DACAPO柱のきずはおととしの五月五日の背くらべ粽(ちまき)たべたべ兄さんが計ってくれた背のたけきのうくらべりゃ何(なん)のことやっと羽織の紐(ひも)のたけ柱に凭(もた)れりゃすぐ見える遠いお山も背くらべ雲の上まで顔だしててんでに背伸(せのび)していても雪の帽子をぬいでさえ一はやっぱり富士の山この歌は、詞が先に大正8年(1919)、雑誌「少女号」に発表され、楽譜は、同12年(1923)5月、童謡集「子供達の歌第三集」(白眉出版社刊)に、詞とともに掲載されていました。作詞した海野厚(本名=厚一)は、明治29年(1896)、静岡県豊田村曲金(現在の静岡市駿河区)の旧家に生まれ、旧制静岡中学から早稲田大学に進みました。そして、童話雑誌『赤い鳥』に投稿した童謡が北原白秋に評価されたことから、童謡作家の道を歩み始...背くらべ