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2023/03/07

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  • 【創作話】 桜風に誘われて⑥

    第三章:投げ捨てた蕾 1. 三度目の朝、歪んだ諦観と投げやりな決意 瞼に差し込む光の感触で、またしても「あの日」に戻ってきたことを悟った。三度目の、葉桜高校入学式の朝。もはや驚きも、新鮮な絶望もない。あるのは、全てを経験し尽くしたかのような、歪んだ全能感と、それゆえの底なしの諦観だった。 「……どうせ、また同じことの繰り返しなんでしょ」 呟いた声には、何の感情も乗っていなかった。一度目は臆病で何もできず、二度目は焦って行動しては裏目に出た。どちらの道も、行き着く先は袋小路。ならば、三度目の私はどうすべきか? 答えは、もう考えるまでもなく分かっていた。 何もしない。努力しない。期待しない。 だが…

  • 【創作話】 桜風に誘われて⑤

    7. 再びの不合格と卒業式、深まる絶望 三年生の秋が深まり、周囲が受験モード一色に染まっていく中、私だけが取り残されたような感覚に苛まれていた。高橋先輩への失恋の傷は癒えることなく、心の奥底でじくじくと痛み続け、あらゆる物事への集中力を奪っていった。机に向かっても、教科書の文字は頭に入ってこない。予備校の授業も、まるで遠い国の言葉を聞いているかのようだった。 模試の結果は、当然ながら惨憺たるものだった。A判定やB判定が並ぶ友人たちの結果を見るたびに、焦りと劣等感で胸が押し潰されそうになった。一度目の人生では、少なくとも「頑張らなければ」という意志があった。しかし、二度目の今は、その意志さえもど…

  • 【2025初心者必見】生成AI、何から始める?ロードマップとおすすめツールを徹底解説!

    「生成AI」という言葉、最近よく耳にするけれど、一体何から始めたらいいの? そう思っているあなた、安心してください!この記事では、生成AIの世界へ踏み出すための具体的なステップと、初心者でも使いやすいおすすめツールを徹底的に解説します。 なぜ今、生成AIなのか? 生成AIを始めるためのロードマップ ステップ1:生成AIに触れてみる(超入門編) ChatGPT (OpenAI) Gemini (Google) Bing AI (Microsoft) Stable Diffusion/Midjourney (画像生成AI) ステップ2:具体的な目的を設定する ステップ3:プロンプトエンジニアリング…

  • 【創作話】 桜風に誘われて④

    5. 砕け散った期待と、告白の行方 バレンタインデー当日。私の心臓は、朝からずっと落ち着きなく脈打っていた。鞄の中には、何度も練習して、ようやく納得のいく形に仕上がった手作りのトリュフチョコレート。ラッピングにもこだわり、可愛らしいリボンを結んだ。一度目の人生では、このチョコレートを渡すことすらできなかった。でも、今回は違う。私は、確かに一歩前に進んでいるはずだ。 放課後、サッカー部の練習が終わるのを見計らって、部室の前で高橋先輩を待った。数日前、スポーツドリンクを渡した時と同じシチュエーション。あの時の先輩の笑顔が脳裏に蘇り、期待で胸が膨らむ。 「高橋先輩!」 練習を終え、仲間たちと談笑しな…

  • 【創作話】 桜風に誘われて③

    2. 積極性が生んだ新しい風 二度目の高校生活。私は、前回とは見違えるように積極的に行動した。それは、後悔したくないという一心と、一度目の記憶という「切り札」を持っているという、ある種の傲慢さから来るものだったかもしれない。 クラスでは、自己紹介の時からハキハキと話し、自分から周りの子に声をかけてグループを作った。最初のうちは、「佐藤さんって、意外と積極的なんだね」と少し驚かれたりもしたが、持ち前の(一度目の経験で培われた)コミュニケーション能力で、すぐにクラスの中心的な存在の一人になっていた。美咲ちゃんとは、前回同様すぐに打ち解けたが、今回は彼女に頼りきりになるのではなく、私からも積極的に遊…

  • 【大人女子必見!】「この人だ!」と感じた瞬間のサインと、次の一歩の踏み出し方

    大人になってからの恋って、まるで熟成されたワインみたいに深くて複雑ですよね。若い頃のような勢いだけでは突っ走れないし、守るものも増えたからこそ、慎重になるのが当然。でも、ある日突然、「あれ?この人、なんか違う」って思う瞬間が訪れること、ありませんか? 今回は、そんな大人の恋の始まりのサインと、その気持ちにどう向き合って、次の一歩を踏み出すかについて、書いてみました! 大人の恋の始まりは「静かなる衝撃」から 「好きになったかも」と感じる、大人のサインってどんなもの? 気がつけば、その人のことを考えている時間が増えている 相手の言動に一喜一憂している自分に気づく 些細な共通点や、意外な一面にキュン…

  • 【創作話】 桜風に誘われて②

    第二章:勇み足の蕾 1. 見慣れた天井、揺らぐ現実認識 瞼に差し込む柔らかな光を感じ、ゆっくりと目を開ける。視界に飛び込んできたのは、何度も見慣れたはずの、私の部屋の木目調の天井だった。しかし、何かがおかしい。昨夜、私は卒業式の虚脱感と、言いようのない疲労感に包まれて眠りについたはずだ。それなのに、今感じているのは、まるで何日も熟睡したかのような体の軽やかさだった。 寝返りを打とうとして、自分の腕が不自然に細く、肌にハリがあることに気づく。手のひらを見つめる。数ヶ月前まで、ペンだこで少し硬くなっていたはずの指先が、つるりとしている。そんな馬鹿な。 混乱しながら体を起こすと、視界の端にカレンダー…

  • 【ショートブレイク】言葉の蕾

    胸の奥にそっとひそむ 淡いピンクの蕾ひとつ 陽の光を浴びるたび 少しずつ色を増していく 風がそっと囁く 勇気の雫を集めて 伝えたい言葉はいつも喉の奥で立ち止まる 瞳が追う その背中 遠く霞む 木漏れ日のよう ぬれた指先 熱を帯び 鼓動は早鐘を打つ 何度も練習した言葉は いざとなると白紙に還る 臆病な私を 笑うように 季節は足早に過ぎていく でもね いつか きっと この蕾を 開かせたい 溢れる想いを花束にして あなたの元へ 届けたい 今はまだ 言葉にならない もどかしい愛しさだけが 静かに 胸に降り積もる

  • 【創作話】 桜風に誘われて①

    第一章:臆病な蕾のまま 1. 新しい制服、揺れる心 真新しいブレザーの袖に腕を通した時の、少し硬い生地の感触を今でも覚えている。県立葉桜高校。市内では進学校として知られ、自由な校風が魅力だと中学の先輩が話していた。私の胸には、期待と、それと同じくらいの不安が詰まっていた。友達はできるだろうか。勉強にはついていけるだろうか。そして何より、この三年間で、私は何かを見つけられるのだろうか。漠然とした焦りのようなものが、春霞のように心を覆っていた。 母は、「葵なら大丈夫よ。新しいお友達、たくさんできるといいね」と、いつものように明るく送り出してくれた。父は何も言わなかったが、新聞を読む手を止め、少しだ…

  • 【創作話】26話 疑獄のセブン④

    第四章:最後の選択と裏切り 第五の部屋。そこが最後の試練の場だった。 部屋の中央には、脱出口へと続くと思われる頑丈な扉が一つ。そして、その手前には二つの椅子が置かれていた。 『最後の試練だ。この扉を開けることができるのは、二人だけ』 スピーカーから声が響く。 『椅子にはセンサーが設置されている。二人が同時に座り、 手元にあるレバーを引けば、扉は開くだろう。ただし、制限時間は十分。十分以内に二人でレバーを引けなければ、この部屋は爆破される』 三人の中から、二人だけが生き残れる。残酷な選択が、またしても突きつけられた。 灰谷が、素早く状況を分析する。「つまり、俺たち三人のうち、誰か一人がここで死ぬ…

  • 【創作話】25話 疑獄のセブン③

    第三章:加速する疑心と裏切り 第二の部屋、第三の部屋と進むにつれて、謎解きの難易度は上がっていった。同時に、失敗した際のペナルティもより残酷なものになっていく。 毒ガスが充満する部屋、床が抜ける部屋、壁が迫ってくる部屋……。一つ謎を解くたびに、誰かが犠牲になっていった。 第二の部屋では、臆病風に吹かれてパニックを起こした恵が、誤った装置を操作してしまい、感電死した。彼女を庇おうとした遥も、巻き添えになりかけたところを黒田が突き飛ばして助けたが、その行為すら「遥を見殺しにしようとしたのでは?」という疑念を生んだ。 第三の部屋では、時間内に正しい解毒剤を選び出す必要があった。ヒントを元に玲奈が答え…

  • 【心が限界サイン?】疲れた心を優しく癒す即効回復法とセルフケア術

    「なんだか最近、心が重い…」 「理由もなくイライラしたり、涙が出たりする…」 「朝起きるのが辛くて、何もやる気が起きない…」 毎日頑張っているあなたへ。もしかしたら、それは心が「ちょっと休みたいよ」とサインを出しているのかもしれません。 現代社会は、仕事、人間関係、情報過多…気づかないうちにストレスが溜まりやすい環境です。心が疲れてしまうのは、あなたが弱いからではありません。一生懸命生きている証拠なんです。 でも、心の疲れを放置してしまうと、どんどん辛くなってしまいますよね。 この記事では、心が疲れたと感じた時に、今日からすぐに試せる回復方法を厳選してご紹介します。無理なくできる簡単なセルフケ…

  • 【創作話】24話 疑獄のセブン②

    第二章:最初の犠牲と亀裂 最初の部屋は、比較的シンプルなパズルだった。壁に埋め込まれたいくつかのパネルを特定の順番で押すというもの。ヒントは部屋の各所に隠されており、全員で手分けして探すことになった。玲奈は持ち前の分析力でヒントの関連性を見抜こうとし、灰谷は鋭い観察眼で僅かな違和感も見逃さない。黒田は力仕事が必要な場面で率先して動き、隼人は意外な発想で皆が見落としていたヒントを発見した。遥は恵を励ましながらも、懸命に探索に参加し、橘は口数は少ないながらも的確に情報を整理していた。最初はぎこちなかったものの、協力して謎を解き明かそうという意志が見えた。死の恐怖を前に、一時的に団結力が生まれたかの…

  • 【創作話】23話 疑獄のセブン①

    第一章:目覚めと絶望 冷たい金属の感触で、水野玲奈は意識を取り戻した。 ひんやりとした空気が肌を刺す。目を開けると、薄暗い、見慣れない天井が視界に入った。コンクリート打ちっぱなしの、殺風景な部屋。窓はなく、あるのは重厚な鉄の扉だけだ。 「……どこ、ここ?」 掠れた声が自分の喉から出たことに驚きつつ、玲奈はゆっくりと身体を起こした。頭が鈍く痛む。最後に覚えているのは、深夜の帰り道、路地裏で何者かに口を塞がれたことだった。 周囲を見渡すと、自分以外にも数人の男女が同じように床に倒れているのが見えた。男が四人、女が二人。玲奈を含めて、合計七人。誰もが玲奈と同じように、困惑と不安の入り混じった表情でゆ…

  • 【ショートブレイク】萌黄の息吹

    新緑のヴェール、光を浴びて 若葉はそよぐ、風の調べに 眠りから覚め、息を吹き返す 生命の鼓動、大地に響く 幹はどっしり、悠然と立ち 幾年の時を、静かに見守る 雨の日も、風の日も、変わらぬ姿 そこに在るだけで、力強さをくれる 小鳥のさえずり、木漏れ日のダンス 緑の絨毯、足元に広がり 深呼吸すれば、清らかな香り 五感が喜ぶ、初夏の息吹 花はひっそり、けれど確かに 未来への希望、小さな蕾 やがて彩り、甘い蜜を湛え 新たな物語、紡ぎ始める 木陰はやすらぎ、木漏れ日は希望 過ぎゆく季節、静かに包み込む 初夏の木よ、その生命力 私たちに、生きる喜びを教えてくれる

  • 【創作話】22話 指先の蜃気楼⑦

    終章:蜃気楼の残骸 翌日、涼介から着信があった。恐る恐る電話に出ると、彼の冷え切った声が耳に突き刺さった。 「…何てことをしてくれたんだ」 彼の声には、怒りよりも深い絶望と諦めが滲んでいた。 「…ごめんなさい…でも、私…」 「もう、終わりにしよう。君とは、もう会えない」 その言葉は、まるで死刑宣告のように響いた。反論する気力も、涙も、もう出なかった。電話が切れた後、美咲はただ、虚空を見つめていた。 すべてが終わった。アプリで始まった淡い期待は、甘美な罠を経て、泥沼の不倫関係へと変貌し、そして、自らの手で破滅的な結末を迎えた。残ったのは、深く傷つき、歪んでしまった心と、埋めようのない孤独感だけだ…

  • 第92話 子供がいじめられている?!親が今すぐやるべき全対応と心のケア 絶対に見過ごさないで!

    「もしかして、うちの子、学校でいじめられている…?」 大切なわが子の様子がいつもと違う。笑顔が消え、学校の話を避けるようになった。持ち物がなくなったり、体に不審なあざがあったり…。そんな時、親御さんの心は張り裂けんばかりの不安と怒り、そして深い悲しみに襲われることでしょう。特に、相手が体の大きな上級生だと聞けば、その心配は計り知れません。 私自身も子を持つ親として、子供がいじめに遭うかもしれないという恐怖は、痛いほど理解できます。この記事は、まさに今、そんな苦しい状況にいらっしゃる親御さんに向けて書いています。 「どうしたらいいの?」 「誰に相談すればいいの?」 「子供をどう守ればいいの?」 …

  • 【創作話】21話 指先の蜃気楼⑥

    第六章:崩壊の序曲 美咲の心は、ゆっくりと、しかし確実に壊れていった。現実と妄想の境界線が曖昧になり、涼介の些細な言動に過剰に反応するようになった。連絡が少し遅れただけで、他の女性と会っているのではないかと疑い、彼の言葉の裏を探ろうとする。かつての冷静で論理的な思考は失われ、感情の波に翻弄される日々が続いた。 涼介の態度にも、変化が見え始めていた。美咲の不安定さや執拗な要求に、彼もまた疲弊しているようだった。会う回数は減り、連絡も次第に事務的になっていく。以前のような優しさや情熱は、明らかに薄れていた。 「最近、少し疲れているみたいだね。少し距離を置いた方がいいのかもしれない」 ある日、涼介は…

  • 【創作話】20話 指先の蜃気楼⑤

    第五章:蝕まれる心 考えさせてほしい、と言ったものの、美咲に涼介との関係を断ち切る決断はできなかった。彼が既婚者であるという事実は、常に重くのしかかっていたが、一度知ってしまった幸福を手放すことができなかったのだ。美咲は、自ら望んで「二番目」の女になることを選んでしまった。 しかし、その選択は、美咲の心を静かに、だが確実に蝕んでいった。 以前のような純粋な気持ちで涼介に会うことは、もうできなかった。彼と会っている間も、彼の妻や子供の影がちらつき、罪悪感と劣等感が常に胸の奥に渦巻いていた。彼が家族の話を避けるたびに、美咲は自分が触れてはいけない領域に踏み込んでいることを痛感させられた。 週末や祝…

  • 【創作話】19話 指先の蜃気楼④

    第四章:亀裂 幸福な時間は、しかし、長くは続かなかった。涼介との関係が始まって数ヶ月が経った頃、美咲の中に小さな違和感が芽生え始めていた。 涼介は、週末に会えないことが多かった。「実家の用事がある」「急な出張が入った」というのが彼の説明だったが、その頻度があまりにも多いように感じられた。平日の夜も、遅い時間まで一緒にいることは稀で、いつも決まった時間になると「そろそろ帰らないと」と言って席を立つ。彼の左手の薬指には指輪の跡のようなものがうっすらと残っていることに、美咲は気づいていたが、怖くて尋ねることができなかった。 決定的な出来事は、ある日曜日の午後に起こった。珍しく涼介と昼間から会う約束を…

  • 【ショートブレイク】57話 ひだまりを求めて

    乾いた風が吹き抜ける部屋 君と僕の間には 冬の海峡 見えないけれど、深く冷たい流れ 食卓に並ぶ皿の白さだけが目に痛い グラスを合わせる音もなく 日々は過ぎる ただ時計の針だけが 忙しなく時を刻む 君の瞳は磨りガラス 僕を映さない 諦めなのか 無関心なのか 静かな拒絶か 凍てついたこの日常に 心が凍傷を起こす ひび割れた場所から 叫びが漏れる もう一度、燃え上がりたいのだ 誰かの熱で、自分の奥深く眠る火種で 初めて触れる指先の 微かな震え 他愛ない冗談に 声を上げて笑い合う夜 ただ隣にいるだけで 世界が色づくような そんな鮮やかな感情を 欲している 忘れたわけじゃない 記憶の抽斗(ひきだし)の奥…

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