chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 一穂ミチ『ツミデミック』を読む

    一穂ミチ著『ツミデミック』(2023年11月30日光文社発行)を読んだ。光文社の内容紹介大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗は――「違う羽の鳥」調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると――「特別縁故者」渦中の人間の有様を描き取った、心震える全6話。第171回直木賞受賞作コロナ禍で壊れた日常の中で、市井の人々が犯した「罪」にまつわる6編の短編集。題名はパンデミックと罪を掛け合わせた著者の造語。「違う羽の...一穂ミチ『ツミデミック』を読む

  • 今野敏『夏空』を読む

    今野敏著『夏空東京湾臨海署安積班』(2024年3月18日角川春樹事務所発行)を読んだ。「角川春樹事務所」の内容紹介外国人同士がもめているという通報があり現場に駆けつけると、複数の外国人が罵声を上げて揉み合っていた。ナイフで相手を刺して怪我を負わせた一人を確保し、送検するも、彼らの対立はこれでは終わらなかった……。(「略奪」より)高齢者の運転トラブル、半グレの取り締まり、悪質なクレーマー……守るべき正義とは何か。揺るぎない眼差しで安積は事件を解決に導いていく――。ドラマ化もされた大ロングセラー「安積班」シリーズ熱望の最新刊!おなじみの安積班メンバーに加え、国際犯罪対策課、水上安全課、盗犯係、暴力犯係など、ここでしか味わえない警察官たちのそれぞれの矜持が光る短編集。「東京湾臨海署安積班」シリーズに属する10編...今野敏『夏空』を読む

  • 「吉田はるみを育てる会」による国会議事堂見学

    先進国にはるかに引き離され、国民一人当たりGNPでは韓国にも抜かれ、この先に希望が持てない国、日本にした自民党に退陣してもらわなくてはと、まずは立憲民主党の「吉田はるみを育てる会」に寄付した私。お誘いのメールを受けて、8月22日、吉田はるみ事務所による「国会見学ツアー」に参加した。約20名ほどの参加者が集まった。2時間以上のツアーには最初から最後まで秘書の方と一緒に吉田はるみさんも付きっ切りだった。衆議院議員も楽な商売ではない。吉田はるみさんは、1972年元旦、山形県の八百屋の長女として生まれた。立教大学卒業、英国立バーミンガム大学大学院にて経営学修士号(MBA)取得し、投資・証券会社の会社員として、東京・シンガポール・ロンドンで働き、2021年衆議院議員選挙(東京都第8区)で初当選した若手だが、(公式ホ...「吉田はるみを育てる会」による国会議事堂見学

  • 7月(1)の散歩

    エクスプローラで少々前のフォルダーを見ていたら、アップし忘れていた「7月(1)の散歩」を発見。一か月遅れて登場。ヒマワリって、中心の部分が黒いのと、茶色のがあると思ったら、角度を変えて写真を撮ると、黒色が茶色になった。「ぺチュニア」だと思ったが、GoogleLenseにお伺いをたてたら、「サフィニア」との御判定。「サフィニア」はペチュニア属の園芸品種で、サントリーフラワーズの登録商標だという。そういえば、2004年にサントリーフラワーズが「青いバラ」を作り出したとのニュースがあった。ノウゼンカズラピンクのサルスベリ(百日紅)近づいて撮ると、黄色いメシベらしきものが。白いサルスベリこちらは「シマサルスベリ」との御判定。沖縄で「島百日紅」と言うらしい。ムクゲムクゲとフヨウを比べると、花の大きさは同じくらいだが...7月(1)の散歩

  • 新川帆立『帆立の詫び状 てんやわんや編』を読む

    新川帆立著『帆立の詫び状てんやわんや編』(幻冬舎文庫し50-1、2024年2月10日幻冬舎発行)を読んだ。裏表紙の作品紹介デビュー作『元彼の遺言状』が大ヒットし、依頼が殺到した新人作家はアメリカに逃亡。ディズニーワールドで歓声をあげ、シュラスコに舌鼓を打ち、ナイアガラの滝で日本メーカーのマスカラの強度を再確認。さらに読みたい本も手に入れたいバッグも、沢山あって。締め切りを破っては遊び、遊んでは詫びる日日に編集者も思わず破顔の赤裸々エッセイ。新川帆立のエッセイ集。なんで詫び状かというと、締め切りを破りまくっていながら、エッセイを理由に遊び回っているから。エッセイの達人向田邦子の『父の詫び状』は、暴君の父親の事情を描いた切ない話だが、帆立さんの詫び状は、才能溢れ、おじさんの鼻の下を延ばさせる可愛げな女の子がア...新川帆立『帆立の詫び状てんやわんや編』を読む

  • 森絵都『できない相談』

    森絵都著『できない相談』(ちくま文庫も29-1、2023年3月10日筑摩書房発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。夫の部屋の掃除はしない。マッサージ店で指名をしない。“ワンちゃん”呼びはしたくない。バリウム検査で作法を貫く。結婚指輪はどこかに消えた。くだらないような気もするし、ちいさい事とわかってもいる。「だけどコレだけは譲れない」、そんな何かが誰にもきっと一つはあるはず――。こだわりを許して生きていくのは、なかなか案外悪くなさそう。38篇の物語に文庫版限定の2篇を追加収録!212頁で40篇、1篇平均約5頁の掌篇小説集。というより私には、星新一のひねりの効いたショートショートを思い出させる。「webちくま」で2016年から3年にわたって、レジスタンスをテーマに、原稿用紙5枚の短篇を書き続けた。一冊の本『でき...森絵都『できない相談』

  • 久しぶりに池袋へ

    小学生ではたまに、中学生では時々、代々木上原から代々木八幡駅まで歩き、100円バスで渋谷へ出て、ガード下の蛇屋(健康食品店?)や、宮益坂の切手屋を覗いたり、フラフラしていた。高校からは新宿が取って代わった。かっての我がお出かけ処の一位は渋谷で、次に新宿だった。しかし、品のない所との偏見があった池袋にはめったに足を向けなかった。池袋に、おそらく20年ぶり位久しぶりに出かけた。丸物百貨店が消えて、西武池袋本店があやしくなって、残った東武百貨店に向かい、腹ごしらえ。池袋駅から東武へは、同じ建物内でさすがに迷わず到達。東武百貨店7階の我家の墓参りでお馴染みの「永坂更科布屋太兵衛」へ。写真は「永坂更科」のHPより借用店内はけして広くないが、各席が仕切りで分かれているので、隣を気にすることもない。声高で話す人がいたの...久しぶりに池袋へ

  • 城アラキ『妻への十悔』を読む

    城アラキ著『妻への十悔あなたという時間を失った僕の、最後のラブレター』(2024年5月10日ブックマン社発行)を読んだ。ブックマン社の内容紹介淳子さん――。僕があなたを失って14年が経った。あの日、あなたに言われて約束したよね。「無理心中なんて嫌だからね。後追い自殺もダメ」。僕はまだ、生きている。あなたを失った時間を――。……『バーテンダー』など数々のヒット作を生み出した漫画原作家の城アラキは、最愛の妻から突然の余命宣告を受ける。混乱して子供のように泣き出す夫と、どこまでも冷静な妻。「ふたりだけのことだから、最後までふたりだけで生きたい」妻の願いにより、残された数か月をほぼふたりきりで過ごす夫婦。共に過ごした30年間の、更に濃密な3か月間。愛して、愛して、愛した妻の、最期の言葉――。「淳子さんの心の本当の...城アラキ『妻への十悔』を読む

  • 岸惠子『岸惠子自伝』を読む

    岸惠子著『岸惠子自伝卵を割らなければ、オムレツは食べられない』(2021年5月1日岩波書店発行)を読んだ。表紙裏にはこうある。戦争体験、女優デビュー、人気絶頂期の国際結婚、医師・映画監督である夫イヴ・シャンピと過ごした日々、娘デルフィーヌの逞(たくま)しい成長への歓びと哀しみ……。その馥郁(ふくいく)たる人生を、川端康成、市川崑ら文化人・映画人たちとの交流や、中東・アフリカで敢行した苛酷な取材経験なども織り交ぜ、綴る。円熟の筆が紡ぎ出す芳醇な自伝横浜での少女時代/映画女優/イヴ・シャンピと結婚/離婚し国際ジャーナリストに/孤独を生きるの五部構成。各部の最初は美しい岸さんの写真で、中にも思い出の写真が挿入されている。12歳で横浜空襲に遭い、大人の言うことを聴かず横穴防空壕から飛び出して一人だけ生き残った。「...岸惠子『岸惠子自伝』を読む

  • 恥ずかしながらゴッホが好き

    絵といえばベタで申し訳ないが印象派の系譜が好きだ。マチスの「ダンス」も、長谷川等伯の「松林図屏風」も凄みを感じる好きな絵だが、すなおに良いなと思えるのは、難解でなく、ひどく通俗的でもなく、それぞれ個性的な印象派の人々の絵だ。印象派に先立つマネ、特に後期のマネは、何気なく置いたかに見えるタッチの絵具跡が人の姿に見えたりする。簡単に見える練達の筆使いで、巧みさにほれぼれしてしまう。ピサロの絵も広い空と爽やかな風景が広がり、部屋に飾った写真もあきがこない。しかし、誰が一番好きかと聞かれれば、その印象派の影響を強く受けたゴッホと言わざるを得ない。あの絵具をそのままキャンバスに絞り出したようなうねるタッチ、叫んでいるような激しい色使い。そして、生前一枚しか絵が売れず、貧困と絶望の中で精神を病んで自死した生涯も心を搔...恥ずかしながらゴッホが好き

  • 森絵都『みかづき』を読む

    森絵都著『みかづき』(集英社文庫も27-4、2018年11月25日集英社発行)裏表紙にはこうある。昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、急速に塾は成長していくが……。本屋大賞で2位となり、中央公論文芸賞を受賞した心揺さぶる大河小説、ついに文庫化。集英社文芸ステーションの特集が詳しい。文庫本だが600頁を越える大部。本屋大賞2位の力作。戦後すぐから現代まで、塾経営に関わる親子三世代の物語。時代が移り変わって行く中で、学習塾・千葉進塾の変わっていく姿と、吾郎、千明、蘭、一郎と大島家の3代の民間教育へ...森絵都『みかづき』を読む

  • 夫婦の会話

    オリンピックの男子ブレイキンを見ていて、私が、「あんなダラダラした服を着て、手足クネクネさせて、カッコいいって、ホンとかよ?」「俺もヘラヘラした服にして、クネクネ歩いたら、モテるかな?」って、呟いたら、相方が「いつもそうしてるじゃない」「え!ウソ!」夫婦の会話

  • 8月(1)の散歩

    公園にある、猿は滑らずに登るらしいが、サルスベリ。百日紅の名の通り、長く咲く。典型的な赤色だが、小さく黄色も見える。ピンクも鮮やかだ。白もある(白花百日紅)。ツブラジイ(円椎)。スダジイと合わせて、一般にシイノキと呼ばれる。実(み)は、あく抜きしないで、そのまま炒って、香ばしく食べることができるらしい。私はヒマジイ。「家にあれば笥(け)に盛る飯(いい)を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」(万葉集・有間皇子)ムクゲ。ムダ毛ではありません。カシワバアジサイかと思ったが、葉が違う。ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)らしい。アガパンサスの咲き終わったあと。別の場所だが、6月中旬には花盛りだった。「天使の羽」という素敵な名前。市場に出て2年ほどだという。白いうぶ毛をまとった葉が繊細そう。例によって、ボヤボヤの富士山(7月...8月(1)の散歩

  • 喫茶「ゆりあぺむぺる」でランチ

    吉祥寺駅南口から徒歩2分の場所にあるカフェ「ゆりあぺむぺる」(Instagram)へ入った。武蔵野市南町1-1-6。店名は、宮沢賢治の詩に登場する「ユリア」と「ペムペル」という登場人物に由来している。1976年創業で、鎌倉にも店がある。やけにクラシックと言うより、古くさい店だなと思って入ることがなかったが、もうどこでもいいから一休みしたいということで、緊急避難。入ると、暗くて足元が不安。床が何やらわざと凸凹していて、おまけに途中で段差がある。暗い中良く見ると壁も古い煉瓦で、天井には太い木のはりが。今時、食器棚には整頓された古めかしいカップ。スピーカーやレジなどもかなりな時代物。アールヌーボーだというレトロなランプがやさしくというか薄暗く灯り、クラシカルなレトロな別世界で、非日常空間。人によってはおしゃれな...喫茶「ゆりあぺむぺる」でランチ

  • 森絵都『獣の夜』を読む

    森絵都著『獣の夜』(2023年7月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。朝日新聞出版の紹介原因不明の歯痛に悩む私が訪れた不思議な歯医者(『太陽』)。女ともだちをサプライズパーティに連れ出す予定が……(『獣の夜』)。短編の名手である著者が、日常がぐらりと揺らぐ瞬間を、ときにつややかにときにユーモラスにつづった傑作短編集。3年7カ月ぶりの森絵都の新刊、短篇7編。出展・初出は、2016年~2022年の様々な異なるメディア。私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき、最大は五つ星)著者が短篇の名手だとは知らなかった。一筋縄ではいかず、スリリングな展開にドキドキし、最後に驚かされてしまう。ふとしたことで、自分の心の中を覗き込むことになる話が多いかな。何か不思議な雰囲気で、切ない話が多いが、しみじみとした後で、なぜか...森絵都『獣の夜』を読む

  • 森絵都『カラフル』を読む

    森絵都著『カラフル』(2011年11月11日講談社発行)を読んだ。クレヨンハウスの内容紹介死んで魂になったぼくは天使業界の抽選に当たり、自殺した少年の人生をやり直すチャンスをもらう。しかし、平穏に見えた新しい人生は、最悪なことばかり。デビュー20周年、新しくて、温かい、もう一度読み返したい作品。ヤングアダルト小説の代表作。一度死んだ「ぼく」は、天使のプラプラに「おめでとうございます、抽選にあたりました!」と言われる。自分でも何か覚えていないのだが「前世の過ちを償う」ために下界で誰かの体に乗り移って過ごす「ホームステイの修行」を行うことになる。「ぼく」の魂は「小林真」という中学3年生の少年に乗り移り、修行が始まった。小林真は自殺し、死亡宣告された直後に生き返り、家族は驚喜する。しかし、天使からは、父親は会社...森絵都『カラフル』を読む

  • 森絵都の略歴と既読本リスト

    森絵都の略歴と既読本リスト森絵都(もり・えと)1968年、東京生まれ。女性。日本児童教育専門学校卒業後、アニメーションのシナリオ作成。早稲田大学第二文学部卒。1990年、『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。翌年椋鳩十児童文学賞受賞。その後も数々の作品で多数の児童・ヤングアダルトの文学賞を受賞している。1999年『カラフル』は産経児童出版文化賞受賞、映画化2003年『DIVE!!』小学館児童出版文化賞受賞、映画化2006年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞受賞2017年『みかづき』で中央公論文芸賞受賞。他に『にんきものの本』シリーズ、『おどるカツオブシ』、『永遠の出口』、『いつかパラソルの下で』、『ラン』、『この女』、『架空の球を追う』、『獣の夜』など。アンソロジーに、『チーズと塩と豆と...森絵都の略歴と既読本リスト

  • 森絵都『風に舞いあがるビニールシート』を読む

    森絵都著『風に舞いあがるビニールシート』(文集文庫も20-3、2009年4月10日文藝春秋発行)を読んだ。文藝春秋BOOKSでの担当編集者より才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり……。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。解説・藤田香織また、第6話の表題作は、2009年、NHKの土曜ドラマで5回に渡り放送された。初出:「別冊文藝春秋」2005年3月号~2006年1月号(一部改題)。単行本:2006年5月文藝春秋刊「器を探して」:最後が意外で、恐ろしい。「犬の散歩」:恵利子と義母が二人して競い合うように...森絵都『風に舞いあがるビニールシート』を読む

  • 7月(2)の散歩

    玄関脇の鉢植えはツバキ(椿)。ツバキの実はツヤツヤトキワサンザシ(常盤山査子)、別名ピラカンサがずらりと並ぶこちらのお宅の塀近づくと、すでに実が満載キンカン(金柑)。皮ごと食べられるが、正月のおせち料理の定番の甘露煮が最高。近づくとパラパラと白い花が咲き、既にキンカンの実もチラホラ。ユリまで顔を出している。あなたは、ミモザなの?それともシンボリツリー?今、流行りのリュウゼツランではないことは私にも分かるが。秋アジサイの花というより、枯れ尾花最期にようやく、花一輪登場。GoogleLens曰く、モミジアオイ(紅葉葵)。花弁が離れているので、フヨウではないらしい。7月(2)の散歩

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、冷水俊頼さんをフォローしませんか?

ハンドル名
冷水俊頼さん
ブログタイトル
hiyamizu72
フォロー
hiyamizu72

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用