僧侶の善し悪しは測度不可
以前から、【『禅苑清規』「斎僧儀」に学ぶ】という記事で、道元禅師が30代後半に僧侶の善し悪しを測ることを諫めていることを紹介したが、比較的晩年も同じ見解を持っておられた、という話をしておきたい。寮中清浄大海衆、乃し凡、乃し聖、誰か測度する者ならんや。然れば則ち面を見て人を測る者は、痴の甚はだしきなり。〈中略〉況んや像末の澆運、唯だ結縁を貴ぶのみ。何ぞ人を軽んずる者ならんや。衣綴零落し、道具旧損するとも、凡眼を以て観ること莫れ。忽諸にすべからず。古来の有道の人、衣服を華らず、唯だ道具を実にす。卑族軽んずべからず、初学笑うべからず。縦い笑わるるとも瞋恨すること莫れ。況んや復た下下の人に上上の智有り、上上の人に没意智有るをや。但だ四河の海に入りて復た本名無く、四姓出家して同じく釈氏を称するの仏語を念うべし。『永...僧侶の善し悪しは測度不可
2023/12/21 09:37