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梨野礫
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2023/08/10

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  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・32

    【関係についての感情】 《要約》 ・ここまで述べてきたのは、一・二人称的な世界で起きる感情である。怒りも、恐れも、慈しみの感情も、「わたし」と「あなた」の間で起きるものである。しかし、感情が分化してくると、当事者の間で起きるもの以外にも多く

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・31

    【顔のない人々】 《要約》 ・ヒトという種は、他の動物にはないいくつかの表情を生み出した。その代表格が、笑顔によって表される感情である。「裸のサル」(角川文庫)の著者として有名なデズモンド・モリスは、笑顔の起源は泣き顔であり、微笑は、怒りや

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・30

    《第7章 自閉症の感情世界》 【表情の謎】 《要約》 ・彼らの顔からは表情が消失していることが多い。また、彼らは他の人々の表情も捉えていないようである。 ・捉えどころのない自閉症者の表情の裏にはどのような感情が動いているのか、本章では、この

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・29

    【M君のスケジュール帳】 《要約》 ・自閉症児が外部世界の動きを壁にかけられた時計やカレンダーと関連させるようになると、こころの中でのそれらの意味は健常者の場合よりもずっと重要なものになるようである。彼らは、それによって現在の時刻を知るばか

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・28

    《第6章 自閉症の時間世界》 《要約》 【時の遠近感覚の謎】 ・自閉症者は、私たちと同じような時の遠近感覚をもっているのだろうか。 ・自閉症者は、私たちとは異なる記憶世界を生きているようである。ということは、過去・現在・未来を対照しながらつ

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・27

    【質問しない子ども】 《要約》 ・健常者と自閉症者には、記憶方法に違いが見られるが、その結果、脳に貯えられる知識の世界はかなり違ったものとなるに違いない。 ・健常者は、互いに似たような対象に注目し、似たような方法で記憶していくから、知的な財

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・26

    【知能構造のアンバランス】 《要約》 ・自閉症児のWISCの結果から第一に言えることは、空間的な認知に係わる課題の成績が良いことである。動作性検査の中の「積木模様」「組み合わせ問題」「迷路問題」は、空間的な認知や構成力を要する課題だが、標準

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・25

    【文字言語の世界】 《要約》 ・(音声言語を獲得するためには)音と状況の同時進行的な世界を見守り、関連づけないと理解されない。これは非常にむずかしいことであり、健常な子どもでも、初期の言語発達には時間がかかるのである。自閉症児の注意の状態は

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・24

    《第5章 自閉症の記憶世界》 《要約》 【視線の謎】 ・うつろな、あるいは遠くを見ているような自閉症者の視線は、いったい何を写し取っているいるのだろう。そして、何を記憶世界に送り込んでいるのだろうか。 ・本章では、自閉症者に観察される記憶の

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・23

    《なぜオウム返しをするのか》 《要約》 ・自閉症児が「オウム返し」をするわけを知るには、言語の問題の中だけで考えず、行動の問題に戻って考えてみる必要がある。 ・自閉症児には行動プログラムを立てる力があまり育っていない。ゴールを自分で定め、道

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・22

    【なぜ遊べないのか】 《要約》 ・自閉症児は、言葉をその意味と結びつけるうえでもトラブルを起こしやすい。このことは、自閉症児がうまく遊べないことと深く係わっている ・砂場遊びでは、砂をご飯に「見立てる」、ごっこ遊びでは、「お父さん」「お母さ

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・21

    【出来事の基本構造】 《要約》 ・出来事を表すのに必要な動詞や助詞の役割をうまく説明している文法理論がある。(フィルモアが提案した「格文法理論」)この理論にもとづいて、認知心理学者リンゼイとノーマンは出来事の構造を図式的に表現している。(ノ

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・20

    【言語の階層構造】 《要約》 ・絵カードを使っておこなった研究の結果から言えることは、知能障害児も健常幼児も、大ざっぱなレベルでは0、文の表す内容を正しくつかんでいるらしいことである。これに対して自閉症児は名詞、動詞、助詞など、多くの単語を

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・19

    【物から出来事へ】 《要約》 ・周囲の世界ががらりと変わるときがある。それは、目の前で何かが起きたときである。「ツミキ・オチチャッタ」、二歳児の口からこんな言葉が発せられることがよくある。 ・積木はまだ視界の中にあるけれども、「机の上の積木

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・18

    【指さしから言葉へ】 《要約》 ・人の子どもは一歳から二歳までの間、いったい何をしているのだろう。その間に、もしくはそれに先立つ時期から、子どもは言葉以外のコミュニケーション手段をさかんに使うようになっている。その代表というものが指さしであ

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・17

    《第4章 自閉症の言語世界》 《要約》 【オウム返しの謎】 ・自閉症児の言語は、彼らの行動と同じように捉えどころがない。けれども、「言語行動」という言葉があるように、言語を使うのも行動の一種なのであり、外部環境に働きかけたり取り込んだりする

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・16

    【身体に現れた症状】 《要約》 ・自閉症者は行動のプログラムの立て方に問題があり、その結果、(略)長時間固定した姿勢を保ったり、歩行を続けたりすることができなくなる。その状態が10年、20年と積み重ねられているうちには、身体を動かしたり支え

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・15

    【遊べない子ども】 《要約》 ・子どもは、早くから所有欲をもち、長い期間、他者とのぶつかり合いを経験して、充分自我を育てた後、三歳を過ぎた頃から他児との歩調を合わせて共同遊びができるようになる。それは、共感の世界が芽生える時期で、「こころの

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・14

    【こころの理論】 《要約》 ・人のこころの内側を想像しながら行動することは、自閉症者にとって非常にむずかしいことなのである。 ・私たちは、たえず他人のこころの内側まで判断しながら行動している。つまり、こころの法則のようなものに気づいていて、

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・13

    【カード分類テスト】 《要約》 ・自閉症児は、状況と関連させながら行動を進めることができない。一度プログラムを手にしてしまうと、それを変更しようとしない。また、微妙な感情のレベルで障害が見られる。 ・自閉症児の振る舞いを見ていると、前頭前野

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・12

    【大脳の三つのブロック】 《要約》 ・第1ブロックは脳幹、視床下部、大脳辺縁系を含む領域で、欲望や感情に関係するだけでなく、大脳皮質の興奮水準を調節している。第2ブロックは、大脳皮質、すなわち頭頂葉(筋肉感覚と触覚刺激の入力)、側頭葉(聴覚

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・11

    【状況・行動規制】 《要約》 ・どのようなときには何をしなければならないか。人間も含めてすべての動物の脳にはおのことについての無数のルールが組み込まれている。雨が降れば傘をさすし、部屋に入るにはドアを開ける。つまり、状況が行動を生み出す。

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・10

    《第3章 自閉症の行動世界》 《要約》 【行き先についての謎】 ・自閉症者の動きは特有である。一挙手一投足がどこか私たちとは違う。違うことはわかるが、どのように違うかは実はよくわかっていない。彼らは、私たちの目の前を横切り、どこにいこうとし

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・9

    【認知の革命】 《要約》 ◆前操作期・・・2歳→6歳 ◆具体的操作期・・・6歳→12歳 ◆形式的操作期・・・12歳→ このモデルは、人間が人生の初期であればあるほど、急勾配の坂を駆け上がりながら認知構造の変革

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・8

    【「私」の芽生え】 《要約》 ・外部の世界に手ごたえを感じ始めた幼児が用いるのは、言葉だけではない。言葉の獲得期に言葉よりもはるかに高頻度に用いられるのが、指さしである。 ・この指さしの現れも、自閉症児の場合、非常に遅いのである。「指さし行

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・7

    【「私」の芽生え】 《要約》 ・外部の世界に手ごたえを感じ始めた幼児が用いるのは、言葉だけではない。言葉の獲得期に言葉よりもはるかに高頻度に用いられるのが、指さしである。 ・この指さしの現れも、自閉症児の場合、非常に遅いのである。「指さし行

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・6

    【生後1年間の謎】 《要約》 ・人間は、脳の設計思想から。また「生後1年間に及ぶ無力な状態」から、自閉症になる「可能性」をもっている。 ・ヒトの胎児は、大きな脳をもった自分自身を胎内に収めるために、他のすべての器官の発達を最小限に抑えなけれ

  • 「自閉症からのメッセージ」(熊谷高幸・講談社新書・1993年)再読・5

    【脳の設計思想】 《要約》 ・ヒトの脳の各部位は、一般に、�脳幹、�視床下部、�大脳辺縁系、�大脳皮質、�前頭葉という名称で表されているが、米国の生理学者ポール・マクリーンは、進化という観点から、�爬虫類脳、�古哺乳類脳、�新哺乳類脳という

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