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「海の見える街」畑野智美
いつものパンが売り切れていた。 書き出しは良い、途中まで面白く読める。 主人公となる四人の男女は一階に喫茶店、二階に市立図書館、三階に児童館を入れた市民センター内で働いている。 四編からなる連作中編集のような作りになっていて、各編はそれぞ
2024/03/30 20:31
「神さまを待っている」畑野智美
私は著者のデビュー作「国道沿いのファミレス」を読んだことがある。丁寧に書き込まれた作品だなと思ったが、身近の小さな世界過ぎてよくある矮小な女性作家だな、の域を出なかった。今になって思えばあの丁寧な書き込みはやはり魅力と今が詰まっていたのだ。
2024/03/24 21:27
「空飛ぶ広報室」有川浩
夢がかなわなくても、なりたい職業に就けなくても、人生は続く。 この強い言葉が希望のように響く印象が、私は同作にはずっとあった。これは決して絶望の言葉ではないはずで、もしもその続く人生が暗く感じられる人にはぜひ読みやすい原作小説からあたってみ
2024/03/17 14:23
「都会と犬ども」マリオ・バルガス=リョサ
私の海外文学の始まりは光文社文庫と池澤夏樹氏によるのですが、特に後者の全集の中でも好きだった「楽園への道」からマリオ・バルガス=リョサに入り、「チボの狂宴」「悪い娘の悪戯」「緑の家」と既読数は少ないのですが、好きな作家さんだなと安心して読ん
2024/03/09 18:51
文芸難民の社会人に告ぐ
当ブログをXのアカウントと連動して一か月足らず、ブログ単独では読んでもらえなかった数々の方に認知読んで頂けたスタート月間となりました。従来から親交があった方々は、資産運用や資産形成の面でおいての興味関心で繋がった方たちであり、文芸読書とは何
2024/02/28 06:21
「クロコダイル路地」皆川博子
皆川博子の作品を読んだ後には、濃密で圧倒的な一つの人生や物語の跡だけが残る。 技術の佐藤亜紀の次に誰を読むのか、見劣りせず、偽りなく熱意をもって書けるのか、という視点を持ってしまえば、平然と扱える作家は私には限られてくる。読書を再開するにあ
2024/02/24 14:37
「黄金列車」佐藤亜紀
佐藤亜紀の作品だ、と思って読み進めないと序盤はつらい。 登場する人物名や地名はカタカナで外国のものだし、私を含めた多くの一般的な日本人読者にとって、ヨーロッパのどこの国の過去何年の歴史的な史実を扱った等と多少把握してすぐに歴史的背景や関係性
2024/02/17 16:43
「掌に眠る舞台」小川洋子
小川洋子の魅力はまずモチーフ選びにあるし、豊かなそれを例えば実写化するよりも素敵に仕上がる文章で書きあげる所で、ああ、いい小説家だなあと思う。 どう足掻いても実写の映像では作り上げられない魅惑的な世界がそこにはあって、そしてそれは読者の眼か
2024/02/14 17:58
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」村田沙耶香
小説を読んでいると、こういうことがある。 「コンビニ人間」であれだけの完成度とテーマ性を誇った作者の作品の中でも、ひときわ目を引いた本作を図書館の本棚で見つけた時は嬉しくてすぐに手を取った、そのあとで「コンビニ人間」を先に読んで、なんて素晴
2024/02/11 13:45
「コンビニ人間」村田沙耶香
主人公は36歳、独身、女性、コンビニでアルバイトをしている、その歴18年。 「推し、燃ゆ」「星の子」に続いて発達障害気味の主人公がまた一人。読書再開後手に取った5冊中3冊に出てくるとは現代の小説の主人公は発達障害が流行りなのかしら、と思って
2024/02/09 05:26
「星の子」今村夏子
十年越しの作家、とも言えるかもしれない。今村夏子という名前を私が知ったのは2011年の「こちらあみ子」の書評か何かだったと思う。そしてそのまま私は読書の存在しない長い空白に入ったので、本作が初対面ということになるが、なるほど噂の今村夏子はこ
2024/02/03 09:18
「かがみの孤城」辻村深月
読書を再開しようかなとランキングを検索した時に目に入ったなじみの作家名の筆頭はこの人で、私が読書から離れる前に彼女は直木賞を受賞していた。それから10年以上もの間ずっと書き続け、売れ続けているのだとしたらすごいなと、文学性としては特に評価し
2024/02/02 08:59
「推し、燃ゆ」宇佐見りん
現代の芥川賞作家の価値とは? あまりにも拙い文章が続いて、これは外れか、と落胆した。それが 長いこと切っていない足の指にかさついた疲労がひっかかる。外から聞こえるキャッチボールの音がかすかに耳を打つ。音が聞こえるたびに意識が1.5センチ
2024/01/30 20:07
「たゆたえども沈まず」原田マハ
彼女が描き上げたかった芸術家の一生とは? 本作は誰もが知るところの画家、フィンセント・ファン・ゴッホがその生を閉じるまでの芸術家としての足掻きと苦悩、それを金銭的・経済的にも支える弟の筋を主軸に、脇に浮世絵を西洋に持ち込み広げることに成功し
2024/01/27 02:10
文学的迷子たちへ
はじめまして。今日もおひさまと申します。書評ブログはじめました。 生きていく上で小説には何の価値もない。文学とは何か?を一度は考えて眠れなかった自分でさえそうなのだから、本来小説の価値などその程度なのだと思う。ガルシア=マルケスの「百年の孤
2024/01/26 04:36
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