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  • 筑紫で妻を亡くし、都に戻った大伴旅人が作った歌・・・巻第3-451~453

    訓読 >>> 451人もなき空しき家は草枕(くさまくら)旅にまさりて苦しくありけり 452妹として二人作りしわが山斎(しま)は木高く繁くなりにけるかも 453我妹子(わぎもこ)が植ゑし梅の木見るごとに心(こころ)咽(む)せつつ涙し流る 要旨 >>> 〈451〉妻のいない空しい我が家は、異郷筑紫にあった時より辛く苦しいものだ。 〈452〉大宰府から京にたどり着いた。亡くなった妻と二人で作り上げたわが家の庭は、木がずいぶん高くなってしまった。 〈453〉我が妻が、庭に植えた梅の木を見るたび、胸が一杯になって涙にむせんでしまう。 鑑賞 >>> 妻を亡くして帰京した作者が、わが家に帰り着いて作った歌。…

  • 宴席の歌(6)・・・巻第6-1024~1027

    訓読 >>> 1024長門(ながと)なる沖つ借島(かりしま)奥(おく)まへて我(あ)が思ふ君は千年(ちとせ)にもがも 1025奥(おく)まへて我(わ)れを思へる我(わ)が背子(せこ)は千年(ちとせ)五百年(いほとせ)ありこせぬかも 1026ももしきの大宮人(おほみやひと)は今日(けふ)もかも暇(いとま)をなみと里に行かずあらむ 1027橘(たちばな)の本(もと)に道(みち)踏(ふ)む八衢(やちまた)に物をぞ思ふ人に知らえず 要旨 >>> 〈1024〉私の任国、長門にある沖の借島のように、心奥深く思い慕っているあなた様は、千年先までご健勝であられますように。 〈1025〉心の奥深くに私を思ってい…

  • 筑紫で妻をなくした大伴旅人が帰京途上に作った歌・・・巻第3-446~450

    訓読 >>> 446吾妹子(わぎもこ)が見し鞆(とも)の浦のむろの木は常世(とこよ)にあれど見し人ぞなき 447鞆(とも)の浦の磯(いそ)のむろの木見むごとに相(あひ)見し妹(いも)は忘らえめやも 448磯(いそ)の上に根(ね)這(は)ふむろの木見し人をいづらと問はば語り告げむか 449妹と来(こ)し敏馬(みぬめ)の崎を還(かへ)るさに独りし見れば涙ぐましも 450行くさにはふたり我が見しこの崎をひとり過ぐれば心悲しも 要旨 >>> 〈446〉大宰府に赴任する時には、一緒に見た鞆の浦のむろの木は、そのままに変わらずあるけれど、このたび帰京しようとしてここを通る時には妻は今はもうこの世にいない。…

  • 大伴旅人の帰京時に大宰府の官人たちが作った歌・・・巻第4-568~571

    訓読 >>> 568み崎廻(さきみ)の荒磯(ありそ)に寄する五百重波(いほへなみ)立ちても居(ゐ)ても我(あ)が思へる君 569韓人(からひと)の衣(ころも)染(そ)むといふ紫(むらさき)の心に染(し)みて思ほゆるかも 570大和へに君が発(た)つ日の近づけば野に立つ鹿(しか)も響(とよ)めてぞ鳴く 571月夜(つくよ)よし川の音(おと)清(きよ)しいざここに行くも行かぬも遊びて行かむ 要旨 >>> 〈568〉岬をめぐる荒磯に幾重にも立って寄せてくる波のように、立っても座っても、いつも慕いする我が君です。 〈569〉韓国(からくに)の人が衣を染めるという染料の紫のごとく心に染みて、このお別れが…

  • 大伴旅人が亡き妻を恋い慕って作った歌・・・巻第3-438~440

    訓読 >>> 438愛(うつく)しき人のまきてし敷妙(しきたへ)のわが手枕(たまくら)をまく人あらめや 439帰るべく時はなりけり都にて誰(た)が手本(たもと)をか我が枕(まくら)かむ 440都なる荒れたる家にひとり寝(ね)ば旅にまさりて苦しかるべし 要旨 >>> 〈438〉愛しい妻が枕として寝た、私のこの腕を枕とする人など他にいようか。 〈439〉いよいよ都に帰る時になった。しかし、その都で誰の袖を枕にしたらよいのか。妻はもういない。 〈440〉都にある荒れ果てた我が家で一人寝をするなら、今の旅寝よりもっと苦しいだろう。 鑑賞 >>> 大伴旅人が筑紫に赴任して間もない神亀5年(728年)初夏…

  • 中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(16)・・・巻第15-3779~3781

    訓読 >>> 3779我(わ)が宿(やど)の花橘(はなたちばな)はいたづらに散りか過ぐらむ見る人なしに 3780恋ひ死なば恋ひも死ねとや霍公鳥(ほととぎす)物思(ものも)ふ時に来(き)鳴き響(とよ)むる 3781旅にして物思(ものも)ふ時に霍公鳥(ほととぎす)もとなな鳴きそ我(あ)が恋まさる 要旨 >>> 〈3779〉家の庭の花橘は、いたずらに散っていくままになっているのだろうか、誰も見る人もなく。 〈3780〉恋い死にしたいなら、そのまま死んでしまったらとでもいうのか、ホトトギスよ。物思いに沈んでいる時にやってきて鳴き立てるとは。 〈3781〉旅先にあって物思う時に、ホトトギスよ。わけもなく…

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