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制御工学と電気電子回路 入門講座 http://www.ctleec.sakura.ne.jp/

このサイトは、これまで携わってきた講義や研修で使用してきた資料を基に加筆修正し作成しています。工学基礎の勉強に活用して頂けると幸いです。初学者にも馴染めるようになるべく平易に解説しているつもりです。

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2024/04/26

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  • 4. 電位、電圧(電位差)

    電位とは、ある地点における電荷の持つエネルギーのことを指す。電位は、基準点における電位を0と定義し、その基準点からの距離と電荷によって決まる。電位の単位はボルト\( [V]\)であり、\(1\;[V]\)は\(1\;[C]\)の電荷を\(1\;[J]\)分の仕事をして運ぶのに必要な電位差と定義される。電位電界においても重力場と同じように、電気的な位置エネルギーの高い点、低い点がある。(重力場では、高いところにある質量は大きな位置エネルギーを持つ。)電気的

  • 3. 電気力線と電束、ガウスの定理

    電界におけるガウスの定理は、電荷と電場の関係を表す重要な法則である。この定理は、「閉曲面を貫く電気力線の総量は、その閉曲面で囲まれた電荷の総量に比例する」という内容を表している。ガウスの定理は、電荷と電場がどのように関係しているかを理解する上で重要な役割を果たす。この定理を利用することで、様々な電場の分布を求めることができる。具体的には、ガウスの定理を用いることで、・点電荷、球対称電荷分布、無限に長い帯電導体の電場を求める・導体の表面における電場の分布を求める・静電ポテンシ

  • 2. 電界と電界の強さ

    電界(電場)とは、電荷に力を及ぼす空間の性質の一つである。電荷の周りには電界が存在し、電荷に力を与える。電界は、ベクトル量であり、大きさと方向を持つ。電界の大きさは、その点における単位電荷が受ける力と、その電荷の電気量の比で表す。電界の方向は、電荷に働く力の向きと同じである。電界の単位は、国際単位系(SI)では\([N/C]\)で、\(1\;C\)の電荷が\(1 \;N\)の力を受けるのが電界の強さである。電界は目に見ることはできないが、電荷の動きによってその存在を知ること

  • 1. 静電力

    静電力は、帯電した物体同士に働く力である。帯電とは、物体に電荷と呼ばれる電気的な状態が蓄積されることを指す。電荷には正と負があり、同じ極性の電荷は反発し合い、異なる極性の電荷は引き付け合う。静電力は、私たちの身の回りで様々な現象を引き起こしている。例えば、静電気ショック(帯電した物体に触れたときに感じるバチッという衝撃)、雷(雲の中で発生した静電気が放電される現象)、埃の付着( ホコリは静電気を帯びやすく、そのため物体に付着しやすくなる)などがある。電荷

  • 13. FIRフィルタの設計

    FIRフィルタの設計では、フーリエ級数展開法で求めたインパルス応答に窓関数を掛ける窓関数法が代表的である。窓関数法によるフィルタの設計手順は、以下である。1)仕様決定:・フィルタの種類(LPF、HPF、BPF、BRFなど)・カットオフ周波数、阻止域減衰量、許容されるリップル量の決定2)窓関数の選択・矩形窓、ハミング窓、カイザー窓など、様々な窓関数があり、各窓関数によって、周波数特性やリップル量が異なる。必要な仕様を満たせる窓関数を、特性比較表などを参考に選択する。3)フィル

  • 12. FIRディジタルフィルタ

    ディジタルフィルタの構成ディジタル信号処理の分野で、ディジタルフィルタは基本的で重要な技術で、様々な領域で活用されている。ディジタルフィルタは、特定周波数範囲の信号の伝送や除去などアナログフィルタと同じ目的で使用されるが、図1に示すように、連続時間の入力信号をサンプラーによる標本化、AD変換器による2進数のディジタル信号への変換、ディジタルフィルタ演算、DA変換器による連続時間の出力信号への変換、という操作を必要とする。これらの操作は煩雑ではあるが、以下のような様々

  • 24. 極配置法(演習)

    式(1)で表記する1入力\(n\)次元定係数線形システムを制御対象とする。$$\dot{x}(t) = A x(t) + b u(t) \\ y(t) = c x(t) \;\;\cdots \cdots (1)$$式(1)のシステムは可観測、可制御とする。さらに、状態変数\(x_1(t) \sim x_n(t)\)が直接観測できるとすると、入力を$$u(t) = -f x(t) \;\;\cdots \cdots(2)$$とすることで、状態フィードバック制御が構成できる。

  • 23. 可観測性(演習)

    ※可観測性の解説は、11. 可観測性 、9. 対角正準形 を参照願います。システムを$$\dot{x}(t) = A x(t) + b u(t) \\ y(t) = cx(t) \;\; \cdots \cdots (1) $$で表す1入力1出力の\(n\)次元システムとする。可観測性の条件可観測性は以下のように表すことができる。(1)式(1)を対角正準形で表現したとき、すべての\(\tilde{c}_i\)がゼロでないとき、システムは可観測である。(2)あ

  • 22. 可制御性(演習)

    ※可制御性の解説は、10. 可制御性、12. 可制御正準系 を参照願います。※固有値、固有ベクトルの計算手順の詳細については、固有値と固有ベクトルの計算 を参照願います。座標変換1入力1出力\(n\)次元システム $$\dot{x}(t) = Ax(t) + bu(t) \\ y(t) = cx(t) \; \cdots\cdots(1)$$を正則な\(n \times n\)定数行列\(T\)によって座標変換$$x(t) = T z(t)$$すると、$$\

  • 21. システムの応答(演習)

    制御対象を入力\(m\)、出力\(l\)の\(n\)次元の線形定係数システムとする。$$\dot{x}(t) = A x(t) + B u(t) \;\cdots \cdots (1) \\ y(t) = C x(t)\; \cdots\cdots (2)$$ここで、 \(x(t) , \;\;\; u(t), \;\;\; y(t) \)は、それぞれ\(n,\;m,\;l\)次元のベクトル、また、\(A \; (n \times n),\;\;\; B \;(n \tim

  • 20. システムの状態方程式(演習)

    システムの特性を以下の状態方程式(式(1))、出力方程式(式(2))で表現する。$$\dot{x}(t) = A x(t) + B u(t) \;\;\cdots \cdots (1)\\y(t) = C x(t) \;\;\cdots \cdots (2)$$ \(x(t)\):状態変数、\(u(t)\):入力変数、\(y(t)\):出力変数、\(A\):システム行列、\(B\):入力行列、\(C\):出力行列※状態方程式の詳細に関しては、3. 動的システムの状態方程式表

  • 20. 抵抗・インピーダンスの測定(2)

    インピーダンスを精度よく測定するために重要な要素は、測定条件の最適化である。インピーダンス測定器(LCRメータやインピーダンスアナライザなど)を使用する際に必要となる基本的な設定条件をまとめる。 (1) 周波数:最も基本的な条件が周波数である。全ての電子部品には周波数特性が有り、周波数によってインピーダンス値は変化する。インピーダンス測定器の測定精度は、周波数やインピーダンス値に応じて変化する。(2) 信号レベル:測定端子から出力される交流信号を測定対象に印加するが、その信

  • 19. 抵抗・インピーダンスの測定(1)

    インピーダンスは、抵抗、キャパシタ(コンデンサ)、インダクタ(コイル)などの電気的性質を複素数で表したものである。インピーダンスの測定には、以下の2つの方法がある。1.直流法:オームの法則に基づいてインピーダンスを測定する方法で、抵抗器両端の電圧と、回路に流れる電流を測定し、電圧を電流で割ることでインピーダンスを求める。直流法は、比較的簡単な方法であるが、測定対象が直流動作なので、測定対象のインピーダンスが抵抗のみの場合に使用できる。2.交流法:交流法は、交流信号を用いてイ

  • 18. 温度センサ

    温度センサは、物体や環境の温度を測定し、電気信号に変換するセンサである。温度センサは、主に以下の種類に分類される。*接触式温度センサ・測温抵抗体 :白金等の金属または金属酸化物の電気抵抗値が温度によって変化する性質を利用したセンサ。高精度で安定性があるが、高価で、熱電対に比べて応答速度が遅い。・サーミスタ(NTC,PTC,CTR):温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体(主に半導体)を利用したセンサ。小型で安価、応答速度が速いが、精度が低く、温度範囲が狭い。・熱電対:

  • 17. 力 センサ

    力 センサは、物体に加わる力やトルクを電気信号に変換するセンサで、ロボットや工作機械、自動車、医療機器など、さまざまな分野で広く使用されている。力 センサには、以下のような種類がある。・ひずみゲージ式:金属箔、金属線などで構成されたひずみゲージに力が加わると、抵抗値が変化する性質を利用したセンサで、高精度で小型だが、温度変化の影響を受けやすい。・圧電式(ピエゾ式、半導体式):機械的応力を受けると電荷を生成する物 質(圧電材料)を利用したセンサ、応答速度が速く、高温・高圧環境

  • 14-3. チェビシェフフィルタ

    チェビシェフフィルタは、フィルタの一種で、バターワースフィルタに比べてロールオフ(フィルタの帯域の端における通過特性の変化の急峻さ)が急勾配で、通過帯域にリップルがある場合(第一種)と阻止帯域にリップルがある場合(第二種)がある。・第一種チェビシェフフィルタ:ローパスフィルタの特性は、リップル係数とチェビシェフ多項式によって決まる。通過帯域ではリップルがあるため、高調波を含む信号には適していない。ただし、リップルは通過帯域における信号の反射を調整し、電圧定在波比(VSWR)

  • 14-2. ベッセルフィルタ

    ベッセルフィルタは、群遅延が最大限平坦になるようにしたアナログフィルタである。位相特性が線形になるため、方形波などの波形を入力しても、歪みの少ない出力波形を得ることができる。※群遅延:周波数によって信号の伝搬時間が変わる現象。群遅延\(\tau_g\)は、入力波形と出力波形の位相差\(\phi\)を角周波数\(\omega\)で微分することで求められる。\(\tau_g = -\frac{d \phi}{d\omega}\)以下にベッセルフィルタの特徴をまとめる。・群遅延の

  • 14-1. バタワースフィルタ

    バターワースフィルタは、通過帯域における周波数特性が最大限平坦になるように設計されたアナログフィルタの一種である。リップルと呼ばれる通過帯域におけるゲインの変動がなく、減衰特性は周波数の平方根に比例する。バタワースフィルタの特徴は、・通過帯域が平坦: 通過帯域における周波数特性が平坦なので、信号の歪みを最小限に抑えることができる。・減衰特性: 減衰特性は、周波数の平方根に比例する。・設計が容易: 数学的な計算が比較的簡単であるため他のフィルタに比べて設計が容易。バタワースフ

  • 16. 磁気の測定

    磁気測定は、磁場の強さや特性を評価するための手段で、主に次の2種類の測定法がある。1)磁束密度の測定:磁束密度とは、単位面積あたりの磁束の量である。磁束密度を測定するには、ガウスメータやテスラメータなどの磁束密度計を使用する。2)磁場の測定:磁場とは、磁力線の向きと強さを表す。磁場を測定するには、ホール素子や磁気センサなどの磁場センサを使用する。磁気測定は、モータやスピーカの開発、磁石の特性評価、電子機器の設計など、さまざまな分野で重要である。適切な測定器(フラックスメータ

  • 15. 高電圧・大電流の測定

    計器用変圧器は、電力系統の高電圧・大電流を、計器や保護継電器が扱える低電圧・小電流に変換するための機器である。電圧計用変圧器 (VT)VT(Voltage Transformer)は、高電圧を計器や保護継電器が扱える低電圧に変換する。一般的に、一次側電圧は100V~765kV、二次側電圧は100Vや110Vに変圧するのが一般的である。原理は変圧器(トランス)と同じで、1次側と2次側の巻数比によって変圧比が決まる。ただし、\(N_1 >N_2\)である。図

  • 29. カレントミラー回路

    カレントミラー回路は、BJT、FETなどの能動素子を用いて、入力電流を一定の割合で複製する電子回路である。入力電流を基準電流と呼び、コピーされた電流をミラー電流と呼ぶ。カレントミラー回路は、電流源、アクティブロード、バイアス回路など、様々な用途に使用される。特に、高精度な電流源を実現するために多く使用される。図1にカレントミラー回路の使用例として、オペアンプ(IC)の簡易等価回路を示す。ここで、カレントミラー回路は、差動増幅回路を構成している2つのFETに等しい

  • 14. 電力の測定法

    電力は、電流と電圧の積として定義される。電力の測定は、通常、電力計を使用して行われる。電力の測定法に関する基本的な事項は、以下である。1)電力を測定するためには、適切な電力計を選択する。電力計には、直流または交流の電力を測定するためのものがあり、測定範囲に合った電力計を選ぶことが重要である。2) 電力計は通常、電流と電圧の両方を同時に測定することができる。電力計を正確に使用するためには、電流計と電圧計を正しい位置に接続する。一般的には、電流計は回路に直列に、電圧計は回路に並

  • 13. 電圧の測定法

    電圧計は、ある2点間の電位差を測る電気計器である。指針形電圧計は、指針形電流計の原理を応用して作られており、電流計に抵抗値の大きな抵抗を接続することで、電流計に流れる電流を制限して、その電流計に微小に流れる電流を測定し、電圧に換算する。指針形電圧計の内部には、磁針と磁場を発生させるコイルが組み込まれている。電圧計の端子に電圧を印加すると、電流が流れ、コイルに磁場が発生する。磁場が磁針に作用して、磁針が回転する。磁針の回転量は、印加された電圧の大きさに比例する。磁針の回転量を

  • 11. 離散フーリエ変換(DFT)

    離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)は、離散的な信号やデータ列を周波数成分に変換する手法である。これは、信号処理やデータ解析の分野で広く使用されている。離散フーリエ変換は、離散時間信号から成る有限の信号を、異なる周波数成分に分解する操作である。この変換によって、元の信号がどのような周波数成分で構成されているかを分析することが可能になる。また、離散フーリエ変換は、計算が比較的簡単であり、効率的にアルゴリズム化できるため、実用的なアプ

  • 10. 離散時間システムの周波数特性

    ※離散時間システムの周波数応答(ディジタル制御)も参考にどうぞ。LTIシステムのインパルス応答を\(h(n)\)として、そのシステムに複素正弦波数列の入力\(x(n) = e^{j n \omega T}\)を印可した時の出力\(y(n)\)は、$$y(n) = h(n) \ast e^{j n \omega T} = \sum_{k=0}^{\infty} h(k) e^{j (n - k) \omega T} \\= \left[ \sum_{k=0}^{\in

  • 9. 離散時間システムの基本構成

    離散時間システムを記述する式(1)に示す差分方程式から分かるように、入力\(x(n)\)に対する出力\(y(n)\)の計算は、積和演算を実行すればよい。$$y(n) = \sum_{k=0}^{M} a_k x(n-k) - \sum_{k=1}^{N} b_k y(n-k) \;\cdots\cdots(1)$$一般に離散時間システムは、図1に示す加算器、乗算器、遅延器の3つの基本要素としてシステムを構成することができる。実際の演算は、多くの場合、2進数のディジタル演算で

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