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岸上達朗
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2022/06/11

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  • 恋と才能Ⅱ(18)ジョルジョ・デ・キリコ

      八月下旬の日曜日であった。  炎帝の怒りをかったような日盛り、達朗は汗でシャツを地肌にべたつかせながらも、六本木のアマンド前で由貴子を待っていた。  大学…

  • 恋と才能Ⅱ(17)カミングアウト

      確かにチェスは愉しいし、自信のない卑屈な半生に無血の革命を起こしてくれたようなところがある。世界レベルの実力は世界レベルの自信にもつながっている。達郎は最…

  • 恋と才能(16)結婚披露宴

      「あのさ、由貴子さん、クラシック音楽でね、さっきカノンっていう曲を聴いたんだけどね。とても有名な曲なの?」  「カノン・・・?あぁ、パッヘルベルのね。有名…

  • 恋と才能(15)pachelbel Canon in D (piano version)

       翌日の大会二日目、達朗は予定だと、日本上位四強の二人と対戦するはずであった。  今回は川下チャンピオンもジョーンズ選手も参加していなかったが、代わりに二…

  • 恋と才能(14)バグ

      何を考えているのだろう、この少年。  達朗はペットボトルのお茶で舌を湿らせた。  フレンチ・ディフェンスにおける定跡は、ここで白番d4、黒番d5と続き、更…

  • 恋と才能(13)不気味な少年

      達朗が出場を予定している日本チェス選手権大会は十二月の半ば、二週にわたって土日に行われる。計四日間で九試合を戦い、ポイント順に優勝者を決めるわけで、同率の…

  • 恋と才能Ⅱ(12)普及活動

      八月上旬に行われるサマーオープンに向けて達朗は、一層チェスの勉強に励むことになるのだが、大学にも少しづつ通うようになり、久しぶりに会計学の教科書を開くよう…

  • 恋と才能Ⅱ(11)矛 盾

      駅前商店街にある居酒屋チェーン店にも毎日通っていたのが三日に一回程度なり、就寝も早くなった。  その晩、達朗はいつものようにPCで世界の強豪チェスプレイヤ…

  • 恋と才能Ⅱ(10)実生活の好転

      七月に入った。じめじめとした時季も続いたが、気温が急上昇し、照りつける日差しの眩しさと暑さが一層感じられるようになった。  達朗は最近人生についてそして将…

  • 恋と才能Ⅱ(9)変 化

      達朗が強豪ジョーンズに公式戦で引き分けたことは、今までの破竹の勢いとも併せて協会中にあってはちょっとした話題になった。 新星現れる、そんな記事が全会員…

  • 恋と才能Ⅱ(8)不動の日本王者

      白番の達朗はいつものように初手d4とポーンを動かした。クイーンズ・ギャンビットの布陣を目指す。チェスの白番における一手目は大概がd4かe4の位置にポーンを…

  • 恋と才能Ⅱ(7)死 闘

      午前10時から始まったチェスの公式試合は午後5時半頃まで続く。  第一試合早くに自分の試合を勝利に終えた達朗は、今回選手として参加している由貴子の対局を熱…

  • 恋と才能Ⅱ(6)恐怖のアメリカ人

      六月の最終日曜日、早くに起床した達朗は湘南新宿ラインを使ってJR代々木駅まで向かった。  駅の改札で由貴子と待ち合わせ、会場の代々木文化センターまで向かっ…

  • 恋と才能Ⅱ(5)脳内メロディー

      六月の最終日曜日に行われる代々木での公式戦、達朗はおそらく全勝同士で最後対戦することになろう、まだ見ぬジョーンズのことを思うと武者震いがした。  広汎性発…

  • 恋と才能(4)勝負根性

      「岸上君、ちょっと大事な話があるの。お茶でもどうかしら。」  薄暗くなった駅前ロータリーで二人の大学生と別れて直ぐ由貴子は達朗の耳元に囁いた。  妙に深刻…

  • 恋と才能Ⅱ(3)チキチキバンバン

      対局前のお喋りぶりとは別人のように、静寂に身を正し盤面に鋭い眼光を投げかける青木の横顔を上目遣いに覗き見る達朗だった。  先程の池田君と青木さん、風貌だけ…

  • 恋と才能Ⅱ(2)非公式戦

      調布チェスクラブに遊びに来た城南大学チェスサークルの二人の学生は、名前は知られていないがとても強い大学生が出現した、ぜひ一局非公式戦だが対戦してみてくれと…

  • 恋と才能Ⅱ(1)学生チャンピオン

      母由美子と佐伯教授とのサンシャインでの説教食事会も無事に終わったが、この日を境に達朗に若干の心境的変化が生じた。  まずチェスに対する取り組み方である。 …

  • 恋と才能(最終話)世界を目指す

      「とまあ、こんな状況の一年間だったんです。」  飛行機の窓を大きくしたような厚いガラスの向こうに眼をやった達朗である。地上60階の個室から臨める東京の外景…

  • 恋と才能(23)呼び出し

      今年の正月明け、達朗はジャパンチェス協会の会員として初めて公式大会に参加した。  新宿の次世代文化センターは中央線市ヶ谷駅近くにあり、全日本選手権を始め多…

  • 恋と才能(22)自閉症とユーモア

      由貴子と初めて一緒に酒を呑み、いろんなことを話し合って、そしてカラオケ店まで行った。  その日を境に、なんとなく達朗の心の空洞に春の暖風が南の国から少しだ…

  • もうすぐ終わります。

      あと3話位で一部が終了します。  まあ下書き段階ですからね、訂正の嵐になると思います。  今月中には二部も終了させたいんですが・・・。

  • 恋と才能(21)カラオケ・ソング

      「盤上のモーツァルト、俺もその言葉は知っていますよ。ボビー・フィッシャーでしょ。」  少し酔いが廻ってリラックスしてくると、達朗は一人称が僕から俺に変わる…

  • 今後の更新予定

      この創作話、1部2部に分けて完成を目指しているところ、1部の方が終結に近づいてきました。  連休中には1部を完了させるつもりだったのですが、あと少しのとこ…

  • 恋と才能(20)盤上のモーツァルト

      「岸上君は、まだ大学の二年生だって言ってたわよね。ワタシは三年生の時かな、大学の就職課が各界で働く諸先輩を招いて就職座談会っていうのを開催したことがあるの…

  • 恋と才能(19)恋と芸術と・・・。

      由貴子の話はさらに続く。  「一流のピアニストってね、有名音大をトップの成績で卒業して留学して著名なコンクールでいっぱい賞をとってさ。そこまでだって限られ…

  • 恋と才能(18)由貴子とピアノ

      レストランフロアは日曜日の夕食時とあってか混雑していたが、イタリアンレストランの通路側が一席だけ空いており、達郎と由貴子は早速ワインで乾杯した。  「初め…

  • 恋と才能(17)妖気

      暦の上では立冬となったが、天候は定まり穏やかな日が続いていた。  昨年の11月中旬、紅葉の街路樹を眺めることもなく、達朗は久々に急ぎ足で京王線調布駅から市…

  • 恋と才能(16)相談

      昨年の十月、達郎の精神状態は最悪であった。  学校とか会社に通わねばならない状況であったら、おそらく鬱の病が侵食していたに違いなかったが、何もしないニート…

  • 恋と才能(15)都営バス

      悲しいことがあると達朗は、いつも高校時代の帰りの都営バスを想い出す。  これはおそらく今後幾つになっても変わらないことだろうと思っている。  彼が通った高…

  • 恋と才能(14)失恋以前

      居酒屋から帰宅し、いつものように自室で二次会をやろうと焼酎の瓶と肴をコンビニのレジ袋から取り出した達朗である。  毎度のことながら眠たげな瞳は最近コンサー…

  • 恋と才能(13)Gメール

      由貴子との長い夜の電話を終え、達朗はなんとなく満ち足りたものが胸に浸潤していくのを感じた。  不思議な感情だった。生まれて初めて肉親以外と者と交わした心の…

  • 次回更新予定

      できれば明日の夜にしたいのですが、三日の連休初日になりそうです(^^♪  今年の連休は執筆に明け暮れそうです。

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