忘却されている国民の課税同意権
民主主義と言えば、とかくに選挙における参政権と凡そ同義に捉えられがちです。かのエイブラハム・リンカーン大統領による「人民の、人民による、人民のための政治」という‘定義’も、民主主義の価値とは、‘人民’が自ら政治を行なうことにある、とするイメージを強めてきました。この民主主義の一般的なイメージは、共和制の連邦国家として誕生したアメリカ合衆国が民主主義の先端的なモデルとなってきたことにもよるのでしょう。しかしながらその一方で、議会制民主主義の歴史的な発展過程を振り返りますと、国民が参政権を得るに至った‘プロセス’を知ることができます。アメリカのように最初から民主主義国家として建国された国は少数であり、大半の諸国は、君主制から民主制への移行プロセスを経て今日に至っているのです。議会制民主主義発祥の地は、イギリス...忘却されている国民の課税同意権
2024/12/30 12:30