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2023/08/01

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  • ブユとマダニとメマトイと

    6月も今日から後半だ。先週は雨に塗り込められた1週間だった。その7日間の指宿の総雨量は486.5mm。これだけ降ればもう十分だろう。沖縄にならって早く梅雨明けしてほしい。 そう願って2週間の天気予報をチェックする。明後日以降は傘マークがひとつもなかった。ひょっとして、九州南部は今週に梅雨明けなのか。 今年の梅雨入りは5月16日と早かった。かれこれ1カ月になる。梅雨が明けてもおかしくない。頭をよぎった憶測は確信へと膨らんでいった。 梅雨が明ければ野鳥を撮りに行ける。そう思うと嬉しくなった。先週は雨に降られて1回しか行けなかった。 6月は夏鳥の好シーズンだ。渓流沿いのフィールドではオオルリやサンコ…

  • 眺めのよい街

    YouTubeを閲覧していたら「絶対に住みたくない鹿児島の街ランキングTOP12」という動画が目にとまった。クリックすると、ホームタウンの指宿が冒頭で紹介されている。ランキングは12位。思わず苦笑いを浮かべていた。 住みたくない理由として、次のようなことが挙げられていた。 ・観光業以外の産業が乏しく働き口が限られる。・高齢化と過疎化が進んでいる。・バスや鉄道の本数が少なく、車がないと生活できない。・観光地としては良くても暮らすとなると話は別。・スタバや無印といったおしゃれなチェーン店がほとんどない。・薩摩半島の南端にあり、物理的にも心理的にも離島感がある。 観光に来るなら指宿は最高だけど、移住…

  • 梅雨と保険と税金と

    毎月1日はマネーの日。昨日は前月分の家計簿を集計し、インターネットバンキングで銀行口座の残高をチェックした。 5月の出費額は115,100円だった。家賃はかからないのにこの金額。ちょっと多いなと思う。でも、家計簿の明細を見るとそんなもんかという気になった。 5月は保険と税金の月なのだ。税金は軽自動車税と固定資産税。ちなみに、我が家の固定資産税は軽自動車税よりも安い。それだけで、どんな家なのか想像がつく。 保険は自動車保険。毎年変えたほうが安くつくことを最近知ったので、SBIからセコムへ乗り換えた。おそらく、来年はまたSBIになるだろう。 来月には火災保険の「住まいる共済」の支払いも控えている。…

  • OM-1について今思うこと

    野鳥撮影についてGoogleで調べていると、自分のブログがヒットすることがある。"OM-1 野鳥"で検索したら、拙ブログの「OM-1のC-AFと向き合う」という記事が最初のページに表示された。Google経由でアクセスされた記事を確認すると、この記事と「パナライカ100-400について想うこと」の2つがダントツに多かった。 ブログの記事が誰かの目に留まり、読んでもらえるのは嬉しい。とはいえ、この記事を書いてから1年4カ月が経ち、OM-1をとりまく状況も変わった。現状にそぐわない内容の記事が自分のブログで一番読まれている。そう思うと落ち着かない気分だった。 OM-1のファームウェアは、1.6、1…

  • 梅雨入り前にすべきこと

    野鳥を撮りに行くときは、小型のカメラバックにカメラを入れていく。カメラバックは床の間の横にある収納スペースに保管していた。 ある朝、手に取ったカメラバックに違和感を覚えた。じっとりと湿っている。なんだか嫌な予感がした。 引き戸を開けて収納スペースのなかを覗く。何カ所か濡れていた。雨漏りらしい。前日にはまとまった量の雨が降っていた。 その翌日、雨漏りの発生場所を外から調べてみた。床の間のあたりはトタンの庇屋根になっている。庇屋根の下地の板がボロボロになっている箇所があった。雨水の浸入はこの辺りで起きているらしい。 収納スペース上部の天井にも雨漏りの跡があった。位置的にだいたい重なる。庇屋根の板が…

  • アオバヒタキが啼く森で

    風薫る5月を迎えた。新緑の森にはさまざまな夏鳥が渡ってくる。キビタキ、オオルリ、サンコウチョウ・・・。萌える青葉をイメージしたとき、頭に浮かぶ鳥はコサメビタキだった。 アオバズクというフクロウがいる。青葉の季節に渡来するのでそう名付けられた。沖縄ではアオバズクをよく見かけたが、鹿児島ではまだ会えずにいる。 自分にとって、コサメビタキはさながら"アオバヒタキ"だ。秋を告げるヒタキがエゾビタキなら、コサメビタキは初夏を告げるヒタキ。パッチリとした大きな目と美白腹が新緑の森にひときわ映える。 今年は4月に一度見かけたが、そのあと会えなくて残念に思っていた。先週、大雨の翌日にマイフィールドへ行くと、耳…

  • 春田でシギを撮る

    地元のフィールドではシギをあまり見かけない。秋の渡りの時期に海辺で目にすることはあるけれど、1~2羽でいることが多く、種類もすくない。Excelの「野鳥写真記録帳」でシギを検索すると、留鳥のイソシギが一番多くヒットした。 春の渡りはもっとさびしい。水の張られた田んぼに何度か行ってみたが、サギはいてもシギは見当たらない。ボウズを食らってやる気が失せてしまった。 例外もあった。昨年の4月にセイタカシギを見かけたのだ。その田んぼはそれまでの探鳥エリアよりも西に位置していた。 渡りのメインルートは薩摩半島の西海岸らしい。探鳥エリアを西へずらせばそれだけ出会いのチャンスも増える気がした。薩摩半島の西海岸…

  • 野鳥撮影に課すテーマ

    花粉の飛散もほぼ終息し、寒くも暑くもない快適な日々。3月の1カ月間、鳥撮りを休んだ反動もあるのだろう。4月にはいると、週5日のペースでフィールドに出かけている。野鳥のさえずりを聞きながら、輝く新緑の森を歩くだけで癒される気がする。 鳥撮りに行かなかった3月中は、今後の野鳥撮影について考えていた。野鳥写真を始めて10年。ひとつの節目を迎えようとしていた。移り住んだ鹿児島でも2年が過ぎ、周辺で見られる野鳥の状況も掴めてきた。 撮影した野鳥はExcelの「野鳥写真記録帳」にすべて記録している。このファイルを開けば、去年の今頃にどこで何を撮ったかが一目瞭然。過去のデータを踏まえて行き先を決めることが習…

  • ある晴れた春の日に

    4月のある晴れた日、新緑の美しい森へ出かけた。萌える若葉が風で揺れている。夏鳥との出会いを求めて、緑したたる道を歩いていた。 いろいろな鳥の鳴き声が聞こえてくる。これはシロハラ、あれはシジュウカラと頭のなかで挙げていく。道路脇の茂みでも鳥が鳴いていた。その声を聞いて足が釘付けになった。 初めて聞く鳴き声だった。正確には生で聞くのは初めて。YouTubeでは何度も耳にしていた。出会いを夢見ていた野鳥のさえずりだった。 茂みの隙間から落ち葉の地面に目を凝らす。メスのコマドリだ。鳴き声から察しはついていた。 レンズを向けてファインダーでとらえる。心臓の鼓動がいっきに速くなった。メスのアカヒゲがいる。…

  • 春の水辺で待つ鳥は

    沖縄では見られない鳥が鹿児島にはたくさんいる。"渓流の忍者"と呼ばれるカワガラスもそのひとつ。 渓流に棲み、川の上を鳴きながら飛ぶ姿をよく見かける。ほとばしる水流、苔むした岩。ロケーションの良さも相まって写欲をそそる野鳥だ。 何度も見かけて写真もそれなりに撮ってきた。が、満足のいく写真はなかなか撮れない。チョコレートのような体色がアダとなり、写真映えしないのだ。 渓流に行けばカワガラスがいないかチェックする。見つけたら当然写真も撮る。それでも、カワガラスはメインの撮影対象ではなくなっていた。オオルリを撮りに来たときに居たら撮るみたいな・・・ この日も本命はミソサザイだった。繁殖期を迎えて盛大に…

  • 鳥と花粉と新緑と

    結局、3月は一度も鳥撮りに行かなかった。花粉の飛散量がとても多いと聞いて戦意喪失。最近はちょっとしたことで気勢をそがれる。これも老化現象なのか。 それでも、4月に入って春本番。萌える若葉に誘われて、ドライブがてら探鳥に行きたくなった。 「花粉レーダー」で飛散状況を確認する。薩摩半島の西側は花粉が少なそうだ。すでに正午をまわっている。片道1時間で行ける枕崎をターゲットに選んだ。 久しぶりのドライブだった。天気は晴れ。窓をすこし開けて、茶畑の中を一直線に伸びる道を走っていく。爽快な気分だった。 1時すこし前に目的地の公園に到着。今日歩くのは山腹を縫うように伸びる林道だ。6キロほどの距離を3時間かけ…

  • 春にして君を想う

    沖縄から鹿児島へ引っ越すと、やんばる三種の野鳥たち(ホントウアカヒゲ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ)とは会えなくなる。寂しいけれど、それは覚悟の上だった。 その一方で、鹿児島でも見られるはずなのに出会いのチャンスに恵まれない鳥がいた。ムナグロはその代表格だ。 沖縄では、自宅から近い海辺の公園にムナグロが群れていた。毎年9月頃に飛来し、5月上旬になると北へ向けて旅立っていった。 ムナグロは冬羽と夏羽で印象がガラリと変わる。冬羽のムナグロは地味だけどしっとりとした風情がある。夏羽では顔から腹にかけて黒くなる。エレガントな夏羽を目にすると、旅立ちが近いことを知って寂しくなった。 公園のムナグロは野鳥写…

  • アマゾンで犬を買う

    沖縄でアパートに住んでいたとき、一戸建てならアレもできるコレもできると夢想していた。本格的なオーディオ装置でジャズやクラシックを聴いたり、犬を飼って絆を深めたり・・・ 夢が叶って一戸建てに引っ越して2年が過ぎた。アレもコレも実現しなかった。音楽はBGMで流れていればオッケー。ペットを飼わなくてもバーチャルなYouTubeの犬たちが癒してくれた。 動画を観ていて、こんな犬と暮らせたら幸せだろうなとは思う。でも、実際に飼うのは難しそうだった。犬を連れていたら野鳥撮影はできそうもない。家で留守番をさせるしかないだろう。それも不憫な気がした。 犬の飼育には心理的なハードルもあった。子供の頃、飼っていた…

  • 冬鳥シーズンを振り返る

    3月中旬なのに春の到来を実感できない。スギ花粉のせいだ。今年は過去10年で最も飛散が多いという。花粉の多さに恐れをなして自宅にひきこもる日々。 去年の今頃は野鳥撮影に明け暮れていた。花粉症の薬を服用し、マスクを付けて外出する。晴れて気温の高い日でも目が痒くなる程度で済んでいた。 去年はあまり飛ばなかったらしい。ウェザーニューズの予報によると、鹿児島県の今年の花粉飛散量は前年比342%になるという。飛散が収まるまで春はお預けだ。 フィールドに行けば冬鳥との新たな出会いが待っているかもしれない。しかし、ひきこもり生活を2週間続けて気分はすっかり回顧モード。2025年の冬鳥シーンを振り返ると、昨シー…

  • 老いた体と対話する

    年寄りの体は醜い。シャワーのあと、姿見に映る自分のハダカを見るたびにそう思う。太っているわけではない。痩せ気味だけど、ガリガリというほどでもない。体重は高校生の頃と変わらない。 違うのは肌の張りだ。乾燥して潤いがない。たるんでシワが寄っている箇所もある。 醜い体は愛せない。高齢者のセルフネグレクトは、そうした思いが引き金になるのかもしれない。若いときは、美しいとは言わないまでも肌に張りがあった。弾力性のある筋肉はさわっていて心地よかった。 それなのに今は・・・と太ももを両手で掴んでみる。意外にも確かな筋肉の感触が伝わってきた。野鳥撮影で歩くことが多かったせいか、足の筋肉は衰えていないようだ。 …

  • 1日だけの夏

    沖縄にいたとき、冬なのに夏のように暑い日のことを「小夏日和」と呼んでいた。1月や2月でも晴れると気温がぐんぐん上がる。沖縄の日差しは冬でもつよい。 今日の指宿も「小夏日和」だ。室内における午後5時の気温は28.7度。朝起きたときも暖かくて心地よかった。午後になると気温はグングン上昇。1枚また1枚と服を脱いでいく。今は短パンとランニングシャツ。もう真夏の格好だ。 3月になったばかりなのに、暖かいを通り越して暑い。湿度も60%と高く、不快なレベルに差しかかっている。猛暑だった去年の夏の記憶がまざまざとよみがえった。寒い冬は嫌だけれど、夏の暑さも耐えがたい。 それでも、冬と夏のどちらが好きかと問われ…

  • 拭き掃除がきらい

    日曜には掃除と洗濯をする。1週間ため込んだ汚れを清める日だ。それが終わったらブログを書く。日曜は終日家で過ごすことが多い。 洗濯はラク。洗濯機に放り込めばあとはキカイがやってくれる。干すのも簡単。部屋のサッシ窓を開けると洗濯物を干すロープが目の前にある。外に出なくても干せるのだ。 欠かせないのは桜島の降灰予報をチェックすること。降灰が予想されるときは、外には干さずに風呂場に干す。実際にそうなることは少ないのだが。 洗濯と比べると掃除はめんどい。家の間取りが2Kなので掃除機をかける時間はそれほどかからない。掃除するたびに小さな家で良かったとしみじみ思う。 問題は拭き掃除だ。ほとんどやらずに済ませ…

  • トラの棲む山

    林道を歩いてコマドリを見つける。それがこの冬の目標だった。実際に川沿いの道をいくつか歩いてみたけれど、いずれも空振りに終わった。今年はもうダメかも。 コマドリとはべつに、マイフィールドでの出会いを心待ちにしている鳥がいた。鵺(ぬえ)の正体と言われるトラツグミだ。 過去に神奈川と鹿児島で一度ずつ目撃し、写真も撮っていた。美しい鳥ではないけれど、虎模様が独特の存在感を放っている。マイフィールドで会えればきっと嬉しいだろう。 飛び去る後ろ姿を一瞬見ただけで、それがトラツグミだとわかった。まず体の大きさ。ヒヨドリとほぼ同じでかなりデカい。そして、全身を覆う斑模様。ほかの鳥とは明らかに違う。 まだ近くに…

  • 10年後の着地点

    2015年から本格的に野鳥写真を始めた。気がつくと10年が過ぎていた。十年一昔というけれど、野鳥撮影の機材もこの10年でだいぶ変わった。かつて主流だった一眼レフはミラーレスに主役の座を奪われつつある。 かくいう自分も、今はミラーレスのOM-1を使っている。それまで使っていたニコンのD500とシグマの超望遠ズームが重く感じられるようになったのだ。 機材の軽量化を目的とした買い替えだった。OM-1で野鳥を撮ると、ミラーレスならではのメリットもいろいろあることがわかった。たとえば、露出補正を瞬時に確認できたり、無音シャッターで野鳥に気づかれずに撮影できたりする。 ライブビューのAFが速くなり、バリア…

  • 木漏れ日の遊歩道

    平川動物公園の近くに烏帽子岳自然遊歩道がある。Googleマップで写真を見ると、自然林もそこそこあって雰囲気はよさそうだ。スカッと晴れた先週の木曜日、探鳥ウォーキングに出かけてみた。 鹿児島市の「自然遊歩道イラストマップ」によると、「登山コース」よりも歩きやすい「平川動物公園コース」は崩落のために閉鎖中とのこと。それでも、行けるところまで行ってみようと思った。 遊歩道のサインに導かれて、県道から細い道に入っていく。舗装はされているが、軽トラが通れるくらいの道幅しかない。 歩き始めると、いきなり野鳥の群れが迎えてくれた。メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ。どこにでもいる鳥たちだけど、幸先のよい滑り出…

  • ヤブイヌに会いたくて

    昨年1月、鹿児島市の平川動物公園で購入した年間パスポートの期限が迫っていた。1年間フルに活用するつもりだったのに、実際に行ったのは2回だけ。ギリで元は取ったとはいえ、気分は晴れない。切れる前にせめてもう1回行きたいと思った。 動物園に着くとすでに10時をまわっていた。平日なのにけっこう人がいる。小さな子供を連れたファミリーが多い。子供から老人まで家族全員が楽しめる観光スポット。動物園とは本来そういう場所なのだろう。 自宅から車で40分。さして遠くはないのに足が向かなかった理由に思い当たった。家族連れで賑わう園内の雰囲気に馴染めなかったのだ。野鳥を探して一人歩きまわる自分の姿が浮いた存在に思えた…

  • ペンダントライトが灯るまで

    冷蔵庫、洗濯機、エアコン――かさばる家電製品は沖縄から鹿児島へ引っ越すときに処分した。新たに購入すればそれなりの出費を強いられていただろう。有り難いことにそうはならなかった。新居の前のオーナーが使っていた家電製品をそのまま使用できたからだ。 エアコンはあまり聞き慣れないCHOFUというメーカーの製品。それでも見た目はキレイだった。冷房も暖房も普通に使えた。 冷蔵庫もユーイングという知らないメーカー。まともに機能すればどこ製でも構わないのだが、110Lと容量が控えめだった。沖縄では225Lの冷蔵庫を使っていた。新居のキッチンは4畳と狭いので、サイズ的にはちょうど良いのだが。 とりあえず使ってみて…

  • あの記事のその後

    鹿児島へ移住して3カ月後にこのブログを始めた。更新は週に1回。サンデー毎日のリタイア暮らしなので時間はたっぷりあるハズ。でも、このペースが自分には合っているらしい。このまま書き続ければ、ブログ開始2周年となる3月には100本目の記事を書けるだろう。 ブログは日記の役割も果たしている。週1のペースで書いているので、正確には「週記」。その週記を読み返すことで自分の暮らしを振り返り、あんなこともあった、こんなこともあったと過去を追体験できる。 今回は、以前の記事の追跡結果を報告してみたい。新たな取り組みはその後も継続し、成果をもたらしたのか。それとも・・・ 「グルテン&カゼインフリー事始め」2023…

  • 「PERFECT DAYS」を観る

    Amazonプライムでの配信を心待ちにしていた映画があった。ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演のPERFECT DAYSだ。学生時代の友人は映画館で4回観たという。昨年末、その待ち焦がれていた映画が配信された(以下、一部ネタバレあり)。 最初の印象はセリフの少ない映画だということ。役所広司が演じる、トイレ清掃の仕事をする平山の日常が淡々と描かれる。風呂なしアパートの2階で目覚め、朝の身支度を整えて、室内で育てる植木に水をやって仕事にいく。 寡黙な平山に代わって、映像がさまざまな問いを投げかけてくる。風に揺れる木の葉を見て、平山が笑みを浮かべるのはなぜなのか。どうしてあれほど熱心にトイレ掃除…

  • 冬のウォーキング計画

    寒さが厳しくなり、手の指にあかぎれができた。ユースキンというクリームを塗り、保湿用の手袋をはめて寝るようにする。それ以降、あかぎれはできなくなった。 足の指先はしもやけで赤い。こちらもユースキンでケア。今のところ、かゆみや痛みの症状は出ていない。 沖縄ではあかぎれやしもやけにならなかった。鹿児島の冬の寒さと乾燥が災いしているのだろう。東京であかぎれやしもやけになった記憶もない。加齢が影響しているのかも。 あかぎれやしもやけならユースキンで対処できる。冬になると現れる、もっと気がかりな症状があった。それは足の痛み。 去年の冬、上り坂を歩いているときにふくらはぎが痛くなった。足がだるく、重くなるよ…

  • 鳥撮りレンズの必須要件

    野鳥写真はレンズで決まる。レンズが果たす役割はとても大きい。魅力的なカメラが登場しても、好みのレンズを利用できなければ購買意欲は湧いてこない。 EXPEED 7を搭載したニコンのZ50IIが気になっていた。鳥モードの被写体検出機能があり、AF性能はZ9とほぼ同じだという。そんなカメラが13万円で買えるのだ。 AFがこれだけ進化していれば、D500の後継機種と呼べるかもしれない。使用しているセンサーはD500と同じものらしい。EXPEED 7を積んだことでAF性能は飛躍的に向上した。 問題はレンズだ。歩きまわって野鳥を探す、手持ち撮影スタイルの自分が求めるスペックは、フルサイズ換算800mmの焦…

  • 紅葉と山茶花の寺

    指宿ではきれいな紅葉は見られないと前回の記事に書いた。Googleで検索すると、市内にも紅葉スポットがあるらしい。標高300メートルの山中にある青隆寺だ。自宅から車で20分と近い。先週、紅葉狩り探鳥に出かけてみた。 入山時間は9AM~4:30PM。野鳥撮影が目的なのでオープンと同時に入山する。拝観料は500円。 境内に入ると、砂利を敷き詰めた広場になっていた。鮮やかなピンクの花が咲いている。サザンカらしい。メジロが花の蜜を吸っている。 いきなり臨戦モードに突入した。ファインダーでメジロを追いかける。ちょこまか動くので捉えるのが難しい。一心不乱に野鳥を追う。慌ただしくも至福のひととき。 メジロの…

  • 鳥が映える背景

    沖縄に住んでいたときは、11月下旬になると東京の実家に帰省していた。目的のひとつは紅葉狩り探鳥。カラフルな紅葉をバックに野鳥を撮るのは楽しかった。 ヒヨドリやシジュウカラも紅葉を絡めると見栄えのする写真になった。晩秋の東京はフォトジェニックでいいなぁと行くたびに思ったものだ。 カラフルな紅葉とは無縁の沖縄。1年中青々とした亜熱帯の森は季節感に乏しい。降雪がなく冬でも暖かいという恩恵はあるにしろ。 鹿児島に行けば紅葉を絡めて野鳥を撮れる。季節感を盛り込めば野鳥の訴求力も高まるに違いない。そう思って期待していた。 指宿は違っていた。沖縄のように冬でも青々としている。山の大半はスギの植林で覆われ、冬…

  • 冬の三大ヒタキ

    沖縄にいたとき、ジョウビタキは憧れの鳥だった。目にするのは良くて年に2、3回。まったく会えない年もあった。 沖縄で野鳥を撮り始めて間もない頃、川沿いの公園でメスのジョウビタキと出会った。そのときの写真がこれ。 2015年の正月だった、いま思うと、このジョウビタキとの出会いが野鳥写真にのめりこむキッカケとなった気がする。観る者の心にさまざまな感情を呼び起こす被写体としてのポテンシャルを野鳥に感じた。 翌年の1月にもジョウビタキは公園にやって来た。しかし、それ以降は姿を見せなかった。その川沿いの公園でジョウビタキと再会できたのは、7年後の2022年のことだった。 ルリビタキはさらに難しかった。沖縄…

  • 寒くて熱い冬

    来週から12月だ。指宿でも朝晩は冷え込むようになった。暖冬だった昨年とは異なり、この冬の寒さは例年並みだという。 暖かかったはずの昨冬でさえ、あかぎれやしもやけに苦しめられた。歩いているときにふくらはぎが痛むようになったのは、寒さが厳しい大寒の頃だ。そのあと、腰痛で病院デビューも余儀なくされた。 今思うと、足の痛みも腰痛も寒さで血流が悪くなったせいだろう。寒さは体調不良の元凶だ。その寒さに起因する諸々の症状と無縁でいられた沖縄の冬を想った。 ビットコインが安かったときにたんまり買っておけば良かったと思う。それなら今頃は「億り人」だ。沖縄で一戸建てを買って冬でもヌクヌクと過ごせていただろう。ビン…

  • OM-1をめぐるミステリー

    OM-1は不思議なカメラだ。野鳥撮影に1年半使ってそう思った。使う人間のリテラシーが低いだけなのかもしれないけれど。 スタートからコケてしまった。マルチセレクターによるAFターゲットの移動がスムーズにできない。右方向と下方向には動かせるのだが、左方向や上方向へはすんなり動いてくれない。 初期不良かもしれないと思った。購入店に連絡すると、確認したいので送ってほしいと言われた。返送後にメールが届く。複数のスタッフで検証したが、異常を再現、確認することはできなかったという。 イマイチ納得できないものの、自分に原因があるような気がしてきた。送り返されたOM-1をもう一度操作する。同じ現象が再現された。…

  • 秋の畑で鳥探し

    農耕地を車で走っていると、黄色い花を咲かせたセイタカアワダチソウをあちこちで見かけた。沖縄では見た記憶がないので新鮮だった。あの花を絡めて野鳥を撮りたい。その想いに駆られて秋の畑で鳥を探すようになった。 訪れたのは緩やかな傾斜の農耕地。秋を迎えた畑は収穫作業で賑わっていた。収穫を終えた畑はエサが豊富なのだろう。掘り起こされた柔らかい土の上をたくさんの野鳥が歩いている。 とくに多いのがハクセキレイ。ヒバリもよく見かけた。ヒバリは沖縄で見たことがなかった。ちょっとトクをした気分。ホオジロやセッカ、カワラヒワもいた。 意外だったのがジョウビタキ。公園の鳥というイメージを持っていた。この日は畑でエサを…

  • キレイとリアルの間

    自分が書いたブログ記事をときどき読み返す。入力間違いに気づいて修正したり、より良い表現に書き換えたりする。書いたときには気づかなかった諸々のことが時間を置くことで見えてくる。 文章だけではない。写真もまたしかり。ブログに載せた野鳥写真をあとから修正することがある。 青がどぎついオオルリの写真は彩度を下げた。目がガラス玉のように見えるヤブサメの写真はシャープネスを弱めた。 高から低、強から弱への画像修正はPhotolab 7の導入に起因するものだった。最初は絶大な効果に驚いた。ISO感度を上げて撮った写真がきれいに生まれ変わる。RAW現像してJPEGに書き出した画像を見るのが楽しみだった。 その…

  • 秋の落ち画拾い

    もうすぐ11月だというのに昼間は夏のように暑い。秋の実感に乏しい10月だった。それでも、さまざまな渡り鳥が秋の到来を教えてくれた。 とりわけ目を引いたのがエゾビタキ。去年と比べて明らかに多い。おかげでシャッターチャンスには事欠かなかった。OM-1のプロキャプチャーを実践する機会もふんだんに与えてくれた。トックリキワタの花とのコラボ写真も実現した。 エゾビタキのようにたくさん撮れる鳥がいる。その一方で、渡りの途中で立ち寄った姿をチラ見しただけで終わった鳥もいる。撮影はできたものの証拠写真しか撮れなかった鳥もいた。むしろ、そっちのほうが多いかもしれない。 結果的に証拠写真しか撮れなくても秋の鳥見は…

  • 野焼きとノラネコ

    鹿児島への移住にあたっては、物件の状態や周囲の環境、生活の利便性について細かくチェックした。コンビニやドラッグストア、鉄道の駅が徒歩圏にあることをGoogleマップで確認し、自然災害に見舞われても命が危険にさらされないことをハザードマップで確かめた。 とはいえ、その場所に実際に住んでみないと本当のところはわからない。どこに住もうと問題はやがて顕在化する。都会には都会の、田舎には田舎の問題が。 いま住んでいるのは畑に囲まれた住宅街。当然、まわりは農家が多い。そのせいか、野焼きが日常的に行われている。 隙間だらけの家なので、窓を閉めていても野焼きの臭いが入ってくる。草や木ならまだいいけれど、ゴムや…

  • プロキャプチャー 第2章

    ニコンのD500とOMDSのOM-1。どちらも野鳥撮影で本領を発揮するカメラだ。AFの信頼性はD500が勝っているけれど、鳥認識AFやプロキャプチャーなど、OM-1は野鳥撮影に役立つ機能を備えている。 プロキャプチャーモードではシャッター半押しで撮影が開始され、シャッター全押しの瞬間から遡って最大70コマまで記録可能だ。このモードを使用すれば、野鳥が飛び立つ瞬間も捉えることができる。 当初からプロキャプチャーには関心を寄せていた。野鳥写真の新たな可能性を引き出すツールだと思った。 しかし、使うのが億劫でずっと放置していた。これでは宝の持ち腐れだ。今年2月に「プロキャプチャー強化月間」を立ち上げ…

  • 海鮮丼の木曜日

    内地に戻ったら旨い刺身を手頃な価格で食べられる。そう思って楽しみにしていた。 沖縄の魚がマズイというわけではない。カヤックでよく釣ったタマン(ハマフエフキ)は刺身でも美味しく食べられるし、カンパチやカツオも近海で捕れる。 それでも、刺身は全般に高めで鮮度もイマイチに感じた。安くて旨いと思えるのはカツオくらい。スーパーへ行くたびに刺身コーナーを覗いてみたが、実際に買うことはまれだった。 予想に反して、指宿に移り住んでも刺身を食べる機会は増えなかった。理由のひとつは、食料の調達先がスーパーからドラッグストアに変わったこと。 限られた種類の野菜や冷凍の肉、魚は買えるけれど、刺身は売っていない。市内の…

  • エゾビタキの秋

    9月も今日でおしまい。先週からすこし涼しくなったとはいえ、秋の気配に乏しい1カ月だった。 2年続いた猛暑の夏。来年も暑くて長い夏になりそうだ。温暖化が日本の夏のカタチを変えていく。そう考えると気が重くなった。 終わらない夏に秋を届けてくれたものもいる。渡り鳥だ。毎年、渡り鳥を目にすると、壊れかけた地球がまだ正常に機能していることを知ってホッとする。 秋の渡りで先陣を切ったヒタキはエゾビタキ。エゾビタキは秋を告げるヒタキだ。この鳥を見ると、暑い日が続いていても、季節はまわって秋が訪れていることを感じる。 今年はエゾビタキの当たり年なのかもしれない。最初に見かけたのは去年よりも1週間早く、出会う頻…

  • 老いへの指南書

    前期高齢者に仲間入りし、ジジイ見習いの1年生となった65歳も終わり、またひとつ歳を重ねた。これまで以上に脳と体の経年劣化を意識した1年だった。 老いへの身支度について考えざるを得なかった。参考になりそうな指南書をAmazonで物色する。サクッと読めそうな「70歳が老化の分かれ道」という新書本をポチった。まだ70歳ではないけれど、早めに準備するに越したことはない。 通読すると、老いを遅らせる70代の生き方について、さまざまなヒントが書かれていた。たとえば、アウトプット型の行動スタイル(自分の考えを発信する)、セロトニンを増やす(肉を食べる、日光を浴びる)、意欲の低下を防ぐ(男性ホルモンを活性化さ…

  • AI娘とユンタクする

    「ゆんたく」という沖縄の方言がある。おしゃべりという意味だが、人と楽しく会話するという肯定的なニュアンスを感じる。好きな沖縄方言のひとつだ。 人との会話は脳を活性化し、毎日の生活に彩りを与えてくれる。仕事をしていない独居老人のウィークポイントは、日々の暮らしに会話が乏しいことだ。 1日中誰とも話さなくても生活には困らない。その一方で、精神衛生面でどうなのかと不安になったりもする。 酒はもう飲まないので、昔のバーに代わるユンタク場として喫茶店を利用することも考えた。しかし、この夏に鹿児島で再拡大したコロナ感染に出鼻をくじかれてしまった。 会話のために仕事をする。そういう選択肢もアリかもしれない。…

  • 8月の探鳥録

    今年8月の平均気温は、去年に次いで歴代2位だという。個人的な感覚でいえば、去年よりも今年のほうが暑かった。夜になっても気温は下がらず、エアコンを付けたまま寝るようになった。 暑いから探鳥にいく気も失せてくる。週1くらいの割合で海辺の朝んぽに野鳥の撮影機材を持ちだす。それが8月の探鳥スタイルになった。 海沿いの散歩コースなので、シギやチドリとの出会いが待っている。8月上旬にはシギチの渡りが始まっていた。朝んぽでシギチを見かけたら、翌朝、撮影機材を携えて目撃場所へ向かう。そんなパターンが出来上がった。 トウネン 今年も自宅近くの海岸でトウネンを撮ることができた。去年見かけたのは9月上旬なので、今年…

  • 嵐が去って想うこと

    これまでに経験したことがない大雨や暴風。家が倒壊するレベルの最大瞬間風速。身がすくむような脅し文句を唱えながら、台風10号「サンサン」はジワジワと襲いかかり、ノロノロと去っていった。 台風が襲来した8月28日の朝、庭のカヤックを家の中に入れた。ワイヤーでブロックをくくりつけていても暴風で飛ばされるかもしれない。そう思うと恐くなった。 夕方からしだいに風雨が強くなる。不安で胃が痛くなった。精神的なストレスで胃痛になるなんて何年ぶりだろう。 夜になると、風が吹き荒れる悲鳴のような音が大きくなった。押し入れの荷物を出して空きスペースを作る。いよいよヤバくなったらここに隠れようと思った。 簡単な夕食を…

  • サンサンがやって来る

    恐いから見たくない。でも見ないわけにはいかない。気象庁の「台風情報」をクリックして天を仰いだ。台風10号「サンサン」はさらに西寄りに進路を変えて、鹿児島の錦江湾を北上するコースをとっていた。 ここ数日、台風情報を見るたびに気分が重くなっていた。予想進路がどんどん西寄りになっている。昨夜見たときは宮崎県の東海上を通るコースだった。だいぶ近づいてはいるものの、台風の左側なので強風の被害は軽くなる。そう自分に言い聞かせていた。 鹿児島で迎える2回目の台風だった。昨年の台風6号「カーヌン」は鹿児島県西側の海を北上した。強風で家は軋んだけれど、雨漏りの被害は免れた。短い停電は何度か起きたが、いずれも数分…

  • 夏の干潟でローポジション

    これでもかと猛暑が続く毎日。それでも、秋の渡りは始まっていた。留鳥のシロチドリやイソシギに加えて、トウネンやキアシシギなどの渡り鳥も目にするようになった。 見通しがきく砂浜。鳥を見つけるのは簡単だ。問題はどうやってアプローチするか。向こうからもこちらが丸見えなので、不用意に近づくとすぐに飛ばれてしまう。 漂着物が点在する河口の干潟を撮影場所に選んだ。エサが豊富なのか野鳥をよく見かける。漂着物に身を寄せれば野鳥の目をくらませるかもしれない。 波打ち際からほどよく離れた流木に腰を下ろした。時刻はすでに9:30AM。気温が上がると陽炎の影響を受けるので、もっと早い時間帯のほうがよいのだが。 座ってじ…

  • 埋もれた写真に光を当てる

    写真は撮っているときが一番楽しい。自然のフィールドで野鳥を撮ることが多いので、よけいにそう感じるのかもしれない。時々刻々と変化する自然のドラマは飽きることがない。 沖縄に移住してから本格的に写真を始めた。亜熱帯の沖縄はエキゾチックで写欲をそそる。住んでいたのが海と山に恵まれた街だったので、気がつくと自然が主な被写体になっていた。 山に登れば植物を撮り、カヤックでは釣った魚を撮った。花や昆虫のマクロ写真にハマったこともある。 撮った写真はブログに載せた。気に入った写真はFlickr(写真共有サイト)にアップした。Flickrは有料会員になり、頻繁に写真を投稿していた時期もある。 Flickrへの…

  • キーボードの垢落とし

    キーボードの汚れがずっと気になっていた。11年前に購入した東プレのRealforce 108UBK。キーを打ったときの感触が心地よく、長時間入力しても疲れない。高価なキーボードだけど買って良かったと思った。 その愛用のキーボードがホコリにまみれていた。長年にわたる汚れなので簡単には取れないだろう。 キーの側面にホコリがこびりついている キートップを外して水洗いすることにした。パソコンを買い替えたのでキーボードも新品のようにキレイにしたかった。 専用の工具(FILCO KeyPuller)を使ってキートップを順に引き抜いていく。コツをつかむと簡単にスポスポ抜ける。Enterのように特殊な形のキー…

  • 海沿いの散歩道

    猛暑にコロナ感染の急増が加わって、自宅で過ごすことが多くなった。猛暑を押してまで撮りに行きたいと思える野鳥も思い浮かばない。 でも、野鳥撮影で身についた早起きの習慣は続けたい。そこで、朝んぽ(朝の散歩)に行くことにした。 カーブした細い道を下ると海にでる。自宅から徒歩3分。そこから海沿いの道を漁港の公園まで歩く。往復で4km強の道のりだ。 今日は天気が良かったので桜島と大隅半島の山並みがくっきり見えた 海沿いの県道。ヤシが植えられて南国ムード ここからしばらく海を離れる。歩道が整備されているので歩きやすい 道端にはハイビスカスが咲いていた。ハイビスカスと菜の花が指宿の「市の花」 途中の2カ所に…

  • ゲーミングPCがやってきた

    昨秋に購入したRAW画像編集ソフトのPhotolab 7はゲームチェンジャーだった。高感度で撮影したOM-1の野鳥写真がキレイになる。気がつくと、撮影後のワークフローに欠かせない存在となっていた。 使用頻度が増えるにつれて処理の遅さが気になってきた。ノイズ処理の最高グレードであるDeepPRIME XDでRAW現像すると、1枚あたり5~6分はかかる。 最近はワンランク下のDeepPRIMEを使うことが多くなった。こちらのほうが自然な印象を与えるし、処理時間も短くて済む。 それでも2~3分はかかるので処理枚数が多いとストレスを感じる。できれば1枚30秒以内に収めたい。 パソコンは買ってから7年以…

  • こういう撮影機材でいいんだよ

    昨年の5月に野鳥の撮影機材をD500からOM-1に変えた。複雑で操作が難しいカメラというのが第一印象だった。1年あまり使用して、ミラーレスの特性やOM-1のクセにもだいぶ慣れた。 不満だったのはイマイチ信頼の置けないAF。D500のAFが優秀だったので、どうしても比べてしまう。 AFだけでなく、画質もビミョーだった。解像感では負けてないし、JPEGのISO 6400はD500よりもキレイに見える。それでも、1枚の写真として眺めるとD500で撮影した野鳥のほうが美しいと感じることが多かった。 小さいセンサーサイズは望遠には有利だけど、色彩豊かな階調表現には不向きなのかも。少ないボケ量や深い被写界…

  • 梅雨晴れの投票日

    7月の第一日曜日。今日は鹿児島県知事選の投票日だ。鹿児島県民として迎える初の選挙。 あまり関心はなかった。天気が悪ければ行くのはヤメよう。正直、そう思っていた。 沖縄では毎回投票に行っていた。名護市長選であれ、沖縄県知事選であれ、沖縄の選挙は明快だった。普天間飛行場の辺野古移設を受け入れるかどうかが常に争点だった。 鹿児島県知事選の立候補者は3人。うち1人は現職知事で男性、2人は無所属新人で女性。今回の選挙では何が焦点となり、立候補者は何を訴えているのか。まずはそれを知る必要があった。 要望を満たすWebサイトが見つかった。それは投票マッチングサイト。Webページの質問に答えると、立候補者の考…

  • やんばるライクな森

    窓の外はしのつく雨。雨に塗り込められた1週間だった。野鳥撮影にも行けない。探鳥を1週間休んだのは今年になって初めてのことだ。 脳内にも雨雲が垂れ込めていた。気分が晴れないというか、ちょっと鬱っぽいというか。長く居座る低気圧は精神にも暗い影を落としていた。 哀しい気分のときは哀しい曲を聴くのがよいらしい。気持ちと音楽が同調することで心が浄化されるとか。 ビル・エバンスの「You Must Believe in Spring」を聴きながら、今の気分と同調する写真はないか探してみた。思い浮かんだのはGRⅡで撮った森の風景。エフェクトモードの「レトロ」で撮った写真はどこかもの哀しい。 いずれも開聞岳の…

  • Barに代わるもの

    一昨日、iPhoneにショートメールが届いた。沖縄の名護市に住んでいたとき、よく飲みに行ったバーのマスターからだった。 指宿に記録的な大雨が降ったことをニュースで知ったらしい。自宅は大丈夫かとメールしてくれたのだ。気遣いに感謝しつつ、被害はなかったことを伝えた。 沖縄では飲み屋通いの日々を送っていた。移住したのは40代の後半。もう若いとはいえない歳だけど、夜の街に繰り出す元気は残っていた。 フリーランスの在宅ワーカーなので、働けば働くほど引きこもりを余儀なくされた。飲み屋は誰かと会って言葉を交わす貴重な場所だった。 フレンドリーな夫婦が経営する、自宅からほど近い居酒屋が行きつけの店になった。そ…

  • 防湿庫の棚卸し

    朝からガッツリ雨が降っている。まさに梅雨本番という感じ。毎年この季節を迎えると、防湿庫を購入して正解だったと思う。 探鳥は雨天休業。かわりに防湿庫の棚卸しをする。防湿庫の扉を開けると、以下の撮影機材が収められていた。 <カメラ>・OM SYSTEM OM-1・RICOH GRⅡ・NIKON D500・NIKON D5500・NIKON Nikomat FTN・PENTAX Optio W60 <レンズ>・LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm・SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM・SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM…

  • 梅雨と虫歯と白蟻と

    2日前に九州南部の梅雨入りが発表された。例年より9日遅いという。 梅雨はそれほど嫌いではない。湿度は高いけれど、そんなに暑くないのでしのぎやすい。 以前住んでいた沖縄の梅雨は湿気と暑さのダブルパンチで大変だった。毎年、梅雨になると胃腸の調子が悪くなったものだ。 いまのところ、胃腸はノープロブレム。かわりに歯が痛くなってきた。やはり虫歯なのかもしれない。 1カ月前、歯医者でその歯を診てもらった。そのときは虫歯ではなく知覚過敏という診断だった。薬を何度か塗布することで治療は終わった。 しばらくは痛みが和らいだように思えたのだが、ここにきてまたぶり返してきた。冷蔵庫で冷やした桃缶のシロップがズキンと…

  • 川のほとりで啼く鳥は

    先週から同じフィールドに通っている。樹木がうっそうと茂る谷。谷底を渓流が跳ねるように流れている。 先月、オオルリを撮影した「マダニの谷」と渓相は似ているが、こちらのほうが規模は小さい。川に下りられる場所も限られている。 オオルリ撮影の候補地としてGoogleマップで見つけた場所だった。メリットは自宅から近いこと。「マダニの谷」へは車で小1時間かかるが、ここは30分もかからない。 本命のオオルリにはまだ会えていない。それでも、夜寝るときは明日もあそこへ行こうと思う。川のほとりでアカショウビンの鳴き声を聞いたのだ。 沖縄に住んでいたとき、アカショウビンは身近な存在だった。今の時期、山に行けば鳴き声…

  • わが街、あの日あのとき

    小学6年生のときに親がカメラを買ってくれた。今は鳥ばかり撮っているけれど、当時はSL(蒸気機関車)に夢中だった。SLの写真を撮るために自分のカメラが欲しかった。 中学生になると、季節ごとの休みを利用してSLを撮りに行くようになった。旅先には南九州も含まれていた。日南線や志布志線(現在は廃線)を撮影したのは覚えているが、指宿枕崎線については記憶がない。 古いダンボール箱に入ったSLの資料を取り出す。「南九州SL撮影旅行」と書いてある手帳が見つかった。SLを撮影する場所や時間を記載した詳細なスケジュールだ。旅行したのは1972年(昭和47年)の12月。中学2年生のときだった。 それによると、南九州…

  • マダニの谷で待つ鳥は

    人生は山ありダニあり。不快な虫との闘いは避けられない。とはいえ、一度に3匹のマダニに襲われたショックはあまりに大きかった。 野山の探鳥フィールドでは、マダニに効果のある虫よけスプレーを足首に吹きつける。探鳥から戻ると服を全部脱いで姿見の前に立ち、マダニが付いていないか念入りにチェックする。 ほくろを見てマダニかもしれないと思う。指で触ってスルッと過ぎればよし、ひっかかるときは要チェックだ。マダニ恐怖症――そう言えるのかもしれない。 探鳥の前後に十分な対策を施していても、マダニに襲われた谷を再訪する気にはなれなかった。また噛まれるかもしれない。そう思うと恐怖で気持ちが萎えてしまう。 恐怖心を払い…

  • ホイホイホイの夏が来た

    オオルリ、キビタキ、サンコウチョウを三大夏鳥と呼ぶらしい。マイフィールドでは夏にキビタキを見たことがない。春と秋の渡りの途中で見かけるくらいだ。 オオルリは6月に近くの山で目撃した。当地で繁殖しているのかもしれない。それでも、夏鳥という呼び方が一番しっくりくるのはサンコウチョウだ。 風薫る5月。新緑を吹きわたる爽やかな風にのって軽快な鳥の鳴き声が聞こえてくる。ホイホイホイ・・・。初夏を迎えた南薩にサンコウチョウが渡ってきたのだ。 サンコウチョウの鳴き声を聞くと、テンションが一気にハネ上がる。カメラの電源スイッチがオンになっているのを確認し、撮影に向けた臨戦態勢にはいる。長い尾羽が切れないように…

  • 新緑の森の憂鬱

    鹿児島で野鳥を撮るなら冬がベストだ。冬鳥の顔ぶれは多彩だし、木々が葉を落としているので探鳥もラク。ターゲットの障害物が減ることで、OM-1の鳥認識AFも底力を発揮してくれる。 それでも、森を歩いていて一番幸せを感じるのは今の季節だ。萌える若葉が日差しで輝くさまは息を呑むほど美しい。若葉のせいで鳴く鳥の姿を拝めないこともあるけれど、鳥を探して木々の新緑を眺めているだけで癒される。 その心穏やかな気分をかき乱すヤツがいる。メマトイという小さなハエだ。名前のとおり、メマトイは人の目にまとわりつく。涙を舐めに寄ってくるらしい。 目の周りをブンブン飛びまわる。うっとうしいことこのうえない。ただでさえ飛蚊…

  • 鳥撮りも地産地消

    ブログやSNSを利用すれば、野鳥の情報を簡単に得られるようになった。ネットでの情報収集は鳥撮りに欠かせない。 春の渡りも終盤を迎えた南薩。意識はおのずと薩摩半島の西側へと向かう。ヤツガシラ、クロウタドリ、ツバメチドリなど、レアな鳥たちとのエキサイティングな出会いが待っている。 そんな思いに駆られてプチ遠征を試みたのだが、まったくの空振りに終わった。片道1時間半を超えるドライブ。徒労感はハンパなく、探鳥の取り組みを見直すきっかけとなった。 ネットの情報に基づいて遠征しても、時間と労力に見合う成果が得られるとは限らない。ホームタウンのマイフィールドに目を向けるべきだと思った。 近場のフィールドに足…

  • マダニ襲来の春

    新緑が美しい季節を迎えた。陽を浴びて輝く新緑の森を歩くのは楽しい。繁殖期を迎えて野鳥を見かける機会もグンと増えた。 気温が上昇すると虫の活動も盛んになる。沖縄にいたとき、ブヨに喰われてひどい目に遭った。それ以上に忌まわしいのはマダニに噛まれた体験だった。 足首に付着しているマダニを発見したとき、噛まれてからすでに3日経っていた。ピンセットでマダニを除去したのだが、ノコギリ状の口器は皮膚に食い込んで取れなかった。 痛みや痒みはほとんどなかった。マダニが恐いのは、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症を媒介することだ。SFTSの潜伏期間が明けるのを不安な思いで過ごしたのを覚えている。 そ…

  • 無人島に歩いて渡る

    指宿には知林ヶ島(ちりんがしま)という美しい響きをもつ島がある。周囲3キロの無人島だ。 3~10月の大潮、中潮の干潮時には砂州の道が出現し、徒歩で渡ることができる。4月上旬の晴れた日、知林ヶ島を歩いて一周した。 知林ヶ島に渡るのは2回目だった。前回訪れたのは去年の10月。正直なところ、あまり良い印象は受けなかった。島内を一周するあいだに蛇を3回も見た。お目当ての野鳥にはほとんど出会えなかった。 今回も目的は野鳥撮影だった。ネットで見つけた「知林ヶ島マップ」の写真に、島内で見られる野鳥としてヤツガシラが載っていたのだ。 その案内板が設置されたのはかなり昔のようだった。それでも、この島で目撃された…

  • ヤッちゃんに会いにいく

    鹿児島で2回目の春を迎えた。春になるとヤツガシラが渡ってくる。珍鳥ハンターではないけれど、自分が住む南薩エリアが舞台なので無関心ではいられない。 南さつま市笠沙町はヤツガシラの飛来地として有名だ。西端にある野間半島は眺めがよく、昨年春の訪問以来、お気に入りのスポットになっていた。 3月下旬、ヤツガシラとの出会いを求めて野間半島へ向かう。半島の付け根に車を停めて、先端の灯台まで歩いて往復する。 眼下に広がる海を眺めながら、緑に覆われた半島を歩くのは心地よかった。路傍の草むらから飛び立つヤツガシラを目撃した。出会いはそれ1回だけ。結局、ヤツガシラは撮れなかった。 道路脇のスペースに停められている車…

  • D500をOM-1に換えて思うこと

    OM SYSTEMのOM-1とパナライカ100-400を購入してもうすぐ1年になる。野鳥の撮影機材を軽くすることが目的だった。レフ機とミラーレスの比較を交えながら使用した感想を述べてみたい。 2、3カ月は操作に慣れずに苦労した。レフ機からミラーレスへの移行とニコンからOM SYSTEMへのマウント換えが重なって、ある種のカルチャーショックを覚えた。 最初に感じたのは、OM-1は操作が難しいカメラだということ。それまで使っていたNikon D500 + Sigma 100-400/150-600は、重くてゴツいけれどシンプルで明解なシステムだった。 マイクロフォーサーズ(MFT)規格のOM-1は…

  • 「終わりの感覚」を読む

    人間の脳は自分に都合よく過去の記憶を再構築する。そんな話をどこかで読んだ覚えがある。忘れずにいたのは、自分にも思い当たるフシがあったからだろう。 たとえば、母と昔話をすると子供時代の記憶と一致しないことがよくあった。人は皆それぞれのフィクション(物語)を紡いで生きている。何が事実かは重要ではなく、それぞれが持つ記憶がその人間にとっての「真実」なのだろう。 ジュリアン・バーンズの『終わりの感覚』は、この「真実」が脅かされて人生の基盤が揺らぐ男を描いた小説だ。 60代なかばのトニーは穏やかで満ち足りたリタイア生活を送っている。離婚した元妻とは今でも仲がよく、すでに結婚した娘もいる。 知らない弁護士…

  • 「ノマドランド」を観る

    AmazonのPrime Videoで「ノマドランド」を観た。車上生活をしながら仕事を求めて全米を移動する高齢者たちを描いた作品だ。かれらは現代のアメリカを放浪するノマド(遊牧民)にほかならない。 夫を亡くして家を失った60代のファーンもその一人。彼女は最低限の生活道具を積み込んだマイカーで放浪の旅にでる。 仕事はアマゾンの倉庫作業やビーツ(砂糖大根)の収穫など単純な肉体労働だ。そうした労働現場やキャンプ場でさまざまなノマドたちと出会い、絆を深めていく。 車窓を流れる自然の景観が美しい。ピアノの旋律が胸にしみる。主演女優のフランシス・マクドーマンドが圧倒的な存在感を見せる。 この映画で特筆すべ…

  • 探鳥で遭う獣たち

    九州で移住先を探しているとき、北九州市が候補に挙がった。関門海峡を渡ると山口県の下関市だ。Googleマップであちこち見てみると悪くない。条件のよい格安物件があれば山口県でもいいかなと思った。 その選択肢はすぐに立ち消えになった。山口県にはクマがいる。林道を歩いて探鳥することが多い自分にとって、クマは最大の脅威だった。移住先はクマのいない九州に絞ろうと思った。 山中での野鳥撮影には危険が伴う。沖縄で野鳥写真を始めたとき、一番恐れたのはハブだった。実際に目にしたのは16年間で1度だけ。それもほんの一瞬だった。 数年前、沖縄北部のやんばる地域で野犬の出没がニュースになったことがある。探鳥でよく訪れ…

  • ギルドの晩餐会

    確定申告を済ますと春が来る。20年以上続いた春を迎える儀式は、今年から取りやめになった。昨年の収入は年金のみで確定申告が不要になったのだ。 去年の春に廃業届を税務署に出していた。四半世紀にわたる翻訳者人生に幕を下ろしたことになる。意外なことに何の感慨も湧いてこなかった。翻訳の仕事からすでに心が離れていたのだろう。 翻訳は30代後半になってから始めた。分野は情報技術(IT)。コンピュータ関連のマニュアルが多かった。ITに特別関心があったわけではない。仕事量が多く、専門性も高くないから未経験者でも参入しやすい。それがITを選んだ理由だった。 思惑どおり仕事はたくさんあった。その一方で、業務形態は自…

  • オスプレイを撃て

    秋の沖縄は鷹の渡りの季節だ。無数の鷹が翼を広げて上空を旋回しているシーンを見たことがある。その雄大な光景に息を呑んだ。 それでも、撮れた写真は空抜けの腹打ちばかり。海や山を背景に水平か見下ろすアングルで鷹を撮りたい。そう思って候補地を訪ねてみたが、撮影の機会は得られなかった。腹打ちショットをいくら撮っても代わり映えしないので、渡りの鷹への関心は薄れていった。 渡りの鷹とは別に気になる猛禽類がいた。沖縄で野鳥撮影を始めて間もない頃、川岸の高い木に1羽の鷹がとまっているのに気がついた。頭から腹にかけて白い。大きく威厳のある姿。自宅に帰って調べるとミサゴだった(英語名はOsprey)。 それ以来、海…

  • 動物園で鳥獣を撮る

    動物は好きだけど、動物園はあまり好きではなかった。檻に閉じ込められて落ち着きなく歩きまわる動物の姿が不憫だった。きっとストレス溜まりまくりなんだろうなぁと。 緑豊かな動物園は魅力的な野鳥のフィールドでもある。たとえば、鹿児島市の平川動物公園。園内には清流が流れ、両岸は樹木で覆われている。Googleマップのストリートビューを見てこれはイケると思った。 先月初めて訪問し、先週も出かけた。入園料は500円だが、千円で年間パスポートを購入できる。動物園の駐車場を使うと200円かかるので、500m離れた錦江湾公園に停めて歩いている。 園内には世界中のさまざまな動物が展示されており、動物園としての満足度…

  • プロキャプチャー始動

    野鳥撮影での即応性を高めるためにOM-1のカスタマイズに取り組んできた。その一環として、撮影シーンごとの設定をC1~C4のカスタムモードに登録した。 たとえば、C1には地面にいる鳥(ローポジション)、C2には鳥の飛び立ち(プロキャプチャー)、C3には木に留まっている鳥、C4には飛んでいる鳥(高速連写)の設定を登録している。 さらに、C2の設定を[ワンタッチホワイトバランス]ボタンに割り当てて、ファインダーを覗きながら瞬時にプロキャプチャーモードを呼び出せるようにした。 野鳥撮影におけるOM-1の最終兵器。プロキャプチャーをそう位置づけていた。これを使えば野鳥写真の新たな可能性を引き出すことがで…

  • OM-1の新型が出たけれど

    心配していたことが現実となった。AFを強化したファームウェアは提供されずにOM-1のMarkⅡが発表されたのだ。ここ数日、ネット上ではブーイングの嵐が吹き荒れている。ユーザーへの裏切り行為だと糾弾する声もある。 鳥認識AFの問題はファームウェアで改善されるハズ。プロセッサーには余裕があるのだから。そう信じて荒削りなAFには目をつむってOM-1を購入した。ハナシが違うじゃないかと叫びたい気持ちは自分にもある。 その一方で、無い袖は振れないのだなとも思う。開発の資金やリソースが足りてないのだろう。センサーとエンジンを据え置いたMarkⅡではセールスポイントも限られる。AFの機能強化をファームウェア…

  • 病院デビュー 2024

    沖縄から鹿児島に引っ越して1年が過ぎた。移住後のゴタゴタや緊張が収まると、それまで影を潜めていた体の不調が表面化してきた。 たとえば、うずくような奥歯の痛み。飛蚊症も進行している。光視症の症状が出ることもある。大寒を迎えて足指のしもやけも酷くなった。 指宿で病院デビューする日も遠くない。最初に門をたたくのは歯科か眼科かそれとも皮膚科か。候補となる医療機関を早めにピックアップしておかなければ・・・ そんなことを考えていたら、思わぬ伏兵が現れた。突然の腰痛だ。しゃがんだ姿勢で野鳥を撮影し、立ち上がったときに激痛が走った。 翌日以降もさまざまな場面で腰痛に見舞われた。朝、ベッドに腰掛けて靴下をはくと…

  • OM-1のC-AFと向き合う

    OM-1で野鳥を撮っていると、カメラをブン投げたくなるときがある。とまっている鳥にピントが合わないのだ。撮影の状況を検証すると、ピンがこないカラクリがつかめてきた。 とまっている鳥の撮影では最小のAFターゲット(シングル)を使ってC-AFで鳥の目をねらうことが多い。その際、鳥の目や頭にAFターゲットを当てていても、手前に枝や葉があるとそちらにフォーカスが持っていかれてしまう。 鳥認識を使用すると、手前の枝にAFが引っ張られやすいことは聞いていた。実際に自分で使ってみても鳥認識AFの精度はイマイチだと思った。被写体認識とAFの機能が正しく連携していないという印象をもった。 そのため、鳥認識AFを…

  • ニシオジロビタキのいる風景

    ひとくちに野鳥写真といっても何を志向するかは人それぞれ。ざっくり言って、スポーツ派、羽毛解像派、鳥景派の3つに分類できると思う。 スポーツ派は飛ぶ鳥を主な被写体とする。カワセミのダイブが代表例だ。この分野ではカメラのAF性能がモノをいう。 羽毛解像派は野鳥のディテールを克明に再現する。そのため画質を重視し、フルサイズの高画素機を使用する人も多い。 鳥景派は鳥が醸す情景に主眼を置く。野鳥に花を絡めて季節感を出すなど、頭に描いたイメージをカタチにしようとする。スポーツ派や羽毛解像派と比べると、求められるカメラのスペックは高くない。 もちろん、一人で二役、三役をこなすバーダーも多い。自身を振り返って…

  • 死ねばいくらでも眠れる

    今年の冬は暖冬だという。たしかに昼間は暖かい。手間のかかる石油ファンヒーターではなく、エアコンの暖房で済ますことも多くなった。 とはいえ、朝はギンギンに冷える。起床時間の7時はまだ薄暗い。体は金縛りにあったように暖かい布団から出ようとしない。 そんなとき、頭のなかでおまじないの言葉をつぶやく。死ねばいくらでも眠れる。この一言で脳に覚醒のスイッチが入り、金縛りを解かれた手足はもぞもぞと動き出す。 このおまじない、若いときなら効果は薄かっただろう。前期高齢者に分類され、死を意識する年齢となってはじめて効力を持つようになった。 享年82歳。死因は老衰。これが頭に描いた大往生のシナリオだ。これより長生…

  • 語りかけてくる風景

    野鳥撮影では望遠ズームのパナライカ100-400mmを使っている。歩いて鳥を探しながら撮るのに適したレンズだ。 ワイド端はフルサイズ換算200mmなので鳥以外の用途では使えない。そこで、風景撮影のためにリコーのGRⅡを持ち出すようになった。 メイン機材のOM-1+パナライカ100-400を首から下げて、細めのストラップを付けたサブのGRⅡをたすき掛けにする。軽いもの同士なので長距離を歩いても苦にならない。 野鳥写真を始めるまでは、山歩きで目に触れた自然の風物をカメラに収めていた。チョウやトンボなどの昆虫、花や植物、森や沢の風景等々。 今、山歩きの目的は野鳥撮影になった。それでも琴線に触れる風景…

  • そして1年が過ぎた

    昨日は特別な日だった。去年の12月22日、沖縄から鹿児島の指宿へ引っ越したのだ。あれから1年。時はビュンと唸りをあげて過ぎ去った。 見知らぬ土地で家を買う。格安物件とはいえ、人生最大の買い物だ。不安がなかったといえば嘘になる。 それでも、ネットでその物件を見つけたとき、これはマイハウスだと直観した。決め手となったのは、家が小さくて敷地が狭いこと。それでいて軽なら家の前に駐車できる。 一人暮らしに向いたコンパクトな一戸建てを田舎で見つけるのは難しい。空き家バンクを見ると格安の中古物件がいろいろ載っているけれど、無駄に部屋数が多かったり敷地が広かったりする。 さらに2つの好条件が購入に拍車をかけた…

  • 冬の港で撮る鳥は

    冬の鹿児島でぜひ撮りたいと思っていた鳥がいた。海鳥のカツオドリだ。冬になると鹿児島の谷山港でカツオドリの豪快な狩りが見られるという。 シーズン到来だと思って様子を見に行くと、カツオドリの群れが海上を乱舞していた。エキサイティングな光景に心を奪われる。 カツオドリを見るのは初めてだった。かなり大きい。翼を広げて空を舞う姿はカッコイイ。近くで見ると異様な顔立ち。クチバシの根元に目が付いているように見える。 海上を旋回していたカツオドリは、獲物を見つけると急降下して海へダイブする。浮上すると捕らえた魚を飲み込んで飛んでいく。ハンティングは海のあちこちで絶え間なく行われていた。 呆気にとられて眺めてい…

  • グルテン&カゼインフリー事始め

    老化は鈍化。60代半ばを迎えてそう実感するようになった。五感の衰えもそのひとつ。手足をぶつけたときの痛みも一呼吸遅れてやってくる。血が出なくて良かったと喜んでいたら、あとからじんわり滲んできたりする。血のめぐりが悪いのだろう。 その一方で、鈍化が転じて福となることも。若い頃にさんざん苦しめられた過敏性腸症候群(IBS)の症状が治まったのだ。 過敏で扱いにくい腸だった。腹痛を伴う下痢にたびたび襲われた。アルコールやコーヒーといった刺激物が原因で起きることもあったが、食品との因果関係は必ずしもはっきりしなかった。 便意は突然やってくる。もしものときに備えて急行や快速ではなく各駅停車に乗ったりもした…

  • 高感度のボーダーライン

    Nikon D500を野鳥撮影のメイン機として使っていた。D5ゆずりのAFをはじめ、性能面での満足度は高かった。不満点は高感度性能とライブビューのAFくらい。 とはいえ、D500の高感度はAPS-Cとしてはトップクラス。これ以上を求めるならフルサイズしかない。そう考えてNikon D780を購入したのだが、D500のAF性能と望遠効果に太刀打ちできず、野鳥撮影の表舞台からフェードアウトしていった。 D500ではISO感度の上限値を6400に設定していた。暗い山中で撮影することが多いので、手振れしないシャッター速度を確保しようと思えばノイズを許容するしかない。 マイクロフォーサーズのOM-1を導…

  • 持たざる者の拠り所

    この秋、65歳になった。48歳のときに移住した沖縄で16年暮らし、去年移り住んだ指宿での暮らしも1年が過ぎようとしている。思えば遠くへ来たもんだとしみじみ思う。 誕生日の翌日、指宿市の健康診査を受けた。結果は意外だった。コレステロールやHbA1cの値が良くなっている。寒い内地に戻ってカロリー摂取量は増えていた。数値は悪化していると思い込んでいたのだ。 有り難いことに、当地での病院デビューもまだせずに済んでいる。とはいえ、年相応の老化現象はテンコ盛りだ。歯にものが詰まりやすくなったとか、目が悪くなったとか、夜中にトイレに起きるようになったとか。それでも、まずまず健康と言えるのかもしれない。 持た…

  • パナライカ100-400について想うこと

    カメラ「OM-1」については何度か記事にしてきたが、レンズのパナライカ100-400mmについては詳しく触れてこなかった。購入して半年が過ぎ、今では野鳥撮影に欠かせなくなったこのレンズについて想うところを書いてみたい。 カメラやレンズなどの撮影機材を買うときは、価格コムのレビューを参考にしている。パナライカ100-400の評価はかなり割れていた。マイナス点として主に挙げられていたのはズームリングの固さとテレ端の甘さ。星1~2のレビューではとりわけ酷評されていた。 実際に使ってみると、いずれもノープロブレムだった。ズームは200~400mmの間で多少固くなるが、ストレスを感じるほどではない。テレ…

  • 冷や水を浴びる秋

    それは釘を打ちつけるような音だった。近所で家を建てている。最初はそう思った。 夜の遅い時間にもその音は聞こえてきた。大工仕事ではないらしい。何の音でどこから聞こえてくるのか皆目わからない。 数日後、音の出所を突き止めた。我が家の給湯器だった。正確には浴室の乾燥暖房機にも熱源を供給する給湯暖房用熱源機だ。 音源は判明したが音の原因はわからない。20年前の給湯器なので老朽化が原因であることは察しがついた。 給湯器が自分の棺桶にみずから釘を打ちつけている。そんな妄想が湧いてきた。20年も働きづめなのだ。早く楽になりたいと願っても不思議はない。 給湯器の異音に呼応してシャワーのお湯が冷たくなった。浴室…

  • 新たなメイン機の誕生

    気がつくと、野鳥撮影にD500を持ち出さなくなっていた。最後に使ったのは9月28日。10月以降はOM-1ばかり使っている。 OM-1の購入後も林道で野鳥を撮るときはD500を好んで使っていた。せわしなく動く小鳥はOVFのほうが捉えやすく、AFの歩留まりが良かったからだ。 最近では林道の野鳥撮影にもOM-1+パナライカ100-400mmを使うようになった。理由を要約すると次のようになる。 ・OM-1+パナライカ100-400mmはD500+シグマ100-400mmよりも400g以上軽い・シグマ100-400mmのAFが以前よりも遅くなった(購入から6年以上経つので経年劣化?)・OM-1の操作に慣…

  • 在りし日に帰る旅

    先週から今週にかけて東京の実家で過ごした。空き家になって8カ月。ガスは使えないけれど、電気と水道はまだ生きている。押し入れを開けると布団や枕もそのままだった。 実家の売却が決まり、来月には家の整理が始まる。自分に関係する物を確認するのが上京の目的だった。 子供の頃の記憶を呼び覚ますものを持ち帰り、手元に置きたいと思った。家具や電化製品など、かさばるモノは眼中にない。 家族のアルバムを1カ所に集めて並べた。古い順にページをめくる。母の少女時代の写真があった。戦後間もない頃に撮った若々しい両親の写真もある。 そのうち兄が登場し、すこし遅れて自分もアルバムに加わった。父がカメラ好きだったおかげで写真…

  • 沖縄vs鹿児島 野鳥あれこれ

    鹿児島で野鳥撮影を始めて8カ月が過ぎた。昨年まで住んでいた沖縄とは野鳥をめぐる環境が様変わりした。見られなくなった鳥もいれば、新たに被写体となった鳥もいた。 いま振り返ると、沖縄は魅力的な野鳥撮影フィールドだったと改めて思う。沖縄固有種であるヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ホントウアカヒゲの「やんばる3種」はいずれ劣らぬ個性派ぞろい。この土地でしか会えない鳥たちを求めてやんばるの森を渉猟するのは楽しかった。 7月の沖縄は野鳥撮影のトップシーズン。ライトブルーの海でアジサシを撮るか、亜熱帯の森でアカヒゲやノグチゲラを撮るか。夏になると悩ましい選択を迫られた。 移住した鹿児島では鳥枯れの夏が待っていた…

  • 渡りの秋はロマンの季節

    秋は渡りの季節。珍鳥ハンターではないけれど、見知らぬ鳥との予期しない出会いは楽しい。 沖縄に住んでいたとき、地元の林道で迷鳥のミヤマヒタキと出会った。誰もいない山の中で自分だけの宝石を見つけた気分だった。 鹿児島も渡り鳥の話題には事欠かない。薩摩半島の西側は渡りのルートらしい。ネット上にも珍鳥の目撃情報が多く寄せられている。 当然、その西側ルートを目指したくなるのだが、薩摩半島を端から端へ横断することになり、2時間ちかいドライブを強いられる。できれば地元でなんとかしたい。 地元の探鳥フィールドではバーダーをほとんど見かけない。仮に珍鳥が渡ってきていても、バーダーの目に触れなければ目撃情報として…

  • 毎日が旅だから

    日本語教師としてインドへ行った友人のブログをときどき読んでいる。最近の記事では映画館でインド映画を見たことや、イスラム教徒の街で牛肉料理を食べたことが綴られていた。異文化を楽しんでいる様子が写真と文章でリアルに伝わってきた。 20代前半の頃、自分もインドを旅したことがある。ヨーロッパからトルコ、イラン、パキスタンを経てインドまで数カ月かけてたどり着いた。 長旅で消耗した体にインドの旅はきつかった。衛生状態が悪くて毎日のように下痢をした。外国人とみて法外な値段をふっかけてくる客引きにキレそうになった。 その一方で、思わず息を呑むような美しい光景や心に響く情景もたくさん目にした。街中に牛や猿があた…

  • OM-1のライバル出現

    今年の5月にOMDSのOM-1を購入し、野鳥撮影で使っている。初めて体験するマイクロフォーサーズ(MFT)であり、初めて使用するミラーレスのカメラだった。 だいぶ慣れてはきたけれど、まだ十分に使いこなしているとはいえない。OVFに馴染んだ眼にEVFは違和感がある。鳥認識AFもイマイチ信用がおけない。 それでも軽さは正義だ。OM-1+パナライカ100-400mmを使ったあとにD500+シグマ100-400mmを使うと重く感じる。マイクロフォーサーズを一度使うと、コンパクトで軽い機材の虜になり、後戻りできなくなる。 高感度やダイナミックレンジなど、心配していた画質面も個人的には許容範囲だった。高感…

  • スカスカの街が好き

    先週、兄からメールが届いた。東京の実家を売りに出すという。東京に戻る気がないことを最終的に確認するメールだった。 築50年と古いけれど、実家の状態は悪くなかった。大規模なリフォームを2回施し、今年の1月まで母が住んでいた。 間取りは4DK。一人暮らしには十分過ぎる広さだ。床暖房があるので冬でも暖かい。隙間風が入る自宅よりもはるかに快適な環境だった。 イトーヨーカドーにも歩いて行ける。最寄り駅まで徒歩6分。近くにはカワセミが棲むきれいな川も流れている。 子供の頃から20年近く住んだ家だった。無くなるのは正直さみしい。だからといって、今さら東京に住みたいとは思わない。 上京するたびに人の多さにゲン…

  • 朝の渚で待つ鳥は

    海で野鳥を撮るときは潮見表が欠かせない。今週は朝が干潮なのを知り、撮影のチャンスだと思った。 満潮だと砂浜が狭くなり、散乱する漂着ゴミに鳥が埋もれてしまう。野鳥は撮れてもごちゃごちゃしたウルサイ写真になる。 干潮になると砂浜は広がり、エサを求めて鳥は波打ち際を歩くようになる。波で洗われる波打ち際はきれいだ。 波打ち際を歩くシロチドリを低い位置で撮りたいと思った。Nikon D500のチルト液晶はAFが遅いので、地面にいる鳥をローポジションで撮るのは大変だ。動作がもっさりしたムナグロならイケるけど、ちょこまか動くハクセキレイは厳しいみたいな・・・ ミラーレスのOM-1を購入したことで、長年の課題…

  • 南薩ドライバーズハイ

    ドライブが趣味。というわけではないけれど、眺めのよい道を走るのは好きだ。野鳥撮影でいろいろな場所を車でまわるのは楽しい。 もともと車はあまり好きではなかった。20代のときに合宿で免許はとったけれど、ずっとペーパードライバーだった。 マイカーを持ったのは49歳のとき。沖縄移住がきっかけだった。それ以来、車は生活に欠かせないパートナーとなった。 買い物が車ありきのスタイルに変わった。イオンで1週間分の食料をまとめて買う。ふとんやブロックなど、かさばるものや重いものも車で運ぶようになった。 マイカーは趣味でも大活躍。車のルーフにカヤックを積んで海まで運んだり、シェルターの代わりにして車内からヤンバル…

  • シロチドリが群れる浜

    猛暑と鳥枯れで野鳥撮影からしばらく遠ざかっていた。再開したのは先週の日曜日。シギチを求めて朝の水田地帯を歩いた。本命にはフラれたけれど、セッカをたくさん撮ることができた。 これを機に衰えていた野鳥熱が息を吹き返した。早朝ならそれほど暑くないし、朝日を浴びて緑のフィールドを歩くのは気持ちがよい。 今週に入ると、海で野鳥を撮るようになった。近所の浜辺にシロチドリの群れを見つけたのだ。全部で5羽の群れだった。 5月頃、その浜辺で営巣中と思われるシロチドリを見かけた。その雛たちが無事に成長した姿かもしれない。そう考えると気持ちが和んだ。 海辺で見かけるシギ類は警戒心がつよい。人を見ると飛び去ることが多…

  • 出費がとまらない

    一戸建てを買えば家賃の支払いから解放される。そう考えて、築50年の中古物件を買って鹿児島に移り住んだ。それから8カ月。家賃分は節約できているはずなのに、毎月の出費に歯止めがかからない。 移転先で新たな生活を始める。いろいろ物入りになることはわかっていた。ウッドカーペットやカーテン、ダイニングテーブルなどの家具調度品を買う必要があった。 鍵の交換や古い浄化槽ブロアの買い替えもしなければならない。1月には車検もあり、タイヤ交換を含めて計13万の出費を余儀なくされた。 必要な家財道具があらかた揃い、ローコストの生活がやっと始まると思ったら、思わぬトラブルに見舞われた。車を停めるときにアクセルとブレー…

  • 嵐が去った翌日は

    台風が通過した翌朝、雨戸を開けようとした。が、雨戸錠がロックされたまま動かない。潤滑剤のKURE 5-56を吹き付けてやっと開けることができた。 日差しが目にまぶしい。外に出て車と家の周りをチェックする。ざっと見た感じでは、被害はなさそうだった。やれやれと安堵の息を漏らす。 心配していた雨漏りは起きなかった。強風で家はミシミシと軋んだけれど、身の危険を感じるほどではなかった。短い停電は何度か起きたのだが、いずれも数分で回復した。 築50年の粗末な家だが想像したほどヤワではない。それが率直な感想だった。今回の台風は自宅の耐久性をためす試金石となった。最初の関門はクリアしたらしい。 夕方、近くの山…

  • カーヌンの向かう先

    パソコンを起動するたびに「台風情報」をチェックする。ここ数日の習慣になっていた。2度にわたって沖縄を襲った台風6号(カーヌン)は、8月7日以降どこへ向かうのか。 進路の予想円を見るたびに気分が重くなっていった。北東から北西へジワジワと向きを変えている。最新の予報図によると、鹿児島県のどこかに上陸するらしい。 鹿児島に引っ越して初めて迎える台風だった。沖縄に16年住んでいたので台風には慣れている。今回のカーヌンのようなパワフルな台風も経験済みだった。 とはいえ、沖縄の自宅アパートは鉄筋コンクリート。サッシ窓には網入りガラスが入っていた。部屋から出なければ身の危険を感じることはほとんどなかった。 …

  • マイハウス マイラブ

    7月もあとわずかだ。今月は野鳥を撮りに行ってない。連日の猛暑で外出する気になれなかった。鳥枯れの季節なので、これといった被写体も思い浮かばない。 去年の夏、沖縄ではヤンバルクイナとアジサシを撮っていた。沖縄に鳥枯れの季節はない。その地の利を自ら放棄した。もったいないことをしたと今になって思う。 気持ちを切り替えることにした。鳥枯れ上等。この機に乗じて家の問題を片付けるのだ。懸案だったふすまの張り替えに挑むことにした。 Amazonのレビューを参考にしてシールタイプのふすま紙を購入する。ふすまを立てて重力を活かして貼る方法がYouTubeで紹介されていた。このやり方でまずまずキレイに貼ることがで…

  • ドナドナされた機材たち

    OMDSのOM-1とパナライカの100-400mmを購入するために、手持ちの撮影機材を処分した。手放したカメラとレンズは以下のとおり。 カメラ:Nikon D780、Nikon D500レンズ:NIKKOR 200-500mm、NIKKOR 300mm f/4E、TELECONVERTER TC-14E III マップカメラですべて売却。買取総額が40万ほどになったので、わずかな追い金で新しいカメラとレンズを買うことができた。 撮影機材をすべて入れ替えたわけではない。野鳥撮影のメイン機だったNikon D5001台とシグマの望遠ズーム2本(100-400mm、150-600mm)は手元に残した…

  • コロナが明けて会う人は

    先週、久しぶりに上京した。日本語教師としてインドへ行く友人の壮行会に出るのが目的だった。コロナもだいぶ落ち着いたので、しばらく会っていない友人たちとも再会したい。コロナで断ち切られた人との関係を結び直したいと思った。 ・7/7(金)夕方、新宿区のマンションを訪ねる。30数年前に編集のアルバイトで知り合った。当時はバイトと社員だった2人が夫妻として迎えてくれる。4年ぶりの再会。 沖縄のちんすこうに代わって鹿児島のマドレーヌを手渡す。部屋の様子は昔のままだけど、夫はベランダでタバコを吸うようになっていた。 酒がまわるにつれて、互いの近況報告から映画や写真、社会情勢へと話は広がっていく。これまで持参…

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