ダ・カーポ月見の宿の贄川番所野仏巡りの奈良井を過ぎて二十歳の君が峠を超える木曽路はすべて山の中・・・「木曾路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾を巡る谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。」(島崎藤村『夜明け前』冒頭)中山道のうち、長野県木曽地方を北から南へと抜ける、木曽路。この街道は多くの旅人が歩いた五街道のひとつで、峠を越える一番の難所にあたる道でした。しかし、天候に大きくは左右されず、美しい山道に自然を満喫する木曽路は、江戸時代、旅人憧れの「秘境浪漫の道」でもありました。今も江戸時代そのままの宿場風情が残っています。そして、この街道を歩いた人々には、女性も多くいたことがわかってい...木曾の恋歌