chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
お話 https://blog.goo.ne.jp/shin-nobukami

日々思いついた「お話」を思いついたままに書く

或る時はファンタジー、或る時はSF、又或る時は探偵もの・・・などと色々なジャンルに挑戦して参りたいと思っています。中途参入者では御座いますが、どうか、末永くお付き合いくださいますように、隅から隅まで、ず、ず、ずぃ〜っと、御願い、奉りまする!

伸神 紳
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2007/11/10

伸神 紳さんの人気ランキング

  • IN
  • OUT
  • PV
今日 03/28 03/27 03/26 03/25 03/24 03/23 全参加数
総合ランキング(IN) 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 1,033,795サイト
INポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
OUTポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
PVポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
小説ブログ 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 11,753サイト
ミステリー・推理小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 525サイト
SF小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 359サイト
ファンタジー小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 1,085サイト
※ランキング順位が「圏外」と表示される時は?
今日 03/28 03/27 03/26 03/25 03/24 03/23 全参加数
総合ランキング(OUT) 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 1,033,795サイト
INポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
OUTポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
PVポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
小説ブログ 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 11,753サイト
ミステリー・推理小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 525サイト
SF小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 359サイト
ファンタジー小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 1,085サイト
※ランキング順位が「圏外」と表示される時は?
今日 03/28 03/27 03/26 03/25 03/24 03/23 全参加数
総合ランキング(PV) 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 1,033,795サイト
INポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
OUTポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
PVポイント 0 0 0 0 0 0 0 0/週
小説ブログ 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 11,753サイト
ミステリー・推理小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 525サイト
SF小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 359サイト
ファンタジー小説 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 圏外 1,085サイト
※ランキング順位が「圏外」と表示される時は?
  • ジェシルと赤いゲート 43

    ジェシルと赤いゲート 43

    「それで、どうする?」ジャンセンが訊く。「長たちの提案に従って、こっちも大人数で行くのかい?」「そうねぇ……元凶はデスゴンでしょ?」「まあ、そうだけど……」「ここの神様って、互いに潰し合ってのし上がるって、あなたは言ったわ」「言ったけど……」「じゃあ、話は早いじゃない?」ジェシルは言うと、にやりと笑う。「デスゴンを倒せば良いんだわ!」「ジェシル……」ジャンセンは呆れた顔でため息をつく。「邪魔者は取り除く、その短絡的な思考パターン、子供の頃と変わらないなぁ……」「あら、いけない?」「いいかい、相手は目覚めた禍神だぜ。ちょっとだけアーロンテイシアになった程度の君じゃ、太刀打ちできないぞ」「そんなの、やってみなくちゃ分からないわ」「しかもさ、ダームフェリアの民も加わったらどうするんだい?デスゴンに操られているだ...ジェシルと赤いゲート43

  • ジェシルと赤いゲート 42

    ジェシルと赤いゲート 42

    「……アーロンテイシア様」衣装と格闘しているジェシルに、最長老のデールトッケが背後から話しかけた。途端にジェシルは背筋を伸ばし、笑顔でデールトッケに振り返った。「何事?」ジェシルは答える。「何か話し合いをしていたようだが?」「左様でございます」デールトッケは両手の平を上に向けて頭を下げた。「決してアーロンテイシア様のお力を疑うわけではございませぬが、やはり、アーロンテイシア様お一人を、ヤツらの所に向かわせるは忍びないですじゃ」「まだそのような事を言っているのか?」「実はですな」デールトッケは顔を上げ、ジェシルを見つめる。「サロトメッカの村は、ダームフェリアの近くでしてな、村の者は、ダームフェリアで異変が起こっているのを見たと言うのですじゃ」「異変……?」「突然空の一角に黒雲が湧き上がって雷(いかずち)が落...ジェシルと赤いゲート42

  • ジェシルと赤いゲート 41

    ジェシルと赤いゲート 41

    「ジェシル……」ジャンセンが声をかける。ジェシルは振り返る。ジャンセンの顔には驚きがあった。「……いやいや、大したもんだなぁ」ジェシルは長たちを見る。皆が座り直して話し合いを始めていた。誰もこちらを見ていない。それが分かると、ジェシルは思い切り不機嫌な顔になった。「何がよ?」ジェシルの声にも不機嫌さがにじんでいる。「何が大したものなのよ?」「何をそんなに不機嫌なんだい?」ジャンセンは不思議そうな顔だ。「威厳のある立派な態度だったじゃないか。ぼくの知っているジェシルからは思いもよらないよ」「それだけ、社会で揉まれているのよ!」ジェシルは、いつも偉そうな態度のトールメン部長を思い出していた。ジェシルはトールメン部長の偉そうにしているところを真似してみたのだ。結果は長たちの様子に表われていた。効き目があったと言...ジェシルと赤いゲート41

  • ジェシルと赤いゲート 40

    ジェシルと赤いゲート 40

    ジャンセンがジェシルの元へ着くと、長たちが立ち上がり歓喜の声を上げていた。ジェシルが助ける事を告げたのだろう。「偉大なる女神アーロンテイシア様!」恰幅の良いカーデルウィックは叫ぶと、両手を広げて、今にもジェシルを抱きしめそうな勢いだ。「こら、カーデルウィック!罰当たりな事をするでない!」最長老のデールトッケが諌める。カーデルウィックはぽりぽりと頭を掻く。「まあ、そうしたくなる気持ちは分かるがな……」ドルウィンは言うとジェシルをほれぼれとした表情で見る。「ドルウィン、お前さんも不謹慎そうな顔つきだぞ!」長の中で一番若いサロトメッカが真面目な顔で言う。「せっかくアーロンテイシア様がご助力下さるというのに、怒りを買うような真似は慎まれよ」神経質なボロボテットが唸るように言う。「浮かれている暇はそれほどは無いと思...ジェシルと赤いゲート40

  • ジェシルと赤いゲート 39

    ジェシルと赤いゲート 39

    「それって、わたしたちと一緒じゃない!」ジェシルは声を荒げる。「どう言う事なのよ!説明しなしさいよ!」「ぼくに怒ってもなぁ……」ジャンセンは困惑の表情でジェシルを見る。「とにかく、そのデスゴンはぼくたちと同じような状況下にあるんじゃないかとは推測できるね」「と言う事は、研究者と……」「その助手……」助手と言ったジャンセンをジェシルが殺気を込めたまなざしで見つめる。「……いや、その従妹……じゃなくって知り合い、いや、立派な援護者……」「そうかも知れないわね」立派な援護者の言葉でジェシルの機嫌が直った。「ジャン、あなた、心当たりの人なんていない?」「そうだなぁ……」ジャンセンは腕を組んで目を閉じ、考え込んでいる。しばらくして目を開けた。「……ごめん、思いつかない……」「そうなの?」「言えるのは、あの赤いゲート...ジェシルと赤いゲート39

  • ジェシルと赤いゲート 38

    ジェシルと赤いゲート 38

    「アーロンテイシア様……」最長老のデールトッケが話しかける。「単刀直入に申し上げます……」「そんなに畏まらないで良いわよ」ジェシルは楽しそうに言う。ジャンセンを言い負かしたのが嬉しくてしょうがない。「わたし、今とっても気分が良いから」「わしらをお助け頂きたいのですじゃ……」「え?」ジェシルは驚いた顔でデールトッケを見る。他の長たちも深刻な顔でうなずいている。ジャンセンも同じようにうなずいている。「ここって色々と恵まれた土地なんでしょ?」ジェシルはジャンセンに自分たちの言葉で訊いた。「村の人たちも明るいし問題ないって感じだけど……」「そうだけど……」ジャンセンが答える。「それ故に問題が起こったんだ」「村の人たちを見ていると、そんな風には思えないけど?」「長たちの所で話が止まっているからだよ。いずれは知られて...ジェシルと赤いゲート38

  • ジェシルと赤いゲート 37

    ジェシルと赤いゲート 37

    ジェシルは、あっと言う間に子供と女たちに囲まれた。男たちは、呪い師の老婆とメギドベレンカとに睨みつけられて、遠巻きに様子を窺っている。本当はジェシルに声をかけたくて仕方がないのだが、それは叶わず仕舞いのようだ。ジェシルを取り巻いている子供たちが口々に何かを言っている。しかし、ジェシルには分からない。それでも、声をかけられるたびにその方を向き笑顔を見せていた。「すっかりアーロンテイシアだな……」ジャンセンは、ジェシルの様子を見ながらつぶやく。ドルウィンがジャンセンに声をかけてきた。ドルウィンが促すところには、貫録と威厳を併せ持った年輩の男たちが五人、丸テーブルを囲んで形で座り、真剣な眼差しをジャンセンに向けていた。彼らはベランデューヌ一帯の村の長たちだった。これから、重要な話が行なわれようとしているのだ。そ...ジェシルと赤いゲート37

  • ジェシルと赤いゲート 36

    ジェシルと赤いゲート 36

    ドルウィンはジャンセンと話している。ジャンセンは何度もうなずく。話が終わると、ドルウィンは両手の平を上に向け、頭を下げ、その姿勢のままゆっくりと後退し始めた。「……ねぇ、あれって危険じゃない?石にでもつまづいたら転んじゃうわ」ジェシルは、不器用な動きで後退しているドルウィンを心配そうに見ている。「大丈夫、ここでは客を招くときにはこうやって誘導するんだよ」ジャンセンが答える。「後ろ向きに歩いても道には何の問題もないほど整えられている、って事を示しているんだ」「この時代の習慣って事?」「そう言う事だね。さあ、付いて行こう」ジャンセンは言うと、ジェシルを先に歩くように手で示した。「メインゲストのアーロンテイシアが先だ。ぼくは一応メッセンジャーって立場だからね。さあ。歩いて。あまり距離が開いちゃうと失礼にあたるか...ジェシルと赤いゲート36

  • ジェシルと赤いゲート 35

    ジェシルと赤いゲート 35

    ジェシルは駈け出す。手を握られているケルパムは、腕がぴんと伸びた格好で、転ばないようにと必死で駈けている。「ジェシル!ケルパムが……」ジャンセンが後ろから声をかけたが、曲り道で姿が見えなくなった。駆け去った後に舞う土埃を見ながらジャンセンはつぶやく。「……やれやれ、ベルザの実って、そんなに美味しいかなぁ?ぼくならペレザンデの実の方が好きだけどなぁ。あの口の中に広がる酸っぱ苦い味が最高だ」長やまじない師たちは呆然とした表情でジェシルの立てた土埃を見ていた。しばらくすると、ジェシルが駈け戻って来た。怒った顔をしている。皆が畏れて両の手の平を上に向けて頭を下げた。「ジェシル、言っただろう?怒った顔がダメだってさ」「そうは言うけど」ジェシルは鼻息が荒い。「ケルパムが全力でわたしの手を放して、わたしの前に立って、両...ジェシルと赤いゲート35

  • ジェシルと赤いゲート 34

    ジェシルと赤いゲート 34

    長のドルウィンを先頭に、メギドベレンカが続き、その後にジェシルとジャンセン、殿は二人のまじない師の老婆と言った並びで、ぞろぞろと歩いていた。ドルウィンの村へと向かっているのだ。老婆たちはひたすら祈りの言葉を唱えている。メギドベレンカはドルウィンと話をしている。時折、ジャンセンに振り返り何かを話している。ジャンセンはそれに答えるとジェシルの顔を見て、かわいらしくにこりと笑んでみせる。「……ねえ、ジャン」ジェシルはジャンセンに話しかける。「さっきから何を話しているのよ?それと、あの娘(「メギドベレンカだよ」ジャンセンが言う。名前を呼ばれたメギドベレンカはジェシルの方に顔を向け、再び笑む)……今もそうだったけど、どうしてわたしに笑顔を見せるのかしら?」「そりゃ、女神アーロンテイシアの覚えめでたきまじない師になる...ジェシルと赤いゲート34

  • ジェシルと赤いゲート 33

    ジェシルと赤いゲート 33

    老婆たちが放った炎が消えた。消えたというよりも、消し飛ばされた。腕を振り下ろした老婆たちが互いに顔を見合う。二人とも怪訝な表情をしている。その表情のままで、二人はジェシルに振り返った。ジェシルは笑顔を湛えたままで静かに立っている。ジャンセンは呆気にとられた表情で立っていた。「ジェシル……」ジャンセンが声をかける。「今、熱線銃を撃ったよな?」「あら、そうだったかしら?」ジェシルは笑顔のままで答える。「とにかく、炎が消えて何よりね」老婆たちが互いに炎を放ち合った時、ジェシルが素早く腰の背の方に手を廻し、挟んでいた熱線銃を取って炎に向かって熱線を撃ったのだ。炎よりも高温だったため、放ち合った炎を消し飛ばした。それから銃を腰に戻し、何も無かったように笑みを湛えた。一瞬の出来事だった。ジャンセンはその動きを見ていた...ジェシルと赤いゲート33

  • ジェシルと赤いゲート 32

    ジェシルと赤いゲート 32

    ジェシルとメギドベレンカの笑顔の見つめ合いが続く。さすがにジェシルは頬に痛みを感じ始めた。額にうっすらと汗が噴き出る。「……ジャン」ジェシルは笑顔のままで小声で傍に立っているジャンセンに声をかける。「そろそろ限界なんだけど……」「頑張れジェシル、君なら出来る!」ジャンセンはきっぱりと言う。しかし、ジェシルには思い切り無責任な発言にしか思えなかった。「何よ、他人事だと思ってさ」ジェシルはジャンセンを見る。笑顔だが、目は笑っていなかった。「元々笑顔なんて作らない方だから、もうダメだわ……」「それは相手のメギドベレンカも同じみたいだぜ」ジャンセンがそう言って、メギドベレンカを指差す。ジェシルはメギドベレンカに向き直る。メギドベレンカの頬がひくひくとし始めていた。額から汗が伝っているのが見える。……わたしよりバテ...ジェシルと赤いゲート32

  • ジェシルと赤いゲート 31

    ジェシルと赤いゲート 31

    ジェシルとジャンセンの気まずそうな雰囲気を察したのか、村の長がおずおずと話しだした。ジャンセンはうなずきながら話を聞いている。途中でケルパムも口を挟んできた。三人は更に白熱したように話をし、終いには笑い出していた。すっかり仲間外れのジェシルは憮然とした表情になる。「ジャン!」ジェシルは声を荒げた。「何よう!わたしを除け者にしちゃってさあ!」ジェシルの怒った顔を見た村の長とケルパムは、地面に額を押し付ける格好をし、しきりに何かを唱え始めた。「……二人ともどうしちゃったの?」ジェシルは驚いた顔でジャンセンを見る。怒っていたのを忘れてしまったようだ。「何だか、必死な感じなんだけど……」「そりゃ、そうさ」ジャンセンは苦笑する。「畏れ多い女神アーロンテイシア様がお怒りなんだぜ。彼らに取っちゃ命を奪われても仕方がない...ジェシルと赤いゲート31

  • ジェシルと赤いゲート 30

    ジェシルと赤いゲート 30

    「ケルパム、どこへ行っちゃったの?」ジェシルが辺りを見回す。「察するに、ふもとの自分の村に戻ったんじゃないのかなぁ?」ジャンセンが答える。「だってさ、女神を見たんだぜ?これは村の大人たちに話さなきゃならないさ!」「ジャン……あなた、なんだか興奮しているみたいだけど?」ジェシルは不満そうな顔をジャンセンに向ける。「この状況が分かっているの?わたしたち、とんでもない所に居るのよ!」「そうなんだろうけどさ……」笑顔のジャンセンの瞳はきらきらと光っている。大発見をしたと騒いでいた子供の頃のようだ。「嬉しいのは、ぼくの言葉が通じた事だよ!ぼくの研究は無駄じゃなかったんだよ!嬉しいなぁ!しかもさ、直接に生活や風俗なんかが確かめられるんだぜ!」「最低……」ジェシルはつぶやく。帰れるかどうかが心配なのに、ジャンセンは自分...ジェシルと赤いゲート30

  • ジェシルと赤いゲート 29

    ジェシルと赤いゲート 29

    ジェシルは銃を構え、じっと茂みを見つめている。ゆっくりと立ち上がった。何者かの気配が感じられる。宇宙パトロール捜査官としての経験から、それは間違いのない事だった。不意を突いて襲いかかってくるような野生の動物の類では無かった。「誰?出て来なさい!」ジェシルは詰問する。声は大きくはなかったが、刺すように鋭くて冷たい。茂みはぴくりともしない。……ひょっとして、言葉が通じないのかしら?ジェシルは思った。ここがどこだか分からないのだ。ジェシルは宇宙公用語で同じ質問をしてみた。しかし、反応はない。茂みの中に気配は感じているのだが。……仕方がないわ。脅かすために一発撃ち込んでみるしかないようね。ジェシルは出力を最小にしてから引き金に指を掛けた。と、茂みがざわざわと音を立てた。引き金の指が止まる。ジェシルはじっと茂みを見...ジェシルと赤いゲート29

  • ジェシルと赤いゲート 28

    ジェシルと赤いゲート 28

    風が吹いた。暖かで穏やかな風だったが、ジャンセンは鳥肌を立てた。「……ジェシル、その言い方だと、第三者がいるって感じだけど……」ジャンセンは言いながら周囲を見回す。たすき掛けの鞄をしっかりと両手で握っている。「ジャン、あなたってそんなに臆病だった?」ジェシルは小馬鹿にしたような顔で言う。「子供の頃はもう少し堂々としていたんじゃなかったっけ?」「大人になるにつれ、色々と学んだからなぁ……」ジャンセンはつぶやくように言う。「君はさらに磨きがかかったようだけど」「ふん!」ジェシルは鼻を鳴らす。「これは職業柄よ!本来は繊細で傷つきやすい乙女なのよ!」「自分で言い切れるところが堂々としているって言えるよなぁ……」「ジャン!」ジェシルは腕を振り上げた。「好い加減にしなさいよ!」「まあ、冗談はともかくさ……」ジャンセン...ジェシルと赤いゲート28

  • ジェシルと赤いゲート 27

    ジェシルと赤いゲート 27

    心地よい暖かさと、甘い香りが鼻腔をくすぐる。ジェシルが感じた事だった。……なんだか気持ちが良いわ。ジェシルは満足そうに笑む。ずっとこのままでいたいと言う気分になる。……ちょっと待って!我に返ったジェシルは飛び起きた。今一つ焦点が定まらない目をじっと凝らす。その間も、暖かさと甘い香りは続いている。「……ここは、どこなの?」ジェシルは敢えて声を出してみた。喉がからからに乾いた時の声のようだ。ジェシルは驚いて、何度か咳払いをする。徐々に焦点が定まって来た。暖かな日差しが優しく注ぐ、様々な花が咲いている野原の中だった。「え……?」ジェシルは呆然とする。……ちょっと待ってよ。さっきまでは家の地下だったわ。ジェシルは記憶を辿る。……怪しいドア枠に吸い込まれて……「そうだわ!吸い込まれたのよ!」ジェシルは声を荒げると、...ジェシルと赤いゲート27

  • ジェシルと赤いゲート 26

    ジェシルと赤いゲート 26

    「……ジェシル、今の聞いたよな?」「ええ、聞いたわ……」ジャンセンはドア枠に駈け寄った。ジェシルも続く。二人でドア枠を見る。ジャンセンは拳を軽く握ると、ドアをノックするようにドア枠を叩いた。「う~ん……木製だったら、もっとこんこんと言った気持ちの良い音がするんだけどなぁ……」「そうね、中に何かがありそうな音だわ……」「そんな感じだね」ジャンセンは鞄に手を突っ込んだ。あちこちを探って、やっと目当てのものを見つけたようで、手の動きが止まる。鞄から手を引き抜いた。手にはカッターナイフがあった。「どうするの?」ジェシルの問いにジャンセンがにやりと笑む。「このカッターナイフで削ってみるのさ」ジャンセンは刃先をドア枠に押し当てた。「中に何かがあればすぐに分かるだろう?」「でも、これは歴史的には貴重な物なんじゃないの?...ジェシルと赤いゲート26

  • ジェシルと赤いゲート 25

    ジェシルと赤いゲート 25

    ジャンセンはドア枠をぽんぽんと軽く叩いた。そして、鞄から虫眼鏡を取り出すと、調べ始めた。「う~ん……これはアズマイック杉で出来ているようだなぁ……しかも一旦蒸し焼きにして固くして、それから防腐用に塗装したもののようだ……でも、ぼくの知っている中で、赤色ってのは無かったなぁ……大発見かも知れないぞぉ……」……何よ、一人でにやにやしちゃってさ!わたしの事を忘れているんだわ!ジャンって何かに夢中になるとこうだったわね!わたしを置き去りにしてさ!にやにやしながら独り言を言っているジャンセンを、座り込んだままで口を尖らせながら見ていたジェシルは、ジャンセンの鞄から発光粘土を取り出す際に床に撒き散らした金貨を一枚拾い上げ、ジャンセンの背中に投げつけた。金貨はジャンセンに当たり、床に落ちるとちゃりんと言う音を立てた。そ...ジェシルと赤いゲート25

  • ジェシルと赤いゲート 24

    ジェシルと赤いゲート 24

    「痛たたた……」そう言いながら立ち上がり、お尻を撫でさすっているのはジェシルだった。いきなり足下に開いた穴から落下した。日ごろ鍛えているジェシルは咄嗟に身構えて、お尻を打つぐらいで済んだのだ。ジェシルは顔を上げた。さっきまでいた地下二階に残してきた発光粘土の明かりがうっすらと射し込んでいる。……と言う事は、ここは地下三階で間違いはなさそうね。ジェシルはそう判断した。……それにしても乱暴な入口だわ!ご先祖って何を考えているのかしら!ジェシルは見えない先祖に向かって、べえと舌を出してみせた。「……そうねぇ、この高さなら、ジャンの肩か頭にでも乗って飛び上れば戻れそうだわ」落ちて来た穴を見上げ、ジェシルはつぶやく。「で、肝心のジャンはどこかしら?」ジェシルは地下二階から射す明かりを頼りに周囲を見回す。ジャンセンは...ジェシルと赤いゲート24

ブログリーダー」を活用して、伸神 紳さんをフォローしませんか?

ハンドル名
伸神 紳さん
ブログタイトル
お話
フォロー
お話

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用