。 本書は、平安時代までは確実な続いた「職の体系」、頼朝や北条氏が築き上げたツリー型主従関係、惣村、一揆、講に見られるリゾーム型関係、朝廷内での家の意味・・・などを詳しく述べている。 この本を読んだのは、半年前で次の内閣総理大臣に誰がなるのか?が話題になっていたのだけど、いにしえは、朝廷の家には格があって、大臣家以上でないと大臣にはなれなかったのですね。その下の羽林家は大納言どま…

  • オヤジのあくび175

    藤原和博「公立校の逆襲 いい学校をつくる!」を読む 地域と連携しながら、地域に根ざした学校をつくるという発想は、「チャータースクール」などのアメリカの教育改革に関する本を読んだ頃からだったか?もっと前からだったか?ある学校では特色ある学校づくりのプロジェクトメンバーに加えていただいたり、また別の学校では地域担当なるポジションに付き、まちの名人コンサートを開催したりしていた。その後組織内の立ち位置が変わっても「地域の協力なくして、公立校なし」というテーマは、持ち続けていたつもりです。 本書で語られる藤原和博さんの地域本部や土曜寺子屋(ドテラ)、よのなか科など、全国的に有名な和田中の取り組みも地域…

  • オヤジのあくび174

    木村常雄「発達障害がある子があなたにわかってほしいホントの気持ち」を読む 本書は、おそらく悩める保護者や先生方に読んでいただくことを意図して書かれたのだろう。実際には保育や教育、子育ての中ですぐに役立つ知見が豊富に盛り込まれている。なかでも実際にあったと思われるケースへの対応を、きっと子どもの言葉や行動を翻訳すると、こう言いたかったはずでは?という後半がいい。 そして、もう少し目線を広げれば、この本は発達障害のある子どもに係る人への本ではなく、すべての対人関係に悩む人への本でもあるのだ。なぜ、こんな態度なの?こんな反応しか返ってこないのか?に悩む人々は、ゴマンといるだろう。その人が発達障害かも…

  • オヤジのあくび173

    セリフのテンポ、語りのテンポ 琵琶を語っていて、師匠からよくテンポのことを指導されている。お恥ずかしい話だが、どうもセリフ(語り)のテンポと琵琶のテンポがチグハグらしい。 琵琶は、拍の動きを感じにくい=拍がない?ところがあって、いわゆる何拍子とかはない。けれども劇や映画のセリフと同じで、そこにはちゃんとテンポ感があるのだ。 ほかの邦楽でも似たようなところがあるかもしれないけれど、このテンポ感に聴き手が感情を乗せにくいところが、邦楽を疎遠な表現にしているのかもしれない。 メトロノームや表情記号による指定はない、師匠の指導を仰ぐことはもちろんだけど、聴くことができる範囲で、いろいろな演奏を聴き、テ…

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