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2023/05/22

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  • 投句のすすめ14

    俳句ポストに一句投句しましたけど、何句も投句できるみたいなので、もう一句送ってみることにしました。前に送ったのが風景なのですが、もう一句はちょっと変わったというか金魚が少し嵌まっている俳句。会話俳句と言いますか、あまり書くと角川賞に送れなくなるので困るのですけど、最初に作った句が実は、俳句ポストの前回の兼題である「山笑う」です。面白い季語ですよね。この季語に贈ったのが「カーテンは風のブランコ山笑う」です。季重ねになった句です。この句ができてから暫くして浮かんだのが以下の句です。「おはようにおはよう返し山笑う」ツブ金山に向かって「おはよう」と言ったら「おはよう」と山彦が返ってきて山が笑っているように見えたと言う景色です。本人的には、かなり気に入ってます。こんな句が楽しくなって、以下の句ができました。「サヨナ...投句のすすめ14

  • 投句のすすめ13

    俳句ポストの4月の兼題の投句が4月20日に始まりました。兼題は「薄暑」です。「薄暑」とは初夏、やや暑さを覚えるようになった頃の気候をいう。歩くと仄かに汗ばむような、過ごしやすく気持ちのいい季節である。「夕薄暑」「街薄暑」「薄暑光」のような使い方もされる。過去の同じ兼題での優秀作千枚の窓洗い終え街薄暑霞山旅大学に我が影のある薄暑かな井上じろ身ごもりて薄暑の海は縹色三十丸縹色は(はなだいろ)と読みます。などが紹介されています。上記の句は「光」で季節の変わりを感じているようです。季節の変わりは感じるのは「光」と「風」でしょう。「窓」「影」「色」は光を連想します。で、私は風を選んで詠んでみます。風を感じる時ってどんなときでしょう。やっばり暑い体に涼しい風が吹いているときではないでしょうか。暑い日に窓を開けていて、...投句のすすめ13

  • 投句のすすめ12

    今回の季語は虫です。俳句で虫と言えば秋に鳴く虫です。虫の音を美しいと思うのは日本人独特の感覚だそうです。角田忠信氏の「日本人の能=脳の働きと東西の文化」によると欧米人には虫の音も小川のせせらぎも騒音としか聞こえないそうです。ちょっと以外。虫の音が和歌に詠まれるのは平安時代だそうです。秋の夜のあるも知らずなく虫はわがごと物やかなしかるらん藤原敏行秋のわびしさの歌です。和歌の世界では鈴虫・松虫の区別は判然としていませんが、和歌の中で松虫・鈴虫という言葉をどう生かすかと言うことが大事だったというのです。秋の野に道もまどひぬまつむしのこえする方にやどやからまよみ人知らず君しのぶ草にやつるるふるさとは松虫の音ぞかなしかりけるよみ人知らずいずれも「松虫」の「まつ」は「待つ」の意で使われている。鈴虫の声の限りを尽くして...投句のすすめ12

  • 投句のすすめ11

    季語って凄いです。季語の勉強をしてなかったら、こんなこと知りませんでした。「夜の秋」と「秋の夜」の違いなんて考えたことありますか?同じでしょうと言うのが最初の印象ですよね。これが違うそうです。「夜の秋」とは、夏も終わりの頃になれば、夜に秋の如き感じを催すときがある。それを言うのである。秋の夜のことではない。これは高浜虚子の見解です。ところが、青木月斗はこの見解に反対している。「改造社の俳諧歳時記には夏の土用に入れば夜は北風が吹きて涼しく、宛ら秋の如くなるよりかく言うと記せる書あれど、よろしからず。」と記されています。ところで「宛ら」読めましたか。これ、「さながら」と読みます。これは気象状態の見解の違いではなく、江戸期の俳句の解釈の違いなのです。芭蕉以降の俳句を読んで鑑賞しながら、季語の意味づけしているので...投句のすすめ11

  • 投句のすすめ10

    今日からは新たな本になります。片山裕美子氏の「季語を知る」を勉強しています。片山さんって凄いですね。「五月晴れ」の時期っていつだと思いますか?歳時記では「五月晴」とは梅雨の晴天、つまり梅雨晴間の事だそうです。通常天気予報で言う五月晴れは五月の晴れ間という意味で使われているのです。辞書にも「五月晴」は新暦の五月頃の好く晴れた日と説明されている。「岩波国語辞典第七版」にはわざわざ誤用が現在定着していると添え書きされている。そんなの知ってましたか、私は知りませんでした。山本健吉編「最新俳句歳時記」の五月晴れの項目には、梅雨の晴れ間である。と記されている。だいたい12日ぐらいの周期で雨の中休みがあり、時に良い天気になる。新暦の五月の快晴を五月晴といっているが誤用であるとまで書いてある。それでも気候も変化するし、言...投句のすすめ10

  • 投句のすすめ9

    季語って難しいですね。角川五十句、今は二十句できました。私の人生史の妻との出会い編です。世に言う恋の歌。色々できて自分なりに気に入ってるのですが、ここでは公表できません。季語の「薄暑」は次回の俳句ポストの兼題です。薄暑とは本格的な暑さではなく、汗ばむ額を吹きすぎる風に爽快感を感じるような初夏の暑さ。少し暑さを感じるような時って色々使えそうです。例えば、好きな彼氏といる時のポッと暑くなる感じと似ていると思いませんか。そこで一句となるのですが、それはまたの機会。今回の場面は武田信玄の辞世の句です。本当の辞世の句は「大抵は地に任せて肌骨好し紅粉塗らず自ら風流」なのですが、知ってましたか。辞世の句ではありませんが武田信玄の最後の言葉として「明日は瀬田に(我が)旗を立てよ」と言った話が有名です。信玄が亡くなったのは...投句のすすめ9

  • 投句のすすめ8

    冬の季語に「小春」があります。よく間違えるのですがこれは冬の季語です。春という言葉があるけど、冬。あの冬の間に一日だけ春のような暖かな日が「小春」なのです。冷たい中にある暖かさ、これが本意だそうです。「玉の如き小春日和を授かりし松本たかし」冬の小春日和だから「玉の如き」という形容が生きるそうです。私の住んでいる地方ではこのような小春日和を「もうけもの」と言います。「冬の日に小春日和はもうけもの」みたいな感じです。変わった季語に「海鼠」があります。見たことありますか?「憂きことを海月に語る海鼠かな召波」「生きながら一つに氷る海鼠かな芭蕉」著者の長谷川氏は俳人なら一句は海鼠の歌を詠む必要があるとまで言ってます。そこで一句「海鼠にもひとに言えない悩みあり」てなところでしょうか。投句のすすめ8

  • 投句のすすめ7

    まだまだ季語の勉強をしています。自慢の一句を載せられないと言うことで、前回のような名文句を自分なりに俳句にして見たいと思います。今回は本能寺の変・織田信長の最後の言葉「是非に及ばず」を俳句にしてみました。本能寺の変は旧暦の6月2日の未明なので季語は夏です。どの季語を選ぶか悩みましたが、やっぱり「みじかよ」です。「短夜」は「短世」に通じるでしょう。つまりこの夜は短いと言う意味にも。中はやっぱり「ぜひにおよばず」で下の句が難しい。色々考えましたが「下天は夢か」から夢を採用しました。本能寺の変で信長様の一句「みじかよはぜひにおよばずつづく夢」でいかがでしょうか。短い世では仕方が無い続きの夢をみようかぐらいの意味です。そう読めますか?投句のすすめ7

  • 投稿のすすめ6

    俳句には一物仕立てと取り合わせがあります。前回は取り合わせを考えたので、今回は一物仕立てです。一物し立てとは一つの季語で一つの対象物を詠む歌です。一つの物を詠むのですから、「深く詠む」必要があります。これが難しい。深く読み過ぎて、独りよがりになったり、情景が分からなくては良い句とは言えません。一物仕立てでよく陥るのが「季語の説明句」です。「雪降ってすぐに止まる山手線」というのは、原因と結果がすぐ分かる浅はかな句と言うことになります。「何もかも白紙にしたり今朝の雪」の「白紙にしたり」の表現が変わっているのですが、表現が浮いているそうです。浮いてますか、分からない。ただ雪が白いので白紙というのは、平凡だと言うことは分かります。「雪という白くて冷たい物が降る」という句は「ただごと」と言って名句になりません。なん...投稿のすすめ6

  • 投句のすすめ5

    本日も一億人の季語入門のお勉強です。俳句には一物仕立てと取り合わせの区別があります。一物仕立てとはひとつの素材を詠み込むことで、取り合わせは二つの素材を組み合わせることです。取り合わせの一つは「季語」が普通です。「降る雪や明示は遠くなりにけり」中村草田男この句は降る雪と明治は遠くになってしまったという作者の感慨を取り合わせた句です。取り合わせの句の場合は二つの素材の距離=間が必要です。似たもの同士だと取り合わせになりません。これを「付けすぎ」と言います。「春愁や明治は遠くなりにけり」ではどちらも感慨なので「付けすぎ」です。離れすぎると取り合わせにもならないのです。「ゲヂゲヂや明治は遠くなりにけり」では間が開き過ぎるそうです。私には間よりも意味不明の句になります。素材の説明にならないように注意も必要です。「...投句のすすめ5

  • 投句のすすめ4

    上記画像について著作権について問題があるようでしたら、ご指摘下さい。上記本を読み直しています。俳句を勉強し直して、現在一番興味があるのは季語です。季語って単なる季節の符号だと思っていたのですけど、符号ではなく意味のある言葉だというのです。季語が言葉だとは思いませんでした。例えば「日永・ひなが」は冬に比べると春の一日は長くなった感じがすると言う季語だそうです。その春の長い日が何ごともなく過ぎてゆく。これが「日永」の本意と言うのです。この本意を外して良い俳句とは言えないというのです。つまり何ごともなく過ぎてゆかなければならないのです。「あれやこれ色々あって日永し」というのは良くない句みたいです。私の何ごともなく過ぎた永い日というのは、やっぱり退職した翌日でした。一日ボーっとして過ごした気がします。それを句にす...投句のすすめ4

  • 投句のすすめ3

    「カーテンは風のブランコ山笑う」と投句したのですけど、なんと、これ季重なりです。何が季語だと思います。「ブランコ」が季語なのです。「ブランコ」って季語なのって思いませんか。古代中国の遊戯で「しゅうせん」とかいうのですけど、漢字は変換できませんでした。「革秋」「革遷」こんな漢字です。読めますか?これが春の季語なのです。半仙戯(はんせんぎ)ともいうのだそうです。晴れ着を着て、男女が一緒に乗った春の行事だそうです。自分としては気に入っていたのですけど、季重なりなら直すことにします。「カーテンは風のブランコ」を生かして何を付けましょう。カーテンが動いて空が見えるとして「青い空」はどうでしょう。「カーテンは風のブランコ青い空」それなりですけど、それなりです。空じゃなくて雲ならどうでしょう。「カーテンは風のブランコ白...投句のすすめ3

  • 投句のすすめ2

    上記画像につき著作権上の問題がありましたら、削除します。一応フリー画像から頂きました。俳句の勉強をやり直して、ビックリ。「一むらの竹の春ある山家かな」高浜虚子この句の季節はいつなのでしょうか?春とありますから春ですよね。普通そう思いますよね。ところが、この句は秋なのだそうです。嘘でしょう。春と書いてありますよね。なのに秋なのだそうです。竹は落葉の季節に枝葉ともども青々としているので「竹の春」なのだそうです。しっかり自然を観察しての季語なのです。このような季語を「はすかいの季語」というそうですが、こんなの知りませんでした。再勉強というか、やり直したおかげで分かりました。正岡子規の言う見たままの写生と言いながら、別の意味もちゃんと含んでいることもあるのです。ちなみに上記の高浜虚子の句は山里のわびしい家に幸福な...投句のすすめ2

  • 投句のすすめ1

    上記画像は子規館のものです。著作権に問題があるようでしたら、ご指摘下さい。すぐ削除します。俳句の勉強を再び始めました。いろいろあるけど、なかなか続けられなくて俳句ならなんとかと思って再び初めてみます。俳句を始めるに自分なりの規則を決めました。1春夏秋冬の文字は使わない。2イメージ大事で、写生にこだわらない。もっと色々考えましたが、この程度で始めることにします。勝手に作っても批評とかして貰えないので、松山市でしている俳句ポストに投句してみます。もちろん初心者です。今週の兼題は「山笑う」。初心者なので、兼題はそのまま使うこととします。そのまま使わずに、兼題にあった題を探してということもあるようですが、初心者はそのまま使った方がいいみたいです。「山笑う」は春の季語、春山淡冶して笑うがごとしからきているそうです。...投句のすすめ1

  • 本マグロあります

    スーパーの鮮魚部に行くと、本マグロありますと書いてあることがあります。本マグロって本当に、本のマグロなのかなと思って聞いてみました。「本マグロって、もしかして絵本」「まさか、金魚さん。本物の本マグロですよ」「本物のと言う意味の本なの?」「いえ、本状の肉が付いたマグロって意味なんですよ。知りませんでした」「本状のトロと言うこと?」「ええ、最近のマグロは高速で移動するので、エラ呼吸だけでは筋肉の隅々まで酸素が供給できなくなってて、筋肉が本状になってその間に海水を取り込んで直接筋肉に酸素を供給するように進化しているのです」「本当なの、凄いね。それで一匹に何冊ほどあるの」「普通の大きさだと左右に二つずつなので計四つ。でも大きいのは片方に五つあって、左右で十もある大きいのもいますよ。十を超える大物は図書館マグロって...本マグロあります

  • アイスコーヒーは飲まないのに

    近所に喫茶店が新しくできました。コーヒーは私は自分で入れたコーヒーが一番旨いとかってに思っていますが、時々はこの喫茶店に行っています。若い店主であまりコーヒーのことを知らないのに喫茶店が好きと言うだけで初めてお店なので、コーヒーの蘊蓄を一席ぶつのに丁度良い相手なのです。しかも、所謂余所者なのでこの街のことも詳しくないし、町の役員としてはこの街のことを教えると言う名目もあるのです。それに、マスターの奥さんがちょっと感じの良い子なので、その面でも応援のつもりで通ってます。「暑くなりましたね、金魚さん」といつものように奥さんと挨拶してから「マスター、今日は眠気覚ましにカフェインの多い濃いコーヒーをお願いします」と言ったのです。コーヒーを知ってる人だと、嫌な注文する客だなぁとお思いでしょうが、これもマスターへの愛...アイスコーヒーは飲まないのに

  • フォークの神様

    私達の世代で、フォークの神様と言えば岡林信康です。「山谷ブルース」や「私達の望むものものは」等メッセージ性強い唄が特徴です。そんな風にいうと「いやいや、フォークの神様は吉田拓郎でしょう」と言う人が必ずいる。「音楽性は吉田でしょう」というのも必ずです。まぁ、私としてはどちらでも良いのですけど、二人のやりとりを聞いてるのも楽しいものです。二人で「フォークの神様は岡林だ」「いいや、吉田だ」と言い合っていると、横で聞いた人がボソリと言った。「フォークの神様は杉下でしょう」フォークの神様

  • 携帯砂時計

    近所にちょっと変わった時計を売っているところがあります。以前はカラクリ時計が主だったのですけど、最近は砂時計が主な商品だというのです。今時は携帯電話にも時計機能があるので、時計を買わなくなりますけど、やっぱり腕時計を見る癖が付いている世代なので、腕時計が壊れると困ります。「どのような時計をお求めですか」と言われても困るのです。「安くて正確ならそれでいいよ」「デジタルの物でしたら安いですけど」「デジタルの物買うのならこちらに来ないよ」「機械式のものだとお高くなりますよ」「高い物を安くしてなんて言いませんから、何か無いかな」「じゃ、これなんか面白いですよ」と言って見せられたのが、砂時計。「携帯用に腕バンドが付いていて、しかも必要の無いときは格納できますから」と言うのです。「時刻が知りたいのだから、砂時計は」「...携帯砂時計

  • お金の成る木が欲しい3

    はようせいがきいたのか、1週間後におばさん妖精が来て一本の苗木を植えていきました。「毎日水をやって下さいね。一ヶ月ほどでお鐘がなると思いますからね」と言って消えました。お金の成る木です。金魚これでお金持ちになれると思ったのです。1ヵ月ほど毎日水やりましたよ。いつお金ができるのか、楽しみにしていたのです。ところが、一ヶ月ほどしたらできたのが、直径が1メートル、高さが2メートルほどの釣鐘です。庭に釣り鐘の付いた木ができたのです。おっさん妖精を呼びつけましたよ。「なんだ、これは。俺が言ったのはお金の成る木だよ。こんな釣り鐘の成る木じゃない」「えっ、そんな、これは鐘のなる木じゃないですか、貴方の願い通りですよ」「えっ、まぁ、金違いだとしても、俺のはお金と言っただろう、これだと鐘のなる木じゃないか」「だから、よく見...お金の成る木が欲しい3

  • お金の成る木が欲しい2

    「なんだ、お願いするだけかよ。詐欺みたいなものだな」「失礼な、お願いするだけじゃないですよ。ちゃんと願い事は百パーセント叶えているのですから」「百は凄いね。何件請け負ったのかな」「一件です」「一件受けて一件成就ですか、それは凄い」「あっ、馬鹿にしてますね。私のしたことは今も芝居とかになっているのですから、有名なんですよ」「何したの?」「400年ほど前に、大石という方に吉良という方をお会いさせたのですよ」「それって、もしかしたら忠臣蔵」「そうそう、忠臣蔵というお芝居になってますね」「それだと、人殺しの手伝いじゃないの」「会わせただけ」「殺人の幇助罪になると思うけど、いいの妖精が犯罪して」「私は会わせただけ、会った後のことまでは知りませんよ」「なんか、都合の良い話」「待って下さいね、今、電話してお金の成る木を...お金の成る木が欲しい2

  • 金のなる木が欲しい1

    朝コーヒーを飲んでいたときです。シンクに置いてあった小バエ取りに、珍しく小バエがくっついていたのです。馬鹿な小バエがいるもんだなと思って見ると、小バエと違っていました。妖精です。小さな人型に羽が生えている妖精。ただ、ちょっと違っているのが頭の禿げたオッサンなんです。オッサン妖精が小バエ取りの粘着棒に捕まって何か言っているのです。耳を近づけると、蚊の鳴くような声で「これ、耳に入れて」と言ってるのです。見ると手にごま粒程の黒い器械を持ってます。指の先に貰って、耳に入れました。「助けて下さい」と耳一杯に聞こえました。「うるさい、もう少し小さな声で言え」「あっ、すみません。やっと聞こえましたか」「そのための物だろ、今のごま粒」「そうですけど、ごま粒じゃないですよ。それは翻訳機兼拡声器。便利でしょ」「ああ、蚊の鳴く...金のなる木が欲しい1

  • 相合体験傘上級編

    「金魚さん、相合体験傘の上級編を作ったので、体験してみて頂けませんか」アミューズメントパークのアトラクションを作っている方から、あの相合体験傘を作った方から言われたのです。「私は、もう相合い傘する歳じゃないですよ」「良いじゃないですか。今度は男性版も作ったので、それ体験して、感想言って頂けませんか」「まぁ、私で良ければしますけど」あまり気乗りのしないのですけど、面白そうかなとも思ってやってみました。上級編というのでビニールの雨合羽を着けて、傘を持って準備万端。「近くのコンビニが終点なのでそこまで行って下さい。コンビニで待ってますから」と言われて出発しました。傘を差す前に空を見ると、青空で日差しが熱いです。こんな日に雨合羽着て出かけるなんて、じんわり汗が出てきます。暑いなぁと思いながら、傘を差したのです。傘...相合体験傘上級編

  • 熱取り草 ヒヤシマス

    夏休みに入って、学校のプールも開放されています。水の事故が多いので、プールの監視人として町内役員も動員されるのです。ところが、動員される役員がプールサイドで、熱中症になる危険があるのです。プールサイドって意外と日陰がないし、特にコンクリートの照り返しで暑いのです。「金魚さん、なにかいいものありませんか」と言われて紹介するのが、「ヒヤシマス」です。ヒヤシンスと同じ、キジカクシ科でヒヤシンスの方が有名ですが、本当はヒヤシマスから派生したのがヒヤシンスなのです。同じように球根を作るのですが、ヒヤシマスの球根は熱に特に弱いのです。それで球根を熱から守るために球根の回りを厚手の皮が覆っているのですが、この皮が熱を内部の吸い取って外に放出するのです。皮もバナナの皮のように五ないし六等分に分かれて、内側がゼリー状になっ...熱取り草ヒヤシマス

  • 虫の採集令和編

    夏休みに入りました。毎日暑い日々が続きますが、子供達は元気です。毎日、熱い日差しの中でも元気に走り回ってます。それでも夏休みの宿題を始めている子供達がいました。夏休みの宿題と言えば、虫の採集です。子供達が採取した虫を見せて貰ったのです。「もう集めたの、凄いね」と言うとみんな自慢したいようで、いっきに話まくります。「これ、俺んちで見つけたのだ。腹の虫に金食い虫と弱虫、泣き虫、点取り虫。すげえだろう」と自慢するのですけど、どうかな。「お父さんの会社に行ったとき見つけたんだけど、法律虫に規則虫、人権虫と問題虫。それに自然環境虫。こんなのなかなか見つからないんだよ」と自慢するのです。「お父さんの会社ってどこなの」聞くと「買い取り一番の大きなモータです」って自慢されました。「おじさん、俺のなんかもっと凄いよ」と言っ...虫の採集令和編

  • ブラックベリーの恩返し

    今年の4月頃、道にブラックベリーの苗が捨てられていた。道の端に捨てられていて、干からびてもう枯れてるかなと思ったのですけど、なぜか「タスケテ」と言っているようにも見えたのです。無駄かなと思いながらも、鉢に植えて水と栄養剤を与えてみたのです。1週間ほどしたら、なんとか植え付いたので水やりをしていたのです。そんなときに近くの喫茶店をしているご夫妻から、グリーンカーテンについて相談を受けたのです。カーテン閉めておくより、何かの植木の方が雰囲気も良くなるし、地球にも優しいのでしょうということで、相談されたのです。丁度拾ったブラックベリーがあったので、譲ることにしました。まだ苗ですけど、7月頃には大きく成るでしょうからと言って譲りました。七月になって様子を見に行ったのです。喫茶店の窓一面に広がったブラックベリーを見...ブラックベリーの恩返し

  • 大村の松

    懇意にしているおじさんで、元会社の社長さんがいます。人を見下したようにするので、正直好きじゃないのだけど碁の力がそこそこなので呼ばれたらお伺いしています。「やぁ、今度こそ儂が勝つから覚悟しろよ」といつもの台詞を言うのです。正直下手だから何度しても私が勝つと思うのだけど、いつもの座敷に入りました。今時珍しい床の間のある座敷です。大きな縁側があるので日差しは入って来ません。障子は開けなされて、庭から涼しい風が入ってくるのでエアコンの必要が無いのです。軽く一局もんであげたところで、お茶が出てきます。「金魚さん、お手柔らかにお願いしますね、いつも負けて不機嫌なのですよ」遠く様が笑いながらプレッシャーをかけますが、遠慮無く徹底的に叩きます。正直、私と同じ歳ぐらいなのにあんな綺麗で若い奥さんがいるなんて、犯罪ですよ。...大村の松

  • 招き猫花

    ご近所に居酒屋さんがある。家庭料理を出してくれるので、時々来ている。少し年配の奥さまと人の良い旦那様の夫婦でしているお店です。「いつもありがとうございますね」と奥さまに言われた。今日もお客は、私一人だけだ。「美味しいのに、どうしてお客が来ないんだろう」「路地の奥だから、看板が見えないのだと思うけど、表に看板を出そうとするとお金がかかるので、看板出してもお客が来ないかもしれないし、出せないのですよ」「僕も友達には言っているのですけどね、お客様増えないね」「ありがとうございます。でも、来月にはお店閉めようかと。赤字続きでもう限界なんですよ」と言われてしまった。「それは困るな、明日にでも良い花があるから植えてあげますよ」「花ですか」「そう、招き猫花という、変な名だけど、効果はあるみたいですから」翌日、朝早くお店...招き猫花

  • ワインの木

    マスカットシャンデリアを作ったおじさんが、またまたおかしな物を作っているというので見に行きました。今度も葡萄だというのです。「また葡萄で変な物作っているみたいですね」「変な物と言うな。立派な葡萄だぞ」「でも普通の葡萄じゃないでしょ」「ああ、普通じゃないな。マスカットシャンデリアが果汁が多くて美味しいから、これでワイン作ったら美味しいでしょうといわれてね」「まさか、ワインの木、作っちゃたの」「そうだよ、葡萄の実からワイン作るより、木に果汁だけ貯めさせる方が美味しい物になるだろう。ワインって葡萄の果汁を発行させただけでできるから、以外と簡単なんだよ」「それはそうでしょうけど、そんなに上手くできないでしょ」「それが素人の考え。こっちに来て」と案内されたところには葡萄の木が一杯。「なんですか、これ」葡萄の木に近づ...ワインの木

  • ペット・ボトル

    今日はゴミの収集日です。ゴミステーションの掃除も町会役員の仕事なのです。最近は、暑くて飲料水の使用料も増え、ゴミステーションにもペットボトルの山がいくつもできています。ペットボトルの山を片付けながら、汗が出てきます。ゴミステーションの掃除を終えて家に帰る途中のことです。ヘンテコ発明家の家の近くを通ったときに、ポコポコという変な鳴き声を聞きました。犬でもないし猫でもない。もちろん、鳥の声でもないのです。またまた、変な物でも発明したのかなと声をかけてみました。「こんにちは、いますか」いつもだとすぐ返事がくるのに、今日はシーンと静まり返ってます。なのに、ポコポコと変な鳴き声だけがしています。勝手に入るのも流石にちょっと、と思ったときに後ろから声をかけられました。「オー、金魚どうしたんだ。誰もいないところに泥棒か...ペット・ボトル

  • 半分レンジ

    ヘンテコ発明家がまたまた便利な物を作ったというので、見に行った。「このレンジは電気を全く使わないのだ。但し、レンジに入れた物の半分の食材をエネルギーにして食品を温める」と言うのです。「半分取られちゃうのですか」「半分くらい良いではないか、それでエネルギーができるのだから、画期的な発明だろう」と自慢するのです。試しにご飯を温めて貰おうとしたら、丼のご飯が半分になるが熱々ご飯になった。「なっ、食品が半分になるのならダイエットにもなるし、便利だろう」と自慢するのです。「でも、半分も取られるのはちょっと」「震災とかで、電気がこなくても食品だけあれば温かくなるのなら、絶対便利だよ」発明家は自信満々だった。「即席麺だって瞬時だよ。3分も待たなくて良いのだから絶対いいよ」と言うのです。「半分になっても、便利だからいいだ...半分レンジ

  • 片思い草

    珍しくビニールハウスのおじさんが尋ねてきました。「金魚、お前なら知ってるんじゃないかと思ってきたのだけど」「へぇ、俺に聞くこともあるんだ」「そりゃ、俺にも分からないこともあるさ」「他ならぬおじさんだから、特別に何でも教えてあげるよ」「娘が聞くんだけど、片思い草というのがあるのか。儂はそっちの話はとんと分からなくてね。お前なら変な神社の西瓜とか詳しいから、知ってるんじゃないかと思って聞くんだけど」「へえ、片思い草なんて娘さん、そんな相手がいると大変だね」「うちの娘じゃないよ。うちのはまだまだ色気より食い気だから。娘の友達だと言うんだよ。そんな草があって相手の気持ちが分かるって言うのか、本当にそんな草あるのか。俺の分からない変な花とか草はお前の方が詳しいから」「変な花ばかり作ってるおじさんに、言われたくないけ...片思い草

  • マスカットシャンデリア

    「金魚さん、今度こそ、今度こそ、馬鹿売れの物作りましたよ」とビニールハウスのおじさんが言ってきたので見に行きました。「今度のは凄いですよ」とおじさんも自信満々なのです。おじさんの家に行くとビニールハウスに案内されました。カーテンを閉めて暗くすると、ビニールハウスがぼんやり明るいのです。ハウス一杯にぶら下がっている葡萄が光っているのです。「どうだ、光る葡萄。マスカットシャンデリアだよ」と言うのです。「凄い、これは凄い。電気で光のですか」「まさか、電気なんか使わないよ。水やるだけで、光るんだから」「じゃ、山の中でも大丈夫なんだ。凄いね」「これを植えておけば、山の中でも道に迷わないぞ」と言うのです。「ちなみに色は」と聞いたのです。「そうくると思って、色の品種改良もしたよ。赤いデラウエア、緑のマスカット、そして新...マスカットシャンデリア

  • 俺 魔物

    (イラストはハチドットビズより)「金魚さん、変な物見つけたのだけど見てくれる」と言われました。変な物見ても分からないのだけど、野次馬なので見に行くことにしました。近くの畑で大きなひまわりが咲いてるところです。日陰に角のある動物が横になっています。牛のような角の付いてる小人。尻尾の先には三角が付いてる変な物です。「なんだ、これ」指手ツンツンしてみました。動きません。「まぁ、家に連れて行って医者に診せてみますか」「こんな生き物を診るお医者様がいるのですか」「生き物だろうから、獣医さんでいいのでは」そんな話をしていると、変な生き物がむっくり起きたのです。「獣医だなんて、失礼だろう」と言うのです。「では、どんなお医者さんが」「おれは魔物だ。魔物医を呼べ」というのです。魔物医なんていないでしょうと思いながら、電話帳...俺魔物

  • 曇り時々小雨が降る模様

    今日の天気予報は曇りで、処によっては小雨が降るようです。こんな天気でしたけど、近くの丘に登ってみました。いつもの窪地に行くと、今日も先客がいました。寝やすいところなので、みんなに知られてしまったようです。見ると竿のような物を持って、空に向かって振っているのです。「なにしているのですか」と聞いてみました。「釣りですよ。魚釣り」まさか、見上げると空は曇天です。魚なんてどこにも見えません。「魚って、どこにいるのですか」「あの雲の下というか、向こう側にいるんだよ」「雲が厚くて、全く見えないのですけど」「当たり前だよ。雲が無かったら魚も俺を見ちゃうじゃないか。空からだと丸見えになっちゃうから、こんな曇り空が最高の釣り日和なんだよ」と言うのです。変な人だなと思いながらも「釣果はどうなのですか。釣れますか」「そこのバケ...曇り時々小雨が降る模様

  • 美味しいパン屋さん

    近所に美味しいと話題になっているパン屋さんがあります。パン生地がほんのりと甘くて、美味しいのです。もちろん防腐剤とかは入ってないし、材料も無農薬の物を使用していると言います。朝から行列のパン屋さんです。私も見に行ったのですけど、名前の付け方も一ひねりしていて、面白かったです。「スポーツの試合には大抵必要です」と書いてあります。名前は「しんぱん」レモン味のパンです。「試合に完敗したときにお食べ下さい」名前は「コテンパン」涙の塩味です。「九個食べると走れなくなるかも」名前は「パンク」定番の美味しい餡パンです。「本を作る時にお食べ下さい」名前は「シュッパン」インク代わりにチョコレート味で。「ピアノが上達します」名前は「ショパン」甘いクリーム味です。と言った具合です。惣菜パンも美味しいです。特にコロッケとか、唐揚...美味しいパン屋さん

  • クラウドーペインター

    毎日が暑くて大変です。家でエアコンかけていると電気代も大変ので、時々健康体操もかねて近くの丘に避暑に来ることがあります。小さな丘で頂上付近に木があって、調度昼寝に良い木陰のあるところです。雨の心配の無いとき、時々そこで昼寝することがあります。小さな窪みがあって、雑草も茂っていて丁度良いベッドになっているのです。久しぶりに行ってみると先客がいました。いつもの場所を横取りされたような気分になったのですけど、仕方がありません。恨めしそうに横になって寝ている人を見ると、空を見て筆を時々動かしているのです。何をしているのだろうと、思って聞いて見ました。「なにをしているのですか」声をかけるとビックリしたような顔で私を見上げました。「下絵を描いているのです」と言うのです。「下絵、どこに」その返事に私の方が驚きました。「...クラウドーペインター

  • 切れやすい老人

    朝はクラッシックを聴くことにしている。ワグナーやベートーベンじゃなくて、モーツアルトかショパンの曲を聴くようにしている。一人コーヒーを飲みながら名曲を聴くのも、リタイヤおじさんの楽しみです。でも、人が楽しんでいるときに限ってもめ事が起こるのも、通例なのです。「金魚さん、大変、中華のおじさんといつもの切れるおじさんが喧嘩している」と言われて様子を見に行くことにしました。二人のいい年のおじさんが、道の真ん中で顔つき会わせて怒鳴り合っているのです。道の真ん中なので、自動車が何台も止まっていますが、誰も二人のおじさんが怖くて近寄れません。仕方ないので私が二人に近づいていきました。「どうしたのですか」といつもの切れやすいおじさんに話しました。切れやすいおじさんですけど、なぜか私には愛想が良いのです。「金魚さん、良い...切れやすい老人

  • 改良型マスクメロン

    編み目の付いたマスクメロンに、不織布マスクを付けたマスクメロンが開発された。マスクを外すように捲ると、そこに口があって皮を切らなくても食べられると便利になった。ところが祭祀世は小さな口だったのに、揺られたり投げられるようにされて口が徐々に大きくなったのです。そのうち大きな口を叩くようになって、メロンの置いてあるところが騒がしくて、近所迷惑になってきたのです。そこで、大口をなんとかしてと言われて、口にジッパーの付いたシールを貼ることになりました。これでなんとか口にチャックを付けて静かになったのですが、マスクが無くても良いと言うことになって、マスクをはじめから外して出荷するようになったのです。それで、大口を叩かない代わりに、嫌みを言うようになったと言われて、あのイガイガ感が強くなったようです。改良型マスクメロン

  • 街中華での禁句

    街中華が流行っています。街のラーメン屋さんなのですが、ラーメンだけでないので最近はこの言葉が流行っているようです。私の街にも、最近、街中華のお店ができました。中国の方で忠国語で注文を取るので、よく分からなくて困ります。普通に日本語話せるのに、店ではわざわざ中国語しかはなさないので、バイトの子が中国語の勉強になると笑うのです。私も何度か食べに行ったのですけど、なつかし感じの醤油ベースのスープなので、どうして中国語って感じになります。それでも美味しいのでよく食べに行くのですけど、雨の日は遠慮した方が良いいてす。雨の日に誰かが「美味しいよ、街中華、水中華」と言うと、店の中に土砂降りの雨が降ってきて、カウンターとかテーブルに水中花が咲いちゃうのです。街中華での禁句

  • 可愛い朝顔だと思ったのです

    ビニールハウスを持っている方の処に行ったときです。ビニールハウスの中に小さな花がピーピーとなっていたのです。「おじさん、これ変わった花ですね」「金魚さんは見たことないのかい。それは宇和砂花と言って街中でも、見かける花だよ」「私は知らなかった。こんな花あるのですね」「金魚さんだと知らないかな、女の人が好きな花だから」というのです。朝顔のようなラッパ型の花が咲いてて、しかも小さくピーピーと鳴いているのです。蔓だけが土の中から伸びて、花が蔓の先にひとつ咲いて、ピーピー鳴いてるのです。花の色も赤や黄色が咲いてて、華やかな雰囲気になります。「可愛いじゃないですか、音も可愛いし、いいじゃないですか」「音は花弁の裏から僅かな風を入れて、花弁を震わせているのだよ。でも、取り扱い注意の花だから、素人さんは止めた方が良いよ」...可愛い朝顔だと思ったのです

  • 肩こり修理工

    「金魚さん、良い接骨院知らないかい」「接骨院?」「そう、肩が重くて仕方が無いんだ」町会長さんが聞いてきた。何かあると私のところに来て、町会長さんの方がその手の医院は詳しいのです。「いつものところじゃダメなんですか」「ちっとも治らないんだ。肩が重くて五十じゃないのに、五十肩か上に手が上がらないんだ。少し動かしてもコリコリ音がするし」「医者でなくても良いですか」「えっ、それはダメだろう」「肩こりとか膝の痛いのとか関節炎というか、関節の痛い人には良く効く修理工なんですけどね」「修理工」「ええ、元は車の整備士だったんですけど、最近は体の関節の痛みを無くすのが、上手な人がいるのですけどね」「試しに行ってみようかな」「じゃ、一緒に行きますか。私と一緒でないと治療というか修理しませんから」「どうして金魚がついて行くとす...肩こり修理工

  • パプリカプリンター

    火炎草を作ったおじさんから、またまたお誘いを受けました。「今度こそ、凄い花を作ったから見に来て」と言うのです。火炎草はそこそこ売れたようですけど、まだまだ大儲けというわけにはいかなかったようです。「良い物作っても、売れなくっちゃダメなのですよ」「分かってる。だけど今度は売らなくても、買い手の方から売ってくれと言う物だから大丈夫だよ」というのです。凄い自信。この町の人は自信だけはあるみたいなですけど。見に行ったら私に九谷焼の茶碗のような物を見せてくれました。「なんですか、これ。おじさんが九谷作っても売れるわけ無いでしょう」「金魚さんにも九谷焼の茶碗に見えるかな」「違うの、よくできた九谷焼だと思うけど」と言って手に持つと、軽いのです。「なにこれ」手に取って上から下まで見ますけど、本当に久谷の茶碗に見えます。但...パプリカプリンター

  • 腐る鴨

    変な物ばかり作っている発明家がいます。この人は動物を小さくする薬を作って注目された人です。家畜を小さくして、飼料とかが少なくして、大きくなった頃、元の大きさに戻せれば、大儲けできると考えた人でした。ところが、元に戻す薬が上手くいかなくて、家畜が小さいままで損した人です。「金魚さん、面白い動物ができたので見に来ませんか」と誘われました。「今度は何作ったの?」「今度は便利な物ですから、見て下さい」と言って見せてくれたのが鴨でした。ミニ化した可愛い鴨がネギ背負って私を見て、キョトンとしていました。「趣味悪いよ、鴨にネギ背負わせるなんて、面白いけど、こいつ分かっているの」「こいつがネギ好きなんだから仕方ないだろう」と言って笑うのです。「鴨のネギ背負わせて、面白いだろうじゃ、つまんないよ」「もちろん、ネギはダジャレ...腐る鴨

  • レンチン恋愛相談所

    【大事な人の心を温め直しますレンチン恋愛研究所】【大事な人を元の暖かさにレンチン恋愛研究所】変なチラシが町内に配られました。「知ってる金魚さん、このチラシ」「知ってますよ、大事な人を温め直すなんて、いいですね」「いいものか、眉唾ものですよ。町内に変な研究所なんていらないから」町会長が朝からお怒りです。温厚な町会長が怒るのは、きっと奥さんと喧嘩したのです。何が原因か分からないけど、とばっちりが私に向けないで欲しいです。「大家さんの処に行って、何の研究所か確認しい欲しいのですよ」「そんなの町会長ご自身で確認に行った方がよろしいのでは」「町会長がいちいちそんなことに行っていたら、大変ですよ。金魚さん、お願いします」と言い捨てて帰られました。面倒なことは、何でも私なのですから。大家さんと一緒に変なチラシを配ってい...レンチン恋愛相談所

  • かき氷始めました

    いつもゆく喫茶店でかき氷始めましたのメッセージが出ました。ムシムシした日にはかき氷がいいですね。「マスター、南極の氷ある」「金魚さん、今年は南極より凄いのが手に入りましたから、それどうですか」「南極の氷より刺激的な氷があるのかい」「実は、入道雲をフリーズした氷があるのですよ」「入道雲の氷」「ええ、入道雲の氷を青空ボールで食べるのが、いいのですよ」「いいねぇ、それちょうだい」暫くしてマスターが青いボールに真っ白でフワフワなカキ氷を持ってきました。よく見ると白い雲の中でなにか光ってます。「何か光ってるけど」「稲光ですよ。気をつけて下さいね」「危ないなぁ」と言ってスプーンをフワフワな氷に入れたら、パンと音がしました。「落雷ですから、気をつけて下さいね」「怖いなぁ」と言って白い氷をスプーンですくって食べました。ス...かき氷始めました

  • ゲーム沼にハマったら

    インドア派の奴から頼み事されました。「金魚さん、あんた、うちの嫁と幼なじみなんだろう。あれがゲームにもう少し理解するようにしてくれないか」と言うのです。幼なじみと言っても中学で同じ陸上部にいたと言うだけなんだけど。なぜか私の言うことは聞いてくれるというのです。まぁ、イワナの骨酒の借りがあるので、やってみることにしました。今一番面白いと言われているのが、サバイバルゲームです。米軍の払い下げの制服などを着て、野山で二組に分かれての戦争ごっこです。以前は空気銃とかで着色弾を撃ち合っていたのですが、いまは仮想空間に入ってお互いに銃を撃ち合うという本格的な感じになっています。装着したゴーグルに画面を映しているので、画面越しに現実の景色も見えるのです。ポケモンGOで街中に怪獣表示した技術の進化形です。互いの顔をデフォ...ゲーム沼にハマったら

  • 詩人カフェ

    詩人カフェと言うところがあります。テーブル席に座って、自分が幸せになる言葉を書きます。その言葉を短冊にして、テーブルの真ん中に置いてある「幸せの花瓶」に七夕飾りのように結ぶのです。詩でなくても単なる言葉でも良いのです。自分のやる気を出させる言葉とか、座右の銘でもいいのです。「元気があれば、なんでもできる」とか、「愛されるより、愛したい」とかでいいのです。文字でなくて絵でも良いのです。素敵なキューピットが貴方にエンゼルの矢を打つ絵だけでも良いのです。そんな絵には言葉はいにないから。ただし、人を誹謗する言葉はいけません。もし、そんな言葉を見つけたら店主に言って焼き捨てて貰いましょう。店主曰く。「愚痴や人を誹謗する言葉など、なくなればいいのに」元気が出る言葉ばかりのお店なのに、誰一人として会話する人がいないので...詩人カフェ

  • ゲーム・渓流釣り

    「良いイワナが釣れたから、一緒に骨酒飲まないか」と誘われました。インドア派の奴から珍しいお誘いがあったのです。行って見ると、顔に絆創膏を貼った姿で出迎えてくれました。「誰かから、イワナ貰ったのか」と最初に聞いてみました。「まさか、俺が釣ったんだよ」「インドア派のお前が、渓流釣りなんて一番似合わないじゃないか」「今時はインドアでも渓流釣りぐらいできるんだよ」「まさか、どうやって」「実は、これ体験型渓流釣りゲームなんだ」「ゲームかよ、ゲームで釣ったイワナなんて骨酒にできるのかよ」と馬鹿にしていたのです。「これ見ても、そう言えるのかな」と言ってリビングから大皿に盛られたイワナの骨酒を持ってきました。「すごいな、これがゲームで釣ったイワナか」「勿論と言いたいが、実はゲームで釣り上げると、現地から郵送してくれるんだ...ゲーム・渓流釣り

  • 西瓜甘い蚊美味しいか

    西瓜の季節です。今年の西瓜は糖度が高くて美味しいです。この西瓜ばかりを吸う蚊もいます。西瓜の皮を刺す針なので、結構長い針をまるで刀のように腰のあたりまで伸ばして飛ぶのです。西瓜の汁を吸った蚊はお尻がパンパンに膨らんで、飛んでいるとお尻が赤く透けて見えるのでする。その飛んでいるかを名人はお尻のみプチッともぎ取って、食べるのでする西瓜の甘い汁が濃縮してありますので、非常に美味しいのです。この西瓜の汁をたっぷり吸った水蚊を甘蚊と言って珍重しているのです。この甘蚊を飼育しているところがあります。西瓜の汁を吸って甘い蚊になったところを、捕まえてお尻のみ取ると再び西瓜畑に離してやるのです。水蚊のお尻はトカゲの尻尾と同じで、何とでも生えてくるので死ぬことはありません。みんながみんな、甘い西瓜なら心配は無いのですけど、西...西瓜甘い蚊美味しいか

  • 朱里料理は

    東京にいた頃の友人が訪ねてきた。退職したそうだ。ずいぶん若いと思っていたが人だが、退職の歳になったかと思うと私も歳を取ったものだと思う。「この街のことは金魚さんに聞けば、何でも分かるって聞いたので」ニコニコして言うのです。「何でもと言っても、分からないこともあるから」「朱里(あかり)を食べさせてくれるところがあるって本当ですか」と言うのです。「へぇ、朱里を食べたいんだ」「とても美味しいそうですね」「グルメとは違うと思うけどなぁ」「東京で噂になっているのですよ。この街には朱里が食べられる店があるって」「以前とは違っていると思うのだけど、オヤジさんが亡くなって息子の代になっているらしいけど、今はもう行ってないから、まだやってるのかなぁ」「お願いしますよ。一度で良いから、私も朱里が食べてみたいので」朱里を食べら...朱里料理は

  • サクランボ肉

    近所の精肉屋さんの前を通ったときです。「おいしいサクランボ、入荷しました」精肉屋さんですよ。肉屋さん、果物屋じゃないのにサクランボ入荷です。「肉屋のあんちゃん、サクランボって肉屋やめたの」と聞いてみました。「あらぁ、認識不足ですね、金魚さん」「私が、認識不足なの」「そうですよ。魚にレモン鯖やミカンマグロがあるのですから、肉にサクランボ肉があってもいいでしょう」「サクランボの肉なの」「そう、果肉と言うんだから、肉になっても良いでしょ」というのです。「牛にサクランボを食べさせてと言うものなの」「まさか、牛がサクランボを食べてもサクランボ肉にならないですよ。これはね、サクランボの果肉を能登牛にかえたものですよ」「サクランボの果肉を能登牛の肉に変えたの、まさかぁ」「ええ、これが今の遺伝子操作という奴ですよ」「遺伝...サクランボ肉

  • この街に住む蝶

    町会長から市役所自然保護課のお手伝いをしてと言われました。指定された場所に行くと二人の方がカメラを持って立っていました。「こんにちは」「こんにちは、今日はよろしくお願いします」二人の方を案内して、指定された河原を下流まで一緒に歩けば良いと言うことです。途中に見つけた蝶を採取できたらするという話でしたけど、カメラで撮れば良いと言うことでした。「できるだけ採取はしない方が自然に優しいですから」と言うのです。三人で河原を歩いて行くのですけど、今頃は蝶の種類も活動も少ない時期です。「いませんねぇ」と離していたところです。「あれ、あそこに変わった蝶が、直ぐカメラで撮らないと」と言って市役所の方が慌てていました。「あれは水引蝶ですね」と言ったら二人が私の顔を見ました。「ごぞんじなのですか、あの蝶」「ええ、水引の蝶結び...この街に住む蝶

  • 青春酒と熟成酒

    夕食に居酒屋に行くこともあります。「面白いお酒が手に入ったので、どうですか」と大将に進められました。嫌いじゃないので、進められるままに頂きます。飲むと少し辛口で若い感じがします。サーッと全身にお酒が回り、体がフツフツしてきます。忘れていた感覚、あぁこの感じ、若い頃の爽快感です。目を閉じるとまるで若い頃の真夏の日差しを感じるのです。「これいいね、若い頃を思い出させる味だね」「分かりますか、実はこれ、高校の若葉酒というのです」「若葉酒」「ええ、もうセ青春真っ盛りの高校生の息吹を吹き込まれた、若葉を集めて造ったお酒なのですよ。いいでしょ」「いいね、これ、本当に青春を思い出す良いお酒だね」「ええ、私も時々頂いて、清酒にの気分になるのですよ」私はお酒は好きですけど、弱くて直ぐに酔いが回るのです。目を閉じると高校時代...青春酒と熟成酒

  • 相合い体験傘

    「金魚さん、できたから誰かに試運転して欲しいのだけど、誰かいませんか」と言われました。近所で変な物ばかり作っている奴です。「こんど夢の国から新しいアトラクションを考えて欲しいと言われているけど、金魚さん、何かないかな」と言われたのです。「アトラクションのアイディアかぁ」「ええ、斬新な物がありませんかと言われてて」「今までのは大勢の人が一度に体験する物ばかりでしょ。今度は個人個人が夢の国にで楽しめる物が良いなぁ」「例えばどんなものですか」「夢の国だけの恋人がいてくれるとか」「そんなの人がやれば良いだけでしょ」「だから、人がやることを器械がするから面白いのじゃないですか」「どうかなぁ」と気乗りのしない感じなのです。「そうか、例えば相合い傘体験とかいいと思うけどなぁ」「相合い傘ですか」「そう、恋人に傘の中で天井...相合い体験傘

  • 壺士先生 !

    「金魚さん、うちの町内にも有名人がおいでになることになりました」朝のコーヒーを飲んでいると、突然町会長が訪ねてきて言うのです。「有名人ですか」「そうですよ、なんでも映画関係の方で三船敏郎さんや、八千草薫さんとかとも面識があった方だそうです」「凄いですね。どちらに住まわれるのですか」「住所は東京のままなのですけど、こちらにアトリエというかギャラリーを作りたいと言うことのようですよ」「ギャラリーって」「なんでも映画関係のものだそうで、貴重な品々を展示公開する場所をさがしていたらしいのですよ。あの川沿いの大きな屋敷が空き家になっていたでしょう。あそこを購入したみたいなのですよ」「やっとあの屋敷が売れましたか」「ええ、お化け屋敷とか言われて、心配していたところなので、管理してくれるところができて安心なのですが」「...壺士先生!

  • 美味しい鯛焼きいかがですか

    「ナビあります」にも書いたのですけど、近所に美味しい鯛焼屋さんがあります。表面がパリパリで、中の餡子がほどよく甘く、その取り合わせが絶妙なのです。聞くと小麦粉では無く米粉を使っていると言うのです。しかも焼くときに表面に薄く餅米を塗っているそうで、それで表面が薄いお餅が覆っているようになっているのです。また、この米粉の味が良くて、鯛焼きの生地だけでも十分な甘さがあるのです。ナビ蟻使ってご婦人が買いに来たのも分かる気がします。それに、鯛焼きを焼いているのが可愛い娘さんなのです。白い鉢巻き結んでポニーテールの髪を揺らして、汗まみれになって作っているので、白い丁シャツも首の周りとかが変色するのです。最近は真夏日も多くなっていますから、鯛焼き機の前は本当に暑いのです。それでも元気一杯で、私が行くと「金魚さん、今日来...美味しい鯛焼きいかがですか

  • キャンプには虫除けも

    キャンプが流行っています。でも最初から山奥に行ってというのは初心者にはちょっとハードルが高い面もあります。そこで街中で一度テントを張ったり、泊まってみてキャンプの雰囲気を楽しむ擬似キャンプ場があります。これは高架下とかを利用して、急な雨でも大丈夫な空間で一泊してみるというキャンプ場です。特にノリだけで行こうという女の子のグループは一度体験しておいた方が良いです。金魚の街の河原にも、そんな擬似キャンプ場ができたのです。街中に近いですから、便利なキャンプ場として人気になっています。食料は近くのスーパーで買っていけば良いのですが、グループによってはデリバリーを取ると言うこともできます。デリバリー取ってキャンプも無いと思いますけど、それでも十分楽しんでいるみたいです。こんなキャンプ場では虫除けが必需品です。キャン...キャンプには虫除けも

  • ナビあります

    玄関先の掃除をしていたのです。風が吹いて纏めていたゴミの山が風に吹かれて、道を歩いていたご婦人に当たってしまいました。ゴミが顔のあたりに当たって、目を押さえたのです。「すみません、大丈夫でしたか」「大丈夫ですよ」と言いながらも目を押さえているのです。「私の家で目を洗った方がよろしくありませんか」「お願いできますか、目が見えないと困るので」と言うのです。「散らかっていますけど」と言ってご婦人を家に案内したのです。洗面所で目を洗って頂いて、一服して頂きました。「ごめんなさいね、風が突然吹いちゃって」「いえいえ、ご親切にして頂きまして」「道を探していたようですけど、どちらに行かれるのですか」「美味しい鯛焼屋さんがこちらにあるというので、探していたのですよ」「その鯛焼屋さんなら知ってますから、案内しましょう」「い...ナビあります

  • 黄昏ビール

    ビールグラスに夕焼の山グラスというものがあります。ビールを注いでみるとまるで山が夕焼に染まって見えるというものです。私もビールを飲むときに使っています。行きつけのビヤホールにおいて、ビールを飲むときに景色を眺めて楽しんでいたのです。「金魚さん、変わったビールが入ったので飲んでみますか」ビヤホールのマスターに言われたのです。「変わったというと」「そのビールで酔うと懐かしい処にいけるみたいなんですよ」「懐かしい処にですか」「黄昏ビールというのですけど、一口飲んでビール越しに懐かしい写真を見るとそこに行ったような気分になるみたいですよ」「ビール越しに写真を見ると黄昏れた景色になるよね。その場面に行けるなんていいねぇ」「じゃ、一杯飲んでみますか」と言ってマスターがカウンターの下から黄昏ビールとラベルの付いたビール...黄昏ビール

  • バー茜ママ

    町会役員のお仕事は半分は人との繋がりで決められます。何か行事をしようとしてもお金がないので、役場にお願いすることになるのです。その時、一人で行っても担当者は「はい、考えさせて下さい」というだけで何もしません。一つの町会だけが頼んでも仕事の評価にならないからです。そんなときに最低五人の町会役員が頼みに行くと態度が変わります。「予算にそのような行事費は計上されていないので」という言葉が最初です。担当者もしてみたいなと思う行事だと「暫く考えさせて下さい」などの言葉になるのです。担当者も脈があると思ったら「一度課長に会いに来て頂けませんか」という感じになりますし、難しいと「市会議員の方に中に入っていただけませんか」という感じになります。市会議員も五人の町会役員が顔を並べると大抵OKします。こんな感じで役場を動かす...バー茜ママ

  • 喫茶スプリングシュガーのマダム

    会社勤めの頃には毎日通っていた喫茶店に、何年ぶりに行ってみました。「こんにちは」と入ると「アラー、珍しい。金魚さんでしょ、お久しぶり」と言われてしまいました。「へぇ、何年ぶりなのに良く覚えていましたね」「何年ぶりの方の顔は覚えているのに、昨日来たお客さんの顔は覚えられなくて」と言うのです。そういえばマダムは私よりも年上のはずです。「歳になると昔のことは良く覚えているのに、昨日の晩ご飯とか覚えてないのよ」と言うのです。久しぶりに会社勤めの頃の話をマダムと話しました。こちらでクリスマスパティーをした話とか、新入社員の接客研修をこちらでしたこともあるのです。「金魚さんが初めてこちらに来た時は、変な名前だなと思いもしたよ。あだ名だったなんて暫くして知って笑いましたよ」「流石に金魚は名前じゃないでしょう」「でも、み...喫茶スプリングシュガーのマダム

  • 松竹梅

    近所に定食屋さんが出来たので行ってみました。お昼は定食のセットだけだというので、竹を注文しました。ちなみに松竹梅の順番を決めたのは、お寿司屋さんだと言います。特上・上・並と注文するのが聞こえると、並は言いにくいと言う配慮からだそうです。そういえばお蕎麦屋さんとかには、松竹梅はあまりありませんよね。蕎麦に特上・上・並はつけにくいですから。天ぷら屋さんにはありますよね。と言うことは食材が違うような料理だと松竹梅のランク付けが必要なのかも。私の後ろから入ってきた若いお客さんが、松竹梅のお品書きを見ないで大声で言ったのです。「なみひとつ」そのお客さん、波にのまれて押し流されていきました。松竹梅

  • 火炎草

    ビニールハウスを持っている方から、夜に来てと案内を貰ったので、夕食を取ってから行ってみました。「金魚さん、珍しいのが出来たから見てよ」と言われて、ビニールハウスに行きました。夜なのに、ビニールハウス全体が赤みを帯びて、明るいのです。「こんなに明るくしなくても、電気の無駄ですよ」と言ったら「電気なんか点けてないよ」と言うのです。ビニールハウス全体が赤みがかっているのに、変だなと思ってハウス中に入ったのです。なんと、ハウスの中にある草が赤々とまるで炎が揺らいでいるように燃えていたのです。「ビニールハウスの中で、火を燃やすのはまずいんじゃ」「火なんか燃えてないから、大丈夫だよ」と言って赤々と燃えている草を握りしめるのです。「熱くないのですか」「まさか、だから燃えてないと言ってるだろう」と言って私の手を取って、燃...火炎草

  • クマさん

    うちの近所にクマと呼ばれるチャウチャウ犬がいます。本当は弁慶と言う名前があるのですが、みんなクマと言って、誰も弁慶とは呼びません。クマと呼ばれるようになったのは、飼い主が弁慶と散歩していた時です。幼稚園の子供達が五人ほど集まってきたのです。「わぁ、可愛い。これが羊だと言うんだよね」一人の男の子が言うのです。飼い主が「犬ですよ」と言ったのですけど、みんな「やっぱり羊だって」と言うのです。その時幼稚園児の中で一番年上と思う女の子が言ったのです。「違うよ、羊じゃないよ」「そうです。羊じゃないですよ」と飼い主がもう一度言います。「これはクマというのです」と女の子が自慢げに言ったのです。「えっ、これがクマか、クマなんだ」と幼稚園児のみんなが言うのです。「違うって、これは犬です」と飼い主が何度も言ったのですけど、幼稚...クマさん

  • 弓道部先輩のバイト

    今日は梅雨も一服の晴れ間です。それでも湿気が多くてムシムシします。そんなときはやっぱり一杯が良いですね。冷たいビールをカァーっと飲みたくなります。金魚はお酒は強くないですが、時々近所の居酒屋などに行くのです。今日も行こうと思ったとき、高校の先輩に会いました。先輩は伝説の射手で全国大会でも何度も優勝しています。「先輩、久しぶりです。今なにしてるのですか」と聞いたのです。「今、今はバイトだよ」というのです。「バイト、先輩が何のバイトしてるのですか」「今は虫撃ちしているよ」「虫撃ち」「そう、今日のような日はムシムシしているから、蒸し撃ちして気持ちよくしたいだろう。今日は頼まれて、このあたりで蒸し撃ちしているんだ」「蒸し、打ってるのですか」「今、何匹か撃つから見てろ」と言うと弓に矢をつがえて、ヒュウと撃ったのです...弓道部先輩のバイト

  • お酢屋女将の秘密

    近所にお酢を作っているお店があります。江戸時代からの老舗で、近所でも有名なお店です。お店は代々女将さんが継いでいて、ご養子さんを貰って社長にするそうです。商才がある息子が出来るとは限らないので、商才のある人を養子として貰えば良いというのが、創業者の遺言だそうです。それ以来商才のある息子がいても社長さんは女将さんのお婿さんがなるそうです。長女の方が跡継ぎとなり、ご養子を貰うことにしておけば、お家騒動を起こさせないと言うのです。こちらのお酢のうまさは目の数としっぽの数で表してます。創業者の洒落で「お酢」と「め酢」で味を変えてあるそうです。お酢にはシッポを付けて最高級品は三本のとシッポがついてます。もちろん、め酢の方には目が付いていて、最高級品は三つ目です。こんなお店なので、ご養子さんに一度来聞いたことがあるの...お酢屋女将の秘密

  • 幸福なカバ

    若い頃、街を歩いていたら、カバに会いました。聞くと「私は幸福なカバです。家で飼うと幸福になりますよ」と言うのです。本当かなと思いながらも、幸福になりたいので飼ってみることにしました。ところが、何年経っても幸福にはなりません。「おい、カバ、何時になったら幸福にしてくれるんだ」と文句を言いました。「もう少し」とカバは言うのです。それで、もう少し待ってみることにしました。彼女が出来て、結婚して、子供が出来ましたが、幸福だとは思えないです。カバは丸々太って部屋の真ん中で寝ているだけなのです。「おい、カバ。もう何年も経っているのに幸福などとはちっとも思えないじゃないか」と再び文句を言ったのです。カバはゆっくり顔を上げて「だから、私は幸福なカバですって、最初に言ったでしょ」「そう言ったからこうして毎日餌もやっているし...幸福なカバ

  • 天気予報は正確に言って欲しい

    朝起きるとテレビの天気予報を確認します。最近は異常気象と言って、何事も過激な傾向があります。雨も降るとなったら南方のスコールのように夕立というレベルじゃないですよね。以前に女子アナが朝凄い雨に降られて「夕立ならぬ朝立ちに会いました」と言って、先輩女子アナに笑われていました。それにしても最近は気象が不安定で、雹が降ったり落雷があるという予報が良く出ます。今日も朝のテレビで気象が不安定で、処によっては雹や雷雨、落雷があると思われますと言うのです。今日は年金の振り込み日だったので、出かけなければならないのです。別に振り込み日に行かなくても良いのですけど、支払いの関係で行かなければならないのです。出来れば、雷雨や落雷、特に大きな雷の音が落ちるような日は出かけない方がいいのですけど。「金魚さん、こんにちは」声をかけ...天気予報は正確に言って欲しい

  • 梅雨時のお弁当

    上記弁当の出典は「万年青年ブログ・プレミアム」より本日は曇りです。町会では週に二回、朝市を開いてます。近くの農家の方や家庭菜園で出来た野菜類を販売しているのです。その中でも人気なのが卵です。10個入りパックで180円です。以前は150円で売っていたのですが、最近の値上げに伴って30円値上がりしました。それでも安いと思いませんか。お一人様一パックだけの限定にしても、10分ほどで売り切れる人気な品です。もっとも数が10バックだけなのですけど。そのほかの野菜も数が少ないので30分もすると売り切れてしまいます。「金魚さん、金魚さん、朝からご苦労様です」と声をかけられました。「ありがとうございます。奥さまも早くからご苦労様です」「毎日娘のお弁当、作らないといけないので、それが大変ですよ」「毎日は大変ですね」「仕方な...梅雨時のお弁当

  • 夏向きの猫

    上記イラスト出典※https://tegakin.com猫が落ちている。猫を飼っているご家庭だと分かると思いますが、暑くなってくると猫が廊下などの涼しいところで、だらけた姿で寝ていることです。最近では公園の通路や道路のマンホールの上に落ちていることがあります。こんなの伸びるのかと思うほど長々と手足を伸ばして寝てます。猫は液体かと論じたのは、フランスの学者マーク・アントン・ファンダ氏です。「物理学的に液体を論じると、流動学や流体力学、粘度などの難しい数式が加わるので、きっちりした定義となると大変ややこしくなるのですが、要は、容器に応じて形を変えるのが液体であるという定義ならば「猫は液体ではないか」という疑問が生じるというのです。」分かるうと思いませんか。液体で出来ているかどうかは別として、砂漠に住む猫の中で...夏向きの猫

  • ガラスのハート

    本日も雨模様。雨の日でもたまに公園に来ています。毎日掃除とかしていると、自分の庭みたいに思えてきて成長が楽しみになります。庭って成長するのです。ご存じでしたか。雨の日も傘を差して、東屋で雨音を聞きながら、公園を眺めることがあります。その日も眺めていると、雨の中にキラリと光る物が見えました。何だろうと見に行くと、ガラスのハートです。繊細なお嬢様のモノでしょうか、薄いピンク色に僅かですが、ヒビが入っています。誰かが落としたのでしょうか、ひびの入ったハートを拾い上げて、周りの土を少し取って振りかけてみます。割れたガラスハートの回りには割れた欠片が落ちていることが多いのです。調べるとひび割れたところに少し盛り上がる用ほどのガラス粉が付きました。公園の土には、ガラスハートの粉が落ちていることが多いので、その粉でひび...ガラスのハート

  • 水玉のカーテン

    本日も雨です。この街も梅雨に入ったようです。多くの人は梅雨に入ると仕事がやりにくくなるのですけど、私の町内には梅雨でないと出来ない仕事をしている人がいます。水玉カーテンの職人さんです。夏のよしずつくりが本業なのですが、最近はグリーンカーテンよりも効率が良い水玉カーテンの需要が多くなって、梅雨になったら稼ぎ時なのです。奥さまと糸を引きような梅雨時が一番良い水玉カーンが出来ると言います。今日は久しぶりに美味しいお酒を頂いたので、水玉さんのところに挨拶に行きました。もちろん、出来ればひとつ水玉カーテンを頂こうかという下心も持って行きました。「こんにちは」と声をかけても誰も出て来ません。忙しくてみんな裏庭にいるのです。勝手知ったるなんとやらで、気にせず裏庭に回りました。ご家族全員で雨の中、水玉カーテンを作っていま...水玉のカーテン

  • 目医者さんの愚痴

    本日は雨模様です。公園の掃除もなくて、近所の喫茶店で一服しようと出かけたのです。こちらの喫茶店は本が多くて、図書館に行けない雨模様の時などに良く来ます。カランという間の抜けたドアベルを鳴らして入ると、先客が一人いました。近所の目医者さんです。若いのになかなか腕が良いと言われてます。「金魚さん、お久しぶりです」「目医者さんも、お久しぶりです。最近はどうです」「ダメですよ。コロナ騒ぎでお客様の足が遠のいて、医者も商売上がったりですよ」「お医者様が、暇なのは良いような悪いような」「昔は副収入があって、オヤジなんかいいめにあったとか聞きましたけどね」「副収入ですか」「ええ、実は大きな声ではいけないのですけど、以前は子供とか若い女の方から金の糸がとれたのですよ」「金の糸ですか」「ええ、つぶらな瞳と言いますか、汚れの...目医者さんの愚痴

  • 猫ナデシコ騒動

    「金魚さん、また、うちの猫が逃げ出したので探して貰えませんか」と裏のアパートの学生さんが訪ねてきました。「またですか」とつい言ってしまいました。「すみません」と謝られても、「猫」探すの大変なんです。学生さんの「猫」は実は「猫ナデシコ」という」植物なのです。ナデシコの中に手鞠草と言う種類があって、緑色のボール状の花が珍しい種類です。その手鞠草の中でも白い綿毛状のタンポポのような形状の物が「猫ナデシコ」です。受粉が終わるとこのボール状の花がそのまま風に乗ってとんでいってしまうのです。しかも、手触りがフワフワして猫の毛のような感じなので「猫ナデシコ」と呼ばれてます。このフワフワ浮いてる状態がまるで猫みたいに気まぐれなところも「猫ナデシコ」と呼ばれる理由なのかもしれません。アパートとかで猫の飼えない環境でも、猫の...猫ナデシコ騒動

  • 責任缶とほどほどの樹2

    「奥さま、あんなに注意したのに責任感の葉、肌にすり込んじゃたのではありませんか」と聞いたのです。「はい、すり込んだ方が効果があるかと思って」と仰るのです。「良薬も効きすぎると毒になるのです。責任缶の葉の毒はほどほどの樹の葉を煎じて飲ますのですけど、このほどほどの樹がなかなかみつからないのです」漢方の古文書に下記のように書かれています。縦書きとしてお読み下さい。【責任缶の毒は保土保土の樹の葉を煎じて飲ますべし。保土保土の樹は葉が紅葉すると赤と黄色の色が交ざった珍樹である。黄色の保土も変種のためなかなか見つかりにくい物である。黄色の保土に赤い保土を接ぎ木すれば保土保土の樹となる】と書かれています。この保土の樹というのが、長年謎だったです。どこを探しても見つからなくて、架空の樹と思われていたのですが、保土を一文...責任缶とほどほどの樹2

  • 責任缶とほどほどの樹1

    公園の掃除をしているといろんな物が落ちてます。公園には物を捨てないようにして下さい。今日も掃除をしていると空き缶が落ちてました。形状からすると責任缶のようです。最近は良く落ちてます。意識的に落とす物じゃないのですけど、責任感が薄れているのでしょう。なくして困っている人もいるかと思い、ポケットに入れたのです。その時、近所の奥さまがやって来られて、旦那様が責任缶をなくしてしまったというのです。旦那様が、昨日飲んで公園で一服したから、もしかして公園に落ちていないかと探しに来たというのです。「これですか」と言ってポケットから取り出すと「これです。ありがとうございます」と言って受け取られたのです。「金魚さん、本当にごめんなさいね、本当にうちの人いい加減で。うちの人に責任缶植え付けること出来ませんか」と言われるのです...責任缶とほどほどの樹1

  • 金魚すくい

    近所の子供と一緒に夏祭りに行くことになった。共稼ぎの方が多くて、町会の行事として、夏祭り見物なのだそうです。子供を連れて行くので、手の空いてる役員は全員参加させられます。子供相手はつまらないなと思っていたけど、最近のお祭りの出店も変わってきています。なんと言っても、ビックリしたのが金魚すくい。1ポイが1万円、1万円なんですから。「おじさん、1万円は高いんじゃない」「あら、お客さん。知らないの、うちのは正真正銘の金魚だよ」「正真正銘のといっても、琉金じゃないの」「全部じゃないけど、時々、キラキラ光る奴がいるでしょう。ほら、金色の」金色と言われて、水槽を探すと本当に金色の魚がいた。「変種なの、金魚の」「だから、正真正銘の金魚だと言ってるじゃないですか。正真正銘の金魚は金で出来てるから金魚なんですよ」「えっ、こ...金魚すくい

  • 続電気の内科医

    蓄電池の電気で生活している方から、今朝早くSOSの緊急電話を頂きました。「金魚さん、お医者様、お願いします。大変な事になりました」と言うのです。慌てて行くとなんとその家の応接間に家族の方が冬物のコートを着ていたのです。応接間にはチラチラと粉雪まで舞っていて、ソファーにはうっすらと雪が積もっているのです。「今朝起きたらこんな事になっていて、どうしたらこんな事になるのですか」と聞かれるのですけど、私にも分かるはずがありません。「お医者様ですね、直ぐ呼びますから」と言って慌ててお医者様に連絡したのです。「ほぉ、それは凄いことになってますね」とお医者様は言うのです。「直ぐ来て頂けますか」「分かりました。あのお宅は電気が老化しているので、症状も過激に現れますね」と答えてくれました。お医者様もあの言葉の感じだとなんだ...続電気の内科医

  • 熱気球の熱

    本日は天気も良いので、公園の掃除です。近所の若奥様にも応援して頂けました。おかげで1時間もすれば、綺麗になったのです。奥様達にお礼を言って、解散になったのですけど、おひとりの奥さまだけがまだ掃除を続けておられました。「ありがとうございます。今日はこれくらいでいいですよ」と声をかけたのですけど、一心不乱に箒を動かしていて私の声など聞こえない風でした。おかしいなと思って近づくと、泣いておられるのです。箒を動かしながら、泣いておられるのです。事情を聞くと、最近旦那様が冷たくなっているというのです。新婚一年でこんな状態だと、先が思いやられてつい、涙が出て止まらなくなって家に帰れないというのです。気持ちを落ち着かせるために、私の家で一服して貰うことにしました。お茶を飲んで頂く、少し落ち着いたようで馴れ初めとかのご夫...熱気球の熱

  • 再び電気の内科医

    太陽パネル電気だけで暮らしているご家庭で、蓄電池の設備を買い増したというのです。一個だけでは一晩は持ちますが、二日・三日となると一個の蓄電池だけでは電気が足りなくなるというのです。電力会社とは契約していないので、これから梅雨の時期になって電気の発生量が減る時期なので、最新式の蓄電池設備を2個も買い増したというのです。この蓄電池の能力だと1週間は大丈夫なのだそうです。「これで電気代の高騰とかには縁が切れました」と豪語したのです。ところが、暫くすると私のところに来ました。「金魚さん、また、電気のお医者様に来て頂けないかと」「何かあったのですか」「ええ、実は蓄電池の電気を使っているうちに、急に電気製品の調子が悪くなるのですよ」「どんな風になるのですか」「テレビの音が、急に低い音になるとか、画像がぼやけるとか照明...再び電気の内科医

  • 異常体象内科

    風邪を引いたのか熱が出て、咳が出るのですが、そのうち涙が止まらなくなってしまいました。泣きたくて泣いているのではなく、涙が止まらなくて泣いている状態です。しかも、涙が溢れるように零れてきて、睫毛から雨だれみたいに涙が落ちるのです。そのうち頬が叩かれたように痛み出してくるのです。これは少しおかしいと思って病院に行ったのです。病院に着く頃は、涙で前が見えない程です。タオルで目のあたりを覆っていたのですけど、涙でビショビショになって絞れる程です。看護師に手を引かれて、お医者様の処に行くと私を見るなり「いじょうないか」と言うのです。異常だから来ているのに、異常ないかと聞かれてもと思っていたら、急に手を引っ張られて別の部屋に案内されました。そこにいるお医者様が私を見るなり「防水土嚢用意して」というのです。回りの看護...異常体象内科

  • 褒め屋

    そろそろ暑くなってきたので、エアコンを使い始める家が多くなっています。ところが、昨年は調子よく動いていたものが、音は大きいのですけど、ちっとも涼しくならないのです。下手すると暖かい風が出てき故障かと思って電気屋さんを呼ぶのですが、異常ありませんと言われる始末です。しかも、電気屋さんが来ているときは、調子よく動くのです。そして電気屋さんがいなくなると、調子が悪くなって上手く動かないのです。電気屋さんを何度も呼ぶのも気が引けるし、故障してませんと言われてるのに買い代えるというのも無駄な気がしてどうにも困るのです。「金魚さん、なんとかなりませんか」と言われましてもねぇ。そんな時に家にチラシ入ったのです。【調子の悪い電気製品を調子よくさせます。故障は直せません】と書いてあるのです。故障を直せない電気屋というのも変...褒め屋

  • 嫉妬の樹

    町内のお寺の住職さんから、来て欲しいと頼まれました。お寺からのお迎えって、気乗りしないのですけど、お伺いしました。「住職、何か困り事でも」「ああ、金魚さん。お寺の庭についてなんだが」と話し出したのです。このお寺の庭は【庭百選】にも選ばれた有名なお庭で、海外からも御客が来る名勝地なのです。「大きな声では言えないが、この庭にも嫉妬の樹がありまして、昔から子の刻参りの名所にもなっているのです。最近、子の刻参りが多くて嫉妬の樹だけ大きくなって、庭のバランスが悪くなってしまったのですよ。おまけに近くにある元樹とかやる樹に枝を伸ばして、そちらの樹の日当たりを悪くしていて。今は枝を切ってなんとか他の樹に影響が出ないようにしているのですが、なんとかなりませんかね」と言うのです。「植木屋の頭領はなんと言ってるのですか」「普...嫉妬の樹

  • 電気の内科医

    東京都では、新築住宅に太陽電池パネルが義務付けられるようになっています。私の町内でも、太陽電池パネルを設置しているところが多くなっています。太陽パネルも以前よりずいぶん効率が良くなっていて、しかも蓄電池の性能も上がって、昼に太陽パネルで作った電気を蓄電池に貯めて、夜使うという家も多くなっています。災害時には大いに助かると思います。私の町内にもそのような家が何軒ができてきました。そのうちの一軒の御主人が訪ねてきたのです。「金魚さん、うちの電気製品なのですが、夜になると、LEDの照明がチカチカしだしたり、テレビが突然真っ白になったり、真っ黒になったりと変なんです」「そう言われましても、私は電気屋ではないので、そのようなこと言われても」「ええ、電気屋さんに修理を頼んでもどこにも異常がないというのですよ」「電気屋...電気の内科医

  • パラシュート占い

    夏祭りの時期です。夏祭りになると金魚も町会の役員として、祭りの委員にされます。祭りの委員と言いますけど、体の良い交通整理員です。夜だとお酒の入っている人とか、やの付く人も来るので町内の子供やご婦人を守る役目もあります。ずっと以前ですけど夏祭りの会場で、やの付く人と口論したこともあるので、町内の人達には頼りにされているというか、面倒係みたいな感じで呼ばれます。その日は、お祭りの会場近くのあぜ道で田んぼに人が立ち入らないように、立番してました。暗いところを好む人も居るので、間違って田んぼに落ちたりすると、田んぼの所有者の方に叱られるのです。二人でするのですけど、もう一人の人が生理現象のため自宅に帰っていたときのことです。「こんばんは」と言って近づいてこられた人がいます。小学校から中学・高校と一緒だった方です。...パラシュート占い

  • 夕焼き

    町内の方から、家財の整理をするので、お手伝いを頼まれました。未亡人の方で、旦那様の残されたモノが一杯だとか。天気の良い日を選んで、行ってみました。「こんにちは、金魚です」と挨拶すると品の良いご婦人が出てこられました。「すみませんね、変なこと頼みまして」「私も昔のモノは好きなので、見せて頂けるとうれしいです」こちらの旦那様は、骨董品とか昔のモノを一杯持っていて、私が見せて欲しいと頼んでも、見せてくれなかった方です。「金魚に見せると、欲しがるモノばかりだから、ダメだよ」なんて言われたモノです。整理は午前から取りかかって、昼過ぎになってもまだまだありました。なんとか目星が付いたのは、夕方近くになってからです。それにしても良くこれだけ集めたモノだと思うほど多くのモノがありました。「そろそろ片付いたので、今日はこれ...夕焼き

  • 錆び付く男

    会社勤めしていた頃の後輩が訪ねてきた。「金魚さん、会社の頃は色々教えて頂いてありがとうございました。」と会社時代にお世話になったお礼を言いに来ましたというのです。新人研修で私が指導した最後の後輩なので、思い入れはありますけど、もう退職して何年もたつのに今頃来るなんてと、ちょっと不思議に思いました。「ところで、何か用事があったのだろう」と聞くと会社を辞めるというのです。「辞めるようなことしでかしたのか」とまずここを確認します。それによって私の答えも変わってくるので。「いえ、なにもありませんけど、続けられないというか」と口ごもるのです。なんとか彼が言い出したのです。「実は体から錆が出て、それが机とか回りについて、みんなから嫌われて、いられなくなったというのです」「体から、錆びって、あの鉄錆びとかいうやつか」「...錆び付く男

  • シャボン花

    近所にビニールハウスでお花を作っている人がいます。品種改良もしていて、変わった花が出来たので見においでといわれて訪ねてみました。「こんにちは、変わった花が出来たそうだけど、どんなのですか」「そこにあるから、見てくれよ」指示された棚には水栽培の花がありました。球根から根が出ていて、根っこが水に浸かっているものです。茎が一本伸びているのだが、茎と葉だけで花など一つも付いていないのです。「花取っちゃったの」「いいや、もう暫くしたらしたら花が咲くので見ててくれよ」「毎日、朝咲くのかい」「ああ、朝顔のように朝咲くみたいなんだ、まだ詳しくはわからないのだけどね」見ていると茎からキラキラ光る水玉が湧くように出てきた。見る間に光る玉が大きくなってゆくのです。それがパンジーの花の形になってゆくのです。「パンジーなのかい」「...シャボン花

  • CM花

    川沿いの道を歩いているとき、花びらがくるくる回っている花を見つけた。「へぇ、風車みたいにクルクル回る花があるんだ」と思って近寄ってみた。作り物かなと思いながら見たのだけど、正真正銘の自然の花だった。耳を澄ますと、何やら歌を歌っているように感じた。とてもリズミカルで、楽しい歌だった。美味しいパンは花のパン楽しいパンも花のパンパンパンパパンパン覚えやすいリズムで口ずさんでしまいました。そのまま歩いて行くと唄に出ていたキッチンカーのパン屋さんが見つかりました。へぇ、偶々なのかなと思いながらも、ついパン屋さんに入ってお勧めと書いてある餡パンを買ってみました。買ってすぐに食べてみましたが、普通の味でした。暫くゆくと、女の子達がホットドックを食べながら歩いてきました。「唄ほど美味しくないみたい」「そうね、普通みたい」...CM花

  • 貴方の為のメイク

    近所に素敵なご婦人が引っ越してきました。いつものように町会の案内のために、お伺いしてきました。「初めまして、金魚と言います」「金魚さん、よろしくお願いしますね。こちらは、初めてなのでよろしくお願いします」「いえ,いえ、こちらこそよろしくお願いします」「お茶入れますね、お茶よりコーヒーの方がよろしければコーヒーにしますか」「お構いなく」ご婦人がお茶を入れに行っている間に、お庭を見せて頂きました。ちょっと、不思議なお花がありました。「奥さま、面白いお花がありますね」「お気づきになりましたか」「ええ、確かこれは高山植物で麓では栽培できないものだと」「ええ、そのようですね。なんとか麓でも栽培できるように品種改良したと聞いてます」「このお花お持ちと言うことでしたら、旦那様、お喜びでしよう」「それが、私、独り者なので...貴方の為のメイク

  • 晴耕雨読2

    本日も雨模様です。お昼はお蕎麦にしようと思いますが、ある思いを決めて本を読み始めました。本を読み始めて暫くして、いつものお蕎麦やさんの前にいました。いつも通りにお店に入って、女将さんと挨拶してお蕎麦を頂きました。いつもだと、そのまま帰るのですけど、今日はちょっと違います。「女将さん、いつもおきれいですね」「ありがとうございます。本のお店なので若いままでいられますから」と言うのです。「でも、本のお蕎麦でもお腹膨れますから、お代を払わないといけないと思うのです。後で一括と言われても私も歳なので、そろそろ支払っておこうと思うのです」「ありがとうございのす。でも、毎月お代は頂いているのですよ」「えっ、毎月支払っていますか」「ええ、実は私どものような店に来られる方は、皆様へそくりを本の間に挟んでるような方ばかりなの...晴耕雨読2

  • 晴耕雨読1

    本日は雨模様です。雨の日は、家にいて晴耕雨読ですと言えば格好良く聞こえますが、出かけられないので家で書棚の本を見ながら、ゴロゴロしているだけのことです。本は好きなので、良く買いました。最近は、あまり買わなくなりました。最大の理由は、ネットですね。ネットで本の朗読を聞くことが出来るので、ぼんやり聞いていることがあります。私の下手な文章読むより、楽しいですよ。でも、録音するとなると、それはそれで面倒です。本日読んだ本は、子供の頃にお祭りの夜店で買った本です。おじいさんがいておみくじを引いて当たった本をあげますよと言われて、おみくじを引いて貰った本、旅行の本なのです。子供にとってはつまらない本でした。「当たった本が君の本だから、それにその本はそこに行ける本だから一度読んでごらん」と言われて断られました。山の奥に...晴耕雨読1

  • 花婿絨毯2

    お姑さんが来る前日に新婚さんの家に行きました。花婿絨毯を確かめに来たのです。茶褐色だった色も緑色になって、芝生が順調に成長しているようです。試しに絨毯の上に寝転がってみました。天然芝、いえそれ以上の弾力がありました。宙に浮いてとまでは思いませんが、十分に花婿絨毯と呼べる物になっていました。「これでよろしいのですか」「大丈夫ですよ。お姑さんをこの部屋に案内すれば、何があってもまず大丈夫ですから」「花嫁道具が少ないと思われているようで、結婚式の後で親戚の方からちょっと言われたことがあって」「そんなのこの部屋に案内すれば、解決しますよ。ただ、余計な事をしたかもという感じでお話しした方が良いかも、本当は花婿さん側が用意するモノですから」「そうなのですか」「今、花婿絨毯用意できる人、まずいませんから、実家の母に無理...花婿絨毯2

  • 花婿絨毯1

    町内に新婚さんが引っ越してきました。班長として、ゴミの出し方とか町費の負担とかお願いしてきました。引っ越したところが長い間空き家になっていたので、色々ゴミがあって市役所に大型ゴミの引き取りをお願いしたみたいで、多くの家財が玄関先に出ていました。その中に丸められた茶褐色に汚れた絨毯がありました。その絨毯を見て、ビックリしました。それは間違いなく花婿絨毯だったのです。何年も手入れされてないようで、枯れかかっていますけどまだまだ手入れすれば十分使えるものです。「ごめんなさい、お嫁さんいますか」と声をかけると、奥からお嫁さんがニコニコな顔で出てきました。「金魚さん、今日は何のご用ですか」「前に出ている絨毯捨てるのですか。捨てるのでしたら、貰えませんか」と言ってみました。「いいですよ、どうせ捨てるのですから。でも、...花婿絨毯1

  • モノマネ草は軍事機密

    昔なじみの友達が東京から、帰ってきました。あだ名は「ヤマカン」です。高校卒業と同時に上京して、ずっと東京にいたのですけど、両親が亡くなって実家が空き家になったのを機に、帰ってきたのです。東京の家は売ってきたそうです。土地付きの家なので、東京の郊外と言ってもそこそこお値段になったようです。引っ越しの手伝いをかねて行ってみたのです。「ヤマカン、いるかぁ」奥から鉢巻き姿のヤマカンが出てきました。「金魚か、久しぶりだな」「東京で会ったのが、最後だからもう20年は」「20年ぶりか、もっとそれ以上か」「お互い年取ったな」「ああ、頭の方もお互い薄くなって」どうしてもそちらに話題が向きがちです。「金魚さん、おひさしぶりです」ヤマカンさんの奥様が出てこられました。奥様とも顔見知りなので、割と気楽に話せます。「奥さまとは結婚...モノマネ草は軍事機密

  • 加賀の金時草の効用

    金魚の町内で年頃の娘さんのおいでになる家で、金時草を植えている家がありました。「そろそろ、娘さんにも良いお話が来たのですか」とその家のお母様に聞いてみました。「まだまだですよ、やんちゃで、良いお話もこないから、少しはお淑やかにしていただかないと。それで金時草でも食べさせようと思って」「私から見れば、素敵なお嬢さんになったと思いますけど」「それは金魚さんのひいき目ですから」そう言って金時草を植えていました。金時草はしんなりするまで茹でてから、酢の物にするとおいしい食べ物です。しんなりするまでの語呂合わせという人もいますが、茹でるときにその家毎の茹で方をすると、本当に女らしくなると言います。茹でなくても、金時草の効果はあるみたいですけど。それに、金時草が植えてあると言うことで、年頃の娘さんがいるという目印にな...加賀の金時草の効用

  • 金魚の川柳教室

    本日は町内会の川柳教室に参加してきました。川柳の先生というと、おじさんをイメージしましたが、若い女の方でした。少しお若いとか、割とお若いと書こうとしたのですけど、そんな注釈必要かなと思って止めました。私も時々、川柳の公募とかに応募して、商品貰ってるのです。誰でも出来ますから、皆さんもご参加下さいと書くと、ライバルが多くなって、入選できなくなるかなと想うのですけど。ネット見ると色々公募してますから、どうぞご参加下さい。川柳は人マネから入ると楽ですよ。例えば多くの名作があるので、名作過ぎると応募できませんから、そこそこの名作をちょっと代えて見るのです。例えばサラリーマン川柳に「我が家では暖かいのは便座だけ」と言うのがありました。金魚作ったのは「我が家ではエコで便座もつめたくて」というのです。最近見た川柳で凄い...金魚の川柳教室

  • 思い出のプレゼント

    晴れた朝は玄関先でお掃除です。元気良く登校する一年生を見るとおじさんも元気になります。「おはようございます」声をかけられて驚いて振り返ると、二人の娘さんがおられました。「おはようございます」と返事しますとそれだけで「キャハハハ」と笑われるのです。この年頃の方は本当に何しても笑いますね。「おばさんの家探しているのですけど、ご存じですか」手渡されたメモ紙を見ると、近所のよく知っているご婦人の名前が書いてありました。「近くですから、ご案内しましょう」と言って二人の娘さんと歩き出しました。午前中の早い時期だったので、ご婦人はまだ起きたばかりの様子でした。それでも、二人の娘さんを見ると笑顔一杯で迎えてくれました。二人の娘さんはご婦人に風呂敷包みに包まれた箱を差し出して、ご婦人に渡します。「母の日のプレゼントって、お...思い出のプレゼント

  • 逃げ水4

    夜、ペットショップのオーナーという方がおいでになりました。大きめの牡丹柄の着物を着た方でした。夜というのにサングラスをかけていました。「夜、来てくださいと言われたので」「いえ、来ていただいてありがとうございます」「夜の方が良いのは、なにか理由があるのですか」「こちらにおいでください」と碁敵がオーナーを裏庭に案内しました。裏庭を見たオーナーが小さく「あっ」声を出しました。裏庭にはキラキラ光る白・赤・緑色がチカチカしていたのです。三匹が庭の片隅にいたのです。「綺麗ですね。お話だと白いのしかいないように聞いていたのですけど、赤も緑色のもあるのですね」「はい、最近なのですよ、赤や緑色に光り出したのは。人にお見せするのは初めてです」「光栄ですわ。最初に見せていただけるなんて」「でも、光だけでしたら夜でなくても」「夜...逃げ水4

  • 逃げ水3

    子供達が学校で宿題を公表すると、凄い話題になりました。おじいさん達は本当に逃げみずがおったのかと驚き、若い人はそんなの知らないと大騒ぎです。毎日のように逃げみずを見せて欲しいと人々が押し寄せるのです。あんまり人が押し寄せるので、警察が出てきて交通整理をする始末です。碁敵の家は路地の奥にある小さな家なので、人が来ると混雑して危ないので、そのうち立ち入り禁止になってしまうほどです。最初に苦情を言ってきたのが、メディアに出ている動物学者の人達です。「そんな貴重な動物だと、ワシントン条約違反の可能性があるので、すぐに野生に戻せ」と言うのです。何も知らないのに野生が一番という自然保護の人達です。私たちの回答はたった一言。「逃げみずってご存じですか」何も知らない人達が貴重な動物だと言うことで、保護動物とかってに決めつ...逃げ水3

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