美空ひばり島津亜矢天童よしみ佐渡の荒磯の岩かげに咲くは鹿の子の百合の花花を摘み摘みなじょして泣いた島の娘はなじょして泣いた恋は…つらいというて泣いた波に追われる鴎さえ恋をすりゃこそ二羽で飛ぶ沖をながめてなじょして泣いた島の娘はなじょして泣いた逢えぬ…お人というて泣いた佐渡は四十九里荒海にひとりしょんぼり離れ島袂だきしめなじょして泣いた島の娘はなじょして泣いたわしも…ひとりというて泣いたむかしむかし佐渡国に漁師の娘でお弁という娘がいた。お弁は佐渡からちょうど向かいの越後国柏崎から来た、船大工の藤吉と恋に落ちた。藤吉が仕事で佐渡に来るたびにお弁と藤吉は会っていた。しかし、佐渡での仕事が終わり藤吉は佐渡へ来なくなってしまった。お弁は考えた末、夜に漁で使うタライ舟に乗って柏崎まで通う事にした。藤吉も最初は喜んだが...ひばりの佐渡情話