『「人口減少」社会とマルクス経済学』(友寄英隆 新日本出版社)を読了した。マルクス経済学に興味があり、読んだが、人口減少にはあまり関心がない。しかしどう考えても、人口が減少していく日本の未来は、暗いだろう。人口減少するのも悪くないかもしれない、と思っていたが、もしかしたら資本主義が終わるのかも……。しかし社会主義国にはならないだろう。この本は著者の力作だが、個人的にはテーマに、あまり興味が湧かなかった。日本共産党の中央委員には、さすがに優れた人がいるのだなあ……、と感心した。
印鑑の基礎知識-知らないではすまされない- 改訂版 作者:金融実務研究会 きんざい Amazon 『知らないではすまされない 印鑑の基礎知識 改訂版』(寺澤正孝[監修] 金融実務研究会[著] 株式会社きんざい)を読んだ。私は恥ずかしながら印鑑の知識があまりない。とりあえず実用的な本を一冊読んでおこう、と思い、読んだ。実印・銀行印・認印は、どう違うのか? また印鑑登録制度についても勉強することができた。きんざいが出しているので、もちろん信頼できる。
読んでやめる精神の薬 作者:浜 六郎 金曜日 Amazon 『読んでやめる精神の薬』(浜六郎 金曜日)を読んだ。正直言って『週刊金曜日』の出版物ということもあり、政治色が強いのだろう……、と抵抗があった。でも浜六郎先生は、十分信頼できる。目次を見ると、「第二章 不安・不眠の薬」・「第三章 うつ病の薬」・「第四章 統合失調症の薬」となっており、精神の薬について理解を深めることができるだろう。「ちょっとしたことでは受診しない方がよい――(略)」(5ページより引用)と言っているが、同感である。こういう医師は信頼できると思う。
「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法 作者:大石 あきこ アイエス・エヌ Amazon 『「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法』(大石あきこ著 アイエス・エヌ株式会社)を読んだ。この本の著者は大石あきこさんだが、現在の肩書きは、元大阪府職員→衆議員議員になっている。藤井聡さん(京都大学教授)・山本太郎さん(れいわ新選組代表)・松尾匡さん(立命館大学教授)、と対談している対談集。大石あきこさんのファンなら、間違いなくおすすめだ。
#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組 作者:山本太郎 集英社 Amazon 『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』(山本太郎 集英社)を読んだ。れいわ新選組のファンならおすすめかも? 2019年7月の参議院選挙の候補者の、ベストスピーチとインタビューが収録されている。れいわ新選組のことを知りたい人には、必読だろう。単行本はやや高いような気がする。文庫にはならないのだろうか?
すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論~ (光文社新書) 作者:堀江 貴文 光文社 Amazon 『すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論』(堀江貴文 光文社新書)を読んだ。確かに学校は労働者を生産するためのものなのだろう。納税者にすること大切なのであり、国が国民の幸せなど考えるはずもない。考えてみると当たり前だ。政治家が国民に、結婚しろ! 子供を産め! と言うのも、支配者にとって都合がいい理由があるのだろう。
『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(第4版)』
インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル<第4版> 作者:中澤佑一 中央経済社 Amazon 『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(第4版)』(中澤佑一[著] 中央経済社)を読んだ。インターネット上での誹謗中傷に対して詳しく説明されており、インターネットトラブルにはこの一冊だろう。「付録 令和3年プロバイダ責任制限法改正について」(415ページ)があり、最新版なので役に立つに違いない。しかしやはり一般人ではなく、どちらかというと法律家が読む本なのだろう。
犯罪と精神医療―クライシス・コールに応えたか (岩波現代文庫 社会 51) 作者:野田 正彰 岩波書店 Amazon 『犯罪と精神医療 クライシス・コールに応えたか』(野田正彰 岩波現代文庫 社会51 岩波書店)を読んだ。精神障害者の犯罪、保安処分などのタブーに切り込んでいる。個人的には、「第8章 精神医療の現状と背景」(189ページ)が参考になった。この著者の本をもっと早く読めばよかった……、と後悔している。この本が岩波現代文庫で読めるようになり、よかったと思う。
明日を生きるための資本論 青春出版社 Amazon 『図解 明日を生きるための「資本論」』(的場昭弘〔監修〕 青春出版社)を読んだ。図解なので分かりやすいし、イラストがかわいい。「青春新書プレイブックス」は薄い本なので、すごく読みやすい。マルクスの『資本論』の入門書には、よいのではないか。『資本論』の用語の説明もあり、初心者には親切だと感じた。
僕にもできた! 国会議員 作者:山本太郎,雨宮処凛 筑摩書房 Amazon 『僕にもできた! 国会議員』(山本太郎 取材・構成雨宮処凜 筑摩書房)を読んだ。この本は山本太郎に興味がある人しか読まないだろう。れいわ新選組が好きな人は読んだらいいのだが、人を選ぶのは間違いないと思う。「第7章 山本太郎と愉快な仲間たち 事務所スタッフ紹介」(168ページ)が、一番面白い。事務所スタッフも魅力的だ。内容は悪くないが、繰り返し読む気にはならない。コストパフォーマンスが悪いような気もする。文庫になってからでもよいのかもしれない。
うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪 作者:野田正彰 講談社 Amazon 『うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪』(野田正彰 講談社)を読んだ。一体うつ病とは何だろう? 本当に抗うつ剤を飲まないといけないのか? この本を読むと、考えさせられる。うつ病キャンペーンや製薬会社の存在など、思わず暗い気分になる。疾病化も怖いし、精神科医だったら誰でも信用していいわけではない。精神医療は課題がありすぎるが、たぶんこのまま改善しないのだろう。精神医療を利用するのなら、賢く利用する必要がある。
「山奥ニート」やってます。 作者:石井 あらた 光文社 Amazon 『「山奥ニート」やってます。』(石井あらた 光文社)を読んだ。この本を読むと、ニートを肯定できるようになるのではないか? 月18000円で和歌山県の山奥で暮らせるのなら、私も暮らしたくなる。しかし著者は自立しているし、果たしてニートなのだろうか? 個人的には羨ましくなる。読み終わると、私も山奥ニートになりたい! と思った。リラックスできる1冊だし、癒やされたい人にはおすすめです。
山本太郎 闘いの原点: ひとり舞台 (ちくま文庫) 作者:太郎, 山本 筑摩書房 Amazon 『ひとり舞台 脱原発――闘う役者の真実』(山本太郎 集英社)を読んだ。私は文庫 (『山本太郎 闘いの原点――ひとり舞台』(山本太郎 ちくま文庫))でなく、単行本で読んだ。芸能人は政治的発言ができない。もちろんスポンサーに嫌われるからだ。つまりタブーである。テレビを視聴していても、企業にとって都合の悪い情報は流さないということだ。この本はノンフィクションだが、山本太郎(れいわ新選組代表)に興味がある人は、読んでみてはどうだろう。
『第21回家の光 読書エッセイ 入選作品集』(一般社団法人 家の光協会)を読んだ。非売品なのだが、小さな作品集なのでかわいい! とりあえず一通り読んでみたが、相変わらず応募者のレベルが高いなあ……、と感心した。インターネットでも、第21回「家の光読書エッセイ」だけなく、過去の入選作品も読める。興味がある人は、読んでみてはどうだろう。第22回「家の光読書エッセイ」にも、応募してみようと思う。ペンネーム不可なのは痛いが……。
ゴーマニズム戦歴 (ベスト新書) 作者:小林よしのり ベストセラーズ Amazon 『ゴーマニズム戦歴』(小林よしのり ベスト新書521 KKベストセラーズ)を読了した。新書にしては割と分厚い。字も多いので、読むのに時間がかかるかもしれない。「ゴーマニズム宣言」・「新ゴーマニズム宣言」が掲載されているので、お得かもしれない。漫画家・小林よしのりのファンなら、今までを振り返るために、読んでみるのもいいかもしれない。ファンブックのような感じもする。
素晴らしき哉、常識! 作者:小林よしのり イースト・プレス Amazon 『素晴らしき哉、常識!』(小林よしのり イースト・プレス)を読了した。内容は主にブログで書いてあったものから、厳選されたもののようだ。しかしブログで読んだのなら、紙で読む必要はあるのかな? と感じた。「第5章 ゴーマニズム宣言 2014-2016」は、漫画が読めてお得な感じがする。ファンなら購入してもいいかもしれない。
心の病に薬はいらない! 作者:内海 聡 かんき出版 Amazon 『心の病に薬はいらない!』(内海聡 かんき出版)を読了した。内海聡さんの著作は、『精神科は今日も、やりたい放題』・『大笑い! 精神医学』を読んだ。案外、いいことを言っているのではないか。日本人は専門家に依存し過ぎだし、安易に病院に行き、薬も飲み過ぎなのだと思う。数十分あれば読めるので、とりあえず読んでみてはどうだろう。ただし相変わらず毒はあるので、好き嫌いが分かれるのでは?
『ホームレス収容所で暮らしてみた 台東寮218日貧困共同生活』
ホームレス収容所で暮らしてみた~台東寮218日貧困共同生活~ 作者:川上 武志 彩図社 Amazon 『ホームレス収容所で暮らしてみた 台東寮218日貧困共同生活』(川上武志 彩図社)を読了した。著者による自立支援センター・台東寮の体験記だが、淡々としている。物書きとはこういうものかもしれない。しかしどうしても暗い気分になってくる。『原発放浪記』(宝島社)・『放射能を喰らって生きる』(緑風出版)も、面白そうだ。
超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる (毎日新聞出版) 作者:菅野 久美子 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(菅野久美子 毎日新聞出版)を読了した。ノンフィクションだが、読み終えると、さすがに気分が重くなる。孤独死に解決策はないのではないか。孤独死はさして悪くはないが、周囲に迷惑をかけてしまう。特殊清掃業という仕事は、想像以上に大変だし、きつい。孤独死が社会問題なら、安楽死を認めてほしい。やがて誰でも死ぬ。不要な物は処分して、なるべく準備しておこう、と思った。
マルクス経済学 (図解雑学シリーズ) 作者:松尾 匡 ナツメ社 Amazon 『図解雑学 マルクス経済学』(松尾匡 ナツメ社)を読了した。マルクス経済学の入門書かな? と思っていたが、意外と難しくて手強いし、侮れない。入門書ならもっと簡単でもよかったのではないか。個人的にはマルクス経済学は飽きてきたので、近代経済学(ミクロ経済学・マクロ経済学)も、勉強したくなった。「図解雑学シリーズ」(ナツメ社)の『マクロ経済学』(井堀利宏著)・『ミクロ経済学』(嶋村紘輝・横山将義著)も、読んでみようと思う。
無銭経済宣言――お金を使わずに生きる方法 作者:マーク・ボイル 紀伊國屋書店 Amazon 『無銭経済宣言 お金を使わずに生きる方法』(マーク・ボイル 吉田奈緒子訳 紀伊國屋書店)を読了した。『ぼくはお金を使わずに生きることにした』の著者、マーク・ボイルの第二作だが、まるで手引書のようだ。「CHAPTER11 オフグリッドの生活」(334ページ)は、割と参考になった。しかしいかんせん日本とは事情が異なるので、役に立たない情報もあるだろう。正直言ってマーク・ボイルは極端すぎるのでは……、と感じることもある。意外と分厚い本なので、読むのに時間がかかるかもしれない。
『日本初「薬やめる科」の医師が教える 薬の9割はやめられる』
日本初「薬やめる科」の医師が教える 薬の9割はやめられる 作者:松田 史彦 SBクリエイティブ Amazon 『日本初「薬やめる科」の医師が教える 薬の9割はやめられる』(松田史彦 SB Creative)を読了した。病院に行けばすぐに薬を処方されるし、ドラッグストアで薬を購入するのが当たり前になっている。確かに薬の飲み過ぎだな……、と感じる。これからは飲まなくてもいい薬は、減薬していこうと思う。結局資本主義社会なのだから、医療も利益を得るためだ。結果、患者は薬漬けになっている。しかし「薬やめる科」は、儲からないのではないか? と心配になる。
『資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論見るだけノート』
資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート 宝島社 Amazon 『資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論見るだけノート』(監修白井聡 宝島社)を読了した。この本はイラストが多いし、視覚的に分かりやすい。文章は少なめなので、読みやすい。読み終えると、資本主義社会が嫌いになるだろう。マルクスの『資本論』に興味がある人はおすすめだ。これを読んだら、『武器としての「資本論」』(白井聡著 東洋経済新報社)に挑戦してみたらどうだろう。
ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした 作者:マーク・ボイル 紀伊國屋書店 Amazon 『ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした』(マーク・ボイル 吉田奈緒子=訳 紀伊國屋書店)を読了した。携帯電話やパソコンがないと、パニックになるかもしれない。冷蔵庫もエアコンもテレビもない生活……。著者はセルフビルドの小屋に住み、薪ストーブ、コンポストトイレを使い、自給自足の生活を送っている。テクノロジーとは無縁の生活だ。無料宿泊所も運営している。ソ-ラーパネルなどで自家発電する、オフグリッド生活は格好いい。しかし全く電気なしの生活は、可能なのだろうか? 興味を持った人は読んでほしい。また無銭…
ぼくはお金を使わずに生きることにした 作者:マーク ボイル 紀伊國屋書店 Amazon 『ぼくはお金を使わずに生きることにした』(マーク・ボイル 吉田奈緒子訳 紀伊國屋書店)を読了した。この資本主義社会で、お金なしで生活することは想像できない。お金を使わないと経済が回らなくなるし、経済成長もしなくなるだろう。税金も支払うことができないので、国にとっては困るはずだ。著者は「カネなし」だが、やはりすごい挑戦だと思う。住居はトレーラーハウス(人からもらったもの)、トイレはコンポストトイレ、調理器具はロケットストーブなど、人によっては不便さに嫌気が差すだろう。マーク・ボイルは極端だが、我々でもお金への…
路地の子(新潮文庫) 作者:上原善広 新潮社 Amazon 『路地の子』(上原善広 新潮社)を読了した。私は文庫ではなく、単行本で読んだ。単行本は表紙が屠場の写真なので、インパクトがある。この本は自伝的ノンフィクションだが、食肉業、部落解放運動、同和利権のことなどを理解できるだろう。それにしても一体差別とは何だろう……。本当に考えさせられる。テレビには同和タブーがあるので、やはり本を読まなければならない。
断薬記 -私がうつ病の薬をやめた理由 (新潮新書) 作者:上原 善広 新潮社 Amazon 『断薬記 私がうつ病の薬をやめた理由』(上原善広 新潮社)を読了した。本当は多くの人が精神医療への疑問を抱いているのではないだろうか? ケースバイケースだろうが、著者のように向精神薬の減薬・断薬が正解のこともある。松田史彦医師、内海聡医師、田島治医師に興味を持ったので、本を読んでみようと思う。試行錯誤し、行動する過程は、いかにもノンフィクション作家らしい。
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『「人口減少」社会とマルクス経済学』(友寄英隆 新日本出版社)を読了した。マルクス経済学に興味があり、読んだが、人口減少にはあまり関心がない。しかしどう考えても、人口が減少していく日本の未来は、暗いだろう。人口減少するのも悪くないかもしれない、と思っていたが、もしかしたら資本主義が終わるのかも……。しかし社会主義国にはならないだろう。この本は著者の力作だが、個人的にはテーマに、あまり興味が湧かなかった。日本共産党の中央委員には、さすがに優れた人がいるのだなあ……、と感心した。
資本論を読破する [ 鎌倉 孝夫 ]価格: 7700 円楽天で詳細を見る 『資本論を読破する』(鎌倉孝夫 佐藤優 文藝春秋)を読了した。やたら分厚い本で、驚いてしまう。本当に読めるのだろうか? と心配になるが、内容は思っているよりも平易だし、読みやすいと思う。文藝春秋が発行しているのは意外かもしれない。本体7000円+税は、やっぱり高いだろう。個人的には鎌倉孝夫先生が好きなので。『資本論』について勉強したい人はどうぞ。
現代用語の基礎知識 2024 [ 小泉 悠 ]価格: 1760 円楽天で詳細を見る 『現代用語の基礎知識2024』(編集・発行 自由国民社)を読了した。私は『現代用語の基礎知識』を毎年購入している。今年は購入しようかどうか迷っていたが、結局書店で購入した。個人的には、以前の分厚い『現代用語の基礎知識』のほうがよかったような気がする。値段は高くてもいいのだが……。「科学・医療」(209ページ)、「情報・社会」(242ページ)あたりは、よく読む。
【文庫版】ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論05 (扶桑社文庫) [ 小林よしのり ]価格: 935 円楽天で詳細を見る 『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論05Final』(小林よしのり 扶桑社文庫)を読了した。単行本は購入していたが、文庫になったので、改めて購入した。コンパクトになって、読みやすいのはよい。「第11章 製薬会社の闇1」(219ページ)、「第12章 製薬会社の闇2」(229ページ)は、読んで怖くなったが、納得した。まだ購入していないが、『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論総括編 コロナと敗戦/失敗の本質』(小林よしのり 扶桑社)も、機会があれば読んでみよう。
日没 (岩波現代文庫 文芸352) [ 桐野 夏生 ]価格: 990 円楽天で詳細を見る 『日没』(桐野夏生 岩波現代文庫 文芸352)を読了した。単行本は購入したが、文庫になったので購入した。この本はディストピア小説らしいが、いかにも岩波書店らしい、と観じてしまうのは私だけだろうか? 主人公はマッツ夢井という作家だが、療養所に収容されてしまう。それにしても「文化文芸倫理向上委員会」というのは、すごい名称だ。岩波現代文庫のラインナップにあるべき作品だろう。
同和のドン 上田藤兵衞 「人権」と「暴力」の戦後史 [ 伊藤 博敏 ]価格: 1980 円楽天で詳細を見る 『同和のドン 上田藤兵衛「人権」と「暴力」の戦後史』(伊藤博敏 講談社)を読了した。めちゃくちゃ面白い本なので、ぜひ読んでみてほしい。情報量も圧倒的だし、著者の取材力はすごい。上田藤兵衛は、部落解放同盟ではなく、自由同和会の人間だ。いわゆる「同和のドン」と呼ばれている。とはいえ、差別を解消しようとしているのは間違いなく、否定できないのではないか? もちろん同和利権の問題もある。同和問題について、嫌でも考えさせられてしまう。
ブラック支援 狙われるひきこもり (角川新書) [ 高橋 淳 ]価格: 1034 円楽天で詳細を見る 『ブラック支援 狙われるひきこもり』(高橋淳 角川新書)を読了した。「8050問題」は社会問題だが、やはり引き出し業者は利用しないほうが安全だ。あまりテレビ番組は、信用しないほうがいいのだろう。ひきこもり支援もビジネスなのだろう。ひきこもりは、かもとして狙われているのかもしれない。結局、資本主義社会ということなのか?
負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部 [ 山岸 忍 ]価格: 1870 円楽天で詳細を見る 『負けへんで! 東証一部上場企業社長 VS 地検特捜部』(山岸忍 文藝春秋)を読了した。やはり検察は恐ろしい。著者はプレサンスコーポレーションの創業者だが、そもそも東証一部上場の社長でないと、優秀な弁護団も結成できないし、地検特捜部に対抗できないだろう。一般人だと、免罪を晴らすことができないのではないか? この本を読むと、拘置所がつらいこともよく分かるだろう。当たり前だが、弁護士を信用することが大事だ。
被差別部落に生まれて 石川一雄が語る狭山事件 [ 黒川 みどり ]価格: 2750 円楽天で詳細を見る 『被差別部落に生まれて 石川一雄が語る狭山事件』(黒川みどり 岩波書店)を読了した。思わず3回も読んでしまった。私は狭山事件のことは、ほとんど知らなかった。マスコミは、表面的なことしか伝えていないと思う。石川一雄さん冤罪なのだが、32年も獄中生活を送ることになる。原因には部落差別があり、国家権力の恐ろしさを思い知らされる。抗うためには、やはり部落解放同盟、部落解放運動も必要なのだろう。著者の黒川みどりさんは、すごいと思う。
マルクスの名言力 パンチラインで読むマルクス入門 (犀の教室) [ 田上孝一 ]価格: 2090 円楽天で詳細を見る 『犀の教室 マルクスの名言力 パンチラインで読むマルクス入門』(田上孝一 晶文社)を読了した。マルクス入門として最適だろう。20節のマルクスの言葉が掲載されている。「9 哲学者たちは世界を様々に解釈してきただけだが、大切なのはそれを変えることである。『フォイエルバッハ・テーゼ』」(129ページ)は、あまりにも有名な言葉だが、やはり格好いい。『共産党宣言』、『資本論』、『経済学・哲学草稿』などの著作から、マルクスの名言が引用されており、解説されている。『99%のためのマルクス入門…
神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX [ 石田 衣良 ]価格: 1870 円楽天で詳細を見る 『池袋ウエストゲートパーク19 神の呪われた子』(石田衣良 文藝春秋)を読了した。「大塚ウヰスキーバブル」、「〈私生〉流出」、「フェイスタトゥーの男」、「神の呪われた子」が収録されている。表題作は、おそらく旧統一教会のいわゆる宗教2世の問題がモチーフなのだろう。相変わらず文体はスタイリッシュで、読みやすいのはよい。しかし単行本だと間が持たないので、コスパが悪いと感じてしまう。それでも石田衣良さんの作品で、「池袋ウエストゲートパーク」シリーズだけは、これからも読むのだろう。
「ひきこもり」の30年を振り返る (岩波ブックレット 1081) [ 石川 良子 ]価格: 792 円楽天で詳細を見る 『「ひきこもり」の30年を振り返る』岩波ブックレットNo.1081(石川良子・林恭子・齋藤環 岩波書店)を読了した。ひきこもりについてよくまとめてある。岩波ブックレットは薄いので、すぐに読めるだろう。個人的には、「第1章 「ひきこもり」の三〇年を振り返る」「1 「ひきこもり」史を振り返る 林恭子」(6ページ)が、マニアックでよかった。「不登校・「ひきこもり」の年表」も、30年を振り返ることができるので、役立つだろう。
私の夢はスイスで安楽死 [ くらんけ ]価格: 1540 円楽天で詳細を見る 『私の夢はスイスで安楽死 難病に侵された私が死に救いを求めた三十年』(くらんけ著 彩図社)を読了した。この本の著者・くらんけさんは、CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)だが、もし自分がくらんけさんだったら、どうするだろう? と、考えてしまう。個人的には、人間には死ぬ権利はあると思うし、安楽死は悪くないのではないか? 「父のことば」(172ページ)、「母のことば」(189ページ)は、涙なくしては読めないだろう。
甦る『資本論』 若者よ、マルクスを読もう 最終巻 [ 内田 樹 ]価格: 1980 円楽天で詳細を見る 「蘇る『資本論』 若者よ、マルクスを読もう 最終巻」(内田樹 石川康宏 かもがわ出版)を読了した。この本で、『若者よ、マルクスを読もう』は、最終巻だ。『若者よ、マルクスを読もう』(『若マル』)の1、2、3冊目と番外編も、読んでみようと思う。この本には、内田樹さんと石川康宏さんの往復書簡が収録されている。この本を読んで、『共産党宣言』、『資本論』などの本を、ぜひ読んでほしい。しかしマルクシアン、もしくはマルキストを名乗るのは、勇気がいる。
もっと悪い妻 [ 桐野 夏生 ]価格: 1760 円楽天で詳細を見る 『もっと悪い妻』(桐野夏生 文藝春秋)を読了した。この本には、「悪い妻」、「武蔵野線」、「みなしご」、「残念」、「オールドボーイズ」、「もっと悪い妻」、が収録されている。桐野さんのファンは、『OUT』、『柔らかな頬』などの、短編ではない作品が好きなのかもしれない。個人的には桐野さんの作品は、やはり長編が好きだ。ファンなら読んでみてもいいかもしれない。
六十一歳、免許をとって山暮らし [ 平野 恵理子 ]価格: 1870 円楽天で詳細を見る 『六十一歳、免許をとって山暮らし』(平野恵理子 亜紀書房)を読了した。『五十八歳、山の家で猫と暮らす』(平野恵理子 亜紀書房)の続編だ。平野さんはイラストレーター、エッセイストであり、山暮らししている。とうとう自動車運転免許を取得したようだ。イラストも素敵だし、エッセイも面白い。山暮らしに憧れる人は、読んでみたらいいと思う。リアルな山の暮らしが分かるだろう。
フーコーの〈哲学〉 真理の政治史へ [ 市田 良彦 ]価格: 5940 円楽天で詳細を見る 『フーコーの〈哲学〉 真理の政治史へ』(市田良彦 岩波書店)を読了した。フーコーに興味があり、挑戦してみたが、あまりにも難しすぎる……。難解すぎて、ほとんど理解できなかった。ミシェル・フーコーは、やっぱり入門書から読まねばならないのかもしれない。とりあえず『ミシェル・フーコー ―自己から脱け出すための哲学―』(慎改康之 岩波新書)を、読んでみようと思う。
「寝た子」はネットで起こされる!? ネット人権侵害と部落差別 [ 川口 泰司 ]価格: 1650 円楽天で詳細を見る 『寝た子はネットで起こされる!? ネット人権侵害と部落差別』(川口泰司 公益社団法人福岡県人権研究所)を読了した。この本を読めば、部落差別の実態を知ることができるだろう。インターネット上の差別について、考えさせられるのではないか? 部落差別解消推進法ができたが、インタ-ネットによる人権侵害はひどいものがある。やっぱり信頼できる本を読むことが大事なのだろう。
ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録 (集英社新書) [ 松原 文枝 ]価格: 1056 円楽天で詳細を見る 『ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録』(松原文枝 集英社新書)を読了した。どうしても「ハマのドン」藤木幸夫さんに、魅せられてしまう。人格の陶冶など、死語かもしれないが、藤木さんには人間的魅力があるし、読書家でもある。なぜカジノ阻止にこだわるのか? 菅官房長官との闘いなど、興味がある人はぜひ一読してほしい。「第三章 藤木幸夫とは何者か?」(117ページ)が、個人的には興味深かった。私はテレビ朝日で放送された「テレメンタリー」、「民教協スペシャル」は、視聴しておらず、ぜひ…
真珠とダイヤモンド 下 [ 桐野 夏生 ]価格: 1650 円楽天で詳細を見る 『真珠とダイヤモンド 下』(桐野夏生 毎日新聞出版)を読了した。「第三章 ドリーム」(5ページ)、「第四章 フェイク」(141ページ)、「エピローグ」(274ページ)という構成だ。望月、佳那、須藤、山鼻、水矢子などの登場人物は、バブルの時代を生き、人生を狂わされてしまう。「それがよか。証券会社は男の世界ばい。女の出る幕はなかとよ」(11ページ)、という浅尾瞳の言葉が印象的だ。この作品は、テレビドラマに向いているかもしれない。最近の桐野夏生さんの作品の中では、抜群に面白かった。
『「人口減少」社会とマルクス経済学』(友寄英隆 新日本出版社)を読了した。マルクス経済学に興味があり、読んだが、人口減少にはあまり関心がない。しかしどう考えても、人口が減少していく日本の未来は、暗いだろう。人口減少するのも悪くないかもしれない、と思っていたが、もしかしたら資本主義が終わるのかも……。しかし社会主義国にはならないだろう。この本は著者の力作だが、個人的にはテーマに、あまり興味が湧かなかった。日本共産党の中央委員には、さすがに優れた人がいるのだなあ……、と感心した。
資本論を読破する [ 鎌倉 孝夫 ]価格: 7700 円楽天で詳細を見る 『資本論を読破する』(鎌倉孝夫 佐藤優 文藝春秋)を読了した。やたら分厚い本で、驚いてしまう。本当に読めるのだろうか? と心配になるが、内容は思っているよりも平易だし、読みやすいと思う。文藝春秋が発行しているのは意外かもしれない。本体7000円+税は、やっぱり高いだろう。個人的には鎌倉孝夫先生が好きなので。『資本論』について勉強したい人はどうぞ。