chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
spring
フォロー
住所
秋田県
出身
秋田県
ブログ村参加

2005/08/02

arrow_drop_down
  • 生きる力の衰えに嘆く日

    今時、教育界では「生きる力」など口にしないだろう。90年代後半から繰り返し聞かされてきたはずだが、内容が一体何だったかは忘却の彼方にある。今そう問われて(いや以前から)一番ピッタリするのはかのウチダ氏が語る「何でも食べられる」「どこでも寝られる」そして「誰とでも仲よくなれる」だと思ってきた。別に教育のことを語りたいわけでなく、つくづく「自分」の生きる力の衰えを感じる出来事があったので書き出した。コロナ感染対策絡みの全国旅行割は終了が近いということで、前から一度はと思っていた隣県のある温泉旅館に泊まりに出かけた。「食べる宿」を標榜し、売り物は「すっぽん」のフルコースである。すっぽん料理の店は以前は町内にも2軒あり、飲み歩いていた30代に何度か食した記憶がある。それ以来ご無沙汰であり「羽後のたべびと」を自認し...生きる力の衰えに嘆く日

  • 読み聞かせの後先で…

    先週は月曜の小学校3年生に始まり、火、金とこども園二つへ。小学校は今月で終了であり、総決算(笑)として『おぼえていろよ、おおきな木』をメインとする。何度か読み込むうちに、ポイントはおじさんが泣く場面だと把握し、ページをめくる前に冒頭部を語る演出としたが、本番でその接続詞を間違ってしまう。ああ。なんと、読み込み不足を反省しながら「おぼえていろよ」と密かに思う。どこかでリベンジしたい。こども園では、紙芝居『とりのみじっちゃ』を初めに行い、後は絵本をTVに写す形で行う。紙芝居の筋はよくある隣家の爺婆もので、ユーモラスな絵と、オナラの出てくる筋が楽しい。そこにある泥臭さがいいのだ。読み聞かせを終え館の前へ帰ってきたら、ちょうど目の前を一人の老女が大きな段ボールを抱えて通る。向う側から知り合いが来て陽気に話し始める...読み聞かせの後先で…

  • 能率、効率いつも度外視

    「能率」と「効率」の違いなんて意識したことがなかったと思う。ごく普通の類義語であり、例えば広辞苑の語義②が示すように「効率」は「一般に、仕事の能率。」と捉えていた。しかし、ある雑誌に環境倫理の研究者が寄せている文章を見て、んっと興味が湧いてきた。曰く「この二つ(能率と効率)は反比例の関係にある」能率とは「時間当たりの仕事量」であり、効率とは「資源当たりの仕事量」という解釈だ。「環境」を基に考えてみると、そういった使い方となるのか。「回覧板」の例が出されている。それは情報を周知させるための手段として時間がかかり能率は悪い。しかし紙1枚で足りることを考えれば、効率はいいと言える。「資源」の設定がポイントか。時間も資源に含めれば一般的な使われ方だろうと思考を止めることができる。しかしひとまず、それはさておく。人...能率、効率いつも度外視

  • 新聞連載に立ち止まる

    朝刊の日曜連載「明日も花まるっ!」で久々に(笑)内館牧子さんが良いことを書いていた。「政略結婚の深意」と題したその文章は、作家永井路子の著書『山霧毛利元就の妻』に描かれている戦国時代大名でよくあった家同士の結びつきを取り上げている。そこにあるのは決して「負」や「暗」だけではなかったとする。・・・・・周囲の人たちをステレオタイプで、つまり固定観念で見てはならない。・・・(略)・・・世の固定観念では測れない「陽」の一面が、あらゆる事象にある。当事者は周囲が期待するほど淋しくもなく暗くもなく、むしろ幸せに思ったり、力が湧く場合さえあるのだ。・・・・・なるほど。60代夫婦の会話に時々登場する巷の噂話にもそうした要素がいっぱい詰まっているとギクリとする。子ども相手の仕事をしていた時に、家庭環境に絡んだことで、その子...新聞連載に立ち止まる

  • 如月雨水の頃

    先週は、通常休館の月曜から図書館の蔵書点検が始まった。この作業も三度目となり、だいぶ慣れはした。専用のハンディでバーコードを読み取っていく作業は、担当した絵本や郷土関係の版型が様々なので書籍をひっくり返したりするのが、量的に多いとなかなか辛い。手首への負担に気づいたのは最初の年だった。その後結構痛みが長引いたので昨年はかなり警戒し、サポーターを装着したのであまり感じなかった。ところがその学習が定着せず、今年はスタートでそのケアを忘れ、若干痛みが走った。翌日からがっちり固定したが、今度は右手の方も繰り返す単純作業で気になっている。結局老化なんです…としごく当然の結論。作業の方は熟練の館員たちがいるので、無事終了。私は勤務シフト通り休みに入ることができた。そして家では、4年目を向かえる確定申告でPCと向き合う...如月雨水の頃

  • 大変な時代に覚悟を持つ

    「いま現在がそうであるように、大変な時代というのはしばしば予告もなしに、われわれに襲いかかってくるものです。それは容赦もなく、あっという間に、あるいはじわじわと、呑気に暮らしていたわれわれを、非常に困難な状況へと突き落とします。」城山三郎は1980年代の講演で冒頭こんなふうに切り出している。『よみがえる力は、どこに』(城山三郎新潮文庫)今思えば、呑気にみえた昭和終期であってもそうした認識が主流だったわけで「大変な時代」の基準などないと考えさせられる。「最後の戦中派」世代と呼べる城山が語るからこそ重みがあり、続けられた一言「でも、そんなことは珍しいことではありません」は、「覚悟を持つ」重要さに置き換わると言ってよいだろう。この文庫は表題となった講演記録、そして亡き妻に捧げた著『そうか、もう君はいないのか』の...大変な時代に覚悟を持つ

  • 参冊参校参稽(七)

    新刊やら昔の本やら、いろいろ読む如月となっています。『審議官隠蔽捜査9.5』(今野敏新潮社)単行本一気読み。年に二、三冊あるだろうか。やはりこのシリーズだからだろうか。ここ3,4年の文芸誌に掲載したスピンオフ作品+一本という構成だった。大森署の残った者たちが竜崎にアドバイスを求める展開が複数あり、結局そうかと思うのも仕方ない。今回際立ったように思う言い方は「放っておけ」だろうか。結局、つまらぬことに神経を砕いている人物(それは読者も似ている)がいかに優先順位を組み立てられないものかを痛感する。そして、自らの経験則を信じることも大切だ。最後の書下ろし「信号」で語る竜崎の「屁理屈」はさすがだ。『荒地の家族』(佐藤厚志新潮社)めったに読まない芥川賞受賞作品。いつ以来かというと『おらおらでひとりえぐも』だから5年...参冊参校参稽(七)

  • 気球とマスクと

    ♪時にはなぜか大空に旅してみたくなるものさ気球に乗ってどこまでいこう♪教員になった1970年代後半から90年代頃までずいぶんとこの歌は歌われた。教科書にもあったし、明るい曲調とハミングは当時の小学生にはぴったりだったと思う。何より「気球」の持つイメージが希望とつながっていた。空を飛ぶ乗り物といっても飛行機やロケット、まして軍用機とは大きく異なるし、どちらかと言えば平和な世界の象徴のように感じる部分もあったのではないか。それが今はどうだ。「気球」といったときに何を思い浮かべるのか。数多くのニュースが報じる、情報収集のため?の飛行体か、安全を妨げる危険な飛来物か。もちろん、宇宙への夢を乗せた人工衛星であっても大型ミサイルとの区別がないこの世界情勢であれば、そうした従来からあった感覚は塗り変えられている。話は一...気球とマスクと

  • 参冊参校参稽(六)

    まさに軽読書の見本のような参冊だった。でもそれぞれに味わいもある。『上野千鶴子のサバイバル語録』(上野千鶴子文春文庫)編集者が選んだ語録とはいえ、まえがきに書くように「女であることを愛してもらいたい、女でよかったな、と思ってもらいたい」と意図して発信してきた著者が、鉄砲でも撃ち込むようなテンポに仕上がっている。撃ち込まれる相手であろう男の一人としては、やられっぱなしだ。14「男はどちらかと言えば、自分を実力以上にかさばらせて見せたい動物だ」はお見事。15で「男性のすてきな年齢の取り方」とあり、それは「おばさん化」だと記す。いつぞや知り合いに「女性目線」と称されたことがある自分としては、少し救いがあるかな。その他、「家族」「親」という視点はまさに実弾だった。『死ぬまでボケない1分間“脳活”法』(帯津良一×鳴...参冊参校参稽(六)

  • 想像の汚れた翼が…

    先月、隣市の宝くじ売り場で10億円!!という話題があった。その折も「もし自分だったら…」などと語りあったし、誰しも似たようなことを考えがちだと思うのだが…。今回またその件についてある噂(あくまでも噂と強調しておこう)を聞き、再び夫婦で話題にした時、改めて「とんでもない」ことだと思い浮かべる。当ったらどこ(誰)まで知らせるかが非常に難しい。一人の胸に秘めておくことなど到底無理だろうし、仮に家族以外に知らせた時「秘密」保持が成り立つのか。周囲に福をもたらしたい気持ちがあっても安易にしてもいいのか。話に聞くと様々な団体から寄付要請が続くらしい。連続する訪問・詰問に耐えられるか。知れ渡った時点で警備員など雇ったときに、その警備員が悪に手を染めている可能性だって十分あるのではないか。お金はおろか、命さえも狙われる危...想像の汚れた翼が…

  • 参冊参校参稽(五)

    2月の新着本を3冊借りて読む。いずれもお気に入りの作家たち。それなりにふむふむと読んだが、いずれも今一つという感じだったなあ。『日々憶測』(ヨシタケシンスケ光村図書)ヨシタケの絵本は読み始めた時から、密かに「妄想大王」だなと思っていたが、本人は「憶測」のつもりだったか。妄想だと「あり得ない」や「淫ら」が強く、憶測だと「根拠なし」「勝手」の方が主なのかな。いずれにしても重要なのは「観察」と「連想」だ。格好つけていうと「複眼的視点」だろう。ヨシタケの描く世界は微少から広大を行き来しているイメージがあり、読者に反感を抱かせない。巷に流行る「それってあなたの感想ですよね」と突き放したりしない。いいじゃないのと笑ってページをめくられる。『べつに怒っていない』(武田砂鉄筑摩書房)お気に入りのライターの一人。著書も買っ...参冊参校参稽(五)

  • 2時間遅れのスノームーンへ

    いつものように5時過ぎに目が覚めて、読みかけの本に手を伸ばし残った数ページを読み終えた。ああ今朝も雪は積もっていない感じだな…とベッドを脱け出し朝刊を取りに行く。念のためと思い玄関戸を開けて、ふっと空に目をやると、向かいの家の屋根の上に、霞みつつボーっとオレンジ色に光るものが見えた。「月か…」。この時間帯にこんな色味を見るのは珍しいと、寝間着のままダウンジャケットを羽織り、長靴を履いて出てみた。道は凍っていて、かなり気を付けないと転倒しそうだ。隣家の横の小道を少し進み、電線が邪魔にならない位置まで行く。コンパクトカメラでパチリと収めた。家々にはもう灯りが点り始めた。寒かったあと言いつつ家へ戻り、パソコンをつけFBを開いてみると、「スノームーン」という文字が飛び込んでくる。そうかあ、満月だった。〇〇ムーンと...2時間遅れのスノームーンへ

  • そのハコもそのマメも

    いくつになっても知らないことは多い。一応、言語に携わる仕事をしていても、首を傾げることが少なくない。先日もある漢字がよめず…。一月で終了した図書御籤を最後に引いてみたら、下欄に書かれているお薦めブックの書名にある「匣」という文字。館員に訊いたら、あっさりと答えたので益々えっと思った。今年も届けていただいて無事に味わえる幸せを嚙みしめる。立春大吉「はこ」だそうである。言われれば部首は「はこがまえ」。その書名は「魔眼の匣の殺人」であった。普通は「箱」だし「函」は知っている。匣には何か特別な意味があるのかと調べたら、「ふたがついてぴったりかぶさるはこ」とあった。なるほどイメージがわく。「甲」は「よろい」だし、硬質な姿が見えてくる。定番ながら節分には「豆」の話題を…と思い、豆という字と「まめ」(健康)という意味を...そのハコもそのマメも

  • 参冊参校参稽(四)

    大寒に読んだ本。真面目に向き合えば、いずれも何かしらの形で突き刺さってくる。『神々の食』(池澤夏樹・文垂見健悟・写真文春文庫)著者は約10年沖縄に住んだ。この文章は、島の空を飛ぶ航空機の機内誌に連載された内容という。正月の沖縄へ旅行したのは20年以上前。食に関しては、海ブドウや豆腐よう、泡盛古酒などそれなりの記憶が残っていて、「食」について少し書き散らしてみたい欲望が湧きあがったりするが、池澤のような深みは表現できない。「人間にとって食べ物は分かつものである」…とそんなふうに著せるのは、向き合い方の「真剣さ」によるものだろう。食物を取り上げることは、結局人間を描くことにほかならない。『老いる意味』(森村誠一中公新書ラクレ)若い頃新幹線車内でその細身の姿を見かけたことがあった。著作を読んでいたわけではないが...参冊参校参稽(四)

  • 卯年正月回顧

    年明け前から天候に恵まれ、雪があまり積もらないのでずいぶんとラクさせてもらった。四日の仕事始めからの図書館正月企画は、例年にも増して順調で中旬過ぎだったがTVニュースの話題にも取り上げてもらった。図書御籤の「大吉」景品に惹かれて我が孫はこども園の帰りに何度も立ち寄り、くじを引いていた。イベントは毎週土曜にあった。特に中心となって進めた「子育て・教育講演会」は定員超になるほどだった。縁のある方が多く、この縁をつなぎながら微力でも幼少教育に関わっていきたいと思う。講師の照井先生が挙げた資料も充実していたし、自分も準備のために本館蔵書を読み込むことも出来て、有意義だった。読み聞かせはこども園が4回、学校が2回。子ども園は学級閉鎖もあったなか、予定通り実施できた。小学校2年生相手に選んだ『まっくろいたちのレストラ...卯年正月回顧

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、springさんをフォローしませんか?

ハンドル名
springさん
ブログタイトル
すぷりんぐぶろぐ〜桜と絵本と豆乳と
フォロー
すぷりんぐぶろぐ〜桜と絵本と豆乳と

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用