ぺしぺし話。

ぺしぺし話。

休日の朝、緑濃い郊外の遊歩道。街路樹が強い日を遮り、木の葉を揺らす風が心地よい。犬の散歩、ウォーキング…行き交う人も先を急ぐ様子はなく、ゆったりした空気が流れている。駅からセカセカと炎天下を歩いてきたけれど、ここからは少しゆっくり行こうか。道脇に立ち止まり、ひと息ついてマスクをとる。額の汗を拭いたハンカチをバッグにしまい、歩きだしたら、前から紳士がやってきた。涼しげな白シャツにパナマ帽をかぶり、ス...

2022/08/08 11:35