小学生のHさんは、夏休みの宿泊体験で地域のお寺に来ていた。 ここは広く、古くからの言い伝えも多い場所だった。 お寺の敷地の隅には、苔むした小さな石のお地蔵様が、いくつも横一列に並べられていた。 どれも同じような大きさで、素朴な表情をしている。 肝試しではないが、Hさんは友達と「あのお地蔵様の数を数えてみよう」と話していた。
昔、友人たちと夏の夜、山奥のキャンプ場で焚き火を囲みながら楽しんでいた時に、変な生き物を見た。 友人3人と俺の男4人でキャンプに出かけ、楽しい時間を過ごしていた。 夜が更け、キャンプファイヤーの明かりで暖かな雰囲気が広がっていたが、その時、茂みからガサガサと音がした。 なんだ?と皆そちらに視線を向けた。
おととしの夏、知り合い6人と結構山奥のキャンプ場での出来事。 焚き火などをして過ごし、深夜になってからテントでくつろいでいた。 ランタンライトを付けて寝袋に入って話をしていると、森の奥から「おーーい、おーーい」という人の声が聞こえた。 最初は動物かな?と話していたけど、明らかに人間の声。
当時学生だったAさんの話。 場所は山奥のキャンプ場。 川の中州に作られたそこはアウトドアブームの終了と、ニュースでも報道された遭難事故の為に、既にさびれきっていたが、そこにテントを張ったAさんとサークル仲間たちにはかえって好都合だった。
学生時代、学校の行事でG県の山の中のキャンプ場に行った。 1日目の行事が終わり就寝時間が近づく頃、喉が乾いた友人は、キャンプ地から少し離れた場所にある自販機に向かった。
北海道のH浜の話。 一昨年北海道へ行った際、途中一緒になった京都の人に、今夜はH浜へ泊まろうと思っている事を話すと、彼は真面目な顔で「やめた方がいい」と言う。 結局彼と一緒にカムイコタンのキャンプ場へ泊まったのだが、その夜に彼に聞いた話。 彼がそこに泊まったのは4年ほど前。 9月の平日で、キャンプ場にも人が5~6人位しかいなかった。 その日は早めに食事を済ませ、10時頃には床についていた。
友人が体験した話。 秋の中頃、一人で山歩きを楽しむためにキャンプ場に宿泊した。 水場と木造のトイレが整備されていたので、安心して過ごせそうだった。 一通り秋の山を楽しみ、夜になったので寝ることにした。
大学時代、クラブの合宿で保養寮に泊まった。 夜中にトイレに起き、部屋に戻る途中の廊下を歩いていると、不気味な影が廊下を横切った。私は一瞬足を止め、その影の正体を確かめようとした。すると廊下の向こうから異様な音が聞こえてきた。 「ガリガリガリ」 私は驚きながらも怖いもの見たさからその音がする方に向かって行った。
この前、趣味で地方に数年住んでいた姉が、夜中に突然家に帰って来た。その日は両親は都合でいなかった為、俺一人だった。姉は何かに怯えているようでガタガタ震えている。 どうしたのか聞いても返事が返ってこない為、茶の間へ連れていきお茶淹れてくるから、と茶の間を出ようとしたところ「待って!」と呼び止められた。
私が高校三年のとき、北海道の千歳市から車で1時間ほどの距離にある支笏湖で、一夏の夜、私たちは部活の仲間たちとキャンプをしようと計画しました。 重たい機材を背負いながら山道を進み、辿り着いたキャンプ場では明るい陽射しの下でテントを張り、楽しいひと時を過ごしました。 しかし、夜が訪れると、部員たちの中には支笏湖の心霊スポットについての話が広がり、怖い肝試しをしようという提案が浮上しました。
それは昔、幼かった頃の夏の出来事だった。 姉夫婦と共に参加したキャンプでの出来事が今でも俺の中で謎めいている。 キャンプは楽しい思い出が詰まっていたが、ある日の午前中に不思議な出来事が起きた。 当時の俺は小学3年生で、姉夫婦は小学6年生。 キャンプの施設では様々なアクティビティが楽しめ、俺たちはボーイスカウト風のプログラムに参加していた。 謎の出来事は自由時間に起こった。
家族で少し離れた山にキャンプに出かけた日の夜の事。 木で作る遊び道具を作ったり子供達と楽しんだあと、夕食を終えてテントの中でトランプをして遊んでいた時の事。 突然凄い悲鳴のような音が聞こえてきた。 家族全員が一瞬身を震わせ、驚きの表情を浮かべた。 「お前たちは外に出るな」と言い含め、彼一人が恐る恐る外を確認しに行った。 山の天辺の方から段々と、悲鳴はこちらに近付いてくる。 いきなりライトの明かりの中、空中に人影が現れた。
私は田舎に住んでいるんだけど、小学6年生の時に新聞配達のバイトをしていた。 配達先に病院の女子寮があり、そこの2階の新聞受けに毎日配達してたんだけど、2階に上がるには急な階段を登らないといけなかった。毎日同じ時間に配達していると出勤時間が重なるのか、看護師さんと階段ですれ違っていた。
夏山でのキャンプに参加していた時の出来事。 バーベキューを楽しんでいる最中、ビールを飲み過ぎたのか尿意を催した。 微酔いでトイレに向かい、すっきりとした気分で外に出ると、足元からサクサクと軽い破砕音が響いた。
怖い話が好きな予備校の先生から聞いた話。 その日先生は、その市内ではかなり有名な廃病院に肝試しとして、すべての部屋に入るということを考えていた。 先生は彼の友達と彼女達、計4人でペアになって二人ずつ廃病院に入っていく事に。廃病院なので中はかなり荒れていて、窓などもほとんど割れた状態だったそうだ。まず始めに先生の友達がその彼女と廃病院の中を入っていった。
幼い頃、祖父と一緒に山に籠もっていた夜に変な出来事があった。 炭焼きをしていた祖父の小屋に、キャンプ気分で遊びに行っていたという。 夕食の片付けが終わり屋内に戻ろうとしていると、祖父が一変して出て来た。 なんと、手に握っていた炭を彼に向けて投げつけてきたのだ。
数年前、家族旅行でM県に旅行に行った時の話。 宿泊ホテルに着き、通されたのは最上階の6階の部屋。一通り旅行を楽しみ寝る事にした。 夜中、ふと目が覚め部屋を見回してみると、中居さんらしき着物を着た人がボ~ッと立っている。格好は短いソバージュの髪に茶色っぽい着物。
毎日夜遅くまで家の客間で試験勉強してるんだけど、夜中の2時から3時くらいの間に、2階から口笛吹きながら降りてくるやつがいる。 これだけだと家族の誰かじゃないのかって言われちゃうので家族の事を言っておくと、親は1階で寝ていて兄弟はいない。 つまり2階には誰もいないんだ。
夏の夜、和歌山県のあるキャンプ場で働いていたときのこと。 深夜、僕はキャンプ場の清掃作業に追われ、23時頃になってゴミを捨てに行くことになった。 暗い広場を横切り、月明かりに照らされた水塔がそびえ立つ森の中を歩いていくと、その水塔のてっぺんに何かが見えた。
昔々、山岳キャンプに出かけた親父の仲間たちが、まさかの異変に遭遇したという。 約40年前、彼らはかなりの山奥で野生動物のような何者かに追尾され、その正体が謎めいたものだった。
昔、新潟県の山で友達とキャンプをしていたときのこと。 深夜、テントの中で眠りにつこうとしていたところ、懐中電灯が突然消えてしまった。 懐中電灯を手に取り、暗闇の中で周囲を見渡すと、不気味なさらさらとした音が聞こえてきた。 まるで布が擦れる音だ。
本栖湖の静かなキャンプ場での出来事。 夏休みの夜、友達たちと一緒にバイトをしていたときのことだ。 小屋はぼろぼろで、不気味な雰囲気に包まれていた。 その夜、不気味な音が小屋の周りに広がり、友達たちはすやすやと眠りについていた。 しかし、一人の若者は眠れない夜を過ごしていた。 風が吹き、小枝が踏み潰される音、そして小屋に近づく足音。
ある晩、友達とともに訪れた静かなキャンプ場。 広がる星空と涼しい風が、穏やかなキャンプの雰囲気を演出していた。 しかし、夜が深まるにつれ、その平和な雰囲気は不気味なものに変わっていくことになる。 キャンプ場には月夜に照らされた美しい湖が広がっており、友達と一緒に湖畔で焚き火を楽しんでいた。 しかし、遠くの森から聞こえる不気味な音が次第に近づいてくるのが分かった。 足音のような音が近づくにつれ、友達たちもその気配に気づいた。
中学校のときにクラスで登山キャンプに行った。 参加者は男女合わせて三十人ほどで、貸し切りバスで現地に向かった。 しかし、事故のために到着が思い切り遅れ、夕闇が迫っていた。 担任の先生を先頭にキャンプ地に向かって山を登り始めた。 キャンプ地までは一直線の山道でところどころに標識があり、余程の迷子になることは考えにくかった。 私は一番後ろを歩いていたが、何だか急に足が重くなり少し遅れてしまった。 前方に同級生の背中が見え、その姿を頼りに登っていった。
中2のとき、修学旅行で訪れたキャンプ場は、トイレも汲み取り式で夜になると前が見えないほどの密林に覆われていました。 宿泊学習最終日の夜、夜更けになると守らずに夜更かしをするのが修学旅行のお約束。 バンガローの中で、僕を含む7人が集まり怪談話が始まりました。 雰囲気も盛り上がり、いくつかのありきたりの怪談を話し終えると、一部の仲間が眠りについていきました。 やがて残るのは夜更かし好きの僕だけとなりました。
常設テントのキャンプ場で宿泊した。 私たちのサイトには大型の8人用テントが7つ立ち並んでいました。 私たちが宿泊したのはその中でも一番右端にある第7テントでした。 夜中にトイレに行きたくなりトイレにいったのですが、帰ってくるとテントの中には誰もいない。
30年前の出来事で、記憶が曖昧であるところがありますが、その中でもっともっと覚えているのは、武州日野駅の公衆便所が異様に汚かったことです。 特に、ワラジムシが大量にいたことが印象的でした。 友達と一緒にテントやキャンプ道具を持参して、男4人でキャンプに出かけました。 しかし、車で鉄橋を渡るたびに、下の川でバーベキューやキャンプ、釣りをしている人々が目に入り、「こんなに人通りがあるところではキャンプしたくないな」と話し合い、適当な場所を見つけるまで探しました。
ある友人(N)と共に、不可解な出来事が続く私たちの怖い体験談があります。 夏休み、キャンプに出かけたある晩のことです。 遅くまで起きて海で泳いだり、友人たちと語り合ったりして楽しいひとときを過ごしていました。
8月も終わりに近づくこの季節、夏の経験であまりにも奇妙で笑い話にできない出来事があった。 大学のサークルメンバーと他大学の仲間、総勢12人(全員男性)でキャンプに出かけることになった。 大型ワゴンに6人、ムーブに4人、そして2台のバイク。 目的地に車を停めたのは昼の3時半ごろ。 テント設営やバーベキューの用意、川での釣りや水遊びで楽しいひと時を過ごした。 夜になりバーベキューを始め、飲み物も入り色々な話で盛り上がったが、俺は下戸なので飲まなかった。 これが後に悲劇を招くことになる…。
俺は秋田県に住んでおり、季節ごとに八森町という場所にある山へ足を運び、岩魚釣りや山菜採りを楽しんでいる。 沢を2時間ほど上ったところには、少し開けたポイントがあり、そこでキャンプを張っている。この日は2日目の真昼、とても良い日になった。
5年前の出来事です。 夏になると毎年北海道にバイクツーリングに出かけるのが楽しみでした。 北海道最北端から2時間ほど南下すると、その日のキャンプ地に選んだのはS湖と呼ばれる湖でした。
小学生の頃、近所の英語塾に通っていました。 その塾は近所で個人経営をしている、日英ハーフの美しいおばさん先生が運営しており、田舎町ながらにしてなかなかの繁盛ぶりでした。 塾では小学校卒業時には、春休みになると先生が海が見える貸別荘を借りてくれ、生徒たちと記念旅行のような形でキャンプなどに連れて行ってくれました。 その時に起きた出来事が、今でも忘れられません。
小学時代、私は地元の青年団のボランティア活動に参加していました。 その年の夏休み、私たちは山奥の廃校にキャンプに行くことになりました。 廃校の近くには上流の川が流れ、私たち小学生はその川で泳ぎながら遊ぶことにしました。 川には岩や石が散らばり、流れの勢いもありましたが、泳ぐには厳しい箇所もありました。
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小学生のHさんは、夏休みの宿泊体験で地域のお寺に来ていた。 ここは広く、古くからの言い伝えも多い場所だった。 お寺の敷地の隅には、苔むした小さな石のお地蔵様が、いくつも横一列に並べられていた。 どれも同じような大きさで、素朴な表情をしている。 肝試しではないが、Hさんは友達と「あのお地蔵様の数を数えてみよう」と話していた。
小学生のSさんは、夏休みに地域のお寺で宿泊体験に参加した。 これは地域の子供たちが集まって、お寺での生活を体験するという催しだった。 Sさんの他にも、地域の学校から集まった数人の希望者が、本堂に布団を並べて寝ることになっていた。 昼間、子供たちは住職からお寺の歴史や仏様の教えについて話を聞いた。 古びた本堂の柱や、使い込まれた畳、そして厳かな仏像に、Sさんは普段の生活では感じられない空気を感じていた。 住職は優しそうな人で、時折冗談を交えながら、子供たちにも分かりやすいように話をしてくれた。 その後は広大な境内を散策したり、庭の手伝いをしたりと、普段できない体験に子供たちは興奮していた。
大学生のMさんが住む築十年ほどのアパートは、都心へのアクセスも良く、静かな住宅街の中にあった。 隣の部屋に新しい住人が引っ越してきたのは、梅雨が明けたばかりの蒸し暑い日のことだった。 挨拶に来たのは痩せぎすで、どこか陰のある雰囲気の男性だった。 名前は確か、Sさんと言ったはずだ。 Sさんはとても物静かで、Mさんが生活音に気を遣う必要がないほど、物音を立てることがなかった。
これは、とある夫婦、夫のKさんと妻のYさんが経験した話。 都会の喧騒から離れ、少し古いが趣のある一軒家に引っ越してきた二人は、新しい生活を楽しみにしていた。 しかし、この家には一つだけ奇妙な点があった。 それは家の奥まった場所にある、決して開かない一室の存在だった。 管理人の人も「ずっと開かずの間だった」とだけ説明し、特に気にすることもなかったため、二人は特に深く考えることもなく、その部屋を「開かずのドア」と呼んで放置していた。 しかし、引っ越して数週間が経ったある夜のことだった。
これはとある社会人のKさんから聞いた話。 Kさんは、最近引っ越したばかりのアパートに住んでいた。 築年数はそれなりに経っていたが、立地も良く、何より家賃が手頃だったため、すぐに決めたのだ。 窓からは小さな公園が見え、日当たりも良く、Kさんは新生活に期待を膨らませていた。 引っ越してきて数日経った頃、Kさんは夜中にふと目が覚めた。 時計を見ると午前3時。
これは、Sさんという方が学生だった頃の話。 Sさんは大学で歴史学を専攻していた。 特に興味があったのは、郷土史。 地域の小さな図書館に通い、古い資料を読み漁るのが日課だった。 その図書館は町の中心部からは少し離れた、ひっそりとした場所にあった。 建物自体も古く、天井が高く、木製の書架がずらりと並び独特の埃っぽい匂いがした。 訪れる人もまばらで、静寂が常にその場所を支配していた。
夜勤のBさんは、いつものように仮眠を取るために休憩室へ向かったのだが、4つあるのベッドがすべて使用中だった。 仕方なく、誰かが起きてくるまで仕事を片付けることにした。 しばらくすると、3人の同僚が起きてきてBさんに声をかけた。 「あれ?Bさん、まだ仮眠取ってないんですか?」 Bさんは、仮眠室のベッドが4つ埋まっていたから使えなかったと説明した。 すると同僚たちは不思議そうな顔で言う。 「廊下側が1つ空いてたじゃないですか」 「そんなはずはない、確かに4つ埋まってたよ」
ある年の夏、Kさんはいつもの地方の無人駅のホームで、最終電車を待っていた。 残業で遅くなってしまい、疲れた体をひきずって辿り着いたこの駅には、最終の到着を待つ乗客はKさん一人だけだった。 深夜の駅のホームは、街灯の明かりがぼんやりと照らすだけで、物音ひとつしない。 普段なら虫の鳴き声がうるさいのだが、この日は虫の声すら聞こえず、ただただ静寂がKさんを包んでいた。 その時、背後のベンチから「きしり」という小さな音が聞こえた。 誰かが腰かけたような、そんな音だった。
今回この話は2つのバージョンを用意しましたので、お好きな方をどうぞ。 1つ目 Iさんは大学の登山サークルに所属していて、その日は仲間たちと連れ立って、少し険しい山を訪れていた。 新緑が眩しい季節で、鳥のさえずりが心地よく響く、ごく普通の登山になるはずだった。 しかし、途中で道を間違えてしまったのか、Iさんたちはいつの間にか、地図には載っていない谷間に迷い込んでいた。
Sさんは学生の頃から登山が趣味で、社会人になってからも週末になると、一人で山へ出かけることが多かった。 その日もいつものように単独登山を楽しんでいたのだが、予報にない悪天候に見舞われ、急遽、山中の避難小屋に泊まることになった。 小屋は古く、軋む音が不気味に響く。 Sさんは持参した食料を広げ、ラジオで天気予報を聞いた。 夜遅くになるとさらに荒れるらしい。 不安を覚えながらも、疲労からすぐに眠りについた。 深夜、ガタガタと窓が揺れる音で目が覚めた。
Nさんは、数年前から登山に没頭している。 普段から人の少ない、整備されすぎていない登山道を好んで歩く。 その日も、彼は地図には載っていないような古い山道を、気ままに探索していた。 鳥の声だけが響く静かな山の中、踏み固められた道は徐々に細くなり、やがて獣道へと変わっていった。 Nさんはそういった道を進むのが好きだった。 未知の風景に出会える期待感が、彼の好奇心を刺激する。 しばらく獣道を分け入って進むと、ふと、道の脇に不自然な空間があることに気がついた。
ある晴れた週末の午後、Yさんは小学生になる娘を連れて、山のふもとにある森林公園を訪れていた。 都会の騒がしい場所と違い、休日でも人がまばらで、静かに過ごしたい家族にはうってつけだった。 Yさんの目的は、娘がネットで見て興味を持った、園内奥にある木製遊具だった。 木製の滑り台やジャングルジムでしばらく遊んだ後、娘はふと、その奥にひっそりと佇むブランコを見つけた。 それは古びた木製のもので、使い込まれた座面はすっかり色褪せ、鎖は錆びついていた。
Mさんたち大学生グループは、休日を利用して近場の山に登山に来ていた。 新緑が眩しい季節で、道中も賑やかに談笑しながら、ゆっくりとしたペースで山を登っていく。 ちょうど昼食を終え、もう少しで頂上というあたりで、小さな観光展望台に立ち寄ることにした。 展望台は、山の景色を一望できる開けた場所にあり、頂上付近の少し手前に位置する。 小さな東屋が建てられ、中には木製の古びた望遠鏡と、休憩用のベンチがいくつか設置されていた。 普段なら観光客で賑わう場所だが、その日はあいにくの曇り空。 人もまばらでひっそりとしていた。 遠くの景色も霞んで見え、少し肌寒い風が吹き抜けていく。
夏も終わりに差し掛かった頃、Hさんは山の中腹で野営の準備を進めていた。 日はすでに傾き、周囲は急速に薄暗さを増していく。 湿った空気が肌にまとわりつき、あたりには濃い霧が立ち込め始めていた。 視界は悪く、わずか数メートル先も見通せないほどだ。 そんな中、Hさんの視界の先にぽつんと白い塊が浮かび上がった。 目を凝らすと、それはどうやら真っ白なテントのようだった。 こんな高地に他の登山者がいるとは珍しい。 Hさんは訝しく思いながらも、近くに誰かがいることにわずかな安堵を覚えた。 登山仲間だろうし、挨拶をしに行こうかな…と、Hさんは白いテントへと足を進めた。
Kさんが友人たちと5人でグループキャンプに来ていたのは、夏の終わりのことだった。 山奥のキャンプ場は、昼間は賑やかだったが、夜になると虫の鳴き声だけになる。 5人は焚き火を囲み、酒を飲みながら談笑していた。 持参した一眼レフで、キャンプの思い出にと写真を撮り始めたのは、友人のTさんだった。 焚き火を背に4人全員で肩を組み、笑顔でレンズを見た。 「はい、チーズ!」 Tさんがシャッターを切る。 すぐに撮れた写真を確認すると、妙な違和感があった。
Mさんが友人たちと3人でキャンプに来たのは、少し肌寒くなってきた秋の終わりだった。 予約していたキャンプ場は、平日ということもあってかほとんど人がいない。 それがまた焚き火の暖かさを一層心地よく感じさせた。 夜も更け、3人はパチパチと音を立てる焚き火を囲んで談笑していた。 薪が燃える音と、時折聞こえる虫の声だけが静寂を破る。 そんな中、ふとMさんの視線が林の奥に向けられた。
Tさんは、都心に建つ複合施設の、広大な地下駐車場の監視を担当していた。 深夜の監視室はいつも静まり返り、無数のモニターだけが規則的な光を放っている。 Tさんの仕事は、そのモニターに映し出される映像を監視し、異常があれば対処することだった。 その夜も、いつもと変わらぬ深夜勤務についていた。 時刻は深夜3時を少し回った頃。 Tさんはいつものようにモニターの映像を順に確認していた。 その時、ふと、あるモニターにTさんの視線が釘付けになった。 そこには、映っているはずのない通路が映し出されていたのだ。
Sさんは、都心にそびえ立つ高層オフィスビルで夜間勤務をしていた。 深夜のビルはほとんどのテナントが閉まり、人の気配はまばらになる。 Sさんの仕事は、そんな静かなビルで設備監視や巡回を行うことだった。 その夜も、いつもと変わらぬルーティンをこなしていた。 時刻は深夜1時を少し過ぎた頃。 監視室のモニターを眺めていたSさんの目に、奇妙な異変が飛び込んできた。 誰もいないはずのフロアを示す表示板が、突然、パッと明るくなったのだ。 そしてそれと同時に、1階に停止していたエレベーターが、ゆっくりと上昇を始めた。
警備員のKさんは、深夜のオフィスビルの巡回が日課だった。 人気のない深夜のビルは、普段は静まり返っている。 しかしここ最近、Kさんは奇妙な現象に気づいていた。 それは深夜の巡回中、決まって3階東側の非常灯だけが素早く点滅している時があることだった。 Kさんは最初、単なる球切れか、電気系統の不具合だろうと考えた。 報告しようとも思ったが、よくよく観察すると、その点滅は深夜の2時過ぎにしか起こらず、他の時間には何の異常も見られないのだ。 一度だけならまだしも、それが不定期に、しかし決まって深夜2時過ぎにだけ起こることに、Kさんは徐々に不審を抱き始めた。
Tさんは長距離運転手として夜間の配送中、山道に入り込んだ。 深夜の山道は普段から慣れていたが、その日はいつも通るルートとは少し違う道を選んでいた。 午前2時を過ぎた頃、Tさんの目に見慣れない「道の駅」が飛び込んできた。 疲れもたまっていたTさんは、休憩がてら立ち寄ることにする。 駐車場には、他に2台の大型トラックが停まっていた。 電気が煌々とつき、トイレも清潔に保たれているようだった。 深夜にもかかわらず、人の気配があることにTさんはどこか安心感を覚えた。
知り合いのKさんが体験した話。 Kさんはその日、残業で帰りが遅くなってしまった。 帰宅してシャワーを浴び、ベッドに横たわるともう午前2時を過ぎていた。 スマホの画面を確認し、明日のアラームをセットして寝る準備をしていた。 するとその時、スマホが突然鳴り出した。 急いでスマホの画面を確認するが、着信画面には見知らぬ番号が表示されている。 こんな時間に誰だ?と不思議に思いながらも好奇心が勝り、Kさんは電話に出た。
社会人のAさんが登山をして体験した話。 久々にまとまった休みが取れたので、学生時代から好きだった登山をすることにした。 朝早くに車で山の麓に向かい、登山を開始。 静かな山道を歩きながら、新鮮な空気と山の景色を楽しんでいた。 しばらく山を登っていると突然霧が発生し、数メートル先が見えない程に視界が悪くなってしまった。
この話はとある寂れた港町にある、海のすぐ近くに佇む廃墟ホテルでの話。 そのホテルは、かつては多くの観光客で賑わっていたそうだが、今は見る影もなく朽ち果て、地元の人間ですら近寄らないと言う。 そんな誰も寄り付かなくなったホテルにまつわる、恐ろしい噂話がある。 それはこのホテルがまだ営業していた頃、宿泊客の一人が謎の失踪を遂げてからというもの、13号室にだけは決して入ってはならない…と、ホテルの従業員の間で囁かれるようになったというのだ。
廃墟巡りをしていた人が廃墟で見つけた日記。 7月1日 今日はこの村に引っ越してきた記念すべき日だ。 自然に囲まれた静かな場所で、都会の喧騒を離れて穏やかに暮らしていけると思うと、今から楽しみで仕方ない。 7月15日 この村の人々はどこかよそよそしい。 挨拶をしても目を合わせようとしないし、何かを隠しているような、そんな不気味さを感じる。
日本各地に存在する「いわくつきのトンネル」。 山の中にある○○トンネルもまた、そんな曰く付きスポットとして地元では有名な場所だった。 私が耳にしたのは、このトンネルで起こる奇妙な現象についてだった。 それは「赤いヘッドライトの車」の怪異。 「深夜、あのトンネルを走っていると、前から赤いヘッドライトの車が対向車線にはみ出してくるんだ。 で、ヘッドライトの光が強すぎて車種まではよく分からないんだけど、どうにも車の種類が古臭い、っていうか今時見ないような型の車なんだよ」
ある地方の山奥に一つの古びたトンネルがあった。 そのトンネルは長い間使われておらず、昼間でも薄暗い雰囲気を漂わせていて、地元の人々の間では、このトンネルにまつわる恐ろしい噂が広まっていた。 その噂とは、夜になると「白い少女」が現れるというものだった。 その少女は、かつてトンネル近くの村でトラブルにあい命を落とし、その怨念がトンネルに宿っていると言われていた。
深夜のコンビニで働くIさんは、いつものように夜勤に入っていた。 町外れにあるそのコンビニは、夜になると閑散として客足も途絶えがちだ。 時計の針が午前2時を指していた頃、店内はしんと静まり返っていた。 「休憩室に行こうかな…」 Iさんはレジのカウンターに肘をついて、うっすらとため息をついた。 その時だった。 自動ドアが開く音がし、冷たい夜風が一瞬店内に吹き込んだ。
山奥深くで炭焼きを生業とするFさんがいた。 炭焼きは孤独な作業。日が昇ると山に入り、窯の火を見守りながら日が暮れるまでただひたすらに時を過ごす。 ある年の夏の終わり、炭焼き小屋で一晩を明かしていたFさんは奇妙な物音で目を覚ました。 それは小屋の戸をゆっくりと叩くような音だった。 何事かと耳を澄ませていると、戸を叩く音は徐々に速さを増し、まるで何かが中に入ろうとしているかのようだった。 不安を感じ、意を決して小屋の戸を開けたが外には何もいなかった。 Fさんは首をかしげながらも再び戸を閉め、寝床に戻ろうとしたその時、背後からかすかな気配を感じた。 振り返ると小屋の中に一匹の奇妙な生き物がいた。 見…
※虫が苦手な方はこの話は読まない方がいいです。 夏の暑さが本格的になる少し前、古い一軒家で奇妙な出来事が起こった。 雨が降る中、OLのSさんが夜遅くに帰宅すると、玄関のドアの前に見慣れないものが置かれていることに気づいた。 直径10センチほどの泥でできた小さな球体だった。
久しぶりに大学時代の友人たちと再会し、登山をした日の事。 F、Y、Eの3人は、それぞれ社会人となり、忙しい日々を送っていたが、この日は特別な計画があった。 大学時代によく行っていた山に登るため、朝方に駅で待ち合わせしていた。 「久しぶりだな、みんな!」 Fが笑顔で声をかけると、YとEも嬉しそうに頷いた。 彼らは久しぶりの再会に興奮しながら電車とバスを乗り継ぎ、目的の山へと向かった。
東京より山側にある、とある町でのこと。 そこに一人暮らしをしていた大学生のAさんは、数日前から奇妙な現象に悩まされていた。 それは夜中の2時になると、決まって天井裏から「トトトトト」という足音のような音が聞こえてくるというものだった。 最初はネズミでもいるのかと思い、駆除剤を置いたり業者に依頼したりもしたが、効果はなかった。 それどころか「トトトトト」という音は日に日に大きく、そして不規則になっていった。
あれは確か、私がまだ駆け出しの怪談師だった頃の話でございます。 ある山奥の村に伝わる「赤い着物」の怪談を採集しに行った時のことでした。 その村は、古くから「赤い着物を着た女に出会ったら、決して目を合わせてはならない」という言い伝えがあるそうでして、興味津々の私は早速村人たちに話を聞いて回りました。 しかし、話を聞けば聞くほどその「赤い着物」の女の正体は謎に包まれ、得られる情報は 「夜中に山道で赤い着物を着た女を見た」 「女の顔は影になっていて見えなかった」 「女を見た者はその後、原因不明の熱病で死んでしまった」 といった断片的なものばかり…。
夏手前の蒸し暑い夜、大学の友人グループはKの家に集まっていた。 メンバーはK、M、Rの三人。彼らは怪談や都市伝説に興味を持っており、この夜も新たな冒険を企てていた。 「今日は少し変わった場所に行こうか」 とKが切り出した。 「川辺にある幽霊灯の話、知ってるか?」
梅雨が明けたばかりの初夏の夕方、大学生の3人組、M、T、Kは、ネットで見つけた廃村の墓地へと向かっていた。 Mの運転する車で、彼らは廃村があるという山奥へと進んでいった。 「本当にここに廃村があるのか?」 Tが後部座席から前の二人に問いかける。 「ああ、ネットで見た情報だとこの先にあるらしい。気味悪いけど興味あるだろ?」 Kがスマホの地図を見ながら答えた。 「まあな…肝試しにはうってつけだな。」 Mは運転しながら笑った。
梅雨の晴れ間、久しぶりに強い日差しが降り注いだ日のこと。 一人暮らしの女性Sさんが、引っ越しをしようと荷造りをしていた。 段ボールに荷物を詰め込みガムテープで封をしていると、ふと、部屋の奥に何か黒い影のようなものが見えた気がした。 「なんだろう?」 しかし家具の隙間から差し込む光の関係の錯覚だろうと思い、Sさんは気にせず作業を続けた。 箱詰めもあらかた片付いた時、ふと先程の黒い影が気になり壁に目をやった。 「な、何あれ?」 その影の正体に気づいた時、Sさんの顔から血の気が引いた。 それは奥の壁一面に、びっしりと描かれた無数の目だった。 黒く塗りつぶされたような楕円形の一つ一つが、まるでこちらを…
梅雨明けが待ち遠しい、ある蒸し暑い日の午後。 高校の美術部の生徒たちは、日没後の風景を描くため校舎の屋上に来ていた。 「先生、もうちょっとで沈みますね」 「ああ、茜色に染まる空をよく観察して描くんだぞ」 教師の言葉に、生徒たちは一斉にキャンバスに向き直る。 しかし、その中でひとりの女子生徒だけが、じっと西の空を見つめていた。 「先生……あれ、何ですか?」
梅雨の晴れ間、むしむしと暑い日が続いていた。 学校では教室の窓を開け放して授業を受けていたが、生ぬるい風は熱気を運んでくるばかりで、生徒たちの集中力は途切れがちだった。 午後の授業中、黒板に奇妙な影が映っていることに気づいたのは、窓際から少し離れた席に座っていた男子生徒だった。 「あれ?」 男子生徒は目を凝らした。 それは、まるで長い髪の女が立っているような影だった。
今からお話する怪談の登場人物をご紹介させていただきます。 語り部である「私、H」と、高校時代からの友人であるK、そしてS、Yの4人で肝試しに行った時の出来事でございます。 舞台は県外にあるYの実家の近くにある、通称「幽霊トンネル」と呼ばれる場所。 そこで私たちが目にしたもの、体験したものとは。 一体全体どんな恐怖が待ち受けていたのか。 それでは皆様、心の準備はよろしいでしょうか?
雨の夜、都会の一角にある古びた公園。 そこには昔から誰も使わない古い木造の休憩所がり、雨が降るとその休憩所には不気味な噂があった。 ある夜、仕事が遅くなったサラリーマンのケンジは終バスを逃してしまい、仕方なく歩いて帰ることにした。 途中で雨が強くなってきてしまい、濡れるのを避けるために公園にある休憩所で雨宿りをすることにした。 休憩所に近づくと、中には一人の女性が座っていた。
とある都市部の下町での話。 狭い路地裏が多く残るその町で、夜な夜な奇妙な噂が流れ始めた。 「おい、聞いたか?あの路地裏の街灯の下にある水たまりで、奇妙な顔を見たってやつがいたらしいぜ…」 噂の発端は、仕事帰りのサラリーマンだった。 彼はいつものように薄暗い路地裏を歩いて帰宅していた。 雨が降った後で、路地裏にはいくつもの水たまりができていた。