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  • オヤジのあくび124

    名作を読む72 カールトン作「あの山越えて」 いたずらっ子ではあるけれど正直者のジョニーと子どものよさをどこまでも信じ、愛し続ける母親メリーの物語。 話は大きく2つに分かれており、前半はジョニーの小学生時代。ジョニーは男の子を狙ったパチンコを間違って先生に当ててしまう。そのあと、黒板に先生の似顔絵をいたずら書きした弟の罪も、自分がかぶり、先生に鞭で打たれる。帰ってからも怠け者の父親に殴られる。けれど母親のメリーだけはそんなことをするはずがないと信じている。 後半は主人公が大人になってから。今度は馬泥棒をした父綾の罪をかぶり、懲役3年の刑で牢獄に繋がれてしまう。自首しようとした父親も追い返してし…

  • オヤジのあくび123

    名作を読む71 クーパー作「モヒカン族の最後」を読む。 ネイティブ・アメリカンに対しての理解は、例えば本書の主人公であるモヒカン族の戦士の髪型が、モヒカン刈りとして現代のファッションとして伝えられていたりするが、モヒカン族がどのような運命を辿った人々であるのか。その理解は十分ではないと思う。 我が国に於いても、アイヌ民族とヤマト政権あるいは江戸幕府との対立が、丁寧に教えられていない現状と似ている。歴史はマイノリティー側の視点を失った瞬間から偏った見方に堕してしまうのだ。 ストーリーは、ヒューロン族に囚われた娘二人を救出するストーリーなのだが、そもそもこの二人の娘を父=マンロー司令官のに会いに行…

  • オヤジのあくび122

    名作を読む70 ローリングス作「子じか物語」を読む。 アメリカの原野や森林が広がる開墾池の中で暮らす家族が、野生動物を撃ち日々の食料とし、畑を獣から守りながら懸命に生き抜いていく物語。子じかとは、主人公の少年ジョディが森から連れて帰り、ペットのように可愛がっていた子じかフラッグのことで、この子じかが一歳鹿になるまでのお話なのだ。 大熊との戦い、生きるか死ぬかの命を懸けた父親の狩りをメインに話は綴られる。最後はもう家で飼うことはできなくなつた子じかを撃たなければならない、悲しいけれども乗り越えなければならない場面で話が閉じられる。 野生の熊が出没するとニュースになる。猿なども同様だが、それだけ野…

  • オヤジのあくび121

    名作を読む69 リットン作「ポンペイ最後の日」を読む。 イタリアツアーの中にポンペイ遺跡見学が含まれていることがある。近くにあるベスビオ火山の噴火によって、灰に埋まってしまったローマ時代の古代都市跡だ。ベスビオ山への登山電車のCMソングだったフニクリフニクラは、鬼のパンツなどの替え歌となって、親しまれている。 この物語の前半は、かなり退廃的である。プラプラと浴場や宴で時間をつぶしている金持ち、胡散臭い宗教、かわいそうな身の上の奴隷。楽しみと言えば罪人をライオンや虎と戦わせる残酷なイベントくらい。初期キリスト教のささやかな集いだけが、ことさら「はきだめに鶴」的に違った色合いで描かれている。 後半…

  • オヤジのあくび120

    タケさんの教育論13 教育の個別化と老若男女が集う未来の学校 今回のコロナ休校で、はっきりわかってしまったのは、先生が目の前に居なくたって学習だけならオンラインで進められるということ。現在はまだオンライン環境が整っていなくても、いずれは整備されるはずだ。なぜならオンライン環境を整える方が、教員を配置するより費用対効果=コスパがいいのだ。それで子どもたちが学習するか?それは残念だが、一年に3〜4回程度は全国一斉の試験をしないとダメかもしれない。でもそれだってオンラインで可能なのだ。 オンラインでは難しい。その場にいないとできないものはある。実験、音楽、体育などは施設を使って人を集めて行うしかない…

  • オヤジのあくび119

    なぜICT環境が整っていないのか? 長かった3月〜5月の休校期間、子どもたちはどのように自宅で学習しましたか?ほとんどの学校では、プリントを配布して、登校日に提出する形だったのではないでしょうか?zoom等を利用して、双方向のやり取りが可能な学習ができたのは、一部の学校にしか過ぎないでしょう。 どうして通信環境や教員のスキルが貧弱なのか?よくもまぁこれでプログラム教育の推進などと言えたものです。 これからの時代、いつまたコロナ感染の波がやって来て休校に追い込まれるか?わからない。だからこそ、学校に最低クラス分くらいはオンライン学習専用のパソコンを確保すべきだし、端末が準備できない家庭のために貸…

  • オヤジのあくび118

    不規則連載 タケさんの教育論11 教育と行政3 話は、今年いっときニュースを賑わせた9月入学論議。9月入学または始業に変わることで、様々なメリットやデメリットが想定されると考えた挙句、此の意見は元気がなくなってしまった。 私は思う。文科省やら政治家に下駄を預けないで、これを機会に一人ひとりが教育について、語り始めてはどうか?と。 私自身の考えは、カリキュラムをより柔軟にして、集団の中で身につける力と個人で適性能力に応じて獲得していく力を分けて考えてみてはどうか?と思うのです。そして、それぞれにいつまでに(10歳までは2年毎、それからは1年毎とか)どのくらいという大筋の基準を示し、現在までの到達…

  • オヤジのあくび117

    不規則連載 タケさんの教育論10 教育と行政2 よく学校に物を申してもラチが開かないから教育委員会に訴えてやる!と憤懣やるかたない方を見かける。子どもが通う学校での対応に不満を持たれたのであろう。しかしながら、教育委員会に訴えたことは、ほとんどそのまま学校の管理職に伝わる。そして、どこまで把握しているか?どうしようか?になるわけで、問題の拡散共有にはなるが、残念ながら解決に向けてスピードアップするとは限らない。 そもそも教育委員会について、何だか学校を統制してくれるようなイメージを持っているとしたら、それは少し合っていて少し違う。教育委員会は確かに人事権を持っている。けれど公立学校の場合は先生…

  • オヤジのあくび116

    不規則連載 タケさんの教育論9 教育と行政1 2月末。それはあまりにも突然だった。総理大臣が全国一斉の休校を要請したのだ。もちろん保護者も学校も、びっくり仰天!しかし、なぜか?大きな反発や混乱もなく全国で休校措置が取られた。大義名分はコロナウィルスだからやむを得ないとき感じたのだろう。 続いて、学校再開か遅れる中、9月入学論が声高に論じられるようになった。この大きな教育システムの変更は文科省中心に論議が進んでいたようだが、詳しい経過説明がされた記憶もないままに下火になってしまった。 ふと素朴な疑問に駆られてしまう。一体いつから行政は教育を思うがままにコントロールできるようになったのか?と。戦後…

  • オヤジのあくび115

    不規則連載 タケさんの教育論8 なぜ?集団やグループで学習しているのか? 以前に子どもの教育権、教育主体について、学校に行かなかったエジソンを例に書きました。今も昔も学校という組織や集団に適応が難しい子どもたちはたくさんいる。だから、学習は何も学校に行かなくたってできるじゃないか!とN高を始めとする様々な教育方法が現に実践されている。 では、なぜあの狭苦しい教室に多い場合には40人も詰め込んで、学習をしているのか?自分が40人もしくはそれ以上のクラスを受け持った体験から言えば、人数が多ければ多い程、良しにつけ悪しにつけ、暗黙のルールが子どもたちの内に成立しやすい。特に小学校高学年以上では力のバ…

  • オヤジのあくび114

    名作を読む68 ロンドン作「荒野の呼び声」 を読む ゆるゆる、のうのう、ぬくぬくとカリフォルニアの屋敷で飼われていた大型犬パックが、アラスカの大地でそりを引く犬になり、やがてソーントンもいう主人に飼われて、初めて人間の愛を知る。 物語の最終盤では、森林を駆け回り、オオカミに友ができ、ほとんど野生に帰る。 バックが野生の感性を取り戻した時の記述がいい。感じる、判断する、行動する、その三つの働きの間が、ひどく短いので同時にするように思われるのだ。 私は音楽が好きなのだけど、すべてのプレーヤーに必要な感性、ここにあり。表現者が感じたことがその場ですぐに音に変わるからこそ、音楽は、面白いし飽きないのだ…

  • オヤジのあくび113

    名作を読む67 ロンドン作「白いきば」を読む。 ざっくりまとめてしまうと、野生のオオカミが人間に飼い慣らされてしまう物語。 けれども、そこにはアラスカでの生活経験が、作者ならではの、その地で野生動物に対した経験が背景に流れている。なぜアラスカに行ったのか?と言えば、そこは金でひともうけしようと言う、ありがちな金銭欲からだったようです。その反面、彼は社会主義者なので矛盾していますね。日露戦争で特派員として日本にも来てますが、トラブルから軍事裁判にかけられて禁固刑になっています。 そんなロンドンだったからこそ、この先物語に登場する人々、愛情のないインディアン、白いきばを見せ物にしたスミス、そして最…

  • オヤジのあくび112

    名作を読む66 ディケンズ作「オリバー=ツイスト」を読む。 主人公オリバーが、泥棒仲間に入り、すりに協力するが逃げ遅れて捕まってしまう場面や泥棒に入った家でも見つかってピストルで撃たれる場面など、とてもリアルだ。作者が貧困に喘いでいた少年期に、見聞きしていた話が下敷きになっているのかもしれない。 この話は、大作家ディケンズの出世作であるが、これでもか!というくらいに悲惨に世の中の闇を 描く前半〜中盤に比して、最後はどうもトントン拍子にハッピーエンドに突き進んでしまう気がする。当時繁栄を極めていたイギリス社会の暗部を書いた時点で、ある程度作者の目的は達成してしまったのかもしれない。 繁栄を享受す…

  • オヤジのあくび111

    名作を読む65 ディケンズ作「クリスマス=カロル」を読む 最初に出てきたマーレイの幽霊によると「人間は死ぬと魂が仲間の人間の間をあちこち歩き回らなければならないんだ。生きていた時の自分の醜さに気がつくために」だそうだ。 その後スクルージは、過去、現在、未来の幽霊に会う。とりわけ未来の幽霊は怖い。スクルージの無様な死に方を見せるのだ。 スクルージは、幽霊から今のままの自分ではいけないと学んだ。そして、ケチで欲張りで他人のために金を使うなど一切考えていなかった過去の自分を捨てて、生まれ変わるのだ! 説話的ではあるけれど、世の中の偏屈オヤジは、十年に一度くらいは、この名作を読み返すといい。たかが名作…

  • オヤジのあくび110

    みんなで唱和できる歌を! 朝ドラで古関裕而を取り上げており、例に漏れず毎回観ています。戦前は戦時歌謡(いわゆる軍歌)、戦後は一転して「長崎の鐘」に代表される平和の賛歌。いったいこの変わり身の速さは何なのか? 私が戦前の作曲家として山田耕筰に勝るとも劣らない巨大なる存在と感じている人がいる。信時潔さん、その人だ。彼が自分の曲をもって、戦争に加担してしまった責任を強く感じ、戦後は作曲活動を縮小したことは山田耕筰・古関裕而とは、まことに対照的です。 ただ古関裕而さんの曲は、非常に覚えやすく、つまり多くのひとが唱和しやすい曲であったことを 、しっかり記憶しておきたい。歌が居心地のよい場所として、カラオ…

  • オヤジのあくび109

    メンタルハーモニーって何? 男声合唱団のスローガンなどで目にする言葉が、メンタルハーモニー。本家本元は我が国の合唱文化発展の礎となり、また現在もリードし続けている関西学院グリークラブ。私の母校横浜国立大学グリークラプもよくこの言葉を使っていた。 元来がへそ曲がりなので、この言葉を聞くたびに「なんのこっちゃ?」と感じてきた。ハーモニーつうのは、協和性の高い音同士が整数次倍音を響かせたときに感じられる音響のことで、そもそも物理的な必要条件が決まっている。 合唱の場合は、発音=発声なので、構成メンバーがハモるための条件を理解して、声を合わせなければ、ハモらない。これだけのことなのだ。 けれどその体験…

  • オヤジのあくび108

    ある合唱団のオンライン飲み会で、突然自分が学生の頃の演奏会プログラムが登場して、たいそう驚いた。今から43年も前の話で、昔は若かったなぁ(=当たり前!)とか「そんな時代もあったねと〜」などと中島みゆきの歌が頭をよぎったりした。 そんなことがあってから、非常に充実していると聞いていたOB会のHPを覗いてみた。すると過去のプログラムや過去の録音が見事に整理されていて感激した。自分が現役だったときの演奏もあり、恐る恐る自分が指揮をした曲などを聴いてみた。 演奏の巧拙とか、今自分が同じ曲の指揮を担当したらどうなるか?それはどうでもいいことだった。あの時あのメンバーが、あの年齢でそれなりに一生懸命歌って…

  • オヤジのあくび107

    名作を読む64 サッカレー作「ばらと指輪」を読む。 この物語の冒頭に「紙芝居だと思って読んでください」という下りがあって、「?、紙芝居は日本独自の文化なはず」とか思いながら、読み始めた。どうやら初めに絵画ありきで、その絵を見ながら、あれこれ想像しながら物語ができたらしい。ファンタジーといえば、それまでだけど、かなりアップダウンの激しい筋書きになっている。 ばらも指輪も、それを身につけていると、見た人にとってその人が素晴らしい人に見えるというアイテム。この手の道具につきもので、だいたいが持ち主は悪い奴なので、困ったことが起きる。結婚話や王国の支配権をめぐる話が中心だが、ヒロインであるロザルバ姫だ…

  • オヤジのあくび106

    名作を読む63 ホフマン作「ファルーン鉱山」 を読む。 ファルーン鉱山というのは、世界遺産にも指定されている歴史のある銅山で、ニルスの不思議な旅にも出てくる。 鉱山の幽霊トルベルンにいざなわれ、船乗りのエーリスはファルーン鉱山にやって来る。航海から帰ると最愛の母親が亡くなっていて、心が沈んでいたのだ。それは鉱山祭りの日だった。 エーリスは、鉱山の経営者であり監督でもあるダールスイエ家の娘ウラに好意を抱く。 そうすると邪魔をするかのように、幽霊のトルベルンが現れ、娘とは結婚できないと告げるのだ。 しかし、ウラとの結婚話は順調に進む。結婚前日、エーリスはまたトルベルンと会う。トルベルンはお祝いの贈…

  • オヤジのあくび105

    名作を読む62 シャミッソー桜「影をなくした男」 苦学生ペーターは、金貨や銀かがザクザク出てくる不思議なポケットに目がくらみ、怪しい灰色の男に自分の影を売り渡してしまう。 影がないことでお化け扱いされてしまうが、有り余る金に任せて、にせ伯爵を名乗り舞踏会を開く。しかし結婚を申し込んだ相手の娘は気絶してしまい、さらには影を売った相手から今度は魂が欲しいなどと言われ、不思議なポケットまで失ってしまう。欲望まみれの人間の醜さに警鐘を鳴らすようなストーリーだ。 この話の救いはまったく欲のない相棒ベンデルの存在だ。最後は自然に影が生えてきて、ベンデルが再び拾った不思議なポケットから今度はペーター慈善病院…

  • オヤジのあくび104

    名作を読む61 シュティフター作「水晶」 すべての子どもたちにとって一番楽しい夜は、やはりクリスマスイブだろう。険しい山を越えた隣村のおばあさんの家に遊びに行った兄妹は、日が暮れないうちにと、お土産を持って帰途に着く。ところがその二人を大雪が襲うのだ。二人は道標を見失い、雪の山を彷徨う。 ようやく岩の下で雪を避けられる所を見つけるが、もうすっかり夜。眠ってはいけないと妹を励ます兄の様子が実に健気だ。 翌朝日が昇り、無事に救い出されるストーリーだが、村人たちがクリスマスそっちのけで、捜索活動にあたっているところも、心が温まる。山あいの普段人が行き交うことが少ない村では、みんなが家族同様なのだ。 …

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