72候では11月2日から6日までは「もみじつたきばむ」候なのだそうです。知りませんでした。そういえば、近所の紅葉が一気に黄葉してきました。季節外れという言葉を何度聞くことでしょう。11月に真夏日ですよ。11月に台風ですよ。師湘子に聴きたいですよね。こんな時期はずれに句を詠むのはどうすれば良いのかと。そこで一句。青空に暑いといえど影は秋夕金魚楓蔦黄もみじつたきばむで一句
72候では11月2日から6日までは「もみじつたきばむ」候なのだそうです。知りませんでした。そういえば、近所の紅葉が一気に黄葉してきました。季節外れという言葉を何度聞くことでしょう。11月に真夏日ですよ。11月に台風ですよ。師湘子に聴きたいですよね。こんな時期はずれに句を詠むのはどうすれば良いのかと。そこで一句。青空に暑いといえど影は秋夕金魚楓蔦黄もみじつたきばむで一句
師の教えをもう一度読み直しています。才能があるかないかは、一日一句を3年続けてから、考えろというものですけど、3年は長くありませんか。なんとか、1年続けてからです。あまりに兼題にこだわって作るのも正直お疲れです。おじさん、疲れちゃって。自分のために詠む。日記代わりに一句でいいではないか。あまりに評価されない、負け惜しみかな。それで一句、文化の日。朝霧に師の教え請う文化の日夕金魚それでも寝酒も考えていたのです。いつの日かそれが今日とは寝酒飲む二人ならここに幸あり寝酒かな夕金魚でどうでしょう。文化の日で一句
季語「寝酒」寒い夜、身体を温めるため就寝前に飲む少量の酒。ほのぼのとした酔いが寝つきをよくしてくれる。少量のお酒ですよ。酔っ払うほどの量じゃないって、無理かも。例句としてふたたびの寝酒にかへす白枕山口草堂いやなことばかりの日なる寝酒かな草間時彦そこで一句黙々と手酌一杯寝酒かな寝酒飲みついつい深く飲みにけり寝酒などいらぬ背中が寂しくて夕金魚一人で手酌で飲む寝酒なんて、味気ないですよね。寝酒がついつい深酒に、なんて酒飲みのあるあるです。「背中が寒い」とすると季語になりそうです。なんか色々考えてて、今回はダメですね。夕金魚風に一句眠られぬ寝息肴に寝酒かな後悔はあの日の寝酒子だくさん夕金魚なんてね。本日調子悪し、寝酒飲もう。一句一遊兼題「寝酒」
季語「霜夜」は霜の降りる寒い夜のこと。良く晴れて風の無い夜は霜が降りやすい。身を切るような夜更け庭や道にうっすらと霜が降りて白くひかる。例句として霜夜読む洋書大きな花文字より田川飛旅子不忍の鴨寝静まる霜夜かな正岡子規霜夜、冷たい夜ということですよね。そこで一句かたちなき物のうえにも降る霜夜「かたちなき物」っていいでしょ。勉強中に見た句の言葉です。「かたちなき物」それは魂かとか解説してあったような。霜って降るのですか?違うような。そこで推敲かたちなき物のうえにも霜夜かな降るを止めて「かな」の切れ字にしました。もう一句静寂に無音という音霜夜かな静寂の中にも無音という音があるという説明ですね。推敲して、静けさが耳にうるさい霜夜かな静かすぎるとシーンという音が聞こえてきませんか。金魚は時々聞こえてきて、人は耳鳴り...一句一遊兼題「霜夜」
季語「冬暖か」は冬のさなかの暖かい日のこと。つめたい風も吹かない穏やかな日和。冬の恵まれた一日である。【子季語】冬ぬくし、暖冬例句として冬ぬくく地の意にかなひ水移る飯田蛇笏冬ぬくし海をいだいて三百戸長谷川素逝暖冬や砂丘をのぼる身の重さ秋元不死男校庭の柵にぬけみち冬あたたか上田五千石山々に坂が寝そべり冬ぬくし佐藤和枝茶畑の丘まろやかに冬ぬくし道山昭爾イメージが湧かなくて、だけど一句。好きだけど冬あたたかいだけではね夕金魚冬ってやっぱり寒いのが本意。寒い中に一日だけ、暖かい日があるから感動するのだけど、毎日が暖かいのでは、春か夏でしょう。もう一句。逝く道や冬暖かくご婦人といつか逝く道ならば冬の暖かい日に、ご婦人と道連れに。本音ですけど、ちょっとカッコつけて一句。逝くならば冬暖かく一句詠み夕金魚冬の暖かい日に一...俳句ポスト兼題「冬暖か」
兼題「双六」を考えてます。で一句です。上がるとは人生双六外れること夕金魚上がりを目指すのですけど、上がってからは、何をするのでしょうか。人生も上がってしまうとすることがないのでしょうね。すごろくの上がりのように逝かれけり角野良生という句もあります。絵双六囲む十二の膝頭鷹羽狩行双六は大勢でするものです。膝頭が十二と言うことは六人で囲んでいるのです。金魚も一番家族が多いときは、十人でした。金魚の父母。それに金魚の家族が四人。金魚の兄貴の家族が四人。兄弟の中は良くは無かったけれど、親が生きている間は実家に集まりました。いい大人が、賽子転がして懸賞付けて双六遊び。母が一番に上がったときは、手を叩いて喜んだのです。父が一番の時は、私達をだらしないと笑って言ったものです。私が一番だと兄貴が私を拳骨で小突くんです。次男...NHK俳句兼題「双六」2
季語「双六」正月の室内遊戯の一つ。盤双六と絵双六があるが江戸時代からは絵双六が一般的となった。絵双六は、サイコロのでた目の数だけ駒を進めて、先に上がった方の勝ちというもの。江戸初期から行われていたという。昔は雑誌の新年号の付録などに付いてたりしました。知ってますかね、双六。ゲームボードのようなものです。東海道双六とか、出世双六とかありました。今の人生ゲームも双六の一種でしょうか。ただ双六には、上がりがあるのですけど、人生ゲームは大金持ちになるとかで上がりというマス目はないようです。例句として一番に上りてさみし絵双六内田美紗人の世に振出しありぬ絵双六冨田みのる双六の賽振り奥の細道へ水原秋櫻子そこで一句双六は使わないけど捨てられぬ昔使った双六が断捨離できないのです。双六に、家族の笑いが見えたのです。昔は正月に...NHK俳句兼題「双六」
兼題「初鏡」を考えています。心いまだ燃ゆるものあり初鏡鈴木真砂女真砂女の句は「女」感じさせますね。そこで一句。勝ち負けは男の世界初鏡女の世界にも勝ち負けはあると思うのですけど、男の勝ち負けとはサイクルが違うみたいです。金魚がまだお勤めしていた頃、寿退社した女子社員が赤ちゃんを連れてきたのです。退社した女子社員とライバル関係にあった人が赤ちゃん見て、凄くうらやましそうにしていました。金魚から見たら、出世争いに負けた人が、結婚したという風に見えたのですけど、女の方は違うみたいです。出世より赤ちゃんの方が女の世界では、勝っているみたいです。育児でお洒落もできない彼女を羨ましそうに見ているので、「羨ましいですか」と聞いてみたのです。「当たり前でしょ。赤ちゃんに苦労している姿、見せつけにくるなんて趣味悪いわ」と言っ...NHK俳句兼題「初鏡」2
兼題が「初鏡」です。新年、初めて鏡に向って化粧をすること。また、その鏡をいう。初化粧。もう新年の季語ですよ。俳句公募とかにも、新聞紙等が新年の特別号用の俳句を公募し始めています。でも、うーーん新年ですか。頑張ってみます。例句として初鏡逃げも隠れもできぬ顔林十九楼唇を舐め消す紅や初鏡杉田久女女の句が多いのですが、男を詠んだ句もあります。今更の男ぶりかよ初鏡牛山一庭人金魚は化粧なんてしないから、とはいえ兼題なのでそこで一句。同じだと思いつつも初鏡まだまだともうが乱れる初鏡夕金魚女の方だと、鏡って毎日見るものなのでしょう。いつも見ている顔なのに、いつの間にか変わっていく。今変わったなんて分かるのでしょうか。分かるのなら、直せば良いのになんて金魚は思うのですけど。まだまだイケテルと思う心と、もうダメかもと思う心が...NHK俳句兼題「初鏡」
本日紹介する句老いることやうやく楽し冬日向坂本謙二「良弁杉」松山在住の作者。句集名は東大寺二月堂開山の良弁さんが植えた杉にちなむ。作者とて老いに悩んだ事も嫌ったこともあったろう。が、長生きを楽しむことを悟った老いの知恵。と宮坂は評する。金魚も老いました。最近つくづく老いを感じることが多くなって、上記のような句を好むようになっています。同じような句として、いちまいの落葉枯葉になる途中田中青志という句も落葉よりも枯葉の時間は長い。落ちたばかりの葉は鮮やかでみずみずしく枝から地上に住処を移したときめきに弾んでいる。雨に打たれ、霜を浴び、風に叩かれて落ち葉が地上に馴染んでくると当初の覇気(葉気)がなくなる。生きる真髄はこれからではないかと、宮坂は評してます。でもねと、金魚は思う。樹の上で見た世界と、地上で見る世界...俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生老いること
俳句生活で「人」に入選できたので、この勢いでNHKにもなんとか入選してみたいです。頑張ってみたのですけど、頑張ってなんとかできる者ものでもないのですよね。それでも、そろそろ投句締め切りが11月2日なので、「湯豆腐」に投句しようと思ってます。湯豆腐や小踊りするや夜の酌玉村豊男湯豆腐は手間がかからなくて温まるうれしい鍋料理。豆腐が煮えてきて鍋の表面に浮いてくる寸前を掬って食べる、それがいちばんおいしいと言われる。「小踊りする」のだから、まさに掬って食べるタイミングを言っている。表面で踊り狂うようになってしまっては、もはやいけません。掲出句は湯豆腐を囲んでいる面々の話題も楽しくはずんでいる様子まで感じさせてくれる。「小踊り」で決まった句である。古くは「酌は髱(たぼ)」と言われたけれど、ご婦人に限らず誰の酌である...NHK兼題「湯豆腐」2
俳句生活8月兼題「墓参」の結果報告。墓参嫁に聞かれぬように愚痴夕金魚「人」に選句いやぁ、選考外だと思っていたのですけど、なんと「人」に選句されていました。「人」だと一応入選です。数が多くて、一生懸命探したのですけど、見つからなくて選考外だと思っていたのですけど、良く似た句がありますよと教えられました。俳句生活の入選句俳号順になっています。しらなくて、最初から探したのですけど句が多くて見つかりませんでした。応募するときは俳号「夕金魚」を使ってないので、良く似た句と教えてくれた人ありがとうございます。ちょっと、と言うか跳び上がるほどうれしい。プレバトで「才能あり」と評価されたような気がします。俳句生活「墓参」結果報告
本日紹介する句枯山に鳥突き当たる夢の後藤田湘子1976年冬山の裸木ばかりの枯山。そこに夜明けに大きな鳥がぶつかる。そんな音を聴いた。夢から覚めた直後かもであった。あるいはその音に夢が破られたのかもしれない。なにかもやもやしたものが吹っ切れた感じ。そんな内心の自信がついた思いを表現したものかと宮坂は評する。いいや、金魚は違うと思う。枯れ木ばかりの枯れ山。凡句・類想・選句外ばかりの枯れ山。山を越えられると夢見た鳥が、山の高さに途中でぶつかって、ただひたすらに山を見上げている。夢見た後の挫折です。今の金魚の状態。師も同じだったのかと思うのです。現在勉強中俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生枯山に
兼題「秋の暮れ」です。季語「秋の暮れ」は秋の夕暮れ。枕草子で秋は夕暮れと賞賛されている。秋の日は釣瓶落としと言われるように束の間の夕暮れにあわれを感じます。例句として日のくれと子供が言ひて秋の暮れ高浜虚子1000句を楽しむの中にも、物言えば耳に聞こえて秋の暮れ和田悟朗自分の話す音を自分の耳で聞く。聞くことによって、次の音声を相手に分かりやすく理解されるように話すことができる。ところが、秋の暮れと置かれるとこれはひとりごとかなと思う。呟く。大方老いの繰りごとかと宮坂は評する。そこで一句。秋の暮れ戻らぬ妻をひとり待つ秋の暮れ帰らぬ妻をひとり待つ夕金魚出かけた妻をひとりで待っている秋の夕暮れです。戻らぬ妻と書くとなんだか家出した妻を待っているようで、帰らぬ妻と書くと今度は亡くなった妻を待っているようです。家出妻...俳句生活「秋の暮れ」
兼題「冬麗」を考えてます。残暑厳しい中、「冬麗」考えるって結構難しい。小川軽舟氏「名句水先案内」で秋の名句が最近見つからないと嘆いていました。特に「紅葉」の句が無いと言うのです。そういえば宮坂静生氏の「1000句を楽しむ」でも「紅葉」の句ないです。最近は「秋」がないとも言われてますので、難しいのかも。人生のおまけといへる冬支度榎本とし「1000句を楽しむ」の中にありました。そういえば北陸・金沢では厳冬期にフッと現れる暖かい日「冬麗」を「儲けもの日」と言っていました。そこで一句冬麗や今日は一日儲けもの夕金魚厳冬期に突然現れる「麗かな日」には奇跡的です。こんな奇跡的な日には「奇跡」が現れるかも。そこで一句冬麗や優しきつまに会えるかも夕金魚つまは「妻」か「夫」かいずれかでもいいので。気温は低いが日差しが温かい。...NHK俳句兼題「冬麗」2
季語「牡丹焚火」をしらなくて歳時記で調べてみました。ところが金魚の持っている歳時記には、記載が無くてネットで調べることに。ネットの歳時記には、花の終った牡丹の枯れ枝を持ち寄って、感謝と供養のために焚くこと。福島県須賀川市の牡丹園では、牡丹の古木に赤松を混ぜて焚く。環境省の「かおり風景100選」にも入っている。とのことでした。この須賀川市の牡丹園が有名なようです。写真やら、何やら調べてそこで一句。牡丹焚ローズジャスミンうなじ白夕金魚牡丹焚は香を楽しむようなので、香の句です。大勢の人混みの中で焚火を見ていたら、ローズジャスミンの香りが、前を見るとうなじの白い人がいますと言う景。もちろん、白いうなじなのでご婦人。「白うなじ」も考えましたが、白鰻と似てると思って止めました。続いて一句牡丹焚炎一条つまに似て夕金魚焚...一句一遊兼題「牡丹焚火」
本日紹介する句芭蕉忌の反りそれぞれに松の幹鍵和田秞子「武蔵野」芭蕉忌は陰暦10月12日芭蕉は大阪へ新旧弟子の争いの仲裁に行って亡くなったのです。その死の床に侍る者達の心中も様々。それが即、師匠の跡目争いになります。まっすぐな幹の去来や杉風、太く曲がった其角や枝考、折れ曲がりそうな丈草。俳文学者である作者の古典諷詠でもあると宮坂は評しています。最近読んだ岸本尚毅氏の「俳句講座季語と定型を極める」の中に忌日季語についての記述がありました。忌日季語には音数の違う傍題があるとか、「の」をプラスして詠むこともできるそうです。例句として虚子の忌の大浴場を泳ぐなり辻桃子古い例として類題発句明治撰十冬の部に時雨ねば成らぬ空なり翁の忌(翁の忌は芭蕉忌)があります。但し、芥川龍之介の忌日「河童忌7月24日」のようなのには使え...俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生忌日を詠む
季語「湯豆腐」は三冬生活です。この句には有名な例句があります。湯豆腐やいのちのはてのうすあかり久保田万太郎この句意は、湯豆腐の湯気のように人生とははかないものである。そして、いのちが燃え尽きる時に見えるであろう「死後の世界のうすあかり」が自分を待っていると詠んでいるのでしょうか。いずれにしても、この例句があるとなかなか類想から離れられなくなります。私語、死後、死語というのもちょっと。湯豆腐には他にも良い句があります。金魚が好きなのは。湯豆腐や男の嘆き聞くことも鈴木真砂女銀座小料理屋の女将さんです。羅や人悲しませる恋をして鈴木真砂女が代表句といわれてます。男の嘆きも愛憎問題、真砂女の相槌だけでも、箴言になったかも。こんな時の食べ物は、やっばり湯豆腐。そこで一句。湯豆腐や愚痴も嘆きもつまのこともういやと湯豆腐...NHK俳句兼題「湯豆腐」
冬麗(ふゆうらら・とうれい)春の「麗か」を思わせる冬の好天のこと。「小春日和」が初冬の季語に対して、寒さが厳しくなってから使われる厳冬の季語例句として冬麗の富士の位をこころざす石島岳「富士の位」とは志の高さであろうかと。厳冬の季語として「氷晶/氷塵/氷霧/細氷/霧雪」が思い浮かびます。これはダイヤモンドダストと呼ばれる現象。ダイヤモンドダストはやはり晴れた日でないとできないので、そんな日を思い浮かべると良いのかも。そこで一句冬うららヒマラヤ颪の風が吹くダイヤモンドダストと聞くと金魚は冬山を思い浮かべるのです。冬山の息も凍る空気感なのです。冬うらら高山病の空気かな気持ち的には高山病の空気な感じなのですけど、やっぱり「病」と言う文字が「詩」的に思えませんね。冬麗や空気おのずと裏返る空気がちょっと、別の言い方無...NHK俳句兼題「冬麗」
1000句を楽しむより金魚なりに名句選んでとして紹介します。枯れ木立つ枯れ切って立つほこらかに黒田杏子2011年「日光月光」所収冬枯、春に芽生え、夏に繁り、秋に紅葉し、冬を迎える。冬の枯れ木にはそれまでの季節の思い出がいっぱいある。新たな冬に感謝、、そんな作品と宮坂氏は評する。金魚もこの句、好きです。黒田杏子は夏木いつきの師匠です。黒田杏子は山口青邨(せいそん)に師事。博報堂に勤めていた1982年、第一句集「木の椅子」で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞を受賞し「キャリアウーマンの俳人」として注目。全国の桜の名所で句を作り「桜の俳人」と呼ばれた。東京新聞の平和の俳句の選句者に黒田氏と夏井氏が選ばれて、夏井さんに「師匠との選句の心境は」と水を向けると、黒田さんはすぐさま「私は師匠じゃないわよ」と打ち消した。一般...俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生枯れ木立つ
俳句を詠むとは、日常の事象に定義を与え、楽しむようなものである。詠み手が好きなように詠み手の詞で名付ければ良い。そして、詠み手以外の誰かが詠み手の定義を読んで楽しさを共感してもらえるならば、楽しさはいっそう膨らむ。この「定義あそび」が俳句の楽しさであると宮坂氏はいう。俳句の鑑賞とは、俳句の読み手がその人流に共感した道筋を語りながら、さらなる読み手を誘うようなものではないか。楽しさを共有する者が増えることは、それ自体楽しいことではないかと言う。金魚もこの意見に賛同して、共感する方が増えることを願ってこのブログを書いてます。前回からNHK俳句兼題「聖夜」を読んでます。1000句を楽しむ中にも「聖夜」を詠んだものがあります。久々に妻に聖夜の予約席小島健妻へが良いと宮坂は評するが、金魚はちょっと。別に妻に限定する...俳句必携100句を楽しむ宮坂静生
岸本葉子氏の「季語と俳句」を読んでいます。「灯火親しむ」という季語があります。灯火親しむ四人の食器片付けて岸本葉子「四人の食器」は家族とも仲間と考えてもいいと。すべきことを終えて一日のしまいの方で、やっと本を読んだり日記を付けたりの時間が持てる。役割から解放された一人の時間。雑事に埋もれそうな日々だから束の間の読み書きの時間がかけがえのないものとなる。いずれ誰もがひとりになる。本は時空を超えて様々な人と対話できる。自分との対話にもなる。来るべきひとりの人生のためにも、秋の夜長を機に読み書きの習慣を持ちたいという。そう、本は時空を超えて著者と対話できる。著者に邪な気持ちを持とうが、何を想像しても許される時間なのだ。心密かに、岸本さんと俳句デートを勝手にしていても、本を読んでいる時には許されるのだと、勝手に思...岸本葉子「季語と俳句」2
岸本葉子氏の「俳句の学び方」からずっとこの方の本を勉強中です。「俳句で夜遊び覚えました」とか、危ない題の本もあります。句集「つちふる」と言う本も出してます。立派な俳人。元々エッセーの作家の方なので読みやすい本です。正直ちょっと息抜きの面もあります。この本に「二階へと無月の客を通しけり」という句があります。俳人に「あいにくの雨はない」と言う詞があります。花見を考えていたが、あいにく雨が降ってきた時の詞です。晴れの日の花見も良いが、雨の日の花見も一興と言うことです。それが「月」にもあてはまるというのです。雲に隠れて見えない月、それが「無月」。雨天の時は「雨月」というのです。見えない月を楽しむなんて、考えたことが無くてちょっと楽しい。岸本氏の句に刺激されて、そこで一句。予約して待ち人楽しむ無月なり待つことも楽し...岸本葉子「季語と俳句」
兼題「聖夜」を考えています。金魚の時代はクリスマスの思い出と言えば、クリスマスの時だけホールケーキを切り分けて食べた思い出ですね。クリスマス以外には、ホールケーキなんて食べなかったです。兄弟で喧嘩して、食べた思い出。そんなときもあったのです。そこで一句。喧嘩して取り合うケーキ聖夜かな夕金魚そんな思い出もありますが、やっばりデートの思い出です。金魚には、そんな思い出がないので、妄想句です。それでも一句。クリスマス火を消す息顔に受けクリスマスそっと息吹く口丸しクリスマス眼に優しきは髪の艶夕金魚クリスマスケーキの蝋燭を吹き消す二人の様子です。分かりますかねぇ。情景の説明省略。でも「詩」が感じられないですね。夕金魚風には、哀感が欲しいです。そこでもう一句。聖夜にて溶けたサンタがお出迎えクリスマス溶けたサンタが待っ...NHK俳句兼題「聖夜」2
NHK俳句の兼題「聖夜」です。季語「聖夜」仲冬で行事です。「聖夜」は25日がキリストの誕生を記念した祝祭日で聖樹(クリスマスツリー)に飾り付けをし、聖菓(ケーキ)を食べる。その前夜を聖夜(クリスマスイブ)と呼ぶ。「聖夜」クリスマスイブの事なのです。この時期、クリスマスの句を詠むのはちょっと大変。「秋風」とかでしたら、今でもなんとかできますけど、流石にクリスマスを詠むのは、気持ちが乗らないというか。例句として下記があります。子の髪のつややかメリークリスマス林誠司金魚ならこう詠んでみます。子の髪に天使の輪が付くクリスマス夕金魚推敲して天使の輪子の髪に輝くクリスマス夕金魚てな感じです。そこで一句。門扉締め帽子に白髪聖夜かな夕金魚会社の門扉を閉めている警備員の姿です。制帽から白髪が見えています。聖夜の夜も仕事の風...NHK俳句兼題「聖夜」
俳人として名を上げた物同士が結ばれる例は多くないようです。田島和生の俳句有情に二人の事が書かれています。気持ちが句作として残っているところが、参考になるかなと。二人の結婚式は昭和21年11月。綾子は再婚で、前夫は病死している。欽一28歳・綾子40歳の年上女房でした。鶏頭を三尺離れもの思ふ綾子結婚する前年の句。自注で「鶏頭と自分との距離が三尺だと思ったときに何もかもが急にはっきりするように感じた」と書く。「もの思ふ」が結婚のことだと考えると句の世界が狭くなると田島は書くが、結婚というものを少し離れて見る女の考えが見えるようで、金魚は面白いと思います。この鶏頭句碑は金沢市尾山神社境内にたっているそうです。トランクに柿つめ加賀の金沢へ欽一綾子が丹波の柿をトランク一杯に詰めて来る。戦後の食料事情などが感じられる。...俳人夫妻・沢木欽一・細見綾子
俳句勉強中で、ただ今読んでいる本が「田島和生俳句有情」です。田島は石川県の俳人です。沢木欽一主宰の「雉」の同人です。著作出版時は滋賀県在住の方です。この方が、俳句の選句の方針を書かれています。1句意が明確であること。句意が読んで分からない句は採用できない。2写生が即物具象であること。理屈の観念句は採用しない。3定型・季語・韻文であること。句意が新鮮、独創的ということも念頭に置かれるそうです。虚子が「撰は創作なり」と言って「鶏頭の十四五本もありぬべし」を子規句集に収めなかったことを、山本謙吉が「驚くべき頑迷な拒否」と非難しているが、これも虚子の創作だろうと述べている。また著者は公募俳句についても、選者の師系や好みを知ることが、特選に選ばれるには必要かもと書いている。但し、自らの俳句姿勢が確立していたら、誰も...「俳句有情」選句は創作
「息白」を考えています。母に嘘ついた朝の息白し夕金魚寒い朝、朝帰りの娘が母に嘘ついてるのです。男からの帰りだけど、女の友達の家に泊まったという嘘。嘘ついても息は白いのです。息白く口で息して喉渇く夕金魚鼻から息を出さないようにしていると、喉がカラカラに。息白し夫SLのいつもマネ機関車のマネしていたね息白し息白し鏡見つめてシューポッポ夕金魚上の句は夫が寒い朝には機関車のマネをしていたという思い出です。機関車のマネしていたね」の「いた」の過去形に「ね」に注目して欲しい。息が白くなる日には、いつも機関車のマネをして朝から騒がしかったのです。口を上に向けて、蒸気機関車のマネをして、シューポッポと騒いでいた夫。もういないのです。今日は息が白いから、私も鏡にむかってシューポッポ。次の一句網代笠念仏僧の息白し足に泥網代笠...NHK兼題「息白」2
兼題「息白」三冬です。冬の朝、気温が低く吐く息が白く立ち上ること。息の中の水蒸気が、冷気に触れて水滴となり、白く見えることです。例句として白息を掌にかけて今日始まりぬ石田波郷朝若し馬の鼻息二本白し西東三鬼動物でも良いのですけど、動物を詠んだ句は少ないようです。そこで一句偽りを並べ言い訳息白し胸の前小さく手を振り息白し振り返り大きく手を振り息白しおはようの文字書けるかも息白し夕金魚さようなら決意の朝の息白し夕金魚サヨナラというのですから、別れを決意したのでしょうか。人間になりますね。見えるなら虫の息も白いかなちょっと不自然かな。でも、もう少し考えてみます。NHK俳句兼題「息白」
「星月夜」を考えています。高浜虚子や藤田湘子もみんな星になっているのかも。そこで一句。見上げれば虚子や湘子の星月夜夕金魚星月夜支える大樹我支え夕金魚多くの星が光る空を支える大樹があるのです。その大樹を小さな私が支えているのです。俳句の世界も私のような素人が支えるから、輝くのです。気持ちだけちょっといいかも。雅語や歌語言葉の空へ星月夜夕金魚がごやかごことばのそらにほしづくよ雅語とは、伝統的でみやびやかなことば。上品なことばであれば雅語といい、「雅言」ともいう。日常の話しことば「俗語」に対して用いられ、おもに文章で用いる言葉です。歌語とは、和歌に用いられる言葉や表現。「鶴つる」を「たず」と表現する類。現在は昔の俗語さえも上品と言われ、外来語や省略語が流行って、優雅な言葉は死語となって星として光だけ。なんてね。...俳句ポスト兼題「星月夜」2
九月の兼題は「星月夜」です。「星月夜」は三秋です。よく晴れて澄んだ秋の空は天の川を初め星が美しく眺められる。特に新月の頃は、満天の星が輝き星明かりだけで月夜のように明るい。その夜の趣を称えて「星月夜」それらの星々を「秋の星」という。例句としてわれらの星燃えてをるなり星月夜高浜虚子星月夜はるか偲べば旅心稲畑汀子「星」は単体では季語にならず、必ず春・夏・秋・冬等が必要です。ちなみに、新月とは月の見えない状態です。夜の空に星のみが輝く空を想像して下さい。そこで一句一升瓶抱え友来る星月夜旨い酒肴はいらぬ星月夜星月夜一升瓶に花一輪夕金魚でどうでしょう。星の綺麗な夜に一升瓶を抱えてくる友がいたのです。肴なんて星空あればいるもんかと言って、酒だけで。そんな友もいなくなったのです。星月夜に一升瓶に花一輪、供えています。綺...俳句ポスト兼題「星月夜」
稲妻や利根の川筋幾うねり徳田秋声白山のそのしのゝめやほとゝぎす泉鏡花秋声・鏡花はともに金沢市出身で、小説・俳句ともに尾崎紅葉門下にはいる。秋声の稲妻の句は秋の初め暗い夜空に時折走る稲妻に幾度もうねり流れる大河の全景が浮かぶ。句柄が大きく堂々とした作と、田島和生氏は評する。鏡花の句は白山と時鳥をあわせ鮮やかに詠み上げる。いかにもすがすがしい佳作と田島氏は評しています。徳田秋声と泉鏡花は同じ金沢市出身であるが、泉は実家が職人で明治の頃だと言うなれば下層民のほうになります。それにたいして、徳田は下級とはいえ武士なので、世間的な評価も相対的に高いものなのです。同じ尾崎門下でありながら、泉は尾崎を神と敬い、徳田はそんな感情が理解できないのです。2012年7月28日嘘の町金沢9(徳田秋声記念館)と2012年7月30日...泉鏡花・徳田秋声の句
本日紹介する句は句集「蒼茫」(2010)所収。新涼の顔してゐたる猫もまた森澄雄です。体がほっと息つく涼しさ、みれば猫もまた味わっているようなのだ。猫にも分かる涼しさは「新涼」なのである。季語「涼し」は暑い夏にあえて見いだす涼しさ、「新涼」は秋になって実感できる涼しさ。軽舟氏は「新涼」と「涼し」の違いを知らしめる句であると評している。「新涼」の例句としては新涼やはらり取れし本の帯長谷川櫂新涼や尾にも塩ふる焼肴鈴木真砂女が好きな句です。長谷川氏の「はらり取れし」なんて、あらぬ方を想像したりして。猫にも分かると言いますけど、どんな顔なんて思いませんか?残念ながら金魚は新涼の分かる猫の顔がイメージできない。そこで一句新涼の分かる猫来る夕べかな新涼や鯉もゆっくり浮かび来る夕金魚なんてどうですか。猫やら鯉やらみんな来...小川軽舟「名句水先案内」新涼の
本日紹介する句は句集「和音」(2010)所収。深吉野や月光に鯉ひるがへり上田日差子上田日差子氏は上田五千石氏の子、この句の措辞の切れ味は父親譲りと思わせる。山中の清水を引いた池で飼い、客人が来たら饗するのだろう。月光の差し通す水の厚みの中であおぐろい鯉がひるがえる。幽玄の趣であると小川軽舟氏は評している。軽舟氏の本では「あおぐろい」は漢字「黒編に作りが幼」です。金魚のソフトでは変換できませんでした。月の光に鯉のあおぐろい鱗が光る。いいですねぇ、まさに幽玄。この句に一句とは、まだできないです。9月16日読売俳壇に小澤實氏の選句に月光や鯉ひるがへりひるがへりという句がありました。皆さんはどう思いますか。私だったら勉強不足で恥ずかしい。小川軽舟「名句水先案内」深吉野や
本日紹介する句は句集「花束」(2010)所収なみなみと大きく一つ芋の露岩田由美岩田由美氏は平成最初の角川俳句賞を受賞。見た物が見たままの鮮度で俳句になった作品は印象的であった。この句もこんなに素直で良いのかと思いつつ深く納得する。平凡でもなく、陳腐でもない。星野立子細身綾子の俳句に通じる天真の世界だと、小川軽舟氏は評する。本当に深く納得する句です。いいですよね、こんな句。そこで一句。正座して折り目正しき芋の露夕金魚わずかだけゆれる輝き芋の露夕金魚でどうでしょう。小形軽舟「名句水先案内」なみなみと
黎明俳壇で「蜻蛉」で俳句を求めています。お題は「とんぼ」(蜻蛉)ですが、お題にそった句でなくても結構ですので、ご自由に投稿くださいと言うことだそうです。葉書かメールでご応募ください。送り先:〒460-0002名古屋市中区丸の内3-6-27EBSビル黎明書房黎明俳壇係E-mail:mito-0310@reimei-shobo.comです。まぁ、蜻蛉で考えます。そこで一句。トンボ飛ぶズーンと我を小さくし夕金魚飛び立った蜻蛉が私を見ているのです。私がどんどん小さくなるのです。羽たたみ蜻蛉は草の揺れるまま夕金魚草の上では蜻蛉は羽をたたんでいるのです。風に揺れる草の上で、揺れるままに任せているのです。蜻蛉は頑張る羽を見ているか蜻蛉飛ぶ羽のおかげと知るべきや夕金魚目の前を飛んで行く蜻蛉は自分の羽があんなに頑張っている...聡明俳壇兼題「蜻蛉」
句集「夏薊」2011年秋天に漕ぎ出す櫂もなかりけり岩岡中正(1948~)岩岡氏は政治思想史の研究家で長く熊本大学で教鞭をとった。掲句は高く澄み切った秋の空を見上げて爽快な句だ。「なかりけり」と否定されても読者は漕「ぎ出す櫂」をイメージせざるを得ない。それによって空が広く深い水に喩えられるのだと小川軽舟は評している。秋の空を海や水に喩える人は多いと思うが、この否定形で喩える人は少ない。金魚もこの喩え方は凄いと思う。正直勉強させて頂きましたとお礼を言うだけです。小川軽舟「名句水先案内」秋天に
「鯊」読めましたか?ハゼです。秋から冬にかけて、海に下って産卵する。この頃が美味である。大きな頭に大きな目玉。なんとも愛嬌ものである。釣ってきたものをすぐに天麩羅にしたりする。例句とし、活鯊に天麩羅油ぱちぱちと長谷川櫂「蓬莱」冬凪や橋の上から鯊釣つて鈴木真砂女居待月ハゼですか、難しいですね。夕金風に詠んでみますか。そこで一句、鯊が好きなんて言った覚え無し困ったわバケツのハゼが睨んでる突然釣り上げた鯊をバケツ一杯持ってこられたときの景です。当時は鯊の料理の仕方も知らない女でした。鯊揚げて腕を上げたねあなたもね最近は鯊を揚げても美味しいのです。腕を上げたねと言ったら、あなたもねと返されました。結婚前にバケツに持ってきた鯊はスーパーで買った物でした。ジャンジャン。昔々のことですよ。鯊で思い出した昔話でした。一句一遊兼題「鯊」
NHK俳句の「凩」です。屋根毎に木枯らし吹いて城下町凩やいらかの波を楽しんで道なりに走る凩長土塀城下町の上を行く凩の景です。ちなみに「いらかのなみ」って瓦屋根の波のこと。鯉のぼりの童謡で使われていた言葉。「長土塀」は武家屋敷の土壁が長く続いていることで、金沢では町名にもなっています。凩にゾウ鳴き電車走り来る田圃の中を象が鳴くような警笛を鳴らして走る電車の景です。「ゾウ鳴き電車」って田圃の中を走るイメージありませんか。なにもかも凩ふいてもってゆけ凩や無くなっちまえなにもかもどうせなくなるものならば、凩の音とともに無くなってしまえ。そんな気持ちになることありませんか。凩の音が怖いといったひと夕金魚なんてどうですか。NHK俳句「凩」2
今度の兼題は「凩」です。「凩」は晩秋から初冬に吹く北西からの季節風。冷たく乾いた風であることから、木枯と呼ばれる。木枯らしが吹くといよいよ冬本番です。例句として、妻へ帰るまで木枯の四面楚歌鷹羽行行金魚も晩秋から冬に入りかけていますから、心境をそのまま詠むことに。凩や懐かしいものなにもかも凩や箪笥も下駄も同じ桐凩や園児二列で手を繋ぐ寒いねに凩ですか笑う顔凩や最後の一枚動かないいくつかできるけど、どれももうひとつかふたつかみっつですね。もう少し考えます。NHK俳句兼題「凩」
今回の句は鈴木太郎氏の句集「花朝」(2017)所収。白桃の微光両手に残りけり鈴木太郎鈴木太郎氏は加藤楸邨・森澄雄に師事した。両手に押し戴いた白桃の白さが、食べ終えても掌をほのかに明るく見せる。森に対する追悼句だとしらなくても、美しく、知ればより美しい。森が「磧にて白桃むけば水過ぎゆく」で示した無常観を静かに受け止めるような両手であると小川軽舟は評している。これが追悼句、凄いです。追悼句って時間をおいて作ったら、追悼にならないですよね。格調高いですよね。金魚の句には、この格調が無い。ちなみに「磧」は「かわら・せき」と読みます。この場合は河原でしょうね。金魚の「桃」との作風の違い、歴然。小川軽舟「名句水先案内」白桃の
今回の句は句集「万の翅」(2013年)所収万の翅見えてくるなり虫の闇高野ムツオ現在のNHK俳句選者の一人です。佐藤鬼房氏の「小熊座」に参加してみちのくの風土を硬質の文体で書き留めてきた。深い闇から湧き上がるような虫の音に耳を澄ますとその音の源である無すぅの翅が見えてくると言うのだ。そのとき高野氏も懸命に羽根を震わせる一匹の虫だと評している。闇の中で懸命に俳句を詠んでいる万の虫の一匹に金魚もなりたい。そこで一句好きですという声の方虫の闇夕金魚虫の音は懸命に雌を呼ぶ雄の声。きっと歯の浮くような言葉を並べて、雌の気を引こうとしているでしょうね。「好きです」とか「綺麗だ」とか言っているのではと思うのです。ちなみに上記の句は兼題「声」で詠んだ一句。小川軽舟「名句水先案内」万の翅
兼題「目」の続きです。前回の色鳥の続きで、我が家では目覚まし時計の色鳥来なんて。人形のガラスの目にある秋の星人形の目にある光秋の星人形の目に写る星の景です。目と言われると人形の目が一番先に浮かびます。ちなみ師と称している藤田湘子の「目」の名句は青霧にわが眼ともして何待つや藤田湘子これを受けて弟子の静生氏が、青霧の昏きに惹かる湘子の眼宮坂静生いいですね。これを受けて金魚も一句といきたいところですが、青霧に浮かぶ湘子の眼が昏いでは師の湘子に笑われますね。今は蒼い目の奥に広がる鰯雲ぐらいです。今度は星の光ではなく、青空に広がる鰯雲はまるで青い瞳の中に広がっているようという景です。目の中に広がる雲と言うより、青空に広がる雲が大きな目の中のように見えると言うことなのですけど、そうは読めないでしょうかも。字余りだと蒼...NHK俳句兼題「目」2
ただ今金魚は宮坂静生氏の俳句必携で数多くの俳句を読んでいます。多くの俳句を読んで勉強しているのですけど、実はこの宮坂氏は藤田湘子の弟子。信州大学の名誉教授です。宮坂氏は俳句の鑑賞は人それぞれと了解されてきているが、作句と同時に鑑賞の基本的な方法も提唱している。例句をあげて提唱している。例句母の日に母にだらだらしてもらう正木ゆう子その1句意を把握する。母の日に何が欲しいかと聞いたら、あなたの家でだらだらしたいと言われたので、だらだらして貰うことにしたと言うことらしい。その2句意の核心その句の面白いところ。例句だと物よりものんびり過ごしたいという事を、だらだらという自堕落と思われかねない言葉で表現し、意外性と共感を得たのではないかと言う。その3その句の特異性優れた俳句には表現の仕方に特異性がある。例句だと、文...NHK俳句兼題「目」
俳句を勉強して4ヶ月ほど経過しました。色々投句していますが、なかなか褒めて頂けません。自分の投句がどうなっているか、確認もできないのですが、一つだけ確認できるところがあります。俳句ポストです。現在までに4句の結果が判明しました。初級入選1句中級並選2句で、1句が類想として選外でした。この選外の句は「猫落ちの座敷転がる夕薄暑」です。その時の夏井いつき氏の感想が「薄暑になぜこんなに猫が多いのでしょう」と言うものでした。夏井氏は猫好きでは無いと判明しました。今勉強している小川軽舟氏が「俳句とは一生かけて付き合える文芸」と言っている。金魚も今まで小説もどきの物を書いていて、最近は長いものをかけなくなってきました。少し前に書いていたショートショートでさえ、書く体力というか根気が無いのです。小説の方で師としていた阿刀...俳句勉強して
今日も「梟」を詠んでいます。中国では、梟(ふくろう)は親鳥を殺して食べる鳥と信じられており、親不孝、不義の象徴と見られていた。そのため、みんなで梟を叩いて(梟叩き)梟を殺して、斬首し、木に吊るすという習俗があり、転じて、首を斬ること、首を晒すことを「梟首」と呼ぶようになった。また、「梟」という漢字も、「木に吊るされる鳥」を表している。だそうです。ちょっと、怖い。そこで一句。梟の住む森豊泉湧く梟に誘われ進む戻れない梟が鳴くたび涙湧いてくる梟はだいたい分かる目分量ちょっと調子でてきました。梟が君はできると言うからね梟に応援されて止められぬ梟にホーホーホーと褒められてホーホーと二度なら褒めているかも、三度になると嫌みかな。こんな処から考えますか。梟にホーホーホーとなんだろう読み手に任せたりして梟に振り向き言うの...NHK俳句兼題「梟」2
兼題「梟」です。梟は三冬の季語です。ふくろ、母食鳥、しまふくろう、しろふくろうが子季語とされます。フクロウは留鳥であるが、コノハズク(木葉木菟)・アオバズク(青葉木菟)は渡り鳥であり、夏の季語となる。ふくろふの口ごもり鳴ける良夜かな水原秋桜子さびしさの絶対量を問ふふくろふ夏井いつきふくろふに聞け快楽のことならば夏井いつき「梟」を夏井いつき氏は良く詠んでいるようです。「梟」以外と難しいです。でもなんとか一句。目覚めれば梟の声夜深し梟の声と教えて側に寝る梟に道を尋ねて会いに行く「梟」は冬の季語なので、冬を感じる景を詠みたいです。昔はね庭に梟住んでたの窓からね梟見えたの子供部屋ちょっと夕金風になってきましたね。梟が住んでいた庭ってどんな庭だと思いますか。昔金沢の本田様の邸宅では雉が住んでいたと言われています。も...NHK俳句兼題「梟」
「色鳥」で考えています。嘘つきも類想に近いですね。そんなとき、庭に来る鳥が毎年同じような鳥だと思ったのです。昨年来た鳥とは断定できませんけど、同じような鳥が来るようです。そう、鳥も気に入る樹があるのかも。そこで一句色鳥や羽音と葉音で会話して色鳥や同じはおと語樹と会話なんてどうですかね。「羽音」と「葉音」おなじ読みだと気づいてです。樹と会話できるのなら、もちろん愛も語れそうです。色鳥来葉音震わせて色話色鳥来葉音震わせて色はなし色鳥来樹も葉音揺らし色話色鳥来樹も葉音揺らし色はなし最後の「話」だけひらがなにしてみました。イメージというか読みが変わりませんか。「色は無し」と読んでから、色話に気づくとか、それとも「話」には気づかないか。ちょっと良いかなと思ってます。俳句ポスト兼題「色鳥」2
「渡り鳥」との詠み分けではなく「色鳥」で詠んでみます。季語の説明は前回したので省略。そこで一句色鳥や証の羽の色も褪せ色鳥の残せし羽の色薄れ同じような句を今井つる女氏が詠んでいました。「色鳥が残してゆきし羽根一つ」と言う句です。残していった羽根の色が褪せてしまったというのと、羽根一つだけとでは少し違うけど。ということで別句を色鳥に騙されようか今夜だけ色鳥が残していった青絵皿色鳥のひとつに嘘を教えられ色鳥は見た目ほどには嘘つけず色鳥は見た目と違って嘘は下手色鳥の「色」が「色町」の意味を込めてです。色鳥を色男にして詠んだいただけると分かりやすいかも。前回の兼題「色鳥」の特選句が色鳥来しずかなしずかな家族葬だそうです。色鳥や長寿の葬は婚に似て高橋悦男という句もあります。もう少し考えます。俳句ポスト兼題「色鳥」
NHK俳句で「渡り鳥」俳句ポストで「色鳥」の兼題が出ています。いずれも秋なので出ることはあると思いますが、同じ鳥の季語というので頑張ってみます。「渡り鳥」「色鳥」鳥の季語ですけど、その本意は違っていますから句も違いの分かるように詠まなければなりません。「色鳥」はいろいろな鳥が渡ってくると言うことです。春の鳥が「囀り」と言うように声の音色を賞賛するのに対して「色鳥」はその色彩の鮮やかさ愛でます。「渡り鳥」は秋に北方から渡来する渡り鳥で群れをなして飛んでくる様を賞賛します。色鳥に対して雁とか鴨とか鶴などのように色彩的にはモノクロ系です。この季語を同じ景でよみわけて見ようと思います。状況は家の庭にいつものように鳥がきた。でも庭の主人たる夫はもう亡くなっていて妻が寂しく鳥を見ていると言う景です。皆さんならどう詠み...兼題「色鳥」と「渡り鳥」
選考を前提で俳句は詠んでないのですけど、やっぱり褒められたいですよね。冷や奴いつかは褒められたいと思う師とした藤田湘子氏は「何のために俳句を詠んでいるかと聞かれたら、一人くらいは自分のために詠んでいると言う人がいて欲しい」という一人になるために俳句始めたのに、選考されなかったというだけで、気落ちするのはダメですね。でもちょっと自信のある句だったのです。三句送ったのですけど、そのうちの一句だけ公表します。この一句は選者池田澄子さんの為というか、池田さんがこの句を詠むとしたらと、想像して詠んだものなので他には応募の予定ないので。そこで一句。お水をねぎゅうっとしてね桃になる夕金魚「ね」の切れ字です。夕金魚風だとおもってます。この句はもともとは桃はね水をギュッとしてねつくるのよ。と作っていたのです。「桃はね」がど...文春俳壇選考外句「桃」
今回の句は夏井いつき氏の句集「伊月集鶴」2022年所収仕事なし秋のビーサンうすつぺら夏井いつき掲句はコロナ禍で時間が無為に過ぎた時期の作品を「余録」として末尾に纏めた章ににある。仕事の無いままビーチサンダルをペタペタならして歩く。「秋のビーサンは」飯田蛇笏の「秋の風鈴」にも似て、季節外れのもののあわれを遺憾なく発揮していると評している。小川軽舟氏は夏井いつき氏が高校生による俳句甲子園の創設やテレビでの活躍によって俳句普及に果たした功績は大きいと評価しています。金魚もこの「うすつぺら」の表現は気に入ってます。テレビで悪口言って面白いおばさん的な評価をしていましたが、小川軽舟氏が古典として残そうという句を作っている人だと知って、驚きを持って紹介しています。実力もあるのですね。素人がこんな事いうのも変ですが。N...小川軽舟「名句水先案内」仕事なし
兼題は「栗」です。晩秋の季語。季語「栗」はブナ科。密生したとげの毬の中で実が生育する。山野に自生し古くからその実は食用とされてきた。六月頃に強い芳香を持つ花を咲かせる。材は耐湿性、耐久性にすぐれ家の土台枕木杭木などに用いられてきた。団栗で少し練習しているので、割と簡単に一句です。栗の皮嫉妬心に似てるかも栗の皮ってとるのが面倒ですよね。嫉妬心のように面倒です。栗の皮嫉妬に似て取りにくい栗はねポッチャリホッコリ孫に似て栗は秋の季語だけど、味に飽きは来ないので。栗は秋飽きのこない味だけど栗は秋あじにあきはこないけど勝栗というけど、栗が誰かに勝ったなんて聞いたこと無いですよね。そこで、栗は誰に勝って勝栗になったちなみに搗栗(勝栗、かちぐり)は、栗の実から殻と渋皮を取り除いて乾燥させた保存食。皮を剥いた栗のことを「...NHK俳句兼題「栗」
今回の兼題は「団栗」です。楢、樫、柏などのブナ科の落葉樹の実を総していうが、狭義では櫟の実のこと。拾ってきて独楽にしたり、人形を作ったりする。名前が似ている栗のように、食べる習慣はありませんが、渋みを取り除いて食べていた時代もあるそうです。リスや熊は食べるようです。例句として團栗や屋根をころげて手水鉢正岡子規団栗團栗二つ闇にまぎれてこぼれけり正岡子規団栗団栗は「落ちる」ようです。では投げてみましょうか。団栗を大樹に投げて音もなし夕金魚大樹めがけて投げたけど、届かなかったかな。団栗を拾って並べているときの幼児の顔ってどうしてあんなにうれしそうなのでしょう。団栗は幼児と会話しているのかもしれません。そこで一句。雨かしらいいえ風吹く団栗語夕金魚団栗に森の秘密聞く童夕金魚ここまで書いて、兼題を確認したらなんと「栗...NHK俳句兼題「団栗」
今回の名句は池田澄子句集「此処」2020年所収です。ショール掛けて下さるように死は多分池田澄子池田は「じゃんけんで負けて蛍にうまれたの」の口語俳句の印象が強い。その口語が近年いよいよ自在になった。死ぬ瞬間は誰も教えてくれない。「死は多分」の心許ない結び方は死を想像する心許なさそのものだ。ショールを掛けて下さるのが例え死に神でも、その瞬間はたぶん安らかなのだと思いたいのだと軽舟は評している。死ぬときは箸置くように草の花小川軽舟嵐山映れる水に扇置く後藤比奈夫と違って、池田はショールを掛けて貰うのだ。男はなんとか自ら死を見つめるのに対して、池田は例え死に神であろうと導いて貰いたいと言うのだろうか。金魚の若い頃、レディーファストに対して否定的な意見を述べたことがある。その時「男に守って貰うなんて、思ったことも無い...小川軽舟「名句水先案内」ショール掛けて
蓑虫の続きです。蓑虫は簔なくしたらただの虫はちょっとねなんとか、次の一句です。蓑虫も聞け舟歌を八代亜紀「聞け舟歌」はちょっと強めです。蓑虫も聞けよ舟歌八代亜紀なかなか良い感じになってきました。八代亜紀さんが亡くなったのは、今年です。味のある良い歌でした。合掌。蓑虫よここから先は黄泉の国蓑虫って異世界への番人みたいに思いませんか。蓑虫はトンボ女のイヤリング蓑虫の簔剥ぎ取って鳴いてみろ蓑虫が眠れ眠れと揺れている蓑虫の声聞きたくて耳のそば蓑虫を供えて願う明日は晴れ色々乱作しました。どれを応募しようか、「ただの虫」は意外と面白いかも。NHK俳句兼題「蓑虫」2
NHK俳句で兼題「蓑虫」で俳句を公募してます。「蓑虫」は「三秋」の季語です。ミノガ科のガの幼虫。体から分泌した糸で樹木の枝や葉を綴り、蓑(雨具)のような巣を作ってその中に潜む。枝にぶら下がって揺れる様は寂しげ。鬼の子ともいう。「チチヨ、チチヨ」と鳴く言われ「蓑虫の父よと鳴きて母もなし高浜虚子」と言う唄もあります。例句として下記があります。蓑虫になりてもみたき日和かな片山由美子蓑虫に叶はぬ馬鹿をやつてゐる櫂未知子句碑裏に小さき蓑虫見つけたり細見綾子そこで一句みの虫もみのなくなればただの虫最初に浮かびました。当たり前だなんて言わないで下さいね。「みの虫も」の「も」がいいと思いませんか。何かと比較してと言うか、人も肩書きが無ければただの人。蓑虫は蓑を無視せず使いますなんてね。あまり調子よくないみたいで、もう暫く...NHK俳句兼題「蓑虫」
今回紹介する句は今井聖氏の句集「九月の明るい阪」です。永遠に下る九月の明るい坂日本人にとって特別の八月が終わって、九月の普通の暮らしに戻る。子供達は夏休みが終わって学校に戻る、その九月の明るい坂なのだ。それだけに「永遠に下る」が意外な印象がある。作者は団塊の世代に属し年齢的な下り坂のいくえを暗示する。それでもこの句の印象はあくまで明るい。上りきった後の下り坂は体も楽だ。もう頑張って登る必要は無い。しかも「永遠に」。この句の明るさは、どこか廃墟の明るさに似ている。これは未来への警鐘なのか、あるいは「あとはよろしく」という爽やかな挨拶なのかと小川軽舟氏は評している。金魚も「もう若い人に任せてもいいのでは」の挨拶を感じます。しかし、昨今の世情、とくに政治における自由のはき違いをみるにつれ、どうなのだろうと危惧す...小川軽舟「名句水先案内」永遠に
今回の句は中原道夫氏の句集「一夜劇」の一句です。萩に雨こんな日もなければ困る家でゆっくりするのに雨が降ったのはお誂え向きだ。明日のことは明日考えよう。人生にはこんな日もなければ困る。句跨がりの独白に思わず頷いてしまうと軽舟氏は評している。萩の唄としては芭蕉一家に遊女も寝たり萩と月加賀の千代女あまりては月に戻すや萩の露飯田蛇笏新月や掃きわすれたる萩落葉月と萩が多く見られます。なのに、中原氏は雨をもってきたのです。萩の花は揺れる事に風情を感じます。風では無く、雨に打たれて揺れるのも詩情があると思います。いろんな場面で口ずさめる感じが良いです。こんな日があっても良いと言うので一句。霧雨や前ゆく人について行く夕金魚てな日もあるでしょう。小川軽舟「名句水先案内」萩に雨
今回紹介する句は、深見けん二氏の句集「菫濃く」から人生の輝いてゐる夏帽子です。小川軽舟氏は「人生が輝く」という気取った慣用表現を平然として使っていることに驚くという。慣用表現は通俗的で俳句で使えば陳腐になりかねない。その慣用表現を一瞬で俳句にしたのが、「夏帽子」だという。俳句は愛唱されてこそ名句になる。誰にでも受け入れられる親しさが必要である。ふとした時に口ずさまれる親しさが必要だという。この唄には誰もがそれぞれの人生の輝く場面で、思い描いて味わうことができるという。しかし、この句は誰が詠んでも良いと言うものではないと言う。作者が91歳で編まれた句集にあるという事と作者の人格の理解がこの句の鑑賞には欠かすことができないという。人生の晩年のあり方への憧れがこの句の詩情を深めている。作者を知らずして読むこの句...小川軽舟「名句水先案内」人生の
今回紹介する名句は後藤比奈夫氏の句集「喝采」2019年嵐山映れる水に扇置く後藤比奈夫氏は2020年に亡くなられている。御年百二歳の時の唄である。どうしても死を見つめての辞世の句と感じるのです。軽舟氏の評では、「嵐山映れる水に」の「に」に味がある。茶席の山水画の前で居ずまいを正して、膝前にすっと扇を置いて掛け軸の山水を拝見する。あの呼吸を感じる。こういうのを名人芸と呼ぶのだろうと評している。しかし軽舟氏はなぜこの「扇置く」に「箸置くやうに」の句を連想・類想しなかったのだろうか。金魚はこの句が何時詠まれたのかが気になった。それは「箸置くやうに」の類想というか、影響を感じざるを得ないんらだ。実は「箸置くやうに」は小川軽舟氏の句だ。死ぬときは箸置くやうに草の花(句集『呼鈴』2012年)自分の唄の影響を隠して評して...小川軽舟「名句水先案内人」嵐山映れる
今回の名句案内は、岸本マチ子句集「鶏頭」よりかなぶんに好かれて女盛り越すです。小川軽舟氏はかなぶんが部屋に入り込んで飛びついてきた。もう悪い虫が付く年でもないというユーモアがある。「女盛り過ぐ」ではなく「越す」の処に注目して欲しいという。「過ぐ」の喪失感が「越す」では乗り越えられているような気がすると評している。金魚もこの「過ぐ」ではなく「越す」ところに女の決意が感じられます。岸本マチ子氏は、2023年に亡くなられています。公募で「声」の俳句を求めていました。そこで一句ここだけの声を潜めて田を植える好きという声のする方虫の闇木漏れ日に空蝉の声騒がしい笑い声ふいに聞こえて秋深し名を呼ばれ振り向き見れば青田波なつかしき声きこえたり檸檬の湯声は好き言葉は嫌い青嵐ここまで考えていたのですけど、なんと公募先がどこか...小川軽舟「名句水先案内人」かなぶんに
今回の名句案内は正木ゆう子の句集「羽羽」よりサラダさっと空気を混ぜて朝曇です。小川軽舟氏は「暮らしの中の実感を掬い上げることは俳句の得意とするところだがそれにしても上手い」と評している。短歌に「サラダ記念日」があるなら、俳句に「サラダさっと」があると言いたい。季語「桃」で詠んだこれうまい決めた本日桃の日とをサラダに変えてこれうまい決めた本日サラダの日としてもだめですね。「サラダさっと」の爽快感にはかないません。ところでスポーツ俳句というものを公募していたので応募してみました。スポーツ全般なので、どう詠もうかと思っていたら、オリンピックの100メートルがあったので詠んでみました。夕金風は無理なので会話は無し。100メートル走のスタートの緊張感を考えてみました。そこで一句。夏蝶も位置についてで羽休めヨーイ後は...小川軽舟「名句水先案内」サラダさっと
本日8月7日の読売新聞の朝刊kodomo俳句に「はなびがねちょっととおくにみえたんだ佐藤颯祐」の作品が載っていました。「ね」を使っています。えっ、俺って小学生俳句レベルとガッカリすると同時に「ね」を切れ字に使う人が私以外にもいるのだと勇気づけられるというか、うれしかったです。「どうだ」と言いたいですね。若い人(小学生ですが)と同じ感性持っているのだといいたい。ちょっと若すぎる人ですけど。最近は、小川軽舟「名句案内」角川俳句コレクションで勉強しています。発刊が2024年の4月で、最近10年ので軽舟氏の目についた名句を紹介して、古典に残そうというのです。名句が古典になのには、権威のある人が持ち上げるのでは無く、俳句を愛する人達がより多く取り上げることで、古典になると言うのです。いいですねぇ、私も微力ながら心に...小川軽舟「名句案内」小瑠璃飛ぶ
鰯は秋の季語です。目刺しになると春の季語。NHKラジオ文芸欄にて兼題「鰯」で俳句を募集中です。まず一句。見つめられ一皿いくらの鰯買う鰯の目われを買えとみつめられ鰯の目目刺しは嫌と見つめられ皿に盛られた鰯が私を見るのです。鰯って目が大きいのです。刺されたら痛いだろうと鰯買う金網に片身とられて鰯焼く浜辺にて夕日で焼いた鰯食う目刺しにはなりたくないと鰯言う季重ねですね。良いような気もするけど、もう一句目に串は刺されたくない鰯ですてなところでどうでしょう。NHKラジオ文芸欄兼題「鰯」
兼題「墓参」です。墓参りといえば、親戚、故郷、旧友等が類想できます。そこで一句信仰は無いけどなぜか墓参父母も信じてないか墓参信仰心が無くても墓参りはするようです。自分の老いを実感するのも墓参りです。子の成長は自分の老いの証拠。きつくなるさかみちのぼる墓参おいてかれ一人で歩く墓参子が洗う指示するだけの墓参お墓には誰にも言えない愚痴を言うこともあります。墓参ここだけの愚痴言ってみます墓参嫁にも言えぬ愚痴を言う墓参嫁に聞かせぬ愚痴もある愚痴は良いかも。嫁に聞かせぬ愚痴は誰に言うのでしょう。?通販俳句生活兼題「墓参」2
通販生活の俳句生活の8月の兼題は「墓参」です。まぁ、時期ですから。「墓参」はお盆の行事とされているため、秋の季語になっている。お盆はこれまた大都市では新暦で7月13日からだが、俳句の場合はもちろん旧暦だから8月のこととなり、秋である。「墓参」と書いて「はかまゐり」「ぼさん」と両様に用いられるほか、「墓詣(はかもうで)」「墓掃除」「墓洗う」なども使われる。例句としては下記があります。家は皆杖に白髪の墓参り松尾芭蕉己にて絶ゆる血統や墓詣宮部寸七翁かんばせを日に照されて墓詣川端茅舎きやうだいの縁うすかりし墓参かな久保田万太郎彫に指入れていねいに墓洗ふ大橋櫻坡子墓参り遥々来しが永くゐず山口波津女墓参りというと、なぜか日差しの強い日を思い浮かべます。金魚の墓は山の上にあったので、雨降りだと登れないのです。墓を洗うの...通販生活俳句兼題「墓参」
秋茄子の漬け色不倫めけるかな岸田稚魚不倫の色はどうでしょう。秋茄子は新鮮で瑞々しいのですから、不倫というと年増のイメージがあって。でも「毒」のあるのはいいかも。秋茄子のあの色艶は毒の味秋茄子は年増の毒をしみ込ませちょっと違っているような。秋茄子は後ろめたいな色と味秋茄子は初心という名の毒があるなかなか良い感じになってきました。秋茄子の新鮮な瑞々しい感じは、そう少女です。娘じゃ無くて、少女があうと思います。毒のある少女、それが秋茄子。そこで一句、秋茄子は少女のような毒を持つ秋茄子は少女の毒で作られるこのあたりですかね。NHK俳句兼題「秋茄子」2
季語「秋茄子」は秋になってからとれる茄子のこと。「茄子」だけだと夏の季語です。同じ時期に蒔いても時差が生じ秋に実るものもある。一回り小さいが実は引き締まり、色も深い。茄子は体を冷すこともあるが、「秋茄子は嫁に食わすな」と言うほど美味しい。一夜漬けにしても格別。例句として秋茄子ややさしくなりし母かなし星野立子秋茄子剪るさも大事さうな音飯島晴子等があります。そこで一句秋茄子や錆び混じりたる糠洗う秋茄子の糠の一夜漬け大好きでした。以前は小振りの茄子があって、それを糠漬けにした漬物が大好きでした。糠漬けの中に釘を入れると茄子の色が鮮やからなると言われてて、釘を中に入れていたものです。本当なのかどうかは知らないのですけど、金魚の母が入れていました。まあ、普通ですね。夕金魚風にしてみましょう。秋茄子も味が落ちたと妻が...NHK俳句兼題「秋茄子」
俳句ポストの兼題が「8月」となりました。8月は終戦記念日とか、色々あるのでそういった面で詠みやすいというか、詠みにくい月の季語です。でも、ねえ。金魚世代だと分かると思いますが、我々には終戦というより、ある映画シリーズが8月の名のついた題名で終了したのです。そういえば同世代の方だと分かると思いますが、そうです。日活ロマンポルノシリーズが「8月の濡れた砂」という題名の映画を最後に終了したのです。同名の歌謡曲を石川セリさんが歌っています。哀愁のある良い曲です。これがあるので、「8月」の兼題だとこれを謡うしかないですよね。そこで一句8月の濡れた砂が最終回8月の濡れた砂がラスト映画8月と言えば俺たち濡れた砂8月は俺たち濡れた砂世代俺たち世代だと類想が多いと思いますけど、仕方ないです。ちなみに夏井先生は知っているでし...俳句ポスト兼題「8月」
前に考えた夜食です背中に向けてバーンふっ夕金魚夫の背中にしていましたが、別に夫でなくても良いので。返事のしない人の背中に指鉄砲でバーンして、銃口から出る煙をフッと吹き消す感じです。吹き消す「ふっ」とも思えますが、口元に笑いを浮かべる「ふっ」かもしれません。まあ、そんな感じです。でも、みんな返事しない人ばかりでもないのですけど、返事した者も考えましたが、ちょっとでした。例えば、夜食です悪いなうれし君もどうとか置きますねいつもいつもでありがとうとか、もう一つでしょ。もう一つの「ね」切れのも考えました。兼題が季語の時は使えそうです。夜食はね優しさ集めて温める夜食はね夜を刻んで温める夜食はねうふふ集めて煮て食べる「うふふ」はよく使われてるので、止めましょう。夜食はねむふふふのふで煮て作る夕金魚ぐらいでどうでしょう...NHK俳句兼題「夜食」2
夜食は秋の季語です。夜が長くなる秋は夜なべのシーズンです。夜なべをすると当然お腹が空く。そこでちょっとしたものを食べる。これが「夜食」で、夜なべと並んで秋の季語となった。現在は夜なべとは関係なく夜食べる食事と言った意味合いになっています。現在の類想は受験でしょうけど、類想恐れずにまず一句。がんばって背中に目で言い夜食置く受験生に黙って夜食を置いてゆく景です。別に受験生では無くても良いですよね。夜なべしている夫に夜食をだしても。現在でも夜なべ仕事の夫はいます。そこで一句。夜食です背中の夫に指鉄砲振り返りもしない夫に指鉄砲で撃つマネ。半分本気かも。ちょっと推敲して夜食です夫の背中に指鉄砲夜食です答えぬ夫指でバンもうちょっと夜食です背中に向けてバーンふっまぁ、時間あるのでもう少し考えます。NHK俳句兼題「夜食」
パリオリンピックが始まりました。俳句は挨拶代わりに一句詠むのもあるので、オリンピックの開催を祝って夕金魚風に詠んでみたいと思います。暑いのに仕方ないさ夏だもの夕金魚勝つかしら勝って欲しいね夏季の会夕金魚夕金魚風一句パリオリンピック開催に際して
櫂未知子さんの金曜俳句で兼題「夜の秋」「秋の夜」で俳句を求めています。季語「秋の夜」は夜が段々と長くなり、静かな感じがある。外は、月が昇り、虫が鳴いている。そのような夜には勉強などの様々な作業に集中できる。一人で黙々することが似合う夜みたいです。そこで一句灯り消し殺意生まれる秋の夜夕金魚秋の夜や廊下の先に深い闇夕金魚一人で黙々することなので、夕金魚風にするのは難しいです。なんかモロ類想句です。ちなみに殺意なんて物騒な句ですが、物騒な句ではないのですよ。この句の前は「本閉じて殺意生じる秋の夜」です。本を読み終えたらミステリー小説のネタ探しの気持ちの唄です。廊下の先の深い闇も家の奥をみているのか、玄関を見ているかで幹感じが変わってきませんか。次の一句久しぶり元気でしたか秋の夜夕金魚これは「秋の夜」より「秋の暮...夕金魚風一句「秋の夜」
本日大暑です。暑つぃですよねぇ。大暑の有名句としては「大阪の屋根の歪みも大暑かな桂信子」屋根がゆがむほど暑いというのです。「大暑とてもたぎらすものに燗銅壺(かんどうこ)鈴木真砂女」どんなに暑くても、熱燗を作る器具だけは熱し続けるのだ。鈴木真砂女さんは、小料理屋の女将さんです。そこで一句。「暑いです暑いですねぇ大暑です夕金魚」「角張った日差し零れる大暑です夕金魚」てなところでどうでしょう。夕金魚風一句「大暑」
櫂未知子さんの金曜俳句で兼題「夜の秋」「秋の夜」で俳句を求めています。季語「夜の秋」は日中はまだまだ暑くても夜にふと涼しい風が立つことがある。晩夏の候に夜だけ秋めいた感じのすること。そこで一句です。さよならにああの一言夜の秋電話する今日も留守電夜の秋いつ会える暫く無理と夜の秋夕金魚風になってるかなって。櫂未知子さんの金曜俳句兼題「夜の秋」ないし「秋の夜」
今日も水着を考えています。ガンガンが来て水着が歩く街になるガンガンと日差しが照りつけるようになると、浜辺の街にカーディガンやビーチウェアーを羽織っただけの人が歩くようになると言う景色です。振り向けば信号待ちの水着あり前側だと普通の服だと思っていたのが、後ろから見ると水着だったという景色。いずれもまだまだです。夕金魚の定型を入れて一句ねぇあなた流行の水着欲しいのよ奥さま、年は?と言いたい。水着はねビチャッと水に入るのよなんじゃこれ(^_^)ですね。でも、ちょっと浮かんできました。流行の水着で水に入りません前回詠んだ句、二度詠みです。もう一句お魚は鱗水着で泳ぎます鱗はねお魚さんの水着ですなんか夕金風になってきました。もう少し現在謡われている風にアレンジして投句することにしましょう。俳句生活兼題「水着」2
兼題は「水着」です。「水着」は晩夏の季語です。例句として「少女みな紺の水着を絞りけり佐藤文香」「ぎりぎりの水着腹背すべて見せ山口誓子」などがあります。所謂ビキニ水着が出現したときの驚きを「これはもう裸といえる水着かな」(大野朱香)と謡っている。さて、金魚はどう詠もう。「ビニールのプールの横に水着干す」干すのですからまず類想句ですね。「水着」から類想するとしたら、洗濯、吊す、干すでしょうね。以前NHK俳句での「水着」の特選句は「マネキンの水着剥がして買いにけり長谷川瞳」と言うモノでした。そこで一句流行の水着で水には入りません手のひらに入る水着の小ささよてな感じですかね。でも夕金魚風ではありません。これいいね水着のためにダイエットですかね。締め切りは7月一杯なので、もう少し考えます。俳句生活七月の兼題「水着」
女の子がお母さんに聞きました。「ねぇ、お母さん。虹ってどんな味がするの」「虹の味、分からないわ。お母さん食べたことないもの」「そうなんだ」女の子はガッカリして下を向いてしまいました。答えを言えなかったお母さんは女の子を元気づけるために、言ったのです。「お父さんなら、知ってるかも。聞いてご覧なさい」「そうか、お父さんなら何でも知ってるから教えてくれるかも」女の子はウキウキしながら、お父さんに聞きました。「ねぇ、お父さん。虹ってどんな味がするの」「虹、食べたこと無いなぁ」お母さんと一緒な事を言います。「ダメ、その返事はお母さんから聞いたから、他の返事にして」女の子が怒りました。女の子に怒られても、知らないことは分かりません。「なら、おじいさんに聞いてごらん。おじいさんなら、きっと知ってるから」そうか、おじいち...虹の味
俳句ポストの兼題「薄暑」の結果が公表されました。金魚の句は類想句として選外とされました。まさか「猫」が類想になるとは思いませんでしたが、皆さん考えたようです。ちなみに夏木いつきさんは「猫」と「薄暑」の関係についてしらないようです。猫好き、俳句好きが多いことが分かりました。ちなみに「猫」と「薄暑」の関係は所謂「猫落ち」だと思います。まぁ、仕方ないですね。冷や奴いつか褒められようとしてですから。でも残念。俳句ポスト「薄暑」の結果
「わたしのねふるさとむしのやみのなか」この「中七」「下五」に「虫の闇」を分けて表現することを「句またがり」と言います。あまり使わないのですけど、プレバトでもよく使っている表現方法です。でも、これはちょっと十七音しかつかえないのに、五音を「わたしのね」はありませんよね。言いたいことは「故郷は虫の闇の中」だけじゃないでしょう。もっと言わなけきゃと思いますよね。で一句「ふるさとはむしのやみのなかのおく」でどうでしょう。虫の闇に奥行きが深くなったと思いませんか。それとも小さくなったイメージかな。ここで「や」の切れ字を使って故郷の一般化。「故郷や虫の闇の中の奥」「の」が三度使ってるけどあまりリズムが良くないですね。中が六音だし、「ふるさとや灯りの下の虫の闇」どこか街灯の下にある茂みをイメージしてますが、もうちょっと...NHK俳句「故郷」3
「故郷の悪口言って遠花火」の前に「帰りたいふるさとですか遠花火」と言うのがあったのです。所謂「望郷」の念ですね。この望郷は類想ですね。「故郷は遠くにありて思うもの」ですね、これは類想モロありです。で「故郷の悪口言って」になるのですけど、これはまさに「遠くにあって思うもの」です。この室生犀星の句は次に「そして悲しくうたふものよしやうらぶれて異土の乞食になろうとも帰るところにあるまじや」と続くのです。そう強烈な故郷への惜別のそして望郷の詩なのです。これを意識したのですけど、その根底はやはり望郷ですね。特に「遠花火」の季語が望郷の念が強いです。「嫌いなの故郷なんて遠花火」と嫌いと言っても望郷感あります。季語「遠花火」がある限り望郷の陰が消えないので、捨てます。でどうしよう一句。「忘れたわ故郷なんて遠花火」の「遠...NHK俳句「故郷」2
NHK俳句で夏井いつきさんが特別ゲストとして参加して兼題「故郷」で俳句を求めています。発想力を鍛えるということで放送するので、所謂「あるある句」を詠まないようにする発想力を鍛えるようです。金魚が今読んでいる岸本葉子さんの「俳句、やめられれません」に「あるある俳句」とは「類想句」「報告句」「原因結果句」「常套句」等が入ります。特に「類想句」は誰もが感じることは詠んでも感動を与えられないと言うことです。過去に何度も詠まれた「詩心」は幾ら新しい表現をしても感動を与えられないようです。では、類想句にならないようにするにはどうしたら良いのか。それが発想力と夏井いつきさんは言うのです。他人と違う発想なんてそうそう鍛えられるものじゃないでしょうけど。それは自分のスタイルだと思うのです。そのためには俳句をよく読むことです...NHK俳句「故郷」1
「お地蔵さん」や「石仏」そして「猫」を座らせたりと色々考えましたけど、「蛇」の結果を受けて、類想句にならない為にはやっぱり夕金魚風ですね。夕金魚風とは「情景の見える会話」というものを目指します。「景」が見えるとしたらこんな感じですかね。金魚なので老夫婦ですね。庭の掃除とかしていて疲れて座り込んで一句。腰痛い座って休もう秋の暮夕金魚季語「秋の暮れ」は「秋の日の釣瓶落としと言われるようにつかの間の夕暮れにもののあわれを感じるものです。チラッと夕日が見えたり夕焼空が見えたりしませんか。ちなみに、独り言ではなく奥さまに話しかけています。側に奥さまがいる設定です。でも「腰痛い」はあんまりですよね。実体験ですけど(笑い)。ここいらで座って休むか秋の暮れぐらいでどうでしょう。「ここいら」が場所ととるか時間ととるかで「景...NHK俳句「座り」3
兼題「蛇」の結果です。金魚の句「長い縄蛇と思わず手出しスー」本人は「手出しスー」が苦労したので気に入っていたのですけど、類想句・あるある句でした。蛇は怖いの類想句ということです。他に泳ぐとか道にいるとか縁起がいいの悪いのが類想になるそうです。面白いと思ったのが、蛇はよく投げられるそうです。それも下手投げ。アンダースローで投げられることが多いみたいです。初期の作品ですから、仕方ないのですけど表現より発想の方が必要だと言うことのようです。あるある句だと、多少表現が良くても選句されないようです。選句のために俳句を詠んでいないと決めても、選句されたい欲はありますから。欲は悪いとは思いません。言うなれば向上心。文学であれば、やはり他人に認められないと文学として成立しませんから。兼題「蛇」の放送で特選句で気になった句...NHK俳句「蛇」の結果
兼題「座り」です。「座る」と言えば家庭では「猫」ですね。猫の座り方って知ってますか?猫らしさナンバーワンの「香箱座り」は、伏せのような姿勢で前足と後足を折り畳み、自分の体の下にしまい込む座り方です。「香箱」とは、漆や陶器でできた香を入れるための蓋が付いた箱のことです。猫が座っている様子を上から見ると四角い香箱によく似ていることからこの名がつけられたといわれます。通称「スコ座り」と呼ばれる座り方は、お尻を床につけて背中を丸め、後ろ足を前方へ投げ出すような姿勢のことです。スコティッシュフォールドによく見られるためこの名前がつきました。お腹丸出しでくつろいでいる姿が人間みたいに見えることから「おじさん座り」や「おっさん座り」などといわれることもあります。そのほかにも、「横座り」「スフィンクス座り」「エジプト座り...NHK俳句「座り」2
NHK俳句の兼題「座り」です。「座る」と動詞でもよいと言うことです。この座るという俳句では「あたたかや女座りの人魚の絵川内静魚」が気にいってます。ちなみに気に入る句はその都度ネットや歳時記を見てます。これでも、勉強してるのですよ。ちなみに上句の季語は「あたたか春」です。この句に触発されてできた句が山道に女座りの地蔵尊です。お地蔵様が女座りしているなんて、これは少し傾いたお地蔵様の首がとれて、置き直したときに横向きにされた物があったのです。小さい頃の思い出。金魚の住んでた山の道にあったのです。但しコレ季語がない。地蔵尊は季語ではなく、地蔵会・地蔵参・地蔵盆は季語ですけど、お地蔵様だけでは季語でないようです。そこで、今からなので秋の季語を探すとあうようなのが「花野」です。花野にて女座りの地蔵尊ではねぇ。前回ま...NHK俳句「座り」
暑いですねぇ、本日今年最高気温とか日本中が猛暑日を記録とかテレビが騒いでます。いえも扇風機を出して、風だけですけど空気を混ぜています。邪魔なんですよね、扇風機って。部屋の真ん中にドンとおいて、首振らせるのです。部屋の隅に置いてと思うのですけど、それだと風が来なくて、どうしても部屋の真ん中に。そこで一句邪魔なんだ部屋の真ん中扇風機威張っても仕方ないのか扇風機ちなみに扇風機って季語。夏です。最近は冬でも暖房を回すために使う人もいるようなのですけど、今のところ夏の季語。金魚風にしてジャマくさいでかい顔して扇風機夕金魚でどうでしょう。暑くて、皆さんも大変でしょうけど、頑張ってとは言いません。皆さんお身体御自愛ください。金魚風一句「扇風機」
NHK俳句「花野」の三度目です。コレ書きながら反省してます。藤田湘子師が言っていたことを思い出してます。「俳句は誰のために詠むのか。自分のために決まっているだろう」今評価されなくともいつか評価されたら、ずっと評価されなくても、自分が評価すれば良いのです。誰かのために詠むのではなく、自分のために。冷や奴いつか褒められようとして夕金魚です。そういう意味でもう一度考えました。口語で日常会話風俳句です。そこで一句どこいくのちょっと海まで春野まで海まで春野までとくり返すのはどうでしょう。そこでもう一句。どこいくのちょっとそこまで春野まで夕金魚でどうでしょう。冷や奴をわすれないように、自戒を込めて。NHK俳句「花野」3
「花野」の二度目です。秋の野原で一抹の寂しさをともなうとなります、どうしても故人とか黄泉の国を連想します。そのようなのは類想句として排除されると思います。横にいた人いなくなる夕花野類想句そのものって感じ。夕金魚風になぁお前まだやってるか夕花野が気にいっているのですけど。もう少しなんとか古典的にしますか。夕花野雲の輪郭朱で描くうーん絵画的でいいかも。花かげより声かけられる夕花野なんて良い感じかも。でも花が二文字は考えないと、いずこより声かけられし夕花野「おい」とか「君」とか、どんな声をかけられるのでしょう。いずこより名前呼ばれる夕花野夕金魚良い感じ、突然名前呼ばれるなんて、いいかな。金魚は寝ていると時々大声で名前呼ばれてるのですよ。誰が呼んでいるのか分かりません。良い感じと思っていたのにだれかによばれるのも...NHK俳句「花野」2
季語「花野」です。花野は秋の季語で秋の草花が咲き乱れる野原です。秋の「花野」の花は風にそよぐ草の花。冬枯れ前の一時の華やぎで一抹の寂しさも感じられる季語です。例句として断崖をもって果てたる花野かな片山由美子があります。一抹の寂しさのある季語というなら、夕金魚の心境そのもの。そこで一句いつまでもそんなことして花野かなってどうでしょう。はい、できない夢を今も追いかけてます。少し推敲して、まだ夢を追いかけますか大花野少しよくなったけどまだまだ、金魚の決まり文句いれてみるとねぇあなたまだするのですか花野果てなんてちょっと危なくなってきたかも。もう少し考えましょう。NHK俳句「花野」
テレビという題だとやはり役者ですね。それも今は亡き懐かしいというか憧れた役者です。西部警察の渡哲也・網走番外地の高倉健・十津川警部シリーズの渡瀬恒彦なんて懐かしいですね。とくに渡哲也と渡瀬恒彦さんは兄弟で渡瀬さんが渡さんの演技を大根と称していました。「兄貴はいつも直球だけ。でも、その直球に豪が付いたら誰も真似がでない。俺なんか直球が棒球だから、カーブとかシンカーとか色々目先を変えないと生き残れない」と言ったのです。そうしたら渡さんが「まるで俺が大根だと言ってるみたいだ」と怒るのですけど、うれしそうでしたね。そんな二人が鬼籍に入っちゃうなんて寂しい限りです。深夜放送とかケーブルテレビを見ていると懐かしい役者さんが一杯でています。そこで一句短夜にテレビに映る人懐かしい懐かしき人が映る短夜テレビなかなかちょっと...自由律俳句で「テレビ」の俳句を求めてます
寝ていると雨の音が聞こえてきました。雨って強く降ったり弱く降ったりするのです。雨音が雨の息づかいのように聞こえました。この現象を「雨の息」と称することにします。調べても季語とかにはないようです。そこで一句「雨の息強弱つけて打つ紫陽花」「雨の音ひいては返す梅雨の波」てな感じです。雨の息ザッとシーンと青葉雨夕金魚でどうでしょう金魚風一句(雨の息)
栗林公園で俳句を求めています。募集は7月からです。但し、栗林公園に行って詠まないといけないので、金魚は投稿は無理です。でも、栗林公園の写真見ていたら上記の写真見つけて、凄いと感動して一句。多作多捨の一句です。船境上下に紅葉人の影見たままですね。次の一句船浮かべ紅葉と人が上と下で分かりますかね。「船浮かべ」で湖面を連想していただいて、上下に紅葉と人影を。でも金魚風じゃないなあ。もっと大胆に省略しないと、でもついてこれるかなぁ。上と下紅葉は燃えて人は立つなんだこれ?かも。分からないついでに紅葉はね上と下とで人を見る夕金魚紅葉が人見てるのです。でどうでしょう。栗林公園で一句(金魚風)
交通総合文化展で鉄道の俳句を求めています。過去の作品を見るとリニアカー来た見た消えた雲の峰貞住昌彦と言うのがあります。選者は長谷川櫂氏です。で頑張ってみました。季語は自由なので「夏蝶」指定席夏蝶一頭俺の席夕金魚夏蝶やそこは俺の指定席夕金魚夏蝶に指定席をとられた風景です。ちなみに蝶って一頭二頭と数えるそうです。日本の鉄道・良さを表現したものなので、ちょっとテーマ外したかなと。この句の前に考えていたのが、サイダーを飲み干す如く新幹線夏蝶やごめんなさいとE6系新幹線のE6系って低姿勢だと思いませんか。こちらの方がよかったかな。何句でも応募できるというので、また考えます。鉄道俳句展があります
池田澄子さんの句に「初蝶来今年も音を立てずに来」という句があります。今回も澄子さんに敬意を払って「初蝶」で一句。初蝶は手の平パッで舞い上がる最初の句です。蝶って手品の手の平をパッと開くと出てくるイメージがありませんか。私は鳩よりも蝶を出して欲しいのですけど、蝶は仕込めないらしいです。鳩だと押さえつけていても大丈夫ですが、蝶は死んじゃうみたいで。「舞い上がる」は普通ですね。夕金風じゃないです。で次の句初蝶は手の平パッでふわひらりちなみに初蝶を手の平から出す人って誰でしょう。もちろん、春に決まってるでしょう。夕金魚風一句(初蝶)
池田澄子さんの蛍の句は、師匠の三橋敏夫と何度か推敲を繰り返して、やっと三橋の「いいよ」が出て完成したそうです。今でも「あんなの俳句じゃない」と批判する人がいるそうなのですが、「三橋がいいよといったのだもの」と言って気にしないそうです。そうですよね、師匠と仰ぐ人が認めたのなら他の誰の意見も必要ないですよね。池田澄子さんに敬意を払って、金魚も「蛍」で一句。蛍はねツーンと飛んでフッと消え夕金魚でどうでしょう。この「ね」苦し紛れに使ったのですけど、切れ字みたいで楽しくありませんか。夕金魚風一句(蛍)
↑池田澄子さんです文春という週刊誌には応募したくなかったのですけど、選者が池田澄子さんと知って急遽応募することにしました。「じゃんけんに負けて蛍にうまれたの」の池田澄子さんです。当代随一の口語俳句の第一人者と金魚は思ってます。この方が選者だと応募しない分けにはいかないでしょう。角川の50句としてここにも発表していないものを応募します。季語は「虫の音」「稲光」「桃」の三句です。ここでも未発表のものです。上記写真は文春公表のもの。問題あったら、すぐ削除しますから、文春さん訴えないで下さいね。本日の一句行ってきますいってらっしゃいみなみかぜ夕金魚応募作の激励かな。文春俳壇に応募しました
NHK俳句兼題「桃」の2回目です。突然ですが、そう突然「桃」が地球というか星に思えたのです。本人凄い着想と思ったのですけど。「桃の引力無限大」と言うフレーズです。この前にナンという言葉を付けるかです。普通に思いつくのは「君知るや」ですかね。「あなた知ってますか、桃の引力は凄い力なのです。」てな意味になりますか。金魚風のいつものフレーズを付けますか。「ねえあなた桃の引力無限大」となります。「ねぇあなた桃の魅力は無限なのよ」てな事になりますか。この場合、桃は妻と読み替えても良い感じになります。うーーん凄い自信。うちの奥さまとは違うような、ノエビア化粧品のイラストポスターの女が言うみたい。分かりますか?イメージ的にこんな感じ。もう少し考えてみます。もう一句桃はわね優しさをギューとしたものと言うのも良いなぁと思っ...NHK俳句兼題「桃」2
今回の兼題「桃」です。桃の果実のことです。花とかでしたら「桃の花」となります。桃はみずみずしく甘くて柔らかい夏の果実ですが、季語は「初秋」です。コレも考えたことのない季語です。そこで先人の名句を見てみました。気になった句が「中年や遠くに実る夜の桃西東三鬼」三鬼は、自句自解に書いてます。「中年というのは凡そ何歳から何歳までを言ふのか知らないが、一日の時間でいへば午後四時頃だ。さういふ男の夜の感情に豊かな桃が現れた。遠いところの木の枝に。生毛のはえた桃色の桃の実が。」西東三鬼は女好きだったみたいで、この桃は女の象徴かと。そんな目でこの句を見るとエロっぽいかも。金魚の青春時代はロマンポルノ全盛。桃尻娘なんて映画があったりして。なんとかひねり出した一句。「指の跡桃は泣くのか笑うのか」桃を強く握ると握ったところに指...NHK俳句兼題「桃」
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72候では11月2日から6日までは「もみじつたきばむ」候なのだそうです。知りませんでした。そういえば、近所の紅葉が一気に黄葉してきました。季節外れという言葉を何度聞くことでしょう。11月に真夏日ですよ。11月に台風ですよ。師湘子に聴きたいですよね。こんな時期はずれに句を詠むのはどうすれば良いのかと。そこで一句。青空に暑いといえど影は秋夕金魚楓蔦黄もみじつたきばむで一句
師の教えをもう一度読み直しています。才能があるかないかは、一日一句を3年続けてから、考えろというものですけど、3年は長くありませんか。なんとか、1年続けてからです。あまりに兼題にこだわって作るのも正直お疲れです。おじさん、疲れちゃって。自分のために詠む。日記代わりに一句でいいではないか。あまりに評価されない、負け惜しみかな。それで一句、文化の日。朝霧に師の教え請う文化の日夕金魚それでも寝酒も考えていたのです。いつの日かそれが今日とは寝酒飲む二人ならここに幸あり寝酒かな夕金魚でどうでしょう。文化の日で一句
季語「寝酒」寒い夜、身体を温めるため就寝前に飲む少量の酒。ほのぼのとした酔いが寝つきをよくしてくれる。少量のお酒ですよ。酔っ払うほどの量じゃないって、無理かも。例句としてふたたびの寝酒にかへす白枕山口草堂いやなことばかりの日なる寝酒かな草間時彦そこで一句黙々と手酌一杯寝酒かな寝酒飲みついつい深く飲みにけり寝酒などいらぬ背中が寂しくて夕金魚一人で手酌で飲む寝酒なんて、味気ないですよね。寝酒がついつい深酒に、なんて酒飲みのあるあるです。「背中が寒い」とすると季語になりそうです。なんか色々考えてて、今回はダメですね。夕金魚風に一句眠られぬ寝息肴に寝酒かな後悔はあの日の寝酒子だくさん夕金魚なんてね。本日調子悪し、寝酒飲もう。一句一遊兼題「寝酒」
季語「霜夜」は霜の降りる寒い夜のこと。良く晴れて風の無い夜は霜が降りやすい。身を切るような夜更け庭や道にうっすらと霜が降りて白くひかる。例句として霜夜読む洋書大きな花文字より田川飛旅子不忍の鴨寝静まる霜夜かな正岡子規霜夜、冷たい夜ということですよね。そこで一句かたちなき物のうえにも降る霜夜「かたちなき物」っていいでしょ。勉強中に見た句の言葉です。「かたちなき物」それは魂かとか解説してあったような。霜って降るのですか?違うような。そこで推敲かたちなき物のうえにも霜夜かな降るを止めて「かな」の切れ字にしました。もう一句静寂に無音という音霜夜かな静寂の中にも無音という音があるという説明ですね。推敲して、静けさが耳にうるさい霜夜かな静かすぎるとシーンという音が聞こえてきませんか。金魚は時々聞こえてきて、人は耳鳴り...一句一遊兼題「霜夜」
季語「冬暖か」は冬のさなかの暖かい日のこと。つめたい風も吹かない穏やかな日和。冬の恵まれた一日である。【子季語】冬ぬくし、暖冬例句として冬ぬくく地の意にかなひ水移る飯田蛇笏冬ぬくし海をいだいて三百戸長谷川素逝暖冬や砂丘をのぼる身の重さ秋元不死男校庭の柵にぬけみち冬あたたか上田五千石山々に坂が寝そべり冬ぬくし佐藤和枝茶畑の丘まろやかに冬ぬくし道山昭爾イメージが湧かなくて、だけど一句。好きだけど冬あたたかいだけではね夕金魚冬ってやっぱり寒いのが本意。寒い中に一日だけ、暖かい日があるから感動するのだけど、毎日が暖かいのでは、春か夏でしょう。もう一句。逝く道や冬暖かくご婦人といつか逝く道ならば冬の暖かい日に、ご婦人と道連れに。本音ですけど、ちょっとカッコつけて一句。逝くならば冬暖かく一句詠み夕金魚冬の暖かい日に一...俳句ポスト兼題「冬暖か」
兼題「双六」を考えてます。で一句です。上がるとは人生双六外れること夕金魚上がりを目指すのですけど、上がってからは、何をするのでしょうか。人生も上がってしまうとすることがないのでしょうね。すごろくの上がりのように逝かれけり角野良生という句もあります。絵双六囲む十二の膝頭鷹羽狩行双六は大勢でするものです。膝頭が十二と言うことは六人で囲んでいるのです。金魚も一番家族が多いときは、十人でした。金魚の父母。それに金魚の家族が四人。金魚の兄貴の家族が四人。兄弟の中は良くは無かったけれど、親が生きている間は実家に集まりました。いい大人が、賽子転がして懸賞付けて双六遊び。母が一番に上がったときは、手を叩いて喜んだのです。父が一番の時は、私達をだらしないと笑って言ったものです。私が一番だと兄貴が私を拳骨で小突くんです。次男...NHK俳句兼題「双六」2
季語「双六」正月の室内遊戯の一つ。盤双六と絵双六があるが江戸時代からは絵双六が一般的となった。絵双六は、サイコロのでた目の数だけ駒を進めて、先に上がった方の勝ちというもの。江戸初期から行われていたという。昔は雑誌の新年号の付録などに付いてたりしました。知ってますかね、双六。ゲームボードのようなものです。東海道双六とか、出世双六とかありました。今の人生ゲームも双六の一種でしょうか。ただ双六には、上がりがあるのですけど、人生ゲームは大金持ちになるとかで上がりというマス目はないようです。例句として一番に上りてさみし絵双六内田美紗人の世に振出しありぬ絵双六冨田みのる双六の賽振り奥の細道へ水原秋櫻子そこで一句双六は使わないけど捨てられぬ昔使った双六が断捨離できないのです。双六に、家族の笑いが見えたのです。昔は正月に...NHK俳句兼題「双六」
兼題「初鏡」を考えています。心いまだ燃ゆるものあり初鏡鈴木真砂女真砂女の句は「女」感じさせますね。そこで一句。勝ち負けは男の世界初鏡女の世界にも勝ち負けはあると思うのですけど、男の勝ち負けとはサイクルが違うみたいです。金魚がまだお勤めしていた頃、寿退社した女子社員が赤ちゃんを連れてきたのです。退社した女子社員とライバル関係にあった人が赤ちゃん見て、凄くうらやましそうにしていました。金魚から見たら、出世争いに負けた人が、結婚したという風に見えたのですけど、女の方は違うみたいです。出世より赤ちゃんの方が女の世界では、勝っているみたいです。育児でお洒落もできない彼女を羨ましそうに見ているので、「羨ましいですか」と聞いてみたのです。「当たり前でしょ。赤ちゃんに苦労している姿、見せつけにくるなんて趣味悪いわ」と言っ...NHK俳句兼題「初鏡」2
兼題が「初鏡」です。新年、初めて鏡に向って化粧をすること。また、その鏡をいう。初化粧。もう新年の季語ですよ。俳句公募とかにも、新聞紙等が新年の特別号用の俳句を公募し始めています。でも、うーーん新年ですか。頑張ってみます。例句として初鏡逃げも隠れもできぬ顔林十九楼唇を舐め消す紅や初鏡杉田久女女の句が多いのですが、男を詠んだ句もあります。今更の男ぶりかよ初鏡牛山一庭人金魚は化粧なんてしないから、とはいえ兼題なのでそこで一句。同じだと思いつつも初鏡まだまだともうが乱れる初鏡夕金魚女の方だと、鏡って毎日見るものなのでしょう。いつも見ている顔なのに、いつの間にか変わっていく。今変わったなんて分かるのでしょうか。分かるのなら、直せば良いのになんて金魚は思うのですけど。まだまだイケテルと思う心と、もうダメかもと思う心が...NHK俳句兼題「初鏡」
本日紹介する句老いることやうやく楽し冬日向坂本謙二「良弁杉」松山在住の作者。句集名は東大寺二月堂開山の良弁さんが植えた杉にちなむ。作者とて老いに悩んだ事も嫌ったこともあったろう。が、長生きを楽しむことを悟った老いの知恵。と宮坂は評する。金魚も老いました。最近つくづく老いを感じることが多くなって、上記のような句を好むようになっています。同じような句として、いちまいの落葉枯葉になる途中田中青志という句も落葉よりも枯葉の時間は長い。落ちたばかりの葉は鮮やかでみずみずしく枝から地上に住処を移したときめきに弾んでいる。雨に打たれ、霜を浴び、風に叩かれて落ち葉が地上に馴染んでくると当初の覇気(葉気)がなくなる。生きる真髄はこれからではないかと、宮坂は評してます。でもねと、金魚は思う。樹の上で見た世界と、地上で見る世界...俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生老いること
俳句生活で「人」に入選できたので、この勢いでNHKにもなんとか入選してみたいです。頑張ってみたのですけど、頑張ってなんとかできる者ものでもないのですよね。それでも、そろそろ投句締め切りが11月2日なので、「湯豆腐」に投句しようと思ってます。湯豆腐や小踊りするや夜の酌玉村豊男湯豆腐は手間がかからなくて温まるうれしい鍋料理。豆腐が煮えてきて鍋の表面に浮いてくる寸前を掬って食べる、それがいちばんおいしいと言われる。「小踊りする」のだから、まさに掬って食べるタイミングを言っている。表面で踊り狂うようになってしまっては、もはやいけません。掲出句は湯豆腐を囲んでいる面々の話題も楽しくはずんでいる様子まで感じさせてくれる。「小踊り」で決まった句である。古くは「酌は髱(たぼ)」と言われたけれど、ご婦人に限らず誰の酌である...NHK兼題「湯豆腐」2
俳句生活8月兼題「墓参」の結果報告。墓参嫁に聞かれぬように愚痴夕金魚「人」に選句いやぁ、選考外だと思っていたのですけど、なんと「人」に選句されていました。「人」だと一応入選です。数が多くて、一生懸命探したのですけど、見つからなくて選考外だと思っていたのですけど、良く似た句がありますよと教えられました。俳句生活の入選句俳号順になっています。しらなくて、最初から探したのですけど句が多くて見つかりませんでした。応募するときは俳号「夕金魚」を使ってないので、良く似た句と教えてくれた人ありがとうございます。ちょっと、と言うか跳び上がるほどうれしい。プレバトで「才能あり」と評価されたような気がします。俳句生活「墓参」結果報告
本日紹介する句枯山に鳥突き当たる夢の後藤田湘子1976年冬山の裸木ばかりの枯山。そこに夜明けに大きな鳥がぶつかる。そんな音を聴いた。夢から覚めた直後かもであった。あるいはその音に夢が破られたのかもしれない。なにかもやもやしたものが吹っ切れた感じ。そんな内心の自信がついた思いを表現したものかと宮坂は評する。いいや、金魚は違うと思う。枯れ木ばかりの枯れ山。凡句・類想・選句外ばかりの枯れ山。山を越えられると夢見た鳥が、山の高さに途中でぶつかって、ただひたすらに山を見上げている。夢見た後の挫折です。今の金魚の状態。師も同じだったのかと思うのです。現在勉強中俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生枯山に
兼題「秋の暮れ」です。季語「秋の暮れ」は秋の夕暮れ。枕草子で秋は夕暮れと賞賛されている。秋の日は釣瓶落としと言われるように束の間の夕暮れにあわれを感じます。例句として日のくれと子供が言ひて秋の暮れ高浜虚子1000句を楽しむの中にも、物言えば耳に聞こえて秋の暮れ和田悟朗自分の話す音を自分の耳で聞く。聞くことによって、次の音声を相手に分かりやすく理解されるように話すことができる。ところが、秋の暮れと置かれるとこれはひとりごとかなと思う。呟く。大方老いの繰りごとかと宮坂は評する。そこで一句。秋の暮れ戻らぬ妻をひとり待つ秋の暮れ帰らぬ妻をひとり待つ夕金魚出かけた妻をひとりで待っている秋の夕暮れです。戻らぬ妻と書くとなんだか家出した妻を待っているようで、帰らぬ妻と書くと今度は亡くなった妻を待っているようです。家出妻...俳句生活「秋の暮れ」
兼題「冬麗」を考えてます。残暑厳しい中、「冬麗」考えるって結構難しい。小川軽舟氏「名句水先案内」で秋の名句が最近見つからないと嘆いていました。特に「紅葉」の句が無いと言うのです。そういえば宮坂静生氏の「1000句を楽しむ」でも「紅葉」の句ないです。最近は「秋」がないとも言われてますので、難しいのかも。人生のおまけといへる冬支度榎本とし「1000句を楽しむ」の中にありました。そういえば北陸・金沢では厳冬期にフッと現れる暖かい日「冬麗」を「儲けもの日」と言っていました。そこで一句冬麗や今日は一日儲けもの夕金魚厳冬期に突然現れる「麗かな日」には奇跡的です。こんな奇跡的な日には「奇跡」が現れるかも。そこで一句冬麗や優しきつまに会えるかも夕金魚つまは「妻」か「夫」かいずれかでもいいので。気温は低いが日差しが温かい。...NHK俳句兼題「冬麗」2
季語「牡丹焚火」をしらなくて歳時記で調べてみました。ところが金魚の持っている歳時記には、記載が無くてネットで調べることに。ネットの歳時記には、花の終った牡丹の枯れ枝を持ち寄って、感謝と供養のために焚くこと。福島県須賀川市の牡丹園では、牡丹の古木に赤松を混ぜて焚く。環境省の「かおり風景100選」にも入っている。とのことでした。この須賀川市の牡丹園が有名なようです。写真やら、何やら調べてそこで一句。牡丹焚ローズジャスミンうなじ白夕金魚牡丹焚は香を楽しむようなので、香の句です。大勢の人混みの中で焚火を見ていたら、ローズジャスミンの香りが、前を見るとうなじの白い人がいますと言う景。もちろん、白いうなじなのでご婦人。「白うなじ」も考えましたが、白鰻と似てると思って止めました。続いて一句牡丹焚炎一条つまに似て夕金魚焚...一句一遊兼題「牡丹焚火」
本日紹介する句芭蕉忌の反りそれぞれに松の幹鍵和田秞子「武蔵野」芭蕉忌は陰暦10月12日芭蕉は大阪へ新旧弟子の争いの仲裁に行って亡くなったのです。その死の床に侍る者達の心中も様々。それが即、師匠の跡目争いになります。まっすぐな幹の去来や杉風、太く曲がった其角や枝考、折れ曲がりそうな丈草。俳文学者である作者の古典諷詠でもあると宮坂は評しています。最近読んだ岸本尚毅氏の「俳句講座季語と定型を極める」の中に忌日季語についての記述がありました。忌日季語には音数の違う傍題があるとか、「の」をプラスして詠むこともできるそうです。例句として虚子の忌の大浴場を泳ぐなり辻桃子古い例として類題発句明治撰十冬の部に時雨ねば成らぬ空なり翁の忌(翁の忌は芭蕉忌)があります。但し、芥川龍之介の忌日「河童忌7月24日」のようなのには使え...俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生忌日を詠む
季語「湯豆腐」は三冬生活です。この句には有名な例句があります。湯豆腐やいのちのはてのうすあかり久保田万太郎この句意は、湯豆腐の湯気のように人生とははかないものである。そして、いのちが燃え尽きる時に見えるであろう「死後の世界のうすあかり」が自分を待っていると詠んでいるのでしょうか。いずれにしても、この例句があるとなかなか類想から離れられなくなります。私語、死後、死語というのもちょっと。湯豆腐には他にも良い句があります。金魚が好きなのは。湯豆腐や男の嘆き聞くことも鈴木真砂女銀座小料理屋の女将さんです。羅や人悲しませる恋をして鈴木真砂女が代表句といわれてます。男の嘆きも愛憎問題、真砂女の相槌だけでも、箴言になったかも。こんな時の食べ物は、やっばり湯豆腐。そこで一句。湯豆腐や愚痴も嘆きもつまのこともういやと湯豆腐...NHK俳句兼題「湯豆腐」
冬麗(ふゆうらら・とうれい)春の「麗か」を思わせる冬の好天のこと。「小春日和」が初冬の季語に対して、寒さが厳しくなってから使われる厳冬の季語例句として冬麗の富士の位をこころざす石島岳「富士の位」とは志の高さであろうかと。厳冬の季語として「氷晶/氷塵/氷霧/細氷/霧雪」が思い浮かびます。これはダイヤモンドダストと呼ばれる現象。ダイヤモンドダストはやはり晴れた日でないとできないので、そんな日を思い浮かべると良いのかも。そこで一句冬うららヒマラヤ颪の風が吹くダイヤモンドダストと聞くと金魚は冬山を思い浮かべるのです。冬山の息も凍る空気感なのです。冬うらら高山病の空気かな気持ち的には高山病の空気な感じなのですけど、やっぱり「病」と言う文字が「詩」的に思えませんね。冬麗や空気おのずと裏返る空気がちょっと、別の言い方無...NHK俳句兼題「冬麗」
1000句を楽しむより金魚なりに名句選んでとして紹介します。枯れ木立つ枯れ切って立つほこらかに黒田杏子2011年「日光月光」所収冬枯、春に芽生え、夏に繁り、秋に紅葉し、冬を迎える。冬の枯れ木にはそれまでの季節の思い出がいっぱいある。新たな冬に感謝、、そんな作品と宮坂氏は評する。金魚もこの句、好きです。黒田杏子は夏木いつきの師匠です。黒田杏子は山口青邨(せいそん)に師事。博報堂に勤めていた1982年、第一句集「木の椅子」で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞を受賞し「キャリアウーマンの俳人」として注目。全国の桜の名所で句を作り「桜の俳人」と呼ばれた。東京新聞の平和の俳句の選句者に黒田氏と夏井氏が選ばれて、夏井さんに「師匠との選句の心境は」と水を向けると、黒田さんはすぐさま「私は師匠じゃないわよ」と打ち消した。一般...俳句必携1000句を楽しむ宮坂静生枯れ木立つ
スーパーの鮮魚部に行くと、本マグロありますと書いてあることがあります。本マグロって本当に、本のマグロなのかなと思って聞いてみました。「本マグロって、もしかして絵本」「まさか、金魚さん。本物の本マグロですよ」「本物のと言う意味の本なの?」「いえ、本状の肉が付いたマグロって意味なんですよ。知りませんでした」「本状のトロと言うこと?」「ええ、最近のマグロは高速で移動するので、エラ呼吸だけでは筋肉の隅々まで酸素が供給できなくなってて、筋肉が本状になってその間に海水を取り込んで直接筋肉に酸素を供給するように進化しているのです」「本当なの、凄いね。それで一匹に何冊ほどあるの」「普通の大きさだと左右に二つずつなので計四つ。でも大きいのは片方に五つあって、左右で十もある大きいのもいますよ。十を超える大物は図書館マグロって...本マグロあります
近所に喫茶店が新しくできました。コーヒーは私は自分で入れたコーヒーが一番旨いとかってに思っていますが、時々はこの喫茶店に行っています。若い店主であまりコーヒーのことを知らないのに喫茶店が好きと言うだけで初めてお店なので、コーヒーの蘊蓄を一席ぶつのに丁度良い相手なのです。しかも、所謂余所者なのでこの街のことも詳しくないし、町の役員としてはこの街のことを教えると言う名目もあるのです。それに、マスターの奥さんがちょっと感じの良い子なので、その面でも応援のつもりで通ってます。「暑くなりましたね、金魚さん」といつものように奥さんと挨拶してから「マスター、今日は眠気覚ましにカフェインの多い濃いコーヒーをお願いします」と言ったのです。コーヒーを知ってる人だと、嫌な注文する客だなぁとお思いでしょうが、これもマスターへの愛...アイスコーヒーは飲まないのに
私達の世代で、フォークの神様と言えば岡林信康です。「山谷ブルース」や「私達の望むものものは」等メッセージ性強い唄が特徴です。そんな風にいうと「いやいや、フォークの神様は吉田拓郎でしょう」と言う人が必ずいる。「音楽性は吉田でしょう」というのも必ずです。まぁ、私としてはどちらでも良いのですけど、二人のやりとりを聞いてるのも楽しいものです。二人で「フォークの神様は岡林だ」「いいや、吉田だ」と言い合っていると、横で聞いた人がボソリと言った。「フォークの神様は杉下でしょう」フォークの神様
近所にちょっと変わった時計を売っているところがあります。以前はカラクリ時計が主だったのですけど、最近は砂時計が主な商品だというのです。今時は携帯電話にも時計機能があるので、時計を買わなくなりますけど、やっぱり腕時計を見る癖が付いている世代なので、腕時計が壊れると困ります。「どのような時計をお求めですか」と言われても困るのです。「安くて正確ならそれでいいよ」「デジタルの物でしたら安いですけど」「デジタルの物買うのならこちらに来ないよ」「機械式のものだとお高くなりますよ」「高い物を安くしてなんて言いませんから、何か無いかな」「じゃ、これなんか面白いですよ」と言って見せられたのが、砂時計。「携帯用に腕バンドが付いていて、しかも必要の無いときは格納できますから」と言うのです。「時刻が知りたいのだから、砂時計は」「...携帯砂時計
はようせいがきいたのか、1週間後におばさん妖精が来て一本の苗木を植えていきました。「毎日水をやって下さいね。一ヶ月ほどでお鐘がなると思いますからね」と言って消えました。お金の成る木です。金魚これでお金持ちになれると思ったのです。1ヵ月ほど毎日水やりましたよ。いつお金ができるのか、楽しみにしていたのです。ところが、一ヶ月ほどしたらできたのが、直径が1メートル、高さが2メートルほどの釣鐘です。庭に釣り鐘の付いた木ができたのです。おっさん妖精を呼びつけましたよ。「なんだ、これは。俺が言ったのはお金の成る木だよ。こんな釣り鐘の成る木じゃない」「えっ、そんな、これは鐘のなる木じゃないですか、貴方の願い通りですよ」「えっ、まぁ、金違いだとしても、俺のはお金と言っただろう、これだと鐘のなる木じゃないか」「だから、よく見...お金の成る木が欲しい3
「なんだ、お願いするだけかよ。詐欺みたいなものだな」「失礼な、お願いするだけじゃないですよ。ちゃんと願い事は百パーセント叶えているのですから」「百は凄いね。何件請け負ったのかな」「一件です」「一件受けて一件成就ですか、それは凄い」「あっ、馬鹿にしてますね。私のしたことは今も芝居とかになっているのですから、有名なんですよ」「何したの?」「400年ほど前に、大石という方に吉良という方をお会いさせたのですよ」「それって、もしかしたら忠臣蔵」「そうそう、忠臣蔵というお芝居になってますね」「それだと、人殺しの手伝いじゃないの」「会わせただけ」「殺人の幇助罪になると思うけど、いいの妖精が犯罪して」「私は会わせただけ、会った後のことまでは知りませんよ」「なんか、都合の良い話」「待って下さいね、今、電話してお金の成る木を...お金の成る木が欲しい2
朝コーヒーを飲んでいたときです。シンクに置いてあった小バエ取りに、珍しく小バエがくっついていたのです。馬鹿な小バエがいるもんだなと思って見ると、小バエと違っていました。妖精です。小さな人型に羽が生えている妖精。ただ、ちょっと違っているのが頭の禿げたオッサンなんです。オッサン妖精が小バエ取りの粘着棒に捕まって何か言っているのです。耳を近づけると、蚊の鳴くような声で「これ、耳に入れて」と言ってるのです。見ると手にごま粒程の黒い器械を持ってます。指の先に貰って、耳に入れました。「助けて下さい」と耳一杯に聞こえました。「うるさい、もう少し小さな声で言え」「あっ、すみません。やっと聞こえましたか」「そのための物だろ、今のごま粒」「そうですけど、ごま粒じゃないですよ。それは翻訳機兼拡声器。便利でしょ」「ああ、蚊の鳴く...金のなる木が欲しい1
「金魚さん、相合体験傘の上級編を作ったので、体験してみて頂けませんか」アミューズメントパークのアトラクションを作っている方から、あの相合体験傘を作った方から言われたのです。「私は、もう相合い傘する歳じゃないですよ」「良いじゃないですか。今度は男性版も作ったので、それ体験して、感想言って頂けませんか」「まぁ、私で良ければしますけど」あまり気乗りのしないのですけど、面白そうかなとも思ってやってみました。上級編というのでビニールの雨合羽を着けて、傘を持って準備万端。「近くのコンビニが終点なのでそこまで行って下さい。コンビニで待ってますから」と言われて出発しました。傘を差す前に空を見ると、青空で日差しが熱いです。こんな日に雨合羽着て出かけるなんて、じんわり汗が出てきます。暑いなぁと思いながら、傘を差したのです。傘...相合体験傘上級編
夏休みに入って、学校のプールも開放されています。水の事故が多いので、プールの監視人として町内役員も動員されるのです。ところが、動員される役員がプールサイドで、熱中症になる危険があるのです。プールサイドって意外と日陰がないし、特にコンクリートの照り返しで暑いのです。「金魚さん、なにかいいものありませんか」と言われて紹介するのが、「ヒヤシマス」です。ヒヤシンスと同じ、キジカクシ科でヒヤシンスの方が有名ですが、本当はヒヤシマスから派生したのがヒヤシンスなのです。同じように球根を作るのですが、ヒヤシマスの球根は熱に特に弱いのです。それで球根を熱から守るために球根の回りを厚手の皮が覆っているのですが、この皮が熱を内部の吸い取って外に放出するのです。皮もバナナの皮のように五ないし六等分に分かれて、内側がゼリー状になっ...熱取り草ヒヤシマス
夏休みに入りました。毎日暑い日々が続きますが、子供達は元気です。毎日、熱い日差しの中でも元気に走り回ってます。それでも夏休みの宿題を始めている子供達がいました。夏休みの宿題と言えば、虫の採集です。子供達が採取した虫を見せて貰ったのです。「もう集めたの、凄いね」と言うとみんな自慢したいようで、いっきに話まくります。「これ、俺んちで見つけたのだ。腹の虫に金食い虫と弱虫、泣き虫、点取り虫。すげえだろう」と自慢するのですけど、どうかな。「お父さんの会社に行ったとき見つけたんだけど、法律虫に規則虫、人権虫と問題虫。それに自然環境虫。こんなのなかなか見つからないんだよ」と自慢するのです。「お父さんの会社ってどこなの」聞くと「買い取り一番の大きなモータです」って自慢されました。「おじさん、俺のなんかもっと凄いよ」と言っ...虫の採集令和編
今年の4月頃、道にブラックベリーの苗が捨てられていた。道の端に捨てられていて、干からびてもう枯れてるかなと思ったのですけど、なぜか「タスケテ」と言っているようにも見えたのです。無駄かなと思いながらも、鉢に植えて水と栄養剤を与えてみたのです。1週間ほどしたら、なんとか植え付いたので水やりをしていたのです。そんなときに近くの喫茶店をしているご夫妻から、グリーンカーテンについて相談を受けたのです。カーテン閉めておくより、何かの植木の方が雰囲気も良くなるし、地球にも優しいのでしょうということで、相談されたのです。丁度拾ったブラックベリーがあったので、譲ることにしました。まだ苗ですけど、7月頃には大きく成るでしょうからと言って譲りました。七月になって様子を見に行ったのです。喫茶店の窓一面に広がったブラックベリーを見...ブラックベリーの恩返し
懇意にしているおじさんで、元会社の社長さんがいます。人を見下したようにするので、正直好きじゃないのだけど碁の力がそこそこなので呼ばれたらお伺いしています。「やぁ、今度こそ儂が勝つから覚悟しろよ」といつもの台詞を言うのです。正直下手だから何度しても私が勝つと思うのだけど、いつもの座敷に入りました。今時珍しい床の間のある座敷です。大きな縁側があるので日差しは入って来ません。障子は開けなされて、庭から涼しい風が入ってくるのでエアコンの必要が無いのです。軽く一局もんであげたところで、お茶が出てきます。「金魚さん、お手柔らかにお願いしますね、いつも負けて不機嫌なのですよ」遠く様が笑いながらプレッシャーをかけますが、遠慮無く徹底的に叩きます。正直、私と同じ歳ぐらいなのにあんな綺麗で若い奥さんがいるなんて、犯罪ですよ。...大村の松
ご近所に居酒屋さんがある。家庭料理を出してくれるので、時々来ている。少し年配の奥さまと人の良い旦那様の夫婦でしているお店です。「いつもありがとうございますね」と奥さまに言われた。今日もお客は、私一人だけだ。「美味しいのに、どうしてお客が来ないんだろう」「路地の奥だから、看板が見えないのだと思うけど、表に看板を出そうとするとお金がかかるので、看板出してもお客が来ないかもしれないし、出せないのですよ」「僕も友達には言っているのですけどね、お客様増えないね」「ありがとうございます。でも、来月にはお店閉めようかと。赤字続きでもう限界なんですよ」と言われてしまった。「それは困るな、明日にでも良い花があるから植えてあげますよ」「花ですか」「そう、招き猫花という、変な名だけど、効果はあるみたいですから」翌日、朝早くお店...招き猫花
マスカットシャンデリアを作ったおじさんが、またまたおかしな物を作っているというので見に行きました。今度も葡萄だというのです。「また葡萄で変な物作っているみたいですね」「変な物と言うな。立派な葡萄だぞ」「でも普通の葡萄じゃないでしょ」「ああ、普通じゃないな。マスカットシャンデリアが果汁が多くて美味しいから、これでワイン作ったら美味しいでしょうといわれてね」「まさか、ワインの木、作っちゃたの」「そうだよ、葡萄の実からワイン作るより、木に果汁だけ貯めさせる方が美味しい物になるだろう。ワインって葡萄の果汁を発行させただけでできるから、以外と簡単なんだよ」「それはそうでしょうけど、そんなに上手くできないでしょ」「それが素人の考え。こっちに来て」と案内されたところには葡萄の木が一杯。「なんですか、これ」葡萄の木に近づ...ワインの木
今日はゴミの収集日です。ゴミステーションの掃除も町会役員の仕事なのです。最近は、暑くて飲料水の使用料も増え、ゴミステーションにもペットボトルの山がいくつもできています。ペットボトルの山を片付けながら、汗が出てきます。ゴミステーションの掃除を終えて家に帰る途中のことです。ヘンテコ発明家の家の近くを通ったときに、ポコポコという変な鳴き声を聞きました。犬でもないし猫でもない。もちろん、鳥の声でもないのです。またまた、変な物でも発明したのかなと声をかけてみました。「こんにちは、いますか」いつもだとすぐ返事がくるのに、今日はシーンと静まり返ってます。なのに、ポコポコと変な鳴き声だけがしています。勝手に入るのも流石にちょっと、と思ったときに後ろから声をかけられました。「オー、金魚どうしたんだ。誰もいないところに泥棒か...ペット・ボトル
ヘンテコ発明家がまたまた便利な物を作ったというので、見に行った。「このレンジは電気を全く使わないのだ。但し、レンジに入れた物の半分の食材をエネルギーにして食品を温める」と言うのです。「半分取られちゃうのですか」「半分くらい良いではないか、それでエネルギーができるのだから、画期的な発明だろう」と自慢するのです。試しにご飯を温めて貰おうとしたら、丼のご飯が半分になるが熱々ご飯になった。「なっ、食品が半分になるのならダイエットにもなるし、便利だろう」と自慢するのです。「でも、半分も取られるのはちょっと」「震災とかで、電気がこなくても食品だけあれば温かくなるのなら、絶対便利だよ」発明家は自信満々だった。「即席麺だって瞬時だよ。3分も待たなくて良いのだから絶対いいよ」と言うのです。「半分になっても、便利だからいいだ...半分レンジ
珍しくビニールハウスのおじさんが尋ねてきました。「金魚、お前なら知ってるんじゃないかと思ってきたのだけど」「へぇ、俺に聞くこともあるんだ」「そりゃ、俺にも分からないこともあるさ」「他ならぬおじさんだから、特別に何でも教えてあげるよ」「娘が聞くんだけど、片思い草というのがあるのか。儂はそっちの話はとんと分からなくてね。お前なら変な神社の西瓜とか詳しいから、知ってるんじゃないかと思って聞くんだけど」「へえ、片思い草なんて娘さん、そんな相手がいると大変だね」「うちの娘じゃないよ。うちのはまだまだ色気より食い気だから。娘の友達だと言うんだよ。そんな草があって相手の気持ちが分かるって言うのか、本当にそんな草あるのか。俺の分からない変な花とか草はお前の方が詳しいから」「変な花ばかり作ってるおじさんに、言われたくないけ...片思い草
「金魚さん、今度こそ、今度こそ、馬鹿売れの物作りましたよ」とビニールハウスのおじさんが言ってきたので見に行きました。「今度のは凄いですよ」とおじさんも自信満々なのです。おじさんの家に行くとビニールハウスに案内されました。カーテンを閉めて暗くすると、ビニールハウスがぼんやり明るいのです。ハウス一杯にぶら下がっている葡萄が光っているのです。「どうだ、光る葡萄。マスカットシャンデリアだよ」と言うのです。「凄い、これは凄い。電気で光のですか」「まさか、電気なんか使わないよ。水やるだけで、光るんだから」「じゃ、山の中でも大丈夫なんだ。凄いね」「これを植えておけば、山の中でも道に迷わないぞ」と言うのです。「ちなみに色は」と聞いたのです。「そうくると思って、色の品種改良もしたよ。赤いデラウエア、緑のマスカット、そして新...マスカットシャンデリア
(イラストはハチドットビズより)「金魚さん、変な物見つけたのだけど見てくれる」と言われました。変な物見ても分からないのだけど、野次馬なので見に行くことにしました。近くの畑で大きなひまわりが咲いてるところです。日陰に角のある動物が横になっています。牛のような角の付いてる小人。尻尾の先には三角が付いてる変な物です。「なんだ、これ」指手ツンツンしてみました。動きません。「まぁ、家に連れて行って医者に診せてみますか」「こんな生き物を診るお医者様がいるのですか」「生き物だろうから、獣医さんでいいのでは」そんな話をしていると、変な生き物がむっくり起きたのです。「獣医だなんて、失礼だろう」と言うのです。「では、どんなお医者さんが」「おれは魔物だ。魔物医を呼べ」というのです。魔物医なんていないでしょうと思いながら、電話帳...俺魔物
今日の天気予報は曇りで、処によっては小雨が降るようです。こんな天気でしたけど、近くの丘に登ってみました。いつもの窪地に行くと、今日も先客がいました。寝やすいところなので、みんなに知られてしまったようです。見ると竿のような物を持って、空に向かって振っているのです。「なにしているのですか」と聞いてみました。「釣りですよ。魚釣り」まさか、見上げると空は曇天です。魚なんてどこにも見えません。「魚って、どこにいるのですか」「あの雲の下というか、向こう側にいるんだよ」「雲が厚くて、全く見えないのですけど」「当たり前だよ。雲が無かったら魚も俺を見ちゃうじゃないか。空からだと丸見えになっちゃうから、こんな曇り空が最高の釣り日和なんだよ」と言うのです。変な人だなと思いながらも「釣果はどうなのですか。釣れますか」「そこのバケ...曇り時々小雨が降る模様