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お話 https://blog.goo.ne.jp/shin-nobukami

日々思いついた「お話」を思いついたままに書く

或る時はファンタジー、或る時はSF、又或る時は探偵もの・・・などと色々なジャンルに挑戦して参りたいと思っています。中途参入者では御座いますが、どうか、末永くお付き合いくださいますように、隅から隅まで、ず、ず、ずぃ〜っと、御願い、奉りまする!

伸神 紳
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2007/11/10

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  • ジェシルと赤いゲート 30

    「ケルパム、どこへ行っちゃったの?」ジェシルが辺りを見回す。「察するに、ふもとの自分の村に戻ったんじゃないのかなぁ?」ジャンセンが答える。「だってさ、女神を見たんだぜ?これは村の大人たちに話さなきゃならないさ!」「ジャン……あなた、なんだか興奮しているみたいだけど?」ジェシルは不満そうな顔をジャンセンに向ける。「この状況が分かっているの?わたしたち、とんでもない所に居るのよ!」「そうなんだろうけどさ……」笑顔のジャンセンの瞳はきらきらと光っている。大発見をしたと騒いでいた子供の頃のようだ。「嬉しいのは、ぼくの言葉が通じた事だよ!ぼくの研究は無駄じゃなかったんだよ!嬉しいなぁ!しかもさ、直接に生活や風俗なんかが確かめられるんだぜ!」「最低……」ジェシルはつぶやく。帰れるかどうかが心配なのに、ジャンセンは自分...ジェシルと赤いゲート30

  • ジェシルと赤いゲート 29

    ジェシルは銃を構え、じっと茂みを見つめている。ゆっくりと立ち上がった。何者かの気配が感じられる。宇宙パトロール捜査官としての経験から、それは間違いのない事だった。不意を突いて襲いかかってくるような野生の動物の類では無かった。「誰?出て来なさい!」ジェシルは詰問する。声は大きくはなかったが、刺すように鋭くて冷たい。茂みはぴくりともしない。……ひょっとして、言葉が通じないのかしら?ジェシルは思った。ここがどこだか分からないのだ。ジェシルは宇宙公用語で同じ質問をしてみた。しかし、反応はない。茂みの中に気配は感じているのだが。……仕方がないわ。脅かすために一発撃ち込んでみるしかないようね。ジェシルは出力を最小にしてから引き金に指を掛けた。と、茂みがざわざわと音を立てた。引き金の指が止まる。ジェシルはじっと茂みを見...ジェシルと赤いゲート29

  • ジェシルと赤いゲート 28

    風が吹いた。暖かで穏やかな風だったが、ジャンセンは鳥肌を立てた。「……ジェシル、その言い方だと、第三者がいるって感じだけど……」ジャンセンは言いながら周囲を見回す。たすき掛けの鞄をしっかりと両手で握っている。「ジャン、あなたってそんなに臆病だった?」ジェシルは小馬鹿にしたような顔で言う。「子供の頃はもう少し堂々としていたんじゃなかったっけ?」「大人になるにつれ、色々と学んだからなぁ……」ジャンセンはつぶやくように言う。「君はさらに磨きがかかったようだけど」「ふん!」ジェシルは鼻を鳴らす。「これは職業柄よ!本来は繊細で傷つきやすい乙女なのよ!」「自分で言い切れるところが堂々としているって言えるよなぁ……」「ジャン!」ジェシルは腕を振り上げた。「好い加減にしなさいよ!」「まあ、冗談はともかくさ……」ジャンセン...ジェシルと赤いゲート28

  • ジェシルと赤いゲート 27

    心地よい暖かさと、甘い香りが鼻腔をくすぐる。ジェシルが感じた事だった。……なんだか気持ちが良いわ。ジェシルは満足そうに笑む。ずっとこのままでいたいと言う気分になる。……ちょっと待って!我に返ったジェシルは飛び起きた。今一つ焦点が定まらない目をじっと凝らす。その間も、暖かさと甘い香りは続いている。「……ここは、どこなの?」ジェシルは敢えて声を出してみた。喉がからからに乾いた時の声のようだ。ジェシルは驚いて、何度か咳払いをする。徐々に焦点が定まって来た。暖かな日差しが優しく注ぐ、様々な花が咲いている野原の中だった。「え……?」ジェシルは呆然とする。……ちょっと待ってよ。さっきまでは家の地下だったわ。ジェシルは記憶を辿る。……怪しいドア枠に吸い込まれて……「そうだわ!吸い込まれたのよ!」ジェシルは声を荒げると、...ジェシルと赤いゲート27

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