本当は怖いコスモポリタニズム
コスモポリタニズム、あるいは、‘世界市民主義’という言葉は、純真な人々を理想郷に誘うような誘引力があります。人種、民族、宗教等の違いがなくなり、地理的にも人々を隔てる国境も消えた彼方に現れる、‘人類が一つに融合された世界’とも言えましょう。しかしながら、コスモポリタニズムは、本当に、全ての人類が共に到達すべき理想郷なのでしょうか。古典的な書物を読みますと、時にして現代人との認識の違いに‘はっとさせられること’があります。本ブログでしばしば紹介してきたモンテスキューの『法の精神』もその一つです。同書は、世界各地の気候条件や地理的条件などによって生じる社会や政治文化等の違いを論じる比較政治学の先駆的な書でもあるのですが、この中に、コスモポリタニズムに関する記述があります。そしてそれは、今日の認識とは些か違いが...本当は怖いコスモポリタニズム
2025/04/17 12:22