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  • ピエロ

    「特掃隊長」こと私は、今までのブログから人付き合いが苦手(下手)な、暗いヤツだという印象を持たれているかもしれない。実のところ、肯定も否定もできない。孤独を愛するわりには、結構淋しがり屋なのである。社会生活を無難に過ごしていくためには、人間関係を円滑に運んでいくことが大事(必要)とされる。それにはまずコミュニケーションが大事(必要)。しかし、ただのコミュニケーションではダメ。本音風の建前と社交辞令、協調風の迎合と妥協がポイント。本音・本心が通用する範囲がどれだけ狭いものか、理解してもらえる相手がどれだけ少ないかは、私が言うまでもないことだろう。ひょっとしたら、それらは皆無かもしれない。私は、人間関係のほとんどは、利己的な打算にもとづいた利害関係でしかないように思う。そんな中で、数少ない真実じみた関係を探し...ピエロ

  • 輝ける日々Ⅱ ~生きる輝き~

    「命の有限性を自覚すると生き方が変わる」「命は、限界があるから輝く」私は、そんな類のことを考えるようになって久しい。では、それによって、私の人生は変化しただろうか。ハッキリと自覚できないだけかもしれないけど、残念ながら、大した変化はないように思う。また、私が生きる世界は、光り輝いているだろうか。自分に与えられた時間には限りがあり、一瞬一瞬が貴重だということは何となく理解できているけど、残念ながら、輝いているとは言えない。私の目には、生きているこの世界や人が美しく愛おしく映っているだろうか。それらは、その時々の精神状態や気分によって、目まぐるしく変わる。どちらかと言うと、私が生きているのは味気ないモノクロ世界になっているかもしれない。気の持ち方やモノの考え方を少し変えるだけで、モノクロだった世界が色づき始め...輝ける日々Ⅱ~生きる輝き~

  • 輝ける日々Ⅰ ~共に歩く~

    死は老若男女、全ての人に訪れる。その人生はもちろん、寿命や死に様は人それぞれ。しかし、死そのものは誰にも公平なものだ。日本人の平均寿命が物語る通り、亡くなる人の大半は高齢者だ。遺体処置業務の仕事が入ると、まずは故人の年齢が気になる。変な言い方だが、高齢だと安堵に似た感情を覚える。それが長寿であればあるほど、変なプレッシャーはなくなる。「仕事だ」とドライに割り切っていても、やはり故人は長寿の人がいい。念のために断っておくが、「老人なら死んでもいい」「老人から先に死ぬべき」等と思っている訳ではないので、くれぐれも誤解のないように!故人の年齢が若ければ若いほど妙なプレッシャーが増す。無用に気構えてしまうのだ。ましてや子供となると、イヤな力み方をする。その理由を記すと長くなりそうなので、これはまた別の機会にしよう...輝ける日々Ⅰ~共に歩く~

  • 飽食の陰でⅡ

    および腰の遺族が、腐乱臭が漂う家に案内してくれた。遺族は私に鍵を渡して後退。私は、いつも通りに動揺を見せないようにして、事務的に玄関を開けた。「きたな!」濃い腐乱臭がモァ~ッと覆ってきた。ハエがブンブンと飛び交う中、私は部屋の中へと進んだ。汚染箇所は容易に発見できた。「ありゃりゃー、ここかぁ」それから周りを観察すると、妙なものが目に入った。「ん?何だコレ」死体痕の傍らに毛ムクジャラの何かが転がっていた。「ん~?ぬいぐるみかな?」「あ!犬?犬じゃん!」そこには、犬の死骸が転がっていた。飼い主に先立たれて餓死したのだろうか、毛の長い小型犬だった。遺体を回収していった警察だって犬には気づいたはず。しかし、彼等だって仕事だ。犬の始末は仕事の範疇外なのでそのまま放置していったのだろう。「うわぁ、可哀相になぁ」私は、...飽食の陰でⅡ

  • 飽食の陰でⅠ

    私は、食欲旺盛だ。昔から早食いの大食い。経済的な事情から、たいして上等なものは口にしていないけど、毎日おいしく御飯を食べている。食べ物が美味しく食べられるのは幸せなことだ。不自由なく食べることって極めて当たり前のことのようで、よく考えるとそうでもないことに気づく。まず、お金がないと食べ物は買えない。お金を得るには仕事が必要。また、いくらお金があったって、買える食べ物がなければ仕方がない。食べ物があっても、食物を受け入れる身体(健康)がなければどうしようもない。また、健康って、精神と肉体の両方でないてダメなもの。そう考えると、毎日の食事が美味しく食べられることがどんなに貴重なことであるかに気づかされる。更に、酒や甘味まで味わえる私は幸せ者だ。酒が美味しく飲めるときは心身ともに調子がいいとき。五臓六腑に浸み渡...飽食の陰でⅠ

  • 秘蔵酒

    私は酒が好きだ。たいして強くもないけど、下戸でもない。数少ない、人並みにできることの一つが酒を飲むこと。例えばビール。子供の頃は、「大人は、なんでこんな苦いものを飲みたがるんだろう」と不思議に思っていた。子供の頃に飲んだビールは、苦いばかりで本当にマズかった。それからしばらく成長して自分でビールを飲み始めるようになるのだが、当初は周りに合わせて(大人ぶって)味の分かるフリをしていた。ホントはマズイくせに、「うまい!」なんて言いながら。しかし、飲み続けているうち次第に味が分かってきた。そして、本当に「うまい」と感じるようになり現在に至っている。少し前、ある居酒屋に行った時のこと。高級店には縁がない私が行くのは、いつも安価な大衆店。その時も大手チェーンの大衆店だった。「とりあえずビールを下さい」目の前に、どの...秘蔵酒

  • 追いつめられて ~小心者の戦いⅡ~

    ワサワサワサワサ・・・汚染箇所の周辺には、それまでに何度かお目にかかったことがある未確認歩行物体が、群れをなして這い回っていた。「オッ?こいつらに会うのは久し振りだな」最初はそんな余裕をかましていた私だったが、よく見てみるとその数は膨大。気のせいか、彼等は私に向かって近づいてきているように思え、その不気味さに鳥肌が立ってきた。「こんな所に長居は無用!退散、退散っと」現場見分の山場(汚染箇所の確認)をクリアした私は、気持ちも軽快に外に出るため玄関に進んだ。そして、老朽鉄扉のノブに手をかけた。「あれ?」ドアが開かない。「あれっ!?」まだ開かない。「あれーっ!?」全然開かない。私は、何が起こったのか理解できず、頭が真っ白になった。無意識のうちに、ドアをガチャガチャやり続けた。「ま、ま、まさか?」「ひょ、ひょ、ひ...追いつめられて~小心者の戦いⅡ~

  • 追い詰められて ~小心者の戦いⅠ~

    私は、幼い頃から小心者だ。人見知りも激しく、かなりおとなしい子供だったように思う。何事にも先頭に立つことはなく、いつも誰かの影に隠れている方だった。授業中、トイレに行きたくなっても恥ずかしくてなかなか言い出せない。「終わりのチャイムが鳴るのと膀胱の栓が壊れるのと、どっちが早いか」といった状態で、冷汗をかきながらモジモジしていた。それで、漏らしたことがあるかどうかは想像に任せる。今でも、小心者の傾向は強い。争い事は好まない。喧嘩なんて、もってのほか。車を運転していても、他の車列に割り込めない。割り込まれる(譲る)ことは多いけど。街角でティッシュをもらう時も、ペコペコと頭を下げてしまう。店で買った物を返品交換することもできない。あちこちの店でも店員にタメ口(命令口調)をきいている人(客)を見かけることがあるが...追い詰められて~小心者の戦いⅠ~

  • 追い詰められて ~怠け者の苦悩~

    私は、幼い頃から怠け者である。元来、努力・忍耐・勤勉には無縁の私は、何をやるにも面倒臭がってしまう。面倒臭がらずにできることと言えば、食うことと寝ることぐらい。特掃がない日は、風呂に入るのも面倒臭い。若いころには、面倒臭がらずにできることがもう一つあったけどね。んー、我ながら情けない。怠け者の私は、だいたいのことは追いつめられないとやらない。何をやるにも、前倒しより後手後手。学校の宿題やテスト勉強も、面倒臭くてなかなか手をつけることができないタイプだった。それでもまだ、着手すればマシな方で、怠け心に負けて全然勉強しないことも多かった。更に、自分一人で開き直っているのならまだしも、末期になると他人(友人)をも巻き込んで堕落していた。「実社会で生きていく上で、学校の勉強がどれほど役に立ち、どれほど重要なものか...追い詰められて~怠け者の苦悩~

  • 追いつめられて ~臆病者の根性~

    私は、幼い頃から臆病者である。もっとも、何をもって臆病者とするかは曖昧なものだが。ま、今回はその辺には触れないで話を進めるとしよう。その昔、私は、同年代の子が怖がらないようなもの(こと)も怖がっていた。結構な弱虫だと自認している。今でも、恐いもの・恐いことがたくさんある。中でも、人が一番恐いかも。人は、人を悩まし・苦しめ・キズつける。もちろん、マイナスなことばかりではない。人は、人を楽しませ、助け、幸せにする。それでも、私は「人って恐い」と思う。私は、人の何を怖がっているのだろうか。まずは、その力。暴力・経済力・社会的な力etc。それから、その精神。怒り・妬み・恨みetc。そして、今までのブログにも何度となく書いてきた・・・そう、人の目(評価)だ。「人からよく見られたい!」という自己顕示欲が強くて、時には...追いつめられて~臆病者の根性~

  • 曇時々雨、のち夕焼け

    もう、随分と前の話になる。死体業を始めて間もない頃、私が20代半ばの頃の話だ。曇時々雨の下、遺体処置のため、ある家に出向いた。故人は中年男性、死因は肺癌。遺体特有の顔色の悪さとノッぺリした表情はありながらも、痩せこけた感もなく、外見だけは健康そうに見える男性だった。家族は奥さんと中学生と小学生くらいの子供二人。三人は私に対して礼儀正しく、感じのいい一家だった。故人のそばに正座し、静かに私の作業を見ていた。そこには重苦しくないながらも厳粛な雰囲気があり、遺族の毅然とした態度から、夫・父親が亡くなったことへの悲しさへ立ち向かおうとする姿勢が伝わってきた。奥さんは、作業を進める私に物静かに話し掛けてきた。故人は、会社の健康診断で肺に陰が写ったらしく、精密検査を受けたところ肺癌が発覚。その時は既に、かなり進行した...曇時々雨、のち夕焼け

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芳田一弥さん
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特殊清掃「戦う男たち」
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