マスケード博士とジャンセンとが並んで先頭を行く。「ジャンセン君、今からでも愛と言うものを育む事が出来るだろうか……」博士は愛の強さに相当感心をしたようで、それを廃して生きてきた自分の人生を悔やんでいるようだった。「博士、ぼくも恋愛は自分の活動には相容れないものと思っていました」ジャンセンは手に持ったベクラモレスを見つめながら答える。「でも、恋愛って良いものです。何と言うか、心が充実するんです。やる気がさらに漲って来ます」「そう言うものかね……」博士は溌溂としたジャンセンを見ながら言う。「でも、メキドベレンカとはもう会えないのだぞ……」「そうですね」傍で聞いていると無思慮な言葉だが、ジャンセンは平然としている。「でも、ぼくの中にずっと居るんですよ。上手くは言えないんですが、すぐ目の前にいつも居るって感覚です...ジェシルと赤いゲート93