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  • ゆく年

    今日はとうとう大晦日。2006年も今日でおしまいだ。楽しいことより辛いことが多かったように思う今年だけど、過ぎてみると早いもんだ。年齢も一つ重ねて、「オヤジ」「オジさん」と呼ばれるにはもう充分だ。今日は、血の特掃と別現場の消臭消毒に行ってきた。どちらの現場もリアルタイム過ぎるので、詳細を伝えるのは控えるが、私にとっては軽い現場だった。特掃だけじゃなく消臭消毒も大事な仕事の一つ。「消臭消毒」と一口に言っても、仕事としてはかなり難しい。人間の腐乱臭は鼻に臭いだけじゃなく精神に悪いから。それを片付けるには、錬磨したノウハウと根気が必要なのだ。5月からだけど、ブログも結構書きまくった。トータルで、180編くらいにはなるのだろうか。「死」や「死体」だけをテーマに、よくもこんだけ好き勝手なことを書けるもんだと、我なが...ゆく年

  • 朝夕の通勤電車に乗ると思うことがある。みんな、疲れているように見える。ひょっとして、疲れを通り越して病んでいるのかも。特に、休み明けの月曜日にはブルーになる人が多いのではないだろうか。電車への飛び込みも、月曜が一番多いらしいし。そう考えると、正月休暇の後の仕事も、かなりキツそうだね。年末年始休暇がない私は、その点では救われてるかも。自殺・引きこもり・過労死etcこの社会には心を病んでいる人が多そうだ。そう言う私も、その中の一人であることを自覚している。自殺や引きこもりが当たり前になっている社会に寒々しさを感じるているのは私だけではないだろう。時折、過労死のネタがニュースに取り上げられる。労災認定がおりたとか、裁判で勝ったとか。労災が適用されようが裁判で勝とうが、本人が死んでしまっていては後の祭だ。社会的な...暖

  • 憂鬱

    あー、憂鬱だ。私にとって、年末年始は一年を通じて最も憂鬱な時期かもしれない。クリスマス・正月、この時期の世間は華やかなお祭ムードが続く。何がめでたいのかハッキリ分からないまま、お祝いムードが続く。都内をよく走る私は、お洒落にライトアップされたホテルや町並みを毎日のように目にしているのだが、それがやたらと眩しく見える。こっちは、汚れて臭い身体で汚れて臭い荷物と一緒にドライブしているわけで・・・「俺には縁のない世界だな」と、何とも言えない溜息ばかりをついている。今更、寂しいわけでもないし、惨めなわけでもない。でも、何となく気分はブルー。今はこんなでも、子供の頃は冬休みが大好きだった。自分にとって、特に何があるわけでもないのに、世の中がHappy一色の雰囲気になるのが好きだった。では、いつ頃から年末年始を憂鬱に...憂鬱

  • まさか(後編)

    毎日、新しい朝を迎えられることが当たり前になっている私。ただ、その日の仕事や天気・眠気などによって起床することが辛く思える日がほとんど。気分が低滞していると「夜が明けなければいいのに・・・」とさえ思ってしまう。しかし、世の中には朝を迎えたくてもそれが許されない人達がいる。予期せずして朝が与えられない人達がいる。また、いずれこの私もそういう日が来る。死は必然だ。「まさか」のことじゃない。その日の朝も、気分が浮かない目覚めだった。睡眠不足のはずなのに、やたらと早く目が覚めてしまった。就寝中、唸されたような記憶と季節外れの寝汗が、この日に起こる出来事を予感させた。「ひょっとして、昨夜の電話は悪い夢だった?」一瞬、気持ちが緩んだ私だったが、残された自筆のメモが一気に気持ちを引き締めてくれた。書かれた内容が結構グロ...まさか(後編)

  • まさか(中編)

    真夜中、一本の電話が入った。就寝中だった私は、寝ボケたまま電話を取った。夜遅い電話の場合は、「夜分にスイマセン」と言ってくれる人が多い。その一言があるのとないのでは、目覚めの気分が全然違う。しかし、この電話の主からは、その一言はなかった。ただ、声のトーンや口調から、社交辞令が言えるほどの余裕もないことが伺えた。「風呂場で身内が死にまして・・・」「浴槽の中でですか?」「ええ・・・」「水は溜まったままですか?」「ええ・・・多分・・・」「水は抜かないで、そのままにしておいて下さい」「はい・・・」私は、浴室腐乱につきものの細かい注意点をアドバイスした。「特掃」と一口に言っても、現場の状況や依頼者の事情等によって柔軟に対応できる臨機応変さが大切。それができるのとできないのでは、仕事の中身や成果が大きく違ってくる。し...まさか(中編)

  • まさか(前編)

    特掃現場になる家のほとんどは、故人が独居していたところである。近年増えてきていると言われる孤独死だ。ただ、まれにそうでない所もある。それは自殺現場に多いのだが、自然死して腐乱死体がでた家でも他に同居者がいることがある。家庭内別居の状態とはいえ、まさか同じ家で暮らしている人間が腐乱するまで死んだことに気づかないとは・・・。通常だと、物音や気配がなくなれば変に思うだろうし、そうでなくても家の中に異臭が漂い始めれば異変を感じて当然のはず。なのに、腐乱死体になるまで誰にも気づかれずに放っておかれるのだ。作為的な何かがあるのだろうか、不思議でならない。まぁ、私が考えるまでもなく、警察がシッカリ調べているのだろうから、私が余計なことを詮索しても仕方がない。また、特掃現場では、故人が死んでからの時間がストップしたように...まさか(前編)

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芳田一弥さん
ブログタイトル
特殊清掃「戦う男たち」
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