小川公代『世界文学をケアで読み解く』を読んだ。文学作品を通して〈ケアの倫理〉について知ることが出来る。物語からのアプローチという方法が、取っ掛かりとしてとても読みやすい。家父長制における女性の役割を指す「家庭の天使」と〈ケアの倫理〉を、どう引き離して考えたらいいのか…という問題は特に気になった。『マッドマックス怒りのデス・ロード』『シブヤで目覚めて』『菜食主義者』『ソラリス』『侍女の物語』『誓願』『犬婿入り』など、そんな風にも読めるのか…と驚いたり。そして、エミリー・ブロンテが最期の日まで家族のためのパンを焼こうとした(かも知れない)ことを思い続けてしまう。6月11日